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2011年01月02日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 新年明けましておめでとうございます。

 なんか「明けましておめでとう」というのは「年が明けておめでとう」という意味なので「新年明けましておめでとうは重複だ」というしちめんどくさいお話があるようですが、「明けましておめでとう」はむしろ目的語を省略した形なので「新しい年が明けておめでとう」は字義的に考えて何も間違いはないと思うのだがいかがか?
 一昨年麻生元首相が「弥栄」を「いやさかえ」と読んだと大騒ぎしたバカマスコミもいたけども、もとの意味は「いやさかえる」で、それが縮まって「やさか」となったのだから、主流の読み方ではないにしろ間違いでもない。そういう本来の成り立ち、字の意味を考えずに「間違いだ間違いだ」と騒ぐ人というのは者の考え方が浅い人だと自分で喧伝してるだけと思うのだがいかがだろう?
 と、正月からしゃちほこばったことを書き始めるあたりが今年もいつもの調子のようで。

 まあ、年末はいつものごとく実家でごろごろしてたわけですが、大晦日は親につきあって主に紅白をみていたわけです。そしたらなんか水樹奈々の裏のダイナマイトで長島☆自演乙☆雄一郎選手の異種格闘試合があったそうで。そして今日のワイドショーでその試合の様子が流され、流れた恒例のコスプレ入場が「ミルキィホームズ」の「明智小衣」という……相変わらず変態だw
 長島選手にはミルキィホームズの権利元であるブシロードがスポンサーについているので、スポンサーの意向かと思ったら、本人からの申し出だそうで。しかも、小衣かアルセーヌのコスプレがしたいと言ったら、スポンサーサイドから「ミニスカが似合うから小衣にしましょう」と……どんだけ蜜月なんだこいつらw
 で、正直格闘技はあまりわからないので相手の青木選手が試合前から結構嫌われていたこと、総合の青木選手にかなり有利なルールが決められていたこと、くらいしか知らなかった。とは言っても、異種格闘ルールはかなり難しく、猪木とアリの試合で、ルール上まともに組技がかけられず猪木はローキックで引き分けに持ち込んだというエピソードもあるしなぁ、くらいの印象。
 だけどニュースで試合見たら、まあ確かに青木選手にブーイングも飛びますわな、という感じでした。キックボクシングベースのルールである1Rで青木選手は逃げまくりで、すぐに寝転んだりクリンチに逃げたり、中途半端にドロップキックなどの相手を挑発するだけの技をかけてはかけ逃げしまくってて、これは確かに印象悪いなぁ、とは思いました。けど、自分としてはそれはそこまで批難するつもりもないのですよね。まともにキックボクシングをやれば、青木選手が不利なのはわかりきってることで、あそこまであからさまに逃げ続けなくてもと思う反面、まともにやり合っても青木選手にはまるで利がない。ある意味合理的。
 ただ、問題は総合ルールの2R。ゴングが鳴ってすぐさまタックルを仕掛けた青木選手に、きれいに長島選手の膝がカウンターで入り、昏倒したところを長島選手が追い打ちで殴り試合終了。
 あまりにマンガみたいな出来事であっけ。
  長島選手のインタビュー記事 によると、2R目に入って倒されたらもう完全に勝ちはないので、ラウンド開始の仕掛けに来るタイミングを重点的に想定してイメージトレーニングを行ってたとのこと。青木選手が一番あきれられるべきは、1R目を逃げまくってしまえば2Rは組み伏せて楽勝だと、相手がどう考えどういう反応をするかを、まるでシミュレートしなかったこと。してなかったわけではないのかもしれないが、要は「自分が組み伏せる方が速い」と、相手をなめきってたってことですよね。1R目の「逃げ」が作戦というなら、2R目に組み伏せに行くやり方もきちんと作戦を考えてしかるべきだった。でもそれをしなかった。結局2R開始4秒での無策のカウンターKOで、青木選手はただ相手をなめてただけ、ということが示されてしまった。相手をなめて試合に臨み、逆にKOされてはあきれられて仕方ありませんわな。
 おそらく、フェイントなどを交え組み伏せることに成功してしまえば、本当に長島選手にはなすすべがなかったのでしょう。これは長島選手本人が認めているので事実なのでしょう。その意味で、青木選手は本当に良い意味で恐ろしい選手なのだと思います。しかしその技量と、頭脳派という評価に対して、格闘技素人の自分からしても今回はお粗末、としか言えないです。
 格闘家は人格者であるべきとは思いませんが、態度が結果に現れてしまっては……両選手の態度の差がそのまま結果につながったんでしょうね。
 2chまとめサイトにあったコメントで「結果は最高、試合は最低」というものがありましたが、まあその通りなんでしょうな。


2011年01月04日(火) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 最終回いろいろ3

  おとめ妖怪ざくろ #13「おわり、燦々と」。神がかりの里で澤鷹に追い詰められるざくろたち。しかし、ざくろの母はざくろを守るためだけではなく、最後に澤鷹といっしょにいるために里に戻ってきたと景に聞き、母を独り占めしていたざくろへの復讐心にかげりが生じる。そのとき、里長の館に火の手が上がるのが見える。澤鷹への想いに暴走した女郎蜘蛛の乱杭が監禁されていた半妖の娘たちを餌食にし、澤鷹の想いを独り占めにしているざくろを亡き者にしようとしていた。

 原作追い越しちゃいましたな。最後は乱杭が暴走し、橙々を唆して屋敷に火を放たせ半妖の娘たちを逃げさせる。そして描写はされてなかったけど、おそらくその娘たちを食らい力を高めたんでしょうな。澤鷹の術も通じず、ピンチに。
 で、金縛りになったままのざくろだったけど、自分をせめるざくろに告白してざくろ覚醒。母の形見の封印の首飾りを、自ら砕くことで母の思い出よりも今自分が大事に思う人たちのために戦うことを選ぶ。
 話としては王道展開なのだけど、最後、澤鷹=花楯中尉の工作で作られた妖人省は解体され、景たちとざくろたちが別れ別れになったかと思いきや……そのエピローグは良すぎだろうw
 焼け落ちる館の中で誤解し続けていた母の骸と運命を共にしようとしていた澤鷹も、百録の献身に自分を大事に想う存在を知り、共に生きることを選んだみたいだし。丸竜は「ボクたちの想いが」と息巻いてたけど、実際には澤鷹の何らかの働きかけがあったんでしょうな。
 最後までニヤニヤされっぱなしで、良いラブコメでした。そしてエンドカードのイラストw 「ふりん」ってwww


  パンティ&ストッキングwithガーターベルト #12「ビッチガールズ」。悪魔と天使の最終決戦……って、相変わらずやりたい放題ですな。なんかパンティとブリーフの純愛っぽい展開になるかと思いきや、まあいつも通りのパンティだし。最後のバトルもガーターベルトが爆発したり元に戻ったり、めちゃくちゃすぎるw
 そいでもってこっちもエピローグに意外な展開が……いやもう好きにやってください。こっちは「ミルキィホームズ」と違い明らかにネタだってのはわかるし。
 好き勝手放題の最終回で、よくやった、ってところでしょうか。まあ一発ネタには違いないですが。


  荒川アンダー・ザ・ブリッジ×ブリッジ #13。仁義なき王様ゲームの続き。あれ? 金星行きとかの話はどうしたの??? まあ、いつも通りの荒川で面白かったからいいんだけど。ただ、時々シャフトはあからさまな続編引きをやるのでこれもそうじゃないかと思えるのだけど、まあこのくらいならOKの反中でしょう。


  FORTUNE ARTERIAL 赤い約束 #12「赤い約束」。これっていい話っぽくまとめてるけど、結局問題先送りだよね? いやまあ、作画のレベルは同ブランドのある意味伝説アニメ化「夜明け前より」みたいな「キャベツ」作画にはなりませんでしたが……う〜ん。


  神のみぞ知るセカイ #13「神以上、人間未満」。桂馬のダメ人間ぶりをこれでもかと見せつけたインターミッション。エルシィの駆け魂狩りに付き合わされて、積み上がってしまったギャルゲーをひたすら篭もって消化していく桂馬だけど……高めのポテンシャルのほぼすべてがギャルゲーのためだけについやされてるというのが、いやもう好きにしてくださいというか、どこまで行ってもこいつはこれが基本というか。
 そして最後はあっちの世界に精神が飛んでしまった桂馬の電波ソングで締め。酒でも飲ませて歌わせたんかいw 最後は前から言われていた第二期の発表があり、ハクアがちょい顔出ししてますな。それ以外にもハクアの契約者とか、いろいろ出てたけど。
 それにしてもエルシィのツッコミがいつになく厳しいな。


2011年01月05日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] 菅政権、何したいんだ?

 元旦の朝刊に菅政権が仙谷官房長官の更迭を検討、てなニュースが出たわけだけども、仙谷議員が院政を敷くってんじゃなければ、まず不可能だろうになんなんだろうなぁ、と思ったわけでございますよ。
 仙谷官房長官の内政および外政の手腕についてはまったく評価はしておりませんが、菅内閣がどうにかまとまってるのは仙谷官房長官がまとめてるから、という認識なのでございます。いくら菅総理が仙谷官房長官を鬱陶しく思っていてもどうにかできるわけがないだろうにと思ったら、今度は小沢氏勢力排除だそうで。
 そりゃ、ヒールとしての立場が確立した小沢氏を攻撃すれば支持率は持ち直すでしょうね。ごくごく一時的に。
 正直現時点、菅政権のていたらくを見てどの程度回復するかはかなり疑問で、30%弱まで持ち直せばいいところだと思ってますが、マスコミがどれだけピンボケな報道をするかにもよるでしょうね。
 でも、どれだけ持ち直しても効果はひと月あるかどうかでしょう。だって、持ち直した後の政策がまともにあるとは思えないですから。
 政局中心の運営から脱却するなんて言ってますが、国会で政策に突っ込まれてしどろもどろな現状を見るとまあ、無理でしょうな。今からでは手遅れだけど、若手を含めての勉強会とかちゃんとすれば、まだ後につながるんですが、それも期待できないし。
 正直菅政権はもうカウントダウン状態で、後に岡田氏が続こうが前原氏が続こうが党自体に政策能力が欠如してることが国民に浸透してきてるので、次に誰が来ても所詮は民主党政権の延命にしかならないでしょう。今更地力のない民主党政権が持ち直すなんて幻想はありえませんが、せめて次につながるような形に、人材の育成とかしてくれればいいんですが、むしろ自民の方がきちんと人材育成してるくらいなので、どうにもなりませんわな。首脳部自体に経験がないのでどうにもならないというのもあるのかもしれませんが……


2011年01月06日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] だめぽ

 伊藤計劃氏の長編遺作「ハーモニー」を読み終わって感想書こうと思ったけど、風邪ひいたのか熱っぽくて思考が長続きしないぽ。
 かゆ……うま……


2011年01月07日(金) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 最終回いろいろ4

  咎狗の血 #12「同至/beginning」。いや、すいません。徹頭徹尾なんだか意味不明でした。原作ファンにとっても噴飯ものらしく、まあ、それじゃこれはなかったことで……とはいかないけど、ホントに意味が不明すぎるんだよなぁ。主眼がぼやけすぎてテーマがなんだったかすらわからない。原作の要素をまとめようとして失敗した例ではあるのでしょうね。
 ここから何をはじめようとするのかすら不明なのは、もうどうしようもないかと


  アマガミSS #25「シンジツ」。原作の隠れヒロインがメインの特別編、らしい。そしてそのヒロイン、上崎裡沙の特徴はと言えば……一言で言えば、ストーカー? 主人公の純一を影から見守り……と言えば聞こえがいいものの純一の回りに女性の影がちらつくと「騙されるかも知れない!」と捏造写真でその女性を遠ざけ、純一のトラウマにもなってる2年前のクリスマスにも関与してるという……でも、クリスマスの件は、弄ばれそうになった純一を守るため、ということで、本気でサイコパスなわけではない……と思う、多分……
 最後に彼女のしてきたことを許し、受け入れる純一だけど、おいおい、ホントにそれでいいのか!? まあストーカー女と変態紳士だから釣り合いは取れてる……のかな?
 なにはともあれ、平気なふりをして動揺が隠しきれなかった七咲が一番可愛い回でした(あれ?)

[読書] ハーモニー/伊藤計劃とホルモー六景/万城目学

 帰省から戻ったときに同時に買ってました。どっちも文庫版が出たばっかだったので。その他一緒に買ったのは「チョコレートの世界史」と「君主論」。まあ相変わらずです。

  ハーモニー は一昨年闘病生活のすえにみまかられた著者の最後の長編になる。そして舞台は技術の発達によりすべての病魔に打ち勝ち、人類のすべてが健康でいられる社会、となれば、否が応でも作者の状況に照らし合わせたくなる。が、今回は敢えてその視点は持ち込みません。
 作品世界では、過去原因不明の世界的紛争の混乱を経て、復興した後、その二の轍を踏むまいと「人命」を最上価値観とした社会が構築され、「人命」と「健康」の維持管理が社会の最優先の価値観となってしまっている。人々は成人後に体内に注入されるナノマシンによりあらゆる病原体に対する抵抗を得、また健康状態をモニタリングされ、痛みすらも遮蔽された社会で生きている。
 以下ネタバレ。
 そんな社会に息苦しさを覚えた少女、霧慧トァンが本作の主人公となる。正確に言えば、息苦しさを明確に認識したのは、もう一人の少女、御冷ミァハとの出会い、そしてその薫陶によるものになる。社会の押しつけがましい「優しさ」、それにより奪われていく自我と自由意思に耐えられず、社会への抵抗として彼女らは、もう一人の仲間と三人で、餓死することを試みる。しかし試みは失敗し、ただ一人、精神的な指導者とも言えるミァハだけが死んでしまう。
 そして13年後、表面上は生命査察機構の一員として社会に適合しながら、実際は機構の目の届きにくい世界の辺境で不健康の悪徳を享受することで折り合いをつけていたトァンは、タバコや酒などの不健康物資の不正入手を内々にとがめられ、日本に一時帰国した時にあったかつてのもう一人の「同志」零下堂キアンと再開しその食事中、突然目の前でキアンがテーブルナイフで自殺するという場面に立ち会ってしまう。
 キアンの自殺と同時間に世界中で数千人が一斉に自殺を行なうという現象が起きていたことを知り、トァンは権限を濫用することでキアンが死んだわけを知ろうとするのだが、そこに密接に結びついた自分の過去を知ることになる。
 潔癖さを守るために少女たちが自殺を試みる、という展開はいかにも、と思うのだけども、思春期のナイーブな社会への抵抗が、どんどん雁字搦めになった社会の内部へとつながっていくのは、前作の「虐殺器官」とつながるところがある。実際、どうもこの世界は虐殺器官の後の世界であるらしく、健康至上主義の社会が構築されるきっかけの「大災禍(メイルシュトロム)」は、前作のラストから引き起こされたことらしい。
 もっとも、本作は前作とは基本的にはオーバーラップしないし、別物なので前作を読んでなくてはいけないということはない。
 今回の中で描かれる社会は、風潮として「身体に悪いものは絶対にダメ」という極端な価値観に流されている社会で、捕鯨だとか禁煙だとかなんとかいろいろ連想しがちなのだけども、具体的なものではなく原理主義的な健全主義の態度を考察し昇華させたという感が強い。
 その「社会的風潮としてダメ」というものと「それに反発する自我」との対立として、結末がこれ、というのは、それでいいのかという大疑問と共に、合理的には反発する部分は何もない、という、矛盾にさいなまれる結末に至る。
 結末はすべての調和が取れた最良の世界には違いないのだけど、なにかが違う、しかしなにが違うのか言えないという、隔靴掻痒の感覚が、作者が突きつけた謎かけのようにも思える。


  ホルモー六景 は、映画にもなった「鴨川ホルモー」の外伝的短編集。基本的には、ぶっちゃけ、恋愛青春譚なのだけど、「ホルモー」という仮想の日本古式の由緒正しい(?)競技にまつわる「法螺話の連続」というのが正しいと思う。実際、作者もそのように短編を組んでると思うし。
 更にたちが悪いのが、その法螺話の青春譚が面白くて仕方ないのだw ホルモーの拡大感染も示唆されてるし、短編で矢継ぎ早にそういった法螺話を展開されるのは法螺とわかっていても面白い、という短編集。
 でも、これは鴨川ホルモーがあればこそではあるよなぁ。


2011年01月08日() 旧暦 [n年日記]

[映画] 仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&Wfeat.スカル MOVIE大戦COREと武士の家計簿とSPACE BATTLESHIPヤマト

 四本は見るつもりだったのが、上映スケジュールの確認を怠って結局三本だけでした。
仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&Wfeat.スカル MOVIE大戦CORE 。一昨年から恒例となった新旧仮面ライダー共演の冬のライダー映画。昨年夏に最終回を迎えた「W」編から始まるのだけど、メインはWではなく、Wである左翔太郎の師匠、「おやっさん」こと鳴海荘吉。その彼が変身する仮面ライダースカルになる。
 風都に現れた怪人に、Wに変身して戦う翔太郎とフィリップ、だが、攻撃された怪人はコインをまき散らす。「ドーパントじゃないぞ」と戸惑うWの前に、照井竜が駆けつける、が、竜はアクセルに変身しないまま戦う。「なんで変身しないんだ?」と首をかしげるWの前にさらに現れたのは、ウェディングドレス姿の鳴海亜樹子。実はその日は亜樹子と竜の結婚式の当日。しかし彼氏も仮面ライダーなら職場の仲間も仮面ライダー、それどころか父親も仮面ライダーでプライベートなど関係なく平和の為に駆け回る仮面ライダーだらけの環境についに亜樹子が切れ、竜に「仮面ライダー禁止令」を出し、アクセルのメモリーとドライバーを奪ってしまったのだ。
 そんな彼女の仮面ライダーへの鬱憤に目を付けたのが件の怪人、プテラノドンヤミー。どこからか奪ったガイアメモリーを使い、彼女の父、鳴海荘吉が仮面ライダーとなった経緯を知るために過去を覗く。
 というのがW編、というかスカル編の導入。そこから十年前の鳴海探偵事務所とそれを取り巻く様子が描かれるのだが、鳴海荘吉演じる吉川晃司がノリノリでやってる上、十年前の事件に、まだ制服警官だった刃野刑事や、たまたま荘吉の活躍を見た幼少時代の翔太郎と、幼なじみでありW一話・二話の依頼人だった麻里奈、過去の荘吉を知る人物として、エクストリーム誕生のエピソードに関わったサムが出てくるなど、かなりのファンサービス。アフターエピソードとしてニヤニヤしっぱなしでした。
 つか、荘吉とシュラウドの関係って、単にフィリップの保護を依頼した依頼人と探偵かと思ったら、元から知り合いだったのか!
 そして、荘吉の相棒だったマツこと松井、過去のメモリ売人として出てくる小森絵蓮もなかなか良いキャラ。小森絵蓮は「ありんす」言葉であざといキャラ付けをしてる上に、短い登場シーンの中にもお色気要因としてそのスタイルを存分に見せつけてます。胸は多分盛ってるけど。
 Wのエピソード・ゼロ的な位置づけとして、出てくる怪人もクモ怪人にコウモリ怪人と、初代仮面ライダーへのオマージュがたっぷり。初代ライダーの変身シーンの「シャキーン」という効果音も使われるなど、「もう番組終わった後だから、好きにやっていいよね?」的な感じがかなりたまりません。
 そして、鳴海荘吉がどうしてスカルになったか、そして亜樹子に会えなくなったか、という辺りを描いてオーズ編に。
 オーズ編は、なんというか、いつもの井上敏樹脚本です。ハイ。やっつけの時はいつもアレだからなぁ。ホント。視聴者を含めた人間全部を斜めに見ながら舐めてるような、そうでないような脚本家ですが、「当り前、常識なんて気にするな」的なスタンスと、時々本当に神がかった仕事をするので、~好きなんですよね。今回のは全然神がかってない仕事ですが。
 で、ライダー共演のCORE編に。
 過去の仮面ライダーのメモリーを吸収した謎のコアメダル(グリードたちは「ギルのコア」と呼んでいたけども、恐竜系のグリード?)が、仮面ライダーの姿を模した「仮面ライダーコア」に変身、破壊の限りを尽くす。全CGの巨大悪ライダーってのは、過去にもキバ劇場版の「仮面ライダーアーク」があったけども、こっちは炎が不完全に仮面ライダーの姿を模してるという感じのデザインで、より怪獣っぽい上に、下半身がバイクになったり、より面白げな存在。合流したWとオーズはそのパワーの源泉である、地球の中心にある地球の記憶の結晶へと潜り、そこでWエクストリームゴールドエクストリームと、初登場となるオーズタジャードルコンボ(鳥系メダルのコンボ)にフォームチェンジ、仮面ライダーコアを倒す。
 W編の仕事は、かなり良い仕事でした。オーズ編は……夏の劇場版は、頑張ってくださいね?


 二本目は 武士の家計簿 。新書が原作というかなり異色の映画。元々は幕末の加賀藩算用方として勤めていた猪山家の家計簿が見つかったことにより、当時の下級武士階級のやりくりや利殖が克明にわかるようになり、それを解説する本として、新潮社から 武士の家計簿〜「加賀藩御算用者」の幕末維新 が2003年に出版された。これは出版されてわりと直後に知り合いの日記で褒めていたので、購読した。しかし、確かにドラマティックな時代ではあったが、それを映画にすると聞いて「え? どうやって?」というのが正直な感想だった。
 正直に映画の感想を言う。起伏がなさ過ぎる。わざとらしい盛り上げ方は要らないのだが、大元の猪山家の家計簿が付けられるきっかけが、八代目猪山直之が息子、尚吉の四歳の行事に際し、猪山家が借金だらけで火の車であることを知り、売れる家財道具は売り払い、さらに残る借金のために超緊縮財政を決定したことによる。劇中でそのエピソードは描かれるのだが、その前の不正に荷担せず、それにより取り立てられることになったエピソードといい、ドラマティックさがかなり欠如してる。だからと言って家族の日常が細やかに描かれてるかと言えば、そうでもない。こう言ってはなんだが、主演の堺雅人がそういった細やかな機微を表現できてない。
 そもそも所作のぎこちなさが目立ち、それに気を取られてしまった場面も多かった。妻のお駒役の仲間由紀恵の方がむしろその辺はまともだった。
 主人公である猪山直之はかなりエキセントリックなキャラだが、そのエキセントリックさに気を取られ、その感情の動きなどがどうであるか、おろそかになっている。これは堺雅人の演技力のせいだけではなく、演出側の問題でもあるのだけど。
 この辺が解決するだけでもかなり見られる映画になったろうになぁ、と思うと、非常に惜しい。


  SPACE BATTLESHIPヤマト 。言うまでもない「宇宙戦艦ヤマト」の実写化。アニメや漫画の実写化というと、比較的近年では「デビルマン」なんかの「ガッカリクォリティ」が多いのでその類かと思いきや、そうではない。(日本映画としては)潤沢な予算に加え、制作者側の原作理解が高いため、かなりアレンジはなされているが、しかし抑えるべきツボは抑えている。映像的にも日本映画のスペースオペラとしては、最高峰なのは間違いない。(そもそも日本産スペオペ映画がアレなのを考慮しても)
 ただ……
 見ていて、「芸能人が演じる、宇宙戦艦ヤマトのパロディ映画」という感じが最後まで払拭できなかったのは、何故なんだろう? オリジナルの印象が強く残ってるから、と言われればそうかもしれないけど、少なくとも「よく作った」という感想は持っても、「良い映画だった」とは浮かばなかった。惜しい要素はあったんだけど。
 力作だし、パロディとしては存分に楽しんだし、クォリティは高いんだけどなぁ。う〜ん。


2011年01月09日() 旧暦 [n年日記]

[特撮] ゴセイジャー#46とオーズ#17

  ゴセイジャー #46「狙われたゴセイナイト」。ブレドランの正体は、かつて幽魔獣を封印した伝説の護星天使、救星主のブラジラだった。ブラジラはかつて使役していたゴセイナイトに再び仕えるよう命じるが、ゴセイナイトはそれを断る。しかしブラジラは弱っていたゴセイナイトを無理やり連れ去ると、悪のヘッダーであるオルトウロスヘッダー・ナモノガタリを呼び、後を追おうとするゴセイジャーたちの邪魔をさせる。
 ゴセイナイトを連れ戻そうとするゴセイジャーたちだが、どんなにダメージを与えても回復してしまうナモノガタリに手も足も出ない。一旦退却し、ゴセイナイトの居場所を捜索する一方で、アグリとモネは研究所に残り、ナモノガタリの攻略法を研究し続ける。

 ナモノガタリって、ヘッダーって言うけどヘッダーの要素ないよね。二つの頭を持つデザインをしていて、回復の瞬間それぞれのツノが光ることから、ツノが弱点と睨み攻撃するのだけど、両方のツノを叩き折っても回復してしまう。ナモノガタリを倒すには、より完全に同時にツノを破壊しないといけないのではないか、と兄妹のコンビネーションを見せるのだけど、ちょっとこの辺、強引というかわかりづらいというか。
 ナモノガタリは倒すのだけど、ゴセイナイトの行方はわからず、ブラジラの地球救星計画は進行してしまう。いやなんつーか、倒しちゃダメだろう。いや、最終的に倒さないといけないのはわかるんだけど。
 このまま、ゴセイナイトをめぐる話でラストまで行きそうな感じ。
 ナモノガタリの名前の由来はなんだろう? と思ったら、google先生の入力予測でわかりました。「世にも奇妙な物語」か。あれって劇場版あったっけ? あったのか。他局番組なのになぁ。

  オーズ #17「剣道少女とおでんと分裂ヤミー」。映司たちの前に現れた、仮面ライダーバースを名乗る男、伊達晃。バースを使って鴻上は何をするつもりなのか、そして伊達の目的は何か、聞き出そうとする映司とアンクだが、人を食ったような伊達の言葉にはぐらかされてしまう。
 そんな中、正月休みだったクスクシエも営業再開。比奈も店にやってきて、映司に助けてもらったお礼を渡す。さらに、アンクにも何かを渡そうとするのだが、バースの目的を調べることしか頭にないアンクのぶっきらぼうな態度に、つい渡し損ねてしまう。
 そして、しばらく動きを潜めていたウヴァたちも活動を再開。ウヴァは代表に選ばれるために強くなりたいという剣道少女梨恵の欲望に目を付け、彼女から白ヤミーを生み出す。
 それを察知し駆けつけた映司たちだが、メダル不足で早々に片をつけようとするアンクの思惑に反し、防御力が高く白ヤミーなのになかなか倒すことが出来ない。さらに、伊達がその戦いの様子を手も出さずに見詰めていて……
 白ヤミーとの戦いに巻き込まれた梨恵を病院に連れて行った映司は、自分の欲望から怪物が生まれたと聞いてショックを受ける彼女を「君のせいじゃないから」となぐさめるのだが、梨恵は何か別の心当たりがあるらしく、激しく動揺する。
 やがて白ヤミーはカブトヤミーに成長し、映司たちは今度こそ倒そうとパワーのあるタカゴリバコンボでカブトヤミーを追い詰める。ところが、追い詰められたカブトヤミーの身体に突如異変が起こり、カブトヤミーは分裂し、クワガタヤミーを生み出す。
 ヤミーが分裂するという初めての事態に動揺し、さらに二対一で劣勢に立たされるオーズ。そんな彼の前に伊達が現れ、バースに変身するのだが……

 劇場版パンフで知ったけども、バースって、基本スペック自体はオーズ(タトバコンボ)よりかなり低めなのね。武装の豊富さで戦うタイプなんだろうなぁ。
 そして一見フレンドリーで飄々としていながら、得体の知れない伊達。真木の申し出を断りバースとなる機会を失った後藤も、バースの装着者に選ばれた伊達のことは気になるようで……
 クワガタヤミーを分離したカブトヤミーの前に立ちはだかったバースは、オーズのことなど眼中にないような攻撃を行ない、その末、オーズとの同時必殺技で倒したカブトヤミーのセルメダルを、全部奪っていってしまう。
 「ごめんね。これだけ稼ぐために、セルメダルは全部俺がもらうから」と指一本を差し出した伊達。一億稼ぐことが目的、というのだが、その目的もさることながら、セルメダルがなくてはアンクは身体を維持できないし、オーズの戦いにも支障が生じることになる。次週、映司はセルメダル争奪戦をするつもりはないと、伊達を説得しようとするらしいのだけど……ただ、伊達がそんなに金銭に強欲なタイプに見えないのだよなぁ。いい人でもないかもしれないけど。一億円を欲する、別の理由がありそうなのだけど。
 そしてヤミーの親となってしまった梨恵。「強くなりたい」とつぶやくクワガタヤミーから、「全部滅茶苦茶にしたい」という欲望のクワガタヤミーが生まれたように、本当の欲望は別のところにあるようで。それがクワガタヤミーのつぶやくように「全部滅茶苦茶にしたい」なのかは、まだ不明だけど……
 で、助けてもらったお礼をアンクにも渡そうとする比奈。一度は渡し損ねるものの、お礼はお礼、とアンクのねぐらの屋根裏部屋に、お礼のメダルホルダーを置いておく。劇場版で映司が使ってて「おや?」と思ったんですが、そういう来歴のものだったんですな。比奈のアンクに対する感情も変化してきて、アンクも変化していく……のかどうかはかなり怪しいですが。


2011年01月11日(火) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] べるぜバブ#1とGOSICK#1とRio RainbowGate!#1とカードファイト!!ヴァンガード#1とみつどもえ!増量中#1

  べるぜバブ #1「魔王拾いました」。全国でも超有名な不良校、石矢魔高校で、一年ながら最強ではないかと噂される男鹿辰巳。しかしある日、赤ん坊を頭の上にのっけて登校して来、男鹿の隠し子かと持ちきりになる。男鹿が友人の古市に語るところによると、ある日因縁をつけてきた不良をぶちのめして気絶したのを河で「洗って」いたところ、川上からどんぶらこと「おっさん」が流れて来、そのおっさんを真っ二つに割ると中からこの赤ん坊が出てきたのだという。嘘を吐くにももっとマシな嘘を吐けとマジギレする古市だったが、そんな二人の目の前に怪鳥に乗ったゴシック風の女が現れる。その女、ヒルデガルドはその赤ん坊に仕える侍女悪魔だと言い、その赤ん坊こそが人類を滅ぼすために使わされた将来の魔王、ベルゼバブだと言うのだが……

 ジャンプで連載中のヤンキー子育てバトルギャグマンガのアニメ化。あ〜、これも結構好きだったんだけど、夢色パティシエールのままでも良かったんだけどなぁ。原作は避けてきたバトル路線に突入しそうな気配があるし。
 あまり原作一話は覚えてないけど、原作一話を比較的忠実に映像化したような。まだこの頃は影も形もなかった石矢魔四天王東邦神姫とかもOPでは早々に出てますが。このギスギスニヤニヤな雰囲気が一番好きなんだけど、それの路線で続けられるのかなぁ。夢色パティシエールのままでも(まだ言うか)
 ともかく、何故かED中に入った提供が話題になってつかみはバッチリですね!(多分、夢色パティシーエルが実写のオマケコーナーが最後に入る関係上、本編とEDが早めに終わったことが関係してるんだろうけど……提供テロップの挿入って、目視で確認しないんだ……)


  GOSICK-ゴシック- #1「黒い死神は金色の妖精を見つける」。ソヴュール王国に東洋から単身留学してきた久城一弥は、そのこともあって入学早々クラスにもなじめないでいた。そんなある日、図書館最上階の植物園で、黒いドレスを着た不思議な少女・ヴィクトリカと出会う。人形と見まごう容姿だが、その発言は大胆不敵。しかし、実は彼女は刑事すら事件解決を頼ってくる、たぐいまれなる推理力の持ち主だった。

 すいません、いまいちようわかりません。最初舞台はイギリスなのかと思ったけど、大体そのくらいの時代の架空の西欧の国らしい。大体のキャラ配置と、図書館に閉じ込められてるヴィクトリカの秘密が話の縦糸らしいのはわかるんですが……
 この手の話だとやたらと同級生キャラ(主に女性)が出てきて鬱陶しいという印象があるのだけど、これは逆に日常がなさ過ぎてヴィクトリカの非日常加減がイマイチはっきりしないという。「空から少女が降ってくる」とかは、ベタでテンプレートすぎると言われてるけど、逆に「非日常」をはっきり明示できる強力な「記号」イベントでもあるのだなぁ。逆の意味でちょっといろいろ考えさせられる。


  Rio RainbowGate! #1「ゴッデス・オブ・ヴィクトリー」。ギャンブル好きの大富豪である祖父に、有名なカジノのメッカ、ハワードリゾートに連れてこられたミント。祖父に世界中のカジノに連れ回されてるミントはここでもうんざりしていたが、ここには「勝利の女神がいる」という話を聞き、俄然興味を持つ。

 パチスロのオリジナルキャラクターとして人気の「Rio」の、アニメ化。まあ、なんというか、それ以上でもそれ以下でもなく……キャラ物が中心となったパチンコ・スロットで、逆にオリジナルのキャラをアニメ化してキャラ立ちさせよう、という動きは結構前からありましたが……でも、「うみものがたり」みたいな化け方はしなさそうだよなぁ。
 ギャンブルシーンも演出で凌ぐっぽい感じだし。ハワードさんは欲望に忠実なキャラで好感が持てましたが。鴻上会長に「すばらしいっ!!!!!!!」と絶賛されそうですね。


  カードファイト!!ヴァンガード #1「運命の先導者(ヴァンガード)!!」。巷ではカードゲームが大流行。子供も、高校生も、皆ヴァンガードファイトに夢中になっている。そんな中ある街で、引っ越してきたばかりの中学生・櫂トシキはその腕であっという間に地元のショップNo.1になる。それが面白くないのはそれまでNo.1を自認してきた森川カツミ。しかし勝負を挑んでボロ負けし、「戦略も戦術もなってない」と歯牙にもかけられないのを根に持ち、強力なカードで逆襲してやろうと目論む。
 そんな時、同じクラスの目立たない同級生・先導アイチが、超レアカード「ブラスター・ブレード」を持ってるのを見つけ、ヴァンガードファイターでもないなら、と無理やり奪っていってしまう。
 アイチにとっては、たとえゲームはしなくても大事なカードであるブラスター・ブレードを返してもらおうと、カツミの後を追うが、アイチが見つけた時にはカツミは既にトシキに負け、ブラスター・ブレードもトシキのものとなってしまっていた。大事なカードを返してもらおうとするアイチだが、「どんな経緯にしろゲームの結果は絶対」と突っぱねるトシキに、アイチは一度もしたことのないヴァンガードファイトで勝負を挑む。

 ブシロードがかなり力を入れてるらしい新カードゲーム・ヴァンガードのアニメ、なのだけど……正直、ちょっと微妙かと。いや、今のところ異世界とか超常の力とかいうのがないので、逆に好感は持ってるのですが(あと、子どもたちだけで世界を救いに旅に出る展開にはなさそうだとか)、作画やらがそれほど良くはなく……逆に、カードゲームだけで押し通してくれれば、それはそれですごいなあ、と思うのですが。
 でも、マジでカツアゲはいかんだろ。まあこれはこれでベタでアリですが。あと、キー局がテレビ愛知だからって主人公の名前が「アイチ」はなかろうとw


  本気戦隊ガチレンジャー #1「狙われた子供たち!日本滅亡カウントダウン!」。ガチレンジャーに対し度重なる敗北を喫するゲドール帝国は、少子化を迎えた日本に目を付け、子どもたちを消し去り、日本の少子化を促進しようとする。そのことに気付いたガチレンジャーは、ゲドールの怪人を倒そうとするのだが、逆に被害を広げるばっかりで……

 専用サイトまで用意したスタッフに一応の敬意を表してつきあってみましたが、みつどもえの第二期、 みつどもえ増量中! です。どっちかというと、まあやっちまったな、の方の感じが……いや、レギュラー声優がガチレンジャー劇中の役をやってたり、いろんな特撮物の細かいパロがあったりとかはあるんですが、最近の視聴者はこういうのにあまり引っかからないっすよ……いや、個人的には楽しみましたが、どの年代狙ってるのかと。
 まあ、次回からは前通りのみつどもえに戻ってくれることを祈ります。


2011年01月12日(水) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!#1とフリージング#1とドラゴンクライシス#1

  お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!! #1「兄と妹のヨコシマな日常」。高梨修輔は小心者のくせに年相応以上にエッチなことに興味津々で、実の妹の無防備なエロスにもついつい反応してしまいかけてはあやうく自制する高校二年生。
 が、その妹・奈緒は、兄や家族に対しては年相応に兄に反発する思春期な妹を演じているものの、実は無邪気を装いわざとパンツを見せたり、朝起こしに来たようにみせかけてベッドに潜り込んだりしては、リビドーに翻弄される兄の姿を見て“ホンホン”する、 兄を上回る真性変態ブラコン妹 だった。友人たちにはそんな本性を見透かされて呆れられているが、そんなことにおかまいなく「いつか手を出してくれないか」と兄を誘惑する毎日。
 ところが、ある日掃除と称し修輔のお宝本探索に彼の部屋を探っていたところ、大量のエロ本と一緒に、隠されていたアルバムを見つけてしまう。兄の小さい頃の写真を見てまたもや興奮する奈緒だったが、そのアルバムには家族写真でさえも年子のはずの自分が一緒に写った写真が一枚もないことに気付く。
 そのことを両親に問い詰めた奈緒は、衝撃の事実を知らされることに……

 タイトルが長すぎてどうしようってな感じですが。一部ネットでは「 となんかぜんぜんすきじゃないんだからねっ!!」と一部を抜き出した略称を流行らせようとしてるようですが、さすがにそれは……でも、公式の「兄好」も、検索ワードとしてちっとも引っかからないし。うーん。
 まあ、アレです。エロゲやギャルゲでよくある、「無防備にパンチラ」したり、「風呂上がりのバスタオル姿でポロリ」してしまったりする、サービ要員の妹が、「実はお兄ちゃん好き好き好き好きの腹黒変態だったら」というシチュエーションですな。まあ、大概兄の方も変態なんですが。
 そして禁断の愛を目論むことになるのか、と思いきや、奈緒は実は自分は両親の実の子供ではなかったことを知ることに。が、その事実を知って一番ショックなのが「実の兄妹の禁断の愛が出来ない!」ということなのが、完全に変態すぎる。そしてその後すぐ、「でも禁断の愛ってお先真っ暗っぽいし、血がつながってないなら結婚も出来るじゃん! むしろいい展開じゃん!」と、期待に目をきらきらさせるのが……
 一応、修輔は奈緒と血のつながりがないことを知っていたわけで、パンチラだのにドギマギするのは故ないことではないとはいえ、それ以前にどう見ても変態で、妹が更にそれを上回る変態だからなぁ。
 正直原作知らずに期待せず見て、メインキャラが変態すぎて大笑いしました。これはダークホース。
 キャラクターの体型がなんか妙というのも、原作者の作風に忠実だし。
 いえ、原作者がもともと成人向けの作家だなんてことを知ってるだなんてことを言っておりませんよ? 言ってないんだったら言ってません。多分。


  フリージング #1「Untouchable Queen」。異次元からの未知の敵の襲来により危機に瀕した人類は、「聖痕」との適性を持つ少女たち「パンドラ」により、かろうじてその対抗手段を得ていた。そして、そのパンドラたちと、そのパートナーである「リミッター」たちの育成機関にリミッターとして転校してきたアオイ=カズヤ。彼は四年前の異次元体との戦いで、姉を失った傷を引きずり続けてきた。しかし転校初日、模擬戦で下位のパンドラたちをものともせずなぎ倒す学年一位のパンドラの少女サテライザー=エル=ブリジットに姉の面影を見、思わず抱きついてしまう。

 いや、まるで知らない原作じゃないんですけどね。原作の最初の方だけちょっと見てたんですが。これだけのあらすじ書くにも書き続けるのが苦痛で、どこで止めようかと悩みました。
 原作は「コミックヴァルキリー」ってえ、「戦うヒロインがぶん殴られたり(もがれたり、刺されたり)剥かれたり」という、かなり特殊な趣向のマンガ誌に連載の、韓国人作者による漫画。
 で、内容はないです。ええ、はっきりと。ただ、この作者、いかにもオタク受けする絵を凄い効率で量産するんですよね。その能力の高さにおいてのみ、評価してます。まともな編集の下で、まともな原作者がついてたらまた別の方面で才能が開花してたかも知れませんが。その場合は今回のアニメ化もなかったでしょうね。
 そして、原作通り、内容のない第一話。まあ、以降この調子だと思います。多分。


  ドラゴンクライシス! #1「さらわれた少女」。気弱な普通の高校生、だったはずの如月竜司。ところが、夏休みの登校日に突然現れたはとこ、七尾英理子に無理やりさらわれてしまう。英理子は実は特殊な力を持つ遺物「ロストプレシャス」を集め、保護する組織「世界遺物保護協会(ソサエティ)」の一員であり、その末端団体「セブンテイルズ」の立ち上げをソサエティに認めさせるため、違法な取引からロストプレシャスをかっさらうために竜司を連れまわしたのだった。
 過去の負い目があることもあり、竜司は英理子に協力することになるが、英理子の持つロストプレシャスにより取引のブツの奪取には成功するものの、追手の銃撃に危うい目に。しかし、奪ったトランクから現れた少女が火を放ち、追手を一蹴してしまう。
 少女の力に驚く竜司だったが、なぜか少女は彼のことを知っており、「リュウジ」と彼の名前のみを繰り返し口にし、ひたすら慕ってくる。実は彼女はロストプレシャスどころか伝説の存在「レッドドラゴン」の幼生体であるらしいのだが、竜司には彼女と知り合った心当たりはまるでない。とは言え、言葉もままならず竜司以外に心を開こうとしない彼女の世話を仕方なく見る羽目に……

 ヒロインの声が釘宮恵理で、主人公の名前が「りゅうじ」なんで、いかにも とらドラ かと思いきや、設定は ボウケンジャー でした。
 なんかネットの評価で「専門用語ばっかでわからない」ってのを見かけましたが、このくらい、大体推測つくでしょ? 今まで何見て育ってきたんだと。いや、こういうテンプレにすぐさま適応するのが正しいとも言えないんですが。
 世界観の大枠としては、世界の裏で人々に知られていない特殊な遺物「ロストプレシャス」を回収し保護する団体があり、それと反対にそれを集め取引し悪用する犯罪者や非合法組織がある、ということか。まんまボウケンジャーじゃん。
 まあ、基本設定に加え主人公とヒロインの過去の関係、ヒロインの属するドラゴン族の立ち位置、それと主人公をひっかきまわす狂言回しの役目であるはとこの英理子との過去のいきさつとか、ベタながらに一話でようまとめましたわ。
 でも、ちょっと変なOPととっても変なEDでそれらも持ってかれてしまった感じがしますがキャラ立てはかなり成功してる部類と思います。多分。


2011年01月13日(木) 旧暦 [n年日記]

[読書] チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石/武田尚子

 現代社会ではすっかり身近な、チョコレートの歴史の本。チョコレートの基本的な知識から入り、南米から欧州に広まっていく過程、社会におけるチョコレートの位置づけの変化、そして技術向上によるチョコレートそのものの変化を網羅的に語っている。
 その中でも、重点的に紹介されているのが英国ロウントリー社(キットカットのオリジナルを作った製菓メーカー。現在はネスレ社に吸収合併)について。
 チョコレートが南米原産で、最初は固形物ではなく飲み物として消費されていたことは有名な話。というより、固形物として食べるチョコレートが出てきたのは19世紀になってからのことになる。というのも、現在の形のチョコレートというのは、非常に加工の手間がかかる。やはり大航海時代にプランテーションによる生産量の大幅増加で欧州に広まったコーヒーや砂糖よりもさらに加工が必要で、大量生産には機械技術の向上と家内制手工業の形態から大工場による生産がメインになる生産形態の変化を必要としたからだった。
 そして、プランテーションということは黒人奴隷の犠牲の上に成り立った暗黒時代という形で社会に関与するのはもちろんだが、この「大工場化」の過程でもう一つ、意外な社会との関わり方をする。
 ロウントリー家はイギリスの中間富裕層に爆発的に広がった「クエイカー教徒」の一員だった。クエイカー教徒はイギリス正教とは別の教義を持ち、その一つが「稼業により社会貢献を行なう」というものだった。ボランティアということではなく、稼業でお金を稼ぐだけではなく、そのことを通じて社会に貢献すべきだ、というのがその考え方になる。
 ロウントリー家がその教義で目を向けたのは、社会の工業化により都市部に大量に生じた貧困層だった。商品である「チョコレート」を通じての教義の体現は、「手軽で健全なカロリー補給源」としてのチョコレートの提供だった。
 今でこそチョコレートは高カロリーの代表として良くないイメージも付随するが、総じて当時の下級層は常にカロリー不足だった。そして食事で不足するカロリーを補う代表的なものは「アルコール」だった。嗜好品としてよりも、必要なカロリー源として仕事中にアルコールを補給することが一般的であったが、当然アルコールによる酩酊は作業にはマイナスに働き、さらに生活態度を崩す源ともなった。また、貧困層の家計をより圧迫することともなった。
 そのアルコールの代りとしてココア・チョコレートを売り出す戦略を採った。元々南米や欧州初期には、ココアは「薬」とみなされていたこともあり、「健康的であり、なおかつ良質なカロリー源」としてアピールした。
 そしてもう一つの社会貢献は、労働環境の充実、労働者への福祉として実行される。20世紀に入りアメリカではフォード社に代表されるベルトコンベアーによる作業の効率化が広まっていったが、イギリスでは第一次世界大戦時に単調作業が作業者の集中力や作業意欲を低下させるという研究結果が報告され、「作業意欲を高める仕組み」を構築することが主眼となっていた。ロウントリー社でも賃金体系から低年齢就労者への教育設備の充実、企業年金の拡充など、貧困層を減らし、また作業意欲を維持するためのさまざまな制度を実施していった。
 こういった福祉の制度は現在にも至る福祉政策の基本であり、ロウントリー社が最初と言うことでもないだろうが、その先駆けの一つであることは間違いないだろう。
 現在日本国内でも各種福祉政策で議論が紛糾しているが、概念的な理想論ではなく、「そもそも社会福祉政策はどのような必要上から生じたか」ということを考える良い材料となった。要は「弱者を守らなければいけない」という曖昧な抽象論ではなく、「このような生活レベルを実現するために行なう」という、具体的な政策でなければならない。
 チョコレートの話から、今旬な福祉政策の話が飛び出したのはびっくりしたが、もちろんそれだけではなく他の歴史とも深く関わったその歴史や、チョコレートそのものの開発史、世相の変化による宣伝の変遷など、幅広く楽しめる本だった。これは久しぶりにお薦めの新書。


2011年01月14日(金) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] レベルE#1とIS#1とまどか☆マギカ#1

  レベルE #1「An alien on the planet」。所属していた野球部が中学全国一位になったことで、補欠ながら招かれ山形に「野球留学」してきた筒井雪隆。待ち望んでいた一人暮らしに胸踊らせるが、部屋には金髪の美形の青年がおり、荷物まで勝手に使っていた。追い出そうとする雪隆だったが、捕え所のない青年にからかわれはぐらかされた揚句、「自分は宇宙人だ」と名乗られてしまう。

 富樫義博原作の、SFミステリーコメディ。ネットスラングとしてすっかり一般的になった「斜め上」の元ネタと言った方がわかりやすいかもしれない。(元の台詞は正確には「あいつの場合に限って常に最悪のケースを想定しろ。奴は必ずその少し斜め上をいく」)
 かなり前の連載だけど、よほど原作コンテンツ不足なんだなぁ。とはいえ、原作に忠実にアホ王子の斜め上ぶりも再現されていて、作画も上々。安心して楽しめる出来になりそう。


  IS<インフィニット・ストラトス> #1「クラスメイトは全員女」。未知の敵の襲来に対し、人類は切り札、「インフィニット・ストラトス」を開発、危機を脱するが、再度の脅威に備え、優秀なIS使いの育成が続けられていた。その育成機関IS学園に、織斑一夏が途中入学してきて学園は騒然となる。それもそのはず、ISは女性にしか使えず、当然学園の生徒も彼以外は全員が女ばかり。しかし、一夏は男。彼は唯一ISの使える男だったのだ。

 サブタイトルが開き直りすぎてるけど、設定がもっと開き直りすぎてる。「未知の敵って何故、どこからきたの?」「不明です」「なんでISでしか対抗できなかったの?」「そういうものだからしかたありません」「なんで女性にしか使えないの?」「そういうものだから(以下略)」
 「フリージング」のことを「韓国の漫画家はこれだから……」と、ちっとも笑えませんな。そいでもってアニメ放送の影響で原作が爆売れらしい。日本人、いっぺん滅んだ方がいいかもしれません。
 ってわけで今期二度目のこの言葉を使わせていただきます。「内容はない」。まあ、ターゲットのニーズを的確に捉えた優秀な「商品」ではあるのでしょうね。


  魔法少女まどか☆マギカ #1「夢の中で逢った、ような……」。鹿目まどかは普通に家族にかこまれ、友人と学校に通う中学二年生。しかし、ある日少女同士が魔法で戦う不思議な夢を見る。
 そしてその翌日転校したきた少女・暁美ほむら。彼女は夢に出てきた少女とそっくりだった。とまどうまどかだったが、ほむらは他人との関わりを拒絶し、なおも関わろうとするまどかに意味ありげな言葉を残す。

 シャフト(新房監督)×虚淵玄×蒼樹うめのコラボレーションによる新感覚魔法少女アニメ、というのがキャッチフレーズの新番組。
 キャッチフレーズってのは客引きであり客の興味を引いて店に引っ張り込むためのものであり、店の満足度とは必ずしも同じではない、という前提で言うと、「別に新感覚じゃないだろう」と。
 「魔法少女もの」ってのは亜流派生パロディオマージュが多いので「これこそ王道」というものが定義しづらいが、「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」に端を発するものが最大公約数的に「魔法少女」として認識されているものと思う。「さるとびエッちゃん」なんかも魔法少女にカウントされることがあって「そうなのか? それでいいのか?」と思いながらも、「特殊な力を持った少女が主人公の少女向け作品(多分にファンシーな)」というのが大枠なのだけど、元々多分に「少女の変身もの」とはつかず離れずの関係だった。そこら辺が「ミンキーモモ」や「クリーミーマミ」辺りの流れで完全に合流し、さらにオタク文化の黎明期とも重なり、なんでも分類したがるオタクの習性により、この辺で「魔法少女もの」という概念が発生してきた。魔法少女にはマスコットが必須、という概念もこの辺りから。
 けど、この流れでこのジャンルの性質が変質する。これは魔法少女ものに限ったことではないのだけど、もともと玩具展開はメインではなかったアニメにおいて、どんどん玩具スポンサーの宣伝番組化していくという流れになっていく。これはロボットものだろうが全般的に同じ。
 そして魔法少女ものもこの流れの中で、「女児玩具向けの宣伝番組」という形で生き残っていくのみになる。ある程度の需要はあるものの、かつてほどの求心力はなく、商業主義に取り込まれる形で命脈をつなげることになる。
 この流れの大きな転換点になったのが、「セーラームーン」になる。戦隊もの(あるいは特撮ヒーロー)のフォーマットを魔法少女のガジェットでくるんだこれのヒットにより、セーラームーンの亜流作品が一気に増えることになる。そしてこの影響で逆にバトル要素を持たない魔法少女ものも増えるが、それそのものではもはや世間のニーズに合わないのか、そのジャンル単体で維持し続けるのは難しくなる。ここでさらに転換点となるのが「ふたりはプリキュア」なのだけど、セーラームーンのヒットに端を発する「戦う魔法少女」というコンセプトからさらに「肉弾戦を行なう魔法少女」という形に先鋭化し、これが製作スタッフにとっても予想外のヒットとなり、長年にわたり続くシリーズとなった。(これは最初のプリキュアが、女児層をメインとしながらもサブに保険的に二十代男性層(オタクを狙ったと思われる)を対象視聴者層として企画書に記したり、スタッフも「一年でやり尽くしてしまった」と言ってることから、長年にわたるシリーズになることは期待してなかったと思われる)
 しかし現在、本来的な魔法少女としてそのスタイルを残してるのは、かろうじて「ジュエルペットてぃんくる」と「おとぎチックアイドルリルぷりっ」くらいだと思われる。これらも玩具宣伝番組としての色合いが強い形で、である。
 女児ターゲットの「魔法少女もの」の系譜は以上になる。しかし、それ以外で影響を受けたものとして、「オタク向けの魔法少女ものパロディ作品」が存在する。黎明期のものは複数あるが、いずれも基本的に「上記の作品のパロディとして」という前提で派生していったことは共通する。中でも一番商業的な成功を収めたのは「マジカルなのは」のシリーズだろう。元々成人向けゲーム「トライアングルハート」のファンディスク中のパロディーからのスピンオフになるが、アニメシリーズを重ね、マニア向けムービーシリーズが作成されるまでにいたる。

 話が長くなったが、どう考えても「まどか☆マギカ」は一番最後の系譜、というか魔法少女のパロディでさらに「乗っかった作品」である。「だから作品としてダメか」というとそういうことではないが「新感覚」を標榜するには、すでに敷かれたレールの上に乗っかってる、ということになる。しかも本来的に魔法少女ものではなく、そのパロになる。(そんなことはスタッフが一番良くわかってるだろうけど)
 だから、いかにもオーバーすぎる客引きの後で、何を見せてくれるかを期待してるのだけど、正直一話目ではその客引きのハッタリに見合うだけのものは全然見えてこない。これから次第、なのかもしれないけど、正直虚淵脚本でこのフォーマットはきついのではないのか、と思ってる。杞憂ならいいのだけど。


2011年01月15日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 最終回いろいろ4

 多分これで前期は最後。
屍鬼 #22「。屍鬼の存在に気付いた人間たちによる「屍鬼狩り」により、ひたすら逃げ惑うしかなくなった屍鬼たち。しかし屍鬼狩りの中人間たちも段々暴走していき、屍鬼に操られている者まで犠牲にしていく。その様子に屍鬼の存在を明かし屍鬼狩りを提唱した尾崎敏夫も、戸惑いながらももはや止めることが出来ない。そんな外場村に火の手が上がり、外部との連絡を遮断した村は外から消防を呼ぶことも出来ず、村は火に飲み込まれていく。そんな中、屍鬼たちのリーダーである沙子を逃がすため、人狼である辰巳が囮となるが、やはり人狼となりつつも屍鬼たちを滅ぼそうとする結城夏野がその前に立ちはだかる。そして、辰巳から沙子を託された室井静信も、屍鬼狩りの人々の手に傷つきながら必死に逃げる。

 コミック版の方でも屍鬼狩りの佳境に入ってますが、いろんなキャラの顛末はコミック版より流石にはしょられてますな。もうちょっと話数があれば詳しく描かれた気もしますが、ただ、勢いはこのくらい畳みかけた方がありますね。冷静になるとできないので、とにかく夢中なうちにするしかない、というような。特に、物語の導入となった恵の最期は、「生きるため」と称して人間を殺すことを厭わなかった屍鬼と、行動規範的に人間が同質化していくというのを端的に示してたのが。男性陣が一部の明確な暴走者をのぞき、わりと戸惑いながら「仕方ない」と言い聞かせる様が多かったのに対し、女性陣が日常風景的に、「害虫駆除」と同じ感覚になっていくというのも、逆にホラーでした。
 結局このアニメでは「最後に語る者」として田中姉弟が選ばれたみたいだけど、群像劇でもあるので、生き残った者、死んだ者、そのいくらかでも描かれるエピソードがあればなぁ、と思いますが。


  海月姫 #11「ジェリーフィッシュ・オブ・ドリームズ」。再開発計画に伴う天水館の買収に対抗するため、月海の作る「クラゲドレス」をブランド化して売りだして天水館買収の資金を稼ごうと提案する蔵之介は、ファッション雑誌の読者投稿に応募し、最終選考まで残ってしまう。最終選考のファッションショーに、おしゃれ人間ばかりでパニックを起こすあま〜ずの面々。しかし、月海のデザインしたドレスが優勝してしまい、デザイナーの挨拶として蔵之介にリードされて出てきた舞台の上は、昔お母さんと見た水族館の水槽のようにキラキラとしていて……

 え? これ序盤でしょ!? これで終わりなの!? という感じの最終回。まあ、全11話では仕方なくはあるのだけど。
 お稲荷さんもそれまで手玉に取れると思っていた修に、からかって行った狂言自殺にマジな態度を取られてマジぼれしてしまったし、月海も修に想いを寄せる自分を意識しながらも、蔵之介に対しても修とは別にこれまで異性に感じなかった安堵感を覚えたり、百戦錬磨のはずの蔵之介も単に「面白い素材」だったはずの月海に嫉妬したり変身前にときめいたり、これから人間関係がややこしくなって面白くなるところでの最終回です。二期があるかどうかは、DVD/BRの売れ行きと経営判断次第なんだろうなぁ。個人的には第二期があってくれた方がいいですが。


  それでも町は廻っている #12「それ町」。伯父さんから入学祝にもらった高級万年筆を、それとは知らずに魔改造してしまい、それをどう誤魔化すかに気を取られていた歩鳥。不注意もあってトラック事故に巻き込まれてしまう。
 気がついた歩鳥がいたところは、いわゆる「あの世」。自分が死んだという事実に混乱しつつも、天国入りの事務処理をしていく間に、もうとやかく言っても仕方ないことなのだと受け入れようとする。しかし、天国で流行っている下界への干渉遊びでみんなの反応を見ていくうち、次第に後悔が押し寄せて来て……

 微妙ながっかり感を醸し出す独自路線を歩む原作を、よくここまでアニメ化したなぁ、というのが総括的な感想。荒川・アンダー・ザ・ブリッジより評価高いです。つか、その二作を同時並行で監督してたってのが、意味わかんねwww どういうメソッドなんだろう?
 正直、新房監督作品はものによっては意味ありげなナレーションで泣かせようというものも多く、逆に白けることもあるのですが、これは本編でわりと王道の泣かせだったような。まあ、ナレーションとかが出しゃばりだったのはかわらないんですが。
 多分売上的には外してるんですが、でもこれは出しゃばり演出はありつつも、そこを無視すれば良いアニメ化だったと思います。


2011年01月16日() 旧暦 [n年日記]

[特撮] ゴセイジャー#47とオーズ#18

  ゴセイジャー #47「地球救星計画の罠」。ブラジラの使う天裝術が今の天裝術と違い、いにしえの天裝術であることに気付いたゴセイジャーたち。同じくいにしえのヘッダーであるゴセイナイトには、ブラジラの天裝術の方が相性が良いため逆らうことは出来ないのではないのではないかと、気持ちを暗くする。そんなとき、ブラジラが邪悪なヘッダー、バリ・ボル・ダラとロー・オ・ザー・リーを引き連れ現れる。しかもそれだけではなく、ブラジラの影響下に置かれてしまったゴセイナイトもダークゴセイナイトと名乗り現れ……

 今の地球と仲間であるゴセイナイトをめぐり、ブラジラと対峙するゴセイジャーたち。でも、ゴセイナイトはブラジラに操られてゴセイジャーたちの前に立ちはだかる。
 ブラジラは部下のヘッダーたちを「道具」と言い切り、使い捨てにすることも厭わないのだけどそれだけではなく、二万年前にも一緒に使命を帯びてやってきた仲間の護星天使たちから力を奪っていた。いや、なんつーか、流石にブラジラが「今の地球は汚れきってる云々」って言う資格はないような……
 ゴセイナイトを信じて戦うゴセイジャーたちはバリ・ボル・ダラを倒すが、それこそがブラジラの思うつぼ。ゴセイジャーたちに倒された邪悪なヘッダーは地球を滅ぼすための杭と化した。あとひとつ杭が出来てしまえば、地球はブラジラの思うがままになってしまう。つか、なんか迂遠な手が好きだよね、ブラジラ。
 それと邪悪のヘッダーの名前の元ネタは「ハリー・ポッタ−」と「ロード・オブ・ザ・リング」。大物で来ましたなぁ。ロー・オ・ザー・リーはなんか投げやりな気もしますが。


  オーズ #18「破壊と理由とウナギムチ」。一億円稼ぐためにセルメダルは全部回収する、と自分の目的を語る伊達。それのみならず、カブトヤミーからクワガタヤミーが分裂した理由にも頭を悩ませる。映司は、「もしかして強くなりたいという欲望の裏には本当の欲望があるんじゃないか」と気づき、梨恵に会い、確かめようとする。
 一方、バース装着者である伊達のことを調べようとしていた後藤は、バースに未練たらたらである自分に気付き、プライドと欲望の間で葛藤、放浪した挙句、行き倒れ同然にクスクシエにたどり着く。

 鴻上が見つけてきたらしいバースの装着者、伊達晃。飄々として「セルメダルは全部俺がもらうから」と言いつつも、人当たり自体は妙にいい。そして他人との距離をある程度取ろうとする映司たちと違い、どんな相手にもずかずかと踏み込んでいく。
 そんな伊達が推測した梨恵の本当の欲望とは、剣道部顧問の橋本への恋心。彼に振り向いてもらうために強くなろうとし、しかし彼が結婚することに絶望し、彼の結婚式をめちゃくちゃにしたいと望んでいた。そんな梨恵に「欲望はいいんじゃないかな。でも、自分を泣かせちゃいけない」と語る伊達。伊達の言葉に、梨恵は自分の欲望の暴走を止めようと駆け出す。
 でも映司、アンクですらも伊達の言葉の示唆するところを察したのに、なんというか……そりゃアンクも呆れるわ。
 しかし、お人好しでありながらも「意外と食えない男」である映司。伊達に「恋愛関係に鈍感なの、なんとかなりませんかね?」と泣きつきながら、メダルタンクに密かにタコカンドロイドを紛れ込ませ、ヤミーの出現場所を知る伊達の後をつける。
 結果的に共闘することになったバースとオーズ。ウヴァまで乱入して来、最初はバースを利用してヤミーを倒そうとしていたアンクたち。でも逆に利用されることに。伊達はほとんどセルメダル総取りなんだけど、やっぱりセルメダルが必要なアンクとみにくいセルメダルの奪い合いをすることに……まあ、端から見てる限りには愉快だけど、ずっとこれって困るんじゃない?
 そして今回初使用のウナギメダル。メズール系のメダルの使用は初めてだなぁ。特殊能力は、肩から腕にかけて装着された電気ムチ。次のエピソードで鳥系のメダルが揃うらしいのだけど、劇場版で初お目見えしたタジャドルコンボがついに出てくるのかな? その後で水棲系のシャウタコンボか? オーズベルト解析と劇場版で、恐竜系コンボも示唆されてますが……他にも甲殻類系のメダルもあるという話で、これのコンボもあるのかな?


2011年01月17日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] 内閣改造後の菅政権支持率21%→26%

  与謝野氏起用「評価しない」50% 朝日新聞世論調査朝日 )。いや、内閣改造でこの上昇率ははっきり言ってもう末期でしょう……で、「支持する理由」に「民主党中心の内閣」ってのがあること自体が既に意味不明なんですが……連立内閣でもないのに「民主党中心の内閣」なのは当り前のことで、それがどう評価理由になるのかまるで意味不明なんですが。
 省略された質問文、あるいは口頭での説明があった場合はその全部を聞いてみたいものです。

[アニメ] これはゾンビですか?#1

  これはゾンビですか? #1「はい、魔裝少女です」。相川歩は普通の高校生……ではなく、実はゾンビ。通りすがりの何者かによって殺され、通りすがりの希代のネクロマンサー少女、ユークリウッド・ヘルサイズによってゾンビとして復活したのだった。とは言え、五体バラバラにされても死なないことと日光が死ぬほど苦手なこと以外は特に変わるところはなく、いつも通りの日常を過ごしていた。何故か一人暮らしの家に、ユークリウッドが一緒に棲み着いたことを除いて……  そんな異常に慣れつつあったある日、ゾンビの習性かつ居心地の良さに墓場に夜の散歩に出ると、チェーンソーを振り回すフリフリ衣装の少女とでっかい熊の着ぐるみが戦っているところに出くわしてしまう。

 いや、まあ、なんというか。主人公が変態系というだけで、まあ一応は見れてしまう自分がなんか嫌だ。
 まあ、どっちかというとコレに関連してか三石琴乃氏が若手声優の演技に「もう少し頑張らないと……」ということを言ったのがむしろ話題になるような気も。話してる相手の物理的な遠近での演技の使い分けができないとか、声を張るべき演技の所で張ってないとか、わりともっともな指摘とも思います。
 まあ、それはともかく、コレなんですが……なんともいいづらい感じで。B級スプラッタのいい加減突っ込みどころなばっかのところを楽しむ、という感じでいいのでしょうか? B級どころかC級、D級の気がしますが。Z級まで突き抜けてないのが微妙なところ。あ、この場合の「B級スプラッタ」ってのは比喩で、ジャンル的にはスプラッタじゃありません。


2011年01月18日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] 渡る世間は馬鹿ばっか(四割)

  江田法相「マニフェストは(野党時に)心眼で作った」見直しへ産経 )。基地外おすなぁ。政権交代前から自民からのツッコミに「財源は政権を取ってから考える」「やってみなければわからない」と人を食った返事ばかりをし、自民党はもちろん一般国民の間からも「どう考えても無理だろ」「詐欺としか思えん」と言われてたんですが。つか、「心眼で作った」だなんて戯言を口にする時点でまともに考えてなかったってことなんですが。菅首相は「今まで仮免だった」と発言して国民を覆いに呆れさせましたが、こんな発言するようじゃ仮免すら嘘じゃん。
 そしてほんとこんなのの何を信じて世の中の四割は投票したんでしょうね?
 騙すヤツが一番悪いとは言え、ちゃんと信じられるか本気で考えようとしないのはただの怠慢のアホです。(情にほだされるとか、同情すべき場合もありますが)
 そういう人は「そんなことも考えてなかったのか!」と憤る前に、簡単に調べられることも調べようとしなかった自分を責めさいなんで苦しんでください。
 と、今改めて自民党の民主党批判ネットCM探して見たら、内容は言わずもがな(自民党がゆるぎないかもともかく)、結構いろんなキャラがそれなりに美化されてるのに改めて気付いて笑ったw キャラクターデザインを醜悪にすると、逆に批判や攻撃の対象になるって判断だったんだろうなぁ。
  【自民党ネットCM】プロポーズ篇
  【自民党ネットCM】ラーメン篇

 あと、 この人たち が内部抗争やってるかと思うと、感慨深いもの……は、まあないですが。

  「保護者の苦情で不眠症」教諭提訴 保護者「娘に差別」朝日 )。2chとかでは「モンスターペアレントを教師が提訴」と騒いでる人もいるけど、この記事を見るとどっちの言い分が本当なのか、ようわからん感じなのですよね。「セクハラサイコロ教師」の報道が、「実は生徒からもっぱら慕われてた先生のジョークグッズ(ハグとかキスとか書いてあっても本当にしたわけではない)」とかいう話が出てきた例もありますし、あまり決めつけずにいたいと思います。

  世界初のモザイク入り3Dは日本だけ!お下劣過ぎる映画『ジャッカス3D』!シネマトゥデイ )。映画の内容そのものよりどういうふうに見えるのかが興味あります。っつーかスパイク・ジョーンズなにやってんのよ?

[アニメ] みつどもえ増#2とGOSICK#2

 どっちも簡単に。
  みつどもえ増量中 #2。前回のインターミッションを挟んで普通のみつどもえの再開。まあ、もっぱら矢部っちがひどい目に遭うのはいつも通りなんですが。一応一通りのキャラ総登場。みんな濃いヤツばっかだから、大変だなぁ。中でもみつばの牝ブ○属性が異様に強調されているような……まあ、あのふくよかさを見れば仕方ないか。

  GOSICK-ゴシック- #2。密室殺人、というか、密室化した豪華客船での殺人事件、そして過去の事件、とそれらしくなってきたのだけど、多分、「そんな巨大客船を建造・あるいは改造したら、それだけで完全に足がつくだろ」というのはつっこんではいけないんでしょうか?あと、悠木碧、ほんの去年まではアニメ声での一本調子の演技だったのに、抑えめを基本に演技の強弱付けれるようになったなぁ。これはびっくり。


2011年01月19日(水) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 兄好#2

  お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!! #2「ツインテール、兄妹を襲撃」。修輔と血のつながった兄妹でないことを知った奈緒は心機一転、これまで通り兄の誘惑に精を出す。が、対称的に奈緒が自分と血のつながらないことを知ったと知らない修輔は、エロ本が見つかって没収されたことに意気消沈。学校のエロ仲間にエロ本を恵んでもらうことに……
 そんな中、奈緒のクラスに転校生がやってくる。その転校生は可愛い上にうっかりの多い奈緒にもやさしく、早速打ち解け仲良くなるが、忘れ物を届けに教室にやって来た修輔を見て、初対面のはずなのに意味ありげな表情を見せる。

 結局、「兄好」にするしかないのか、略称。まさか2ch風に「おち○こ」てわけにはいかないものなぁ。
 で、兄妹を引っかき回す修輔の「昔の女(?)」、土浦彩葉(いろは)登場。奈緒が見つけた修輔のアルバムに写っていた、ツインテールの少女がそれ。奈緒が引き取られる前に引っ越してしまったのだが、また両親の仕事の関係で戻って来た。当人はそのことを最初は秘密にし、修輔も気付かなかったのだけど、髪をツインテールにしたのを見て思い出す。のみならず、いきなりキスまで奪われてしまう。
 彩葉は小さい頃から修輔のことが好きで、お医者さんごっこをしようと言う彼に「恋人にしてくれたらいいよ」と約束をし、それを真に受けて再び修輔の前に現れたのだった。物好きだなぁ。
 修輔にとっては単に目先の色欲に釣られて深く考えずにしてしまった約束だが、奈緒につい向けてしまってるヨコシマなアレコレを指摘され、終始押されっぱなし。もちろん彩葉は奈緒が本当の妹でないことも知ってるし、それどころか、修輔のハッスルしてる夜の一人遊びのことまで……うわ、完全ストーカーやw
 けど、奈緒は修輔と彩葉の間が何かおかしいと感づきつつも、修輔の中学校時代のアルトリコーダーを見つけてホンホン。いや、「それじゃ変態だよう」以前に、もう既に完全に変態ですから。
 こんな可愛い子ならむしろご褒美ではと思えるのだけど、エロエロのくせに奈緒に対しては妙に純情な修輔は、意に染まぬファーストキスをしてしまったことにショックを受け、自分のエロさがこんな事態を招いてしまったと、エロ断ちを決意。仲間たちからもらったエロ本も捨てた上に、奈緒の挑発もこれまでと違いまったく無視。学校のエロ仲間からも抜けてしまう。
 今回は奈緒にエロ本の趣味を暴露されたり、彩葉に夜の一人遊びを詳細にレポートされたり、修輔、公開処刑状態ですな。これは死にたくなるわw
 そして来週は修輔が彩葉に脅されデートで、奈緒がそれを ストーキング 尾行するっぽい。
 あと、OPとEDに出てくる委員長がちょっとだけ顔見せ。エロ本を学校内でやりとりする修輔たちにあからさまに軽蔑の表情を見せるのだけど、OP見るとこの人もまともな人じゃなさそうだよなぁ。


2011年01月21日(金) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] フラクタル#1と放浪息子#1と夢喰いメリー#1とまどマギ#2

  フラクタル #1「出会い」。ノイタミナのオリジナル枠。空から降ってきた少女、三悪人、と、ラピュタやらナディアやらを連想するアレ。萌え方面ではない作画とかは狙ってるのだろうけど、話が、いかにも評論家が作ったものだなぁ、と。「頭で作ったもの」臭が強いというか。お約束、作法への義務感が強いのだよなあ。画面上で作品を引っ張る縦糸が見つからない感じ。
 今主流の萌えとは違うなにかをやろうという意気込みは伝わるし、ヒロインかと思ったら最後でひっくり返るのは面白かったけど。ストーリー原案と監督、どっちもまず頭で考えちゃうタイプだからなぁ。
 まあ、様子見。ヤマカン引退するのも勿体ないし。(どっちにしてもしないのはわかってて言ってますよ、ええ)


  放浪息子 #1「おんなんこってなにでできてるの?」。志村貴子の「青い花」に続くアニメ化。ジェンダーに関わる作品を多く出してる作者だけど、これも「女の子の格好をしたい男の子」と「女の子の格好をしたい女の子」の話。性同一性障害とかではなく、「どうして男/女らしい格好をしなくちゃいけないの?」という、世間とはちょっとズレた価値観を持ってるだけ。とは言っても、その疑問に誰も明確に答えられず、社会常識の押し付けに「やっぱり自分達がおかしいのかな?」と悩みながら周囲とぶつかったり、逆に周囲を巻き込んだり。
 独特な塗りの画面や、原作では小学校からだったのにのっけに中学入学を持ってきて小学校での事件を匂わせたり、男女別の「制服」に初めて接して戸惑う主人公たちを見せて、興味とテーマを明確にしてる。これは上手い構成。タイトルはマザーグースだし。このレシピで作ったらパワーパフガールズができそうですが。(ケミカルXがないか)
 今主流の萌え的な展開はないはずだけど、どこまで視聴者を引きずり込めるか、楽しみ。


  夢喰いメリー #1「夢現」。平凡な高校生に見える夢路にはひとつの特技があった。それは、指で作ったフレームごしに他人を見ると、その人間が今晩見る「夢」のイメージが色で見えること。しかし夢路自身がここしばらく猫やわけのわからないものに追い掛けられる悪夢を見続けていた。
 悪夢のことが気になりながらも所詮は夢と割り切ろうとする夢路だったが、学校の帰り道、奇妙な格好をした女の子が木の上から降ってきてぶつかる。気遣う夢路にもぶっきらぼうな態度を取って去ってしまう彼女に呆気にとられるが、しかしそのことを気にかける暇もなく、いつも見る「悪夢」が白昼夢として夢路に襲い掛かってきた。

 これと「君に届け2nd seson」で今期は最後かな?
 まあ、ヒロインがかわいいバトル系マンガです。ありがちな。とはいえヒロインのデザインでかなりキャラ立ちしてるので、その手のものとしてはわりと見れてしまいます。面白いかというと微妙ですが。


  まどマギ #2「それはとっても嬉しいなって」。「魔法の」って枕詞をつければ撲殺バットでも濡れタオルでも戦車砲でもなんでも魔法少女のアイテムになると思ってるだろう、という製作者に突っ込みたくなりますな。とは言えわりと面白いのも事実なんですが。魔法のフリントロック式て。作風をゴシック&サイケデリックっぽく見られる系統でまとめようってことでしょうかね?
 魔法少女の要素を記号的に扱ってるだけってことを気にしないかぎりは「魔法少女である必要ないじゃん」というツッコミも抑えて楽しめるます、もしかして、この疑問を押さえ込んで楽しんでる感覚が「新感覚」?(なわけはない)
 でも、「あからさまに邪悪そうなマスコット動物」とか、「何も疑問を感じず頭悪い感じにけたたましい友人が、どう見てもそのうち酷い目に遭う担当」とか、トラップがあからさまでどうすればいいのか……
 まあ、虚淵氏もtwitterででっかい釣り針をたらすなど、隠す気もないようですが。
 それと、ダンス・イン・ザ・ヴァンパイアバンドで、動きまくりのアクションが苦手かと思ってたシャフトが(下手ということではなく、アクションシーンが流れの中で浮きがち)、結構良いアクションシーンを描いてるのは良い感じです。


2011年01月22日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 君に届け2nd season#1

  君に届け2nd season #1「バレンタイン」。新番組はこれで最後か。
 前回、総集編的な胡桃沢うめの回想による話があったけど、話としての続きはここから。
 バレンタイン、みんなにお礼の意味でチョコレートを渡そうとする爽子だけど、翔太に対してだけは意識しすぎて渡しそびれてしまう。一方、翔太の方も内心爽子からのチョコを期待していて……
 じれったい二人によるラブコメというコンセプトは今回もそのままに、翔太への特別な想いを自覚した爽子と、完璧超人なのに爽子に近づきすぎて関係が壊れることが怖い翔太が、「仲のいい友人」では満足できなくなりつつも、近づくのをためらう姿がメインになる……のか? いや、多分。
 まあ、前期から安定の出来です。


2011年01月23日() 旧暦 [n年日記]

[特撮] ゴセイジャー#48とオーズ#19

  ゴセイジャー #48「闘うゴセイパワー」。自分たちが倒した闇のヘッダーが地球を壊す手助けになってしまった上、望まで巻き込み傷つけてしまったことに意気消沈するゴセイジャーたち。しかし何故、同じ天裝術を使えるはずのブラジラがゴセイジャーたちのゴセイパワーを必要とするのか。もしかしたらブラジラの使う天裝術はアラタたちの使う天裝術と違う質のものではないかと推測する。実際、天地博士の身体を借りているマスターヘッドの話によると、ブラジラは禁じられた天裝術に手を出したという話なのだが……
 そんな中、ゴセイナイトとブラジラが姿を現す。ゴセイジャーたちは現場に向かうが、エリだけは望の治療のために研究所に残る。エリは望を傷つけてしまったこともあり、これ以上自分たちのことを黙ってはおられず、望が傷ついた理由と、自分たちの正体を天地博士に話そうとするのだが……

 ゴセイナイトを取り戻そうとして、しかし仲間の声も聞かずゴセイナイトと闘うアラタが本来見せ場なんだろうけど、どっちかというと、天知博士の寛容さの方が……実は天知博士はマスターヘッドに身体を貸す際に、マスターヘッドからゴセイジャーにまつわるすべての話を知らされていた。それを知った上で、地球を護る助けになるなら、とマスターヘッドを受け入れ、アラタたちのことも改めて受け入れていた。息子である望の負傷のことも、望自身が覚悟して地球とアラタたちのために、と決意と覚悟をしたということで、彼らを責めることはしなかったんだろうなぁ。
 アラタも、ゴセイナイトが三本目の杭になると聞かされ、ゴセイナイトに本気の全力で向かっていくのだけど、実はゴセイナイトを倒すためではなく、ゴセイナイトを満たすブラジラの闇のゴセイパワーを枯渇させ、自分のゴセイパワーで満たすための作戦。
 まあ、ここまではいいんだけど、「ゴセイナイトではなく、実はロー・オ・ザ・リが本当の三本目の杭だったのだ!」って……いや、これまでブラジラが連れてきてた闇のヘッダーが二連続で杭だったんだから、そのくらい普通に考えておくべきでは? 最低でも「どっちも倒したら杭になるかも」とは考えるべきだよなぁ。ハイドの存在の意味、ないだろ。いや、尺の関係があるから展開を巻かなきゃいけないってのはわかるんだけど。
 とりあえずメンバー再集結および、最後の決戦、ということにはなるのかな?
 それと、「ナモノ・ガタリ」って、「ナルニア国物語」の方ですか。確かにそっちの方が統一性があるけど、その略しかたは……


  オーズ #19「赤いメダルと刑事と裏切り」。映司が朝目を覚ますと、何故かクスクシエで後藤が働いている……理由を知世子に聞くが、行きだおれていたところと助け、「一度死んだつもりで頑張る」と言って居座ったとしかわからず、首をひねる。
 そこに里中が現れ、映司を鴻上の元へ。映司が鴻上に会うと、欧州土産だと言って、赤いメダルを手渡す。映司は驚きつつも、やはり鴻上が行方不明のメダルを持っているのか、そうだとするとその目的は、と聞くが、やはり鴻上は何も答えない。
 しかし映司の悩みはそれだけではなく、もしアンクがこのメダルを見つけてしまったら、右腕しか復活できないために泉信吾の瀕死の身体を維持してるのを、信吾の身体を見捨ててしまうのではないかということ……自分が持っていてはアンクに気付かれると、渡されたメダルを鴻上に返してしまう。
 そんな映司が鴻上の元からクスクシエに戻ると、ヤスと名乗る男が泉刑事に会わせてくれと押しかけてくる。このヤスという男、かつて仲間を警察に売ったさいに泉信吾に助けられたことがあり彼に恩を感じてるらしいのだが、アンクが出入りしてるところを見られてしまったようなのだ。
 話がややこしくなる前に追い返そうとするが、空気を読まずヤミー出現の気配を感じたアンクが屋根裏部屋から降りてきてしまう。しかも、アンクが感じたヤミーの親はかつてヤスが警察に売った山金という男。泉刑事とヤスに復讐心を燃やしていたのをカザリに目を付けられ、寄生型ヤミーの親にされたのだ。
 オーズに変身して一旦は退けるが、復讐の対象がアンクが乗っ取っている泉信吾、泉信吾の妹である比奈、そして自分を売ったヤスとばらけていては対処しにくいと、恩返ししたいと言うヤスに自分と比奈の護衛を頼むことで、山金の狙いを一箇所にしぼる。心配する映司だが、アンクの狙い通り再び山金が現れる。だが、成長したヤミーは、ライオンとクラゲが一緒になったような、今まで見たこともない姿で……

 バース登場で鴻上側の戦力が一気にアップしたというところで、グリード側も新たな戦力が。それは、メズールのメダルを取り込んだカザリが生み出した、複合ヤミー。ライオンとクラゲの複合ヤミーで、切りつけるとクラゲの分体が発生してきりがない。かと言って、メズール系のヤミーの弱点である光と熱を使うと、ライオン側のボディで防いでしまう。伊達が途中で参戦するが、カザリもやってきて、「セルメダルベースならコアメダルに敵うわけがない」と、微妙に説得力のあることを。まあ、バースは本体の基本スペックは低めで、多彩な武装で戦うタイプなので、接近戦の速攻に持ち込まれるとどうしても弱いわな。しかし、それにしても弱体化早!
 そして今回の話を引っかき回すもう一つの要素が、ヤス。泉信吾に恩返ししたい、と言いつつ近づいて来たのだが、実はカザリに脅され、アンクの持つメダルを奪うために近づいて来たのだった。そのために、オーズのメダルはアンク自身のメダルの一個を除き、全部カザリに奪われることに……
 逆にカザリは自身のメダルを八つ揃え、その他のメダルも吸収してしまう。完全復活ではないとは言え、これってかなりやばくない?
 あと、今回は真木がカザリと伊達におちょくられっぱなしという。真木自身は、グリードとの繋がりを感づかれつつ鴻上に泳がされてるというのに、気付いてるのか気付いてないのか。まあ、真木が死んだら色々いろいろ困りそうなので退場しないとは思いますが。
 次回は大ピンチなんだけど、映画で先行した中間パワーアップフォームのタジャドルコンボが登場。劇場版では登場→即フィニッシュ、な感じだったので、タジャドルスピナーとか、能力がどうなるのかに注目。


2011年01月26日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] 民主政権の出すコメントは読んでて一々疲れる

 「自民は審議拒否するなら対案を出せ」ってどんだけ面の皮厚いねん、と思うのだけど、朝日新聞(紙版)も社説やコラムを読んでて白々しいこと。最近は政治論壇誌の論文を読んでるのと変わりないというか、最低限の情報収集源としても価値が失せてきた気が。
 それ言うとどの新聞がマシか/どの部分が酷いかという話になってしまうのだけど、流石に朝日はうんざりですわ。今日の天声人語も「 日本版はどうも、国家が期待する人間像を紛らせたようだ。唱歌自体、西洋文化を学ばせる国策だった▼だんだん歌われなくなったのは、この創作部分ゆえと聞く。門出の場で教師が恩を売り、立身出世を強いるのはまずいと。」と、根拠も出典も判らない文章を無理やり挿入してるし。いや、それどこで聞いた話だよw とりあえず「大学入試で天声人語が用いられなくなったのは次第に質が低下していったからである」というのなら今回の天声人語読んだだけでも信じますが。
 それはさておき、出どころ不明の「交換条件飲むなら菅政権支援する!」という話も信じてしまいたくなるくらいほんとひどいんだよなぁ。いっそ日経でも取ろうかと迷ってしまうけど、日経も背景をちゃんと読み解かないといけないのは変わらないし。
 とりあえず誘導するにしても記事で情緒的な扇動を隠そうともしないのはなんとかしてくれ。

[アニメ] 兄好#3とGOSICK#3とフリージング#3とドラクラ#3

  お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!! #3「ライバル出現!兄妹大ピンチ」。妹の奈緒にヨコシマな感情を抱いてることを含め全部ばらすと脅され、修輔はしぶしぶ彩葉とのデートに……脅されてのデートだなんて楽しいワケがない……はずが、やはいかわいい女の子に密着されたりでそううれしくないこともない感じの修輔。
 が、兄の異変を感じ、こっそり後をつけてきた奈緒がその姿を見ていた。それのみならず、奈緒の友人の尋乃と春華が兄をストーキングする奈緒を発見、さらにAGE探検隊まで……

 今回も良い具合に変態でアホですw
 奈緒にいろいろばらすと脅され(いや、ホントは奈緒は全部知ってるんだけど)、しぶしぶデートしてるはずが、密着されたり水着姿を晒されたりで、本性がエロ魔人の修輔は煩悩を抑えるのに憔悴してフラフラ。さらに別れ際にキスをせがまれ、どころか、あやうくお持ち帰りまでされそうになってしまう。そんな彩葉を拒絶しつつも彩葉に振り回されてる修輔の姿に「ヨダレを垂らして喜ぶ」奈緒。なに考えてんだこの変態w
 さらに奈緒は、尋乃と春華が尾行してたのにとっくに気付いてたのに、気付かぬふりをしていていざというとき「彩葉といっしょにいる修輔、そしてそれを物陰から見てる自分」を写メで撮ってくれと強要。自分をつけてる友人に気付いてたのにそれまでおよがせといた意図がわからんw
 「兄の性態観察日記」によれば、兄との関係を成就するためにこのくらいのイベントは必要、問題なし、らしいので本人がこのイベントをシチュエーション含めて楽しんでるようなのだけど……それはそれとして変態だ。
 けど楽しむどころじゃないのはむしろ修輔。奈緒の兄弄りの一環として、彩葉とのデートを感づいてるかのようなツンケンした態度を取られ、さらに彩葉からストーカー丸出しな慰めの電話がかかり、前門の虎後門の狼状態で転がってるところ、うっかり奈緒のスカートの中が見えてしまい思わず凝視。奈緒にボコボコにされてしまう。奈緒も自分から見せるんじゃなきゃ恥ずかしいのか、意外。が、この一件で「奈緒の良い兄でいよう」という修輔の決心は崩壊、元のエロ魔人に……そしてその姿を見守り歓喜する妹。変態兄妹だ。
 次回は早くも水着回らしい。が、このアニメの自主規制基準がさっぱりわからんぞ。下着は出たり出なかったりだしそれどころか水着のアンダーまで……うーん、「一輪につき何チラ」とか基準があるのか?


  GOSICK #3「野兎達は朝陽の下で約束をかわす」。クイーン・ベリー号編完結。いや、これ犯人が誰かはともかく、動機まで含めて当てられたのか? 完全に提供されてる情報が不足してるんですが……これだけ大規模なことが出来た資金については、「占いに従って莫大な資産が与えられた」で説明されたけど、いろいろ説明不足過ぎなところが多すぎて……もしかしたら単にアニメ化で省略されただけかもしれないけど。
 なんか見ていてちっとも釈然としない推理ものという印象。キャラものとしてわりきるべきなんだろうなぁ。(探偵小説は基本的にキャラものだし)


  ドラゴンクライシス! #3。典型的テンプレート。「世界各国の不思議な秘宝を集める組織と個人」というあたりは、面白くできそうなんだけど、なんというか、主人公の超パワーとイキナリ展開にしか寄与してないという。もうちょっと主人公がローズに拘る説得力が、映像的にしろ演出的にしろあったらなぁ。

  フリージング #3。いや、これテンプレート以前にもうかなり見ててつらいんですが……グロとかそういう話以前に、中身がなさ過ぎるし、かと言って作画が良いわけでもない。それなら切るのが妥当なんですが、ここまで駄作すぎると、切ってしまうのも逆に惜しくて(意味不明)。何か切る事態になったらこれを真っ先に切ろう。


2011年01月27日(木) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] レベルE#3とまどマギ#3とRio#3

  レベルE #3「Risky Game」。雪隆が出会った宇宙人と名乗る記憶喪失の青年は、実はとある星の王子だった。しかし、彼がボコボコにしてしまったチンピラが実は地球に住んでいた宇宙でも名高い戦闘種族のディスクン星人で、仲間の報復のために雪隆のアパートはディスクン星人たちに取り囲まれてしまう……

 最初のエピソード、終了。原作でも王子の「斜め上」ぶりがいかんなく発揮されたのだけど、最後の日記を文字でなく自主制作ビデオにし、そのカメラの搭載先が原作にはなかった要素になってたりとか、結構練られてますわ。うん、これはかなり良いアニメ化です。
 基本的に原作通りエピソードを追うっぽいけど、次は切ないような、そうでもないような。


  魔法少女まどか☆マギカ #3「もうなにも怖くない」。ちまたで散々噂のトラウマ回。のはずなんだけど、事前に情報が(否応なく)入ってたせいか、世間で騒がれてるほどの衝撃はなかったんですよね。(キャラに感情移入がさほどできてないってのもあるとは思います)
 これって「事前に話の肝の情報が入ってた」のが大きいのか、「虚淵脚本だからこんなもんだろ」というのが大きいのか、死んだキャラに思い入れが抱けなかったのが大きいのか、なんとも。いずれにしても「意地の悪いことやろう」という意図がたいそう面白そうです。


  Rio -Rainbow gate!- #3「シスターズ」。ハワードリゾートのディーラーとして新しく来たリナ・タチバナはリオと一緒に育てられて幼馴染だった、という展開なのだけど……明らかに腹に一物持ってますわな、リナ。
 なんかゲートに対し一物ありそうなリナに加え、さらにハワードリゾートに仕掛けてきた人物が……これって、髪型とかからして、新キャラのはず……なんかハワードオナーも移動カジノとか考えてるようなのだけど。ゲートホルダーとの対戦が本格化するんですかね。日笠陽子が今までにないタイプのキャラで出てくるのが気になりますが。


2011年01月29日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 床屋政談

 なんかエジプトの大規模デモの影響か、サウジに対する人権弾圧批難が一部でもおこってるらしく、「あれ? いま騒がれてるのってエジプトでは?」って感じでちらほらとそっちの話題も目の端に入って来たり。
 そんな中で「映画評論家の町山智浩氏がツイートで炎上してる」というのを小耳にはさみ、 まとめ を見てみると、「サウジの人権弾圧を批判する町山氏と、サウジは悪いところではないと主張する相手方のやりとりで、相手方の町山氏の発言引用がシステム的に不適切だったために、町山氏が『レイプ事件は被害者に回避義務もある』と発言してると誤解され(その発言をしたのは相手側だった)、町山氏が相手の発言の批難を受けてしまった」ということらしい。
 この騒ぎ自体は基本的にそれだけのことだし、町山氏の政治的スタンスには同調しかねる部分もないではないが、この件は相手側が議論に対して不誠実な態度を取ってるのが明らかに問題。
 で、同調しかねるってのは、全部を西欧的「人権」価値観で見るのが正しいか、ということであるのだけど、これは個々人の主義主張によるところが大きく、「間違ってる」ということでもない。
 さらに、町山氏の相手側が「宗教戒律なので」とたびたび言ってるのだけど、他のイスラム諸国がそこまでしてるか、というとそんなことはない。要は、宗教戒律って解釈のしかたによってどうとでも運用できるんだよね。
 原理主義的に「この言葉の解釈しうる最大限の幅で解釈する」ということもできれば、「こう書いてあるけど、ガチガチにやるとみんな困るんで、回避法を作る余地を残すよ」ということもできる。
 いや、コーラン自体が当時の中東情勢を元にして作られた戒律で、その当時にはその戒律を作る合理的理由があった。けど、世情の変化で合わない部分も出てくるから、弾力的に運用する、ということが多く行なわれてきたわけで。だから、サウジの戒律は「サウジの地方戒律」にすぎない。「宗教的なものだから」と干渉を否定するのは、ちょっと違うのだよね。とはいえ、それに干渉すべきかというのは、またちょっと違う話になる。ただ、こういうことは純粋な宗教的理由ではなく、歴史、政治などの理由が複合的に混ざり合ってる、ということ。
 あと、宗教の戒律ってのは、その当時の政治的情勢、経験則が反映されてるので、時代が移り変わればそれを単純に固守していては問題が生じる。もっと言えば戒律による規制の拡大解釈をしている原理主義などはもってのほか。
 むろん、宗教の全廃などを主張してるわけじゃないけど、宗教ももっと弾力的な運用をする方向に行かねば悪い方向にしか働かない、ということ。

[アニメ] 夢喰いメリー#2と放浪息子#2

  夢喰いメリー #2「夢もキボーも」。ジョン・ドゥにより身体を乗っ取られそうになったのを、メリーに助けてもらった夢路。その直後空腹で倒れたメリーを居候先の橘家に運び込む。初めて現世の人間とまともに接したメリーはとまどいつつも、その暖かさを味わっていく。

 まあ、基本「ヒロインかわいい」以外には特になにもない番組なんですが。深い内容があるというより、いかに軽く味あわせるか、が重要な番組なので、その意味では負担にならずに見られるかと。制作者の意図を裏読みしながら見るような番組もいいけど、そういうのばっかだと疲れるからなぁ。


  放浪息子 #2「きらい きらい 大きらい・Cry baby cry」。小学校時代、修一とよしのの友人だった千葉さおり。しかし、告白した修一がよしのに告白し、付き合ったことから、三人の仲は疎遠に。ずけずけものを言う性格故によしのにも「あんたのことなんか、大嫌い」と発言し、関係修復などおぼつくはずもない。そんなとき、さおりが体験入部しているバレー部の先輩から挨拶のことで因縁を付けられ、公衆の面前でやり返すという事件が起こる。

 このまま中学からの話でずっとやっていくのかな? 「喰霊 零」の時もすごいと思ったけど、監督のあおきえいは原作のエッセンスを、原作の形に囚われず構成できるすごい人だなぁ。
 で、小学校時代のことで関係がもつれたさおりがトラブルに巻き込まれたことを契機に、再び仲直りしていくというか、中学で知り合った更科千鶴らも加えてなんとなくグループが形成されていく。基本、変わり者グループだよなぁ。なんというか、千鶴の女子グループ社会などきにしないフリーダムさとさおりの無自覚トラブルメーカーぶりが面白いですw


2011年01月30日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ][その他] いや、誰かって言われても

 「 お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ  兄の性態観察日記 ナレーターの声 」って検索ワードで検索が来たんですが、いや、そんなの検索しなくても、聞けば喜多村英梨ってわかるじゃん……なんでわからないんだろう?

[特撮] ゴセイジャー#49とオーズ#20

  ゴセイジャー #49「未来への戦い」。三本のくさびが完成してしまい、ブラジラの地球救星計画をもはや止める術がないように思われた。が、ゴセイナイトはブラジラに借りを返すため単身乗り込み、傷つく。
 最後の完成のための儀式「ネバーエンド」は、一番星の力が弱まる皆既日食の時に行なわれるという。それまでにブラジラを倒せば……マスターヘッド、ハイパーデータス、グランディオンが三本のくさびの進行を食い止めている間に、ブラジラを倒そうとするゴセイジャーたち。だが、ゴセイジャーたちの天裝術は通じず、もはや万事休すというところでハイドが最後の手段を提案する。だが、その手段とは、命と引き替えに自分たちのゴセイパワーをアラタに託すというものだった……

 最後の決戦に突入。ブラジラとの最終決戦に入るけど、ただでもかつて護星界最強の護星天使と呼ばれてたブラジラ。さらにかつての仲間から奪ったゴセイパワーも加わってゴセイジャーたちでは太刀打ちできない。そんな中、ハイドが自分たちのパワーをアラタに与えることでブラジラに対抗できるパワーを生み出そうというもの。しかし、そうなるとハイドたちの命はない。かつて否定したのと同じ事をするのか、とブラジラに挑発されるが、アラタは仲間の犠牲で得られる勝利を拒否。勝ち目はないかに思えたが、アラタには別の秘策があると、ブラジラに突っ込んでいく。
 どう考えても勝ち目なんかないはずなんだけど……最終回は近年恒例の顔出し戦闘なんでしょうかね。
 今回は新怪人は出てこなかったけど、「ネバーエンド」の儀式ってのは「ネバーエンディングストーリー」だろうなぁ。


  仮面ライダーオーズ #20「囮と資格と炎のコンボ」。かつて泉信吾に助けられた恩を返したいというヤスが近づいて来たのは、カザリによる罠だった。持っていたメダルを奪われてしまい、カザリが九枚のメダルを集めて完全復活かと思ったが、ヤスによりアンクから奪われたメダルホルダーにはセルメダルばかり……カザリが罠を張っていることを先読みしたアンクが、あらかじめ対策していたのだ。
 しかし右腕だけのアンクからメダルを奪うことは容易いと迫るカザリ。そんなカザリに、彼のメダルを映司に隠させたと言い、映司を運河に投げ込む。
 動揺したカザリからクジャクメダルを奪い、なおかつ映司をエサにカザリから逃れることに成功するアンクだが、そのやり口をやっぱりカザリのメダルはアンクが持っていたことを知った比奈になじられる。それを意に介さないアンクに怒った比奈はアンクからクジャクメダルを奪い、映司を助けに行くように要求。アンクはそんな比奈を鎖でつるし上げ、クジャクメダルを取り戻そうとする。
 一方、運河に投げ込まれた映司は、川岸に流れ着いたところを見つけたヤスによりクスクシエに運び込まれ、治療を受ける。
 映司に卑屈に侘びを入れるヤスに、「あんな怪物に脅されたんじゃ仕方ない」とフォローする映司だったが、ヤスは「脅されたからとかってより、クセなんですよね」と、誰も信じることが出来ず裏切ってしまう性癖があることを明かす。さらに、「あんただって、あのアンクって人にひどい目に遭わされたんでしょう?」と。映司は、「確かにアンクは自分勝手で、これまでも何度も酷い目に遭わされて……」と言うのだが……
 一方、たまたまクスクシエを訪れた伊達。バイトで働く後藤にも驚くが、エジプトにいる映司の写真を見ながら、何か心当たりがあるよう……
 後藤は知世子に「同じ職場の人なら、いろいろ話しやすいでしょ」と勧められて伊達に悩みを相談する羽目に。バースになりたかったが真木に頭を下げることが出来ず、中途半端な欲望とプライドの板挟みになってると明かす。が、伊達は無理やり後藤にバースバスターを打たせ、バースになるためにはそもそもがこれまでの後藤ではダメだと告げる。
 そんな時、実験的にメズールの力が持たせたライオンクラゲヤミーが暴走、山金を取り込んだまま暴れ出す。
 それを察知し、「一人じゃ無理だよ」とヤスに言われつつ「アンクも必ず来る」と言う満身創痍の映司、比奈にクジャクメダルを預けたままのアンク、そして「俺が一億稼いでバースを辞めるまでにそれを使えるようにしとけ」と後藤にバースバスターを預けた伊達が、それぞれヤミーの元へと向かう。

 話的には中間パワーアップ態「タジャドルコンボ」登場の回なのだけど、タジャドルコンボに使うのがアンクのコアメダルなだけに、映司とアンクの関係に重要な回に。
 自分が助かるために平気で映司を犠牲にするアンク。そんなアンクを比奈はなじるのだけど、映司は「アンクは元々そう言うヤツ」という態度。映司自身も、アンクに渡すのは不安と、鴻上会長からプレゼントされたコンドルメダルを預けたままにしてたのを隠していたってのもあるんだけど。
 お互いがお互いを信用していない、はずなんだけど、映司はアンクが、アンクは映司が、絶対にヤミーの元に現れると断言する。お互い、「ヤミーを倒すって一点でだけ、あいつは信用できる」と言うのだけど、ヤミー退治のためにお互い利用してるというより、ヤミー退治を通してお互いを理解してきたような感じが……
 そしてそんな微妙な関係の変化を示すかのように、アンクは「存在そのもの」と言うコアメダルを三つ映司に渡し、タジャドルコンボへ。足を負傷した映司にとって助かったことに、タジャドルコンボは飛行能力も持つコンボ。腕に出るタジャスピナーは今回は主に炎弾を吐き出す楯としての使い方しかされてなかったけど、秘められた機能については予告ではまた来週っぽい。
 ライオンクラゲヤミーを倒すオーズだが、アンクが三つのメダルを奪い返すことに慌てる映司。もしアンクが自分の身体を取り戻せば、取り憑いてる泉信吾は危篤状態のまま放り出されてしまう……が、何故かアンクは他のグリードのように怪人態にも人間態にもならず、右腕だけで泉信吾に取り憑いたまま。これってなんかの伏線?
 で、それに対応するように、後藤と伊達の関係も進展を見せる。自分の希望とプライドが捨てきれない現実に行き詰まった後藤は、成り行きで伊達に相談することになってしまうのだけど、そんな後藤の悩みを笑い飛ばすかのように、そもそもバース装着者たる条件を後藤が満たしてないことを示す。その上でバースバスターを渡し、「自分がバースを辞めるときまでに使えるようになっていてくれよ」と……うわ、伊達さんおっとこまえやね。
 これまで装着者が変わるライダーってのはいたけど、奪ったり、前装着者がリタイヤして棚ぼた式に、ってのが多かったのだけど、今回はなんか伊達さんが指導者的な立場で引き継がれる、って形になるのか? 映司のことに見覚えがありそうな伏線とか、関係するのか?
 それ以外にも「戦う9時5時OL里中さん」とか、本当は蔑まれるべき卑怯者なんだけどどこか憎めないヤスとか、結構サブキャラも良い味出してました。
 次回は、おそらくバッタヤミーなのだけど、「正義」が欲望なヤミーらしい。人助けをするヤミーと言うことで、なんか正義の味方っぽいのだけど、それがどう暴走していくのか。そもそもが仮面ライダーが他の怪人と(脳改造される前に逃げ出した以外には)差異はなく、「復讐と正義のために戦う」という存在だったので、ファーストリスペクトっぽい要素もありそうで楽しみ。

[アニメ] ハートキャッチプリキュア!#49とスタドラ#17

  ハートキャッチプリキュア #49(最終回)「みんなの心をひとつに!私は最強のプリキュア!!」。結局デューンがなにを憎んでたのか、わからないままでの最終決戦。これまでのシリーズでは「漠然とした憎悪の集合体」だったり、憎悪に凝り固まった敵ボスの心はとかしたものの側近が暴走したり、というパターンがあったりしたんですが。デューンは結局主体があまりわからないラスボスだったんですが、その分、幹部三人が魅力だったのでカバーって感じでしょうか。
 最後のイケメンラスボスがそのまま巨大化ってのもびっくりですが。さらにプリキュアも合体して巨大化。
 最後に幹部たちが元の人間に戻ったって展開なのは、ここ最近のプリキュアだよなぁ。初代プリキュアは心を通わせた敵幹部もまったく復活しなかったし。つぼみがいきなり宇宙を目指すのも、理由はないわけではないけどかなり唐突。
 とは言え、ディーンが巨大化して皆が尻込みしてる中でえりかが率先して「ちょっくら地球を救いに行ってくるよ!」ってセリフは結構良かったし、全体的にはかなり大団円。いつきもえりかに引きずられてアホの子っぽくなってるのはアレですがw
 力業っぽいところもあったけど、それも含めて大変楽しませていただきました。


  STAR DRIVER 輝きのタクト #17「バニシングエージ」。二人目の巫女であるミズノの封印が破られてしまい、綺羅星十字団のサイバディも第三フェーズに入ってしまった。そんな中、第二団バニシングエージのリーダー「ヘッド」が議会の最中クーデターとも取れる行為を敢行、第三フェーズでサイバディと直接アプリボワゼできるようになった「印持ち」以外がアプリボワゼできないよう、電気柩を破壊した上「おとな銀行」が抱えていた「印持ち」のスタードライバーまで管理下に置いてしまう。
 そんな綺羅星十字団の異変を知らないタクトたちは、スガタやワコたちと海辺のバカンスを楽しんでいたのだが、なにやらゴージャスな二人組の乱入により不穏な雰囲気になってしまう。

 バニシングエージの連中がなにやら鼻持ちならなかったのは、自分が印持ちだという優越感のゆえだったのか。さらに、おとな銀行に所属してたタカシも印持ちで頭取ことカナコ・ワタナベの元を離反、さらに未登場だったおとな銀行所属の印持ちのスタードライバー二人も、バニシングエージに。でも自信満々な他の連中と違い、タカシは「やりすぎるのは……」と言ってるのはなんなんだろう? タカシの離反は野心といった動機ではない?
 これで基本ヘッド率いるバニシングエージとタクト、スガタたちの対立に収束されたか、と思いきや、ヘッドは三番目の「ヒガニシの巫女」の正体を知っているという。だが、筋立てを乱されないためにも綺羅星十字団のメンバーにもそれは秘密という。しかし番組中の展開を見てる限り、その巫女ってのは……戦闘中の歌は巫女が歌うものってのがこれまでの展開だったし。いや、でもこいつが巫女なの? そりゃ、ただのキャラじゃないだろうとは思ってたけど……
 そして第三フェーズに入り自分と同じくサイバディに入り込んだ敵との戦いに悩むタクト。しかし二つ目の封印が解かれたことによりパワーアップしたのは綺羅星十字団だけではなかった……って、おいおい、「超銀河タウミサイル」ってなにがミサイルだよ! と思ったら、封印解除でよりタウバーンとの一体化を進めたタクトが自らをミサイルとして特攻する技。無茶苦茶すぎるな。
 どうも綺羅星十字団はもともとの思惑を越えてヘッドの指導で、経済的援助、技術的援助も踏み台にして何かの目的に向かっていくらしいのだけど、それが何かがよくわからない……この世界のあり方自体が無意味になる何かっぽいのではるのだけど。