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2008年08月09日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] マクロスF#18

  マクロスF #18「フォールド・フェーム」。病院を抜け出しグレイスに様々な疑問をぶつけるシェリル。しかしその疑問に対しグレイスがシェリルにあざけるように告げたのは、シェリルがノイ型感染症にかかり、余命幾ばくもないという事実だった。
 一方アルトは入院中のオズマに呼び出され、ランカ計画が額面通りのものとは思えないこと、ランカを陰謀から守ってくれと、上官としてではなく、兄としてのオズマに頼まれる。
 同じ頃、ミシェルとクランもシェリルが飲んでいた薬がノイ型感染症の発症を抑えるものであること、グレイスがその薬の開発グループにおり、シェリルは治験患者であったことを知る。シェリル自身も知らなかった事実に驚く二人だが、その場に現われたシェリルもその事実を知ることになる。
 歌手生命のみならず本当の生命まで終わりを告げられ、「アルトには黙っていて」と言い残し飛び出すシェリル。ミシェルの連絡で詳細な事情を聞かされぬまま出奔したシェリルを探すアルトだが、見つけたシェリルにはもはや強がる気力さえも残っていなかった。

 今回から新OP。前回のが新OPだと(番組OPとしては)微妙だなぁ、と思ってたのでちょっと安心。
 上り調子のランカと世間から急速に忘れられつつあるシェリル、と対照的に見える二人だけど、残酷な事実を突きつけられたシェリルだけでなく、ランカにもまた暗い影が見え隠れする。グレイスたちの陰謀は単にランカを利用するというレベルではなく、どうもランカにとっても致命的になりそうなことらしい。突如襲ってきたヴァジュラの大群になすすべもないアルトたちをを救うため、ランカは志願して対ヴァジュラ戦に参加。その機を逃すまいと長距離フォールド計画を前倒しで行うフロンティア。すべては上手く行ったかに見えたが、掃討されるヴァジュラに反応するかのように、ランカは苦しむ。もしランカが実験体だとすると、ヴァジュラとの共感能力が付与されてるのは確実そう。つまり、一方通行ではなく双方向であり、ヴァジュラの苦痛もまたランカをむしばむのかもしれない。
 しかし意外だったのがどこで関わるのかわからなかったマオ・ノーム。「マクロス・ゼロ」のヒロインの一人で、オズマの台詞からもこの時代にまだ健在、それも医者であることはほのめかされていた。けど、それがシェリル、グレイスとも関わりがあったのが……のみならず、ランカの母とおぼしきランシェ・メイも同じグレイス、マオと同じ研究チームに……ミシェルたちはランシェのことを知らないのでグレイスの方ばかりに注意が行ってるようだけど。
 ここまでの情報からの予測だと、第117調査船団で研究されたランカはランシェの遺伝子を使ったヴァジュラとのコミュニケーション、あるいは対抗手段として研究されていた実験体というところか。いくらなんでも実子でそんなマッドな実験をやるとは思えないけどなぁ……(あ、でもギャラクシーだと人体改造は合法なんだっけ)
 ガリア4でグレイスがシェリルを使い捨てにしようとしてたのも、対症治療薬の副作用が強くなりこれ以上は使い物にならないと判断したからなのか。
 これまで発言の端々で匂わされた通りシェリルはストリートチルドレンでグレイスに拾われたのだけど、だとしたらなんで母の形見としてフォールド・クォーツのイヤリングを持ってたんだろう? グレイスもそれがフォールド・クォーツだと気付かないわけはないのだけど。量的に実用転化できるサイズではなかったから、疑問はあったけど放置してた、ってことかな? 結構行き当たりばったりみたいだからなぁ。
 しかし今回のラストでシェリルが早乙女家に保護されたのが意外。ミスマクロスフロンティアコンテストで一度源造と会っただけの縁だと思ってたのだけど。これまで何があろうとツンデレ台詞は忘れてなかったのに、強がりが言えないほど心身共に打ちのめされてるのも……

[その他] 昭和の懐古ものが嫌い

 なんだか暑さのせいか調子が狂いっぱなしなついでに、ネガなことを吐き出し。
 昨今の政治やら社会情勢を考えていて、一見脈絡もなく思ったのは、「昭和という時代を持ち上げる気持ちがわからない」ということ。大きな戦争があったとは言え(思いっきりいろいろたたみ込んでますが、それを敢えて書かない意図は察してください)、確かに日本も上り調子で閉塞感漂う今から見るとうらやましいと思えるのもわかる。けど、今の状況の原因の多くは昭和時代で確定したことが非常に多い、という事実を忘れてるんじゃないかと、昭和懐古番組、記事を見るたびに思う。ひとつひとつは気にしないで流せばいいや、と思うのだけど、偶然にでも連続して出くわすと、ちょっと。
 別に昭和が嫌いってわけじゃない。その時代に頑張った人たちの努力を評価してないわけでもない。でも、そこに戻りたいというだけでは「現実逃避じゃね?」というのが正直なところ。
 どうせなら、もう一歩踏み込んで「昭和の発展」の基礎を作り出した明治大正昭和初期の日本人の頑張り、というにはあまりに血みどろな必死さを評価すべきじゃね? 「日本人の勤勉さ」ってのは、おそらくこのころに方向性が定められたことだし。
 昭和が諸悪の根源だとは言わないしそのつもりもない。けど「どうして発展したか」の下地に目を向けないとただのねたみ混じりの羨望になる。
 全部が全部みならえとは思わないけど、昨今の情勢で見直すべきは昭和ではなくその前段階というのが私の雑感。
 もっと言うなら更に遡って維新、幕末期にも目を向けるべきかもしれないけど、そこまでは私の知識不足でどうこういうことが出来ない。スマソ。


2007年08月09日(木) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 藍蘭島#19

  藍蘭島 #19「謎めいて、探偵(前編)」。行人はちかげから借りた探偵小説「怪人紅夜叉」にはまっているが、そんなとき山奥の旅館・月見亭への招待状が届く。旅館の女将・サクヤがからくり人形だったりして驚く行人だが、温泉宿の慰安良好をゆっくり楽しもうとする。しかし、てっきりサクヤが送ってくれたと思っていた招待状は実は差出人不明。しかも、封筒にはよく見ると「紅」の印が……ちかげによると、「紅夜叉シリーズ」はかつて島で実際にあったことを元に書かれているという。15年もの間姿を消していた紅夜叉が復活したのかと身構える行人だが……

 取り替え変身魔法といい、「画面の隅で『ですわ〜』とか言ってりゃしい」とまで言われた影の薄いちかげが妙に存在感を増してますな……もっとも、「いくらちかげさんでもそんなことを」とか行人に言われてますが。変身魔法前だったら「ちかげさんがそんなことするわけないじゃないか」だったろうに、評価ガタ落ち。(笑)
 そしてこの期に及んで新キャラ二名さらに登場……って、別にレギュラーとかではなさそうですが。一人はちかげの母・しずか。屋敷には行人たちも何度も行ってるのに、今回初登場ってのも……声が母娘二役ですが。もう一人は月見亭の女将のサクヤ。からくり人形って……いや、もうなんでもいいです。
 基本的にサービス回なのだけど、女性陣が混浴を嫌がる行人とどうにかして一緒に風呂に入ろうと……ちかげ、わざとやってるんか?
 しかし、一本では尺が足りないのかもしれないけど後半で一本分持つのかなぁ……

[その他] おもてもあればうらもある

 普段は結構威勢のいいことを言ってる人が裏でセコイ行動を取ってたり、人に偉そうに道徳について説教をする人がいわれのないことで人をののしったり……まあ、良くあることですわな。人間だから間違いもあるだろうけど、根拠不明の自信と決めつけからの態度を取られるとやっぱ疲れますわ。そんな人を信じた自分がおろかだったのに過ぎないけど、信頼した分やっぱショックもあるし。


  「参院本会議ではネクタイ着用を」=クールビズに異論−議運委員長時事 )。クールビズも革新を印象づけるパフォーマンスだったのだけど、民主自らこういうときに保守を印象づけるパフォーマンスを取るってのも、なにを考えてるのかなぁと。郵政民営化を見直すとかとも言ってるし、支援団体とか支持層とかが結局その辺なのね、としか思えない。


  完全養殖の2代目マグロ成功、近畿大・量産化へ一歩日経 )。海洋資源の保護が注目されている中、嬉しいニュース。やっぱマグロが食えなくなるのは寂しいものなぁ。


2006年08月09日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 丹後の宮津の嘆き唄―京都・宮津―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第七話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 京都宮津にやってきた京山一座。依頼は中間の兄を不義密通の罪で手打ちにした勘定方・本庄弥平次に恨みを晴らしてほしいという、おはつという女郎からのもの。裏を取るためにおはつを探す晋松だが、ようやく見つけたおはつを、身請けしたいという侍がいた。なんとその侍こそ本庄。そしてその身請けの相談の帰り、本庄が若侍に襲い掛かられる。彼の名は友田新助。おはつの兄と共に不義密通で殺された奥方の弟だった。
 無縁仏に埋葬された二人を弔うおはつと、新助が出くわす。新助はおはつの兄のせいで姉が死んだとなじるのだが、おはつからこれは陰謀だと知らされる。本庄は勘定方の立場を利用して不正を行っていたのだが、それをいさめた奥方を監禁。その奥方に同情し、手紙を仲介したりとしていたおはつの兄を、共々口封じのために殺したのだ。本庄がおはつを身請けしようとしてるのも、宮津から追放して口封じするため。
 とりあえず本庄に狙われた二人をかくまう京山たちだが、新助は敵討ちにはやる。のみならず、本庄のバックにはさらに大物が隠れていた。

 わりとソツない印象のあるシナリオ。一点、敵討ちにはやる新助におはなが淡い思慕を寄せ、その身を案じるのだが、その描写が薄く、京山のセリフでそうと知る。そのせいで、その後黒幕の老中に騙されて新助とおはつが殺されたことを悔恨し、京山たちの裏家業を手伝うという描写にイマイチ説得力が生じない。これさえきっちりと描かれてれば……
 どうも直次郎もおはなに淡い思いを抱いてるらしいのだが、それもちょっと曖昧で、上手く機能してない。
 他の部分は、いきなり口封じに殺そうとするのではなく、まずは追放という穏便な手段を取ろうとする辺りがちょっとリアルなのだが。
 あと、前半部分が結構丁寧だったわりに後半部分が、仇討ちしようとする二人のバックに何者かがいることを知りながらそれを調べずあっさり殺してしまったりと、駆け足気味の展開なのが気になるかな。でも、全般的に悪くない話でした。

[その他] オチョーシモノ

 ちょっとしたことで浮かれたり落ち込んだりする自分の単純な性格を再認識。まあ、躁状態に突入しなければそれはそれでいっか。


 なんどか話題にした「 CMのCM 」の、本田博太郎が社長役で出ている 「会議室 篇」のテレビ未公開の30秒篇 が、可笑しいだけじゃなくってよくよく考えると良く出来てる。

 この社長、会議に運ばれてきたミネラルウォーターが自社のでないと女子社員に怒るのだけど、社員一同、自社が水を売ってたなんて誰も知らない。「CMやってないんだもんなぁ」。
 で、社長怒ってとにかく自社の水を持ってこい、と言うのだが、女子社員に「商品名は?」と聞かれて「CMやってねえんだからわかるわけねぇだろ!」と逆ギレ。
 「CMなんかやらなくたって買う人は買ってくれる」と言うのだが、「売れてるんですか?」と聞き返され「全然」。社員の誰か「ダメだこの会社」。
 社長、「ともかく俺は帰る!」と立ち上がるとスーツの下は変な短パン姿。「社長、そのズボンは……?」「CM見て買っちゃった」そして社員一同立ち上がるとみんな同じ短パン姿。「僕らもなんです」。
 女子社員が踊りだす短パンの社長・社員を冷ややかに見ながらモノローグ「CMって何?」。

 これって、CMを打たなければどんないい商品だろうと認知されず売れないし、逆に購買者はCMに流されてコロっと変なものを買ってしまったりする、という、CMの恩恵と問題両面が実は描かれてる。おまけにCMをバカにしてた社長が「CMやってないから知らない」とか、「CM見て買っちゃった」とか、CMの影響下バリバリなのが可笑しい。短編映像だけど結構良く出来た風刺小噺だと思う。本田博太郎のテンション高い妙な演技があればこそ、なんだけど。


  この街で(上)増える在日ブラジル人 通訳置くなど大垣市も対応 同(中) 同(下)中日 )。私事なんだけど、実はうちの実家の方も、ブラジル人はじめチリ人、ペルー人など、出稼ぎ労働者が多くいる。南米だけじゃなくってもちろん中国やインドの人もいたりする。こちらは出稼ぎ労働者というより知的労働者が多いのでちょっと違うのだけど。
 で、ブラジル人が多いので、隣町にはブラジル人向けのスーパーまである。客層はもちろんブラジル人ばっかなのだけど、うちの親などは躊躇なく行って肉とかを買ってきている。田舎の人間にしては、結構エキセントリックな性格だ。
 で、そこにお肉がずらっと並んでるのだけど、日本みたいに「ヒレ」「ブロック」「バラ肉」みたいな大雑把な並びじゃない。こと細かく部位に種類分けられている。肉自体はオージービーフらしい。
 精肉部のおじさんがなにか薦めてくれてるのだけど、日本語が喋れないのでわからない。すると、そばにいたお姉さんがちょっとカタコト気味の日本語で訳してくれて、「ここのお肉がやわらかくておいしい」と薦めてくれた。
 実際その肉はサシも入ってないのにとてもやわらかくておいしかったのだけど、日本人がいかに肉食文化に疎いか、ということを思い知らされた。と、同時に、実はそのお姉さん、店員でもなんでもなくただのお客。なんの気なしに小耳に挟んで自然に説明してくれたのだ。
 日本語ができない人もいるだろうし、無論風習の違いによるトラブルも多いのでそれは双方工夫して回避しなければならないのだけど、双方コミュニティで固まって壁を作ってるだけってのは、お互い損なことなんじゃないかなぁ、と思う。
 どうせ付き合うならお互いメリットのある付き合い方のほうがいい。


 それにしても台風直撃とか騒いでたわりに、直撃どころが雨も降りませんでしたな、うちの周り……なんてこったい。


 今日読み始めてふと気付いたが、「われら九人の戦鬼」って、上下二巻じゃなくって上中下三巻じゃん! しまった! 中巻も注文しないと!


2005年08月09日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] 衆議院解散総選挙を受けての小泉内閣総理大臣記者会見

 うわー、趣旨が明瞭だなぁ。詳細はこれだけじゃわかんないんだけど、争点をはっきりわかりやすく提示してる。趣旨が全然不明瞭な対抗勢力とは対照的。
 なんだけど、利権の調整団体である自民でよくこんなことやるなぁ、というのは毎度毎度思う。自民党が利権にメスを入れるということは、最終的にはほぼ自民自身の瓦解というところに行き着くだろう。普通に考えれば変人どころの話ではない。それを考えれば反自民の烏合の衆である民主党などは郵政民営化をもろ手を挙げて喜んでよさそうなものだが、そうはしない。理由はいろいろあろうが、一つには自身も利権の甘い蜜に群がりたいからだろう。
 この構図の悪夢なところは民主は口先とは裏腹に利権の切り崩しにとりかかる意思はあまりなく、自民がそれを行えば自民の弱体化を招き、結局将来的に政局の不安定化を招くということだ。
 さて、どちらがマシかということになると、当然そういうことと関係なく、政権担当能力がある選択肢が一つしかないから、マシとかそういう問題ですらない。希望はどっちにしろないのかと言えば、ないわけではないんだけど、民主主義において政治は所詮国民のレベルの反映に過ぎないので、まーその辺が絶望的だと絶望的だろうなぁ、としか言えない。
 「政治が悪い」では済まないんである。まったく。

[必殺] 「問答無用」

 シリーズ第十弾 新必殺仕置人 第一話。
 「寅の会」――それは寅の日ごとに、句会に擬して行われる殺しの競り市。元締め・虎が俳句の中に殺す相手を折込、その句を仕置人たちが競り合う。
 そんな仕置人の一人として念仏の鉄がいた。数年前、主水たちと別れ江戸を発った鉄はほとぼり冷めて江戸へ戻り、今は鋳掛け屋の巳代松、絵草子屋の正八とすりのおていと組んで仕事を再開していた。だがその日最後の句を聞き、仰天する。
――八丁の 堀に中村 主水かな
 旧知の主水が殺しの的になっていることを知り、鉄は慌てて渡りをつけ、主水と数年ぶりの再会を果たした。
 しかし主水は鉄を見て喜ぶでもなく、苦い顔をする。赤井剣之介とお歌の死 *1 をきっかけに裏稼業から足を洗った主水は、脱獄しようとした盗賊矢切りの庄兵衛を斬り、逃走を防いだことで与力筑波に目をかけられ、牢屋見回りから定町回りに復帰していた。
 表稼業に精を出し裏家業との関わりを嫌がる主水だが何者かに命を狙われてると知り、「来るなら来やがれ! 叩っ切ってやる!」と息巻く。
 しかし、付け届けを装った料理に毒が盛られ、主水は偶然九死に一生を得るが、確実に刺客の手が迫っていることを知る。そんな主水に取引を持ちかけてきた男がいた。男は主水の命を競り落とした仕置人グループの一人で、命を助ける替わりに金を要求してきた。だが、その行動は虎の用心棒「死神」に筒抜けであり、男は裏切りを許さない死神の容赦ない仕置にかけられる。
 依頼を取り下げるには、依頼人が死ぬしかない。しかし依頼人の心当たりがない主水はひとまず身を隠すことにし、筑波にも病気療養と偽って欠勤の断りを入れる。
 だが、筑波しか知らないはずの主水の隠れ家を、女が襲う。女は筑波の愛人で、元は矢切りの庄兵衛の女房でもあったおかね。おかねは亭主を斬った主水への復讐の為に筑波と手を組んだのだ。だが間一髪、おかねと筑波のつながりを知った鉄が駆けつけ事なきを得る。しかし主水を狙ったおかねの包丁は手元が狂い、おかね自身の胸を刺し貫いた。
 虫の息の下でおかねは庄兵衛を斬った主水への恨みを繰り返す。しかし主水から元々庄兵衛は島送りのあと斬首になるはずであり、それを裁定したのが筑波だと聞かされ、筑波に騙されていたと悟り、息を引き取る。
 虎に主水の殺しを依頼したのも筑波だった。筑波は庄兵衛がどこかに隠した金を着服しようと庄兵衛をわざと脱走させて主水に斬らせ、今度は主水が後顧の憂いとなることを恐れ、次は主水を葬り去ろうとしたのだ。
 自分に目をかけてくれていると信じていた尊敬する上司に裏切られ、主水の腹は決まる。
 主水を仕置にかけようとする仕置人たちは鉄、巳代松が返り討ちにし、主水は筑波と対峙する。
 筑波のたくらみと、おかねの最期の様子を突きつけ、筑波を挑発する主水。
「世の中の仕組が、人間というものが信じられなくなりました。これからは徹頭徹尾手抜きでいこうと思います。金輪際仕事なんてしやしません――」
 主水を斬ろうとする筑波を、逆に斬り捨てる主水。裏稼業に絶望し、そして表稼業にも再び絶望した主水は、再度鉄たちと組んで悪党外道を仕置にかけることを決意する。

 放映開始時、念仏の鉄が復活するということで話題にもなったシリーズ。同じ役は二度はやらないというポリシーの山崎努氏が続編への出演を快諾したという、おそらく唯一無二の作品でもある。(交渉時くどき文句としてスタッフは「カッコイイ死に方をさせる」と約束したと言われるが、その約束は最終回「解散無用」で果たされる)
 ただし、世界観などは仕置人とは若干異なる。主水自身が変化しているのももちろんだが(仕置人の最終回で、一緒に江戸を出ようとした仲間の一人である鉄との再会にも苦い顔をするだけ)、鉄もかつてのような不敵ぶりは影を潜め、ほとんどなんでもあり状態だった仕置人時代とは異なっている。しかし常に安値で依頼を請け負うための新設定として(依頼は寅の会を通すため基本的に依頼人自身とは接触がなく、依頼人に感情移入して、というわけではない、はずなんだけど……)ときどき殺しが禁断症状になってるかのような危ない発言をする。これが仕置人とは異なる新仕置人の鉄としての怪しげな存在感を作り出している。
 その鉄と組む新メンバーは巳代松、正八、おてい。
 巳代松は兄の身代わりとして島送りになった過去を持つ、基本的には心優しい好青年なのだが、手製の鉄砲作りにのめりこんでおり、殺しの武器もそれ。ただし砲身が竹製で発射のたびに破裂する危ない代物なので使い捨て。更に装薬量を増やすと自分ごとふっとんでしまうので射程は二間(3.6メートル)という短さ。この竹鉄砲は幾つかバリエーションがあり、多砲身だったり消音器をつけたり、中筒型なんてのも登場する。演じるのは中村嘉津男氏なのだが、現在実年齢以上の老け役が多い氏なので、当時でも若者というのはちょっと違和感があるような……見ているうちに慣れますが。
 正八、おていはサポート役。正八を演じるのは火野正平氏だが、なんというか、火野正平そのまんまとしか言いようがない(笑)。メンバーの中では一番子供っぽいところがあって、感情に流される発言もしばしば。意外にも密偵としてはそこそこ使えるが、視聴者の気持ちの代弁者やムードメーカーとしての存在の方が大きい。
 おていは「仕事屋稼業」「仕業人」にも出演した中尾ミエ氏。「お歌と同じ顔じゃん。どうして主水は何も言わないの?」ってのは言いっこなし。必殺ワールドってのはそういうものですから。
 もうひとつ、新仕置人で忘れてはいけないのが巨大仕置人組織「寅の会」の存在。藤村登美男演じる元締め虎は死神を連れて江戸へやって来、わずかな間で江戸の殺し屋たちを恐怖でもって傘下におさめ、寅の会を主催したという設定。依頼はすべて虎を通して行われ、複数の仕置人グループ代表が句会に擬した競りに参加し、最も安値をつけたグループに依頼がされるという仕組み。ただし依頼は次の寅の日の会までに遂行されねばならず、期限までに遂行されなかった場合や、殺しの相手との勝手な取引、仕置人グループ同士の談合、寅の会を通さない仕事の請負など、虎を裏切った者には制裁が加えられる。それを行うのは「死神」(演じるのは河原崎健三氏。先端がはずれる銛 *2 を武器とし、編み笠姿に遮光器をつけて淡々と処刑する姿は「死神」の名に相応しい)だが、時として虎も自らの手で制裁を加える。その際の得物は何故か野球のバットにしか見えない棒。裏社会の制裁はやっぱバットというのが決まりなのか? 重厚な様でいてかなり何でもアリ。
 この寅の会の設定は他の仕置人グループとの対立や掟によって危機に陥ったりと展開に緊迫感を与えたのみならず、偶然知り合った依頼人が今わの際に「この金で恨みを……」というワンパターンに陥ることをふせぐなどしている。一方でドラマが依頼人主体から仕置人主体になることが多く、キャラクターものとしての側面が強くなっている。登場人物のあくが強烈なため、これは正の相互作用を起こしてるように見える。
 ストーリー自体はミステリー的だったり困難な依頼をどう果たすか、などの捻りのあるものは少ないのだが、とにかく仕置人たちがダイナミックに活躍するシリーズ、という印象が強い。
 ちなみに、このシリーズでのサブタイトルのフォーマットは「××無用」となっている *3
*1: 必殺仕業人最終回「あんたこの結果をどう思う」
*2: アイヌなどでは同様の銛を「マレッキ」あるいは「マレプ」と呼ぶ。
*3: ひょっとして「問答無用」って、「問答(もんどう)」と「主水(もんど)」をかけてたのか?

[その他][アニメ] 今日の買い物がらみ

  嫌韓流/山野車輪
  絶対少年 妖精たちの夏〜田菜/浜崎達也

 「嫌韓流」? プッシュはしないけど、買わないとは言ってませんぜ? まあ、旬のものですから。しかし書店に二冊入荷してたのが、あっというまになくなったのは、やっぱそれなりに注目されてるのか(一冊は買ったのは私なんだが)。
 「絶対少年〜」は 同名テレビアニメ のノベライズ。テレビ脚本に沿っており、小説と言うよりシノプシスっぽい感じだが、アニメに忠実に、しかも一冊で田菜編十二話を完結させるには他に方法はない。十二話? そう、まだ未放映の田菜編クライマックス「猫おどりの空に舞う」までが含まれてる。前番組の「学園アリス」の最終話の前に制作上の都合により総集編が一話入ってしまったため、本来ならば広島原爆記念式典の一週前に田菜編が終わり、一週置いて第二部「横浜編」が始まるはずが、ずれてしまった。従ってバリバリにネタバレ。
 第一話の前にプロローグが入っており、何故田菜に来たばかりの歩が深山姉妹や麻子さんと顔見知りだったのかがそこで描かれている。で、第十二話。
 産廃業者の不法投棄が原因の山崩れはダム周辺だけではなく、猫おどり会場になった小学校の裏山でも起こり、会場を土砂が埋め尽くす。間一髪、校舎の影に避難した歩と深山三姉妹だったが、約束どおり歩はわっくんと一緒に「あっち側」に行こうとする。それを引き止めたのは美玖だった。そして今まで歩に「あっち側」の現実を突きつけたように、わっくんに対し「こっち側」の現実を突きつける。もう歩はわっくんと遊べる年齢ではないこと、それでも果たせなかった十年前の約束を果たしに戻ってきたこと、きっと歩はわっくんのことを忘れないこと……
 自分と関わろうとする人たちがまだいることを実感した歩は自分の意思で「こっち側」に留まることを選び、わっくんは去る。
 結局、カメラにはマテリアル・フェアリーの姿はおろか光球も映っていなかったが、須河原はこの事件を追い続けることを決め、わっくんとの一件の後、高熱を出して倒れた美玖はすっかり「普通」になってしまっていた。
 記録には残らないけどもあそこにいた全員が確かに体験し、少年少女たちを少しずつ成長させた夏を残して、歩は田菜を去る。
 その他わかったネタとしては リバーシブルのぬいぐるみは「成長」の暗示で、エメラルドランドの幽霊の正体は不法投棄一家(太った男=笑う関取、老け顔母親=老婆、それと赤ん坊)。
 そしてエピローグ的に二年後から始まる横浜編の導入が入る。 老い、痩せさらばえたオカカ婆が横浜の街を歩くのを、第二部の主人公である谷川希紗が見る。
 アニメ誌を見ると横浜編の登場人物も紹介されており、 主人公の谷川希紗(OPのあのコード娘。プチ家出を繰り返す、歩とはまた違った登校拒否)に同級生でプロ棋士を目指す小早川成基(同じくOPの扇子男。扇子はそういうことか)、希紗の親友の大和理絵子(OPの大人しそうな娘)、彼女に恋する真壁正樹(OPの以下略)、希紗と同じものを見る画家・羽鳥次郎が紹介された新キャラ。また、 田菜編から引き続き成長した逢沢歩、深山三姉妹の長女深山美佳、須河原晶も登場が確定。

[アニメ] あ、そうそうpart2

  SAMURAI7 の#25(最終回一回前?)の「次回をお楽しみ」のイラストはお楽しみに(笑)。


2004年08月09日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] 反日の代償

 中国からの留学生のDさんが、帰省から帰ってきた。なんだかアジア杯のことで、微妙に居心地が悪そうでした。こういう、常識をわきまえた中国のかたの立場が苦しくなるような真似はやめて欲しいよなぁ。無為な政策のために、なんでこんな息苦しさを味あわねばならんのだ。
 というわけで 中国はなぜ「反日」になったか/清水美和 を読み始める。中国が反日国家となったのは、少なくとも現在のような「反日一辺倒」の形になったのは、先にも書いたように江沢民が政権を握ってからで、実はたかだか十数年のことにすぎない。無論、それ以前にも反日教育は行われていたのだが、少なくとも、たとえば訒小平などは、緩急使い分け、日本の世論の懐柔も巧みにこなしてきた(一応付け加えておくが、日本での人気は高かったものの、訒小平も決して手が綺麗な指導者ではない)。それが今のような反日一辺倒になったのは、やはり江沢民政権からで、どうも江沢民という個人の資質が、少なくとも中央と中国外務省の日本担当との意図の差異がはっきりとあるように思える。現在は訒小平が後継者に指名した胡錦濤体制だが、その影響力は弱まっているものの、江沢民の影響力が消えたわけではない。胡錦濤の対日政策の基本的スタンスがイマイチよくわからないので、江沢民の影響力が消えた後どうなるかはよくわからないのだけど……少なくとも、現在の経済解放路線にはマイナス効果しかもたらさないと悟ってくれることを祈る。
 さすがに中国も市井の政府批判に細かく目を光らせているという状況では、今はないみたいだけど、国内マスコミの政府批判は不可だし、個人の批判でも行き過ぎれば罪に問われる。昔ほどではないにしろ、政府批判は禁止され、はけ口として日本批判のみが開かれている状況なので、そちらにばかり向かってしまう。対立という形にならないように、その状況を修整するよう働きかけることができればいいのだけど。

[特撮] 困ったなぁ、ナチュラル

 なんで名前なのに形容詞なんだろうという疑問は尽きないわけですが。
  デカレンジャー 、婆さんが活躍する回。ジジイ、ババアが活躍する話ってのは、あたしゃ無条件で肯定しますよ。ええ。宇宙人の婆さんで、地球人の少女姿にも化けるのだけど、完全に婆さん姿の方にキャラが食われてました。少女役の子、ワリを食ったナァ。それでも、もうちょっと婆さんのキャラが立てられる余地があったように思えるけど、まあ十分立っていたのでベネ(よし)。
  ブレイド は、ここ三週、変り種アンデッドのタランチュラ(嶋昇)が、協力者となってブレイドをパワーアップさせていたり、スパイダーアンデッドに支配されかけてた睦月を助けようとしたりしてたのだけど、ついに退場。嶋昇を演じていたのは「シャンゼリオン」で速水を演じていた相澤一成氏。残念ながら中京地区ではシャンゼリオンは放映しておらず未見なのだけど、それっぽい雰囲気を作ってました。いつのまにかさらっと精神的支柱になっていただけに、惜しい退場。そういうのが役者冥利に尽きるのかもしれませんが。
 次回からは井上敏樹氏の脚本だけど、井上氏によるファイズの小説「仮面ライダー555正伝 異形の花々」が8/18に発売。草加役の 村上さんのサイト でそれについて記述されてます。ワタクシはデフォで買いますが、どんな話なんだろう?


2003年08月09日() 旧暦 [n年日記]

台風一家

 などと、何度も何度も何度も(略)手垢のついているようなネタをしょうこりもなく使ったり。しかし台風一家ってどんなのだろう? 俺が熱帯性低気圧だったころ、親父はエルニーニョで、弟は赤道上の風だった。わかるかな? わかんねえだろうなぁ。(本当にわけわからん)。
 どこを探してもなかった 奇想天外兵器 の玩浴(玩具付入浴剤)がふと見つかった。でも、一個350円か……WTMと比べるとちと高いな。試しに二つ買ってみると、 トリープフリューゲル特三号戦車 。どんなイロモノかは、リンク先を読んでください。お目当ての ラーテ はとりあえず出ず。う〜ん、これはコンプするつもりはないんだが……
 コレと一緒にリカヴィネを探してたなんてコトはありませんよ? ありませんったらありませんってば。
 いろいろ彷徨っていたら、 このようなサイト を見つけた。絵も上手いし、よく勉強されてるのだけど、作者御本人が描いてもいる通り、現在公開中のCHOSEN -PROTOに関しては、少なくともあまりエンタテイメントではない。内容の感想に関してはそれ以上は触れませんが、興味深いのは、ホームページを作る経緯のところ。まあ、業界というのも案の定色々ありそうである。それはさておき、これだけの技術をもってると、作者の「エンターテイメント作品」を是非見てみたいと感じる。
 田中小実昌訳「湖中の女」読了。いわゆるハードボイルド小説からはずれてる気もするけど、でも、訳のせいかチャンドラーっぽくない、ハードボイルドっぽい、って言ったら、怒られてしまうかしらん? 後のチャンドラーの著作より外連味とかもあって、面白かったです。
 で、電車の中で読み終わったので、たまたま手元にあった 地上最強のアメリカ陸軍特殊部隊/三島瑞穂 を読み始める。まだ読みかけのものがいっぱいあるのに。こうやって併読してくとわけわかんなくなっちゃうぞ。嗚呼。


2002年08月09日(金) 旧暦 [n年日記]

ヤクザの文化人類学

  ヤクザの文化人類学 を読み終わる。期待の一部だったシノギの内訳などには触れていなかった。主観がヤクザに寄っているところもある。あと、主にフィールドワークを行ったのはテキヤ系のヤクザであるが、博徒系との境界がはっきりあるわけでもなく、その中間的な存在もいる。その上で、ヤクザに一般人が持つイメージ(フォークロア、と言ってもいい)、そのイメージも受けて形成していくヤクザの自己イメージ、そして実際の姿、そしてその変化が主眼になる。恐れ、軽蔑しながらも過去への郷愁や男らしさを持つアウトローなどといったイメージを一般人は期待し、ヤクザもその期待に応える振る舞いを行う。この本ではヤクザが全肯定されてるととられる恐れもあるが、そうではなく、ヤクザの行動原理をそこから導き出していくことになる。周辺の中の存在であるヤクザ……良くも悪くもアウトロー的な性質を帯びる……の一般から見たイメージと主体から見たイメージの差違、作用、その変化などを語るが、ヤクザの持つ幾つかの性質は、オタクと呼ばれる人種にもあてはまることに気付いた。周囲に蔑まれる外見的、服飾的性質を持ちながら、自己を一種、そのようなイメージの被害者であると考えるところがあり、また、自己を社会全般と対比して価値ある周辺者と見なしてかえって周囲との差別化をはかるところもある……人によっては、ヤクザ同様無意味に男らしさを自己規範に持ち込むことを好むものもいる。勿論、人によってそれは違うし、「ヤクザにあこがれてヤクザになる者」はいても(しかたなく、という者もいるだろうけど)、オタクにあこがれてオタクになる者はまずいないなど、「イコール」でくくれるようなものではない。「ヤクザとオタクは似てる」というのではなく、周辺者が取る行動のパターンというのは、ある程度特定できるのではないか、と思った。
 視点に全肯定はできないけども、なかなか思考に刺激を与えてくれる本でした。
 この本の感想自体とはそれほど関係ないけど、最初の方のところにヤクザと接触を行う話をいろいろするところで、
言い換えれば私はヤクザと対話したかったのであり、ある意味では「研究」は目的というよりはそのための手段であったのだ。
という部分は、研究者として思わず苦笑しつつ同感。

  .hack//SIGN は紅衣の騎士団を解散し、その指導者である立場を失った昴の話。詳しくは言わないけど、個人的になかなか痛いところのある話でした。現実の昴がどのような環境なのかは、最後にノートパソコンに向かう、車椅子の少女(眼鏡付き)が示唆しているのだと思う。一部ではむしろ「昴リョウジョクワショーイ」だったようですが。


2001年08月09日(木) 旧暦 [n年日記]

心ばかりの…

 これは具体的に誰がどうとかいう話ではなく、あくまで一般論なのだけど…
 例えば友達が困ってたりとか悩んでたりとかしていて、そういうのって他からどうにかできる場合もあるけどできない場合もあって、じゃあ出来ない時にどうするのか、っていうと結局乗り切るまでその友達の心が折れないように気をつけるしかなくって、でも結局それって自分は無力だってことで、何か出来てるかもしれないけど出来てないかもしれないということは不安なわけで、何もあげられないけどせめて少しばかりの心だけでもあげている、と思わないとこちらも心の収まり様がないわけで。
 「心ばかりの」という言葉はそういうことなのではないかと思った。身勝手な言い分かもしれないけど。
 あと、自分も最近わりとウジウジと悩んでたりしたのだけど、別にその悩みが解決したわけではないけど、悩んでたら、突然、これだけ悩んでいても自分は「昔に戻ってやり直したい」とは全く考えてない事に気付いた。「物理的に過去に戻ることは不可能だから」ということではなく。何も不安は解消されてないし先の展望も開けてないけど、ちょっとだけ心が軽くなった気がする。とにかく顔を上げる。