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2006年08月01日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 恨みが呼んでる佐渡おけさ

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第一話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。
 京山一座は、若い娘たちが諸国民謡にのせて踊るのを売り物にする旅一座。その座長の坂東京山はかつてお京という殺し屋として名を馳せていた。しかし風俗紊乱の咎で興行を中止させられる。
 そんな京山に声をかけてきた春海尼という尼僧。春海尼は駆け込み寺の総本山本然寺の主・善行尼の使いで、寺修復費用の寄進興行として、全国各地を回ることを依頼してくるが、京山は善行尼の本当の目的は京山に全国殺し旅を依頼することだと喝破する。足を洗った殺し屋稼業に戻ることをよしとしない京山だが、「阿修羅の怒りと弥陀の慈悲。表と裏が結ばれてこそまことの慈悲ならん」と、善行尼は駆け込み寺に寄せられる女の恨みを切々と説き、取り合えず佐渡へ行け、京山に佐渡に詳しい晋松という男を訪ねろという。
 依頼を受けるか受けないかはともかく、とりあえず佐渡へ向かう京山一座。その途中、関所破りの国定忠治に子分にしてくれと頼み込んで酷い目に会っているやくざな若者と出会う。
 食い逃げまでしていたその若者・直次郎を助ける京山。直次郎はその恩義に感じ入り、京山一座に同道する。
 越後・枕崎の駆け込み寺にやってきた京山はそこで晋松と会うが、晋松は佐渡に渡ることを拒絶する。実は晋松はかつて愛した女が佐渡で江戸から来た金山役人に犯し殺され、その相手を殺していたのだ。
 佐渡に渡った一行だが、佐渡では佐渡奉行所与力・戸塚修理が権威を嵩に横暴を行っていた。京山への依頼も戸塚修理の仕置だったのだが、京山の心は話を聞いてもまだ定まらない。
 だが、奉行所へ興行の願い出へ行った京山は戸塚修理その人と会い、驚く。戸塚修理はかつて京山が愛し、そして手ひどい裏切りを行った男・内田春之介の名を変えた姿だったのだ。京山はそのために娘まで失っていた。
 自分の過去を知る京山を始末しようと刺客に襲わせる修理。京山の帰りを迎えに来た直次郎が駆けつけ、初めての真剣での斬りあいに震えながら、刺客を仕留める。
 京山は依頼人のおこうのやっていた店を訪ねると、そこにいたのは晋松。実は晋松が愛した女というのはおこうだった。晋松は、おこうを騙し佐渡金山の役人に抱かせたのは、おこうが恨みを抱いて死んだのは修理だということを、京山の口から初めて聞く。京山と晋松は善行尼の依頼を受けることを決意する。
 おこうの店に修理を誘い出し、修理を仕置する京山と晋松。しかし、京山の後をつけてきた直次郎がその現場を見てしまった。晋松は始末しようとするが、仲間にしてくれと頼み込む。
 京山は万が一の時には自分が始末をするからと直次郎を仲間に加え、ここに仕舞人が結成される。

 時代的には1981年、順番では、丁度「必殺仕事人」の次の作品ということになる。「新からくり人」以降の伝統を継いで、この時期の非主水シリーズの定番の旅物。
 主演の坂東京山に京マチ子を迎えるなど、短期シリーズながらスタッフも力が入っており、本放送時にはこの前のスペシャル「恐怖の大仕事」でも顔見世登場している。
 丁度過渡期の作品であり、前期と後期の必殺の特徴の両方が見られるのだが、個人的には前期のようなインパクトはなく、ドラマ的にも、さすがに末期のようにグダグダではないものの、弱いと感じる。初回の悪人が戸浦六宏なのも、悪人のキャラを掘り下げることができなかったこともあるのだが、ちょっとインパクト不足。その分、地味ながら主要キャストの力で引っ張っている感がある。また、ライティングなども後期よりも前期に近い気がする。
 銀幕の女王として名を馳せた京マチ子の貫禄は勿論、晋松演じる高橋悦史の貫禄も重厚さを演出してる。しかし、個人的にはやはりひょうきんな渡世人崩れの若者直次郎を演じる本田博太郎がかなり重要なポイントになってると感じる。
 いや、別に仮面ライダーカブトで出てるからとかは関係ないですよ。(^^;
(それ以前から氏のファンだし)
 第一話で京山を襲った刺客に震え、まろびころびつしながら相手を倒し、興奮と恐怖で混乱し、えづきながらもできるだけ明るい調子で「俺の習った居合、通用するもんだね!」と京山に話かけるなど、人間臭さを存分にかもしながらも明るさを失わない、ムードメーカーとして重要な役割を果たしている。
 あと、善行尼を演じてるのが原泉というのもさりげにポイント。「必殺からくり人」第4話「息子には花婿をどうぞ」で、家名存続のために小身の旗本の娘をホモの息子に娶らせる鬼婆の役を演じていたのが鮮烈。

[その他] あれ?

 昨日書いた 在日差別発言で積水ハウス社員が顧客提訴スポニチ )の件で「おかしいともおかしくないとも言えない」と書いたけど、よく考えてみるとあからさまにおかしい部分が一箇所あったので。
  大阪府内の顧客に300万円の慰謝料と謝罪広告の掲載を求め大阪地裁に提訴する。って、慰謝料はともかく、「謝罪広告」って、あからさまにおかしくない? だって個人間で発生したトラブルで、業務上で発生したということで会社がバックアップ、ということはまだなんとか理解できるとしても(それもおかしいっていやおかしいんだけどね。経済力が必要な訴訟において、会社をバックに脅しをかけてるみたいだ)、あくまで個人間で発生した問題で、その他に広がってはいない。このニュースが流れるまでそんなトラブルがあったという報道ももちろんない。それを「謝罪広告を打て」なんて、ちょっとこれはさすがに異常な反応に思える。ちょっと流石に原告の動機を疑うなぁ……


  ボルトなく、針金で固定か 埼玉・プール事故朝日 )。記事見出しでは「吸水口の柵がボルトで留めてなかったことが問題」であるかのようだが(それも問題と言えば問題だけど)、記事をよく読むと、もうちょっと組織のシステム的な問題があるように思える。外れた柵を客から渡された監視員はそれがなにであり、それが外れることによってどういう問題が起こりうるか、理解していなかったよう。と、言っても短絡的にその監視員を責めることは出来まい。なにせ高校生のバイトだったそうなのだから。監視員は管理棟に問い合わせるが、管理棟でも判断できず、社員に連絡し社員が到着した時点でそれが給水口の柵だと気付き、危険性がようやく認識されたようだ。
 問題はどこだったのだろう? 法的な責任は、契約に従って決まるだろう。だが、「どうすれば防げたか」を考えるのはそう簡単な話でもあるまい。先日報道された擬装請負の問題同様、「効率化」で削られてるのはなにか、ということになる。別に「効率化」そのものを責めようってことではない。しかし、削られてるものは認識すべきだ。すくなくとも、削られてるものがあることは。


2006年08月02日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] さんさ時雨は涙雨

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第二話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 新しい依頼は仙台藩。しかしそこの住職は殺されており、依頼内容がわからない。寺に向かう京山一座だが、住職のいない寺は三浦という役人が管理しており、一座もけんもほろろに追い返されようとしたところを三浦の妻・志乃によってひきとめられる。
 実はこの寺には何人もの女が幽閉されていた。女たちは藩主伊達安房のお手つき。安房は好色で若い女に手を出しまくっていてが、悋気の強い奥方にばれては女たちを尼寺送りにしていたのだ。しかし、女たちは身ごもってる者もおり、尼になることを拒否していた。
 三浦の役目は女たちの監視のみではなく、強情な女を始末することも含まれていた。妻に内緒で役目を果たす三浦だが、実は志乃自身も拝領妻。監視される女たちと同じ立場だったのだが、二人は弱いもの同士、寄り添うようにいつしか深く愛し合っていた。三浦が嫌気がさしながらも役目に忠実なのは、出世し、妻に良い目を見せるためでもあった。
 しかし、京山は三浦が女を始末する現場に出くわしてしまい、なにが起こってるかを勘付きだす。そして死んだ住職の墓を掘り返すと、そこには藩主の悪行一切が記された手紙と依頼料が。しかし女ばかりの一座に目をつけた藩主が、一座の女を伽に出すようにいいつけてきた……

 三浦と志乃の夫婦愛が切ない一編。って、三浦を演じてるのは森次晃嗣なんですが。志乃、僕は地球人じゃないんだ。ウルトラセブンなんだ。(そんなセリフはありません)
 「仕置人」では善人を装い天神の小六すらたばかった悪党を演じていたが、こちらも善悪二面のはざまで揺れ動く男を演じている。足軽の身分から侍になったのはいいが、やっていることは女衒まがいの女の管理。それどころか汚れ仕事としてその始末さえさせられる。立身出世のためもあるが、それもこれも拝領妻として娶りながらも愛してしまった妻に良い目を見せてやりたいがため。しかし、妻にその悪行を知られてしまい、なにもかも瓦解する。
 始末されるのを待つだけの女たちを京山一座と共に逃がすが、追っ手たちを引き受け、贖罪であるかのように斬り殺される。志乃も京山一座に一度は託されるが夫の意図を知り駆けつけ、共に殺される。
 当地で京山一座が演じる「さんさ時雨」は本来祝言の時に謡われる歌で、尼として女の幸せを取り上げられようとした女たちと、拝領妻としてではなくきちんとした夫婦として今一度祝言を挙げたいという三浦夫婦の願いとの対比が悲しい。
 前回は三人揃っての仕置シーンはなかったが今回は各々のスタイルで殺しを見せる。


2006年08月03日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] ふと恐ろしいことに気付いた

 鬼丸美輝はツインテール。いや、三角巾のせいで今まで考えたこともなかった……


  CMのCMキャンペーン の会議室編で、本田博太郎が変な社長役で出てた……(「キャンペーンCMを見る」から見られます) テレビ放映しない30秒バージョンが滅茶苦茶変だ。


 世間では 亀田興毅氏の疑惑の判定 がにぎやからしいが、概ねどうでもいい。試合を見た知り合いは「おかしい」と口を揃えて言っていたので、多分そうなのだろう。でも、まあどうでもいい。どんなふうにバッシングが展開されるかの方が興味深い。


  靖国参拝、「戦犯外せば容認」3割 日中世論調査朝日 )。いや、これってむしろ 51%が「どんな条件でも反対」と強い拒否反応を示したの方が強いのでは? 結局分祀論で云々しても意味なさそう。分祀しても中国側にカードが残るのだものなぁ……まあ、そもそも最初に打った手が不味かったってのはあるんでしょうが、これではメモ絡みの報道で大喜びした方々もがっかりでしょう。(しない人もいるかもしれないけど)

[必殺] 織姫悲しや郡上節 ―郡上八幡―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第三話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 次の依頼のために郡上八幡に入る京山一座。町に入ったところで婚礼の一行に出くわし、仲人の天満屋という男から婚礼の為の舞を請われる。しかし、目出度い婚礼の席だというのに花嫁であるおかよの表情は暗かった。
 この地での依頼は、名も知らぬ死にかけの女郎からのもの。しかし、当の女郎はお店への恨み辛みを述べた挙句、肝心の店の名前を言わぬまま息絶えてしまった。
 晋松が女郎屋で探りを入れると、どうも女郎たちは郡上つむぎの元職工の模様。それも、天満屋に雇われていたらしいのだ。
 一方、直次郎は居酒屋で毎晩飲んだくれている音松という男と出会う。音松は一行が町に入ったときに出会った婚礼の花婿なのだが、何故か荒れている。実は音松とおかよの婚姻は天満屋によってなされた擬装結婚。借金をたてにおかよは実際は天満屋の妾としていいように弄ばれていた。いっそのこと女郎として働いて借金を返そうかとまで思いつめるおかよ。実は天満屋は借金のかたに職工の娘たちをこき使い、身体を壊し使い物にならなくなると娘たちを女郎として女郎屋に並べるという非道を行ってもいた。
 音松はついに耐え兼ねて悪行を黙っている代わりに、おかよから手を引いてくれと天満屋に直談判するのだが……

 話のからくり的には「新・からくり人」#10「桑名」と同じか。あちらは町全体、役人まで牛耳る辺りが地域の独裁者のそら恐ろしさを演出していたが、こちらはむしろ女たちの悲惨さに焦点を絞っている印象。なんの策もなく、あっさりと天満屋の口約束を信じてしまう音松がちと無邪気すぎると感じるが……被害者たちの借金の原因もイマイチ不明だし。
 しかし、夫婦の営みもできない音松たちの苦しみはそれなりに見させる。
 直次郎は今回、迂闊な行動で晋松に「俺たちまで危険な目にあわせるつもりかい!」と鉄拳制裁を受け、京山からも裏稼業の心得を厳しく言われる。若さゆえ反発する直次郎だが、京山が天満屋をひきつけ音松夫婦のために夫婦の時間を作ってやったことに、自分のことのように喜び、京山に礼を言う。わりとこの辺は直次郎の成長がメインなのだな。
 殺しのシーンでは暗闇の中から顔の下半分は隠し、目だけをぎらつかせて相手を狙うシーンが良かった。本田博太郎氏、目が大きいから特に目立つんだよなぁ。相手に駆け込んですれ違い様に長ドスで刺し殺し、ドスを引き抜くときに勢い余って堀に落ちてしまいながらも興奮で異常な呼吸音を立ててるのも、個性派俳優の本田氏らしい。
 絵的には、音松が天満屋の用心棒に襲われ、殺されるシーンは凝っていてかなり目を引く。ここらへんは前期必殺っぽい。

[アニメ] ウィッチブレイド#18といぬかみ#18とゼーガペイン#18

  ウィッチブレイド #18「転」。和銅の策略により、アルティメットブレイドを装着した八木の起こした事件を鷹山の責任に転嫁し、ついに鷹山の追い落としが成功してしまう。雅音はニュースでそのことを知り、導示重工本社に駆けつけるのだが……

 うわ、和銅って装着限界による装着者の結晶崩壊のこと、知ってたんだ。まあ、西田からデータを渡されてるんなら知らないわけはないよな……研究員には装着実験をしていた八木が暴走して逃走したと説明してるらしいが、前回のを見る限り、わざとだよな……あれだけのことをしておきながら、自分のしたことに動揺を隠せない和銅。とことん小者。
 反対に鷹山はまったく動じず、「これも可能性として想定していた」と、導示本社をマスコミの追及から逃すため、導示を退社してしまう。鷹山を心配して本社にやってきた雅音はそこでそのことを初めて知る。ウィッチブレイドの管理(つまり雅音の管理)は和銅に引き継がれるが、そのことを最初はよしとしない雅音。しかし、瀬川に「梨穂子のため」と説得され……って、瀬川、変わり身早っ! まあ、予想はしてたけど。でも、あんな小者に心底仕えるタマとも思えない。あるいは鷹山が残した獅子身中の虫という可能性も。
 雅音は前回に続き梨穂子にベタベタしっぱなしだが、奈月ビルの面々もさすがに様子がおかしいと感じ始める。その上この騒動だからなぁ……
 NSWF側は、明らかにまりあの行動が変わっていく。これまでの無方向性の狂暴さは影をひそめ、後身に指導をするなど、一見落ち着いたようにも見えるが、経緯が経緯だけに逆にそら恐ろしい。西田も古水への翻意を覗かせはじめ、こちらもひと波乱ありそう。
 あ、ちなみにアルティメットブレイドはより人型に近いアイウェポン(エクスコン)といった出で立ちでした。ウィッチブレイドやクローンブレイドと類似デザインじゃなくって良かった。(笑)
(それだとむしろ「いぬかみ」の方に相応しくなるからなぁ)


  いぬかみっ! #18「まんもすたいへんっ!」。前回に続き赤道斎の復活編。啓太たちの霊力を吸い集め、ついに地上に復活してしまう赤道斎。啓太たちは街に災厄を振り撒き力を蓄える赤道斎を止めようとするが、赤道斎の魔力は甚大でいかんとも手の打ちようがない。そこに現れた助っ人とは……

 そんなことよりED。ともかくED。いや、もう、この番組のウリがなんであるかを特別ED(映像&歌)で余すところなく表現しています。しないでええっちゅーねん(笑)。
 で、赤道斎の魔力で巨大化したクサンチッペに苦戦する啓太たちに駆けつけた援軍というのが……え〜っと、変態同盟? 出で立ちからするとむしろ赤道斎側っぽい気もするが、まあ、彼らには彼らの美学がある模様。いや、主人公のピンチにこれまで関わった一般人たちが駆けつけて、ってのは、普通は感動的なシーンのはずなんだけどねえ……唖然というか爆笑というか。あ、ある意味一般人じゃないか。
 なでしこから霊力を集めようとした赤道斎が装置の許容以上の霊力に慌てて装置を止めたり、なでしこの秘めた願望(他の九人を排除して薫の唯一の犬神になりたい)とかが出てきて、終盤への展開へのシリアスな伏線も張ってるのかな?
 次回は 築地俊彦 氏が脚本だとか……


  ゼーガペイン #18「偽りの傷、痛みは枯れて」。わりと小休止的な話か? リョーコは戻ってきたものの、感情データ領域はアルティール内に置き去りになり、舞浜サーバ内では別人のようになってしまっていた。さらに以前と同じ日常の繰り返しに、舞浜サーバ内での日常に意味があるのかと考えるキョウ。その疑問はカワグチに本気の喧嘩を仕掛けられ、より強まる。繰り返しに気付かず本気で生きてる彼らと、現実の世界に出ても花にも触れない自分と、どちらが本物なのだろうかと。
 その一方でシマとシズノは他のセレブラントたちにも秘密裏に、なにごとか計画を実行しようとしていた……

 前回もたらされたリョーコの状態ってのは、二重生活を送るキョウの葛藤の象徴的存在だったのだな。舞浜サーバの日常ではなにをやっても、一緒に映画を見ても反応はない。キスをしかけても無反応。しかし、アルティールに乗っている間は映画のことを楽しそうに話したりキス未遂で照れたりと以前どおりのリョーコ。キョウにとっては繰り返しの舞浜より、アルティールの中にリアルを感じ出すのは当然か。
 「どっちが本物って言えるんだ!」と叫ぶキョウに、「どっちも偽物だよ」と答えるリョーコ。明るく振舞ってるけど、キョウよりもシビアに、深く傷ついて現実を捉えてるのだろうな。
 その怒りを襲い来る敵にぶつけ、復活の日を実現させることを誓うキョウ。でも、その一方で進められるシマたちの計画が気になる。「メンテのために舞浜サーバに向かう」と言っているが、どう考えてもそれで済むとは思えない。会話からすると、このままではジリ貧と、起死回生の一手に出るっぽいが。


2006年08月04日(金) 旧暦 [n年日記]

[映画][アニメ] ゲド戦記

 ええっと、まず最初に言っておきます。「見に行け」と言える作品ではありません。反対に「救いがたい駄作」ということもありません。その意味では「フツー」の部類に属する映画でしょう。ただ、その中でちょっと感じること、考えることがあったので。

 まず、この映画の世間評から。「意味がわからない」「暗い」「地味」という評が個人的にはわりと否定意見のメインと感じる。私は原作のファンなので原作は一通りは読み、外伝も目を通してるので、そうでない観客の感想を完全にトレースすることは出来ない。その上での意見は、もっともなところもあり、そうでないところもあり、というところ。
 意味不明、という感想もある程度わかる。大きいところでは竜と人間の関係というのはどういうものか、この世界の魔法というのはどういうものなのか、アースシーの社会はどうなってるのか。小さいところでは、世界の異常とはなんなのか、ゲドは一体なにをしたくてなにをしてるのか、とか。これらの疑問は映画では断片は示されてるものの、わかるように描かれてるとは言いがたい(原作を読んでいれば一応補完できるが)。
 なにより、クライマックスの展開(ネタバレなんで一応書かない。原作を一通り読んでる人にはバレバレだろうけど)は、その大前提となる人と竜の関係がまったく描かれてないので唐突すぎる。

 が、映画としての起伏を考えると、そう外してるわけでもない。

 映画の描写ではわかりづらいが、映画版のアレン(原作ではまったく違う設定なのであえてそう断らせていただく)ってのは、かなり今時の子だ。父親は非の打ち所のない立派な人物。母親は厳格で、子供を次の王に相応しい人物であるべきと育てている。アレンがなぜ父王を刺したかというのは、親への尊敬と期待の重荷からの憎悪のジレンマの結果であろう。(不謹慎なので示さないが、昨今起こった事件を連想する)
 原作と比べるといきなりなさけなくはなるが、そういう問題の話ととらえると、とたんにわかりやすくなる。
 テルーは原作と違い(てか、ベースになってる第三巻ではそもそも登場してないしアレンとは絡んでもいない)ツンデレ美少女になってるが、親に捨てられ、あまつさえ火の中に投げ込まれ殺されかけた存在(って、その辺、描かれてなかった気が)として、親の庇護を受けながらその期待の重圧に逃げ出したアレンとの対比として描かれている。まあ、映画版テルーもある意味今的な子供ではあるのだけど。
 結局、そういう対極に位置しながらどちらも現代に見られる事件・問題の象徴的な子供の邂逅と見ると、わりと納得できたりする。無論、原作の設定を了解した上でなんだけど。
 なので、かなり門戸の狭い作りだよなぁ。
 一応、その門戸をクリアしていれば、この映画の意図ってのは理解できる。つまり、対極の問題を抱えた少年少女が邂逅することで、その閉塞を打開するという、プロット的には普遍的な話なのだ。
 まあ、作り自体上手いってわけでもないのはたしか。ただ、二時間の映画でゲド戦記をどう映像化するか、と言われても、困ってしまうのだよなぁ。そもそもが地味で心理的で映像化しにくい原作だけに。
 それらを総合して、「薦めるか」と言われると「薦めもしないけど特に見るなとも言わない」という、ビミョーなポジションに位置する評価になってしまう。「ときかけ」とどっちを薦めるかと言えば、「ときかけ」には勿論なりますけどね。
 このへんが大変困る。映画のつくりとしては実はとてもオーソドックスだし今的な問題を念頭に置いてれば理解できないわけではないけど、原作を読んでないとわからない。そうすると原作のイメージと違うからいろいろアレ、という、奇妙な絡めとられ方をしてる作品なのだ。うう〜ん。

 純粋に技術的に言えば、多々問題は見られるものの、素人で監督に起用されてそれなりに形になった映画を作ったってのは、かなり評価してる。できればこの後も何作かこなしてみていって欲しい。

P.S.あ、この映画を示すのに適切な表現が見つかった気がする。つまり、この映画は、ゲド戦記の「二次創作小説」なんだ。って、ごめんなさいごめんなさい。

[マンガ] 月チャン

 同日発売の月刊誌三冊(「月ジャン」「月マガ」「月チャン」)の中では一番読みでがある気がする。(作品傾向がマニア誌に近いからかもしれんが)
  塚脇永久 作「Kランカー 奥村ザウルス」が結構面白かった。「ウヒョ助」のPNで以前スピリッツ誌上にて道路交通法ものや伝奇もの(?)「女神の赤い舌」などを連載していた作者による読みきり。ガタイはでかいが小心者でいじめられっ子だった奥村君は、東京の学校から逃げるようにして地方の「刃黒高」に転校してくる。ところがそこは典型的なヤンキー校の上、学内の男子全員で「Kランク」というケンカランキングごっこが流行っていた。図体はでかいが蚤の心臓の奥村君も無理矢理参加させられるが、ランキング最下位になってしまう。
 前の学校でやはりいじめられっ子の親友と無理矢理ケンカさせられ、結局脅しに屈服して無抵抗な親友を一方的に殴ってしまった奥村君。その事を後悔するも、当の友達には謝ることも出来ないまま引っ越してしまった。新しく出来た友達に「友達を一方的に殴るなんて、気分悪いだろう!」と言われ自分の力に開眼するも、「そいつにすぐ謝れ! じゃなきゃ上位ランカーと戦え!」と脅しのつもりでけしかけられ、親友と話をすることが怖くてどんどん上位ランカーを倒してしまう(笑)。段々「自分の過去から逃げるため」ではなく、「ランク一位になって友達に謝りに会いに行くため」に目的が変わってくる。ランク一位の増田君は身体は大きくないが決して倒れないことから「ゾンビ」と言われる強者。奥村君の資質をひと目で見抜いた人物でもある。そんなチャンピオンにいどむのだが……なんだか奥村君を応援しつつ殴り合いに夢中になってるおバカヤンキーたちがみんな気持ちのいい連中で、読んでてこちらも気持ちがいい。やっぱりこういうのが上手い作者だなぁ。
 「野球しようぜ!」は、対日横商業戦に決着。逆転の危機の中、日横まさかの一発が出てしまう。主人公の天の活躍で勝利、という展開はお約束だけど、敵も味方もギリギリの執念を見せた勝負で、ご都合主義はあまり感じない。自分の思いのままのチームを作って女人禁制の甲子園に復讐しようとしていた日横マネのわだかまりも解け、一応ハッピーエンドかな?(連載は終わってないけど) でも、部員たちを操るために自分の「女」を武器に使っていたのをやめる、という象徴だろうが、大きく開けていたブラウスの胸元を閉じてしまったのは惜しいといえば惜しいかも……(おい)
 「明日のよいち!」は、やけに次女をクローズアップし続けてるなぁ……長女と主人公の三角関係に持ち込むのかな?
 「イゾラバ!」は、以蔵の憧れの担任教師がえげつなくってなかなか面白い。能面の神鬼たちの方がよっぽどピュアなんだものなぁ……


2006年08月05日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 命の価値

 いや、一部から不快感買うこと必至の内容なんですが……よく言われる「人の命は地球より重い」「人の命はみな平等」は正しいのか、という話。
 結論から言っちゃうと、大間違いなんですけどね。
 「人の命は地球より重い」って、生命活動に重量なんかあるわけがない。これは「それだけ価値が重い(重要)」という比喩に過ぎないのだけど、比喩ってのは説得のテクニックなので、それでなんとなくわかったつもりになっても、実態はどうなのかはわからない。
 じゃ、人の命はなにものにも代えがたく重いかというと、現実を見れば決してそんなことはないのは明白なわけで。それどころか、ある場合においては明確に値段がつく。立場などによっても変わるが、おおまかには「時価」であり、「相場」なんじゃないかと思える。「命の価値はどこでも同じ」というのは間違いで、命が高い社会・安い社会というのは確実にある。と、するとその「相場の違い」を利用してる連中もいるだろうことは想像に難くない、というか確実にいるんですけどね。
 誤解のないように書いておくけど、様々な紛争や人権蹂躙で失われる人命というものに心を痛めないわけではなく、そういうことがなくなればいいとも思ってる。ただ、その際に単にヒューマニズムに訴え、建前のみを繰り返してるのが、気になるだけなんですけどね。正直、建前の繰り返しは繰り返してる側は気持ちがいいかもしれないけど実際にはほぼ何事もなせないし、それより現実を正確に把握した方がいいと思う。


  エヴァの新作ゲームは「名探偵エヴァンゲリオン」 。……タイトル見たとき、絶対ネタだと思ったのに。


  TBSの人間が持つ「メディアに対する意識」が面白い 。「TBSが」というより、多分わりとテレビメディア全般の意識なのかなぁ、と思う。メディア関係者自身が「テレビは情に訴えるメディア」と割り切ってたり、情報のトリミングを行いながらその危険性にはかなり無頓着であるってのは、想像はついていたけど、一般の意識との乖離がかなりあるなぁ、と感じる。使命感と特権意識が絡み融け合ってるのかもしれない。

[アニメ] おとぎ銃士#6

  おとぎ銃士赤ずきん #6「ごめんね、りんご」。ファンタヴェーレになにか異常が起こり、エルデ(現実世界)との行き来が不安定になってきてしまう。完全に行き来が出来なくなる前に異変の起こったファンタヴェーレに戻ることを決める三銃士だが、夏休みに入った草太も護衛のため連れて行くことに。でも、そのことを聞いてりんごは、草太と夏休みを過ごすことを楽しみにしていたのにと怒ってしまう。
 むー、作画が悪いなぁ、というのが第一印象……そういうの、あまり気にしない方だと思ってたんだけど。まあ、いろいろ今回も突っ込みどころ満載なんですが。「肉じゃがの屋台ってなんだよ!」とか、「いばら姫、メッセンジャーとしては全然使えねえ、ってか、こんな奴メッセンジャーにしたの誰だよ!」とか。まあ、いばら姫、戦力としては強いんだけどねえ。
 これからりんごを置いてファンタヴェーレに行ってしまうのか、ツッコミ役不在ジャン! と思ったら、草太を狙うグレーテルによって人質にさらわれる。ああ、ツッコミ役もちゃんと随伴するんだ。良かった。


2006年08月06日() 旧暦 [n年日記]

[その他] テラワロス

  それ何てユリカン? と突っ込みを受けて意味がわからず、リンク先に飛んで、まず驚き、それから思わず笑ってしまった。新井英樹作品は絵柄が個人的にあまり合わず、さらに殺戮や暴力シーンの連続がそれに輪をかけていたので、「The World Is Mine」はほとんど見てなかったんだよなぁ……「ユリカン」ってキャラがいるのは知ってたけど、この演説は知らなかった。で、あまりに言ってることが同じなんでびっくりして、その後思わず笑ってしまった。
 ここのところ地域紛争とかについての通り一辺倒なコメントにいらついていてのエントリだったのだけど、ほとんど同じ答えというものが出るものなのだなぁ。あまり自分でも斬新とか新しいことを言ってるというつもりもなかったけど、きっと作者がこの演説を書いたモチベーションってのも、似たようなところだったのかなぁ、などと思ったりした。
 ただ、「命にはハナから価値はない」というのは個人的に違う意見だなぁ。「価値というものは価値判断する主体、対象の状況の存在発生なしには生じえないから、ハナから価値があるわけではない」というのなら賛成だけど。

[特撮] カブト#27

  カブト #27。結局マスクドライダー計画のことについてはなにもわからなかった天道と加賀美。落胆する中、以前風間の相棒だった少女・ゴンが風間の記憶を取り戻した。風間に会うために家出したゴンはサルにやってくるが、風間はゴンと別れて以来、仕事も落ち目で新進の若手に追い落とされかけていた。
 そんなとき、神代がじいやが倒れたとサルに駆け込んでくる。ゴンは風間を見つけるまでのアルバイトとしてじいやの看病を申し出るが、同時に神代も家の財政破綻を知ることとなる。愕然とする神代だがすぐに気を取り直しアルバイトを……
 一方、風間はライバルの同業者を殺した犯人として、指名手配されることに……本当はZECTと手を組んだ間宮の部下が化けての犯行だったのだが、そんな言い分が通るわけもない。サルに駆け込んで天道に助けを求める風間。天道は風間を信じ、彼を家に匿うことにする。しかし……

 シリアスなのかギャグなのか、よくわからない世界が相変わらず展開されております(笑)。風間とライバルのメイクアップ合戦も相変わらずバカくさいが、じいやが倒れたとサルに駆け込みながら、天道の助力の申し出を断って「俺は看護においても頂点に立つ男だ」とのたまう坊ちゃん……お前は一体なにをしたいんだ!(笑) その坊ちゃん、神代家の財政状態を初めて知り、一時はショックを受けるもののすぐに立ち直り、「俺が立て直してみせる!」といつもの意味不明な自信を根拠に前向きになるところは、ちょっと見直した。まあ、やってることは相変わらずですが……
 で、「風間に起こるとんでもないこと」というのは、まずはこの殺人犯容疑。ところが天道が自宅に匿った風間も、ワームのシルエットが一瞬重なる。つまり、こいつも偽者。本物の風間はというと、次回予告で示された通り、遺体で発見されることに……ええ! マジかよ!? という感じ。冒頭の、話術にも切れがなくなり、ゴンの喪失がいかに風間にとって大きかったかというのが示されただけに……

[アニメ] シムーン#18

  シムーン #18「葬列」。アルクスプリーマで行われたアングラスの葬儀に、その出自の低さゆえに出席が許されなかったアーエルとマミーナ。しかしそれのみならず、司政院の権限が強まり、うやまれるべき巫女であるはずのシヴュラたちも戦争のコマ扱い。細々と抵抗は見せるものの抗いきれるわけもない。さらに、礁国らに奪われた古代シムーンを警戒しての偵察任務から、司政院の命令でアーエルとユンがはずされることになってしまう。

 前回から登場の黒いシムーン(愛称Vシムーン)は、敵国が開発したわけじゃなくって遺跡から盗み出された古代のシムーンだったのか。宮国、いろいろダメダメすぎるなぁ……これまでも散々後手後手に回ってることから見ても、どう考えても司政院の連中って無能だろう。そんな連中に政治を牛耳られてるのだから絶望的だよなぁ。
 ネヴィリルは前回遺跡の奥で見たものにシムーンの謎を解く鍵を感じつつ、アーエルに口止めをする。また、司政院の面々がアーエルの姓を聞いて顔色を変える。どうも、元シヴュラのアーエルの爺さんってのは、覚えめでたくない意味での「有名人」らしい。祖父が元シヴュラなのに孫は本来シヴュラになれない身分、ってのはどうも変だし。なにかやって身分を剥奪された? しかし京田尚子声の爺さんってのははじめてだ……
 前回までで一気に男(?)を下げたパライエッタは、さらに妄想&暴走で情けないことに……ここまでヘタレキャラにされると、かわいそうだなぁ。それがいい、という人もいるかもしれませんが。一方ワポーリフはモリナスとも和解し、シムーンの秘密と向き合うことを決意。男性キャラ人気投票でも一位になったし、贔屓にされてるなぁ。って、アレ(巨乳)が男性キャラで本当にいいんだろうか?


2006年08月07日(月) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 江差追分は母娘の別れ―北海道・江差―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第四話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(これは先週金曜放送分)

 依頼で江差に入った京山一座。町は横暴な網元の江差屋に支配されており、浜辺で網を引きながら江差追分を歌う漁師の女房たちの表情も暗い。その江差追分を、悲しげな表情で聞く娘がいた。
 娘の名はおしん、今回の仕事の依頼人だった。恋人の伊之吉が江差屋に雇われていたのだが、タコ部屋同然の扱いに耐え兼ねたところをつかまり、殺されたのだという。依頼を引き受ける京山だが、顔役の江差屋と上がりの件で折り合いがつかず、三日間の興行しか認められなかった。わずかな期間のうちに江差屋を仕留めなければならない……京山たちは急ぎ裏を探るが、驚いたことに江差屋の屋敷でおしんを見かける。なんとおしんは江差屋の妾にされていたのだ。彼女を妾として口を聞いたのは母親のお栄。流れ芸者をしていたお栄はそのおかげで料亭を持ち腰を落ち着けることが出来、娘にも因果を含めていたのだ。
 一方、晋松は江差屋のタコ部屋に潜り込み、伊之吉のことを調べようとする。タコ部屋では扱いの酷さに耐えかね、逃げ出そうとしている連中がいた。ところが彼らの逃亡は事前に内通され、全員殺される。内通を裏で手を引いていたのはお栄。実は、お栄は伊之吉の脱走も密告していた。それを知ったおしんは……

 今回は脚本が良かった。お栄・おしん母娘がメインになるが、お栄が脱走者の密告を行っていたことがわかったことで、メインキャラ三人のマトが誰かということもミスリードに利用している。単に見てる側を騙すのではなく、ところどころで幼い頃のおしんがお栄に手を引かれながら寒風吹きすさぶ浜辺を歩くシーンが差し挟まれ、母娘関係がどうなるのか、ということも興味を引き続ける。
 お栄の悪人ぶりも、流れ流れ苦労し、すれっからしになってしまった、あまりに現実的な悪人ぶり。誰かを酷いめに合わせるのが目的ではなく、あくまで安定のために江差屋に取り入ることがすべてなのだ。おしんにも酷い目に合わせようとしてるのではなく、江差屋の囲われ者になって生活が安定していた方が幸せだろうと思っているふしがある。
 ところが、母が恋人が死んだ原因であることを知ったおしんが江差屋を去ることによって、江差屋の上前をかすめていたことがばれたお栄も用済みと着の身着のままで追い出される。最初、おしんを見つけみっともなく「江差屋にお戻り!」と言い出すお栄だが、はっとしたように気づき、おしんに江差屋に見つからないように逃げるんだよ、と言い残し別れ去っていく。おしんはその後ろ姿を見、昔の自分たち母娘を重ねる。そして思わず走り出し、「一緒に逃げよう!」と抱き合う。様子を見て場合によってはお栄を始末しようと伺っていた京山も、それを見て得物のかんざしを収める。
 母が娘の恋人を殺していて、娘の依頼で母を殺す、の方が直接的な悲劇だろうが、なぜかその場合よりもこの方がやるせなく、胸を打つ。おそらく恨みも愛情もすべてを含めて、二人で生きていくことを決意したからじゃないかと思う。
 その母親を最初軽い調子で「殺っちまいましょうよ!」と言う直次郎だが、様子見するという京山になおも食い下がり、晋松に殴られる。そして、倒れ込んだ後そのまま雪で顔を洗い、「へへっ」といつもの笑いを浮かべ、そのまま立ち去る。ちょっとぞっとしたシーンだった。こいつもただ、屈託のない男ではないなぁ。

[その他] ネズミ裁判

  顧客提訴 反響よぶ会社の訴訟支援東京新聞 )。これ見て最初に思ったことは、「あ、2chのタレコミって本当だったんだ」ということ。 こちら 参照。特に「ネズミ裁判と呼ばれるでしょう」だなんて、最初みんなが見て「なんのこと?」だったものなぁ。理由を見ると、更なる補修が必要と示してきた積水側の理由が「ネズミが石をはこんでまた排水溝をふさぐから」ということだから。唖然。アホらしい。
 コラム自体は作りを見るとむしろ後半部分を示したかったのだろうが、結果的に「両者の言い分が食い違ってる」ということを提示したに過ぎず、その事実と筆者の持っていきたい結論が結びつかないので、おかしな話になっている。第一 徐さんは、なぜ名前にこだわったのか。生い立ちを抜きにしては語れない。ってのは、事件の経緯を考えるとここで持ってくるのはおかしい。営業が、名刺を出すたびに自分の生い立ちから語って説明するのだろうか? あるいは名刺だけ見てわかることを当然と期待するのだろうか? それはちょっとありえない。だから、「無条件で人種差別的発言をした方が悪い」という結論にはならない(実際にそういったやりとりがあったのかは、不確定だが)。個人同士のトラブルから無理矢理普遍的な「罪」を抜き出して裁こうとしているように見える。掲載されてる材料自体は面白いが、新聞社説としては最低の部類。


 マンガ家の 飛竜乱 氏の 日記 、8/4にゲド戦記の感想が載ってて、「無駄な移動のシーンが多すぎる」というのに、これは確かに、と思った。監督は建築家だから空間配置はより気になったのかもしれないが、アレンがテルーを探しに行くシーン(で、裏の原っぱで歌ってるテルーを見る)で、庭を歩き、門を開け、外に出て、歩く、というシーンが、かなり冗長に思えた。それでいて、特に機能しているシーンではない。言ってしまえば、ぱっと移動させて「どこをどう移動してきたか」を納得させる演出力(と自信)が不足してるということなのだが、これはやはり場数が必要だろうなぁ、と思う。
 けど、飛竜氏の日記、ゲド戦記の件に限らず結構個人的に同意できることが多く書いてあるなぁ。いや、作品自体はそんなに好きな作家さんじゃないんですが。(^^;


2006年08月08日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 津軽じょんがらは嘆きのひと櫛―青森―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第五話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(これは月曜放送分)

 興行で越後に寄った京山一行。そこで離れ瞽女のなつと出会う。盲人なのに仲間と一緒におらず、三味も持たずに庄屋から借りるなつは明らかに訳あり。そんなとき、一行を追って善行尼の遣いの春海尼がやってくる。一行に津軽に飛んで欲しいという。
 その場を通りかかるなつ。だが、なつは庄屋の三味線を抱えていた。実はなつはかつて木曽でこけし作り職人の誠二郎という男と愛し合い、都へ出て仏師になりたいという彼と駆け落ちをしたのだが、誠二郎はなつの稼ぎをアテにしていただけ。必要なくなるとあっさりとなつを捨てた。三味線も失い、仲間の元にも帰れないなつはただひたすらに故郷を目指して旅していたが、三味線に触れ芸人としての魂が甦り、思わず持って飛び出てしまったのだ。話を聞いた京山はなつも一緒に津軽に連れて行くことにする。
 津軽に着いた京山への当地の依頼は、寺に投げ込まれた遊女のなりをした娘の恨み。だが娘は遊女ではなく、津軽藩お抱えの仏師鷹衛門の娘りつ。身体を壊し死ぬばかりになった遊女が投げ込まれるのをいいことに、何者かが遊女に見せかけ始末しようとしたのだ。しかし、りつは虫の息で恨みの依頼と、家には知らせないでくれと頼んで事切れた。
 何故そんなことを言ったのか。京山たちは依頼の裏を探る。その裏には数年前に津軽にやってきた仏師の早雲という男の影が見え隠れしていた。
 一方、京山一行と別れたなつは妹のすわに会いに行く。六年ぶりに会った妹が妊娠していることを知り、喜ぶなつ。だが、すわは明らかに取り乱し、なつに「もうここには来ないでくれ!」とまで言い出すのだった……

 話はわりと悪くなかったかな。りつを殺した男・仏師の早雲はりつを通じて鷹衛門の仏像を入手し、わざと他藩に売り払うことで鷹衛門を失脚させ、自分が藩御用達になる参段。そのために奉行の高森とも通じていた。りつは自分が利用されたことを知り、用なしと始末した早雲を恨んで死んだのだが、同時に父を裏切った後ろめたさについぞそのことを知らせることをよしとしなかったわけだ。
 その早雲が実はたまたま出合ったなつが恨んでいた誠二郎というのは、流石に偶然が過ぎるとは思うが。さらに誠二郎は「なつは死んだ」と妹のすわを騙し、子供まではらませていた。
 誠二郎は出世がかなうと見ると身辺整理のために産み月間近のすわをお腹の子供ごと殺し、なつが津軽に戻って来てることを知り、なつまでも殺そうとする。
 なつに深く同情を寄せて直次郎は誠二郎の始末にはやるが、晋松は「入れ込みすぎだ」と誠二郎の始末から外す。代わりに高森の始末をすることに。なつが家に帰れたことをおおはしゃぎで喜んだり、ひとりで出かけるなつの身を案じたりと、惚れたわけではないだろうが、その入れ込みようはきっちり表現されている。殺しのシーンも前回のように緊張と興奮の中で殺すのではなく、どことなく落ち着いた感じが出てきたのが、直次郎の成長が良く描かれてる。
 なつは京山一座の小屋にやってきた高森と誠二郎の前で津軽じょんがらを演じるのだが、目の見えないなつには目の前にいる早雲が誠二郎だと気付かない。だが、早雲の表情を見て京山たちは彼が誠二郎に間違いないと確信するあたりの演出はなかなか。ただ、最後に自分の屋敷になつを招いた誠二郎が自分の正体を明かし、始末の前に犯そうとするのは、これから殺そうという女を抱こうということで、どうも薄っぺらぽさが……そうでなきゃ、異常性愛者か殺人者だよなぁ。
 ちなみにすわを演じた久保にしきは、必殺シリーズの常連不幸娘・今出川西紀。最初気付かなかった。

[必殺] 花笠音頭は地獄で踊れ―山形―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第六話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(やっと追いついた)

 庄内の熊井村に、一座に先駆けて入った晋松。ところが山中で三人の百姓が役人に追われ、二人までが殺されるところに出くわす。一人は尼寺に逃げ込むが、実は三人は尼寺から観音像を盗み出し売り払っていた。その事を諭されるが、最後の生き残りの一人、彦市が言うには、役人に追われているのはそのせいではないという。代官所の厳しい取立てによる生活苦のあまり盗んだ観音像を売り払った帰り、代官所の役人が江戸からの巡回士を斬り殺すところを目撃してしまったのだ。晋松は彦市が気にかかり、後を追いかけるが彦市は晋松を振り払う。そして、晋松は不審人物として役人につかまり、牢に入れられることに……
 一方、晋松を追って庄内入りした京山は、貧しさに口に入れるものさえ不自由する様子を見る。そして、山越えをしようとした途中で体調を崩し倒れてしまう。のみならず大八車の心棒まで折れてしまい、代わりを探しに行った直次郎があばら家で何者かに殴られ、昏倒してしまう……

 時系列どおりにあらすじを説明をすると、非常にめんどくさいことになるなぁ……この辺は見ながら注目点が分散してしまうかも。その意味ではあまり上手い脚本ではないかも。
 筋も代官が厳しい年貢の取立てをしており、代官と組んだ庄内屋が困窮した百姓たちの娘を口先で騙して江戸の女郎に売り払ってしまうというのが悪事。で、その江戸の女郎たちからの依頼が京山たちへの依頼になる。ちょっとありがちかも。
 ただ、彦市の妹おしかを同様の手口で騙して売り払おうとしたり、息子の無事を一心に祈る彦市の母を、おとりにした挙句彦市の始末が済むとあっさり殺してしまうあたりで虐げられた農民たちの悲哀を演出してる。特に、直次郎が彦市の母親の様子を見て、聞き分けのない彦市に「母親に心配されてるおめえがうらやましいからだよ!」と殴って説得するところは、普段とぼけて素直な心情など見せない直次郎の、珍しく直接的に感情を吐露するシーンになっていて、この後の母子の悲劇に欠かせない。
 もうひとつ重要なのは、京山一座の一人・おはなが京山の殺しのシーンを目撃してしまい、晋松に始末されそうになる。京山を母と慕い、京山も娘と思うおはなに、京山は「生かすも殺すも私の手で」と、すべてを自分に預けてくれるようにと説得する。
 大分プロっぽくなってきた直次郎とは言え、掟に従いおはなを始末しようとする晋松を静観してるのがちょっと気に掛かる。その後、晋松から解放されたおはなに一瞬駆け寄ろうとし、京山に彼女が抱かれるのを見て立ち去るシーンを見ると、直次郎も平気だったわけではなさそうだけど。おはなを演じるのは「旅愁」「さざなみ」などで必殺の主題歌を歌った西崎みどり。
 ところで番組終了後にこないだちょっと書いた、本田博太郎出演の「 CMのCM 」が流れるのは、なにかのワナですか?

[その他] 「これはひどい」と買ったもの

  列島地獄!日本人1億人死亡…日朝戦争シナリオzakzak )。おいおい。これはあまりにひどい。どうなってるの、この自称軍事アナリストの方の頭。自分もいいかげん素人だけど、ここまで妄想垂れ流しじゃないぞ。とりあえず言ってることが端からツッコミどころしかないんで一々突っ込まないけど、 濱野氏は「ナンセンス。北は米国よりも日本を狙うだろうし、ミサイルはただの陽動作戦。攻撃はテロに尽きる」と断言する。って、あんたの言ってることが一番ナンセンスや! 不安を煽って注目をうけようという、下賎なおっさんなんだろうなぁ。まるでホロン部……え? 東京女子大教授だって? でも英文学科じゃん。(笑) それもやたらと無関係の肩書きをつけたがるあたりが、薄っぺらいよなぁ。


 ・ 虫と眼球(めだま)とテディベア/日日日
 ・ われら九人の戦鬼(上)/柴田錬三郎
 ・ 同(下)

 いや、上はコミック版見てなんとなく。下二つは、「スペースオペラの書き方」を読んでからずっと探してたのだけど、なんとなく書店に入ったら見つけたので。

[アニメ] 徹之進#29

  徹之進 #29「てつのしん里帰りする」。犬山一家と九州のお屋敷に里帰りする徹之進。折角羽根をのばせると思ったのに、ポチを始めなぜか犬楽園の面々もやってきてしまいあまり普段と変わらない。その犬山家のお屋敷を、九州の時のルミちゃんの友達のトオルとススムがやってくる。二人はルミちゃんをめぐるライバル、と思いきや……
 徹之進の名前の由来が明らかに! って、実はルミちゃんの男友達の二人、徹(トオル)と進(ススム)が、貰われてきたばかりの徹之進に自分の名前をつけようと張り合って、ルミが困ってつけたのが「徹之進」。二人をルミにまとわりつく悪い虫と敵視してた徹之進は、それを知ってショック。で、二人がルミとお付き合いをしようとしてると勘違いしたお爺ちゃんが障害物競走をさせることに。で、二人は徹之進の名前のことではヒートアップしてしまったが、それぞれ下心なしでルミのナイトとして精進しているいい連中ということがわかり、徹之進も二人になつく。てか、レースに随伴したハカセとイワンが、最初はレースをリタイアさせてドローに持ち込むつもりだったのだが、それぞれ意気にほだされて本気になってしまうあたりが「二人がいい奴」感が出てた。
 それにしても犬山じいさんとセト様、しょうもないなぁ……


2006年08月09日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 丹後の宮津の嘆き唄―京都・宮津―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第七話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 京都宮津にやってきた京山一座。依頼は中間の兄を不義密通の罪で手打ちにした勘定方・本庄弥平次に恨みを晴らしてほしいという、おはつという女郎からのもの。裏を取るためにおはつを探す晋松だが、ようやく見つけたおはつを、身請けしたいという侍がいた。なんとその侍こそ本庄。そしてその身請けの相談の帰り、本庄が若侍に襲い掛かられる。彼の名は友田新助。おはつの兄と共に不義密通で殺された奥方の弟だった。
 無縁仏に埋葬された二人を弔うおはつと、新助が出くわす。新助はおはつの兄のせいで姉が死んだとなじるのだが、おはつからこれは陰謀だと知らされる。本庄は勘定方の立場を利用して不正を行っていたのだが、それをいさめた奥方を監禁。その奥方に同情し、手紙を仲介したりとしていたおはつの兄を、共々口封じのために殺したのだ。本庄がおはつを身請けしようとしてるのも、宮津から追放して口封じするため。
 とりあえず本庄に狙われた二人をかくまう京山たちだが、新助は敵討ちにはやる。のみならず、本庄のバックにはさらに大物が隠れていた。

 わりとソツない印象のあるシナリオ。一点、敵討ちにはやる新助におはなが淡い思慕を寄せ、その身を案じるのだが、その描写が薄く、京山のセリフでそうと知る。そのせいで、その後黒幕の老中に騙されて新助とおはつが殺されたことを悔恨し、京山たちの裏家業を手伝うという描写にイマイチ説得力が生じない。これさえきっちりと描かれてれば……
 どうも直次郎もおはなに淡い思いを抱いてるらしいのだが、それもちょっと曖昧で、上手く機能してない。
 他の部分は、いきなり口封じに殺そうとするのではなく、まずは追放という穏便な手段を取ろうとする辺りがちょっとリアルなのだが。
 あと、前半部分が結構丁寧だったわりに後半部分が、仇討ちしようとする二人のバックに何者かがいることを知りながらそれを調べずあっさり殺してしまったりと、駆け足気味の展開なのが気になるかな。でも、全般的に悪くない話でした。

[その他] オチョーシモノ

 ちょっとしたことで浮かれたり落ち込んだりする自分の単純な性格を再認識。まあ、躁状態に突入しなければそれはそれでいっか。


 なんどか話題にした「 CMのCM 」の、本田博太郎が社長役で出ている 「会議室 篇」のテレビ未公開の30秒篇 が、可笑しいだけじゃなくってよくよく考えると良く出来てる。

 この社長、会議に運ばれてきたミネラルウォーターが自社のでないと女子社員に怒るのだけど、社員一同、自社が水を売ってたなんて誰も知らない。「CMやってないんだもんなぁ」。
 で、社長怒ってとにかく自社の水を持ってこい、と言うのだが、女子社員に「商品名は?」と聞かれて「CMやってねえんだからわかるわけねぇだろ!」と逆ギレ。
 「CMなんかやらなくたって買う人は買ってくれる」と言うのだが、「売れてるんですか?」と聞き返され「全然」。社員の誰か「ダメだこの会社」。
 社長、「ともかく俺は帰る!」と立ち上がるとスーツの下は変な短パン姿。「社長、そのズボンは……?」「CM見て買っちゃった」そして社員一同立ち上がるとみんな同じ短パン姿。「僕らもなんです」。
 女子社員が踊りだす短パンの社長・社員を冷ややかに見ながらモノローグ「CMって何?」。

 これって、CMを打たなければどんないい商品だろうと認知されず売れないし、逆に購買者はCMに流されてコロっと変なものを買ってしまったりする、という、CMの恩恵と問題両面が実は描かれてる。おまけにCMをバカにしてた社長が「CMやってないから知らない」とか、「CM見て買っちゃった」とか、CMの影響下バリバリなのが可笑しい。短編映像だけど結構良く出来た風刺小噺だと思う。本田博太郎のテンション高い妙な演技があればこそ、なんだけど。


  この街で(上)増える在日ブラジル人 通訳置くなど大垣市も対応 同(中) 同(下)中日 )。私事なんだけど、実はうちの実家の方も、ブラジル人はじめチリ人、ペルー人など、出稼ぎ労働者が多くいる。南米だけじゃなくってもちろん中国やインドの人もいたりする。こちらは出稼ぎ労働者というより知的労働者が多いのでちょっと違うのだけど。
 で、ブラジル人が多いので、隣町にはブラジル人向けのスーパーまである。客層はもちろんブラジル人ばっかなのだけど、うちの親などは躊躇なく行って肉とかを買ってきている。田舎の人間にしては、結構エキセントリックな性格だ。
 で、そこにお肉がずらっと並んでるのだけど、日本みたいに「ヒレ」「ブロック」「バラ肉」みたいな大雑把な並びじゃない。こと細かく部位に種類分けられている。肉自体はオージービーフらしい。
 精肉部のおじさんがなにか薦めてくれてるのだけど、日本語が喋れないのでわからない。すると、そばにいたお姉さんがちょっとカタコト気味の日本語で訳してくれて、「ここのお肉がやわらかくておいしい」と薦めてくれた。
 実際その肉はサシも入ってないのにとてもやわらかくておいしかったのだけど、日本人がいかに肉食文化に疎いか、ということを思い知らされた。と、同時に、実はそのお姉さん、店員でもなんでもなくただのお客。なんの気なしに小耳に挟んで自然に説明してくれたのだ。
 日本語ができない人もいるだろうし、無論風習の違いによるトラブルも多いのでそれは双方工夫して回避しなければならないのだけど、双方コミュニティで固まって壁を作ってるだけってのは、お互い損なことなんじゃないかなぁ、と思う。
 どうせ付き合うならお互いメリットのある付き合い方のほうがいい。


 それにしても台風直撃とか騒いでたわりに、直撃どころが雨も降りませんでしたな、うちの周り……なんてこったい。


 今日読み始めてふと気付いたが、「われら九人の戦鬼」って、上下二巻じゃなくって上中下三巻じゃん! しまった! 中巻も注文しないと!


2006年08月10日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 坊さんかんざし買うを見た―高知―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第八話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 高知での京山たちの仕事は、女郎を寺に連れ込んで弄んでいるという生臭坊主・宗純の始末。依頼主は廓町の総代・鶴富楼お倉。実は宗純はお倉の元娘婿という、複雑な関係。お倉は宗純が廓町の亀屋と入船屋の楼閣の娘を「助けてやる」と口八丁で連れ出したのを、堪忍しかねていたのだ。実は道中、京山たちはその標的らしい坊主がかんざしを三本買っているのを見かけていた。
 晋松が廓で話を聞くと、廓では放蕩の挙句鶴富楼を飛び出て頭を丸め、女郎に「助けてやる」と説いて回っている宗純は物笑いの種になっており、逆にお倉は女郎に厳しいが無法な扱いはしないと評判は高かった。直次郎が陰間のふりをして宗純の寺に入り込むと、駆け込んでいた女郎たちは粗末な飯に機仕事に草履作り、その上売上は宗純がすべて手にするというありさま。さらに夜な夜な娘たちは宗純の部屋に呼ばれているのだという。直次郎が怒りに燃えたこともあり、宗純はクロとばかりに仕置にかかるのだが……

 今回の話は中身が濃く、良かった。個人的にはこれまでの話で、もっとも良い話だと思う。
 宗純は女郎に足抜けしようと甘言ですりより、囲い物にした挙句こき使う悪党? と思わせておいて、実は宗純の行動は全部娘たちの自立のため。手に職を持たせ、稼いだお金は国越えの時に娘たちに渡していた。宗純を殺しに入って娘たちを前に国越えの手はずを説明しているところにでくわし、この依頼が過誤によるものだと初めて知る。実は入船屋と亀屋の過酷な扱いに耐えかねた女郎たちが逃げ出したのだが、お倉はそのことを知らず、さらに二人の楼主から総代としてのけじめをつけるようにと、強く迫られていたのだ。
 京山たちは宗純が勧進興行の京山一座に目を付け、その通行手形を盗んで娘たちを国越えさせようとしてると知り、わざと手形を盗ませる。
 このへんは、宗純が一座の小屋に入り、観客らしからぬ目つきで一座を見渡してるのが伏線になっている。
 だが、事情を知らないお倉は二人の楼主からしつこくけじめを迫られ、自らの手で宗純を始末しに行くのだが、そのことを聞いた宗純の元妻のお光がお倉を止めに走る。結局、宗純、お倉と、止めに入ったお光らは、事情を知られた亀屋と入船屋によってもろとも殺されてしまうのはお約束だが、起こってる出来事が比較的複雑で、元夫婦の宗純とお光、そして姑のお倉の関係の描写量は少ないながらも、それぞれの立場を印象的に描いていることで薄っぺらな印象はない。仕掛人の頃から関わっている松野宏軌監督と、この頃脂の乗っている吉田剛脚本との組み合わせが非常に良く出たせいだろう。初期必殺のにおいすら感じた。宗純演じる藤木敬士の、悪人とは思えないのだけど鬼監督的で「本当はどっち?」と迷わせる演技もなかなか良かった。
 それにしてもお調子者の直次郎の陰間(オカマ)役、妙にノリノリだったなぁ。

[その他] 訃報

  鈴置洋孝氏死去朝日 )。6日死去、死因は肺癌だとか。56歳、まだまだ盛りだというのに……ただただ合掌。


  のだめカンタービレドラマ化キャスト を見て、友人と「シュトレーゼマンが竹中直人ってのは……」と話し合っていた。
 「そりゃ、そこらの外タレ使うわけにはいかないだろうけどね……でも粘着質過ぎない?」 「じゃ、他に誰がいる?」
 ってな感じで名前を出してみたのだけど、山城新伍、植草教授(なんでやねん)、天本英世(故人やっちゅーねん)、明石家さんま、ビートたけし、伊藤四郎と名前が出て、ふと、ぴったりな人物がいるのを思い出した。
 「そういや、藤村俊二がいるじゃん」
 フジテレビ! 今からでも遅くないからキャスティングをやり直すんだ!
 のだめが上野樹里ってのは、納得できるんだけどね。

  WEBアニメスタイル特別企画 『時かけ』公開記念放談 細田守×小黒祐一郎 「映画」とは何なのか?
 読んでみて、かなり面白い。前に深+で「映画的とはどういうことか」と話をしたことがあって、その話が非常にオーバーラップする。デジタル技術の導入が見る側のインパクトに結びつかないという現状やら、非常に納得のできる話でした。
 昔の記事だが 『ONE PIECE ―オマツリ男爵と秘密の島―』細田守インタビュー もなかなかに興味深い。

[アニメ] ウィッチブレイド#19とゼーガペイン#19とその他

  ウィッチブレイド #19「思」。鷹山失脚後、和銅の秘書としてNSWFに勤める雅音だが、明らかに無理をしている様子に梨穂子のみならず奈月ビルの面々も心配そう。そんな時、以前一緒に旅行に行った雑誌編集長の恭子が訪ねて来た。鷹山の取材のために近くを通ってやってきたのだという。雅音は鷹山に会いに行きたいという気持ちと、和銅に解雇されるかもという恐れの間でゆらぐのだが……一方、NSWFでもまりあが決定的な行動を起こしていた。

 え〜っと、雅音と鷹山、「朝チュン」ですか? 男としては、鷹山がこれでなだれ込む、ってのは、違和感感じるような……古水のうすっぺらさといい、この辺はなぁ。女性側の心理は結構よくできてると思うのだけどね。
 話としては雅音が鷹山への想いを決定的にし、またまりあが古水に反旗を翻し、ネオジーン計画を手中に収めるという、結構大きな転換点のわりにそんなに大きく振れなかったような。これまで潜伏してたものが表に出ただけ、という感じか。
 その分、アルティメットブレイドに追い詰められた雅音がウィッチブレードの新フォームを発動させるのと、いよいよ崩壊が始まったのをもっと印象付けて欲しかったような。


  ゼーガペイン #19「ラストサパー」。シズノを舞浜サーバー内のレストランに招待するルーシェン。ルーシェンはオケアノス内から何者かが舞浜サーバーの位置をどこかに送信したこと、それがシズノかシマの仕業である可能性が高いことを突きつけ、その真意を問い詰める。そんな時、アンチゼーガが舞浜サーバを破壊しようと襲撃してきたのだが、シマは積極的に迎撃に出ようとしない。ルーシェンも裏切り者の疑惑を向けているシズノを舞浜サーバから出そうとしないのだが……

 シマとシズノの行動は当然ワナで、舞浜サーバにアンチゼーガが接触したところでそのデータを吸い上げてしまおうというもの。だが、舞浜の人々を危険に晒す行動に、キョウが賛同するわけもない。舞浜サーバの前で戦いを繰り広げ、サーバとアルティールを直結することでゼーガペインを通してアンチゼーガのデータを吸い出すことに成功する。だが、なんとアンチゼーガが舞浜サーバもろとも自爆。かろうじてアルティールはエンタングルアウトするが、なぜか舞浜サーバ内のシズノもルーシェンも無事……舞浜サーバは破壊されたのではないの? どうもセリフからすると、舞浜サーバはサーバの中でも特殊なサーバなせいらしいが……でもなんで無事だったのか、やっぱりわからん。
 静かに女の嫉妬をのぞかせてたシズノがリョーコとラブラブのキョウをあくまで静観してる理由ってのも気になるけど。
 それはともかく、メイウーとメイイェンのメイド服姿ですよ! ダンナ! 作劇的にはさほど必要性があるわけではないのだけど(まあ、無人のレストランで食事ってのも味気ないってのもあるんだろうけど)、どう見てもファンサービスです。本当にありがとうございました。


 こないだの アニマル横丁 #87(#44前半)「どき☆どき アニメが見たい!」がかなり抱腹絶倒でなおかつ痛かった……あみちゃんも大好きなマンガがなぜかアニ横でアニメ化することに。しかも深夜番組なのでケンタが録画してくることになったのだが、録画失敗の連続。その理由が単純な録画ミスってのはともかく、野球中継延長で時間帯がずれたり、事件報道に変わってたり、年末編成になってたり、テープが切れたり、新しく導入したDVDプレイヤーの使い方がわからなかったりと……いや、なんか妙に「深夜のアニメを見てるおっきいおともだち」に、憶えのある理由ばっかなんですけど……で、なんとか最終回だけは見られたのだけど、いかにも尻切れトンボな終り方ってあたりが、なお切ない。いや、オタク限定の切なさだけど。w
 後半の「どき☆どき 誰もいなくなった?」もいろんなミステリーのパロディがちりばめられてた。場面転換でレギュラーキャラの人数分のインディアン人形が映ったのは、タイトルの元ネタ「そして誰もいなくなった」の数え歌が元ネタなんだろうけど、まあ、子供にはわからんだろうなぁ……


2006年08月11日(金) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 女泣かせた鹿児島おはら節―鹿児島―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第九話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 鹿児島に入ろうとしてた京山一座は、咎人を護送中の役人の一行と出くわす。のどの渇きをうったえる咎人に直次郎が水を与えるのだが、咎人は直次郎に「助けてくれ」と意味ありげにつぶやく。
 鹿児島に入った京山が聞いた依頼は、押し入った家の者は皆殺すという非道な難波の辰蔵という盗人一味の親玉を殺して欲しいというもの。依頼は、尼寺に逃げ込んできた辰蔵の情婦・おしのからだった。だが先に鹿児島に入っていた晋松によると、辰蔵は先日大阪天満の与力高坂によってとらえられて護送されていったという。途中で出くわしたあの咎人が辰蔵だったのか、と思い当たるが、直次郎は「あの男はそんな大それたことをしそうな悪人に見えない」と、「あれは辰蔵ではない」と言い張り、確認するため役人の一行を追いかけに出て行ってしまう。
 その晩、繁華街を出歩いていた晋松は、屋台でのんだくれてるおしのと出くわす。盗人の情婦のはずなのだが、おしのの事情はなにかわけありのよう。晋松もその酒に付き合うが、それを辰蔵の部下に見つけられ、夜、尼寺からおしのをさらい出してしまう。
 一方、役人の一行にようやく追いついた直次郎は、高坂が咎人を山中で切り殺し、谷底に投げ捨てる場面に出くわす。直次郎の読みどおりつかまったのは別人で、辰蔵と金をつかまされた高坂による狂言だったのだ……

 すれっからしな不幸女をやらせれば必殺シリーズNo.1の赤座美代子がおしの役。盗賊の情婦なのだが、いかにもな見た目通りわけあり。元々は大阪の紙問屋の妻だったのだが、押し込みに入った辰蔵一座に一家を皆殺しにされ、おしのだけが生かされて情婦にされたのだ。殺された中には彼女の五歳の息子もいたのだが、肌を合わせるうち女の性で逆らえなくなってきてしまっていた。せめて畜生働きはやめるようにと言っても殺し自体を楽しんでいるふしのある辰蔵には聞き入れられず、思い余って京山たちに依頼したのだ。
 ところが辰蔵の子分に見つかって連れ戻される。辰蔵が盗人宿にしている軍鶏鍋屋で、そこの女将・おさとを辰蔵が犯すところを見せ付けられる。女としての性のどこかで辰蔵を求めてしまっているおしのはおさとを責めるが、実は女将の亭主が辰蔵の身代わりにさせられていた。
 悪党によって平凡な日常を奪われた女、というのはシリーズでも数多く出てくるが、その多くはもはや抜け出したくても抜け出せないところに来てしまっているものが多い。が、おしのの場合はめずらしく、辰蔵の情欲にからめとられながらもまだ足を洗うことが出来るキャラだ。それも、結局辰蔵に殺されたおさとの幼い息子が、かつて辰蔵に殺された我が子とオーバーラップしたからでもある。それに、もともと依頼も自分の恨みを晴らしたいというばかりではなく、これ以上の犠牲を見ていられないという動機も大きかった。元々が芯の強い女だったのだろう。そのことが彼女を救う。
 レギュラー陣も、サポート役として早くも堂に入ってきたおはなに、誰よりも早く辰蔵の身代わりのからくりを感じ取り珍しい貢献の仕方をした直次郎(「お前の大きな目玉が役に立ったな」と晋松に言われるw)、おしのの心情に一歩踏み入った晋松と、バランスよい。京山も娘踊りをするシーンは、寄ってしまうと年齢がわかってしまうが遠めだと動きの切れが本当に若い娘のようで流石。一座の女の子たちも晋松と直次郎のどっちがいいかの雑談ではしゃぐ姿を見せてたのが珍しい。

[その他] 声優だの声優以外だの

 ここのところ、ってわけでもないけど、アニメで本職ではない声優をキャスティングすることを批判する論調がネット上で見られる。これって見るたびに「どうかなー」と思う。
 いや、「この声優、下手」とかいうのはわかるし別にいいんですよ。でも「本職声優的な声(いわばアニメ声?)じゃない」というロジックを批判に持ってくるのは、ちょっと違うだろうと思う。
 まあ、合ってないなら合ってないと批判してもいい。だが、一体どう合ってないか、だ。合ってないと感じたのは、実はアニメはアニメ声でしゃべるもの、という感覚に慣らされすぎてるせいかもしれない。違和感は感じるものだから、それはいい。だが、その違和感がなんなのか、わからないなら「違和感を感じた」と書くにとどめるべきだ。ろくに考えもせず「素人声優なのが悪い」と結論付けるのはもっての他だ。
 と、いうのも、本来アニメとか、映画とかって、もっと自由なものなんじゃなかったかなぁ、と思っているから。「素人声優を使うな!」といった、固定観念からの声は、自由を奪い、可能性を奪い、ゆっくりとジャンルを熱量死においやっていくと思う。
 つまり、みんな、アニメばっか見てないでいろんなもの見ようぜ。そしていろんな可能性があっていいことを身体で覚えようぜ。ってこと。

[その他] よしなしごと

  中韓無断渡航 海自一曹が自殺 佐世保の護衛艦内西日本新聞 )。あちゃあ。週刊文春の今週号に記事が載ってましたが、この自衛官が持ち出してたのは、機密とはとうてい言えないようなもので、本来そっち方面は専門ではない中国公安部の末端が情報の価値が良くわからないまま買い取っていた、という構造だったらしい。ま、この自衛官がホステスに入れあげてたのはそうらしいんですが。こう言ってはなんですが、こんなつまらない死に方するために生まれたり自衛官になったわけではあるまいに……


  携帯型対戦車ロケット砲弾を金槌で解体しようとして……excite )。ブラジルでの話。そりゃ、爆発するに決まってるじゃん……


  「歴史問題、永遠に言い続けよ」江沢民氏、会議で指示読売 )。なんか滅茶苦茶だなぁ……いや、狙いは別のところにあるのはわかるんだけど、そのための大義名分付けが一々滅茶苦茶だ。江沢民がバリバリに実権握ってた頃の話だから、今の中国に反感とかは抱かないけど、江沢民の権威失墜にしかならんような……


  富山の間伐材が中国で割りばしに 年内にも「逆輸入」 需要増と森林保全に期待北国新聞・富山 )。中国で森林保護の為に割り箸生産が制限され、そのあおりで日本にも大打撃になりそうだという話の関連。元々日本では間伐材などを利用して生産されていたのだが、中国では間伐材ではなく砂漠化が叫ばれてる中国で突如生産を制限するという流れに。国内産は価格の面もあるが、中国の安価な割り箸に押され、大打撃を受けて国内業者はいきなりそんな大量の需要をまかなえる状態にないのだろう。効率化による一極化ってのはどういう危険をはらんでるかの一例だよなぁ。


  福岡市長言いたい放題「東京は空気汚くまとまりない」zakzak )。なんだか実は揚力を発生しそうな個性的な髪型の髭の市長で、独立を宣言しそうな勢いですな。いや、五輪誘致で東京都争ってることの流れだってのはわかってますよ、もちろん。


2006年08月13日() 旧暦 [n年日記]

[特撮] ボウケン#24とカブト#28

  ボウケンジャー #24 「初音の鼓」。奈月、はじめてのお使い? ソレとコレとが一体なんの関係が? と思ったら、ちゃんと関係はありました。でも、ボウケンジャーたちを鼓が攻撃する理由があるんか? と思ったが、振り払おうとしただけの話かもしれない。スコップとツルハシを本来の使い方をするのが珍しいダイボウケンだが、なんつーか、奈月の操縦が滅茶苦茶すぎて笑える。でも、ガジャ様、相変わらずアテ馬なのね……しかも登場は最初だけ。


  カブト #28。ワームの化けた偽風間大介はまんまと天道宅に侵入。樹花を襲おうとするが間一髪、天道が現れ逃げ出す。
 一方逃亡生活に心細くなった風間は、ゴンに電話。だがその直後に警察の包囲網に……ZECTからの連絡で、風間の死亡を知らされ、遺体まで確認する天道や加賀美たちは風間の弔い合戦に燃えることになるが……

 途中で予測した通り、やはり風間の遺体は擬態したワームのもの。仮死状態になって天道たちの目をごまかしていた。本物の風間をワームの擬態と勘違いさせられた天道たちは全員で本物の風間をタコ殴り、川へと突き落とすが、風間はドレイクグリップは紛失するものの、重症ながらなんとか生き長らえていた。それを見つけ、看病するゴン。
 戦闘のさなかに違和感を持った天道はゴンの後をつけ風間が生きていたことを確認、それと同時にZECTがワームと手を組んだことを知る。ZECTは管理できないライダーシステムをワームに回収させ、間宮の部下のワームにそれを使わせることを、間宮はZECTに協力する代わりに倒すワームは自分たち側で決めることを取り決めていた。それを逆手に取って本物の風間が偽物のふりをしてドレイクグリップ受け渡しの現場に。偽物と本物の間で言い争いが始まり、まんまと目論見どおり、偽物はワームの姿をさらすことに……
 最後にゴンと風間の絆が陰謀を破ったのはお約束ながら良い。
 神代の件でわかってたが、適合者に擬態したワームもライダーに変身できるのだな。ってことは、ひょっとしてまだライダーの中にワームがいる可能性も? あと、どの程度オリジナルになりきるかってのはワームによって差があるらしい。本人と勘違いしているレベルの神代もいれば、マコトや岬に擬態したワームのように、ワームの自覚を持ちながらオリジナルの人格に強く影響を受けるものもいる。風間の偽物の場合、記憶は持っているがほとんどワームの人格をそのまま保っていたよう。
 しかし神代のバイト先が、加賀美と岬のいきつけの立ち食いそば屋だったのは笑った。わざとらしく「出前始めました」なんて張り紙があるんで、そうだろうとは思ったが店を乗っ取ってるとは……店主もさぞ迷惑だろう。加賀美はその神代を心配して様子をうかがっていたじいやから神代の過去を聞かされ、姉をワームに殺された神代と、弟を殺された自分を重ね合わせる。でも、神代自身もワームだと言うことは、当然知らないんだよな……
 なんだかじいやは次週天道と料理対決?(あるいは過去の回想?)
 そして最後に突然出てきたカブトハイパーフォーム……ってか、カブトがいるのにハイパーフォームが? やっぱハイパーフォームって時間を遡れるの?


2006年08月14日(月) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] シムーン#19

  シムーン #19「シヴュラ」。哨戒任務をはずされたアーエルとユンだけど、結局おっかけてるし。(笑) 二手に分かれて空中機動要塞を捜索するのだけど、今回も捜索を続けるかネヴィリルと合流するかでのパライエッタの判断が裏目に……そんなにひどい間違い、ってわけではないのだけど、結果がまずすぎた。ホントにパライエッタ、どんどん落ち目に……
 で、ネヴィリルたちは要塞を見つけるのだけど、多数の敵の襲撃を受ける。おまけにVシムーンまで加わっていて、ネヴィリルたちのシムーンは要塞の飛行甲板に不時着。Vシムーンから降りてきたのは、嶺国の巫女たち。技術力の礁国と、シムーンを動かせる巫女のいる嶺国、それぞれのメリットを感じての同盟か……ただ、巫女たちは国の方針には必ずしも承服していないようで、シヴュラたちに敬意を払い、ネヴィリルとマミーナを逃がそうとする。傷ついたネヴィリルを「最高のシヴュラ」と称し、身を挺したマミーナにも、嶺国の巫女たちは「神に最も近い存在」として敬意を払う。それは、本来シヴュラになれない身分で、皆と本当の仲間になりたがっていたマミーナにとって、思ってもない望んだ言葉だった。
 だが、マミーナは自分を逃がしてくれた嶺国の巫女たちが罰せられ殺されることを察し、彼女らを助けるために自分ひとり残り、彼女らに自分を殺させる。自分をシヴュラと認め、命がけで助けてくれようとした彼女らの為に……この話ではまだ息はあるけど、次回予告を見ると様態は絶望的。
 その前にマミーナが「シヴュラがいては嶺国の巫女はお払い箱になるから追い出したのでは?」と疑ったりというあたりも人間くさい。
 マミーナが髪を切ったのは、自分がいなくてもシムーンが動くようにってのと(身体の一部があれば最低限の駆動はする?)、ロードレアモンが自分の髪を切った回とひっかけてるんだろうなぁ。あの髪型、ロードレアモンとコンパチなのは気付いてはいたけど。
 しかし司政院の連中って、能無しのくせに本当にやたらえらそうだよなぁ。

[アニメ] 徹之進#30とおとぎ銃士#7

  徹之進 #30「てつのしん結婚をこわす」。帰省の帰りに宮崎のリゾート施設に寄った犬山家。ところがそこには騙されて宮崎の実家の母に結婚させられそうなゲイリーがいた。徹之進は最初のうち、ゲイリーが結婚すれば付きまとわれなくて済むと喜ぶのだが……
 ゲイリーのカミングアウトを見て男らしいかも、と結婚を壊そうとする徹之進。だけど、あのオチはなんなんだか……あのカミングアウト大会、意味のないカミングアウトが多かったような(笑)。
 しかし前回のオチをそのまま引きずってて、今回のオチにも使われてるとは……


  おとぎ銃士赤ずきん #7「ぼくらの旅立ち」。グレーテルにりんごがさらわれたことを知った赤ずきんたちは草太には黙って先にファンタヴェーレに行かせ、自分たちだけで助け出そうとする。しかしそれを察した草太は自分もりんごを助けに走ってしまう。
 任務優先で案外あっさりりんごを見殺しにしようとする白雪(平気ってわけではないだろうが)に、赤ずきんが「草太の心を守ることも草太を守るってことだよ!」と説得。なるほど、三銃士の中でなんで赤ずきんに草太護衛の任務を与えたのか、わかった気がする。
 でも草太たちより先にグレーテルのところに行ったはずなのに、後から到着する白雪たち……ううむ、さすがへっぽこ空気番組だ。妙なところではずすことは忘れてないぜ!
 グレーテルは人質と重力魔法で赤ずきんを苦しめるが、今回もやっぱり失敗。ヘンゼルが自ら乗り出してくることに。ランダージョの部下のナイトメアリアンたちがあっさりグレーテルに乗り換えてるのは笑った。萌えか! やっぱ萌えのせいなのか!?
 草太の鍵としての力が発動し、ヘンゼルも退けるのだけど、草太に自覚はまったくないよう。よくわからないまま結局りんごも一緒にファンタヴェーレに行くことに。ヴァルだけじゃ突っ込み役は心もとないからなぁ。
 草太の父も登場したけど、赤ずきんたちの存在に驚かない。やっぱ、ファンタヴェーレのことを知ってるのかねえ。コミック版でもそんなそぶりだし。
 しかし、今回は作画が悪かったなぁ……
 次回は騎士団のハーメルンが登場。なんだ、男の子か。バイオリンは弾きません?

[その他] まあ、そんなものかも

   オタク“秋葉原離れ”中野、池袋に新聖地スポーツ報知 )。分散化ってのが正しいところなんだろうなぁ。前は一箇所に集中することで集客効果を見込んでいたけど、一般客が増え、そのメリットに魅力が失せてきた、ってことだろうな。ジャンルの細分化も起こってるし。
 さて、その後はどうなるのかねえ。


  ヘリから撮った!1時間に60ミリの集中豪雨の「柱」Y!hl ビデオニュース )。すげえ。マンガの光景みたいだ。


  首都圏の139万世帯が停電、交通機関にも大幅な乱れ読売 )。なんか今日東京は大変だったようで……原因がクレーン船のクレーンが送電線に引っかかって切断してしまったからとか。案外と集中させてるんだなぁ、電力供給って。


2006年08月15日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 身を投げ生きる安里屋ユンタ―琉球―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第十話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(これは月曜分)

 京山一行は本土へ渡ってきた琉球の女・クバと出会う。クバの島は島津藩の圧政に苦しめられていたが、クバの夫は彼女と島を捨て島津藩に出仕、知之介と名前を変えて藩の手先となっていた。
 クバは夫の裏切りもあって島人から村八分にされていたのだが、それでも島を救うために本土へやってきたのだ。クバの頼みを聞き、琉球へ渡る京山一行。しかし待っていたのはクバに対する島人たちの激しい弾劾だった……

 今回のゲストはテレサ野田(西園寺たまき)。そりゃ時代劇に出てきてもあの顔立ちとスタイルは日本人(ヤマトンチュ)にゃ見えないわなぁ……
 必殺で琉球というと「仕置人」の錠を思い出すのだが、テレサ野田演じるクバが口ずさむユンタが錠が口ずさんでいたユンタと同じ。あれは安里屋ユンタではないようだし、なんて唄なんだろう?
 今回の話は知念の陰謀で島人に追い詰められ、それでも島から離れて生きることの出来ないクバが中心。そして、島娘のマヤが島津奉行に差し出され、はかない恋と命を散らす話が脇になる。ともかく、迷信深く排他的な島から排斥されながらも島から離れて生きてはいけないクバのけなげさが切ない。その代わり、尺の関係上知念や島津奉行の悪行があまりに安直だったり、クバと一緒に来た一座があっというまに島民になじんでる気にはかかるが……
 知念の策略に乗りクバに石を投げ、追い詰めた挙句知念に彼女を殺させるままにした島民たちに、直次郎がはじめて「あんな奴らのために!」という言葉を吐く。京山は「島民たちは知念に騙されて夢を見せられてるんだ」となだめるが、島民も犠牲者であると同時に加害者であることは確か。直次郎の気持ちもわかる。
 今回は、キャストは行ってないだろうが沖縄ロケも行ったのかな? セットや衣装が時代劇離れしてて綺麗だった。(最後に直次郎がパイナップル食ってるし)
 ちなみに「安里屋ユンタ」は竹富島の民謡だそうで。ってことは、今回の舞台は竹富島なのか。

[必殺] 秋田音頭は国盗り家老の冥土唄―秋田―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第十一話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 秋田藩では、藩主の領地替えにともない、百姓たちは今の藩主佐竹を慕い、取りやめ願いの直訴を行おうとしていたが、直訴に行った者が次々と殺されるということが起こっていた。
 夫が直訴に行き殺されたさとは、行庵寺に駆け込み恨みを晴らしてくれるよう依頼する。しかし京山たちが秋田に着いた時には、なぜか庵住が消えていた。
 しかし寺を訪れたさとが京山の人影を庵住と勘違いし、障子越しに依頼を告げる。京山はさとの様子が気になり、裏を調べだす。
 実は直訴の百姓たちを殺していたのは今度秋田にやってくる川越藩の侍。領地替えの糸を引いていた家老が、直訴を潰そうとしていたのだ。のみならず、逃散農民に化けた藩士に「直訴の百姓を殺したのは秋田藩の侍だ」とデマを流し、百姓たちの動揺を引き起こしていた。
 川越藩が裏にいることに気付いた京山たちは、藩相手の仕事では危険と一座の女の子たちを先に国から出そうとするが、殺しの犯人を探す農民たちに捕らえられてしまう。

 今回の話、元ネタがはっきりわかるなぁ……藤沢周平が「義民が駆ける」で描いた、「天保一揆」だろう。ただし、庄内藩が秋田藩に変えられている。
 藤沢周平の小説では江戸に直訴に出た農民たちは殺されるまではいかないが、今回は村人たちは殺されまくっている。
 でも、なんで農民がそこまでして国替えをやめてもらおうとするのか、元ネタがわからないとわかりづらいだろうなぁ……単に「藩主を慕ってる」では、ちょっと動機が甘いか。
 庵住が消えてしまい依頼の詳細がわからない京山一行は村人殺しの犯人を探るが、村人から逆に犯人と疑われることに。百姓たちのリーダー格である治三郎が荷物の中にあった直次郎の長脇差を見つけ奪うのだが、自ら直訴に向かう途中、刺客に襲われその長脇差を振りかざすが、殺される。駆けつけた直次郎は無念の深さを示すかのように硬く柄を握り締めた治三郎の指を、一本一本引き剥がすシーンが良かった。
 結局ラストは農民たちに混じって密かに直訴する者を始末していた川越藩藩士たちを京山と直次郎が、国替えを画策した川越藩家老を晋松が始末する。
 最後に一座はせっかくだからと町中で秋田音頭を披露するのだが、直次郎がさととを引っ張って踊りに加えようとするも、夫ばかりか兄も殺されたさとは嘆くようなそぶりでその場を逃げ出してしまう。このシーンは国替えが中止となり恨みが晴らされても殺されたものと遺されたものの傷は消えないということを端的に示していて、かなり印象深い。この頃はまだこういう画を撮れる人がいたんだなぁ。

[その他] 公約通り

 小泉首相が終戦記念日に靖国参拝したようで。 朝日産経読売毎日日経中日
 小泉首相は「15日を避けても(中韓両国などの)批判、反発は変わらない。いつ行っても同じだ」と語ったそうだけど、まあ、そうだよな。ただこれだけの問題でどこまで騒ぐのか、自らの利益を害してまで反発するのかで、靖国カードが過去のものになるかどうかが決まるだろうな。だって「首脳同士の会談拒否」という、当り障りのない反発はもうとっくにしてしまってるし。靖国の組織運営などに問題はないわけじゃないけど、戦没者慰霊施設に参拝するな、慰霊施設が悪だ、と言ってること自体が無茶なんだけどね。


  靖国神社:合祀取り消しを…来日の台湾先住民族が訴え毎日 )。ああ、高金素梅、懲りないなぁ……もう身元バレバレだってのに。それに「違憲判決」と言ってるけど、「違憲判決」なんてどこも出てませんが? 裁判官も無理矢理私見を判決に付記し、司法の権威を混乱させるようなことは避けて欲しいですなぁ。


  青いヘルメットのサヨク集団"全学連"、一般市民にボコられ退散zakzak )。 痛いニュース によれば、右翼対左翼ではなく、本当に多数が一般市民だったらしい。近頃の革命勢力は軟弱だのう。それともこれは民衆の勝利だからいいのか?


2006年08月16日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] おちゃれ節騙した男へ波しぶき―紀伊―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第十二話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 山科屋の妻女、お春が、上方役者の尾上鶴之丞に入れあげ関係を持った挙句、口止め料に三百両という金をせびられ、自害する。下女のおときはお春の最後の頼みを聞き恨みの依頼に走るのだが、途中、尾上一座の座長・喜寿郎と用心棒にでくわし、ひどくからまれた挙句着物を剥がれる。
 京山一座の先乗りに来ていた晋松はその現場に出くわし、彼女に半纏を貸すが、おときは尼寺に駆け込み依頼を訴えた直後、自害して果ててしまう。
 鶴之丞は女をたらしこんでは自分との関係をタネに脅し、金を巻き上げていたが、実はそれをさせていたのは座長の喜寿郎。鶴之丞の兄弟子だった喜寿郎は、本来跡目を継ぐはずだったのだが、事故で鶴之丞に顔に大きなやけど傷を負わされ、役者生命を奪われていた。それをタネに鶴之丞に悪事をさせていたのだ。喜寿郎は串崎の網元・岬屋の娘、おみつに狙いをつけ、鶴之丞にたぶらかさせる。だが、度重なる悪事に嫌気がさしてた鶴之丞は喜寿郎の言うことを聞くふりをして、おみつに警告し、二度と芝居小屋に寄らないように言う。
 そして鶴之丞は喜寿郎にもなにをされてももう悪事には加担しないと断言し、喜寿郎もそれを聞き入れたかに見せかけた。だが……

 琉球から秋田ほどではないが、秋田から紀伊とは、またずいぶん飛んだなぁ……
 素人女を騙す役者という、必殺ではお馴染みのパターンだが、今回は役者は過去の負い目から嫌々言うことを聞かされているという珍しいパターン。
 鶴之丞はお春が死んだことにショックを受け、おみつは巻き込むまいとするのだが、そのことにおみつが鶴之丞の優しさを感じて裏目に出ることに。結局喜寿郎が鶴之丞を騙し、おみつを呼び出させる。
 鶴之丞の女癖の悪さの噂にはなにか理由があると感じたおみつはまんまと呼び出され、喜寿郎たちに犯され、脅されることに……自分を信頼していた許婚利助や役者などに近づくなと厳しく警告していた父親に申し訳が立たず、おみつは入水自殺してしまう。
 おみつの死を知った鶴之丞はそれが喜寿郎のせいと知り激しく叱責、自らも罰せられるのを承知でお上に訴え出ようとするが、喜寿郎に殺され、自殺に見せかけられる。  だが、おみつが入水した浜で帯を見つけた利助はそれが喜寿郎のものであることを知り、本当の悪人が誰かを悟る。そして、おみつの仇をはたそうと匕首を持って喜寿郎へと殴り込みをかけようとするのだが、それを察した直次郎によって間一髪防がれる。
 喜寿郎と手下の用心棒は鶴之丞とおみつに扮した直次郎とおはなに怯え逃げまくった挙句、それぞれ始末。
 最後、義父の岬屋に跡継ぎとして潮目の読み方を教わる利助を見て、直次郎もかろうじて助けられた者もいたことに喜ぶ。こういう明確な救いがあるのはちょっとめずらしい。
 喜寿郎は比較的スケールの小さな悪だが、顔を焼かれて役者生命を奪われひねくれたり、進退窮まって鶴之丞を刺してしまいおろおろするあたりがスケール相応に人間くさい。
 次は最終回。江戸。

[その他] すぐに思い出せなかった

 そういや今さら思い出したのだけど、 少年ファング に掲載されてるゑびす屋ぼん子「超合金トビタケーハチ」って、よくよく考えるとどっかで見た覚えがある。確かコミックガムあたりだったかしらん? と思い 作者のサイト を探し当てると、やっぱそうだった。超合金に改造された高校生が三味線を弾きまくるなんてマンガ、そうそうあると思えん。
 しかしこの雑誌もどの層を狙ってるんだろう……


  首相靖国参拝前、政府が極秘に世論調査…反発回避狙い読売 )。いや、それは反発回避ってんじゃなく、普通に世論を気にしてたってだけの気が。民主主義国家としては、至極まっとうな行動と思われますが。


 で、その 読売新聞のアンケート読売 )。いや、政府調査を支持してるだけなんですが……


  これで終わりにしたい 首相 終戦の日に靖国参拝中日 )。どっちかというと、中日新聞が「終わりにしてください」と泣いてお願いしてるかのように見える社説だ……

 これらのマスコミは、アンケート結果をどう分析するんだろう? というのは興味深い。別に世論に無批判に従えとは言わないが、反発するなら反発するで、少しはまともに理論武装して欲しい。都合の悪いことは無視、という可能性も高いが。


  ロシア警備艇、カニ漁船を銃撃・拿捕…乗組員1人死亡Y!hl )。うーあー。国家に真の友人はいない、とはいえ、いろいろ問題が集中して起こるなぁ…… 朝日の続報の一つ を見ると、昨日NHKで麻生外務相が「外務省の役割は外国と仲良くすることだ!」と言っていた理想主義者のドイツ人に苦笑してたのが、残念ながらこういう形でその根拠が示された形になってしまった。仲良くもするし争いもする。そういうもんでしょ。


  豊胸手術でロケット弾から守られた女性 イスラエルexcite )。……いや、まあ、なんといいますか。命が助かって、よろしゅうございましたね。

[アニメ] ちょこsisとストロベリーパニックちょっとだけ。

 ちょこsis、はるまがバイト先で貰った先行上映のチケットが、バッファロー 66 99だったのだけど、あれはカップルムービーとして見ても大丈夫なんか? まあ、一応恋愛映画か。って、ヴィンセント・ギャロは主演兼監督じゃなかったっけ? いやいや、それよりも今さらバッファロー 66 99ってのはどうよ、っていうか(原作でこの話がその当時だったんだろうけどね。憶えてないが)。
 しかし、「KEEP OUT」がやたらと出過ぎるのは……一回のギャグとしては笑えるけど、ちとここまで出ると「そもそもきわどいところは演出的にカットしてくれ」と思う。


 ストロベリーパニック、なんだか女同士ならと好き放題やってるような……夜空の下で裸で同衾って、ごまかしようがありませんがな……男性視点で女子寮ものをやると、こうなるのか。いや、ある意味それをベタなまでに追求してしまうのは、たいしたものと思いますが。


2006年08月17日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 深川節唄って三途の川流れ―江戸―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第十三話(最終回)。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送してました。

 江戸に帰る京山一座。その途中で行き倒れの女と出くわす。女は「江戸の聖妙庵に騙された」と言い、財布を京山にたくし、鎌倉の本念寺に言付かってくれるよう頼み、事切れた。
 先乗りのはずの晋松も姿を見せず、江戸でなにごとかが起こってることを察する。
 江戸に戻った京山一行は、さっそく旅芸人の一座が検問で引っかかっているのを見かける。京山の機転で事無きを得るが、どうも京山たちの仕事がばれかけているよう。
 聖妙庵にも寄るが、庵住の聖妙尼は女に心当たりはないという。だが、京山は聖妙庵を見張る晋松を見かける。聖妙庵は将軍正室と関わりもある、駆け込み寺のはず。それをなぜ晋松が? と不審がる京山だが、実は聖妙庵は逃げ込んできた女を助けるどころか、たちの悪い旗本と組んで女郎屋に売り飛ばしたり、あるいは大店の妻女らの告白をタネにゆすり、また口封じを請け負ってたりもした。
 聖妙庵を見張っていた晋松も、バレて修験者風の男に襲われ、重症を負うが、なんとか京山たちに接触し聖妙庵の悪事を伝える。鎌倉の本念寺も聖妙庵の悪事を認め正式な依頼として請け負うが、京山たちの身元は相手にも知られてる上、聖妙庵は将軍正室のいとこ。なまなかな仕事ではなかった……

 今回の相手は仲間であるはずの江戸の駆け込み寺。晋松が不審な行動をしていたりと、不穏な雰囲気が漂う。まさかそんなことが行われているとは思わない京山たちは、逃げ出した女郎の告白を聞いても「訴える方が正しいとは限らないのだから、依頼を受けないこともあるだろう」と好意的に解釈する。だが、聖妙庵の悪事が次々明らかになり、晋松が刺され、逆に京山たちの動きが見張られるという事態に。晋松は刺された傷を押し隠し行動し続ける。
 もし仕事が成功しても将軍家側室の親戚ではただでは済まないと、京山はわざと一座を解散させるように仕組み、一座の娘たちに類が及ばないようにする。
 殺陣は、直次郎は水中から飛び出て船の上での立ち回りで三人を切り結ぶという派手なもの。切った後に異様な呼吸音を立てるのが迫力。晋松は傷と含み針を使う強敵に苦しみながらも鋼線を仕込んだ荒縄で相手をし止め、京山は聖妙尼とそのお付の尼を殺す。
 結局、京山とおはなは尼となり自分が殺した人たちを弔う巡礼のたびに出、皆バラバラになる。一人、船の上で「また会おうぜ、おっかさん」と京山への思いをつぶやく直次郎(直次郎が京山に母親を重ね合わせてるらしいのは察してたが、はっきりとそれを告げたのはこれが初めて)、そして傷を隠したまま別れ、瀕死の身体のまま「くそっ……死んでたまるか!」とどこかへ消え生死不明の晋松。
 京山たちの旅はここでいったん終えるが、明日からはすぐ「新必殺仕舞人」が放送。生死不明で消えた晋松は、何事もなかったかのようにフツーに出てきます。(笑)

[アニメ] ウィッチブレイド#20といぬかみ#20とゼーガペイン#20

  ウィッチブレイド #20「願」。鷹山が梨穂子の実の父だと知った雅音は、三人で一度出かけよう、と鷹山に持ちかける。ところが当日、やってきたのは梨穂子だけ。気を利かせたつもりの雅音の策略だが、父親をやることに慣れていない鷹山はどう対処したいいのかわからない。
 一方、NSWFの実権を握ったまりあは、第一世代のネオジーンを時代遅れと粛清、着々と欲しいものを手に入れるための「力」をものにしていくが、西田はそのまりあの能力に驚嘆しつつ、危うさも感じる。そんなとき、ウィッチブレイドの新フォームがアルティメットブレイドを簡単に破ったことを和銅に知らされ、切り札としてウィッチブレイドを手に入れようとする。

 鷹山の振り回されっぷりが笑った(笑)。どう反応すればいいかわからず終始照れて仏頂面だったり、そのわりに梨穂子の服を山ほど買い込んでしまったり、どこを回ればいいかわからず、大人のデートコースばかりを選んでしまったり……「うたわれるもの」のハクオロと言い、小山力也はいじられ純情中年役が板についてきてしまったか? それをストーキングして見張る雅音も雅音だが。
 ただし、雅音が二人きりでデートさせたのは、一応考えあってのこと。前回崩壊の兆候を感じ、自分が死んだ後に鷹山に梨穂子を託せるか確かめてみたのだ。
 一方、昔の面影もないほど落ち着き払ったまりあは、古泉の死を事故として西田に処理させ、NSWFの実権を握る。欲しいものを手に入れるための力を、冷徹に手に入れていくまりあだが、彼女自身が欲しいものを自覚してるんだろうか? しても古泉みたいに歪んだ形で発揮したりしないだろうか。
 戦闘シーンではウィッチブレイドクリムゾンフォーム(勝手に呼称)がいきなり発動。時間節約時間節約。
 前回、「動」の回だったわりに今一歩だったけど、今回は「静」だがわりといい。つかこの番組、「静」の回の方がいい気がする。
 で、こちらでは来週はお休みか……関東とのずれの調整のためかな?


  いぬかみ #20「白布に想いをっ!」。今回は薫の犬神たちのうち、ごきょうやの当番回。なんだけど、なんだかまた変な変態が……最近ようやくわかってきたが、この番組においては変態は術者や妖怪に次ぐ特殊能力者なんだな。
 今回出た変態「師匠」の声、やけに耽美系だなぁ、と思ったら、涼宮ハルヒのキョンの声の人でした。うわ、気がつかなかった。
 ごきょうやが啓太の父の元犬神だったってのは聞いてたけど、今回で啓太を父親の影として以上で見るようになったってことでいいのかな?
 しかしたゆね、いつのまにここまではっきり啓太にツンデレになったんだ?


  ゼーガペイン #20「イェル、シズノ」。シズノと前のバージョンのキョウのなれそめ。「イェル」ってのは個体名ではなく、「幻体」と同じような、一般名詞らしい。ってことは、シズノとシマはルーシェンが調べた通り、キョウたちと同じ幻体ではないってことか。イェルはIALとの関係を単に示す言葉ではない、とのことだが……
 前回消滅したはずなのに存続している舞浜サーバは、実は過去に既に移転されていて破壊された場所にはなかった。それが、よりによって敵の本拠地の真っ只中である月面。今、敵は主力を地上に移したから逆に安全、とのことだが、バレたらヤバイのは変わらず。
 次回はアンチゼーガから吸い上げたデータを元に、大反攻が行われるみたいだが……見覚えのないセレブラムがたくさん出てきそう。


2006年08月18日(金) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 草津湯煙血の煙

 必殺シリーズ第十八弾「新必殺仕舞人」第一話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 前作の最終回、自分たちの殺した人たちの供養のため、出家を心に決めた京山とおはな。一年がたち、修行の末その剃髪の日に、なんと直次郎と元一座の女の子たちが京山のいる本念寺にかけこんでくる。聞けば小屋を転々とするうち、たちの悪い親方に当たって、騙されて二十五両の借金のカタに女郎に売り飛ばされかけたので逃げてきたという。
 騙されたとはいえ金のやりとりのあったこと、京山は剃髪を中止し、彼女らが売り飛ばされたヤクザの女親分・お寅のところへ直談判に行く。着くと、お寅が子分の六助に落とし前をつけさせようとしてる最中。無断で娘たちを女郎にしようとしてたのがバレ、逆鱗に触れてしまったのだ。
 お寅は娘たちを女郎にするつもりはないが、二十五両の借金分は、湯もみ女として働いてもらうと言い張る。京山はそれならばと、一座を再結成し、二十五両分の稼ぎが出るまで客寄せの興行を持ち出し、お寅もそれに乗る。娘たちが女郎に売られたという話を聞いて心配して駆けつけてきた晋松も加え、京山は一度は心に決めた出家をやめ、一座を再興することに。
 話をしてみればお寅は向こう気は強く荒っぽいが気の良い女傑。今回の件も、草津でのしてきた新興のヤクザ仁兵衛にこれ以上温泉地を荒らされまいとしてのことだった。仁兵衛は遊女ご法度の湯治場の草津で女郎を扱い、またその女郎たちにもむごい仕打ちを行っていた。
 十手持ちと二束のわらじの仁兵衛は邪魔をしようとするが、京山は勧進興行の許可をたてにしりぞけ相手にしない。
 そんなとき、鎌倉の善行尼の使い、権太が京山のところへやってくる。権太が持ってきた文箱には、京山が得物にしていたかんざしと、「上州草津宿丸屋仁兵衛」と書かれた文が入っていた。
 それが殺しの依頼だと察するが、京山は権太にそれを持って帰るように渡す。
 お寅と京山の目論見は見事に当たり、勧進興行は大盛況。宿屋衆も勧進興行の間は女郎の出入りをさしとめ、仁兵衛は進退窮まる。そして追い詰められた仁兵衛はとんでもない手に出てしまう。

 晋さん、昨日まで死にかけてたのにあんた、なに普通の顔して出てきてるの。(笑) 直次郎は直次郎でいつの間にか元一座の女の子たちと合流してるし。ただし、一座の世話役のおまつさんの姿は見えないが……
 京山は一年の修行の結果、おはなと共に正式に出家することになるが、懐かしい面々がやってき、そして話のいきがかり上、やむを得ず一座を復活させることに。それでも裏家業への復帰は拒み続ける。だが、実は本念寺への依頼は仁兵衛の遊女たちからのもの。たまたま晋松に出合った遊女が京山一座が本念寺ゆかりの者と聞き、一座の小屋に逃げ込む。
 草津では江戸からやってきた丸屋仁兵衛が悪どく稼ぎ、元から草津を仕切っていたお寅一家は衰退する一方。子分も六助一人になってしまっていた。お寅は気が荒いが、病人の養生の場である草津で遊女を扱い、その女たちも酷く取り扱う仁兵衛を許せない、一本気の通った心優しい女でもあった。
 京山一座の興行で追い詰められた仁兵衛は、一座の小屋へ逃げ込んだ遊女とお寅をもろとも斬殺、小屋に火をかける。お寅の姿を探して火の中に駆け込んだ六助も、やはり仁兵衛の手下に殺される。
 小屋の出火は京山たちの不始末として百叩きの上勧進興行は中止、草津を追われることになった京山は、裏家業の復帰を決める。
 善人は誰も生き残らず、純粋に復讐のための復讐で、ちょっと後味は悪いかも。
 京山と直次郎の得物は前作のままだが、晋松は今回は変わって紐の長い拍子木。相手を紐で絞め殺し、「お命、ご用心!」と拍子木を打つ。いや、演出以上にあまり意味があるわけじゃないでしょうが。これは金の受け渡しのシーンについても同様ですが。全員同じ一座で、なおかつあまり遊び歩くこととかもしないんだから、一括して京山が管理してて良さそうなんだけど。
 OPは晋松役の高橋悦史。EDはおはな役の西崎みどり。

[アニメ] ホスト部#19とデジモンセイバーズちょっとだけ

  ホスト部 #19「ロベリア女学院の逆襲」。ヅカ部の逆襲。っつーかアホだ。特に内容はないよう、なのだけど、ゲラゲラ笑いまくってすんげーと思ってしまった。男でもファンなら特に問わない紅薔薇様ファンクラブはおおらかなんだかなんなんだか。最後のバナナの皮ネタはくだらないんだけどそんなベタなネタで今さらこれだけ笑わされるとは思ってなかったってくらい笑った。演出によっていくらでも化けるんだなぁ、とちと感動までしてしまいました。(いや、毎回面白いんだけどね)

  デジモンセイバーズ 。こないだララモンがライラモンに完全体進化してメインデジモンが全部完全体に。そしてデジタルワールドでリアルワールドに侵攻している張本人のメルクリモンと対決。一応話は佳境。話的には「デジモンを倒すとデジタマになるだけで死ぬわけではない」という、非テイマーズ設定なのだけど、デジタマにならずに人間に完全消滅させられたデジモンが多数存在することが明かされて、それなりにシリアスな展開に。そんな中でもマサルが熱血バカで救われてますが。
 ところでそれとは関係ないんですが、ライラモン進化途中で顔だけライラモンに進化したサンフラウモンというものを怖いもの見たさで見てみたいのは自分だけでしょうか?


2006年08月20日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 今日は涼しい

 最高気温30度越えてて涼しいもないけど、実際体感的には(昨日までに比べれば)相当涼しいんだもん。
 昨日ちょっと 名古屋地方気象台 経由で過去十年間くらいの8月の気温の推移をざっと眺めてみたのだけど、暑くなった年の場合、20日くらいから徐々に涼しくなることが多い。天気の具合(日照とか台風とか)にもよるのだけど、今年の名古屋は日照が異様にいいから、多分これから徐々に涼しくなるパターンだと思う。
 ただし同時に九月に入る前くらいに再び暑さがぶりかえすことも多いので、この点は注意かな。

[特撮] ボウケン#25とカブト#29

  ボウケンジャー #25「禁断の果実」。ネガティブシンジケート・ナイトシャドウが新しく産み出したツクモガミのアクタガミはゴミから生み出された失敗作。知能も低く特殊能力もなく、プレシャス争奪戦で捨て駒にされそうになるのを高丘が思わず助けてしまう。ところが食い意地の張ったアクタガミはたまたまそのプレシャス「知恵の実」を入手。食べてしまい、高度な知性をつけてしまう。ナイトシャドウに見切りを付けたアクタガミは自分の知恵を正義のために使おうとサージェスにやってくるのだが、アクタガミを捕らえて知恵の実を封印しようとする彼らにも愛想を尽かし、人間文明を破壊しようとする。

 スーパー戦隊版「アルジャーノンに花束を」ですかね。オチまでまんまでしたが(いや、花束はあげないけど)。仲良くなった敵怪人が最後には敵に操られて、ってパターンはこれまでもあったけど(ガオレンジャーの炭火焼オルグとか)、今回はちと捻っていて、知性化が時間制限付で焦るアクタガミが人間の消費社会を破壊することで逆に人類を救おうとしたりとか、自分が最終的に操られることを見越して唯一心を許した高丘に自分を破壊するための術符を渡したりだとか。
 知恵の実を食べた竜人兵がストライキを起こすのは笑った。おまえらはタチコマか!


  カブト #29。ある晩、謎の人物から黒い包丁を「正統後継者に渡してくれ」と託された天道。鞘に収まったまま天道にも抜くことは出来ない。おりしも「俺の料理は人間の感情を操る」と豪語し、街のレストランというレストランを手玉に取る生簀という男が現れていた。生簀の正体は実はワーム。政府要人を招いたZECT主催のパーティの料理人探しで強力を要請された間宮は、生簀に声をかけるが間宮と立場を異にする生簀は「俺は俺のやり方で世界を支配する」と従おうとしない。
 そんなとき、サルを訪れた生簀がひよりのまかないのチャーハンを貶し、天道は彼と料理対決をすることになってしまう。だが、天道の持っていた「黒包丁」を手にした生簀は敵なし。天道の得意料理の麻婆豆腐で天道を負かしてしまう。
 生簀に酷い目に合わされた料理人たちが彼らの師匠に泣きつき、生簀と対決することに。その師匠とはなんと神代のじいや。何故か加賀美陸の審査の下、闇の料理対決が行われるのだった。

 ま、いろいろ「なんでやねん!」だよな……天道が唯一自分の祖母以外に尊敬するじいやが、伝説の料理人だったというのは、いったいなんなんだか。マスクドライダー計画とかワームには関係はないのか。
 そいでもってワームと料理対決ってのもなんでやねん。「料理で人間を操る」って、それなんて五行戒?
 と言っても、(多分意図的に)この番組内では「料理」が人間らしさの象徴として取り扱われているふしがあるので(例えばZECTで機械的に組織の利益のために行動する三島は先天的な味覚障害でサプリで食事を済ますという設定)、今さらっていや今さらなんだけど……スタッフも明後日の方向にノリノリ。
 本気なのかふざけてるのかイマイチ不明な展開ながら、わりと重要なことも示唆されてて、間宮はワームたちのリーダーだけども、決して「ワーム全体のリーダー」ではないということ。ワームの中で他のワームを組織化することで人類制覇を目論むワーム、ってあたりだろうな。神代がワームってことも知らないみたいだし。
 で、その神代がワームということを加賀美が知ってしまう。こないだ神代の姉がワームに殺されたことを知り、自分と重ね合わせたばかりというのに……あまり複雑な考えとか行動ができない加賀美だけに、どう出るのか。
 それと今回も本田博太郎がすっとばしてたなぁ……全部「本田博太郎だからねえ」で納得できてしまうところが恐ろしい。

[その他] 中日新聞コラム二題

  許されない「言論封じ」中日 )。加藤紘一氏の事務所および実家放火事件にからんで。確かに抗議であろうとなんであろうと放火、という行為は許されるものじゃない。けど、それを「言論弾圧」としてまず糾弾するってのはなんかちがうだろー。糾弾のためのロジックが貧困である証のように思える。
 確かに示威行為は責められるべきだが、正直「テロ」としての効果はそれほどとは思えない。また、同様のロジックでイラク国内の自爆テロなどを責めた記事を中日新聞に見た覚えがない。

  「区別論」の心中日 )。
  日本軍に家族を奪われた多くの中国国民も区別論で説得し、怨(うら)みをこらえさせたのだった。ってのはさ、必ずしも嘘じゃないけど、本当でもない。無論日本軍に恨みを持つ中国人もいたのだけど、それとは別の話として共産党の正統性神話として、抗日戦線を強調する必要があった(いや、別にそれがいけないって言ってるんじゃないですよ?)。でも、抗日戦線の正統性を強調するのに、日本軍の悪辣さを強調してしまったのだけど、そうすると日本と友好関係を結ばないといけなくなったとき、日本への反感とそれをどう兼ね合わせるか、という問題が生じる。それで利用されたのが「区別論」。まあ、曲がりなりにも有効を結ぶ理屈があったのだから、ある意味日本側にとってもありがたいことではあった。けど、それは恒久的にという意味ではない。
 この「区別論」は、日本国内においてはもちろん、中国国内においても既に受けが悪くなってきているという。ま、そらそうだよね。中国においても日本と同じだけの時間が経ってるし、そもそも元の理屈は70年前の毛沢東の(以下略)
 ま、基本的に中国が靖国靖国言ってるのは対日カードとして使ってる以上の物ではなく、実は中国共産党及び政府自身は別にそんなにナーバスになってないってのが実情なんですが。だって、中国の対応見てると「どのへんが落としどころか」一生懸命探ろうとしてるでしょう?


  <多重債務>過払いでも保険請求 遺族に死亡診断書求めるY!hl )。まあ、そんなもんだとは思いつつ、でもやっぱ酷い話。要は、世の中身近にそういう酷い話が溢れてるってこと。


  「ワニは魚である」、オーストラリア議会で決定excite )。いや、ワニは魚じゃないだろう。と、思わずまともにリアクション。いや、いなばの白兎のワニは鱶(鮫)でしたけどね。はっ! レイ豪農副相は日本の人!? でもそうするとクロコダイル・ダンディーは一体……


  アジア留学生に奨学金、日本で就職促す 2千人に国支給朝日 )。この制度が効果的かはともかく、これはわりと真面目に検討すべきことだと思いますよ。マジで


2006年08月21日(月) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 大黒舞は殺しの舞

 必殺シリーズ第十八弾「新必殺仕舞人」第二話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 次の目的地の前に長雨で長逗留せざるを得ない京山一座。だが、その宿場へ山形から逃げてきた娘が駆け込む。権太が持ってきた依頼状も山形の紅花問屋、雁木屋弥兵衛の名が記されていた。山形へ向かう一行だが、一座の大八車に娘が隠れていたのを見つける。娘の名は千代。山形から逃げてきたというのに、なぜまた山形へともどろうとするのか……委細がありげとにらんだ京山は、そのまま娘を山形へ連れて行く。
 山形では紅花の収穫の真っ最中。雁木屋をさっそく訪ねる京山だが、なぜか店は潰れている。聞けば、雁木屋は不正があって取り潰しになり、主人の弥兵衛は死罪になってしまったという。
 殺しの相手が既に死んでいたのでは仕方ないと一座は依頼を諦めかけるが、なぜ雁木屋が潰れたのかと、千代を追ってきたのが雁木屋の代わりに庄屋になった松屋の長男、辰吉だったことに気づき、裏を調べ始める。
 弥兵衛は百姓たちの土地を容赦なく奪い、土地を奪われた百姓たちは日雇いとして生きていかざるを得ず、恨みを買っていた。しかし代わりに庄屋になった松屋もやり口は変わらず、一向に彼らの苦しみは変わっていなかった。実は元々手を組んでいた雁木屋からその利権をすべて奪おうと、松屋が雁木屋を陥れたのだ。千代を狙っていたのは彼女が弥兵衛の娘だからだった。そして松屋の次男辰次が千代を見つけてしまうのだが、辰次は父の辰蔵や兄とは少し様子が異なっていた。辰次は実は千代の許婚だったのだ……

 必殺版ロミオとジュリエット、といったところか。謀殺された弥兵衛も清廉潔白ではなく、悪党同士の潰し合いというところが安易ではない。しかし悪人であっても親は親。千代は辰蔵を殺し、親の仇を討つつもりで山形に戻ってきていた。
 松屋次男の辰次は純粋に許婚の千代を想い、考え直すよう説得しようとするが、逆に自分の親の行っていた不正と悪事を知らされる。実際に不正の証拠を見つけてしまう辰次だが、直次郎とはなの説得により、仇を殺すのではなく雁木屋の再興を目指すことに。だが、彼らが駆け込んだ目付けの新見が実は松屋と手を組んでいて、千代も辰次も口封じに殺されることに……
 辰次も親のことを思い、殺したり訴え出たりということだけはなんとか避けようとしてるのに、親の辰蔵はあっさりと辰次を殺してしまうのが悲しいなぁ。子の心親知らずか。背景が悪人同士の争いだったり、千代も最初は辰次を信じようとしないあたりが安易にパターンに落ちていない。
 ただ、今作では依頼の文を届けられる形式になった為、依頼人との関係性が希薄になってしまった。弥兵衛殺しの依頼は土地を奪われたために遊女に身を落とした元百姓の妻からだったのだが、この形式だとこうやって出すしかないのかなぁ。コメディリリーフの権太が出てきたことで顔ぶれはバラエティが増えたのだが、ドラマ的な制限がかかってしまうようになったのは弊害か。
 また、新シリーズになって手踊りのシーンが華やかになっていて、これは良い。

[アニメ] シムーン#20と徹之進#31とおとぎ銃士#8

  シムーン #20「嘆きの詩」。敵弾に倒れ、息を引き取ったマミーナ。しかし葬儀も行われることなく遺体は彼女の故郷に運ばれることに。ネヴィリルとアーエルはそれぞれ責任を感じるが、その感じ方は異なっていた。

 自分たちは巫女なのか、それとも兵士なのか。それぞれ悩むシヴュラたち。フロエに至っては戦線を離脱し、泉に向かおうとする。ネヴィリルは自分がマミーナの命と引き換えに守られるだけの価値があっただろうかと悩むが、アーエルはマミーナの死を嘆きつつも、だからこそ生き延びる、と決意する。結局このアーエルの決心がシヴュラたちの決意の核になるのかな? 兵士としてではなく、生き延びるために。そして自分たちの本分はこれだとでも言うかのように、マミーナ追悼のリ・マージョンを行う。輸送途中撃墜されて一面の花園に放り出されたマミーナの遺体と対比されて、マミーナの心は骸にではなくむしろ仲間たちの記憶とともにある、と主張してるかのよう。
 ここんところ女を下げっぱなしだったパライエッタも、自分の想いを殺してまでもカイムのために尽くそうとするアルティを見て、ようやくふっきれはじめる。しかし、パライエッタの愛称が普通に「パラ様」って、よく考えれば相当変だよな。


  徹之進 #31「てつのしんロボット犬と友達になる」。人工知能に心が芽生えた、というパターンなのだけど、新しい友達に過剰に思い入れ気味の徹之進に対し、仲間たちが鬱陶しがりつつもその一本気なところを理解してる描写が結構いい。徹之進が寿命が尽きようとしているロボット犬のために掟を犯すことを承知でロボット犬の元の飼い主を連れてこようとするのだが、犬の徹之進の想いは言葉の壁を持つ人間には通じない。ハンゾウも結果がわかっていて徹之進をサポートする。結果が必ずしも問題じゃなく、徹之進がやりとげることが大事だと思ったからなのだろうなぁ。
 最後、名前間違えネタが綺麗にオチにつながっていて、これもかなり良かった。


  おとぎ銃士赤ずきん #8「心に笛を持つ男」。今回からファンタヴェーレ編突入。そいでもって味方キャラのハーメルン登場。ついでにブレーメン遊撃隊も登場。あいかわらずゆるゆるの登場キャラだけど、話は実はそれなりにハード。サンドリヨン侵攻に絶望的になって裏切り者は出るわ、王のフェルナンドは臣下の安全のために投降するわ……で、一人城で捕虜になりつつもフェルナンドの命令を守って草太の到来を待つハーメルン。まあ、一人クールでもこのゆるい空間だから、どこまで持つかなのだけど……と思ったら、予告で早速崩れてた。(笑)
 ハーメルンのデザインは、笛が角笛なところといいヘルメットに角があることといい、牧神のパンか。ランダージョが長靴を履いた猫ってだけじゃなく、ブレーメンの音楽隊の猫でもあったのかってのがちと意外。あと、雑魚キャラのわりには音楽隊の犬の声が斉藤千和だったりするんだよな……


2006年08月22日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 三界節娘恋し父恋し

 必殺シリーズ第十八弾「新必殺仕舞人」第三話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 ある晩、お時という娘が駆け込み寺へ駆け込む目前で侍に切り殺される。侍たちの素性は知れなかったが、虫の息のお時は妙法寺村庄屋彦兵衛への恨み辛みを口にし、僅かな依頼料を残して死んでしまう。
 一方、越後へさしかかろうとしていた先乗りの晋松は、川に身を投げようとしている男を助ける。男によれば、娘のお時が恨めしそうに枕元に立ち、娘が死んだと思い世をはかなんで身を投げようとしたという。娘のお時は口入で江戸に奉公に出たのだという。
 京山一座もまた、お仲という百姓女と出会う。やはり江戸へ奉公に出て音沙汰がない娘を訪ねようとしたのだという。聞けば越後の妙法寺村では、庄屋の彦兵衛が過酷なはたおりのノルマを課し、困窮を極め、江戸へ出稼ぎへ行く娘たちが耐えないという。
 京山一座は村の人たちのなぐさめにと妙法寺村で興行を打つことにするが、何故か一度は興行を許可した宿場役人が難癖を付け、京山を番所へ引っ張っていってしまう。

 今回はちとプロットが複雑かなぁ。その分主題がばらけているということでもあるけど。村の娘たちに江戸の奉公の斡旋をした妙法寺の住職・丈寛は一見村人のために借金までしている好々爺に見せつつ、実は庄屋と、庄屋と手を組んだ宿場役人の伊藤や問屋の田島屋とグル。
 庄屋の彦兵衛は「競争の為に仕方ない」とかなりドライに割り切っているが、息子の彦太郎はそんな父親のやり方に反発を覚え、どうにかやめさせようとしている。
 で、はたを折らせる若い娘を探していた彦兵衛の手下が京山一座の娘たちに目をつけた、のはいいのだけど、一座と知り合いの権太を通じてどうにかしてしようとしてしまうのが……結局権太は娘集めには使わず、宿場役人を通して娘を集めようとするので(でも失敗して娘たちが逃げ込んだ妙法寺の丈寛が彦兵衛に引き渡すのだけど)、結局権太にただ飯ただ酒食らわせてやっただけ。まあ、結果的に彦兵衛殺しの依頼が京山に届くのを遅らせ、京山たちを窮地に陥れてはいるのだが……
 ただ、話が無用に複雑になり描写が薄くなった反面、群像的な描かれ方をしてるし、前二回では善人が皆死んだ後で救いのない殺しをする、という展開だったのが今回は避けられている。なにより、人数が多いので今回は殺陣が多く、派手な印象を与えている。特に殺陣のシーンはいつにも増して凝っていた。お時の委ねた依頼料を仕舞人たちが受け取るのではなく、殺した相手の六文銭(三途の川の渡し賃)にするところも良かった。
 とはいえ、丈寛が、乗り込んで行った京山に踊りを見せてくれって展開はなんなんだかなぁ。いや、西崎みどりの美声が聞けたのは良かったですが。あと、悪党の側に身分や役割の立体感がなく、平板に感じたのも、これだけ複雑な構成にしたわりには、ちょっと。

[その他] 今年は土用の丑が二回あるんだっけ?

  天然のウナギが食べられなくなる!?サンスポ )。ウナギが絶滅の危機にある、という報告の記事(ホントかどうかは知らない)。
 と、同時に 中国産ウナギから基準値超す殺虫剤 厚労省が検査命令朝日 )。まあ、なんていうか、そんなに無理して食わんでもと思うのだけど……


  横浜市のマンションのエレベーター内で女性が刺され現金奪われた事件 中国人の男逮捕Y!hl ビデオニュース )。別に中国人だから云々ってつもりはない。まあ、それだけあちらの国では人の命が安いってことなんだが。だから前に書いたっしょ。「命の価値は平等ではない」と。


  女流作家「子猫殺し」 ネット上で騒然Livedoor News )。いや、別に猫の「間引き」自体はとやかく言うつもりはない。避妊手術も間引きも人間側の都合ってのは確かにそうだしね。ただ、なぜ避妊手術よりも間引きを選ぶのか、って辺りが、記事からだとさっぱりわからんのだよなぁ。それも自由と言えば自由だが、投げ捨てた後の死体はきちんと始末してるんだろうか? そこまでしないと「どっちも同じ」ではないと思うんだが。少なくとも他人への迷惑というレベルにおいては。


  「トムとジェリー」の喫煙場面カット=視聴者から苦情―英Y!hl )。ここまで来ると明らかに過剰反応すぎでしょう。アニメの煙で副流煙被害があるとでも? タバコの煙を嫌うってのはわかるが、なんかこの潔癖症なまでの弾圧ぶりってのは、ちょっと……

[アニメ] .hack//Roots#20

  .hack//Roots #20「Violation」。うわ、まさかの俵屋復活! つか、俵屋、学生だったのか。TaNの崩壊後、アイテムの価格を支配していた者がいなくなり、市場は荒れ放題。遂にはアイテム価格の高騰を利用してRMTで稼ぐギルドまで出てくる。ノービスキャラ「トウタ」として再びThe Worldにやってきた俵屋はその惨状を見て、かつて自分がしたことの落とし前をつけるつもりでRMTグループの壊滅を試みる。
 俵屋がごっつ男前ですなぁ。以前は銃剣士の匂坂もものともしない高レベルキャラだったのだけど、今は見る影もない低レベルキャラ。でも、トウタのプレイヤーがかつての俵屋と同一人物だと気付いた一部の者が、かつての俵屋のように、アイテムを適正価格で販売しようとしだす。
 タビーと関わった初心者キャラ、ウールとカシミアも絡んで、RMTを巡るネットゲームの小さなトラブルを描くのだけど、俵屋=トウタは勿論、俵屋に借りを返すつもりでちょっとだけ手を貸す直毘もちょっとだけ男前。弱いなら弱いなりに知恵を働かすのが俵屋クォリティ。実際は大きなゲームでこれだけでRMTが撲滅できるわけもないのだけど、まあ、演出ってことで。
 落とし前をつけたらThe Worldを去るつもりだったトウタも、その過程で新しいPCたちとかかわり、もうちょっとだけThe Worldに居つづけることに決める。ハセヲたちとももう一度関わるのかな? って、そういや今回ちょっとしかハセヲ出てないや……


2006年08月23日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 八木節は悲しい村の恨み節

 必殺シリーズ第十八弾「新必殺仕舞人」第四話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 群馬の渡川村では、川上の鉱山の毒で水が汚れ、畑でもろくに作物も育たなくなってしまっていた。しかし、代官の石川はそんな村人の苦しみも省みず、村人が江戸のご家老に訴えて出た見舞金も自らの懐に入れてしまう。耐えかねた村人は再度江戸へ直訴に出ようとするが、代官の手下たちが「百姓一揆の疑いあり」と、首謀者たちを皆切り殺してしまう。かろうじて、生き延びた亥の吉は手傷を負って山へ逃げ、もう一人助かったおよしは駆け込み寺へ走り恨みを訴える。
 京山一座は権太から渡川村の依頼の筋を受け取り、一路村へ。村は代官一派により厳しい検問がしかれており、村人の表情も暗い。早速京山たちは渡川村で行われている悪事を調べだすが、晋松は街道筋で飯屋をやっているおよしと知り合い、良い雰囲気に。その口から村で代官が行っている不正と、一揆の濡れ衣を着せられ殺された村人たちの話を聞く。一方、一座の小屋の前で身重の女が倒れていたのを娘たちが見つけ、介抱することに。目の悪いその女、おれんは実は亥の吉の女房。手傷を負って代官一派から逃げ続けている夫に会おうと、身重の身体と不自由な目を省みず飛び出てきてしまったのだ。だが、代官所の役人たちはまだなお江戸へ直訴を行おうとする亥の吉を、山狩りをして追い詰めていく……

 今回は、結構いい話だったかな。晋松と、本阿弥周子演じるおよしのほのかなラブロマンスと、亥の吉・おれん夫婦のまっすぐな純愛が結構いい。亥の吉は隠れこんだ山の中でいきなり八木節を歌いだし、それが元で悪人たちに見つかって殺されてしまうのだけど、「なんでそんな見つけられるようなことをわざわざ?」と思ったら、八木節は亥の吉が得意としていて、おれんにプロポーズが受け容れられたときに歌った唄。山の中で一人逃げ回る心細さをごまかすためと、あと、おれんに会いたいという気持ちの発露だったのだろうな。これが結構いい声してるんですわ。
 亥の吉が殺され、ショックでお腹の子供も流産してしまいすべてを失ったおれんは、村人の謀議の垂れ込みを装い代官に近づき、包丁で刺し殺そうとするが、弱視者の悲しさ、しとめ損ない、膾切りにされる。
 タイトルの八木節は亥の吉と直次郎、おはなの三人が劇中歌ってるのだけど、それぞれニュアンスが違うし、およしに乞われておはなが歌う八木節は、ユーモラスなはずの唄なのに悲哀に満ちている。これは各地の民謡とのコラボってのが生かされてた。
 今回も依頼人のおよしとはお互いそれと知らず接触するのだが、仲間たちを殺され恨みを吐くように駆け込み寺へ走る姿は恨みの説得力があるし、晋松に一緒にならないかとそれとなくアプローチしてははぐらかされるのも可愛らしい。最後にまだ村でうろうろしていた権太の「本念寺御使者」ののぼりを見て、代官殺しが晋松たちによるものだと気づくのもいい。で、最後、旅立つ晋松に向かって船の上から「晋さ〜ん! だいすきだよ〜!」の告白は、成就はされなかったけどからっとした恋の終わりで清々しい。今回は話も良かったし、本阿弥周子を含め、キャストが当たりだったなぁ。

[その他] 今日は暑かった

 毎日暑いだの涼しいだのそんなことしか書くことがないのかとおっしゃる向きもあるでしょうが、ないんです。(断言) 真面目に日常なんて書きたくね〜!(言い切った!)
 夜は流石に涼しいですがにゃ。


  本田博太郎さん観賞ノート および 本多博太郎さん観賞ノートのおまけ 。仕舞人の感想を書くときに、データを調べてる最中見つけたサイト。いや、まさか本田氏にこのような熱心なファンサイトがあろうとは……


  日中韓の政策対話を提唱=「3人寄れば打開可能」−谷垣財務相Y!hl )。いやぁ、無理じゃないかな。(あっさり)
 だって韓国はどうかしらんが、中国は靖国とかなんだなんてカードとしか思ってないし。ま、パワーポリティクスっすよ。国際政治は。
 そういや加藤紘一氏が谷垣氏の支持を暗示したらしいが、どうなんかなぁ。いや、谷垣氏はそんなに嫌いじゃないんですが。


  日本語の「ググる」はOK?C NET )。英語だとそのまま動詞で「google」なので商標登録上まずいが、日本語のように「ググる」と変化してればOKということらしい。良かった。


  冥王星、「降格」へ=太陽系惑星「8個」に縮小−天文学連合、定義案で最終調整Y!hl )。う〜ん、それが合理的なんだけど、ちと残念でもあるなぁ。


  戦争とメディア 競って責任を問うた夏朝日 )。その前に朝日は自社の戦争責任は問わないのかにゃ〜? 基本的に自画自賛のみっともない社説。それに、もはや問うのは「責任」じゃなく「原因」だと思うのだが? まあ、「原因」を追究すると自社の果たした役割も掘り出しちゃうからできないのか。


  米タワーレコード:破産法申請 89店舗は営業継続毎日 )。日本のタワーレコードは既に独立してるので関係はないらしい。ただ、音楽の流通形態が変化していくにつれ、小売も段々厳しくなってはいくのだろうなぁ。

[アニメ] 女子高生 Girl's-High

 名古屋じゃようやく先週最終回ですよ。金曜深夜という魔の時間帯に回されたため、月に一度は朝生のせいで放送が潰れると言う……代替放送もなし。ひどい話だ。だってネット放送の方がよっぽど早いし。
 と、愚痴はさておき、今回は文化祭。バカ軍団はクラスでメイド喫茶を企画するが、空回り。しかもやはりメイド喫茶をやっている西園寺の妨害で客足は一向にダメ。お互い客取り合戦をして段々それがエスカレート。ついには水着でマッサージまですることに……
 最終回もバカ軍団らしくバカ。プールの使用許可は松尾先生を脅してでどうにかなるとしても、その企画は通らんだろう(笑)。でも折角客足が伸びてきたのに、由真は突然の生理で、綾乃は彼氏の反対でと、次々脱落。絵里子一人でどうにかしようとするが、様子を見にきた桃香が参戦、他の連中もなんだかんだで戻ってくる。って、それ普通にぼったくりだろう、桃香(笑)。
 結局勝負には負けて桃香までとばっちりの罰ゲームを受けるけど、それなりにいい話で締め。桃香がバカ軍団に感化されて咲女入学を目指すという展開。
 決してクォリティの高いシリーズではなかったけど、原作の下品&バカバカしさを前面に押し出し、アニメ化としてはいいアニメ化だったんじゃないかと思います。毎回のアバンタイトルのお遊び(特に10話の必殺パロ)とか、「メガネ!メガネ!メガネ!」みたいな全力でバカバカしい話とか、あと、最近の深夜アニメではめずらしくEDを一度も削らなかったのは、あのEDの出来を理解してのことかな、とちょっと思う。
 この時間帯は今週から「 コヨーテ・ラグタイムショー 」なのだけど(二月遅れ?)、また朝生で遅れまくるわけか……なんとかしてよ、メ〜テレさん。


2006年08月24日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 会津磐梯山涙の嫁入り

 必殺シリーズ第十八弾「新必殺仕舞人」第五話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 権太からいつもの依頼の文を受け取った京山。だが、文には「会津 八ツ目地蔵」とだけ書かれていた。
 一行が訪れた庄屋の桔梗屋では婚礼の準備の真っ最中。絵ろうそくの元締めでもある庄屋の桔梗屋徳兵衛は職人たちからも慕われていて、職人たちも総領娘のお秋と清吉の婚礼を心から祝っている。しかし、晋松が「八ツ目地蔵」のことを聞いたとたん皆の顔色が変わる。
 そして婚礼の晩、契機付けに一座が踊りを披露しているさなか、婿の清吉が遺体になって届けられる。騒然となる中、人々は皆「八ツ目地蔵の祟りだ」と口にするのだった……

 桔梗屋徳兵衛は好人物だし、職人たちも徳兵衛を慕ってるので一体誰が悪人? と思ったら、絵ろうそくに欠かせない漆を職人たちに卸している山役人たち。そしてろうそく問屋で、実は職人衆を見張っては八ツ目地蔵の祟りを装い不穏な動きをする者を始末していた喜三郎。
 構図としては村人たちとそれを苦しめる役人、そして村人たちの中の裏切り者、と至極単純。ただ、恨みの中心は婚礼直前に恋人を殺されたお秋であるはずが、「前もって訴えられた恨みの依頼を本念寺から受け取り、当地に向かう」という制限のせいで、本筋とはまったく関係ない遊女のお久が依頼人になってしまってるのが……「女の恨み」を前面に出している以上、新仕置人のように依頼人は誰かわからないが難敵を狙う、という構成もできないし、このシステムの問題点が如実に出てるなぁ。
 それもあって、話としては凡庸。悪人も平板だし、一番個性的な悪人の喜三郎も不気味さが十分出ていたとは言いがたいし。善人である徳兵衛が無残に殺されたり、喜三郎が裏切り者と知らず後事を託したりと、悲惨さは出てはいるのだけど。
 殺陣は婚礼で浮かれる席上で、その混乱にまぎれて喜三郎と招待された山役人たちをもろとも始末。京山が黒装束に身を包まず相手を殺すのって、今回が初めての気がする。
 最後、桔梗屋を存続させるためにお秋と喜三郎が祝言を挙げるのだが、お秋がその席上で喜三郎の正体を知り、父と恋人の仇と斬りかかって返り討ちにされるのは、そこまでやるか、という気は……一応村人、職人たちは救われたが、救いはない話だなぁ。
 あと、新仕舞人になってから悪役に「京山が美人」を言わせすぎのような……いや、美人は美人なんですが、お歳がお歳だけに、そういう劣情を向ける相手としては……

[アニメ] SPEED GRAPHER#13〜24

  SPEED GRAPHER の感想が以前#12までで止まってたので、後半をちょーはしょって最終回まで。

 天王洲神泉を殺してしまい、天王洲グループの実権を握るために神楽と結婚しようとする水天宮。あくまで助けに行こうとする雑賀を、銀座は力ずくで引きとめようとするが、写殺能力を目の当たりにして愕然とする。そして、銀座と雑賀は雑賀の検査結果を聞き、ユーフォリアの真実に迫る。神楽の体液に含まれる特殊な物質が、ユーフォリアウィルスを活性化させユーフォリア化させていたのだ。そしてその物質は神楽の脳腫瘍が元で発生していた。
 あくまで神楽を助けようとする雑賀を銀座は止めようとするが、刺青のユーフォリア百合ヶ丘が襲い掛かる。(#13)

 銀座を人質にした百合ヶ丘を退けた雑賀は、結婚式の当日、衆人環視の中、正面から神楽を奪還しようとする。体中にくくりつけたカメラで教会を破壊し、その混乱に乗じて神楽を取り戻そうとする雑賀。だが、式を取り仕切っていた神父は電気のユーフォリア。金属製の非常階段を通じて攻撃してくる神父だが、機械式のアナログカメラな雑賀のカメラはショートせず、神父を写殺し、神楽と共に教会を逃げ出す。だが、法的に天王洲グループの全権を手にし、今また神楽の体液組織の培養に成功した水天宮にはもはや神楽は必要なかった。(#14)

 神楽と二人で逃亡する雑賀。もはや水天宮のことなど忘れ、神楽の最後のときまで共に過ごそうとするが、水天宮はそんな二人を見逃さず、水のユーフォリアである弦巻ミハルを刺客として差し向ける。入水心中に魅せられた魔性の女であるミハルには、「写殺」能力も通じず水の中に引きずり込まれる。だが、自ら水の中に飛び込み、ミハルにしがみついて懸命に雑賀を助けようとする神楽の姿に、かつて母に水の中で抱きしめられたことを思い出し、ミハルは欲望を成就させ消え去ってしまう。(#15)

 天王州グループを乗っ取った水天宮。水天宮は天王洲グループの決算をさせるが、その決算は冷徹で過酷。人の命でさえ金銭として計算する。だが、取立てに向かった債務者の家で、子供の差し出したおもちゃの札束を受け取り、おとなしく引き上げる水天宮。水天宮の過去にはなにがあったのか……
 一方、雑賀も神楽に戦場カメラマンとしての自分の過去を語る。かつて軍の秘密の実験場に潜入したとき、攻撃に巻き込まれ瓦礫の中に閉じ込められたこと、自分と同様に閉じ込められた男がいたこと、その誰かが鳴らし続けていたオルゴールのおかげで、助けられるまで正気を保てたこと……だが、そのオルゴールのメロディは水天宮の持つオルゴールのものと同じものであることに、雑賀は気づいていなかった。(#16)

 水天宮の過去になにがあったのか。水天宮は本名は上野タケシといい、かつて資産家の息子だったが、破産し両親は心中。残された水天宮と妹は、借金のカタとしてそれぞれ離れ離れになってた。水天宮の持つオルゴールは妹のものだった。変態どもに身体を弄ばれ、果てには傭兵として売り飛ばされた水天宮は金の為に殺し、殺される現場を幾度も目にする。そしてとある軍の実験場への作戦時。突入した建物で無数の化け物たちに襲われる水天宮たち。爆撃により敵は殲滅されるが、水天宮も瓦礫の下で生き埋めになり、助け出されたときには半死半生。仲間の遺体を接ぎ合わされ、その施設で研究されていた特殊なウィルスを注入されることによりかろうじて生き返る。そしてそれは水天宮を化け物にもしていた。与えられた力で実権施設を逃げ出す水天宮。辻堂、新治、真壁たちと出会い、妹を探すため、そして復讐のための力を手に入れるため、闇社会での力を手に入れる。だが、ユーフォリア化した者の寿命は、力を使えば使うほど縮んでいく。水天宮の限界も、間近に迫っていた。(#17)

 世間に神楽の体液成分の混入された化粧品・食品が出回る中、逃亡を続ける雑賀と神楽は、国外に逃げようとするが、某国の諜報機関により身柄を拘束される。連れて行かれた先は、新進の国会議員、落合の元。落合は天王州グループ及び首相の神谷が手を組んで行っている出来事に気づいており、それに抵抗しようとする議員、活動家、ジャーナリストたちを集めた「白い鷲の会」を結成。すべてを明るみに出そうとしていた。その為に、国会で雑賀と神楽に証言をして欲しいと協力を求めてくる。そうなれば二人は世間の好奇の目にさらされることになる……自分はともかく、神楽はそんな目に合わせたくないと考える雑賀。だが、西谷教授から自分の脳の腫瘍のことを知らされた神楽は、もはや長くない命ならばと国会証言に応じようとする。(#18)

 脳腫瘍の告知、そして落合の提案で揺らぎ始めた雑賀と神楽の関係。悩む雑賀は夜の街に出、ジョーという若いジャーナリストと出会う。雑賀を尊敬していると、相手が当の本人と知らずに熱く語るジョーは、「白い鷲の会」に参加していることをほのめかし、とんでもないネタを手に入れてしまったことで悩んでることを打ち明ける。
 翌日、白い鷲の会の集会に参加する雑賀。その現場にジョーもやってくる。だが雑賀の励ましに勇気を得たジョーは突然落合を糾弾しだす。ジョーは天王洲の秘密クラブの会員名簿を入手し、その名簿には落合の名前を記されていたのだ……すべては反抗者を集め、一気に殲滅するための神谷と落合の罠だった。音のユーフォリアとしての正体を表した落合は、怪音波でその場にいる者を皆殺しにする。ユーフォリアであるがゆえにかろうじて助かった雑賀に、落合がさらに襲い掛かる。(#19)

 落合に追い詰められる雑賀。怪音波で空気をゆがめ、ピントをずらせる落合に、雑賀の写殺能力も効かない。一方、匿われていた神楽たちは正体をあらわした落合の部下に確保されようとする。だが、西谷教授が暴走、神楽を人質にして逃げ出す。西谷はユーフォリアウィルスに見せられ、自分もユーフォリアになろうとしていたのだ。だが、皮肉にも落合の部下により助けられる。
 落合の虐殺現場に駆けつけた銀座は、そこでジョーが入手した秘密クラブの名簿を見つける。名簿をめくっていた銀座は、その中に署長の名前を見つけ、愕然とする。署長も会員だった……署長宅に潜り込んで事実を確かめようとするが、逆に昏倒させられてしまう。
 雑賀は落合の音波になすすべもなかったが、捨て身の特攻で接写、落合をなんとかし止める。
 そして、神谷が自分を出し抜き神楽を手に入れたことを知った水天宮は、ついに最後の計画を発動しだす。(#20)

 足にフェチズムを持つ署長に足を切り落とされそうになる銀座。だが辛うじて足で署長を絞め殺し、入手した会員証で秘密クラブ潜入を試みる。
 首相官邸にとらわれた神楽。首相の神谷と共にした朝食の席で、神谷は水天宮から秘密クラブを取り上げる野望を口にし、そして「食」のユーフォリアとしての本性をあらわす。
 一方、落合との戦いで傷ついた雑賀はベンたちに助けられるが、酷使を続けていた雑賀の「目」は限界に来ていた。ユーフォリアとしての異常なまでの再構成を続けていた雑賀の目は、これ以上「写殺」を使えば雑賀は失明する。それはカメラマンとしての死を宣告されるも同然。だが、雑賀はそれでも神楽を助けに向かう。
 神谷の命令により天王洲ビルに突入した部隊はビル内部にところ狭しと積み上げられた札束と有価証券の山を見つける。水天宮はなんなく部隊を返り討ちにし、逆にアパッチで首相官邸に攻撃を仕掛けるのだった。(#21)

 水天宮は今こそ復讐のときと、最後の計画を実行する。その前に、辻堂たちに解雇を言い渡し、報酬を渡す。だが、辻堂と真壁は水天宮と最後まで行動を共にすることに。新治に事後を託し、二人は死地へと向かう。
 一方、首相官邸に乗り込んだ雑賀。死体だらけの官邸の中で、神谷に迫られる神楽をついに見つける。だが、そこへ水天宮もあらわれる。水天宮の口から、語られる真の目的。それは両親を破滅させ、自分や妹を破滅させた水天宮グループの前身とかつての財務官僚、今の神谷総理への復讐だった。水天宮は数年前に妹を探し当てていたが、妹は遠い異国の地で男を取らされ続け、身も心も壊れ果てていた。目の前にいるのが兄とも気づかず、片言の日本語で「オカネ、クダサイ」とすり寄る妹。もはや生きるしかばねになっていた彼女を、自ら手にかけた過去を明らかにした。
 凄惨な水天宮の過去に言葉を失う一同。そして水天宮の「血」の能力で神谷を始末する水天宮。だが、水天宮の復讐はまだ終わっていなかった。神楽を連れ、天王洲ビルへと向かう。(#22)

 首相官邸から助け出される雑賀。秘密クラブからかろうじて抜け出した銀座から、日本の首脳部を含むクラブの会員がクラブに閉じ込められたことを知らされる。もはや事態は日本政府の手から離れ米国が収集をつけるべく、水天宮が閉じこもった天王洲ビルをミサイルで攻撃、破壊することを決定する。仲間の両国から神楽の命が助かる可能性を聞かされ、天王洲ビル攻撃を察した雑賀は傷ついた身体をおして神楽を助けに行こうとする。銀座ももはや止めようとはせず、雑賀と共に天王洲ビルに向かう。
 天王洲ビルでは、水天宮の邪魔をさせまいと辻堂と真壁が待ち受けていた。二人の相手を引き受け、雑賀を神楽の元へ向かわせる銀座。
 ついに天王洲ビルで水天宮と対峙する雑賀。ビル内部に積み上げられた現金と証券を見て、水天宮の真意を知る。そこにあるのは各金融機関が限界を超えて天王洲グループに投資したカネ。それが消えれば、日本経済は崩壊、ひいては日本に多量の国債を保有させている米国経済も崩壊する。水天宮は単に天王洲神泉と神谷首相への復讐を遂げることではなく、社会、そして金に対する復讐を遂げることだった。そして、すべての始まりである自分と、神楽の二人でそれを見届け、死ぬつもりだった。水天宮は神楽にいつしか自分の妹の姿を重ね合わせていたのだ。
 水天宮がかつて自分を救ったオルゴールの主であることを知り、二人を死なせまいと説得するが、水天宮の決意は翻らなかった。(#23)

 天王洲ビルで戦いを繰り広げる銀座と辻堂、真壁、そして水天宮と雑賀。雑賀は水天宮に、死地を求めているのは妹を殺したことを実は後悔していること、そして神楽は妹ではないことを指摘する。
 銀座は真壁をし止めるが、残った辻堂が犬のユーフォリアとしての正体をあらわし、襲い掛かる。お互い、決して得られぬ者に魅せられてしまった者としてのシンパシーを感じつつ、辻堂を仕留める。
 ビル屋上の天王洲邸で銀座と落ち合う雑賀。だが、神楽は自分の病のため、なにより自分が愛されて生まれた子ではなかったことに絶望し、生き続ける気力をなくしてしまっていた。雑賀はそんな神楽を叱咤し、愛を告白する。
 そして迫りくる水天宮に、雑賀は神楽を銀座に託し、対峙する。神楽は雑賀と共にいようとするが、銀座が怒鳴りつける。愛する雑賀が別の女に愛を告げ、それを傍らで聞いてる悔しさ、惨めさ。殺したいほど憎いが、雑賀の最後の頼みまで反故にしてしまえば、本当の負け犬になってしまう……銀座は自分のために、そして雑賀のために神楽を逃がそうとしていた。
 屋上で水天宮と戦う雑賀。だが、最後のチャンスに、水天宮めがけ飛来したミサイルにとっさに焦点を変え、水天宮を助けてしまう。もはや視力を失い、瀕死の雑賀。しかし、水天宮は何故か止めを刺さずにクラブを、そして金を燃やし尽くす。最後の力を振り絞り身体を引きずってきた辻堂と共に、炎の中に消える水天宮。
 米国では攻撃後、ようやく天王洲の資産がすべて灰になっていたことを知らされ、混乱に陥る。結局水天宮の復讐は完遂されたのだ。降りしきる札に狂喜する人々の中、雑賀からの連絡がボブの携帯に入る。何故か別のビルの屋上に放置されていた雑賀を助け出す仲間たち。水天宮が、最後に雑賀を助けていたのだった……
 五年後、日本と米国が経済崩壊し、スラムのようになった東京で厳しく取立てを行う、「社長」になった新治……彼の今の夢は、都心に三つのビルを建てそれぞれ「水天宮ビル」「辻堂ビル」「真壁ビル」と名づけ、彼らのことを永遠に語り継ぐこと……街中で、見覚えのある人影に振り返るが、見失い、気のせいだったかと自嘲する。
 他の面々も、崩壊した東京でそれなりにたくましく生き続けていた。  両国先生は海外に医療ボランティアとして飛び回り、銀座は警察をやめそんな両国の元に看護師として押しかけ、押しかけ妻の地位を得ていた。そんな銀座から、仲間の元に絵葉書が届く。神楽は二人の元で暮らしていた。
 命は助かったが視力を失った雑賀は、皮肉なことにそれゆえに写殺能力が発動しなくなり、自分の目には写らない街の姿をフィルムに収め続けていた。今日もビルの屋上で街の写真を撮る雑賀。その背後から、近づく女性の足音。だが、その足音だけで雑賀はそれを誰か察する。「お帰り」「ただいま」。そして、彼女は雑賀の胸へ飛び込む。(#24)


 すんげー駆け足でだけど、後半の感想を。
 なに、このメロドラマ(笑)。
 つか、主人公、雑賀じゃなく水天宮になってるし(大笑)。話の焦点は雑賀と神楽の逃避行から、完璧に水天宮の復讐に移ってしまっている。それが話のそもそものバックボーンなんだから、回避しようがないのだけど。その過程で最初は完璧に雑魚キャラと思っていた辻堂、新治、真壁が無茶苦茶良いキャラになった。特に水天宮のために命を捨てる辻堂、真壁の姿と、すべてが終わった後、三人のために生き続ける新治の姿が……特に、新治なんてどう見てもチンピラなのに、こんなところ見せられちゃあねえ。
 主人公側では銀座がいい。別にショートでつり目で眼鏡だからじゃないですよ?(笑) イイ女、ってのとはちょっと違うけど、思わず惚れちゃうね。雑賀の意思を解さず雑賀の元に戻ろうとする神楽に切った啖呵は屈指の名台詞。凶暴横暴でも純情一途。そのわりにあっさり両国先生に乗り換えてますが。まあ、意地を通したことで自分の気持ちに曲がりなりにもけりをつけた、ってことかも。
 もっとマイナーキャラでは、ちゃっかり天王洲神泉→水天宮寵児→新治と次々主を乗り換えた菊川さんが……結婚式の前に意識を失った神楽にキスしたり、なかなかにつかみ所のないキャラですが、計算高い一方でスリルな生き方を求めてたのかも。
 前半、特に最初数話は完璧変態バトルアニメと思われたのが、こんな変容を遂げるとは思ってませんでした。「偏愛」「欲望」から「純愛」に見せてるものが変わって、ベタベタな大芝居と言えばそうなんだけど、こういうの、結構好きですかね。東海地区では放送してなかったのが惜しまれます。やってれば絶対リアルタイムで見てたのに。


2006年08月25日(金) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 南部よじゃれは鬼の道

 必殺シリーズ第十八弾「新必殺仕舞人」第六話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 南部にさしかかった京山一座は、将軍家御使者の神楽森観念一行と出くわす。神楽森は将軍家の威光をかさにやりたい放題。一座の目の前でも一人男が無礼討ちにされる。
 ちょうど同じとき、将軍家に献上する金を運ぶ一行が通っていた。ところがそのうち立川らが裏切り、一行を皆殺しにして金塊を奪ってしまう。だが、人足頭の六助が辛うじて生き延び、逃げ出した。六助の逃亡を知った立川、そしてその背後にいた金ヶ崎郡代牧野は、六助を探させる。逃げ惑う六助は万法院に駆け込もうとするが、殺される。だが、たまたま六助を最初にみつけた一座の娘さくらに、地面に「立川」と書いて見せていたのだった。さくらが立川の裏切りを知った思った牧野は、さくらをしょっ引き、激しく尋問を加える。

 今回は京山の裏家業を知らない一座の女の子が巻き込まれる。さくらはとばっちりを食った形だが、字が読めないのが幸いし、京山のとりなしもあって無事解放される。だが、さくらは字は読めなかったが、字の形は覚えていて、それが元で牧野らのたくらみが京山らに知られることになる。
 牧野は立川らに御用金を奪わせ、奪った御用金は出世の為に神楽森に差し出していた。
 依頼人は飯盛り女のたえで、これまた晋松が偶然出会うという芸のないパターンだが、牧野に鉄職人の父を殺され、自らも神楽森に陵辱されたたえは、再び神楽森のいいがかりで無礼討ちにされそうになるが、神楽森たちに殺されるくらいならと、呪いの言葉を吐き散らしながら自ら二階から飛び降りるという凄惨さ。
 神楽森はそれを薄ら笑いを浮かべ眺めるという悪辣さを見せる。立川も人当たりの良さそうな顔を見せながら同僚たちをためらいもなく殺すという悪人ぶり。んだけ悪役が憎たらしげだと、それだけで気分が盛り上がる。殺しも多人数相手でかなり派手な立ち回り。
 今回は権太が的の名が書かれたこよりを捨ててしまって慌てたり、盗まれた御用金が献上品の茶釜の中に隠されてると踏み、一座が踊りを披露してる間にそれをひそかに確かめるのだが、危うくばれそうになったりと結構展開に緩急をつけててわりと佳作だったと思う。
 しかし権太は大事な手紙のこよりを勝手に捨ててしまったり(本当は捨ててなかったんだけど)、匿ってもらおうとすがり付いてくる傷ついた六助を邪険にしたりと、ちといい印象ないなぁ。

[マンガ] 久正人氏の新連載

  マガジンZ で「グレイトフル・デッド」の久正人氏の新連載「ジャバウォッキー」が開始。今回は19世紀末のロシアを舞台に、イギリス諜報員の女が現代に生きてた恐竜たちの子孫を相手にする話。恐竜と言っても進化して人間と同じように二足歩行し喋る恐竜。相変わらずマンガとしては読みづらいんだけど、それにも増してかっこいいのだよなぁ。

 同じ出版社でしかも読者層がいくらかかぶりそうなのに同日発売という戦略がわけのわからない シリウス では、「怪物王女」に新規に王族が二人も登場。だが、どうも姫の姉と思しき方は、自らの血の戦士に拘束され、血を絞り取るためだけに生かされている状況らしい。縛り上げられた腕に蛇口がつけられてるのが悪趣味。しかし、姫の本名、リリアーナって言ったのか。初めて知った。

  少年エース では杉崎ゆきる氏作画による新連載「EDEN」が開始してたけど、まあ、なんというか、あまり興味がわかないなぁ……「未来日記」がなかなか悪趣味でよろしいです。12thはホントに正義の味方だったんか。

[アニメ] .hack//Roots#20とゼーガペイン#21

  .hack//Roots #20「Pursuit」。なんかハセヲがどんどん悪い子に。もはやタビーどころかフィロの言葉も耳に入らない。太白は切れまくってPKを倒しまくってるのを見て、「嘆きの森」のイベントで剣を手に入れたが、ひょっとしたら本当にクリアしたのは3rdフォームを手に入れたハセヲの方ではないかとつぶやく。直毘とエンダー(八咫とパイ)はどうもアバター使いを集めることが目的で、既に覚醒済みでもあるらしい。経緯が経緯だけに悪役かと思ってたけど、単純にそういう話でもないのかな? で、意外にも俵屋(トウタ)が早々にハセヲに接触。代わりに自分が三爪痕の行方を探してやるともちかける……前からハセヲに興味を持っていたようだけど、なにが狙いなんだ?


  ゼーガペイン #21「戦士たち」。一斉に大反攻し、ガルズオルムの施設を用いて幻体データたちを再び生きた人間として甦らせる「最終作戦」の発動を宣言するシマ。だが、それに意外にもオペレータークルーのクロシオが反発する。生きた人間に戻って寿命が尽きるのは嫌だ、というのは、まあわかんないではない。特に、元パイロットで、気の遠くなるような戦場を潜り抜けた末、もはやパイロットとしては復帰できないダメージを負ってしまってたってんだから、まあ仕方ないかなとも。でも、強迫観念的に不死に考えを取り付かれた挙句、リョーコに心無い言葉をぶつけるのは、いただけませんな。
 もっとも反発はそれだけじゃなく、過去の不明なシマやシズノに対する不信感からでもあり、同様にルーシェンやクリスが事情を明かすように求める。シマの幻体データも限界が訪れているらしく、時間がないシマはすべてを明かそうとするのだが、その前に倒れてしまう。「ガルズオルムに投降し、復元者として甦らせてもらおう」ととんでもない提案をするクロシオに、「彼らが降伏を受け入れることはありえない」と断言。そして最後に言いかけた言葉から、やはりシマとシズノはガルズオルム側からの離反者みたいなものなのだろうな。
 ガルズオルム側も人類の一斉殲滅に乗り出したようで、本当に事態は最終局面に。結末が気になるなぁ。


2006年08月26日() 旧暦 [n年日記]

[マンガ] コミックアライブで

 石川マサキの「私立トアール学園二年☆組物語」が連載開始したので、「あれ?」と思った。いや、たしかシリウスでの「魔法使いのたまごたち」は作者急病で休載してなかったか?
 とりあえず見てみると……やっぱり「あれ?」。デジャヴが、てか、確実に見覚えが。昔なにに掲載されてたかまでは生憎思い出せないのだけど……
 新連載「あそびにいくヨ!」はラノベのコミック化。「かのこん」とかとかぶり率が高い気がするんだがいいんだろうか? 絵的にはわりとかわいらしくていい感じだが、「888」というPNは一体……? 「神ぷろ。」は安定して面白い。掲載順も上位だし、反応もいいのかな? 次回はカラーページ付だとか。「ガイスターバーン」は、いつものヤマケン作品どおり、一般人や脇役がぐちゃぐちゃになる展開になりそうですな。これぞヤマケン節。「ムクロヒメ」、ミコトがものすごい勢いでデレ化してますな。「まりあ†ほりっく」は尺が妙に短く感じるのは何故だろう? 「モモタノハナ」のメル友はうめっぽい。いずなよしつねはまだちゃんと掲載されてます。まだ。
 次号から掲載の「TORIO De PINCH!」のありがひとし氏って、有賀ヒトシ氏だよなぁ……ちょっと絵柄が変わってる気がするが。

[アニメ] ホスト部#20とシムーン#21

  ホスト部 #20「双子の開けた扉」。双子がホスト部に入るに至った経緯の過去編。環に誘われたからって素直に入るタマとは思ってなかったけど、やっぱり「どっちが光くんでしょうかゲーム」をふっかけていた。双子は双子でひねくれる理由はあったのだけど、やってることは悪魔の所業だよなぁ。環も単に子供のとき友達と遊ばなかったってだけではなく、妾腹の子供だったとかの過去が示される。実の母は失踪、病弱な義母をひたすら慕ってた、ってことか? でも今回でようやく私も双子が見分け(聞き分け)できるようになりました……


  シムーン #21「新天地への扉」。うわ、リモネとドミヌーラ、生きてたことは生きてたけど、なんと過去に飛ばされてました……ドミヌーラとリモネが、使い方の忘れ去られていたヘリカル・モートリスの使い方と、翠玉のリ・マージョンを伝えていたっつー時間円環ネタ。宮国の上層部は、この「時空を飛び越える扉を開く」翠玉のリ・マージョンに最後の希望を託してるみたいだが……司兵院はあくまで兵器としか見てないようだけど。
 で、その翠玉のリ・マージョンを完成させるためのコール、コール・デクストラにかつてアーエルの祖父が参加していたことも明かされる。それで祖父の遺した意味ありげな言葉の数々も理解できる気はするけど、まだなんかひとつありそうだなぁ。
 あと、過去の世界には「少年」もいたような気が……

[その他] 自分のことはさておいて

  瀋陽の反日騒ぎ、タクシー運転手殴打は日本人でなく中国人産経 )。殴ったのは日本人ではなく同乗していた友人の中国人だった、というオチ。まあ、日本人もシートにガムをくっつけてそれがトラブルの元になったってんだから褒められたものじゃないけど、デマには気をつけましょう、という話。


  中国、行儀の悪い観光客は旅行代理店の責任Y!hl )。どうも国内の旅行代理店を締め付けて、マナーを観光客に指導するようにさせよう、ということらしいのだが……ま、手段が中国らしいですな。


  男性教諭を減給 居眠り生徒をたたく東京 )。そりゃ居眠りしてる方が悪いだろう……


  「子猫殺し」直木賞作家 背景に「日本嫌い」J-CAST )。う〜ん、記事タイトルの「日本嫌い」はちと正しいとは思えないなぁ。日本では確かに「死」は忌避され、遠ざけられ、ある状況下では実感しにくいものであるのは確か。自らもいつかは向き合う「死」というものを、身近で体感するのは確かに重要だろう。それが、自らの手で動物、魚などを(倫理的、法的な範疇で)体験するのもいいだろう。たとえばペットの死を見取る、自分で魚をしめ、さばいてみる、などのように。間引きは微妙だが、無責任に放り出すよりはマシとも考えられる。が、それをわざわざし続けるのはなぜか、というところが見えないのが残念。
 特に、そういうのは何度も経験すればいい、というものじゃない。職務、責務でないなら、そんなのは何度もすべきことじゃない。必要なく何度も何度も自らの手で生命がついえる感触を味わいたいとは、自分は思わない。


2006年08月27日() 旧暦 [n年日記]

[特撮] ボウケン#26とカブト#30

  ボウケンジャー #26「ガラスの靴」。今回は女性たちを次々意識不明に陥れてるシンデレラのガラスの靴がプレシャス。女性自立の時代らしく、「待つのではなく自分で捕まえに行く」というポジティブさ。まあ、グリムのシンデレラなんかはかなり魔女っぽいんですが。おとぎ銃士だと悪の親玉だし。それはともかく、さくら姐さんメインで、「シンデレラの姉」と甘い夢を見せる悪の王子様を持ってきたのは結構面白かった。さくら姐さん、実家は実は結構名家らしかったりと、それなりに過去がありそう。しかし、最後のセリフとポーズはちと怖いぞ。w

  カブト #30。いや、もうなんて言っていいんだか。笑わせていただきましたが。田所さんもいじられまくって、実家は老舗のそば屋。しかも実家を継いでる弟や客はなぜかコワモテばかりという……天道はじいやの仇を討つべく、じいやの紹介で料理修行へ……その修行先はなんとじいやの弟(笑)。よくわからんままに極意を掴んで白包丁を伝授された天道。しかし生簀との再戦では白包丁は使わず、田所の実家の包丁を使い、シンプルな大根の味噌汁を……これもよくわからんまま勝利し、逆ギレして正体を現した生簀とバトル。場所はいつものさいたまスーパーアリーナ(笑)。そうか、闇キッチンはさいたまスーパーアリーナの地下三千メートルにあったんだ!
 そんなわけのわからないままハイテンションな天道側に対し、加賀美側はかなりシリアス。正体がスコルピオワームである神代が岬にまとわりつくのを、防ごうとするが、だが神代にワームである自覚がまったくないことに気付く。はた迷惑だがどこか憎めない神代を、それでも尾行する加賀美だが、女子高生に襲い掛かったワームを撃退した後、スコルピオワームの姿に変化する神代を、攻撃できない。駆けつけた天道が神代を攻撃するのを思わずかばい、カブトVSガタックというハメに……
 次回はハイパーゼクターがZECTで完成するらしいが、じゃ、あのカブトハイパーフォームって一体どこから?


2006年08月29日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 貝殻節は子捨て歌

 必殺シリーズ第十八弾「必殺仕舞人」第七話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(これは月曜分)

 鳥取にやってきた京山一座。だが、肝心の興行許可証を持った権太がやってこない。やっと来た権太は賭博で素寒貧に裸に剥かれ、その後からお侠な娘がついてきた。その娘おきんは娘だてらに渡世人。権太の有り金を巻き上げ、着物から荷物からを一切巻き上げていた。おきんが荷物がなくては困るだろうと持ち出したのは、十両で荷物を返す代わりに興行の一切を取り仕切らせろという取引だった。やむなくその取引を受け入れる京山。
 京山たちがやってきた村は、山伏の弁信らに仕切られた貧しい漁村。山伏たちは一座が本念寺勧進興行の一座と聞き、顔色を変えて十両渡す代わりに興行をせずに村から出て行けという。それに対し京山たちは芸を見せずに金は取れないと、興行を強行するが、何故か村人たちは一座の踊る貝殻節に喜ぶどころか皆むせび泣く。不思議な光景に踊りを中断し理由を問うが、誰も答えようとしない。同じ頃、少し離れた浜にいたおきんもまた、なぜか貝殻節を聞きながら涙を流していた。

 今回の悪人は村を仕切る弁信たち一党。弁信たちは村人たちの漁業権を一手に握り、貧しい漁民たちから金を巻き上げていたのみならず、村の娘たちを犯しては出来た子供を堕胎させていた。その堕胎をしていた産婆のお勘は、他の娘たちのみならず自分の娘までも堕胎させられ、娘を失っていた。だが、孫は密かに生かして取り上げ、幼い頃に山伏たちの目から逃れさせるために里子に出していた。その話をお勘から聞いた京山は、おきんがその孫だと覚る。
 話としては、まあ単純。だが、お勘が村人の恨みを語るシーンは流した子供の数を暗示するかのように無数の地蔵を移したり、首を切った雛人形を映したりと、かなり凝って直接的ではないが迫力がある。銭ゲバなおきんもまた、自分を幼い頃に捨てた親に、金を叩き付けるために金を稼いでおり、愛憎あいまった感情を覚えている。それゆえに事態は悲劇的な方向に向くのだが……
 結局、お勘とおきんの事情を知った京山は村人から搾り取った金は取れぬと山伏たちからの金を断るのだが、それを知らないおきんは金のために一座を裏切り、勧進興行の一座というのは偽物と嘘の証言をする。だが押し込められた蔵の中で事実を知ったおきんは、逃げる前にひと目祖母に会おうとお勘の元に走るが、孫と再会し、村人の恨みが本念寺に届けられると知ったお勘は山伏から厳しい追及を受ける村人を守るため自分が訴えをしたと名乗り出、斬り殺される。そしておきんもまた、祖母の亡骸に駆け寄り斬り殺される。
 権太がバカな寄り道しなければ少なくともおきんは巻き込まれなかったろうし、山伏たちが村人を追及することはなかったろうなぁと考えると、なんかすっきりしない。話的には確かにそっちの方が緩急はあるのだが、トラブルメーカーというか、悪い結果しかもたらしてないのだものなぁ……
 全般的には凡作の部類とは思うが、おきんのお侠ぶりも良かったし、お勘の虐げられた婆ぶりも良かった。一座の小屋がすすり泣きで埋まるというのも意外性があった。


2006年08月30日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] その手は桑名の焼き蛤

 必殺シリーズ第十八弾「新必殺仕舞人」第八話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(これは火曜日放送分)

 桑名にやってきた京山一座。興行の許可を得て小屋を立てたが、急にその土地は私有地だと地回りたちが小屋を取り壊す。土地を買ったのは桑名の富豪、鳴海屋。京山は鳴海屋に興行の許可を願いに行くが、京山を一目見て、結婚してくれと言い出す。京山は気の迷いだろうと取り合おうとしないが、どうやら鳴海屋は本気。京山もこれには困ってしまう。
 丁度桑名では蛤採りに集められた海女たちが、遊女として働かされるという所業が行われていた。海女たちは鳴海屋によって集められていて、地回りの辰五郎、それと役人の桜田と衣川がそのバックについているらしい。遅れてやってきた権太の運んだ書状にも、騙された遊女たちによる恨みの対象として彼らの名が記されていたのだが、京山には人のよさそうな鳴海屋がそんな悪事に手を染めているとはにわかに信じがたい。
 そして集められた海女の中に、鳴海屋の出奔した娘、お美津がいた。お美津は人でなしと鳴海屋をなじり、鳴海屋は面を食らった顔をする。

 う〜ん、なんかすごい投げやりな脚本のような……悪事は本当に投げやりでありきたりだし、権太がやって来ないってことは、勧進興行許し状も届いてないし、次の興行先もわからないはずなのに……それに依頼人が晋松が情報収集にたまたま入った遊女屋の遊女って展開も、無理やりというか、適当すぎというかいい加減ありきたり。娘のお美津を出して鳴海屋の悲劇を演出しようとするのも、ちゃんと機能しておらず却って興ざめ。鳴海屋だけでも良かったのではないか?
 ただ、そんな中で見るべき点があるとすれば、鳴海屋の設定。鳴海屋は本当は悪事を承知しておらず、桜田と辰五郎に騙されて、挙句、身代まで乗っ取られてしまう。
 桑名の豪商というと、「新必殺からくり人」の桑名の回があり、それでは街を支配する大物だったので、それが念頭にあると上手い具合に騙される。今シリーズでは過剰気味な京山の持ち上げも、鳴海屋のお人よしさを演出していて良かったし、下手な小手先のごまかしを行うより、これを中心にドラマを組んだ方が良かったのでは? と思える。
 まあ、「桑名の殿さん」はこの時代にはなかった唄だ、ってのは今回は言いっこなしで。
 しかし、今度も鳥取から桑名、次回は香川と、本当にどういうルートをたどってるんだ、この一座……

[アニメ] うたわれるものちょっとだけ

 う〜ん、「ロボットが秘密兵器」ってのはともかく、超兵器が数体(数十体?)あったからって、世界征服?しようってのは、無理がありすぎるような。いや、言っても仕方ないんだけどさ。元々がSRPGだからまあそういうものなんだろうけど、いい加減外交とか戦略がおろそかにされすぎというか。
 それに、要は戦車ポジションだと思えるから、中世然とした軍隊では倒すのは難しくても進行を足止めくらいの手はいくらでもあるように思えるが。
 多分わりと原作を忠実にトレースしてるんだろうけど、原作ファンはこれで満足なのかな? いや、別に満足だからってどうってことはないんですが……それは「原作の追体験」商品としてはすぐれてるってことかもしれませんし。
 超兵器を有してても工業力を背景にした数で圧倒され、それに加えて外交・戦略的無能さから致命的なまでに追い詰められてる「シムーン」とは対極だなぁ……

[アニメ] む、ちといかん

 二連続でネガティブな感想だと、さすがに「ナニサマ?」だ。
 うたわれるものも別に嫌いってわけではなくてですね……そもそもSRPGとかは「持続的にいかにプレイさせるか」(やり込みプレイ等含む)が主題なので、ストーリーがどうとかって突っ込みは別に本質的ではないし、まあ、アニメとして見ていて気になったこと、くらいに捉えて下さい。
 で、逆に原作知らずに見ていて、「こんなもんか」と思ってたら案外と見直したものについて。いや、 ゼロの使い魔 なんですけどね。ハリーポッターに始まるファンタジーブームに乗っかっての、美少女ハーレム物か、と思ったんですが(いや、別にそれもハズレではないのだけど)、それなりに世界観を演出しようってのが随所に見られて「へぇ〜」と思った。まあ、基本は中近世フランスなんですが。
 流石に「大陸軍(グランドアルメ)は地上最強〜〜〜!」とかはやりませんが、時折設定とかに見えるものがその辺下敷きにしてて「へぇ〜」と思った、ってことなんですが。それと昨今の流行をどう配分するか。作品全体の評価はともかく、読者や視聴者をどう乗せるか、楽しませるか、って部分で、ちょっと感心しました。


2006年08月31日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 金比羅舟々恨みの波越え

 必殺シリーズ第十八弾「必殺仕舞人」第九話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(これは水曜日放送分)

 四国香川の丸亀藩にやってきた京山一座。入った城下町で、丸亀団扇問屋波形屋の奉公人、文吉が因縁をつけられあやうく無礼討ちにされそうになるところへ出くわす。
 斬ろうとしたのは丸亀藩の藩主嫡子継之助。継之助の横暴は目にあまり、陰干ししていた網を斬られた漁師が無礼討ちにされたり、好き勝手し放題。ついに藩主は継之助を廃嫡し、隠居させてしまう。
 そのことに慌てたのは継之助の乳母の司。うつけ者の継之助を藩主にして自分が実権を握ろうとしていた目論見が御破算になってしまうからだ。司は弟の寺社方勤務柿崎と共謀し、継之助の廃嫡撤回をさせようと裏工作する。
 そして司は無理矢理隠居させられくさす継之助を慰めるため、彼が懸想していた波形屋の娘、八重を差し出すように強要する。だが、八重は文吉と相思相愛の仲だった……

 今回はオーソドックスで悪くなかった。バカ殿の御乱交とお家乗っ取りの陰謀が絡み、そのあおりで好きあった若者同士が引き裂かれることに。
 バカ殿の継之助をわがまま放題に育てた司と対照的なのが波形屋の乳母お杉。かいがいしく八重に尽くし、継之助への奉仕を強要させられた八重を取り戻そうと司の陰謀を探り、逆に殺されてしまう。
 娘を奪われ、娘のことを託そうとしていたお杉も殺された波形屋が男ながらに「これはまぎれもなく女の恨み」と訴えて出るのは胸を打つ。多分最初の依頼人は継之助に弄ばれた別の女なのだろうけど、いっそそっちは出さない方がすっきりしてる。
 簡単に城内の勢力を司らがまとめてしまうのは拍子抜けだけど、市井の犠牲は眼中にない高い身分の悪人を、その市井の者が仕置するという、初期必殺を髣髴とさせるスタイルを貫いてる。殺陣も迫力を出していて、無礼討ちでならした継之助を直次郎の居合が切り裂く。所詮、逆らわない相手しか斬れないってことだったのだろうな。
 招かれた一座の娘を襲おうとした継之助を、おはなが思わず簪で傷つけてしまうのだが、八重が身代わりになり、八重にひと目会おうとした文吉と一緒に殺される。ちと文吉はついでっぽいが、そのことでおはなが過剰に入れ込み京山に諌められるという流れになり、結構良かったんではないかと思える。
 城代家老の江村が継之助の死を病死として処理するのも、城内政治っぽくて良い。よくぞ代わりにやってくれた、って感じなのだろうな。

[必殺] 喧嘩も楽しい河内音頭

 必殺シリーズ第十八弾「必殺仕舞人」第十話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 大阪河内にやってきた一座だが、許し状を持った権太が舟に乗ったまま川に流されてしまう。舟は直次郎が追うことにして、一座は先に河内へ。
 河内では祭の準備の真っ最中。一座は許し状が届くまでの間境内に泊めさせて欲しいと庄屋の丑造に願い出るのだが、丑造は女癖が悪く、一座の娘に手を出そうとする。京山の機転で事なきを得、お内儀のおこのに匿われる。丑造は子供が欲しいがおこのに中々子が出来ず、妾を囲っていたが、その妾が立て続けに死ぬということが起こっていた。
 おこのは嫉妬から密かに鍼医者の玄敬に妾に子が出来ないように鍼を打ってもらっていたのだが、実は玄敬は役人の谷、丑造の手下の六助と手を組んで、百舌屋の身代を乗っ取ろうとしていた。娘たちが立て続けに急死したのも玄敬の鍼のせいで、丑造のせいで娘たちが死んだということにし、本念寺への訴えを通じて丑造たちを始末しようとしていたのだ。
 だが、おはながそのたくらみをたまたま立ち聞きしてしまい、玄敬たちにさらわれてしまう。

 必殺流おもろい夫婦(笑)。丑造とおこのを演じるのは藤岡重慶と正司花江。藤岡重慶は、丹下のおっちゃんの声って言った方がわかりやすいか。正司花江師匠は言うまでもなくかしまし娘。その二人がテンポのいい河内弁で応酬する夫婦喧嘩が面白く、かつどことなく間抜けで人情的で、丑造も女癖が悪くセクハラ三昧なのだが悪人に見えない。事実悪人ではなかったのだが……
 丑造は親もなく裸一貫から今の地位にまで上り、昔からの夢だった、子供のあるあったかい家庭を持ちたいばかりに、焦って女に手を出しまくっていた。挙句京山に岡惚れして言い寄るのだが逆にやりこめられ、説教までされてしまう。一方おこのもやけになって晋松に言い寄り、同じように説教されて夫婦仲は修復する。が、不妊のことで玄敬に相談に行き、そこで玄敬らのたくらみを立ち聞きしてしまう。孕んだ妾たちが実は玄敬の鍼で殺されていたと知り、丑造は逆上して乗り込むのだが、結果はご想像どおり。
 ただ、玄敬らの、仕舞人を利用しようとしたたくらみが無駄に迂遠だったのが……簡単にパァになってしまうし。結局嫉妬からの無理心中ということにしようとするが、最初からそうしてた方が早かったのでは?
 今回も権太のポカのせいで依頼が届くのが遅れるのだが、そのおかげで拙速に丑造殺しが行われず、珍しく良い方に働いた。いや、結局夫婦、殺されちゃうんですけどね……
 おかしな夫婦って言うと必殺仕業人の「あんたこの連れ合いどう思う」の菅貫太郎と市原悦子の夫婦も印象深かったが、この夫婦もなかなかだった。

[アニメ] いぬかみ#22とウィッチブレイド#21とホスト部#21とゼーガペイン#22

  いぬかみ #22「パパとムコ殿っ!」。ついに大妖狐復活、なのだけど……なんつーか、完璧な親馬鹿。いや、馬鹿親か? なみいる術者を石化し、時間をも逆転させるのだけど、その力の使い方がろくでもねー(笑)。犬神も術者も全滅かと思いきや、ようこが狂言で「啓太とデキた」と口走ったことで事態は一転。「子供が出来て落ち着いた」って話は良く聞くが、「孫が出来て落ち着いた」ってのは……いや、そんなことよりも人間に化けた時の姿が郷里大輔じゃないのが許せね〜っ!!
 ところで、前々から疑問に思ってたんだけど、犬って確かチョコレートは毒じゃなかったっけ? 狐はちがうんか? チョコレートケーキなんか食わせたらまずいんじゃないか? よくわからん。


  ウィッチブレイド #21「誓」。崩壊の兆候が強まる雅音の身体。鷹山はなんとか彼女を救おうと道示のラボに潜入するのだが、そこにはIウェポンの異常に対処する元部下たちの姿が。どうやらウィッチブレイドの新フォームに影響を受けたらしい。下手をすれば数百体のIウェポンが雅音に襲い掛かることに。
 一方、雅音は梨穂子と共に生きようとウィッチブレイドをなんとか外そうとするのだが、ウィッチブレイドの自己防御のせいでどうしてもはずれない。ウィッチブレイドを外すことを諦めた雅音は、せめて梨穂子にこの業を背負わせまいと、死ぬ時はウィッチブレイドと共に消えることを心に決める。
 自分の最期が遠くないことを悟った雅音は、元気をつけさせようと梨穂子や奈月ビルの面々の用意したご馳走を前に無理にはしゃぐのだが、鷹山から事情を聞いた斗沢の気分は浮かない。せがまれ、記念写真を撮る斗沢の視界が涙で曇る。
 NSWFでは、実権を握ったまりあが新世代ネオジーンを連れてウィッチブレイド奪還を目論むのだが、彼女の目の前にもはやこの世にいないはずの玲奈の姿が……気に入らない玩具を壊すように玲奈を殺したまりあだけど、それを罪として背負い始めてる、ってことなのかな?
 ウィッチブレイドは恋愛とか友情よりも母子関係を軸に構成されてるけども、こういうヒーローものの作りもありか、という感じ。


  ホスト部 #21「いつかカボチャになる日まで」。ハロウィーンでびっくりどっきりイベント。まあ、確かにこの手のイベントは猫沢先輩最強だよな……
 これまで学園もののわりにクラスメイトが一向に描かれないなぁ、と思ってたら、今回は俄かにクローズアップ。クラスメイト二人の純情恋愛と、それ以前の段階の光の対比か。光はまだまだその感情を自覚するまでいってないらしいけど、少し大人な薫は、ハルヒより光らしい。双子をわりと集中的に描いてるけど、双子の関係の変化が最終回辺りの展開に関係するのかしらん?


  ゼーガペイン #22「ジフェイタス」。最終決戦を目前に倒れるシマ。そしてシズノの口から語られるシマの真実。シマはやはりガルズ・オルムの裏切り者。しかも、裏切り者本体ではなく、ジャンクデータを利用して作られた彼のクローンだった。シマの正体、そして目的を知り、心をひとつにするセレブラントたち。ついに最終決戦が始まる。
 でも、シズノは「自分はガルズ・オルムではない!」と断言してたけど……嘘を吐いてるようには見えないけど、ただの幻体とも思えないんだよなぁ。しかも、復活者のアビスとシンはシズノを自分たち同様「光ある者」と呼んでいた。「光ある者」というのは、生物としてのボディを持つ者って意味? とすると、シズノの本体はどこかに存在してるってことに……それに「私はイェルだから」という言葉の意味も気になる。イェルって?
 次回予告を見るとさらにここからまだどんでん返しがありそうな予感。本当にガルズ・オルムの裏切り者って、信頼できるのかな?

[その他] 東京オリンピック音頭は復活するのか?

 福岡と東京のオリンピック誘致合戦を見ていて、東京に誘致されたらそうなるのか? などとどうでもいいことを考えた。ほんとにどうでもいい。


  飲酒運転はすべて免職 福岡市長が厳罰方針表明中国新聞 )。いや、そういう問題じゃないと思うんだが。痛ましい事故には違いないんだが、対応がなんかずれてる気がする。


  国公立大を9月入学に 「安倍政権」で検討共同 )。こう言ってはなんだが、意味不明。それにボランティア強制ってのもなぁ……