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2002年04月01日(月) 旧暦 [n年日記]

四月バカ一代

 いろいろエイプリルフールネタが出回ってたけど、一番笑ったのは、 コレ でしたわ。微妙にイヤンな絵。
 土日の花見のときに、M瀬くんとなにかタフな話をしたような気がするが、ほとんどおぼえてないや。酔った勢いでわりと調子の良いことを言ってしまった気がするけど……悪いことは言ってない気がするのでいいか。(怖いなぁ) まあ、所詮はどこの世界も、あとは勇気だけだ! ってことで。
 学会中に「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」(アーサー王の聖杯探求譚をパロった低予算ムービー。豪華映像特典多数。満員御礼。熱烈歓迎。買え)がお店に届いたというので行ってみたら、お店が棚卸でお休み。ギャフン。わ〜し〜の〜ホ〜リ〜グレイル〜
  龍騎 は、なんか鬱々とした展開になりそうな予感。アギトのときのように誤解で戦いになったり、それぞれのモチベーションがはっきり見えてるわけでないので暗い展開を予想させるが、「自称正義同士の戦い」というテーマには合ってるのだろう。その意味では楽しみである。でも、正義同士の戦いも空しいのだけど、正義がないというのはもっと空しい。各地の地域紛争で、当事者たちは「昨日まで自分を殺そうとしていた相手と手を取り合えといわれても無理だ」という。それはそうかもしれない。しかし、それでは永遠に殺し合いを続けるほかなくなってしまう。相手を殲滅するなど、不可能なのだ。大事なのは、許容と理解。きっとそう。
 デジモンテイマーズは、ラス1。最終決戦に挑む子供たち。「大人としての義務」を果すため、息子にも内緒でテリアモンに「あるしかけ」をほどこし、自分の罪深さに苦悩するジェンリャの父。樹里を救出しようとするも、ならず、リタイヤして途中退場していくインプモン。友情・努力・勝利、ではない世界。しかし、なにかをなすことを忘れてはいけないし、大人は、たとえ子供に恨まれることになっても、子供たちを導くことを放棄することはできない。インプモンの叫びは樹里には届かなかったが、しかし、アイ・マコの姉弟との心の絆の証拠であるデジヴァイスが救済のようにあらわれる。子供にとってはすっきりしないだろう。でも、少し背伸びの内容かもしれないが、少しだけ大人向けの寓話はなにかを残すかもしれない。それも次回で終わり。楽しみのような、不安のような。
 同じ 小中 脚本の「カスミン」。こちらもある意味お約束だが、悪くはない。こういうのをやらせれば上手いのにねえ……
 GA、七人のナナ、は、まだ見てない。一応、最終話ってことでおねてぃも録画してあるけど、話をあちこちから聞く限りは、個人的にはものすごくどうでもいい最終回の気がする。そもそも、個々の描写レベルはともかく、構成が話になってないから視聴を止めたんだし。なんにしても見てからだなぁ。
 あ、給料日は17日なので、たかる場合はそれ以降にしてね。>関係者各位


2002年04月02日(火) 旧暦 [n年日記]

モンティパイソン全仕事

 「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」DVD入手。嬉しい。でも、しばらく見る余裕があるかわからない。悲しい。
 これに特典としてついてた「モンティパイソン全作品」というブックレットがすごい。本当に、ほとんどすべての仕事が網羅されてる。いや、正直、私の知らないものはあっても、知ってるものがないということはない。すさまじきかな、パイソンズ。すばらしきかな、パイソンズ。
 未消化の「七人のナナ」、「おねてぃ」を見る。ナナは前回までわりと作画が崩れたせいで心配だったが、今回はわりと持ち直している。良かった。内容的にも及第点。本当に面白いものは、ただ「面白い」と言えばいいと言う人がいるが、その通りだと思うので、これ以上は下手に語らぬがよし。
 おねてぃ最終回。途中経過を見ずに最後だけでものを語るのは卑怯なのだけど、でも、やはり見ないでも良かったなぁというのが正直なところ。一つには、個々のシチュエーションを立てることのみに注力して物語る努力をしてないという欠点がまったく改善されてないこと。別に、そういうのが好きという需要もあるので、それは構わない。私の需要ではないが。二つ目には、寓話になっていないということ。寓話というのはたとえ話である。正確には訓話をなぞらえたものなのだろうが、私としては、現実の問題に相対した時に則したストレスを脳に与えるものだと思う。しかし、黒田洋介はそれが出来ない。悪く言ってるのではない。サービス精神ゆえか、どうしてもサービスを入れてしまう。それを作品が望んでいるかはともかく。だから、結局そこで作品の持つストレスは解消されてしまい、寓話たりえない。「リヴァイアス」ですらそうだったんだもの。プロとしては、たいしたものだろう。作家として好きかどうかは別にして。だから、これは根本的に黒田氏の方向性と相容れなかったのだ。そう考えざるをえない。もっと端的に言えば「私の基準ではあからさまな失敗作」なのだけど、別に憎んだり嫌ったりしてるわけでもない。どうでもいい。
 アクエリアンエイジ。高千穂遙氏の感想であった通り、セリフに頼りすぎである。第一話で見せた演出のセンスが感じられないのは残念。しかし、物語のカタルシスに必要なパーツは一応揃っており、かろうじて寓話たりえてる。その意味ではそんなに悪くない。
 今、ちょっとだけ「ホーリーグレイル」見たけど、これはすごすぎ! モンティ・パイソンファンなら絶対に買わねば末代までの恥。とにかく見てみる。すごいから。(でも明日は結構早いから、続きはお預け。ううT_T)
P.S.ハリーポッターでジョン・クリーズがクレジットされてたけど、どこに出てたかわからなかった。が、上の『モンティパイソン全作品』でようやく「ほとんど首なし」公の幽霊だとわかった。あ〜、アホっぽい貴族とか金持ちやらせたら右に出るものいないわ。
P.S.2 すいません。確かにカスミンの最新二部作は吉田玲子さんでしたわ。メインライターが 小中 さんだと勘違いしてた。
P.S.3 誘拐犯の人はただの人間。ワイルド・ボーダー(モンスター)にたまたま襲われただけ。それと、マグナ・グガでなくマグナ・ギガ。


2002年04月03日(水) 旧暦 [n年日記]

花見小隊設立

 実験中、修士課程のK田君と「ウチの研究室って、花見とかやらないねえ」という話をする。いや、もう花なんて散ってるって、と突っ込むものの、なにも季節のイベントがないというのはあまりにも寂しい。誘えば喜んで参加する人は多そうである。じゃ、今週末か来週末にやる? とかなり勢いで花見の開催が決定。飲みの参加強制は良くないけど、人間社会に潤滑油ってのは必要よね〜。ずいぶんアルコール度数の高い潤滑油だけど。
 ちょいと秘密な入手経路で、「デジモンテイマーズ」最終回を入手。作画的にきびしいところや、サクヤモンが美人に描けてねえ! とか、語り足らずで舌ったらずなところはあるのだけど、それでも良かった、と言っておこう。別れ、もしくはなんらかの痛みを乗りこえてこその犬と少年ものである。それがきっちり描けていた。子供たちとデジモンを別れさせる結果になるとわかっていて、あえてその方法を選択せざるをえなかった大人たちも良い。テイマーズのテーマがわからないってヤツは(好きか嫌いか、評価が高いか低いかは別として)ものが見えてないんじゃないかと言いたい。と言っても、私がベタ褒めしてるのは好みだからという以上の意味では、あまりないけど。
 ゆうべ、ハッピーレッスンをやっていたのでなんとなく見てしまう。なんだ、OVAの一話じゃん。一話のみOVAと同じで、後は完全に別か。なんか、変な戦略だなぁ。
 三月末までどうしようもなく鬱だったのに、四月に入ったとたん、躁転する現金な性格。しかも、反動のせいか躁状態がかなりひどい(多分、わからん人には酷い躁ってのがどういうことか分からないと思うけど)。せいぜい自重しないと。
  NHKの「人間講座」において、京大霊長類研の松沢先生が出ていた 。一回目の内容を見る限り、一年前の学会で聞いた公演と同じ筋立てのようだ。この先生はチンパンジーにかなり思い入れを持っていて、サル呼ばわりすると「チン・パン・ジー」(音節でちゃんと区切る)と訂正する、なかなか愉快な先生。多分、次回以降もなかなか面白い話が聞けると思う。
 大須の グッドウィル に、かの有名な生首ゲー Tomak が山積み。男気と洒落心は買うけど、ねえ……
 いろいろと消化しないといけないものがあるなぁ……頑張らないと。


2002年04月04日(木) 旧暦 [n年日記]

ゴルゴムの仕業か!?

  阪神開幕5連勝ミスタールーキー (flashあり)のプロモーションでなければ、ゴルゴムの仕業(阪神優勝→大阪人狂喜乱舞→大阪大暴動)以外にありえない、そうにちがいない(失敬なやっちゃな)
 今日、研究室に行く途中で交通事故。出会い頭の事故で、こっちの身体はなんともなかったのだけど、自転車が目の前で車の前輪に「つぶされる」光景はなかなかショック。悲しいとか苦しいでなく、単純にショック。実はワタクシ、過去に都合三回、似たような事故を起こしている。ニ回は被害者、一回は加害者である。今回は一応被害者。しかし、違ったのは今回は相手が恐縮してびびりまくってしまっていた事だった。過去三回のうち、被害者側一回、加害者側一回でそれぞれヤンキー上がりと当たっている。今は昔ほど「ヤンキーは頭が悪い」という先入観を持ってるわけではないが、彼らの流儀はわかっているつもりだ。こういう場合、とにかく押しで来る。欲の皮とか以前に、彼らのイメージする男らしさが原因だろうが、自分に非があろうがなかろうが、負けまいとする。相手があからさまに強い場合にはともかく、勝ち目がありそうな相手ならなおさらだ。だから時々理屈が無茶苦茶になる。その結果、一回は負け、もう一回は勝ちを収めてる。勝ち負けってのは変だが、多分、彼らの流儀で言えば、そうなる。過去三回のうちの残り一回は高校時代の話で親が出たので、こちらは矢面には立たなかった。で、今回、そういう相手でない相手と初めてかちあったのだ。ヤンキーの押し相手には、とにかく、「簡単に無条件に非を認めない」「事実を確認するまで、軽はずみに返事を決めない」「(向うはこっちがびびって混乱して余裕がないうちにたたみかけようとするので)落ち着いて、長期戦で挑む」など、対応がだいたいわかって来たのだけど、今回のような場合には却って困ってしまった。いや、毎度ゴネ慣れてる相手と事故起こすのも困るんだけど。で、警察に届け出た後、落ち着いて話し合って(っつっても向うは混乱しっぱなしなんだけど)、ひとまず示談。身体のほうに影響が出てきたら、それはそれで別に話し合わなきゃいけないけど、本当にどこもぶったりしてないので影響の出ようはない。と言っても、先方が混乱しっぱなしだったから、向こうが落ち着いて今回の示談に異論を唱えてきたら、理性的に対応するつもり。相手の弱みにつけこむみたいな示談のし方は、こっちも本意ではない。
 ゆうべ、「 .hack//sign (要flash)」を見る。この手のネタはわりとありがちで、ゆえに陳腐でわかりにくくなりがちなのだけど、それをわりとうまくこなしている印象。脚本が平成ガメラシリーズなどの伊藤和典氏だった。作画レベル(私の場合は、単純に演出とか構図を含めない作画のこと)が第一話のわりにはそんなに高くなかった気がする。構図的に面白いところは多かったので、どうなるか、期待半分不安半分で見守りたい。
 今期はなにげに粒が揃ってるかも。
 今日は事故関連で早目に研究室を退けたので、ちょっと余裕有り。モンティパイソンを見よう。


2002年04月05日(金) 旧暦 [n年日記]

導きの星

 学会期間中に小川一水氏の「導きの星」を読了。うん、小川氏の本の中では一番好きかもしれない。いろいろ元ネタが見えるのだけど、上手いこと流用してるなぁ、という感じもある。微妙に萌え路線を意識しながらも萌えにはできてないところとかもいい。ただ、全般的に「シム××」みたいな感じがしてしまうのはいたしかたないところだろうか。歴史好きとしては、ちょっと人類文化史としては不満が残るところはある。ちょびっとだけ。
 昨日は「事故って自転車全損になっちゃったんですよ〜」とヘラヘラしながら話したら心配を通り越して怒られました。(^^; いや、だから別にからだはどこもぶつけてないんだってば。
 テレビでスピード2をやっている。スピード感0なのにスピード2とはこれいかに? 教えてヤン・デ・ボン!
 今日は、なにげに昨日の事故のぶりかえしか、昼頃すこぶる調子が悪かった。風邪気味でもあるっぽい。大須を回らねばならない用事があったのだけど、ふらふらしながら回っていた。 グッドウィル 新情報百貨店に行くと、階段で団子になって話し込んでる奴らが鬱陶しくてしょうがない。何度どなりつけようと思ったか。階段を上り下りするだけでもしんどい体調だったのだ。ホントにむかついた。
 空腹でもあったので、なんか店舗を移設したらしい 銀だこ へ行く。やっぱりたこ焼きは経木にかぎりますよねえ。とか言いつつ初体験。確かに外はカリッ、中はトロ、としていてうまいのだけど、近所のたこ咲のほうが個人的には好き。でもおいしいのはたしか。新店舗開店記念なのか、粗品にマグカップを貰った。研究室で使おう。
 自転車が壊れているので、移動は地下鉄である。私が住んでるのは植田なのだけど、その二つ手前の八事(七事じゃないよ)で停車時間がやけに長引いた。乗客が「なにかあったのかな」と口にし始めたところで、ようやく車両が動き出す、が、動き出してすぐに急ブレーキ。また止まる。なにごとだ? と思ったところに「ただ今、飛び込みがありました……」のアナウンス。ちとびっくり。東京中央線辺りはその手のは多いらしいけど、名古屋で出くわしたことはついぞない。どうなってるんだ、轢いちゃったのか? と思っていたら、まもなく再運転開始。どうやら、轢く前に止まったらしくちょっと安心。と、思ったら、前の席に座ってる若いサラリーマンの様子がちょっとおかしい。もしや……と思ったら、急に席を立って車両のすみっこへ行って……やってしまいました。顔色があんまり変わってなかったから、気分が悪そうに見えなかったのだよなぁ。地下鉄に乗ってこんなことが連続で起こるなんて、流石にはじめて。うーん。
  ちっちゃな雪使いシュガー の最終回を見る。前回の「ミューレンブルグの小さな奇跡」がちとご都合主義的に感じていた部分があったのだが、それすらも踏まえての最終回。第一話冒頭に出ていた空飛ぶピアノと季節使いらしい妖精のイメージが明かされる。その季節使いは、明らかにされてはいないが、やはりシュガーの母だろう。明かすべきところを明かし、そうでないところは想像に任せる。エピローグではそれまでの登場人物総登場だが、日常の風景に溶け込みすぎていやらしさや違和感はない。そして、最期にOPナレーションと同じセリフで締め。上手すぎる。本当に上手いとしか言いようがない。本当に褒めるしかないってものはあるものなんだな。
 ギャラクシーエンジェルも最終回。まあ、こんなんかな。第一期の最終回のほうが個人的には良かったと思うが。でも「でも、今回で最終回ですよ?」は健在。第三期もそれで締めじゃないだろうな?


2002年04月06日() 旧暦 [n年日記]

モンティ・パイソンと聖なる杯

 ひとまず「モンティ・パイソン・アンド・ホーリーグレイル」を見終わる。イイ! ヒジョーにイイ! テリー・ギリアムの未使用素材を用いたというメニュー画面からずぅぅぅぅぅっとパイソンである。音声もオリジナルと5.1ch音声、日本語吹き替えだけでなく、テリー・ギリアム&ジョーンズによる解説、その他出演者(ただし故人のチャップマンを除く)の解説が入る。字幕も各字幕に加えて「本作が嫌いな人の為のヘンリー四世第二部」も入っている。映像特典も実に豪華で、撮影当時のドキュメント、25年経ってジョーンズとエリックがかつてのロケ現場を回るドキュメント番組、レゴによる「キャメロット城シーンの再現」、世にもめずらしい「日本語吹き替えの英語字幕」(どうやら日本版モンティパイソンの吹き替えの妙は海外でも評価されていたらしく、何故か海外版「ホーリーグレイル」にも日本語吹き替えが入っていた)、食料省情報部門による正しいココナッツの使い方、当時の予告編が含まれている。いや、好きでない人にはたぶんとことんどうでもいい話なんだけど。特典の中に、当時の映画評(ボロクソに書かれてる)が含まれてるのもとてもらしい。不必要にサービス満点で、いや、もうおなかいっぱい。
 一部の方にはご心配をおかけしたみたいですが、先日の事故のことは身体のほうも大丈夫で、全損になってしまった自転車も、相手との話し合いで全額補償していただくと言うことで話がついて、先方の保険会社と週明けに連絡を取る予定です。心配して戴いてありがとうございます。
 岐阜の各務ヶ原付近の森林で、大規模な火災があったとのこと。自衛隊まで出動要請が出たらしい。近辺の住民の皆様に、お見舞い申し上げます。
 ついでに阪神七連勝。ほんとに一体どうしたんだ?
 明日は「指輪物語」と「強襲部隊」を鑑賞に行く予定。どっちも楽しみ。


2002年04月07日() 旧暦 [n年日記]

ひとつの指輪は全てを統べる

 ってワケで「 指輪物語 」と「 ブラックホーク・ダウン 」を見てくる。指輪が三時間ってのは知ってたけど、BHDも二時間半ってのは知らなかった。ひさびさにわりとつかれた。
 「指輪物語」、監督のピーター・ジャクソンって聞いたことあるなぁと思ったら、一部で有名な悪趣味バカホラー映画「ブレイン・デッド」の監督かぁ。見てないけど。いや、スプラッタは苦手だもの。
 感想。実にいい感じで映像化してるのではないんでしょうか? 知ってる人は少ないけど、昔、アニメ版の指輪物語ってのがあって、それはさらに無茶苦茶短くしてあるのだけど、正直三時間でも原作をフォローするには全然足りない。わりと豪快な力技も使ってるが、娯楽として考えると悪くはない。なにせ、原作、途中まで無茶苦茶退屈なんである。まず、旅立つまでが長い。旅立ってから、事件らしい事件が起こるまでが長い。なんやかやで長い。しかし、映画では「なんとなく」になっているひとつひとつの選択には、すべてそこに至るまでの経緯があり、それが丁寧に追われている。必ずしも見る必要はないのだが、原作を読んでおいたほうが腑に落ちることが多いはずである。話としては、原作の一部よりボロミアの葛藤が描かれている。細かいことは書かないけど。あと、最後のシーン、 サムは水が嫌いで船に乗るにもすごい反発をする ということを知ってると、より泣けます。パンフを見ると、二部からオリジナル要素が強くなるそうで、楽しみ半分。あと、スティンガーだけは是非「つらぬき丸」のままで行って欲しかった。2.5点。
 「ブラックホーク・ダウン」。原作のことも書いたし、あらすじはパス。大筋は原作に沿っている。映像も激しい戦闘が実際にどのようなものだったのかをうかがわせる戦闘描写が全編にわたり繰り広げられる。その描写に容赦はない。が、ひとつ不満なことがある。戦闘描写はタフなのだが、その背景となる情勢の描写はとたんに娯楽戦争映画のそれになってしまっているのだ。それはいたしかたない面はあるが、しかしソマリア側の事情が大きく削られているせいで、戦争賞賛的な内容に見られかねない。たしかに危機的状況に陥った際のレンジャーやデルタフォースの行動は感動を覚えるが、しかし無闇に彼らを賞賛することもためらわれる。というのも、そもそもの状況が深く複雑な部族間の抗争に根ざすソマリアの問題を、アメリカが(おおむね)無邪気な善意で、牛刀で快刀乱麻を断つ解決をしようとしたところにかなりの無茶があるのだ。映画ではアイディドが悪の首魁であり、米軍はそれを倒す正義の味方的に書かれているところもあるが、それはそうではない。原作自体に、こう書かれている。
ソマリアは、そういう地域の人々がいまのような状態にあるのは、彼らに大きな責任があることを教えてくれた。憎悪と殺し合いがつづくのは、彼らがそう望むからだ。あるいは、彼らが、それをやめようと思うほどには、平和を望んでいないからだ(早川書房「ブラックホーク・ダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録」(下) マーク・ボラン著・伏見威蕃訳 P283 13-16行目)
 そして、責任は現地民のみでなく、それを認識せずに武力で平和を押し付けられると思ったアメリカにもある。その前段階での責任をさておくとしても。無論、末端の兵士に政治的判断の責任が強くあるわけではない(一アメリカ国民として以上にはない)。だが、彼らは行動を選択した。結果のともなわぬ行動はない。彼らは勇敢で立派だった。だが、その出発点と結果とを考えると、素直に賞賛はできないのだ。1.5点。


2002年04月08日(月) 旧暦 [n年日記]

花見終了

 構想四日、実働時間四時間という諸星大二郎の「暗黒神話」(構想十年、連載期間十週(打ち切り))のようなハイペースで花見が終了。花なんてもうないだろうって? ノンノン、鶴舞公園にはちゃあんとありますよ。チューリップが……あんだよう、もんくあるのかよう。
 かなり「いいかげん」に企画・実行した花見でしたが、それなりに喜ばれたようでこちらも満足。でも明日は休日でなし。ふむー。
 先週終わった「寿蘭」に続いて「 電光超特急ヒカリアン 」が始まっていた。以前、早朝にやっていて「超特急ヒカリアン」の続きらしい。見てなかったからしらないけど。キャラクター原案が「カザン」の宮尾岳氏。と言うのは前から知っていたけど、見ていなかった。(おいおい
 が、なんとなく見てみると、シリーズ構成が井上敏樹氏。一体何本仕事手がけてるんだよ……見ると、微妙にいい奴の悪役(声が千葉繁)とか、微妙にいい奴でない正義の味方とか、 キャラクター紹介 見て「まだ全然引っ込み思案のままだろ」と突っ込みたくなる主人公とか、確かに井上氏らしいと言えばこのうえなくらしい。他にもいまいちカタルシスを得られない戦闘シーンとか……げほ、ごほ。ちょっとだけ見続けてもいいかも、と気が迷ってしまった。
 ちと時間帯は前後するけど 龍騎 は妙にゴローちゃんがいい味を出してた。でも戦闘シーンは短め。ゾルダのファイナルベント「エンド・オブ・ワールド」はかなり無茶。次回からは蓮の過去にからむ話らしい。とともに、脚本が井上氏から再びメインの小林氏へバトンタッチ。また雰囲気ががらっと変わりそう。
 オフィシャルの ライダーズ極秘設定資料 (要flash)にアナザーアギトが。空飛べたんか……デビルウィング?
 昨日、映画鑑賞から帰るとBSでアトム特集をやっていた。なぜアトム? と思ったら、アトム生誕−(マイナス)一周年記念らしい。レトロフューチャーに魂を惹かれすぎてはいかんのだよー。と言いつつ、「文法」などが(ほぼ)根こそぎ存在していなかったかの時代において、バリバリとブルドーザーのように道を切り開いていった手塚治虫氏のパワーにはただただ驚嘆するばかり。あやかりたいものです。
  ネカマに暴行 。気をつけねばなりませんなぁ。(何に?)
  私物PCを店先で叩いて壊したら切腹よ 。「治安びんらん」って何かと思ったら、「治安紊乱」か。漢字で書かれないとわからんぞ。
 先週の「フルメタルパニック」(修正。たしかにFMJも一番良いのは前半部だが。)を見る。前半部は今までで一番楽しいかもしれない。後半部は、まあフツー。悪くない意味でのフツーだけど。妙にスケールの大きな勧善懲悪を持ち込むより、このくらいのスケールのほうが本来しっくりくるんじゃないだろうか?


2002年04月09日(火) 旧暦 [n年日記]

晴のち曇、ところにより時々鬱

 昨日まで結構気分が良かったぶりかえし。わりと鬱が入っている。そんな無茶苦茶でないのは幸い。原因はあれこれ少しずつなのだけど、少し前の自分に苛められてるようなこの感覚はやはり慣れない。それが自分なのだから、付き合わざるをえない。それよか、躁状態で抑制が効かないときにどれだけ他人を傷つけたか、そちらのほうが気になる。あやまるべきなのか、杞憂なのかすらもわからない。こういう後悔が押し寄せてくるから、どこかおかしくなりそうなくらいきつい。
 月の頭に買ってあった「GUN」誌をようやく紐解く。特殊部隊の特集が始まっていて、今月はSAS(英国空軍特殊部隊)。特殊部隊の元祖と言われていて、小説などでもおなじみ。アンディ・マクナブなど、元SAS隊員が書いたと言われる本なども今日ではわりと出てる。SASの主だった概要が簡潔にまとめられていて、結構面白かった。来月はドイツのGSG9だそうで。
 同誌のコラム連載の「カレイドスコープ」で、マカロニウェスタン二十作品がDVD化ということを知る。第二段が4/5発売なので、もう発売されていることになる。一本4800円で20本だから、全部集めると10万円近くなる。いや、さすがにそんなに買えないが、気になるのがいくつかあるんだよなぁ。うーん。
  PS2のネットゲームをうらなうタイトルとして、EvaerQuestが発売予定 だそうな。EQは有名なPCネットRPG。私の知り合いも一時期はまっていた。PCからの乗り換えは出来るのかとか、サーバー負荷は大丈夫かとか、どの程度のユーザーがあつまるのかとか、ちょっと興味がある。
 ゆうべ あずまんが大王 をやっていた。絵柄は原作に非常に忠実で、ストーリーも忠実。っつーか、あの手の「間」で笑わせる四コマ漫画をそのままアニメ化すると、どんなに苦しいことになるかはよくわかりました。溜め、動き、この二つを使いこなせるだけで(って簡単なことじゃないんだけど)随分と面白くなるだろうになぁ、と残念。 高千穂遙 さんのところ見てみると、いいこと書いてありますわ。たしかに、読者に「間」を生み出させるよう誘導する漫画と、作り手が間をきっちり時間的にコントロールするアニメという違いはある。しかし、それ以前に集団作業であるアニメでは難しい。それを意識してなかったか、やろうとして出来なかったかなのだなぁ。悪いとは言わないけど、やはり原作ファンのためだけのアニメになってしまいそうなのは残念。でも、ちよちゃんの声はクルモンの金田朋子さん。いや、それだけなんだけど。
 テイマーズ関連というと、シリーズ構成だった 小中 氏のサイトで デジモンテイマーズ・リソーセズ と題して舞台設定や初期プロット、各キャラの覚書などが公開中。人によっては「いいわけじみて見える」って人もいるとは思うけど、この手の素材ってのは、大人向けアニメなら設定集とか出ることもあるけど、子供向けだとまず出ないのでありがたい。上手く行った部分と行かなかった部分ってのがあるんだなぁ、としみじみ。


2002年04月10日(水) 旧暦 [n年日記]

いや、とくにこれと言って何もなかったんですが……

 昼に前の研究室のS木さんから電話。何かと思えば「野球見ない?」 はぁ?
 なんでもI田さんがなんだかんだでもらった中日・横浜戦のチケットが一枚余ってるのだということ。
「いや、今晩実験するから無理っすよ」
「そういうときに限って実験するのね」
 ……そういうとき以外も実験してます。
 いやいや、期間限定とはいえ、明日のおまんまに不安のない生活というのは良いものです。わりと本気で。
 アフタヌーンの別冊、「シーズン増刊」に新人の漫画「ORDINARY−+」が掲載。女子高生エージェントと女子高生凶手のアレでコレな話。ちとなんだというところもあるけど、上手く行けば化けてくれそうな予感。先が楽しみ。
 あずまんが大王補足。OPとEDは大変面白かったです。うーん、中身は仕方ないのかなぁ。
 気の迷いでHAPPY☆LESSONの二話目を見てしまう。存外まともな出来。まともって言っても、元の設定がかなりアレなのでそれ以上はどうしようもないのだけど、そもそも。OVAはキャラクター商品と割り切ってたってことなんだろうなぁ。
 フルメタルジャケットならぬフルメタルパニックは、先週前半部ほどではないものの、まあ悪くはない出来。
 ゆうべ、イスラエルの思想的徴兵拒否者ヤイール・ヒロ君のドキュメントの再放送を行っていた。イスラエルとパレスチナがかなりナニなことになっている現状で見ると、少し感慨が変わってくる。「ブラックホーク・ダウン」を読んでも思ったのだけど、軍隊内で兵を支えてるのは連帯意識とプライド、その二つなのだろう。それそのものは間違っているわけではない。しかし、それが何かのはずみで志向性を持った攻撃性を加速してしまった時には悲劇になる。無論、兵士は大局的な決定を下す立場ではない。彼らの意識に共感するところもないではない。しかし、外側の人間としては共感しすぎてはいけない。「仲間が傷つけられた」「仲間が殺された」その意識ゆえに(それだけではないが、そういった「彼らと我々」の無意味な区分が一因であることは否めない)泥沼の戦いを繰り返している国が、いくつもいくつも存在してるではないか。逆の立場から見れば、彼らこそ仲間を傷つける敵に他ならない。憎悪の連鎖は断ち切らねばならない。でも、どこで?


2002年04月12日(金) 旧暦 [n年日記]

北へ15キロ、東へ20キロ

 うーん、湿っぽい酒は苦手だ。深刻になるべきところはなるべきだけど、湿っぽくなっても何もいいことはないし。
 今日で最終日の「エネミーライン」を見てくる。ボスニア調停に派遣されながら戦闘らしい戦闘のない海軍に不満をもち、除隊を考える航空士バーネット。彼を引きとめようとするレガート少将の命令で間もなく和平が結ばれようとするボスニアの安全地域の偵察飛行に行くが、安全地域付近の森の中に、怪しげな軍事施設を発見する。が、その直後、彼の乗るF―18は撃ち落とされ、負傷して動けなかった相棒は現場にやってきたセルビアの兵に殺された。バーネットは救助を要請するが彼の落ちたところは敵勢力圏(エネミーライン)内、和平が近いこの時期に危険な区域での救助活動は方面軍指令のピケにより禁止される。助かるためには周りはすべて敵の中で安全圏内まで移動せねばならない。
 感想を一言でいうなら、デジタル時代のスタイリッシュな戦争アクション映画。「ブラックホークダウン」のタフな戦闘描写と比べると、フィクションくささは否めないが、まったく狙いは異なるのでとやかくいうべきことではないだろう。比較してしまうとメッセージ性がまったくないのが気にならないではないが、やはりとやかく言うことではないのだ。久々に頭空っぽにして見られる映画でした。ただ、ボスニアがこういった痛快アクション映画の舞台に使われ、見る側もまったく抵抗がなくなったということは、それだけ見る側にとって旧ユーゴの内戦が遠くなったということなのだなぁ、とちらっと思った。1.5点。
 映画見ていてたら、隣に座ってたお姉さんが登場人物が射殺されるシーンで椅子がゆれるくらいびくっとしてたのがちょっと笑えた。
  デジモンスキャナーズ が始まったので見てみる。「原点回帰」らしく、よくわからんうちに主人公の子供たちはデジタルワールドへ。個人的には、この「えらばれし子供たち」ってのはちとうさんくさいのだけど。まあ、脚本、演出ともにそんなに悪くはなかったです。ただ、テイマーズと比較すると激しく私好みではなくなっている。しばらく様子見。
 七人のナナは、脚本はまだしも、作画レベルがまた落ちていた。ちょっとやそっとは気にしないたちだけど、ねえ。あと、ちょっと最後の神近君の独白は余分だった気が。
 休刊になったというエースネクスト5月号を見る。あー、見事に読みきりばっか。うーん、絵柄的には受けの良い作家さんが揃えられるのだから、編集の手綱取りの問題だったのかなぁ。下手なメディアミックスに依存しすぎた気がするのだけど。


2002年04月13日() 旧暦 [n年日記]

グレンモーレンジ・マデイラ・ウッド・フィニッシュを買ってくる。

 何かっつーと、ワイルダネスで俊生が飲みつぶしてた酒である。甘くて良い臭い。43度もあるのに、口当たりも無茶苦茶なめらかで良い。個人的にはもっと喉を焼くような、タフな感じのが好みだけど。でも、こら俊生ならずともついつい飲みつぶしますわ。
 事故以来、不在だった自転車が届く。やっぱ自転車はええのー。しかし、前の廃棄になった自転車から移すはずだった装備品が、いくつか移されてない。その自転車は既に廃棄業者へ……おーい。業者に連絡してはずして持ってきてもらうことになるが、次に業者が来るのは二週間後だということ。ライトもベルもなしってのは無茶苦茶あぶないんですけど……結局、その間、別のライトを貸しますんで、と留守電に伝言が。うーん、まあしかたないか。大分不満だけど。
  .hack //SIGNの二話目。派手な戦闘シーンもなく、話はマターリと進行。ヒロイン格は昴? 個人的にはミミルのほうがいいなぁ。などと無関係に。ほめられるかというとほめどころの難しい作品だけど、なんとなく期待してしまうのは作り手の手腕にはまってるんだろうか?
 これを見ていて、ネットゲームの仮想空間の中でのみ話が進行して、どのようなシステムなのか、ログアウト不可能というのはいったいどんな状態なのかと考えると、SFってよりファンタジーよりなのかなぁ、とも思ったり。
 もうひとつ前振り。昨日の「デジモンフロンティア」を見て、「テイマーズ」との根源的な違いとして、「テイマーズ」は最初から「ままならぬ現実」が前提として存在しているのに対し、「フロンティア」は用意された遊園地の感じがする。遊園地ってのは極端な言い方だけど、当たらずとも遠からずだと思う。「伝説の」とかいう言葉が頻発し、すなわち最初から道筋、正解が用意されている。片やテイマーズは、「ただの少年」松田タカトと、ちょっと特殊だけどほとんど「ただのデジモン」のギルモンが出会うところから始まる。色んなキャラが絡み、状況に翻弄されながら、最終的には世界を救うという大構造は保つのだけど、テイマーズはそもそもが両者の関係が中心で、最後までそれを貫き通した。「フロンティア」(アド、アド02もだけど)は最初から世界(現実世界であったりデジタルワールドであったり、どの世界かはともかく)を救うという大前提が提示されてる。「えらばれし子供たち」というタームはまさしくそれを示している(私がうさんくさく思うのもそれゆえだが、割愛)。そして、そのために世界が構築されている。まあ、その差異が面白さを決定するかというと、実はまったく関係はない。ではその差異は何か。
 以下が本題。 昨年の七月 、SFについて私的な「SFとは」と言う定義を書いたことがある。その際、SFを「まだ現実にはありえない条件の『ジャンプ』を用いる事で、現実にはまだ起こりえない問題に対する価値観を構築する」ようなことを書いた。そして、ちょっと比較で曖昧なままファンタジーを用い、その定義はできずじまいだった。あくまで私的な定義に過ぎないが、今、ようやくできるようになった気がする。これは、ある人に「いずれする」とも言ってしまった宿題でもある。だからする。
 ファンタジーとは何か。現実の問題を、非現実的な舞台、設定を用いて、非常に汎用的に広げた抽象的な形の問題提起として読者に投げかかる文学形態、それが私にとってのファンタジーだ。魔法やドラゴンが出てくればファンタジーではないし、また出てこなくてもファンタジーたりうる。
 SFと何が違うのか。SFは非現実な設定を使い、現段階では早すぎる価値観を用いた対応を迫るものだ。ファンタジーは違う。実はそこにあるのは現実の問題に他ならない。比喩とかと言うとまた違ってくる。しかし、ファンタジーでありながらSFというのも可能ではありうると思う。閑話休題。「フロンティア」と「テイマーズ」の話をした。それがファンタジーかと言うとちょっと微妙だが、テイマーズで描かれるのは現実に沿った出会い・友情・別れの過程だ。いかに良くできた物語とは言え現実には勝てない、あるいは勝つのはとても難しい。しかし、現実に対して反応する「スイッチ」を押すことはできる。フロンティアは、最後まで見ないとわからないが、一話を見るとそこにあるのは願望の充足であるだろう。
 実はこのことは「ハリー・ポッター」と「指輪物語」(映画の話だとお考えなせえ)の間にも言える。ハリー・ポッターは、描かれるのは概ね願望の充足である。それが悪いと言っているのではないことは一応述べておく。「指輪」は、そこに描かれるのは、指輪を巡る人間(と非人間)の欲望の恐ろしさ、そしてそれに立ち向かうことである。ハリー・ポッターがファンタジーでないとは言わないが、どちらかと言えば「御伽噺」(これもちょっと語弊がある使い方だが、ここでは私的「ファンタジー」以外に対する範囲を括る言葉として使うことをご容赦願いたい)である。
 はっきり言えば私は「ファンタジー」(明示的に私的定義である事を示すために、かぎカッコで括る)のほうが好きである。だが、そうでないものが悪いものだということではない。ましてや必要とされていないということではない。人間は、欺瞞であろうと嘘であろうと「なぐさめ」を必要とすることがある。「ファンタジー」にだってそういう「なぐさめ」がふくまれないということはない(それは優しいなぐさめと、大きくなって知りました)。しかし、なぐさめはなぐさめでしかない。少なくとも大人は、それを知らねばならない。
 昨日、テレビで「モーレツ! オトナ帝国の逆襲」をやっていた。語るべきことは 去年の五月 にすべて語った。これでも足りなければ、実際に見てもらうしかない。とにかく見ろ、としか言えない。


2002年04月14日() 旧暦 [n年日記]

仕事の話

 を書くと、なんか愚痴みたいになりそうだ。別に実際は(そんなに)不満を持ってるわけとかじゃないんけど、ボスとの付き合い方にコツが必要で、そのコツがようやくわかってきたところ。まあ、要は結果さえ出せばいいので、わりと気楽なものなのだけど。
  龍騎 は蓮が記憶喪失になって、かすかに覚えてる女性の声に導かれさ迷うという話。ん? どっかで見たシチュエーションだなぁ、と思えば、アギトの翔一と同じパターン……アギトではすべての謎の総ざらえとして3/4くらいのところでやったから、同じではないのだけど。あのあかつき号上で変身していく翔一は燃えた。いや、そんなことはどうでもいいのだけど。ゾルダはしばらくおやすみか。モンスターのモチーフはエビ? 真司が戦闘で頭を使ってる。うーん、珍しい。こういうのって脚本に書いてあるわけでなく、主に監督さんのアイデアらしいんだよなぁ。
 ヒカリアンは30分二本の構成だからか、やけにテンポが良い。キャラの絡みがあるテンポの良さは、井上氏の独壇場ってところか。
 なんか、「お金の達人」の代わりにサッカー番組をやっていた。うーん、時間帯移ったのか? と思ったら 番組終了していたらしい 。だから生島ヒロシはやめとけと言ったんだ。(言ってたか?)
 こないだの第一話を見ていない「 ぴたテン 」を見る。作画は二話目にしてちょっとなんだけど、原作そのまんまでやると10分で終わる話を、きちんと30分(正確には、本編は20分弱か)の番組になるようにしている。換骨奪胎とはこういうことをいうのだろうなぁ。同じギャグは2回までが基本だが、べたべたなギャグは繰り返しが大事である。うむ。しかし、最近の小学生のボキャブラリーの豊富さに加えて言葉の乱れが気になる番組だ。
 フィフス・エレメントをやっていたけど、阿呆な映画だなぁ。クリス・タッカーのオカマインタビュアーの喋りは良し。ゲイリー・オールドマンの変な頭と出番の少なさは悪し。トータルで差し引き0。
 そういえば、今NHKでやってる「利家とまつ」には、浅井長政役で葛山信悟(一条刑事役)が出てるんだそうな。全然気が付かなかった。


2002年04月15日(月) 旧暦 [n年日記]

ライダー・ライダー

 タイトルの元ネタは「ライアー・ライアー」ね。ジム・キャリーの映画の方でなくって、キャスタウェイの曲の方。
 児童誌にはすでに露出しているようですが、 龍騎 の新ライダー二人が近々登場予定。それぞれモチーフはエイとサイだとか。しかし、その他に複数のモチーフを持つモンスターと契約した凶悪ライダーの登場予定もあるそうで……噂だけなら盗人ライダーとかトンボライダー(V3?)とか、他にも色々あるんだけどねえ。良く考えたら、ドイツもコイツも全然正義じゃない気が。(^^;
 昨日、筍を買って来る。春筍って奴ですよ。で、とりあえず水煮にしてアクを抜こうとして、はたと困った。筍のアクってどうやって抜けばいいんだ? 米の研ぎ汁を使えばいいことは知っている。 だが、皮は剥いておいていいのか、ゆで時間は、水から投入していいのか、沸騰してから投入するほうがいいのか、さっぱりわからない。う〜ん、こういうときは経験不足が出てしまうな。しかし、どうにかこうにかアク抜きをする。筍ごはんにしてもいいし、炒め物にしてもよし、煮物も当然OK。ちょっと楽しみ。
 実験でちょい行き詰まり。こういうとき、駄話がてらに相談をする相手がすぐ近くにいないのはちょっとつらい。たぶん、どうにかはならないことではないけど。
 床井雅美著「現代軍用ピストル図鑑」を購入。「最新」ではなく「現代」ということで、チト古い銃から最近のまで、ちょっと毛色の違うのが揃っている。ボチボチ読んでいこう。
 もうすぐ mozilla 1.0登場ということで こんな記事 が。実際問題、IEがデファクトスタンダードになっているという事実は(しゃくだけど)認めざるを得ないが、IEの支配をひっくり返せないってのはどうかなぁ。あろ、バグに関してはIEがMozillaよりマシとはどうしても思えないけど。レンダリングはGeckoよりマシであることは認めざるを得ないが。


2002年04月16日(火) 旧暦 [n年日記]

給与迷彩

 皆さんは通帳残高を見て一人ニヤニヤしたりいたりするタイプでしょうか? 私はします。(おいおい
 初任給の給与明細が来る。いろいろバタバタと決まった一時的(一年任期)なポストなもので手続きやらなんやらがあちこち不備で、今日までどのくらいもらえるのかすら知らなかったりする。われながらおいおい……
 と、いうわけで給与明細を見る……閉じる。ふぅ。
 実験データの解釈についてボスと対決。結果のグラフなんて飾りです。お偉いさんがたにはそれがわからんのですよ。っちゅーか、ボスは思い込んだらその路線でだーっと突っ走るところがあって、それは尊敬するところでもあるのだけど、冷静に考えれば「確率論的にそんなことはまずありえない」ということは直感的にすぐにはわからないらしい。出身の違い(生理学と物理学)もあるだろうし、実際に実験を見てるわけでないこともあるだろうし、これは結果で説得するのが早いのだけど、さて、どうしたものか……
  フルメタル・パニック!  前回まではインターミッション的な話だったんだけど、正直前回までのほうが面白かった……っちゅーか、シリアスな話になると途端に見るのがつらくなるなぁ。無論エンタテイメント的なアレだとかコレとかはわかるんだけど、リアリティのかけらもないってのはどうしても気になる。マニアの余計なツッコミと思われるかもしれないが、この番組自体、そういうマニア層目当てじゃなかったんか? 少なくとも兵のマヌケな行動だけはなんとかしてくれ、とは思ってしまう。
  あずまんが大王  前回「テンポが悪い」と書いたけど、同じテンポでも大阪(春日歩)がメインになると妙に合う。実は大阪メインで話を進めるための間? ってわけでもないだろうしなぁ……まあ、前回よりは面白かったです。
 友人からのメールで知ったのだが、 ボツリヌス毒素を使った美容法 ってのがあるんだそうな。ボツリヌストキシンって言ったら、生物界最強の毒の一つなんだけどなぁ……形無し。
 昨日、本屋で床井雅美氏の本を買ったときにつけてもらったブックカバーで、5月から山本周五郎の「さぶ」を あの 三池崇史監督でテレビ ドラマ化 するということを知る。マジ!? ってマジなんだよな。三池氏の時代劇って初めてな気が。すくなくとも、テレビ時代劇は初めてだよなぁ、多分。まあ、さすがに変にはじけたものはつくらないだろうけど、うーん。
P.S.少なくとも電線マンとムキムキマンのデザインの話は有名だったと思ったのだけど…ふりつけは山上たつひこだっけ?


2002年04月17日(水) 旧暦 [n年日記]

PK稼業

 PKってのはPSYCHOKINESISのことではない。Pakistan International Airlinesのことでもない。ましてやPKOとはなんの関係もない。
 PKというのはネットRPGの用語でPlayer Killer、すなわち敵モンスター等ではなく、PC(Player Character:人間が操るキャラ)を狙って攻撃を仕掛け、「殺す」PCのこと。PCだのNPC(None Player Character: コンピューターやゲームマスター(GM)が操る、ゲームを進行させるためのキャラ)というのはテーブルトーク(TT)RPG(紙と鉛筆とサイコロを使って行うRPGの元祖)の頃からの用語だけど、多分、PKってのはネットRPGが出来てからの用語だと思う。そもそもTTRPGではそんなに多人数が参加できるわけではないし、したがってキャラクター同士の戦いはあっても「PK」と呼ばれるほど恒常的にPK行為が行えるわけではない。同時に多人数が参加するネットRPG特有の存在だろう。
 当然PK行為は迷惑である。マナー違反でもある。ネットRPGでは大抵再生不可能な「死」はない。殺されたときに持っていたアイテムを失っ(ロストし)たり、前回セーブの状態まで戻されたり、等のペナルティー付ではあるが、復活できる。しかし迷惑には違いない。したがってゲームによってはPK行為がそもそも不可能にしてあったり(それでもMPKというモンスターを誘導してのPKなどがあったりする)、PKを可能であっても、危険人物とすぐわかるようにしてたり、いろいろ対策を行っている。
 PKをおこなう動機はさまざまであるらしい。ただのアイテムやお金目当ての盗賊、物品や金銭よりも「PCを殺す」ということに意義を見出している趣味的殺人者、などなど。
 ネットRPG世界が舞台の .hack//SIGN でもPKをするキャラというのが出てくる。その .hack//SIGNスレ で紹介されてたUO(ウルティマオンライン)の 体験記のサイト にある、とあるPKの話がちょっと興味深かった。友人に騙され、そのことでPKすること以外に他のネットRPGのキャラと接触する手段を見出せなくなった、というところだろうか。別に実際に誰かが死ぬわけではないし、死んだわけでもない。(EQ(EverQuest:ユーザー数最大規模のネットRPGの一つ)がヘロインゲームとか呼ばれてたりはあるけど) しかし、ネットは所詮現実ではありえないが、現実のなんらかの投影かもしれない。ちょっとそう思った。

 HAPPY☆LESSON三話目。うーん、まあ、好きにしてください。(^^;

 友人から知らされてはじめて知ったのだが、今 DivX 5.1を入れると、もれなくスパイウェアがついてくるらしい。スパイウェアってのは、個人情報を勝手に漏洩するソフトウェアね。システムを壊すわけではないので、ウィルスチェッカーにひっかからないといういささか性質の悪いもの。さくっと 駆除ツール で駆除してしまいましょう。


2002年04月18日(木) 旧暦 [n年日記]

サイバーパンクっつったらブードゥー

 ブードゥーっつったら「ゾンビ伝説」ってことで、原作の「 蛇と虹 」を注文したり。
 今まで貧乏生活を送っていたせいで、余裕ができても一日あたりの食費はかなり低くなっている。うーん、まあ、別に死なない限りは困らないしな。脂肪もつかないし、いいことだ。
  サンデーGX は今月から 広江礼威 氏の「BLACK LAGOON」が連載開始。ハデ、イカス、面白い。……のだけど、前々から広江さんのマンガで気になってることが一つある。ときどき、どこかセリフが浮いている気がするのだ。その他の部分が圧倒的にカッコイイので「ま、いっか」と思ってしまうのだが、今回の第一話もちょっとそう感じた。映画や海外小説に影響を大きくうけてるのなら同誌連載「ワイルダネス」も相当なものだけど、そっちはそう感じないのは単なる欲目か? うーん、何故なんだろう?
  むつきつとむ 氏(リンク先は強制的にMIDIが鳴るので要注意)の読みきり「アンバランすGIRL」も掲載。安定ということではこちらのほうが安定してるかも。でも、安定してれば受けるかというとそういうものでもない。世の中難しいにゃぁ。
 今月号では「鉄人」がなかなか。「機神兵団(小説版)かよ!?」とちらっと思ったけど。
 日曜に買ってきたたけのこを、昨日は炒め物に、今日はたけのこご飯にしてみた。出し汁は手抜きで作り置いてあるめんつゆで。でもなかなかにうまい。シャキシャキしててええのう。
  .hack//SIGN うーん、どこを誉めればいいのかと言われると悩むのだけど、なんとなく雰囲気が気に入って見つづけてしまう。スタッフの大半はNOIRのスタッフらしいが、まあ、なんとなく納得。NOIRは個人的にはちとイマイチだったけど。
 「七人のナナ」は作画レベルはちと落ちたままだが、ちょっとシリアスな話。毎回、話の中心はわりと地に足のついた悩みだったりするのだよな。こういう部分で共感できる。
 昨日、日記をULしたあとで思い出したのだが、ウチらがPKって言ったら、まず、Protein Kinaseを思い浮かべなきゃダメじゃん!(Protein Kinase:蛋白リン酸化酵素。リン酸化は生体内において種々のスイッチになっている重要な反応なのだ)
 ちなみに、SCIENCE4/12の話はCaMKIIでなくCaMKIVの話みたいなんだけど。
 うー、今日はねむー。


2002年04月19日(金) 旧暦 [n年日記]

PFAが目にしみる

 免疫組織染色(わからん人は、そういう実験手法があるんだと思ってくだせえ)の方法の一つで、パラフォルムアルデヒド(PFA)で分子構造を架橋して(わからん人は「ふーん、そうなんだ」と思ってくだせえ)生体標本を固定する方法があるのだけど、このPFAを溶かすとき、熱を加えなければならない。更に、気化したPFAは結構目にしみる。う〜。
 で、こうやって固定した標本を MoleculerProbes社 (わからん人は、そういう試薬会社だと思ってくだせえ)から購入したFITC共役β-actin抗体(わからん人はそういう薬だと(以下略))商品番号AC-15で染色したのだけど、どうも上手くいかない。変だ変だと調べてみたら、カタログに小さく「PFAで固定しちゃダメよん」と書いてあった。一週間前まで免疫組織染色のプロトコルをまったく知らなかった人間にそんなこと言うな〜!(ちゃぶ台ひっくり返し)
 そうすると、置換法か凍結標本を作るしかないのだけど、ノウハウがまったくない。しかたない、下の階の解剖学教室に修行に行ってくるか……
 自転車でころぶ。関係ないけど、「ころぶ」(うつぶせに倒れる)と「まろぶ」(あおむけに倒れる)って、「転(ころ)ぶ」「転(まろ)ぶ」で、漢字にすると同じ表記になっちゃうんだねえ。どうでもいいか。話をもどすと、ころんだ原因は、急に車が出てきたので急ブレーキをかけたら、ブレーキが利きすぎて前輪をロックしてキャット空中一回転でふっとばされたというもの。車はまったくぶつかってない。うう、マヌケだ。背中から落ちて、30秒ほど動けませんでした。いやあ、瞬間的に体性を失うと、体性感覚の把握に全神経が集中して、他のことがよくわからなくなるものなんですな。ころんだのはタクシー会社の前だったのだけど、そこにいた人が「車にはねられたかと思った」と言っていたから相当派手なころび方だったらしい。背中から落ちてちょっとからだがパキパキ言ってるけど、おおむね元気。お父さん、お母さん、頑丈な身体に産んでくれてありがとー。
 帰りは帰りで、自転車で走ってたら、同じく自転車に乗っている外国人と日本人の二人組に呼び止められる。「道にでも迷ったのかしらん?」と止まると(このあたりお人よし)、モルモン教の布教活動でした。
「神様は信じてますか?」「いや〜、あんまり……(イスラエル製の9mmの神様なら……)」
「イエスの生涯について、どのようなことをご存知ですか?」「え〜、世間様一般で知られてることくらいなら……(ムアコックの「この人を見よ」とか「ライフ・オブ・ブライアン」並の知識だけどな)」
「神の救済計画についてご存知ですか」「はあ、まあ、大体は……(選民思想には興味ないんですが……)」
「ジョセフ・スミス(モルモン教の教祖)の体験(悩んでて森の中で神様とイエスに会ったんだそうな)をどう思われますか?」「いやぁ、そういうこともあるかもしれませんねえ(注)」
 いや、まったくその気はないのに、以前「ユタ州のモルモン教徒は諸外国へ宣教師として布教活動をする義務がある」という記事を読んだので、妙な情けが出てしまって。でも「名前と連絡先は?」と聞かれて、偽名と偽の電話番号を教えてしまったり。でも、モルモンの経典(知ってる人は知ってると思うけど、モルモンの経典は、紀元前600年ごろにイスラエルの預言者がすでにアメリカに来ていて、あまつさえイエスもアメリカまで来ていたという、アダムスキーもびっくりのトンデモなものである)を「ボクの大好きな本なんですよ」と言われても、「アメリカインディアンの歴史をなめとるんかい!」としか思えないしなぁ……いえ、モルモン教徒の皆様方に別に敵意や悪意を持ってるわけではありませんので、念のため。
 ちなみに、現在一般的に知られている聖書(の原型)が編纂されたのはイエルサレムでなく、6世紀頃のローマだったはず。案外と勉強不足なのね。あ〜、つっこみどころ満載だった。

注:一説によると、こういった神霊との交感体験というのは古いタイプの厳しいモラルなどにより抑圧された性欲が一因であるとの説があり、したがって「その体験は14歳の思春期の頃だったんでしょ? だったらあるかもねえ。いろいろ溜まってそうだし」などと思ったと正直には決して言えるわけがない。

 「指輪物語」のサントラを買ってくる。サントラってより、エンヤの新作CDのつもりで買って来てるな。いや、「ブラックホーク・ダウン」のほうが、サントラ的にはハンス・ジマー節バリバリ(本人なんだからあたり前だが)で燃えるBGMなんだけど。
 ウルトラジャンプは、うーん、悪くはないけど、全般的に低調か? 「なにがモチベーションで、なにが目的なのか、見えてこない」作品が多過ぎる。展開が間延びしてくると、勢いで押すのが難しくなるのだろう。その意味では、一見難解っぽくはあるけど、「STREGA!」は根底に感覚的なものがあるので、それがわかってくると、ある意味直感的にわかる気がしてくる気がする(婉曲な言い方だなぁ)。
 ヤンマガ増刊を見る。あ〜、「今日の五の2」、ちょっといいかも。

P.S.「木で出来た宇宙船」というアイデアは、少なくとも1986年ドナルド・モフィット「創世伝説」で出ています。


2002年04月20日() 旧暦 [n年日記]

戦国天国?

  クレヨンしんちゃん 嵐をよぶアッパレ戦国大合戦 を見てくる。去年の「モーレツ! オトナ帝国の逆襲」は大人向けのストーリーを子供の視点で追っていたが、今年は野原一家はほぼ部外者、というか、狂言回し的な立場となっている。また、時代劇というと「雲黒斎の野望」が思い浮かぶが、それとも違い、今回は完全に本格的な戦国を舞台にした、どちらかと言えば大人向けの作品になっている。
 毎度毎度質が高いのだが、まず驚かされたことは当時の細かい所作、合戦の戦術の手順など、かなり正確に描写していることだった。何気ない動作にそれが描写されてるので、ただ見ているだけでも飽きない。また、おそらく実写映画でもここまできちんと合戦の戦術を描いている映画はあまり見たことがない。描写されないのは予算の問題とか、地味な戦術の手順を見ても面白くないだろうから省略されてるとか、そういう事情があるのだろうけど、少なくとも今回描かれた描写ではひとつひとつの動きが説明臭くもなく、またきちんとエンタテイメントになっていた。これは描き方の問題なのか、それともアニメならではなのかよくわからないが興味深かった。とにかく見惚れる。
 話自体は小大名領である過去の春日部を舞台にした非常にこじんまりとしたスケールの話なのだが、その分登場人物たちの生活や生き方がしっかり描かれていたと思う。身分の差の違いで悩む男女、言ってしまえば陳腐な話だが、廉姫も井尻又兵衛も出てくる人々が皆好漢であり、それだけにどうにもならぬ恋に悩む二人に感情移入してしまう。最後に関しては賛否両論あるだろうけど、私としてはあれでよかったと思う。いろいろ理由はあるけど、そう思う。2.5点。世の中間違ってるって言葉はナンセンスだけど、良いものが観られないなら、やはりそれは世の中間違ってると思う、とあえて言ってみる。
  ほしのこえ DVDを買ってくる。一部で有名な、ほぼ一人で個人が作り上げたインディーズのCGアニメ。観て、いろいろ思う事はある。けど、そのほとんどはあえて言わない。いろいろと悔しいから。ただ、たった一人の人間が非営利活動として、これだけのものがつくれる、つくることができるのだ、ということだけを書く。
  ちょびっツ を初めて見る。良くも悪くも原作どおり。原作が好きな人ならいいだろう。わたしは別に好きではないので、まあどっちでもいいし、どうでもいい。
  電撃大王 は、今月はようやく発売スケジュールが決まったダークウィスパー2巻の告知と、 紅鉄絢 氏の「ナイチンゲール・ゲマインシャフト」以外は、個人的には特には……
 昨日の「今日の5の2」の作者、桜場コハル氏について検索したら、ヤングマガジン本誌で「ニンジンなんて大キライ」「うそかぜ」なる、やっぱり小学生ものを読みきりで書いていたらしく、ごくごく一部で有名人だった。。突発掲載だったらしいのだけど、代原(代理原稿。掲載予定作が急遽休載になったときに穴埋めで載せる原稿)だったのか、編集さんが気に入ったのか。う〜ん。


2002年04月22日(月) 旧暦 [n年日記]

足りない足りない

 ボスから「これで図を作って」と渡されたデータ。ところが発注された図にするには解析が一部足りない。仕方ないんで自分で解析しましただよ。とほー。
  クレしん劇場版 の初週土日の動員は 6位 。コナンには負けてるらしい。コナンは見てないから比較はできないけど、今年のクレしんに勝てる映画ってのもそう簡単には思いつかないから(大傑作レベルでなくては)、作品の質ではそうそう負けてるとは思えない。もっと頑張って欲しいなぁ。
  ハリケンジャー は、こないだから出てきた「ゴウライジャー」が無類の強さを発揮。そのわりにはからくりボールを盗むとかセコイことやってるけど。しかし、去年の今ごろガオレンジャーで無類の強さを発揮していた狼鬼(ロウキ)は、味方になってひと月くらいであっというまに ヘタレ てしまったので、ゴウライジャーも時間の問題だろう。南無。
  龍騎 は秋山蓮の戦う理由と、神崎唯衣の兄、神崎士郎の行ったことの片鱗が。インタビューによると、アギトとは違って一年ほとんどを謎ひっぱりにするようなことはなく、前半で謎そのものは明かすということなのだけども……来週は第五のライダー・ライア(エイがモチーフらしい)が登場とか。どんな奴かと思ったら、 実はなんとなくいい奴っぽい 。しかし、脇役で正義感が強すぎる奴ってのは「ライダーは俺一人でいい!」と言い出して「まさとー!」と苦しむとか、早々にあぼーんされるかのどっちかなのだけど、大抵。非ライダーの登場人物の悟郎と真司が絡むとか、ちょっと人間関係に意外性が出てきそうで面白そう。
 ヒカリアンの前半の大食い大会話がちとぶっとんでた。チャクラは開くは、黄金のオーラは発するは、一体なんの話なんだ、コレは? バカをやるからには最低限これくらいはやらなきゃダメなのね。
  ぴたテン は紫亜登場早々に「悪魔」とか正体明かしてるし……原作と違う? と思ったら、美紗が天使ということもこの時点で。あれれ? 原作と展開変えるのか? 話自体は、まあ優良可不可の可ってことで。
 既に mozilla 1.0RC(Release Candidate: リリース候補)1がリリースされてるのだけど、ウチだとどうも妙な不具合が出る。友達のとこだと別に問題ないという話だけど……うむむ。いずれにしても、次リリース待ちにならざるを得ないか。


2002年04月23日(火) 旧暦 [n年日記]

クレしん劇場版強化月間

 ってのは嘘ですが、 新文芸座の日プロ大賞ランキング を見てショックを受けたので。去年のクレヨンしんちゃん劇場版「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」の得点が低かったからではない(得点五点で55作品中最下位)。たった一人しか得点を入れてないからだ。十九人中一人、この数字はなにを意味してる? そういえば、 GAINAX 設立のきっかけになった「オネアミスの翼」もキネ旬の批評家などの間での邦画のベスト10の中にはほぼ名前を見せず、リストアップしたのが大森望一人だったという話があったか。結局それは現在もまったく変わってないというわけだ。
 日プロ大賞で唯一「オトナ帝国」に得点を入れた審査員である木全公彦氏の コメント に「近年のジャーナリズムは日本のアニメが元気だとかおもしろいとか盛んに喧伝し、メディアも特集を組む。しかし長年にわたり高水準の質を保ち続けている「クレヨンしんちゃん」のシリーズについては誰も取上げようとしない。」という一文が載せられている。確かにメディアはアニメ作品を取り上げるようになった。しかしそれは例えば宮崎駿や押井守、大友克洋のような海外で評価を受けたようなクリエイターか、エヴァンゲリオンのように無視できないレベルになってからようやく取り上げるというものであり、自分たちの中からすばらしいと思うものを盛り上げようという動きではない。これがアニメ大国とか言っている日本の現状だ。日本国内でのアニメの立場が低いことについて「宮崎駿が十人いれば……」という嘆くひともいる。違う。本当は、国内で「宮崎駿の次」を探そうという流れがほとんどないのだ。マニアの嗅覚はするどく面白いものをつくりだせる人をかぎ出す。しかし、マニアだけではだめなのだ。海外や過去の誰かがしてくれた評価を借りてくるマスコミ、そしてそれを疑いもせず消費する消費者。「アニメは日本の誇る文化」と言いつつ、自分からは決して実写映画等と並べて評価しようとはしない人々。かくして絶望の閉鎖系は完結する。あ〜あ。
 同族嫌悪の意味もあるけど、私はオタクという存在がキライだ。しかし、それ以上に自分から「自分の楽しいこと」を追及することを放棄する人間はもっとキライだ。ネコのうんこでも踏んでろ。


2002年04月24日(水) 旧暦 [n年日記]

春眠暁を覚えず

 「にゃのにゃの」と続けた輩は逝ってよし。
 ここんところ眠い。とても眠い。家に帰ってからも仕事の続きをしてるんで、睡眠時間が削られる。う〜、はよ片をつけよ。
 GUN誌連載の特殊部隊の特集は間違いが多い、ということで紹介してもらった 暗闇の戦士たち−特殊部隊の全て を読み始める。土曜日に映画を見に行った際、駅前の星野書店で探しても見つからず、ネットで注文したら直後に杁中の三洋堂に置いてあるのをみつけたという運命の悪戯……しくしく。 amazon の書籍紹介にリンクしといてなんだけど、今回のネット注文は 本やタウン で注文した。ここは何がいいかと言うと、幾つかの書店と提携しており、提携した書店に配送してもらえば送料はただになるのである。全国大学生協書籍部とも提携していて、その場合は店頭注文と同じ一割引になる。なかなかお得である。
 肝腎の本の内容だけども、まだ冒頭だけども、第二次世界大戦時にほとんど奇襲の用をなしていなかった奇襲部隊の現状から、もっと少人数で小回りのきく隠密性の高い作戦部隊の設立が発案されることから始まる。このアイデアが、おそらく世界でもっとも有名な特殊部隊である英国のSASに結実し、特殊部隊の有用性を認めた各国も、大戦後、これにならって特殊部隊を設立していく。もっとも危険でもっとも過酷な任務につきながら、光が当てられることの少ない「特殊部隊」という存在の黎明からの歴史が淡々と語られ、非常に興味深く、また面白い。
  林氏 から久々に電話。「 ほしのこえ って、どこで入手した?」
  とらのあな なんだけども、土曜に行ったときには、積まれてる数が既にかなり減っていたから、今からだと厳しいかも……まあ、重版はするだろうから、いずれまた市場に出回りはするのだろうけど……
  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 の主題歌、聞いてて「宇宙のファンタジーみたいな歌い方だなぁ」と思ったら、「二中のファンタジー〜体育を休む女の子編」っちゅータイトルでした……ギャフン。しかも検索してみると既存の曲らしく、ダンス☆マンの ミラーボーリズム4 に収録されているらしい。映画の余韻でぼーっと聞き流していると、なんとなく今風の惚れた腫れたの曲のように思えたのだが、パンフを買ってその歌詞を見てみるとびっくり、「体育を休んでる気になるあの娘の前でかっこつけようとシュートを決めたけど肝腎のときにあの娘は見てなかった」という内容だった。非常に短絡的に言えば。用いてる単語や語感を、おそらくそういった流行りものの歌詞っぽいものを用いることで一見それ風の曲に見せかけて、実はまったく違う内容という荒業だった。う〜む。しかし「勝利V絶対つかもう」収録の「二中のファンタジー〜中学生以下お断り〜」ってどんな曲だ?

P.S.大抵の人間「楽しいことの追求」よりも「楽なことへの惰性」に流れてるんじゃないかなぁ。私自身もその傾向があることを踏まえて。「楽なこと」と「楽しいこと」は、字面は似てるけどまったく違うよね?


2002年04月25日(木) 旧暦 [n年日記]

やっぱり眠い

 眠いと思ったら、どうも体調を崩したらしい。鏡を見ると、顔色が真っ青になってた。座ってても立ちくらみがするんだもんなぁ。でも、課題になってた仕事の方はひと段落つきそうな予感。
  マガジンZ を見ると、高橋葉介の読み切り「リセット」が掲載されていた。どうも「KUROKO」のラストで作られたコピー世界のその後の話らしい。ってことは、もし連載化すれば黒子の二人も出てくるってことだろうか?
 女子学生の制服のセーラー服は名古屋の金城学院が初めて導入したという説があるそうな。水兵服を導入したというよりは、子供服などとして既に定着していたセーラー服のデザインを採用したらしい。ちなみに金城学院ってのは名古屋ではSSKと呼ばれて淑徳・椙山と並んでお嬢様学校とされている。いた、かな? 今は良く知らない。たまに話を聞くと、実体はやはり今時の女子高のようである。まあそんなものだよね。
 ところで今週のバキ、あんなにちんたら耐火服に着替えるのを見過ごすなんて、相当マヌケだと思うんだけど……


2002年04月27日() 旧暦 [n年日記]

休日のような、違うような

 研究室に出て、作成した図に関してボスからひとしきり言われる。いや、お小言でなく改変すべき部分の指定にすぎないのだが、「追加条項」がそんな簡単なことではないのにあっさりと言われるので、ちょっとむっとする。しかし、どのくらいの手間なのかよく知らないだけだし、もし知っていても、ボスなら自分でできればそのくらいの手間を惜しまずにやってしまうだろうということがわかるので文句を言える筋合いはまったくない。尊敬し、見習うべき部分ではあるのだけど、自分のいたらなさを突きつけられてるようで、素直に認められないところがある。自分も未熟だなぁ。
 お給金が入ってしばらくたつが、実家の両親にちょっとした贈り物を贈ることにする。GWには帰れないし、いろいろお礼って意味もあるし、無事の便りのかわりでもあるし……まあ、いろいろ。
 昼過ぎに、 林氏 に久々に会う。二月の頭以来だから、二ヶ月ぶりくらいか? そんな久しぶりでもなかったか。
 まずは「 ほしのこえ 」に関して。こちらも先方も、かなりの衝撃というか、余韻を受けているのだ。受けているのだけど、いろいろな理由でそれを直接的に出すことができない、というところか。もちろん基本的にすごい、というところでは一致しているのがわかってるし、作品を見るときの視点がお互いだいたいわかってるので安心して話ができる。
「だから、あれの長編版が見たいとか最終回が見たいってのは間違いなんですよ」「あれ以上やっても何も出ないだろうねえ」ってな具合に。おまけに共通の知人・友人にあれを見せたらどうなるか、という話までする。あの人は、技術と労力への感心はするだろうけどそんなに気に入らないんじゃないかとか、この人は直球勝負好きそうだから気に入るんじゃないか、いや、SF的ガジェットを思わせぶりに使ってそれをどうでもいいものにしてるからそれが気に入らないんじゃないかとか。
 他には 紅鉄絢 氏の前の連載(打ち切り)とか、今やってる短期集中連載の話とか。「あの話はなにをやりたかったのかね?」「姉ちゃんの正体がわかんないまま終わっちゃったからわかんないですよ」。「短期っつったら3〜4ヶ月だろうけど」「あと一、二ヶ月で終わると思う?」う〜ん、確かに。あと三話はいるだろうということで落ち着く。
 まだ流せない情報とかも、若干。まあ、だいたいはそんな感じで。


2002年04月29日(月) 旧暦 [n年日記]

アギト、キタ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−( ゜∀ ゜)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−!

  アギト劇場版 Project G4の完全版の発売 が決定したらしい。マンティスロードの云々とかは復活せんのだろうか? 無理の気もするが……
  ワールドタンクミュージアム が販売されてるようだったので、ためしに二つほど買ってみる。ひとつ目をあけると、ティーガーI戦車の後期型、ふたつ目は88mm高射砲36式東部戦線仕様。ところが最初のティーガーI、よく見るとなんか違う。インナーの解説を見ると「シークレットアイテム」とかなんとか……パッケージ裏に書いてあるリストには含まれていないものっぽい。「ヴィットマンの007号車」? マジっすか?
 2ch おもちゃ板ワールドタンクミュージアムスレッド によると、先行販売だった ワンフェス では、18個にひとつ程度は出ていたらしい。今回はそれより少し確率が上がっているっぽい。それにしてに、一発目で当たったんでそういうものだとは気がつかなかった……
 注文していた 蛇と虹 ゾンビの謎に挑む が到着。読み始める。昔テレビで「ゾンビ伝説」をやっているのを見て、それに原作があると知り、その後、ギブスンの「カウント・ゼロ」後書きに載っているのを見て読みたいと思ったのだが 速水螺旋人 氏の 日記 に書いてあって、まだ販売してると知ったので注文。……あのー、奥付見ると、88年初版1版1刷なんですが……(^^; 内容は、信憑性には疑いがあるところもあるものの、無秩序な前近代的な産物と思われていた魔術の社会における必要性のロジックが構築されていくところが、非常にエキサイティングである。ウワバインやクラーレなど、今日よく知られてる毒物の由来も面白く読める。それにヴードゥーの資料ってこれ以外には少ないし。
 ジョージ・アレック・エフィンジャー死去!? マジ?