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2004年07月01日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] 悪党の二択(別に二択しかないわけじゃないが)

 知人曰く「今度の選挙、自民党と民主党どっちがよりひどいかという話だから、モチベーションが沸かないなぁ」。
 けど、民主党の発言やら公約やら過去の行動やら見てると、確実にこいつらに政権取らせたらヤバイ、と思えるのだものなぁ。民主が鬼の首を取ったようにアピールしてる自民の年金改正法案だって、民主は一旦合意してるし。マスコミの報道も実に胡散臭く、自民のネガティブキャンペーンとして民主を持ち上げてはいるが、民主の公約やマニフェストの内容に深く突っ込み、それを評価してる番組はあるんだろうか?
 当然 自民も民主のネガティブキャンペーンはやってる産経 )のだけど、まあ、これは自民の言ってることの方が正論ですな。だから自民の政策が正しいってことでもないけど。
 国民という立場から見れば自民もロクデナシだが、反自民集団である民主がロクデナシではないということではない。個人的には、一体なにをやりたいんだかさっぱりわからない軸のぶれ方から見て、民主党の方がより危険と思うのだが……
 もうひとつ、わけがわからないのはメディアの報道の偏り方である。 民主党によるメディア操作・世論誘導疑惑が再燃任天堂新聞 さん)。なぜ任天堂ゲームのサイトで??? と思わなくもないけど、メディアの民主党もちあげっぷりのおかしさを指摘。
  報道ステーション「民主寄りじゃない」と自己弁護した矢先……ubu'sReport さん)。グッジョブ!
 まあ、そもそも同じ政策思想を持った集団という性質が政党からなくなってる時点で、比例代表制なんて制度を取り入れたのが変なんだが、そうなったものは仕方ない。現状で「まだマシ」になるようするしかない。
 あ、あと民主やらが主張してる外国人参政権だけど、世界各国で認められている、と言ってるが、 こっちの資料 を見るとほとんどが相互主義で、民主がやろうとしてるような無制限かつ一方的な参政権の付与というのはほとんど前代未聞である。こいつらには絶対政権を取らせたくないなぁ。
P.S.よく考えりゃ二つしか選択肢がないわけじゃないんで(政権を取れそうなのというとそれくらいだけど)、タイトルをちょっと変更。あと、外国人参政権について明日、ちょっとだけ。

[必殺] 大奥の天下に挑む紅い声

 白濱屋の前に赤ん坊が捨てられる。飯盛り女たちはおもちゃでも拾ったようにはしゃぎまくるが、直次郎は赤ん坊に自分の姿を重ねる。しかし、白濱屋の前に現れた母親らしき女が二人組の男に殺される。なにか裏があると睨んだ直次郎はさぐりを入れるが、大奥につながりのある井筒屋が裏で糸を引いていて、さらにその糸を引かせているのは大奥の実力者染井だった。なんと赤ん坊は将軍の子で、自分の権力を守ろうとした染井が乳母と子の命を狙わせたのだ。井筒屋は事の露見を恐れ、二人組を配下に始末させ、さらに直次郎に二人を見張るようたのまれていた、直次郎のなじみの女郎までが殺され……
 大奥が舞台になるためか、冒頭以外幕末臭は薄い。幕軍側と官軍側とでどっちが勝ってもいいようにとちゃっかりしているおいねや、敗走してくる幕軍くらいか。しかしこのシリーズ特有の混乱期ゆえの猥雑な雰囲気は保っている。おもちゃのように捨て子を扱う飯盛り女たちを見て、七歳のときに無理矢理童貞を奪われ女性不信になった過去を土佐ヱ門に語る直次郎。そして赤子に情を移しすぎたばかりになじみの女を死なせてしまう。今回は完全に直次郎の話。若い男をあさり、すでに倒れる寸前の権力の座にしがみつこうとし、将軍の子を産んだ女をヒステリックに拷問の果てに責め殺す染井の色と欲とがすさまじい。

[アニメ] 光と水のダフネ

 タイトルと最終話サブタイトルが同じ。ネレイスカムチャッカ支店一行は、失われたマイアの記憶を求めて喪われた海底都市エルピダへ。そこで甦った記憶、見つけたものは……
 すげえ。まさかここまで大化けするとは思わなかった。マイアの命すら狙われるエルピダの秘密が明らかに。これは世界各国が封印しようとするわけだ。そして、唯一浮いていた感のあった「おじいちゃん」の存在がピタリとはまる。そうか、そういうことだったか。いや、もう実に見事としか言いようがない。見事なオーラス。ブラヴォー、おお、ブラヴォー!
 最後、つかさが見せる少しさびしそうな笑顔が非常に印象的。最初の頃の方の寒さや個性的過ぎるバランスのキャラデザや作画にめげず最後まで見続けた甲斐がありましたわ。


2004年07月02日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] 外国人参政権

 で、昨日書いたとおり、永住外国人の参政権についてちょっとだけ。検索してみたけども、賛否色々意見はあるようです。まあ当然か。
 まあ、ぐぐってほとんどただ上から並べただけです。わかってはいると思いますが、私は永住外国人参政権付与には(少なくとも現時点では)反対です。別に中立のふりするつもりもないんで、最初にそれだけ。
 賛成派の意見でももっともと思える部分もあるのですが、やはり現状の永住外国人参政権付与は危険であると考えます。以下、その理由を列挙。
  • 韓国における外国人参政権付与は 全会一致で否決 されており、相互主義云々という議論は成り立たない。(これについては韓国の方がむしろ正常なのだが、理由は後述)
  • 「外国人参政権は世界で一般的」という前提がすでに間違いで、正当化はされえない。(利害の対立が起こる隣国同士では相互主義やEUのような共同体が前提なのがメイン)
  • 参政権が地方参政権に限定されるという保障がどこにもない。「住環境を良くしたい」ということならば「住環境をもっと良くしたいから国政にも」という希望は必ず出るだろう。
  • 韓国との関係の問題。日本と韓国は隣国であり敵対国ではないものの、竹島問題をはじめとする領土問題などの紛争も同時に抱えている。この状態で一方的に韓国籍取得者に参政権を与えるのは無防備すぎと言うものである。この意味で全会一致で否決した韓国の判断は(民族主義的イデオロギーからであったとしても)正しい。
  • 国防上の問題。外国人参政権は「国交を持った国の国民のみ」と言ってはおり、当面北朝鮮籍(というか、朝鮮籍)の者は除外される。が、実は北朝鮮籍から韓国籍への変更は容易であり、北朝鮮と関係の深い人間が容易に地方に参政できることになる。少なくとも実効性を持ったスパイ防止法などの法整備がない限り、堂々と地方自治体に工作員を招く法律になりかねない。実は反対運動により廃止された在日外国人の指紋押捺は当時多かった密入国者防止と、こういったスパイ防止の目的で韓国政府からの要請されたものであり(韓国は自国民に指紋押捺を行ってる)、日本政府に「差別云々」という主張はかなり根本的に間違っていた。
 少なくとも三番目から五番目についてクリアされない限り、永住外国人参政権は俎上にのせるべきものではありません。

[必殺] 死へ走る兄弟の紅い情念

 「血風編」第五話。らしゃめん *1 と不義密通の相対死に(心中)をし、しそこねた若者が品川宿にさらされる。同じく生き残った女の方はおとがめなく再びらしゃめんをさせられたのに対し男の方のこの仕打ちに、世間の同情が集まる *2 。しかしその若者・紺次郎を見かけたおりくは顔色を変える。彼はおりくの元恋人・洋三の弟で、おりくがからくり人元締めを引き継ぐために泣く泣く別れざるをえず、傷心の洋三は新徴組に参加し京へ上ったのだ。そしてその兄が弟の前に現れる。じっと弟の前にたたずむ元の恋人に、おりくは心中穏やかならざるまま、兄弟を見守るのだが……
 必殺シリーズには三本だけ、主人公たちが殺しの依頼を受けず、殺しも行わない話がある。一つは第五弾「必殺必中仕事屋稼業」#20「負けて勝負」、二つ目は「必殺からくり人」#7「佐渡から御中元をどうぞ」、そして三つ目がこの「死へ走る兄弟の紅い情念」である。この話には明確な悪人は出てこない。いや、悪人はいる。しかし、紺次郎を、そして洋三を不幸に陥れた主犯は誰か、と言うと、誰でもない。想いを抱いたまま稼業と恋人とを天秤にかけ稼業をとってしまったおりくと、死ぬつもりで京に上りながら佐幕と勤皇の間で揺れ動き結局死に場所を幕軍決戦の地の上野に見出した洋三の、漠然とした後悔を感じつつもお互いを恨むでもないやりとりは大人のロマンス。最後に彰義隊に参加した兄弟の陣中見舞いに訪れるおりくと兄弟のストップモーションがラストに示されるが、彼らが望んでいただろう団欒だろうのに、とても哀しい光景である。彰義隊の末路を知れば尚更のこと。
 余談だが、洋三が参加した新徴隊は、白川平八郎が組織し、彼の志と袂を別った芹沢鴨らと近藤勇・土方歳三らが新選組を結成するに至った、まさしくその新徴組である。
*1: 外国人のお妾さん。西洋の水夫はメスの羅紗綿(羊)を船に乗せて性欲を発散させていたという俗説からこう呼ばれた。
*2: 相対死には生き残った方をさらした上で、人別帳からはずされ非人身分に落とされるというのが、不義密通は「姦夫姦婦は重ねて四つ」と言われ、両方死罪が定法だった。不義は普通は示談で話がついたらしいが。

[必殺] 悲恋を葬る紅い涙

 血風編第六話。深川の太鼓持ち彦六と辰巳芸者のお栄は内縁の夫婦。太鼓持ちと芸子の恋はご法度であり、秘密のことではあったが仲睦まじかった。とある大きな催しに呼ばれたお栄に、せめて恥をかかせまいと、彦六は知り合いのおかみさんに頼んで三十両はくだらないという簪を借りてくる。おかげでお栄の簪は衆目を集めるが、酔って帰ったその途中で簪を落とし、なくしてしまう。必死で探す二人だが、簪は見つからない。弁償するにも、三十両などという大金は二人に用意できるはずもない。お互い、「自分が工面する」と言い張るが、それが思わぬ悲劇を……
 太鼓持ちと芸者の夫婦が完全に主役。「賢者の贈り物」を思わせる麗しい夫婦愛が描かれるが、しかし物語は美談で終わらず、哀しい結末に。太鼓持ち「蛙の彦六」を演じるのは故・春風亭柳朝。新橋の芸者の置屋の真中に実家があったという師匠ならではの、それまでの時代劇で描かれなかった人情味あふれる、存在感ある太鼓持ちを演じている。支度金目当てに幕軍の義勇兵に志願し、使命感で志願した他の志願兵とまったく話がずれてる場面が面白い。妻のお栄は鮎川いずみ。仕事人シリーズの「何でも屋の加代」が有名だが、仕置人でもゲストを、商売人、うらごろしではレギュラーとして登場している。仕置人のころは若々しい小娘で、今回は脂の乗ってきた女と、変化が楽しめる。うらごろしくらいになるとあごの下にちょっとお肉がついてきてるのだけど……その二人が幕軍に見切りをつけ、軍資金を私しようという悪党士官に運命を翻弄される。
 お栄から身を売る相談を持ちかけられながら断った直次郎と、調子よさげながらも真心を持ってる彦六とつかの間の交流を持った土左ヱ門が犠牲となった二人のために怒りを爆発させる。特に土左ヱ門が悪党をしとめた後で「ステテコパッチめ!」と彦六に教えてもらった捨て台詞を吐き捨てるのは、おかしく、痛快ながらも泣けてくる。


2004年07月03日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 夏にしもやけ

 どうも冷蔵庫の冷えが悪いので良く確認したら、しもがほとんど氷になって貼りついていた。古い冷蔵庫とはいえ、そんなんなるまで気付かんのか。>ワシ
 で、仕方なくしもとり。何ヶ月かいっぺんやってるんだけど、夏場は湿気が多いので特につきやすい。一番壁側などほとんど完璧氷。でもなんとかひっぺがす。う〜ん、冷蔵庫の買い替え、考えようかなぁ。多分考えるだけだけど。

[必殺][その他] シェイはタンゲ、ナはシャゼン

  時代劇マガジン vol.8が出ていたので購入。必殺仕置屋稼業DVD発売に絡んで、印玄役の新克利氏のインタビューが掲載。やはりレギュラーは一週間に一日、下手すれば半日くらいしか揃わず、大変な現場だったのに楽しかった、というのは初期必殺のインタビューで共通して出てくる感想か。新氏の純朴な人柄が出てるようなインタビュー。亡くなった深作欣二監督や沖雅也をなつかしむところはちょっとしんみり来る。他に興味深かったのは、スケジュールの確保がぎりぎりで、他の役者の吹き替え演技で撮れるところは撮ってしまっていたという話が面白い。つまり、走るシーンの足のアップだけ、手のアップだけ、後姿だけ、遠景だけ、別の役者でカットを撮影してしまい、新氏で撮ったカットとつなげるということをやっていたので、撮影してる間は新氏はいったいどんなシーンだかさっぱりわからず指示されるまま動いたり表情を作ったりして、あとで出来たフィルムを見てどういうシーンなのか初めてわかったらしい。あと、次週放映分を前の週にぎりぎりで撮影していたとか。(当然最初は撮り溜めしてたのだろうけど、こだわるあまりだんだん撮影がおしてきたのだと思われる)
 今号は他には中村玉緒が座頭市に関連してのインタビューとか。丹下左膳のミニ特集で 丹下左膳が元は新聞連載の大岡政談で出た悪役だった と初めて知る。うわー、知らんかった。恥。悪役ながら隻眼隻腕の剣士という特異な風貌とそのキャラクターに人気が出、「こけ猿の壷」が書かれたのだが作者死亡でその二本しかオリジナルはないという。その後、遺族から権利を買い取り別の作者が丹下左膳を主人公にした小説を書いたらしい。そんな経緯があったのか。
 非常に怪しいのが「マツケンサンバII」なるもの。なんでも「暴れん坊将軍」で有名な松平健が舞台公演の最後にフィナーレとして必ず歌うものらしい。「マツケン音頭」「マツケン数え歌」「マツケン小唄」「マツケンでGO!」「マツケンマンボ」「マツケンサンバI」(順番はあやふや)と進化してきたとか。
 って、 マツケンサンバを追え! なんてサイトもあるし。7/7にCDが一般販売されるらしいが、店頭で見たら大笑いして思わず買ってしまうかも……

[その他][特撮] 赤いジャージのウルトラマンって言ったら

 NHK歌壇の読者からの投稿歌で、「赤いジャージのウルトラマン」と読んでる句があった。ナニ言ってるんだ選者! 赤いジャージのウルトラマンって言ったら、庵野ひ……げほげほ!
 特撮誌にデカレンジャー七番目の戦士「デカブレイク」とブレイドの新フォームが露出してきた。ブレイドの新フォームはなんつーか……やっぱり微妙。


2004年07月05日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] 突然のメール

 良いニュースか悪いニュースかと言われれば、多分良いニュースなのだろうけど。
 穴掘って埋めて隠したつもりもないけど、とっくの昔にその役目を終え、晒したまま放置していたものについての問い合わせ。え〜っと、引っ張り出してほこりを払えって話ですか? いや、まだ先方になんの確認も取ってないし、なにも決定的なことはない状態なのだけど(予定は未定)、とりあえず混乱だけが巻き起こる。落ち着こうと友人に相談したら「逃げちゃダメだ」と言われる。うう、ヘタレなおいらは思いっきり逃げ出したいですよ……

[その他] 実家にお中元を送ってみる

  共和水産 の通販で、実家に生サザエを送ってみる。で、先週末に ネットで発注 したのだけど、今朝共和水産から電話がかかってくる。
「え〜っと、航空便ですと日数がかかるので、生ものはお送りできないんですが……」
 あれ? 航空便? 普通にクール宅急便じゃないの?
「○○諸島ですと航空便になりますので……」
 まさか、と思い発注書の控えを調べるとうっかりして県名を書き忘れていた。実家の住所は郡部なのだけど、某諸島と同じ名前だったりする。いや、一応郵便番号も書いてはあったんだけど、あきらかにこちらのミスで「すいません。書き忘れてましたけど△△県で本土なんです」と平謝り。というわけで明日明後日には実家に届くと思います。
 注文した「共和水産」は、リンク先のホームページに行くとわかると思うけども、昨年7月2日に韓国の会社所有のタンカーにより沈められ、人物双方で多大な犠牲を出した 第十八光洋丸 の所有会社。韓国タンカー側の無責任さにもあきれかえった事故でしたが、7名が死亡・行方不明という惨事にも関わらず、マスコミがほとんど口をつぐんでいたことも印象的でした。マスコミの作り出そうとしている韓国ドラマ・映画ブームの人為性は、まあ別にいいです。たしかにこれに限らずブームってのは意図的に作る部分が大きいです。でも、こういう「報道すべきニュース」「目の前に確実にある問題」を流さないのであれば、それははっきりと「異常」と言わせていただきます。
 まあ、今回の注文は結構おいしいという話を聞いていたし(元々漁師さんたち向けの販売だったみたいです)、ささやかながら応援の意味も込めて。

[必殺] 恨みに棹さす紅い精霊舟

 「血風編」第七話。白濱屋に泊まった団体客がどう見てもただの田舎者なのに妙に金回りが良く、おりくは首をかしげる。しかしその中の一人、源二郎に口説かれたおいねはその気になってしまい、白濱屋もからくり人もやめて源二郎についていってしまう。これにショックを受けたのは元締めおりくとからくり人の一人新之介。彼はひそかにおいねに惚れていて、彼女を引きとめようとするが想いすら告げられない。だが、そんなとき、海外に逃すと約束したどら息子を殺された大店の主人が、息子の恨みを晴らしてくれとからくり人に頼む。主人は土左ヱ門の目の前で殺され、土左ヱ門たちは刺客を追いつめるが、なんとその正体は白濱屋に泊まったあの団体客の一人だった。おいねの身が危ないと知ったからくり人たちは、源二郎がおいねに語ったという「故郷はやつでの葉の乗った精霊舟が集まる場所」の言葉を頼りにその場所を捜しはじめる。
 おいねの勇退話にして、ある意味極端なまでに「からくり人血風編」というシリーズがどういうものかを象徴する話。源二郎たちの村・精霊村はころり(コレラのこと)の流行時に幕府に見捨てられ見殺しにされた。その恨みから日本人の海外移民を仲介する西洋人、そして官軍と手を結ぶ。しかし、結局それは虐げられた弱者がさらに弱者を食い物にするという、いたたまれない構図でもある。時代の流れの中で虐げられた弱者が道を踏み外し弱者同士で食らい合う、善人と悪人の境界の曖昧さが極端にあらわれている。また、大砲の射撃シーンなど爆発シーンが多く、時代劇っぽくないところも評価がわかれるだろう。
 両親を幕府に見殺しにされた恨みが野心へと変わり、今度は弱者を虐げる側になってしまった源二郎たちを容赦なく仕置するからくり人たち。源二郎は自分の正体を知り裏切ろうとしたおいねを始末しようとしつつ、からくり人に殺されるときにおいねに泣いて助けを求めるシーンであらわされるのは、身勝手というより人間の愚かさからの悲しさだろう。結局、おいねは助けられるが、これが傷心だったのか、この後は姿を見せなくなる。おいねが白濱屋を辞めてしまった直後、ショックを受けたおりくがぐでんぐでんによっぱらって愚痴るシーンは妙に可愛い。


2004年07月06日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 帰らぬ愛に泣く紅い旅

 「血風編」第八話。徳川の世がひっくり返るのを感じてか、ヤケになったように「ええじゃないか踊り」に熱狂する人々。その中に一人だけ醒めた目でなげやりな態度を見せる飯盛り女・おはつがいた。おはつにはたちの悪い女衒・浄吉がひもとしてついていて食い物にされている。実はおはつは旗本妻木家に奉公していた娘。その家の次男・左近と恋に落ち、主人の許しも得て祝言を挙げる予定だった。しかし左近が京へ上る幕軍に参加、鳥羽伏見の戦いで死んだと聞いたおはつは狂乱し出奔した。その挙句、浄吉に騙され言われるままに捨て鉢に身体を許し、客を取らされていたのだ。ところが、死んだと思っていた妻木左近は実は生きていて、敗走する幕軍と共に江戸に戻ってきていた。しかしそれも身体に銃弾を受け明日の命すら知れない。左近は白濱屋に運び込まれ手当てを受け、それを知ったおはつが白濱屋に駆け込む。はやまって身を持ち崩したことを後悔し身の上を語るおはつに、おりくはひもの浄吉と手を切れ、と忠告する。その言葉に一旦は同意するおはつだったが……
 DVD−BOXのライナーノートによると映画「 哀愁 」と「 慕情 」にヒントを得て書かれたシナリオとのこと。そういやどっちも見てなかったな。それはさておき、すれ違いと勘違いから身を持ち崩した女が過ちを後悔し、やり直そうとするが出来ないことを思い知る、というある意味王道パターン。それに演劇的説得力を与えるのは、身分制度がはっきりしていたころの武家の象徴である妻木の奥様・縫の存在と、手練手管でおはつを手玉に取る女衒・浄吉を演じる綿引洪の怪演だろう。しかもどちらも通り一辺倒な記号的扱われ方ではない。
 縫は、一度は庄屋の娘とは言え農民身分のおはつと息子の仲を認めた *1 ことからわかるように、決してものわかりの悪い女性ではない。むしろ慈悲も思慮も情けも深い、よく出来た女性なのだ。実際おはつの今後の身を不憫に思い、白濱屋のおりくに、彼女の身が立つように金を渡して頼んでいる。が、その縫をもってしても身を売ったおはつともはや助からない息子の仲を認めるわけにはいかない。武家の女だからなのか、それとも女の直感でおはつを絡め取った情欲の糸を見抜いていたからなのか。
 そして一層強烈な印象を残すのは綿引洪演じる浄吉。もはや計算ずくではない、第二の天性と化した色と欲と情とが絡み合った、スケールこそ小さいものの実に人間的な「悪」である。綿引洪は名悪役として知られているが、この「情け容赦ない悪そのものだが悪魔的ではなくむしろ人間としての悪」を演じきっている。この辺りが名悪役と言われるゆえんだろう。
 おはつの左近に対する清らかな愛情と、浄吉との逃れられぬ肉欲の絆も実に対称的。
 ラスト、おはつの添い遂げられぬと知りつつもせめて愛する人の最期を看取ろうという慕情とそれを汲み取ろうとする縫の気持ち、そしてこの世を去ろうとする左近の心の平穏。それを踏みにじった浄吉をからくり人が仕置する。
 最後の正気を失い左近の姿を捜し求めるおはつの姿は、あまりにも哀しすぎる。
*1: 身分違いの結婚は原則的に不可能だが、一度武家の養女とすることでその問題をクリアする裏技があった。とは言えおはつが縫の眼鏡にかなう娘であり、左近が次男だったればこそだろう。


2004年07月07日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 小判が眼をむく紅い闇

 「血風編」九話。幕軍を圧す勢いの官軍は大店に軍資金の供出を強要して回っていた。廻船問屋湊屋にも官軍士官が現れ、店の最後の商いの金を無理矢理に奪っていく。店の主人・善兵衛はそれを止めようとして殺されてしまう。一方、善兵衛にもひいきにされていた白濱屋にも出入りの按摩・武に、恋人が出来た。しかしその娘・おさよは兄の作造と組んで、武の溜め込んだ金を奪うのが目的だったのだが、純朴な武はその正体に気付かない。そんな彼女を湊屋の新主人・儀兵衛が見初め、作造に話をつけて妾にしてしまう。しかし、実は儀兵衛は偽官軍を仕立てて先代主人の兄を殺して身代を乗っ取り、店の金を隠し溜めていたのだ。その密談を聞いてしまったおさよは殺されるが、おさよを取り戻そうと湊屋にもぐりこんだ武がその一部始終を隠れ聞いていた。
 この話のテモチーフはズバリ「金の隠し場所」。冒頭で白濱屋の飯盛り女が結った髪の中に小判を隠していたり、儀兵衛が隠してた商売の金だとか、按摩の武が金の隠し場所に見張り番を置いていたり、湊屋が偽官軍に奪われた三千両の隠し場所だとか。しかしストーリー的にも混乱期に金を守ろうとする人々を軸に、そこに色々な人の欲望や情を絡ませている。
 少し腰の軽い感じの小悪党・おさよに惚れた純真な武の、傍から見ると一方通行なやりとり、こんな時代でも一歩身を引いた儀兵衛の妾お加代、善人、悪人、小悪党と、様々な人々が織り成す群像劇が、血風編の醍醐味でもある。はかなくも猥雑な雰囲気が楽しくも奥深い。群像劇だからそれぞれの人物の描写は短いはずなのに、その密度は濃い。主役急のキャラも描写が少ないのでどうもおとなしい印象のある血風編だが、こういうまとめ方を見ていると舌を巻く。特に騙されていたにも関わらず、おさよの恨みをはらしてくれと泣いて頼む武の姿は悲喜劇的。余談だが、どうも土左ヱ門は純朴な人間、真心を持ってる人間に惚れこむ傾向があるらしい。密偵として人間の汚い面を見すぎてきたからかもしれない。だからこそ最終回、直次郎に許せないものを感じたのだろうが……

[その他] 不具合多杉

 ノートパソコンの調子が極めて悪い。HDDのリードエラーが頻発し、終いにゃ立ち上げ時にHDDを認識しなくなる始末。ユーザーサポートに電話して文句を言うが、まあ例によってのらりくらりとした返事。で、その後、もう一度一応バッテリで立ち上げてみると……あれ? 普通に立ち上がる。まったく問題はない。今まで単に熱暴走と思っていたけど、実はちょっと問題が違うのかもしれない。いずれにしても修理には出すけど、もうちょっと、現象を観察してから。
 知人たちに色々相談事。で、期待していた以上の助言や情報をもらう。ううむ、普段思っている以上に知人には恵まれてるのかもしれない。

[特撮][アニメ] ブレイド「始め」ました

  ブレイド は、イーグルアンデッドが 知人 にソックリと、知人間でもっぱらの評判。いやいや、小沢番長(藤田瞳子さん)と競演なんて、うらやましい限りですよ! って、え? 別人?
 しかし、こないだの井上敏樹の担当回といい、ブレイドはメインライター以外が書いてる話の方が面白いなぁ。今回は會川昇脚本。
  デカレン は、走る話。正ちゃん走るのが仕事? デカレンはなかなか上手くまとまっていて、安心して見られる。今回のアリエナイザーは、メップル?
  プリキュア は、前半の山場に向けてのスパート。大事な人を傷つけるくらいならと、消滅を選んだキリヤの存在が尾を引いている。子供には鬱な展開だろうけど、プリキュアの玩具は結構売れていると聞く。本当だろうか? なら、安心なのだけど。あと、どうも後半に新キャラ投入らしい。あと、忠太郎は承太郎ディスガー!?


2004年07月08日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] とらぬ狸の紅い舌

 「血風編」第十話。土左ヱ門は官軍が江戸に上ってきたにも関わらず軍に戻ろうとせず白濱屋に居続ける。のみならず、おりくたちに官軍の密偵の見分け方まで教える。土左ヱ門は官軍にも愛想をつかしはじめていたのだ。そんなおり、白濱屋を含めた品川の旅館組合に薩摩の密偵を名乗る男が、品川に火をかけることを見逃す代わりに賄賂を出せと迫っていた。おりくは土左ヱ門に教えてもらった方法で本物の密偵か調べ、本物だとわかるがどうにも腑に落ちない。大金だということで一旦返事は保留する。一方、江戸を捨てて逃げた人の土地を二束三文で買占めての一攫千金を夢見て江戸にやってきた田舎の造り酒屋夫婦が白濱屋に泊まる。妻のおよしは商いの才能がない夫・栄吉を心配しつつとめることが出来ずにいたが、案の定だまされてなけなしの金をすべて奪われる。このままでは宿代も出ないし国に帰ることもできない。そこに例の薩摩の密偵が現われ、ちょっとした芝居をしてくれれば礼金を払おう、と持ちかける。それに飛びつく栄吉だったが……
 前回は偽官軍だったが、今回は本物。しかし、官軍の中も腐りきっていた。土左ヱ門はかつての親友が私腹を肥やそうとしてるのではないかと疑うが、疑いきれない。そして裏切られたと知り、腐りきった旧友にウィンチェスターの銃弾をありったけ叩き込みながら「もっと早く死んでりゃ良かったんだ」と吐き捨てる。もっと早くに堕落した旧友の正体を見抜いていれば犠牲者を出さなかったのにという後悔と、信頼を裏切ることを憎む土左ヱ門の怒りである。
 また、もうひとつの見所は酒屋夫婦とその幼馴染の飯盛り女・おたねのやり取り。かつて男に想いを寄せながら家族のために身を売らざるを得なかった境遇、それに対して裕福で好きな男と添い遂げたおよしへの嫉妬。もはや恋敵として以上の嫉妬と憎悪をたぎらせる。夫の仇を討つ金を工面させるため、およしに飯盛り女になることを決意させた瞬間の勝ち誇ったような表情は、女の嫉妬の恐ろしさを思い知らされる。
 レギュラーもバランスよくゲストに絡んで、殺しの見せ場もなかなか良い、総じて質の高い回。  明日は最終回「夜明けに散った紅い命」。とても好きな最終回。


2004年07月09日(金) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 夜明けに散った紅い命

 「必殺からくり人 血風編」第十一話(最終回)。もはや徳川の命運も定まり、品川も続々と上ってくる官軍であふれかえる。人々は逃げ惑い、白濱屋も商売どころではない。土左ヱ門も官軍に戻れば相応のポストが用意されているのだが、功績を挙げるためだけに無意味な残党狩りを行う旧友を見て官軍に愛想を尽かし、からくり人として生きる決意をする。そんな土左ヱ門を好ましく思うおりく。一方玉ころがしの直次郎も世が世だけに商売にならない。これからどうなってしまうのか、漠然とした不安の中、玉ころがし仲間の仙吉から薦められたいい稼ぎ口というのが実は官軍の密偵。残党狩りを手伝えと言うのだ。気の乗らぬまま引き受ける直次郎。それを知った土左ヱ門は直次郎に絶縁を叩きつける。そんな時、白濱屋に一人の青年・徳松が泊まる。実は徳松は幕軍の脱走兵。武士にあこがれて彰義隊に参加したものの、ほうほうの体で逃げ出したのだった。彼に情を移した飯盛り女のおまきに身の上を語るが、それを隣室にいた直次郎と仙吉が聞いてしまっていた。泣いて見逃してくれと頼むおまきに、直次郎は決して青年を売る真似はしない、仙吉にも口止めする、と約束する。しかし、その夜、官軍が踏み込み松吉を斬り殺す……直次郎が売ったと思ったおまきは直次郎を責め、土左ヱ門も直次郎の裏切りが許せず殺すと息巻く。だが直次郎は顔を青くしたまま「お前と殺りあう前に片付けなきゃならねえことがあるんだ。それが済んだら、こっちからカタをつけにくる」と白濱屋を飛び出す。直次郎が向かったのは仙吉の家だった。直次郎の口止めにも関わらず徳松を売ったのは仙吉だったのだ。俺をコケにしやがって! と剣幕をすごませる直次郎に、仙吉は動じた様子もない。それどころか居直ったように言い放つ。「コケにしたのはどっちだ。おめえ、からくり人なんだってな」気がつけば辺りはすっかり官軍の兵士に囲まれていた。ここでつかまればおりくにも官軍の手が及ぶ──直次郎は満身創痍となりながらも長屋に逃げ延びる。土左ヱ門は明け方になっても直次郎が戻らないことに不安を感じ、直次郎の長屋に駆けつけるが、そこで見つけたのは──
 官軍の狗の土左ヱ門と直次郎、その立場が最終回では逆転する。そして一度はお互いを認め、友情を通わせた二人が、おりくをはさんで、また維新という時代の大波に翻弄され、再び立場を分かってしまう。第三話で土左ヱ門は直次郎に「お前に殺されるんなら本望だ」と言った。直次郎の心根に惚れたのだろうが、直次郎が裏切ったと思った瞬間、それまで見せたことのない殺意を直次郎に向ける。一方直次郎も命乞いをするでもでなく、命をかけて落とし前をつけようとする。結局仙吉の罠にはまった直次郎はおりくにしたためた手紙を残し、命を落とす。そしてその直次郎の行動に、土左ヱ門ももう官軍に戻れなくなると知りつつ、残党狩りを行っていた旧友を始末する。なぜ仙吉が直次郎の正体を知っていたかが腑に落ちないという一点を除いて、からくり人自体が結局は時代のうねりの中で道を誤り死んでいき、また引き裂かれた友情に命がけで応える姿は必殺シリーズでも屈指の名エピソード。
 その他、冒頭に彰義隊の脱走兵で処刑された夫の遺髪を取ってきてくれと頼む依頼人に、その依頼に「やりましょう」と答える土左ヱ門など、良いシーンが多い。
 短期シリーズにもかかわらず吉田日出子演じるおいねが途中までの登板だったり、ピーター演じる新之介の出番と存在感が少なかったり、中盤はゲストキャラのドラマがメインで土左と直の友情やおりくとの三角関係を描く余裕がなかったりという欠点もないではないが、急造シリーズと言う話が本当に信じられない出来である。

[その他] 夏バテ対策

 なんだか食欲がなくなりかけてこりゃやばいと思い、昼飯はちょっと奮発して 大須の丁字屋 へ。夏野菜天そば(ころ *1 )を頼む。さやいんげんとヤングコーン、それと茄子のてんぷらが乗っかってる。あつあつのてんぷらにつめたい汁がイイカンジ。かすかな苦味が却って滋味。
 インターネット古書店で 蘭と狗─長英破牢/中村勝行必殺シリーズ完全百科 を購入。なぜこの二冊を同時に買ったかというと、「蘭と狗」の作者、中村勝行氏は必殺シリーズの脚本を手がけてもおり、さらに「蘭と狗」の主人公・高野長英にこだわるきっかけになったのは、「新必殺からくり人」で蘭兵衛こと高野長英を描いて、興味を持ったからだと言う。さらに後書きによると中村勝行氏は役者で現国会議員の中村敦夫氏の実弟だという。これは知らなくってちょっとびっくり。
*1: ひやし麺のこと。主に冷やしうどん・きしめんを指す。

[その他] 頭痛え

 そりゃね、あたくしの名前でぐぐられて検索結果トップに来るくらいのことは自業自得と諦めますぜ。でも、「不定期」でぐぐってここがトップになるってのはどういうことよ!? すいません、さすがに勘弁してください。(日記名変えるべきか?)


2004年07月10日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 言っても信じてもらえない

 友人がチャットで「サントリーの山崎を飲んでる」と言ったので「美味い?」と聞いてみた。 美味いよ? と答えたので(後で聞いたら山崎12年だとのこと。そりゃその値段で不味かったら暴れる)、「前にサントリーが輸入してるジャックダニエルと平行輸入品を飲み比べたらサントリーのは別物のようにひどくって云々」という話をしたが、どうも信じてもらえなかった模様。本当にホントなんだってば。
 友人は「(利ざやの高い)高級品なら水増しする理由がわかるけど、廉価品でそうする理由が見当たらない」と、某社の商品開発らしい言葉を。理由は推測するほかないけど、実際飲んでみると別物なんだからしかたない。
 高い酒が美味いのは当たり前なわけでして、安くってそれでいてわりと飲める酒を探すのが私みたいな酒飲みには重要事項なのですよ。だからその意味ではジェムソンあたりは非常に当たり。ウォッカはほとんど酔っ払うためだけの酒みたいなものだけど、夏場には冷凍庫でキンキンに冷やしたウォッカを煽るのも暑気払いには悪くない。ところがこのウォッカも、サントリーが出してるものは「冷凍庫の中で凍ってしまう」という話もあって……本当にサントリーはなにをやってるんだろう? 安酒だと思って相当いい加減なことをしてるんじゃなかろうか?
 私はサントリーの洋酒を応援しません。(おいおい

[その他] これじゃ戦争は作れません

  戦争のつくりかた なるネット絵本が結構話題だったそうで(ワシが知るくらいだから、もうブームは過ぎてるのだろう)、職場にプリントアウトしたものがあったのでパラパラと見てみる。ま〜、なんつーか……
 いや、「戦争、イクナイ!」って主張は正しいんですよ。正しいんですけどね……
 たとえば、
わたしたちの国を守るだけだった自衛隊が、武器を持ってよその国にでかけられるようになります。
(中略)
戦争のことはほんの何人かの政府の人たちで決めていいということになります。
(中略)
戦争が起こったり、起こりそうなときは、お店の品物や土地を軍隊が自由に使える、という決まりを作ります。
 なんだか書き写してて頭痛いんですけど。つまり、この作者は「いざ戦争になったら責められるにまかせて日本を舞台の持久戦だけして、急を要するのに迂遠に国会で討議して人命と国民の財産の被害をいたずらに増やし、同じく迂遠に土地の使用許可や道路の法定速度を守って敵の侵攻の後手後手に回るのが正しい」という考え方のようです。しかも「国民を監視する」「国の言うことに意義をはさめなくなる」などなど、根拠レスの妄想満載。あと、外交と言う視点もすっぽり意図的に抜けてるのも痛いですね。「相手」という視点ナシにどうやって戦争しろっていうのか。
 これじゃ戦争は作れません。また書かれているのと逆のことをやっても別に戦争は防げません。
 こんな頭の悪いプロパガンダが世間に受けてるんだったら、民主党の支持が増えるのも納得できます。必ずしもプロパガンダが悪いとは思いません。プロパガンダをプロパガンダとして、きちんと内容を検討する限りにおいては。
 まあ、こんな私ですが、自民支持というより民主は明らかにアカンだろ、という立場です(チャレンジャーは民主党に政権取らせてみるのもいいと思います。後悔しても知りませんが)
 でも本当なら こんな党 に入れてみたい。(実際に入れたら無効票だが) もしくはアクメツ党。

[その他] プロパガンダです

 え〜っと、最初からそう宣言しておきます。ただ、書いてることは事実です。
 先ほど民主党名義で「ご意見ありがとう」というメールが来て「?」となる。そういえば著作権法改定(あれは改正などとは呼べない)の折、党としては賛成であるのに党議決議に逆らって退場した民主党の川内博史議員に対し、違反に対する処分を行わないで、という意見は送ったっけなぁ、と思い出す。どうせ定型メールだろうので、と期待せずに中身を見たのですが……中身はさらに予想の斜め上。要は「民主党に投票を」という宣伝なのだけど、
首相単独で行ったイラクでの自衛隊の多国籍軍参加表明等をはじめ、
おいおい。 あんたのとこの党も支持すると約束してますよ?  第一「国連決議に反しろ」って話なんですけど、つまりは。そのことは全然説明しないのね。「説明責任を果たす」と書いてもあるのだけど、呆れるばかり。
 当然川内議員の処分のことや(無事、処分は見送られていますが)著作権法改定のことにはノータッチ(所詮定型文書ですから)。やっぱこいつらヒトの話聞いてねえ……
 ちなみに、意見のメールを送ったのは一ヶ月以上前です。定型メールを送るだけなのに、今までなにしてたの? つか、人のメールちゃんと見た? どうも民主党にとって(民主だけとは限らないけど)ご意見メールの窓口はメールアドレス収集のシステムに過ぎないようです。(実際最初からさほど期待はしてないのだけど、こうあからさまでねえ)

[アニメ] やはり違和感

 ビデオ録画の都合上、 ウォーターシップダウンのうさぎたちケロロ軍曹 を連続して見ることになるのだけど、ウォーターシップダウンに出てくるピグウィグとケロロ軍曹のギロロ伍長は、たまたま当ててる声優が同じ 中田譲治 氏。どちらも軍人気質で厳格な性格というのは同じなのだけど……実はかなり常識人(常識蛙?)なギロロに対し、善人(善兎?)ではあるのだけど微妙に性格破綻者なピグウィグは、似てるのだけど微妙に違うという違和感が……
 夕べ録画した スパイダーマンの新作アニメ を初めて見たのだけど、3DCGだったのでびっくり。トゥーンシェードはかけてるけどもやっぱり違和感はある。だが、アメリカアニメの違和感もあるので、そんなに気にならない。日本だとやはりこういったキャラクターも全部3DCGで、というのは市場のニーズもあってか一般的ではないけど、海外では色々試みられてるのだなぁ。


2004年07月11日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 選挙行って来ますた

 まあ、どんな結果になろうと「悪い」か「より悪い」か、という話にしかならない気もしますが、むしろマスコミの報道がどう影響してくるのか、という辺りを注目したいと思います。
 でも選挙速報ばっかでイヤになるので、なにか違う番組は、と探すと 海老原喜之助 の特集をやってる。まあ、名前くらいは聞いたことが、という程度なのだけど、戦争時戦争に反対しながら生活のため、あるいはその他の理由のため、数多くの仲間の画家が戦争画を描き、ついには海老原も戦争画を書く、というあたりが結構興味深い。解説員が「(当時愛国少年だったが)軍歌を揶揄して替え歌で歌ったり、当時の状況は今考えるよりもっと複雑だった」(愛国少年だったことを恥じていない、とも)と、なかなかに含蓄のあることを言っていた。戦争を肯定はしていない。だけど、当時の人々の生き様を否定もしていない。「民衆主義」とでも言うのか。海老原が描いた戦争画は軍艦や航空機ではなく、義眼を与えられる傷病兵だったり、荷馬だったり、あくまで「人」に注目していた印象。ただし、これらは戦後海老原が破棄し、残っていないという。立場に迷い、立ち向かい、矛盾に苦悩した片鱗がうかがえる。
  高1女子 妊娠気づかず/学校のトイレで出産/公園に捨てるY!hl )。産まれるまで妊娠に気付かず、って、そういうことってあるのか……まあ、友人や家族も気付かなかったのだから、目立ちにくくはあったんだろうが……そもそも生理は止まってたはずだよな? おかしいとは思わなかったんだろうか? それとも元々生理不順が多かったんだろうか? 「教科書十冊を重しにして池に沈めるつもりだったが」とありますが、当人もそれだけ混乱してたんでしょうな。(ためしに雑誌をお風呂に沈めて簡単に沈むかどうか試してみるとわかると思います)
 どうも出口調査によると選挙は民主増、自民微減、共産ぼろ負けということらしいが、出口調査ってどのくらい今回は正確なのだろう? もしや このキャンペーン が影響を与えてはいまいか? 個人的にはこういうキャンペーンは好きではないのだけど。
 なんだか一昨日、昨日とサーチエンジンのbotが一日で300以上もアクセスして来て、うざいことこの上なかったのでIPアドレスで撥ねるように設定。ところがこれがmsnのbotらしい。しかしどこのbotかとかの情報はいくらでも改変できるので、一応IPで 所属をチェック 。本当にマイクロソフト登録のIPでした。なんでこんな非効率なbotを導入してるんだろう???
  韓国google から検索で飛んできた形跡が日記のアクセスログに残っており、「韓国の悪口色々書いてるし、もし『チォクパリ妄言! 謝罪! 賠償! F5! F5!』とか言われていたらどうしよう」とどきどきしてそのキーワードを確認したのですが…… kill+bill+hentai+同人 ですた。そうか、これが予想の斜め上という奴か……orz

[特撮] どちらを取るか

  デカレンマリみて〜春〜 が重なってるのでどちらを録画すべきか、ということになるのだけど、当然デカレンの方向でひとつ。そうすると、マリみて内で流れてる「マツケンサンバII」のCMが見れなくなるのだけどどうしよう(って本編よりそっちかよ!)と愚痴ったら、友人に見せてもらえました。ありがたやありがたや。
 で、そのデカレン。悪人三兄弟の妹に見初められ、仲間になれば地球を破壊するのは見逃してやる、と言われる茉莉花。こういう場合、ライダーなら一旦裏切ってしまうのだけどそうはならないところがデカレン。差別化をきちっとやってますなぁ。強敵相手にピンチになりながらもボス=デカマスターも弱体化してないのもこだわりか。次回、新メンバーの「デカブレイク」登場。噂では中の人は外タレとのことだが……
  ブレイド は、裏でこそこそ立ち回りつつも策略がすべて空回りして自爆する蘭の人萌え。「オレまた強くなっちゃったカナ?」とナルシス入ってるレンゲルの人萌え。「戦いは嫌いなんだ」と言いつつ微妙に好戦的な象の人も萌え。片手ででっかい冷蔵庫を持ち上げる全然存在感のないヒロイン萌え。「あいつらをそんなに簡単に信用していいものか」と言いつつ、新バイク開発にノリノリで協力する橘さん萌え。というわけで今日は萌え話でした。


2004年07月12日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] 選挙結果

 予想していた中でも最悪ではなく、可能性の中の中央値といった印象ですね。あれだけあちこちで「自民NO! アンチ自民なら民主党」とうるさいくらいまくしたてていた割には、こんなものかと言うか。ただ、やはりマスコミを押さえてる者が強い、ということは変わらないようです。いや、誰が押さえてるって話じゃなく、一般論として。そう、あくまでね。
 一部では「小泉の独断に対しはっきりとNOが出た」という意見もあり、それはひょっとしたら正しいのかもしれないけど、じゃあ、なんで民主なの? という疑問に答えている記事・サイトはほとんど見つからなかった。自民に投票したくなければ別に民主じゃなくてもいい。実際、民主党のマニフェストをきちんと検討してる番組があったのかどうか……「自民NO! 小泉NO!」しか聞こえてこない今回の選挙でした。うっとうしいちゅうねん。逆に、政府が権力をもって報道管制を敷いてないとわかって安心はしてますが。
 今後民主党のダメさ加減がどんどん露呈していくだろうと思うと実にワクワクします。もっともどんなにダメなことしても選挙前にマスコミがそんなことはなかったかのようにチャラにしてしまうんでしょうけどね。今回の選挙と同じように。
 できれば次の選挙は公約とかマニフェストとか口約束でなく「これまでどの政党がどんなことをやってきたか」を比較・報道して欲しいものです。するわけないけどね。
 あと、「二大政党制の実現に近づいた」と報道されてるけど、知人曰く「二大政党制のなにがいいの?」。わしにもわからん。一体誰が喜んでるのだろう?

[ケルト音楽] トリニティ(キャリー・アン・モスではない)

  アイリッシュ・ダンス・カンパニー、トリニティの名古屋公演 が11/2にあると聞き、 e+ でチケット購入。去年行ったリヴァーダンスの大阪公演は、微妙にケチってA席にして、アリーナ席にしとけば良かったと後悔したので思い切って奮発してS席で申し込んだのだけど、来たチケットを見たら二階席……なんか微妙に不安なんですけど。会場になる 愛知県芸術劇場 の間取りはわからないのだけど、去年は大阪という土地柄のノリの良さもあってかなり良かったけど、今年は早まったかしらん? う〜ん。

[その他] カエルの育て方

 なんか、ここしばらく「カエルの育て方」で ぐぐって 来る人がいて、実はカエルの育て方って需要があるのかしらん? と悩む。極端な温度変化はまずいけど、基本的には清潔に保つこと、十分な湿気(水分)を保つこと、餌はきちんと与えること、くらいかと。生餌でなくてはいけないので、餌の確保が一番大変だと思いますが。餌は量さえ十分与えれば一週間に一度でもいいですが、一週間で二回に分けて与えるくらいが理想だと思います。量はわりといいかげん。与えれば与えるだけ食うので、厳密に気を使う必要はないですが、与えすぎるとブクブクに太るし、与えなければ当然やせ細っていくので適度に。
 検索キーワードというと「ペク・ヨンジュン+来日」で来る人もいるので、多分ある程度ブームというのは本当なのでしょうね。でもそれで埋め尽くされることもないので、まあその程度のブームかと。
 ついでに「せっかくだから」 マツケンサンバII をゲット! 銀ラメの着物のバックダンスで同じく銀ラメ着物+髷ヅラの松平健がノリノリで歌いまくるというシロモノなのだけど、こういうバカバカしいの、かなり好き。まあ、流石に「暴れん坊将軍」第一部の頃と比べると老けたし太ったなぁ、とは感じるけど。一昔二昔前は時代劇スターと言えばそれだけで芸能界で逆らえない存在だったようだが、今日の如く時代劇の地位の失墜が激しい昨今、こうやってきちんと大衆エンタテイメントの方向で生き残りを模索する松平健の姿に、ある意味感銘と感動すら覚えるのだった。少なくともヨン様より断然健さま(もしくは 鈴木平七っつぁん )を応援しますよ。愛知県豊橋市出身だし。
 ひとまず「マツケンサンバを追え!」改め マツケンサンバポータル にリンク。
  日記ちょう7/12 より、「かざきり羽( http://www.d5.dion.ne.jp/~kojore/ )というサイトが起こした 騒動について書くと脅迫メールがくるらしい!」とのことなので、ためしに書いてみるテスト。どんな騒動か全然知らないんですが。脅迫メール来るかしらん? わくわく。

[その他] いつもの

  P24P25


2004年07月13日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] こうすれば当選する!

  中村敦夫 氏率いる みどりの会議 は惨敗したわけですが、きっとこういうマニフェストを掲げれば当選したに違いないと夢想してみるテスト。
  • 「あっしにはかかわりのねえこって」と言いながら全国を回って人助け
  • 自然環境を考えて草とか木の実とか自然のものしか口にしない
  • 族議員は朝日を浴びた上で旗指物で突き殺す(殺すのか?)
  • もしくは相手の髻を切って髪で絞め殺す(どうしても殺さなきゃダメか?)
  • 足腰立たなくなったら愛妻の押す手押し車に乗って活動
  • その場合は武器は鞭(やっぱ殺すのか)
  • 口元からは楊枝を離さない
  • おばさんの墓は坊やの町が良く見える丘の上に作る
ダメか? ダメか。やっぱり。(参考 うらごろしのページ翔べ!必殺うらごろし (ミステリー作家の貫井徳郎氏のサイト)、 ちょんまげランド/おしどり右京捕物車
 報道では 「砂漠に水をまくようなもの。有権者に分かってもらえなかった」産経 )とある。つまり「自民惨敗・民主大躍進」とあるが、実態は民主党が他の党(共産党が特に顕著)の票を削りまくって集票したということにすぎない。マスコミがこういうふうに世論を煽る理由はさっぱりわからないが、結局のところ数の多いものが強い、ということに変わりはない。それは別にいい。厳然たる事実で大原則だから。問題は数の質で、民主党というのは結局のところ烏合の衆なんである。無論、立派な議員もいるのでひとからげにはできないが、思想も政策理念も異なった人間が対自民のために集合している、という事実は変わらない。おまけにトップにもまとまりがない。だから、トップが変わると言ってることがまったく変わってしまうし、政策もまとめようがなく反自民でしか政党の色をつけることが出来ない。正直なところ「口先ばっかりで誠実さどころか行動原理すら見えない」といった印象。こんな政党が二大政党制の片翼を担えるとは思えない。あと十年か十五年、寝かせれば味がなじんで反自民以外の政党のカラーが出るかもしれないので、それから議論しなくては話にならない、というのが二大政党制云々に対する私見。

[その他] これって胸キュン?

  アメリカンヒーローDVD−BOX1 。前に知人に「こんなのが出るよ〜」と教えたら、「買ったら見せてね」と返される。「買うこと決定ですか?」と抗議したら、「火のついたおれ様のなつかし心をどうにかしやがれ」と逆ギレされまして。でもなつかし心に火がついたのはこちらも同じだったり。
 で、他人のなつかし心に存分に火をつけるために 海外TVドラマテーマ曲のMIDI集 。Salor Moonとかもあるがとりあえず気にするな(もともとテレビ番組テーマMIDI集なので)。あと、アメリカン・ヒーローは原題は「Greatst American Hero」なので注意。
 しかしこういう懐かしいドラマのDVDが続々出るのは嬉しいのですが、困るのはお金のことと、面白いので「今のドラマ見なくてもいいや」って気になってしまうことですね……ふむん。
  泡沫の日々 さん経由で 死神デス子さん (だから違うって)を見て「イ、 嫌メイド !?」 と思わずつぶやく。そんな今日一日。


2004年07月14日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] 二大政党制云々について

 二大政党制については友人のところにあった解説が的を得てると思うのでそのまま リンク
 自民と民主が同じ有象無象の集まりでもどう違うかは後述。

[その他] あれも有象、これも無象

 自民が一種寄り合い所帯でいわば数を得るため集団化しているというのはその通り。しかし、民主と決定的な違いが一つある。それは「支持基盤」である。当たり前のことだが、議員というのは当選しなければただの人で意味がない。当選するためには票を集めねばならない。自民党の集票システムというのは非常にある意味パターン化し、そのパターン化が強みともなっている。支持層が固定しているということは、どういう政策を取るか、読みやすいということである。一方、民主党はこちらは本当の意味での「寄り合い所帯」である。元々別の政党の人間が寄り集まってるんだから、集票パターンが大きく異なるのは当たり前だ。そうするとなにが困るか。まったく違ったパターンの支持者からの欲求をまとめねばならない。これはおそらくほとんど不可能で、強力なリーダーによりまとめられるしかない。そこでも寄り合い所帯のまずさがもろに出る。まったく違いすぎる支持層の寄り合い所帯なので、自民以上にトップの折り合いのつかなさが目立つ。これは菅・小沢・岡田のお互いへの発言を見てればよくわかる。
 私が「十年か十五年くらい寝かせろ」と言ったのはそのためで、その間に党としての集票パターンが確立して支持層の要求にある程度方向性が出ることを期待しての発言である。
 余談だけども二大政党制に反対する理由をもうひとつ述べておく。今の民主党はもちろん話にならないのだが、そうでないとしても、それは結局国民に二者択一でどちらにつくか、という選択肢しか与えなくなるからである。そうでない意見の票は死に票となり、実質投票権を持たないも同然になる。意見の多様性を最も良しとする私としては、これは到底受け入れがたい。つか、自民党を二つに増やしてどうする?
 もうひとつ、私が民主党を信用してない理由を挙げる。それは拉致被害者への態度である。今の代表の岡田は「五人は北へ返せ」と言っていたし、実は今も言っている。小沢もなんだかんだと言いながら「小泉は五人のみで拉致問題をチャラにしようとしてる」などと相手への攻撃材料にしかしていない。これが「五人の日本への滞在と、その家族の日本永住には私も協力しましょう。でももしその五人だけですませるようなことがあったら、私は小泉さんを許しませんよ」くらいの啖呵を切ればかっこいいのに、その発言には実際の被害者に向けている目はまったくない。小泉の拉致被害者対応は政治的アピールにすぎない? 当たり前だ。政治的アピールをしない政治家なんているか? 民主のやってることは政治的アピールじゃないとでも言うのか? 逆に政治的アピールだとしてもここまでした政治家はいたか? 北にいる家族と引き裂くのかって? じゃ、日本の家族とまた引き裂けというのか? それに、長い時間はかかったが、北側から拉致被害者の家族をも取り戻したじゃないか。これから、まだ多くの拉致被害者を取り戻さねばならない。それが民主にできるか? 人気取りの政治的アピールだなんてのは百も承知。だが小泉はきちんと結果を出した。民主のお歴々はなにをした? なにを言った? そんな見え透いた絵空事としか思えない友好のために平気で他人に犠牲になれと、家族を引き裂けだなんて言う奴を信用できるか! 国士だろうが生真面目だろうが知ったことか! 右も左も関係ねえ! もっとも重要なことは、そういう連中がまた見え透いた絵空事の理由で国民に無為な犠牲を強いないなどと信じられるか? 私は信じないね。
 極めて感情的だが、これが私が民主を信用しない、小泉の方がまだましだと思っている理由。少なくとも小泉はそういった評価に非常に敏感ではあるから。

[アニメ] アクセスログに残ってた

  トリビアの泉アニメ作品 古(いにしえ)アニメ編 。「へ〜」ってものから「それでトリビア?」ってものまでなのは、どのジャンルでも同じか。
 新番組 DearS 。内容解説。萌え エイリアン・ネイション 。以上。ってそれだけかよ。(なぜニア・アンダー7ではなくエイリアン・ネイションに例えるかは、同映画を見た上でDearSの設定を見ればわかる) いや、原作見てるんで特に言うこともないんですけどね。他所では「童貞アニメ」だの散々だけど、実は私はそれほど嫌いじゃない、原作のPEACH−PIT氏(多分女史)が実は毒の強い作風なことは、「ゾンビ・ローン」や「ローゼン・メイデン」を見ればわかる(そういやローゼン・メイデンもアニメ化か)。だから、いかにもな欲望投影的な作りなのはかなり意図的と見るべきだろう。しかも悪意の方向に。鈴木行監督・吉岡たかをシリーズ構成のコンビであることも個人的にはちょっと注目。とりあえず第一話は絵がきれい。萌え系エイリアンを差し置いて寧々子が一番の萌えキャラなことも原作と変わらず。破廉恥教師のハレンチっぷりも変わらず。
 あとは特にないか? ないな。


2004年07月15日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 冥府魔道

 「新仕置人に藤村富美雄が元締め役で出て云々」ということを話していたら、その相手が「(必殺シリーズを)いっぺん通して見たい気がする」。
 それに対し思わず反射的に「死ぬからやめとき」と。いや、再放送とかもあるしDVDも結構出てるし、その気になればかなり見ることは出来るのだけど、なにぶん話数が多いので通して見るには相当の根性が必要になる。しかし正確には必殺シリーズが全何話か数えたことがなかったので、数えてみる。参考資料は 江戸のクロねこ さん。
 必殺シリーズ20年全30作で768話。内訳は主水シリーズが15作509話、非主水シリーズが15作259話。同じ作数でも主水シリーズの話数が倍近くあるのは、非主水シリーズには1クール程度の短いシリーズが多いことと、仕事人84話という必殺シリーズとしては異様な長寿があるせいだと思う(新仕事や仕事IIIも多いのだけど)。これにさらにTVスペシャル19本に劇場版13本(Vシネマ2本を含む)が加わる。
 これをこれから通して見ようとなると、やはり相当気合を入れないと無理な気がする。私も全部見たわけじゃないし。
 その相手には「仕事人までの最終回を収めたビデオが出てるから、レンタルで探してみたら?」と言ってはおいたのだが……それでも二話収録が7本だから(第一作仕掛人は収められていない)結構大変なんだけど、初期シリーズの最終回はどれも面白いので見て損はないと思う。

[必殺] 一筆啓上悪用が見えた

 「仕置屋稼業」#11。主水と下っ引きの亀が巡回中、ひったくりに出会う。それを取り押さえたのは腕利きの岡引佐平次。匕首を持って暴れる相手を、鎖帷子を着込んだ佐平次は易々と引っくくる。感心する主水。しかし、佐平次は裏で間男と逢引した大店の内儀を脅して大金をせしめていた。そんな中、島から帰ってきた伊三郎を札差の内儀・お栄が出迎えた。伊三郎はお栄がたちの悪い駕篭かきにからまれていたところを助け、誤って相手を傷つけた咎で島送りになったのだ。伊三郎になにか罪滅ぼしを、と言うお栄に伊三郎はうらんだ様子も見せない。しかしその二人を遠くから見る佐平次がいた。佐平次こそ実は伊三郎を島送りにした張本人。そして再び佐平次は伊三郎を利用しようとしていた。
 悪人は表裏二つの顔を持つ岡引だが、あまり強烈な個性はない。むしろ勝手にもう一度お栄を脅した手下を殴り飛ばすなど、極悪非道な悪、というわけでもなさそうだが……もっとも伊三郎を口封じのために殺したり、別の大店の内儀を首をくくらせるまで追い詰めるなど、若干矛盾している気もする。この部分で損をしてるため、盛り上がりに欠けたやや退屈な話になっている。仕置屋中盤にはこういう話も散見されてしまう。が、むしろ佐平次よりお栄と伊三郎のふたりの色欲抜きの、情愛スレスレの相手を思いやる真心のやりとりが見所かも。世間知らずのお嬢だったお栄には、身を呈して助けた伊三郎の姿はどのように映っていたのだろうか。
 この回での見所は、それまで下戸だった主水が藪医者と酒を飲むシーンが出てくること。もっともこれは市松の竹串で殺した佐平次の死因の偽装工作のためで、実際には飲んでないのに酔っ払ったふりをしてる描写があるのだが……続編の仕業人ではスポンサーに酒造メーカーがついたため、下戸の設定はどこかに消えて主水の飲酒シーンが頻繁に出てくることになる。

[必殺] 一筆啓上魔性が見えた

 「仕置屋稼業」#12。いぬい屋を畜生働きの盗賊が襲い、一家九人皆殺しにされる。たまたまその直後を訪れた市松は、瀕死の主人から恨みを晴らしてくれ、と頼まれる。裸一貫から小さな店を構えたいぬい屋の、赤子まで殺されたあまりに哀れな末路に依頼を受ける仕置屋たちだが、肝心の盗賊の正体がようとして知れない。市松がとある生薬屋の主人が実は盗賊だと情報を得て、その店を張る。しかし、その生薬屋の女将・おるいは市松の幼馴染だった。初恋の相手との久しぶりの再会に喜ぶおるい。だが市松に夫の裏の稼業を知られたことを知ったおるいは、父も盗賊で夫はその右腕だったこと、結婚をしてから父と夫の正体を知り、後悔と恐怖の間で死んだように生きてきたことを白状する。そして主水に目をつけられた絵図面師を始末するところを見てしまったおるいはついに夫を見限り、市松のところに逃げ込む。おるいを追ってきた追っ手を返り討ちにし、いぬい屋殺しの夫を仕置することをおるいに承知させる市松。そして盗賊たちを仕置する仕置屋たちだったが……
 タイトルの「魔性」とはなんなのか。最後まで見るとよくわかる。市松が始末した追っ手二人の遺体を平然と片付け、夫が死んだことを楽しそうに聞いてくるおるい。そして故郷に帰れと薦める市松に故郷で人を殺したこと、市松に一緒に殺し屋をやろうと楽しそうに語るおるいを、市松は……同じ人殺しでもまったく違う二人の、当然の結末だろう。
 しかしこの結末はちょっと意外というか、おどろおどろしいと言うか。
 余談だが、屋根を修繕する主水をせんが「情けない」と責めるシーンがあるが、実際の同心は貧乏なため自宅の修繕などは自分でやっていた者が多く、せんが「情けない」と責めるのは実はちょっと筋違い。

[その他] マツケンサンバII公式サイト

 私の中では大ブレイク中のマツケンサンバIIの、発売元Geneonのサイト。収録曲の試聴もできる。プロモーションビデオのストリーミング映像も見られるが、ちょっとかくかくして見にくい。やはりCDを買ってオマケのDVDを見ないと!


2004年07月16日(金) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 一筆啓上偽善が見えた

 「仕置屋稼業」#9。なんで#9をとばしていたかというと、更新用ネタに温存しといたのが血風編の感想が入ったのでうっかり忘れてしまったから。
 滑稽本の戯作者・蛙亭文蝶は大奥を揶揄した本を書いたということで手鎖の刑 *1 に処せられる。それでもなお創作への意欲をたぎらせる文蝶だったが、お上に目を付けられた文蝶の本を版元も出そうとしない。そのうえ愛妻・おきくをならず者二人に陵辱されてしまう。文蝶に筆を折らせるよう上から命じられた主水はそれを知り、文蝶に恩を売るために「俺が下手人をとっ捕まえてやる」と申し出るのだが、お上を信用せず、そもそもならず者たちも奉行所がやらせたのではないかと疑う文蝶は「心当たりの筋から勝手に仕置させてもらう」とすげなく断る。しかしその依頼は結局おこうを経由して仕置屋へ。だが表稼業で手柄を立てたい主水はしぶり、一旦仕事を断ってしまう。「女房が男をくわえ込んだだけなんじゃないか?」とまで言い出す主水に、意外にも市松が「あの夫婦はそんなんじゃねえ」と反発。一方、そんな傷心の文蝶に貸し本屋孫兵衛が近づき、自分が文蝶の本を出そうと申し出る。いかにも文蝶に親切に接するが、実はならず者をやとったのは孫兵衛。版元と組んで生意気な戯作者の筆を折らせて回っていたのだ。のみならず、孫兵衛の正体は実は隠密廻り同心。出版業界に入り込んで風俗紊乱や幕府批判に目を光らせるのが役目だったのだが、役職を離れて文蝶の絵草子で一儲けをたくらんでいた。そして一度目の犯行に味をしめたならず者が再度おきくに近づいてくる。おきくは誘いに乗る振りをして相手を殺そうとするが、返り討ちにあってしまう。一度差し戻された依頼は、再度市松を経由して仕置屋へ。実は市松は挿絵のモデルを頼まれたことがあり、それがきっかけで夫婦と交流を持っていたのだ。「そいつを先に言ってくれりゃあなぁ」と主水。見張っていた捨三の目の前でおきくが殺されたこと、そして孫兵衛の正体を知った仕置屋は、ならず者二人と孫兵衛を仕置することを決意する。
 悪人はいくつもの顔を持つ孫兵衛だが、描写の薄さもあいまって正体の意外性もその犯行動機もイマイチぴんと来ない。本当は三段で驚かせる仕掛のつもりだったのかもしれないが。仕置屋は五人の仕置屋メンバーにせん・りつ、与力村野、下っ引きの亀、家庭と職場でいびられる主水の心のオアシス・飯屋の看板娘のおはつなど、レギュラーキャラが異様に多く、バランスを図りかねて悪人の描写が薄くなってしまったのではないかと思える。また、コメディ路線を強くしたのであまり陰惨な描写は多く出来ないという計算もあったのかもしれない。#2の鳶辰や#19の全覚のような名悪人がいる一方で、悪人が薄い話は徹底的に薄い。しかしそれを補って余りあるのが今回の文蝶のキャラクター。必殺シリーズでは仕置される側で出ることの多い寺田農 *2 が演じるが今回は依頼主側で、どじょうひげに関西弁のユーモアたっぷりの、へこたれないキャラクターを好演している。市松が子どもがらみでもないのに情の絡んだ依頼に積極的な態度を見せるのも珍しい。
*1: 身柄は拘束されないが、一定期間手枷をはめられて創作活動が行えないようにする罰。
*2: 実は仕置屋25話「不倫が見えた」でも悪役で出演。市原悦子演じる堅い武家の妻をこますスケコマシの役を演じている。

[その他] 爽快感はあまりないが

 仕事で最近詰まっていたことが解決。基礎的なことなので、解決できないとむしろ困る、という類のことなのだけど。しかし、こういうときはホームズ先生の「不可能性をすべて潰し、残った可能性が、どんなに意外だろうが真実だ」という言葉が身にしみる。

[その他] マツケンサンバII、ブレイク(?)への軌跡

 マツケンサンバIIは少なくとも数年前(少なくとも2001年には存在)からあったし、マツケンサンバI、GO!、マンボ、小唄、数え歌に至ってはそれよりはるか昔なのに、どうしてここ一年で急に騒がれるようになったかというと、どうも2002年年末にテレビ東京で映像が流されたことがきっかけのようである。その後NHKでも放送されたり、ネットランナーやネット上のニュースサイトで取り上げられ、昨年九月あたりから一般販売CD化の動き、そして今回のCD販売、という流れのようである。 マツケンサンバポータルマツケンサンバNHKデビュー編レビュー 。どうやらあまりの映像のインパクトに、会場観客どころか共演者まで固まってしまったよう。
 やはり映像は強い。野田大元帥のこの言葉が思い出される。
「SFは画だ!」(SFか?) *3
*3: 「SFは画だ!」という言葉は、「良くできたSFは読めば自然に頭の中で映像・イメージが展開されるものだ」というのが正しい意味です。念のため。


2004年07月17日() 旧暦 [n年日記]

[その他] うなぎキター

 朝宅急便の鳴らすベルの音でたたき起こされ、なにかと思って荷物を見たら、冷凍のうなぎの蒲焼。発送主は実家になっている。こないだのサザエのお返しかしらん? と思いつつ、お礼の電話をしておく。
 私の実家は静岡だから浜松産のうなぎと思ったかた、惜しい。実は御前崎の近くの 丸榛吉田うなぎ漁業協同組合 。この辺は実は富士の雪解け水を利用したうなぎの養殖がさかんだったらしい。今では中国産や国内の安価なうなぎに圧されて、かなり多くの養殖場が埋められてしまったらしいが。
 そんな話はさておき、さて、どうやって食うかと考えるが、やっぱうなぎっていったらうな丼でしょう。ところが米か切れてる。ごはんの真空パックを買ってくるのも手だが、それではあまりに味気ない。やっぱ自分で炊かないと。近所の低農薬・無農薬志向の米屋で キヌヒカリ を買ってくる。コシヒカリ系統の米で、冷めても風味が落ちにくいという。やっぱり一度にある程度の量を炊かないとごはんは美味しくない。本当は丼にするので白飯がいいのだけど、健康のために雑穀を混ぜ合わせる。
 で、土鍋で御飯を炊きつつ(これがかなり簡単に美味しくごはんを炊けるのだ)、うなぎの準備。通販の蒲焼はすでにすべて調理済みで真空パックしたものを温めなおすのが多いようだが、これはちょっと違って面倒。白焼きが串をうった状態で入っているので、まずそれを蒸す。って、蒸し器なんて持ってネーヨ! とキレかけたが、説明書によれば熱湯に1〜2分浸けてもOKとのことなので、そうする。大丈夫かなぁ、と思いつつ、次は焼き。焼き網がこれまたないので、フライパンとアルミホイルを組み合わせて焼いてみる。焼き方は、身の側をまずあぶり、表面に脂が浮いて来たら付属のタレを塗って焼く。これを三度繰り返し、最後に皮の側を軽くあぶって出来上がり。かなり自己アレンジしてるから大丈夫かなぁ、と思いつつ、蒸らしの終わったごはんを丼によそってうなぎを火から下ろす。で、串を回しながら抜くが、身がまったく崩れない。串のうち方もいいのだろうが、身がしっかりしている証拠。お、これはいいかも、と思いつつ、ごはんに乗せ、山椒を振ってできあがり。
 で、いただきまーす。結果から言いますと、かなり「ウマー」でした。ちょっと頭の方が身が固いかなという感じだったけども、全体的に身がしっかりしてながらもほこほこしている。脂も、お湯に浸したせいかやや少なめの気はするが却ってこのくらいさっぱりしていた方がいい。ちょっと残念なのはタレがちゃんと染み込んでおらず、タレの味がなじんでいなかったこと。これは私の調理ミス。とは言え、大変おいしゅうございました。
 父上様、母上様、蒲焼おいしゅうございました。父上様、母上様、幸吉はもうすっかりおなかいっぱいでこれ以上は食べれません。げふ。
 実はあともうひと串あるので、また後日食べよう。今度はまぶしにしようかな?


2004年07月18日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 「ガンバレ」と言う残酷さ

 世間のどれくらいが意識してるかはわからないが、「ガンバレ」という言葉は残酷である。
 「頑張っている」というのは状態、それも相対的な状態であり、具体的な行為や手段はおろか、場合によっては目的すら不明なまま使われることがある。自分にも覚えがあるが、言われたって「なにを頑張ればいいか」わからず「頑張れない自分が悪いんだ」と却って悪い循環に入ることだってある。そういった厳しさをふまえて使う人も、いることはいる。
 しかし、よりたちが悪いのはそういうことをまったく意識せず、無自覚に「ガンバレ」という言葉を使って、言いっぱなしのまま自分はいい事をした、と思ってしまう場合である。
 ガンバレという言葉を使うな、とは思わない。それに残酷さを知った上で「ガンバレ」と言いたくなることもある。しかし、その言葉が却って相手の負担になることもある。それを思うと安易にそうは言えないのだ。
 世の中、結構曖昧でいい加減なもので、それなりにずるずるでもどうにかなることもある。でも同時においしいものを食べたときはおいしいと言いたいし、腹が立つことは腹が立つと、哀しいときは哀しいと、楽しいことは楽しいと、ちゃんと思っていたい。それといい加減さとの間で丁度良いところを見出していくのは、多分ずるい生きかたなのだけど、私はそういうずるさを身につけていきたい。

[その他] リムーバブルケース

 こないだのHDDのデータクラッシュに懲りて、バックアップの利便性を図るためHDDリムーバブルケースを導入。と言っても実は接続は内蔵のものではなくUSB接続で外付けHDDとして使用するもので、 RatokSystemU2-IFK1 。探してもオウルテックのHDDリムーバブルケースが多いし、あってもRatokの外付けユニットを置いてる店がほとんどなくって参った参った。通販しかないかなぁ、と思ったが、どうにかDOSパラにあるのを発見。なんで内蔵ユニットでなく外付けユニットにしたかというと、ノートのバックアップも行いたいからだけだったりする。値段が高いのは諦めていたし持続して使用するつもりもないので発熱の問題は最初から切り捨ててるのだけど、まあ、 価格.com で調べてもそれ以下の値段で買ったから、そんなに悪くはないのかもしれない。
 今日は夏バテ対策にトルコ料理を。まだ行ったことのない「ユーラシア」に行ってみる。全般的にちょっとお値段高め。元々夜の営業がメインなこともあるのだろう。入ったときにはわりとガラガラだったので心配したのだけど、料理を待ってるうちにカップルが次から次へと……ちょっと居づらい。頼んだのはシシケバブのセットだけども、わりとさっぱりした味付けで夏バテでも食べやすいと思いますた。でも一人で行くならやはり「オリエンタルの青い月」の方が気楽かな?
 店内にはなぜか森山周一郎のサインが飾ってあったりもして、私の入る前からいたカップルの男の方が「あれ、誰?」とか指差してた。すると女の方が「声優、っていうか、役者なんだけど……」よく知ってるなとちょっと感心。またプロジェクタで映画も流してたのだけど、なぜかそれが「 陽だまりのグラウンド 」。トルコ料理屋で、何故???
 帰りに目と肩が痛かったので薬局によってサロンパスと目薬を購入。ところが目薬さしたら、肩こりの方もかなり軽くなってしまって……眼精疲労から来る肩こりだったようです。ちゃんと目ぇ休ませないとなぁ。

[アニメ][特撮][その他] お題は箱、または自由

  NHK歌壇 の今回のお題。そんなにはっとする鮮烈な歌はなかったけど、粒はそろっていた。あと、添削コーナーは相変わらず巧み。
  ウォーターシップダウンのうさぎたち は、戦力では圧倒的にエフラファーに劣るヘイズルたちは、エフラファーの内側からウーンドウォート将軍を失脚させようとたくらむ。その相手として選ばれたのはエフラファーのアウスラー(士族)キャンピオン。エフラファーながら将軍の暴政に心を痛めるキャンピオンならば、とためしに話を持ちかける。しかし密会の現場を見られ、将軍に問い詰められたキャンピオンは話に乗ったふりをしてヘイズルたちの村をつきとめるつもりだ、と弁解する。その芝居のために再度の密会の現場をエフラファーのアウスラー・バーベインの隊が襲う。ヘイズルたちと逃げるキャンピオンだが、それが芝居であること、将軍の策略であることを吐露し、自分の立場に迷う。そんな折、帰りの遅いヘイズルたちの様子を見に来たピプキンが川に流されてしまい……
 いやはや。面白い面白い。ガン種なんぞよりよほど政治的アニメだ。お互い策略を張って裏を探り合い、また策を練る。キャンピオンは多分、本当に裏切るべきかどうか、当人にもわからないんでしょうな。結局策略を見破られたふりをしてエフラファーに一旦戻るわけですが、どうもキャンピオンの心中は将軍はお見通しのようで。代わりにバーベインが連れてきたピプキンを懐柔して利用しようという策略のよう。しかし、「将軍」という呼称といい、どうしても北の将軍様を連想するんですが……
  デカレン は七番目の戦士・デカブレイク登場。特別指定凶悪犯罪対策捜査班、略して特キョウのエリート。噂と違って、外タレではありませんでした。さっそうと現れ、デカレンたちも苦戦する敵をあっさりと片付ける。しかしその言動は一々厭味。「正義は勝つ!」というバンの信念を、あっさり「ナンセンス」と否定するなど、ドラマ的にもいろいろ引っ掻き回しそう。デカレンメンバーの名前は推理小説作家(姓)+お茶(名)なのだけど、姶良(あいら)ってのはどうも アイラ・レヴィン っぽい。他のメンバーとの違いが反映されてるのかも。「鉄幹」は鉄観音茶で間違いないでしょう。乗っている巨大メカはバイク。デカレンロボが乗ったりというスチールが公開されてるから、多分乗るんでしょうな。巨大バイクに乗る戦隊ロボは当然初めて。だけでなく、どうも「いかにも」な手のようなハンドガードの形から判断して、多分合体するんでしょう。しかし悪役のへタレ具合は微妙に気になるかも。特キョウの訓練シーンがまんまガンカタの訓練シーンなのは笑った。エージェント・アブレラの捨て台詞の数々はなかなかかっこよい。
  ブレイド はまあ、いろいろ。蘭姉さんがカリスに見つかったときに虎太郎を失神させてカリスと対決したのは、ちょっとは虎太郎に思うところがあったのかしらん? 虎太郎を人質にするのはカリスには有効だとわかってるはずなのに。で、蘭と狼が封印。蘭はQシリーズだけど狼はJシリーズ。ブレイドは既にJのカードは持っているから、狼は一旦再解放されるのかな? 象の兄さんは他の連中が潰しあった後、残った奴を倒そうという漁夫の利を狙ってるらしい。セコイというより誰が残ろうと潰せる、という自信だろう。で、来週はブレイドの新フォーム・Jフォーム登場。でも金色になって羽生えるだけだからなぁ。
 雑誌で劇場版の発表会見の様子が載っていたけど、舞台はテレビシリーズの4年後というまたも意外なパターン。ブレイドたちのAアンデッドも解放される(つまりビートルアンデッド、スタッグアンデッド、マンティスアンデッドが登場ということか)そうだけど……なんかライダーのようなそうでないような、変な連中も一緒に写ってるんですけど???


2004年07月20日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] のんだくれ

 今朝は午前三時を回るまで飲んだくれる。弔いのためなんて言うつもりはない。自分が飲みたかったから飲んだだけ。でも、こんなときに限って前後不覚になることはない。
 実際に顔をつき合わせたのは手の指で事足りるだけだけども、思い出すのはおにぎりをおいしそうにほおばっていたところや、名古屋で一緒に飲んだことや、ろくでもない駄話で盛り上がった、とてつもなくどうでもいいようなときの、楽しそうな顔だけ。でも残された側にはそれは救いにもなる。
 人間、本当にショックなときには頭が真っ白になってなにも考えられなくなるというがあれは嘘だ。あまりに現実味がないので、脳がそれを真剣に受け取らないだけだ。そして、じわじわと事実を受け入れる準備が出来ていく。
 どうして、とかは考えられない。生きること死ぬことに大義名分も理由もない。不様に生き残った側は、不様にだろうが生きていくしかない。そうでもなければ申し訳がない。
 中途半端に生々しく中途半端に現実味がなく、「ご冥福を」だなんて言えない自分には、せめてこんな手前勝手な文章でしか弔うことができない。

[読書] カラシニコフ/松本仁一

  BK1 。朝日新聞で今年の元旦から四月にかけて連載していた特集記事をまとめたもの。 速水螺旋人氏 の日記で出ていることを知り、慌てて買ってくる。新書版かと思ったらハードカバーかぁ。でも、買う価値は間違いなくあります。
 著者の松本氏はナイロビ局長、中東アフリカ総局長を経験した記者。その著者が、二〇〇二年にドイツで開かれた旧ソ連の武器の展示会にカラシニコフ氏が出席したことを新聞記事で読み、その存命を驚くと共に、是非生きているうちにインタビューをせねばならない、とロシア支局に連絡を取ったことが連載の端緒となる。長年紛争地域で記者活動を行った著者は、なぜ紛争地域でああも氏の設計・開発したAK−47があふれかえっているのか、そのことを不思議に思っていたのだ。そして氏のインタビューで泳ぎもスケートも出来ないこと、サビだらけのブローニング拳銃を修理した子ども時代、祖国を守る武器の必要性を感じて銃の設計に着手したことなどを聞く。この本のもう一本の縦糸になるのは、小説家フレデリック・フォーサイスのインタビューで出た「失敗した国家」という言葉である。失敗した国家とは自治体としての国の体をなしていない国で、その基準は経済ではなく、治安維持と教育への無関心だという。
 連載当初、元少女兵のインタビュー記事からはじまり、いったいこの記事はなにをしたいのだろうと疑問に思い、また朝日新聞という記事傾向に偏りのある紙面でもあり、最初は斜に構えて見ていたのだが、カラシニコフ氏の取材にも偏りは見られないし(むしろ、ここまでカラシニコフのことをきちんと紹介したインタビュー記事を寡聞にしてほかに知らない)、紛争地域の危険な状況を分析を交えつつ描写したりと非常に興味深い連載となった。
 紛争により国家が破壊されたあとには力による支配しか残らない。その力とは銃であり、中でも丈夫で扱いの簡便なAK−47は引っ張りだこになる。その図式にはすでに祖国を守るためというカラシニコフ氏の意思は介在しえない。役人は外国のNGOすら食い物にしようとたかり、国民の窮状を無視して国家を私し、そうして得た財産で自分の家族は国外に滞在・留学させる。ゲリラは民衆のことなど度外視で、その利権を自分たちが得るために、少年少女を襲い、無理矢理ゲリラにする。しわ寄せを食う最下層の人々は、銃に対抗するには銃しかないという悪循環に陥る。しかし希望はないかというと、「希望の山」や「バッテリーセンター」のような地域の治安回復運動、そしてソマリランドの銃器の取り締まりの成功と教育への取り組みを反例として取り上げている。隣地区ソマリアでは護衛なしでは外を歩けないというのに、その姿は雲泥である。大きくはないかもしれないが、希望はたしかにそこにある。
 日本への問題提起としては「失敗した国家」に対し、失敗した国家を作り上げている政府に無反省・無批判にODAを与えているというものがある。民衆のためにODAが使われる仕組みをきちんと作り上げねばならない。
 その他いろいろ現地の取材の描写が興味深かったのだが、覚醒効果があるとしてソマリアで多用されているカット(映画「ブラックホークダウン」で民兵がくちゃくちゃ噛んでいたあの葉っぱ)は、実はコーヒーやかぜ薬に慣らされた我々にとっては問題にならないくらい効果が弱い、という話が意外だった。あと、ガリルがAKとの差別化のために栓抜きが付けられた、って書いてあったけど、どうにもそのへんは眉唾な気もするなぁ。(栓抜きが付いているのは本当です)
 ともかく、いろんな視点から読み応えのある本である。なんせ朝日新聞取るのやめようと思ってたのを、この連載で思いとどまったくらいですから。
 いや、某元人質の「信念を持って」なんて言葉を聞いてるくらいなら、この本を読んどけって。 *1
*1: 他の言動はとやかく言うつもりはもうないが、あの発言だけは私ぁ許せんのよ。


2004年07月21日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] 家に帰ると

 なんだか壁に7、8センチの縦長楕円の黒い立体感のある物体が張り付いている。思わずギョッ。
 いや、そりゃ確かにこまめに掃除してないけど、こんなでっかいゴキさんが出るなんて、とトホホな気分になり電気をつけると……
 肝つぶしました。そこに張り付いていたのは、アブラゼミですた。
 窓を開けっ放しにして出て行ったので、入ってきたらしい。どうにかこうにか捕まえて外に逃す。そういや前にうっかり窓を開けっ放しにしたら朝スズメが飛び込んできたことがあったっけなぁ。気をつけないと。

[マンガ] 最終回

 サンデーの早売りを入手した知人が「『かってに改蔵』の最終回が!」とかなんとか言ってたのでなんだろうと思ったら……あ〜、そういうことですか。う〜ん、「南国」のときといい、この作者の最終回は読者のためというより作者自身のため、という気がする。長期に渡って週刊でハイテンションというかダウナーというか、微妙な境界を保ちつづけたのだから、これくらいの憑き物落としは必要なのかもしれない。とにかく、おつかれさまでした、としか。同時に最終回の「美鳥の日々」はすべてに決着をつけた上での最終回。新人さん離れしてる気がする。
 あと、明日発売のチャンピオンで「虹色ラーメン」と「ゴーバウト!」が最終回という話。虹色ラーメンは完走した上での最終回なのでいいのだけど、ゴーバウト!は、やはり地味だったのが災いしたか、という感じ。良質ならば良い結果が出るとは限らない、商業の難しさを感じる。もうひとつ、35号で「カオシック・ルーン」が最終回との噂が。え〜! これからじゃん! という感じなのだが、単行本の売上とかどうだったんだろう? やはりマニア受けしかしなかったってことだろうか? この辺はタイアップのわりに肝心のカードゲームを何時までたっても出さなかったブロッコリにも責任の一端はあるとは思うが……まあ、今更なにを言っても詮無いのだろう。

[その他] 二つの顔

  ジェンキンスさん「特赦は困難」 米政府高官示唆朝日 )、 米高官、ジェンキンス氏訴追問題は「落としどころある」産経 )。まったく正反対の報道だが、例によって同じ発言の別の部分を見出しにしているにすぎない。朝日の記事から発言要旨を抜き出すと、
「ブッシュ大統領が特赦をするのは非常に困難だ」(中略)日米両首脳の関係はよく、できるだけ(軍事)裁判所での手続きを踏まえながら、日本国民や曽我さん一家の気持ちを考え、何とかなると思う」述べ、軍法会議に応じれば司法取引などによって柔軟な対応ができることを示唆した。さらに「日米間の重要な問題にならないと自信がある。落としどころはあるだろう」
とあり、「無罪には出来ないが、刑の軽減、場合によっては実質的に実刑が加えられないこともありうる」と可能性を示唆している。無論、その可能性の通りになるものとは限らないが、それぞれ、別の方向に印象を誘導しようとしていることは当然のこととして気をつけねばならない。


2004年07月22日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] JASRACがまたやったか

 全然知らなかったのだけども、 妖精現実 さんのところによると、今あちこちのライブハウスにJASRACの取り立てが行われている、という。ニュースじゃボチボチ聞いてたが、まさかおおがかりにやられていたとは。同サイト内コンテンツ ナニワ著作権道 参考。しかもその計算方法がふざけている。JASRACに登録した楽曲、もしくはJASRACに登録したアーティストが演奏した時点から、月掛けで遡って計算しているのだ。一回でも演奏し、その後もライブ活動を行っていればその後にJASRAC登録曲でないもののみ演奏したり登録アーティストが出演しなくてもずーっと払い続けねばならないらしい。あまりの横暴さと杜撰さに抗議したところも当然出たらしいが、その返事が「演奏しなかったって証明できないでしょ」……この担当者はアホちゃうか? いや、担当者はマニュアルどおりにしゃべってるだけだろう(まあ、それでもしゃべってる時点でアホだが)。「なかった」ことを証明することは不可能で、「あった」と主張する側が立証するのが普通だ。しかもそれまでなにも言わなかったのにいきなり数年分を請求してくるとは(その明細も見てみると非常に実態無視でいい加減で杜撰である)。いきなり数百万単位の金額を請求され、小さなライブハウスなどは立ち行かなくなるかもしれない。
 JASRACがもはや著作権保護の団体などではなく、むしろ音楽を食い物にする組織だということはわかっていたが、ここまであからさまだとは……本当にJASRACってなぁ……

[必殺] 一筆啓上過去が見えた

 「必殺仕置屋稼業」第十三話。印玄は岡場所で、楼主の責めの挙句死んだ病気持ちの女郎がこもに包まれ、運び出されるところに出くわす。あまりの悲惨さに思わず経をあげる印玄を見て、顔色を変える女郎がいた。後日、おこうに仕置の依頼がやってくる。依頼主はその女郎およねで、仕置の相手はなんと印玄。十四年前に父親を一緒に居た女性と一緒に殺されたという。およねは十四年の間、地獄のような岡場所を転々として親の仇の印玄を探していたのだ。主水以外の仕置屋のメンバーを知らないおこうは、印玄が仕置屋とも知らずに仕事を引き受けてきてしまったのだ。筋が通った依頼なら仲間も殺す掟とはいえ、その話がどうにも信じられず依頼の真偽を問いただす主水に、印玄は自らの過去を語る。印玄がおよねの父と一緒に殺した女は、実は幼いころ印玄を捨てた母親だった。しかし探し求め夢にまで見た母は情夫と一緒に客を引く、醜い中年女郎となっていた。捨てられた挙句自殺した元夫の死にも心を動かさず、実の息子ですら客に取ろうとする母親を、印玄はたまらず男と共に二階から突き落としたのだ。凄惨な過去を聞いた主水は印玄にすべてをゆだね、印玄はことの委細をおよねに明かす。殺したければ殺してもいいと言う印玄に、およねは復讐を諦める。しかし、およねと同じ店の女郎が労咳をわずらっているのがばれてより劣悪な店に売り飛ばされる。それを止めようとしたおよねは女衒ともつれた挙句、刺されてしまう。およねは最期の力を振り絞り、自分たちを食い物にしている楼主とその手下の女衒を代わりに仕置してくれ、と頼む。
 ムードメーカーだけども普段はただの助平な乞食坊主としか描かれない印玄の凄惨な過去が語られる印玄が主役の回。印玄の過去は「仕掛人」の藤枝梅安の過去から取ったものだろう。しかし実の息子と知った上で客に取ろうとしたり、心中で元夫が死に印玄だけが生き残ったことを知りながら印玄を捨てたことが描写されることもあり、人間的な醜さの描写で二番煎じの印象はかろうじてまぬがれている。この回は悪辣な忘八者 *1 に食い物にされる女郎の悲惨さと印玄の過去のふたつが話の焦点になるのだが、いまいち両者のまとまりが悪いところはある。が、印玄の過去だけでなく女郎の悲惨さの描写もねっとりと描かれているため、最期におよねが仕置の相手を変えるのも唐突という印象はない。自分の過去を語り殺されてもいいと言う印玄と、印玄の過去を聞いてしまい印玄を殺そうとしてもどうしてもできないおよねには、憎しみと共にお互いが虐げられた者だという感情の共有が生まれる。それはおよねの遺体が運び出されるのを見た印玄が遺体を買い取り、きちんと埋葬してやるところでもわかる。印玄の母親といい、単に良い・悪いで分けられない、社会の底辺に落ち堕する者、それでも踏みとどまる者、やるせない恨み、行き場のない悲しみ、人間の色々な面を描いているのが仕置屋の魅力のひとつだろう。
 また、依頼者とのつなぎ役のおこうは主水以外のメンバーを知らないために仕置屋の仕置を引き受けてきてしまうのも面白い。でも、一応印玄とおこうは面識があるはずなんだけどなぁ……(仕置屋としてかは不明だけど) あと、「依頼があれば仲間だって仕置する。それが掟だ」と言ってるけども、そんな掟、いつできたのだろう?(殺し屋稼業としては至極もっともなのだけど)
*1: 仁義礼知忠信孝悌の八つを忘れたという意味。特に遊女屋の主人のことを指す。

[その他][マンガ] 人気

  台湾で韓国ドラマ『大長今』が人気急上昇中朝鮮日報 )。台湾で放映された韓国ドラマで最高の4.35%の視聴率を記録したんだそうで。まあ、4.35%ってのは台湾ではすごい視聴率なんでしょうな。
  主演ドラマ「家なき子」が台湾で放映され視聴率56%という歴史的な高視聴率を記録。サンスポ )…………
 韓国ネタが連続するけどもあまりに愉快だったので。 「対馬は韓国領土」 小泉首相訪韓反対集会朝鮮日報 )。「同会はこの集会で小泉首相の「常習的な独島妄言」を糾弾し、韓国の昔の領土だった対馬島の返還を促す一方、」歴史の捏造は現在でも着々と行われているようです。
  愛・蔵太さん の7/22付けの日記 「日韓首脳会談後の共同記者会見」で、小泉総理は何と言っていたか 。私も クライン孝子さんの日記 で元発言と報道を見比べて「おや?」と思ったのだけども。発言の趣旨は「国交正常化は平壌宣言の履行しだいで、履行されれば一年以内の正常化もありうる。されなければない」ということですな。つまり「平壌宣言の履行」(拉致問題、核問題、ミサイル問題)が大前提と強調してるわけで、二年の任期内にこだわっている記述は、すくなくとも官邸の発表にはない。どの新聞も微妙に文意を捻じ曲げてますな。
 二度目の会談で「平壌宣言が履行されれば経済制裁は発動しない」と発言してマスコミが叩いたけども、発言を良く考えれば拉致問題を含めた問題解決に前進が見られなければ経済制裁を行う可能性もある、と示唆してもいるわけで、どうしてそのことをどの新聞も取り上げなかったのだろうかと非常に不思議だったのだが……
  探偵ファイルの 反日感情の真実 〜聞き込み18日の日記 と併せて読むと面白い。まあ、中国ってなぁこういう国だよなぁ。
  自衛隊装備品占い 。占いブームもここまで来たか(ちがうちがう)。ちなみに私は 64式7.62mm小銃 。これはいい結果なのだろうか? う〜む。(部品の脱落がときどきある=抜けてる という意味なら当たってるかも)
 チャンピオンは、「虹色ラーメン」と「ゴーバウト!」が最終回。虹色ラーメンは文句なしの終わりかただったが(作者の年期の差もあるが、きれいな終わりかたをした「美鳥の日々」よりはっきり言って上)、ゴーバウトは「あれ?」という終わりかた。よっぽど急の打ち切りだったのだろうか? そしてカオシックルーンも来週で最終回という記述が。掲載誌移転の噂もあるが、なんだかゴーバウト!とカオシックルーンの終わりかたは、打ち切りにしても非常に変な感じなのだが……


2004年07月23日(金) 旧暦 [n年日記]

[必殺][その他] 天誅屋 くれない

  フロムソフトウェア の時代劇アクションゲーム 天誅 シリーズは、近作ではとみに「必殺テイストにあふれている」と言われていた。なんせ「参」から登場の使用キャラの 藤岡鉄舟 って名前からして「お前は藤枝梅安なのか念仏の鉄なのかはっきりさせろぃ!」と言いたくなるのもの。「晴らせぬ恨みを晴らし *1 」だとか、使ってる技が針 *2 だとか骨はずし *3 だとか言われた日には、もう……このうえ、技としては石屋の大吉(心臓握りつぶし)まで加わるのだから、こんなのが必殺に出てきたら最強の化け物間違いナシ。
 で、最新作 天誅 紅 を、必殺ファンの末席にいる私としては買おうかどうしようか、迷ってたわけですよ。が、 大須の某店 の前を通ったときに、ふと 自家製ポスター が目に入ったわけです。コレ自体は基本的に商品パッケージの後ろ側を取り込んで引き伸ばしたものですが、問題は下の方の追加部分(赤丸で囲んでるところ)。ふと「一天地六」ってのが目に入ったので視線を下げると……
  って、マンマすぎやー! (参考: 必殺必中仕事屋稼業 ) もうひとつ、 A4版の自家製ポスター もあったわけですが、そっちもまんま 必殺仕事人V旋風編 。この店、担当にマニアがいるなぁ……しかも、よりによって仕事屋に旋風編とは、微妙なところを選んでるし(仕事屋は初期必殺史上最高の視聴率を稼いだ非・主水シリーズ。旋風編は前作激闘編から路線変更して内容の紆余曲折で評価があまり高くないシリーズ)。
 いや、思わず買っちまったんですが。
 で、立ち上げると、各ステージの前にはさまれるオープニングムービーが、なんというか、まんま初期必殺シリーズのオープニングムービーなんですけど……浮世絵と残酷絵を交えてキャラクターの白黒の素早いカットを入れていくところなど、特に……小林清のナレーションも効いてますな。まあ、口上自体はキレが悪いですが、各ステージで全部変わることを考えれば、こんなものか。
*1: 必殺第一作「必殺仕掛人」のオープニングナレーションが「晴らせぬ恨みを晴らし、ゆるせぬ人でなしを消す、云々」というものだった。
*2: 仕掛人の主人公・藤枝梅安の殺し技。表稼業は鍼医者。
*3: 第二作「必殺仕置人」の「念仏の鉄」の殺し技。のど骨や腰の骨を指で砕く。


2004年07月24日() 旧暦 [n年日記]

[マンガ] オマケにコピー誌

  二十面相の娘(3)/小原愼司銭(2)/鈴木みそ を購入。比較的近場でも買えるのだが、今回は栄の マナハウス で購入。なんでかと言うと、「二十面相」にオマケの小冊子が付くから。小冊子を配布している店は 小原氏のサイト一覧 が掲載されている。愛知県ではマナハウスのみ(でも、もう数冊しかなかったなぁ)。サイン本販売もあったのだが、そっちは売り切れ。残念。で、小冊子を見たのだけど、まんまコピー誌なんですけど……確かに作者サイトで「コピー誌」とは書いてあったけど、本当だとは思わなかった。しかもかなりチープな製本で、断ち切りが歪んでて綺麗な長方形になっていない。しかし、中身はきちんと充実している。いや、すごい! まさか商業のオマケでこんなイキなものを見られるとは(本気で誉めてます)。小原氏の描いた4ページマンガは氏のサイトで公開されるそうなので、買い逃したかたはそちらで是非。
 もう一冊の「銭(2)」は、店頭で並んでいたのを見て購入。今月発売ってのをうっかり忘れてた。事故で死んでしまった少年の幽霊「チョキン」が、案内役幽霊「ジェニファー」の案内でいろんな業界のお金にまつわる諸々を解説していく話なんだけど、お金という、えげつなくなりがちな題材を綺麗にまとめている。今回は「ゲーセン」と「同人誌」の話。同人誌の方は、これまでのジャンル界隈で風当たりが強くなり、新しいジャンルに乗り換えようと「鉄道」のサークルにもぐりこんだ同人女が超大手を目指して萌えとかなんとかで云々する話。具体的なお金の話は超大手サークルの収入とか税金の部分くらい(あと、税金対策)なのだけど、絵柄における「萌え」の分析とかが結構面白い。漫画家さんでも研究家・分析者タイプの人の中には、記号を分析し使うことによってかなり意図的にいろんなタイプの絵柄を上手く真似することができる人がいるのだけど(みなもと太郎氏とか)、鈴木みそ氏もどうやらそういうタイプらしい。ただ、こういう人は同時に「記号を分析してそれに乗っかっているだけ」ということがわかっていることも往々にしてあり(そういう人の方が頭が良いと思うが)、鈴木みそ氏もそれはきちんとわかっている人のようである。だけど、本当に器用だなぁ。同人女・麗留も「中途半端に人間的いやらしさが出てるけど、アングルとタイミングによっては可愛く見える」という絶妙な普通に現実的な可愛さだし、電波だとかダメ人間とか、世間では単純にレッテル貼りをされてひとくくりにされてしまう人種への洞察力もすごいものがある。それと、なんだかんだと今回も良い話にまとまってます。この作品は「お金のことをきちんとするのは恥ずかしいことでなく、周囲の人間のため、自分のやりたいことのために大事なこと」というスタンスが貫かれてるのが気持ちよい。
P.S.なんで「銭」の中のダメ人間鶴巻が「マドンナ」というあだ名なのか、「四国鉄道」というキーワードで探してみたが、よくわからない。松山に「マドンナ電車」というのがあるので(やっぱ「ぼっちゃん」か?)、それがらみだとは思うのだが。

[その他] 今日のおつまみ

 オランダ産アジのひらきが安く並んでたので、それを焼く。結構上手く焼けた。皮も硬い部分を除いて食べ(本当はそこもパリパリに焼くとおいしいのだけど)、骨はもう一度焼いて骨せんべいに。残ったのは皮の一部と小骨、目玉と頭骨くらい。このくらい食べればアジも成仏してくれるだろう。そういえば、某氏が飲み屋で興味本位でメニューにあった「骨せんべい」を、なんだろう、と注文して、中落ちをカリカリに焼いたものが出てきたときに、目を丸くしてたなぁ。静岡出身の私にとっては、それは常識だったんだけど。
 昼はランチタイムサービスで280円でラーメンとか出してる店に寄る。安く上げたかったからと言うより、その値段でどのくらいのものを出すのかとか見たかったから。意外にも、値段を考えると悪くはない。ただ、そうなると回転効率が問題なのだけど、大学の近くなのに、土曜ということもあってかそんなに客足は多くない。ざっと計算したが、人件費もちょっと危ういかも。
 近所の大学からそのひとつ向こうの地下鉄の駅まで、わりと商業的には厳しい区間があって、特に新規のお店には厳しいのだけど、そこにぎりぎり差し掛かっている。なかなかシンプルながら工夫が見られるので、頑張って欲しいのだけどな。

[アニメ] エンクミって誰だっけ?

 いや、(元)アイドルってことはわかるのだけど。NHK−BSの衛星アニメ劇場の司会にどういう経緯で?  愛してるぜベイベ に声優として参加してるらしいが、そういう話なんだろうか?
 で、その衛星アニメ劇場の一本目の ウォーターシップダウンのうさぎたち 。ウーンドウォート将軍はピプキンを人質にウォーターシップダウンの中心であるヘイズル、ピグウィグ、そしてファイバーの身柄の引渡しを求める。三匹がいなくては集落は立ち行かないと、ピプキンを見捨てようという意見すら出る中、ネズミのハンナがピプキン救出の名案を思いつく。一方、将軍もウォーターシップダウンの場所を聞き出すためにピプキンを懐柔しようとするが、ピプキンの純粋さに、逆に感情移入しはじめる。
 いや、面白い。エフラファー側の内情を伝えるようになったキャンピオンの苦悩、幼い頃から敵に脅かされ、何者にも脅かされない集落を作る理想を実現させようとしているウーンドウォート将軍など、シンプルな表現ながらそれぞれのキャラの奥深さがある。こんな面白いのに、なんでネット上ではあまり評判にならないんだろう? 萌えとかなんとかを否定するつもりはないし、マーケティングも大いに結構だが、まず「面白い」ということが第一。面白いってことをないがしろにして、面白いものが作れるわけがない。それがここのところのアニメのイマイチの不振の原因じゃないのかなぁ。


2004年07月26日(月) 旧暦 [n年日記]

[ドラマ] 西遊記DVD

 ってのがでてるらしい(もちろん堺正章、夏目雅子主演のアレ)。 ただしイギリスで 。日本でも出ていないアイテムがなぜ、と思うのだが、 実は日テレ版「西遊記」はほぼ同時期にイギリスやオーストラリアでも放送されていたらしい海外ファンによるファンサイトもある (英題は「Monkey!」)。 しかも結構な人気だったとのことで、英国ドメインでなぜか 堺正章のファンサイト があるくらい。う〜む、わからんではないが。
 そういえば、後に「翔べ! 必殺うらごろし」を見たときにBGMの感じがなんか似てるなぁ、と思ったのだが、放映時期がほぼ同じ。音楽担当はまったく違うのだが、そういうのは関係あるのだろうか?

[マンガ] マガジンZ

  えびふらい 氏の「ねこだま」が連載開始している。本来いつもの基準だとあと一本くらい読みたいものがないと購入しないのだけど、まあ、お祝いということで。伊藤勢氏の「荒野に獣、咆哮す」も悪くはないのだが、どうにもイマイチ「斬魔剣伝」やドラゴンで描いていたときのようなしびれる感じがしない *1 。「小説家先生」に猫弾かせたりして、原作者のファン(原作ファンというよりは)な感じはするのだけれども。(ちなみに仮面ライダーSpiritsは、出来はいいと思うのだが作品とは別の理由で思うところがあるので、評価対象からははずしている) で、「ねこだま」がそんなに良いかというと、そんなにむちゃくちゃいいわけではない。っつーか、他がひど過ぎるので安定した普通に出来のいいマンガが載ると安心するんである。創刊から結構経っているのに誌面の半数以上がタイアップというのは、根本的になにかが間違ってる気がするのだが……たまに「お?」と思えるものが載っているので編集さんにもそれなりにマンガ読みの目を持つ人はいるのだろうけど、いかんせん育てなさ過ぎる。新人さんにタイアップマンガを描かせる事自体は悪くないが、きちんと育ってない印象があるし、さらに雑誌の柱となる、までは到底及ばない。編集方針には完全には賛同しないが、「電撃大王」の方がこのへんはきちんとやっている。これは純粋に編集さんの腕だと思うのだが……
 隔週刊ヤングキングで竿尾悟氏「地雷屋」が連載開始。紛争地域での地雷撤去屋の話で、これまでの竿尾氏のマンガにはいなかったタイプの主人公かも。完全に地雷撤去を「ビジネス」として数稼ぎするライバル地雷撤去屋の名前が「メイサイ」だけども、見た目はどっちかと言えばキルゴア。
*1: なにが一番イカンのかというと、化け物が小さくまとまっちゃってる、というか、以前は実際の大きさ以上の空間的圧迫感があったのに、独覚兵は妙にちみっこくまとまったCG的化け物なのだよなぁ。


2004年07月27日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 必殺からくり人再放送

 8/26(木)からテレビ東京時代劇アワー枠(月〜金AM11:35〜PM12:30)内で。全13話。って、木曜からということは、12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」と最終回「終わりに殺陣をどうぞ」が二日空いてしまうのか。あの二話は怒涛の展開なのに。
 それはさておき、このシリーズはマジオススメ。なにせ御大山田五十鈴が初めて連続テレビドラマに出演したのみならず、まだすごい人だったときの早坂暁が全話シナリオを書き下ろしてるのだから。山田五十鈴はあまりにスタッフが無茶なことばかり言うので「これでいい画がとれなかったら承知しない」と怒ったのだけど、実際に出来たフィルムを見たら怒るどころか必殺のファンになってしまったというシロモノ。早坂氏は早坂氏で上がってくる脚本の出来はいいのだけど遅筆がわざわいし、段々脚本の完成が遅くなる。しまいには第12話では撮影に入っても脚本が書き上がらず、送られる断片的なメモを元に撮れるところから撮るしかしようがなかったという。でもそれでもまだ間に合わず、役者さんを遊ばせておくわけにもいかないので、どうやらクライマックスシーンになるらしい五重塔周辺でとにかくレギュラーがうろうろしているシーンを撮り、後からどうつなげるか考える、ということをやっていた。その出来のほどは、できれば自分の目で確かめて欲しい。

[映画][その他] 来月のBS映画

  NHK−BS2の映画 は、「ファイナルファンタジー(8/5、PM8:00〜)」(もちろん坂口氏がアメリカで大ゴケしてスクウエアを傾けたアレ)があったり、「リバティ・バランスを撃った男」(8・12、AM2:40〜)があったり、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」三部作が放映されたり(8/12〜)。
 さらに8/2・3・4と連続で「メトロポリス」「オネアミスの翼」「サクラ大戦 活動写真」と、オネアミス以外は非常に微妙なラインを……ううむBSハイビジョンのパトレイバー劇場版三部作を含めたとしても、マニア好みというより、錯綜してるな。
 それはさておき、「晴天の霹靂」は、結局許可が下りなかったそうです。まあ、妥当な結末。ご相談&ご尽力いただいた方々には大変感謝いたします。
 それとちょっとは関係ありそうでないのだけども、 中島らも氏、脳挫傷で死去朝日 )。先日階段から落ちて重態ということは知っていたのだけど、まさかこんなことに……それにしても記事の写真、以前とは人相がまったく変わっていてびっくり。それはともかく、あえてこう書かせていただきます。ご冥福をお祈りします。
 エンクミは、そういえばキャプテンラヴでしたか。そういえばそうでしたな、って、そんなん多分八割方通じませんて……そういえば、雑君ぽっぷ氏、商業活動続けてるんでしょうか? フラッパーの「そして船はゆく」結構好きだったんだけどなぁ。


2004年07月28日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] オタクファンド

  JDC、日本発のアニメファンド発売へ朝日 )。 バジリスク〜甲賀忍法帖 のアニメ製作に際し、制作費3億4千万円のうち2億4千万をファンドによる投資で集めようというもの。好きな作品だし、一口二口ならいいかなあ、と思ったのだけど IT mediaの記事 によると「国内DVD販売収益のみからの配当」「配当上限は出資額の110%まで」「上代7800円と値段設定を例示している *1 」「売り上げが十億に達しないと元本割れする可能性がある」などなど、ちと「う〜ん」な部分が。初の試みだし機関投資家にも旨みがあるような設定にしなければならないのだろうが、これはちょっとなぁ。配当の上限も低い気がするし、国内DVD売り上げで元本割れする場合は海外DVD売り上げや放映権などから回収できるようにしてもいいのではと思うのだが……ちと一般投資家のリスクとその見返りがバランスが悪い気がする。その上、製作がGONZOという、非常にアレな……ごくまれに上手くいくこともあるのだが、大体は話はメタメタになるんだよなぁ。監督の「木粼文智」という人も検索してみたが、ちょっと過去の実績がわからないのでなんとも言えない。作画監督やキャラクターデザインとしての仕事はかなりあるようなのだけど……おそらく過去のGONZOの実績から見ればそんなに無茶とも思えないが、ちとスルーかなぁ。
*1: 何話収録かは触れてないが、二話7800円だとするとかなり無茶な値段設定。

[その他] 時事

 とか言いつつ全然時事ではないけど、 醜い韓国人/朴 泰赫 を古本屋で買って読む。まあ今更感が強いのだけど、「日帝時代」を経験した著者が実体験やそれ以前のことを両親から聞いて記述した部分が興味深かったので。「鴨南蛮」を「中華思想による欧米蔑視の名残」と紹介したり *2 、「欧米の大学教員では日本人より韓国人の方が何倍も多く採用されている。一人一人では韓国人の方が優秀だ」と、ほほえましいことを言っていたりもしますが、基本的には歪んだ形での儒教の導入の弊害だとか、中華思想の愚だとか、かなり激しい韓国批難です。ちょっと補足しておくと、韓国で流石にこの「親日的」(韓国で「親日」は「売国」と同義)な内容に著者が吊るし上げられ、やむなく共著者の 加瀬英明 氏に騙されたと朴氏はコメントしてます。
 ここしばらくの 絵文録ことのは さんの「愛国」関連の話題は、なんか微妙に変なような。無論、最近変な「愛国」が散見され、それに危惧を抱くのは間違ってないのだけど、なんか個人主義至上的な物言いがあり、それはひとつの見方としては間違ってないが、その見方が唯一絶対の解ではないと思うのだが……少なくとも言葉、住んでいる家、見ている風景、そういったものは否応なくあるグループに属しているのだ。否定しようとしても否定しきれない。そのところがやはりイマイチなじめない。
 しかし重慶のあの中国のブーイングは、日本軍の爆撃を受けた土地柄とはいえ、ちと見ていてつらいものがある。
 話題は変わって、なんつーか、 うわ、そんな誉められたら照れまんがな (インチキ関西弁)ってな感じですか。それはそうと、同じblogの この記事 で、なにげに保存した画像が 好きな子にいじわる のシリーズだと知る。ちくしょう、友人に「せつね〜!」とURL示したら、「せつないの?」とかさらっと返されたんだよなぁ。「好きな子に〜」のシリーズは次で最後とのことなので、せつなさ120%なラストを求む。
 日曜の「素敵な宇宙船地球号」でパラオで自然保護にはげむ OWS の倉田氏が取り上げられていた。パラオは太平洋戦争中日本の保護下にあったのだが、大層な親日国。パラオの国旗である「青地に黄丸」の国旗は、日本の「日の丸」のデザインにちなんだともいう。その親日具合はアメリカ統治下時代の反発としてというものも多分にあるようだが、ただおべっかというだけで「日本に併合してくれ」なんて言いはしないだろう。まあ、経済的に云々というのも大きいだろうが。面白いのは日本語がそのまま現地語として定着したものがあることで、「大統領」だとか「乳バンド(ブラジャー)」なんてのが普通に使われてたりする。あまりに普通に使われてるので現地の若者はそれが元々日本語だと知らないほど。無論、古い世代は日本語を流暢に使う。それはさておき先の倉田氏、大変数奇な境遇で、現地の農業の研究員としてパラオに赴任したものの戦争の激化で現地徴用され参戦、米軍との交戦で現地の日本軍がほぼ全滅した中、幸運にも生き残った、数少ない一人なのだ。戦火で焼き払われたジャングルを逃げ、草や蟹を口にしてどうにか生き延びた。そして再びパラオの自然と人々のために戻ってきた。
 なにか締めの言葉をつけようとするとプロパガンダじみていけない。ただ、その行為を知って、なにか感じるところがあれば、と思うのみである。
*2: 「鴨南蛮」の「南蛮」というのは葱をたくさん入れることで「異風」という感じを意味する「南蛮」だとか、葱を意味する「難波」が転じたとか、そんな説があります。


2004年07月29日(木) 旧暦 [n年日記]

[マンガ] 戦いはこれからだ!

 カオシックルーンの最後のコマ、ワロタ。打ち切り気味な最終回に反発してか、主人公は出てこない、二名ほど死んだはずが生きていた、久留間教授・不動助手が、しかもクレバスに落ちるなどやりたい放題。これで人死にまくりのモツばらまきまくりまでやらなかったのが不思議なくらい。そして秋からチャンピオンREDで「カオシックルーン2」が連載開始だそうな。この編集の妙な動きはなんなんだろうなぁ。
 「虹色ラーメン」の番外編が今回から三回連続で。今回は皇朔弥の話。本編では「家族」は手に入れたものの「仲間」は手に入れられなかったので、その辺の補完。いい仕事してます。ちなみに、この三本は単行本には収録しないそうな(巻末コメントより)。

[その他] 日本語はむずかしい

  「げきを飛ばす」「姑息」誤解7割−文化庁の日本語世論調査サンスポ )。すいません。私、どっちも間違えて使っておりました。「檄」って言うと相手をさとすというより、自分の考えを述べる、という意味なのね。さすがに「的を得る」とかは間違えてませんでしたが……間違えてないと思う。多分。
 愛国心がらみで、あちこちを見ると「愛国心の愛とは好きということではなく尊敬だろ」とか、「日本では愛という観念が未発達」とか(なら今ドラマとか歌謡曲で愛だのなんだのが蔓延してるのはなんなんだろう?)、「俺的愛国心」が披露されてるのだけど、自分としては文字通り「自国を愛すること」くらいで考えていたのだけど(辞書にもそうあるし)。ひとつには「国」の定義の問題もあるのだけどそれはとりあえずさておき、「愛」となるとなおむずかしい。世の中にはいろんな愛の形があるんである。大人の世界やね。そうすると愛国の語源は、と思うのだが、語源はともかく、一般には愛国心というとPatriotismの訳語で使われると思う。Patriotの語源はギリシャ語のpatrisで、fatherland、つまり祖国、父祖の地ということになる。そうなると先祖崇拝とか血脈が云々とかそういうのも微妙に絡んでくるので、なかなか面倒なことになる。逆にいえば大元はわりとそういう個人的な部分が元であり、国体への忠誠心とかいうものはわりと後付けの意味の気がする。まあ、これはひとつの考えかたで唯一解ではないのだけど、それぞれの披露する「愛国」の定義、場合によっては決め付けかたがひとそれぞれで見ていると面白い。


2004年07月30日(金) 旧暦 [n年日記]

[読書] 歴史の中のサンカ・被差別民 謎と真相

  bk1 。まだ読み終わってないけど、主だったところは読んだと思うので。
 サンカというのは江戸時代身分制度の外にいて独自の文化・言葉を持ち、山中を放浪していた民と言われてる。その祖先は日本の先住民だとも逃散した農民のなれの果ての姿とも言われているが資料が少なく「幻の民」と呼ばれていた。そのサンカと被差別民など、身分制度の中では最下層にいたひとたちについてのムックなのだけど、まあ、そこそこ悪くはない。元が資料が少ないので全体像の把握というよりサンカ研究の歴史みたいな感じになっているけども、大枠で言うと「サンカ」というのは外からそういった放浪生活を営んでいた人々を総称した言い方で、その実態はバラバラであろうこと、サンカが古文書に現れるのは江戸時代中期以降で、実はそんなに歴史は古いわけではなさそうだということ、放浪生活といっても実際は一年中放浪しているわけではなく一年のある時期は決まった集落に定住し、その他は村々を回り作った箕などを売って生計の足しとしていたこと。岐阜の教育家だった三宅武夫氏がサンカの親子と接した時のことをつづった「鞦韆(ぶらんこ)」という文章が興味深い。決して里の人々の目から逃げていた存在というわけではなく、村人の方も、差別や疎外がなかったかと言えばそうでもないだろうが、必要な存在として受け入れていた。先にもあるように「サンカ」とくくられながら実態は放浪性の強い様々な性質の人々だったと思われるため、このような箕売りをしていた者以外にも「サンカ」はいただろう。しかし、放浪者と定住者の接触点から、彼らの生活の片鱗が垣間見られる。
 他に興味深いのは最初の沖浦和光氏と朝倉喬司氏の対談で、被差別民の記録のことを語るときに「日本、中国、朝鮮は記録好きの民族だから」というのがあって、ちょっと苦笑。日本、中国が記録好きというのはそうだけど、朝鮮は自己の遺した記録は他の二国に比べれば極端に少ない。記録がなされなかったわけではないのだが、政権が変わったりするたびに前の時代の記録を焼き払ったりした。記録好きかもしれないが、記録を大事にするわけではなかったようだ。あと、この対談は注釈に入る年代の記述などがおかしいところが多々あり、校正はちゃんとやって欲しかった。
 あと、宮台真司氏と宮崎学氏の被差別民に関する対談で、「宮台氏ってこういうののフィールドワークもやってたんだ」とちょっと驚くと共に、両者とも学問的な域を超えて政治的主張が強いと思えるのは気になった。昔の穢多や非人の身分は最下層、というか身分制度の埒外に設定されてはいたが、その代わり革製品の加工などで実質上の専売など、ある意味「特権」も与えられていた。穢多頭弾左衛門などはそうやって潤った金で金貸しなどもやっていたようである。そういった特権により、頭は自分の差配下の人間を養い、守っていた。その辺のことは対談でも触れている。が、ハンナン事件の件で「頭とはそういうものだ」と、ハンナンをかばうような言動が見られる。その心情と理屈はわからないではないが、体制が悪い、という調子が強い気がする。「頭」が身内を守るため国を騙したということは、国に害をなしたということでもあり、国よりも「彼ら」に肩入れしている図式が見えるのだ。彼らの理屈にしてみればわからないではないが、それを是とすることはどういうことなのか。う〜ん、と思ってしまう。
 ちょっと次の話題にも関係する。

[その他] 帰属意識がない=ロマ?

 例の愛国心騒動、まだワッチしてるわけですが、愛国心、と言葉がアレすぎれば日本という国への帰属意識の薄さを言っているかたの中で こちら の、変化・移動の激しい首都・大都市圏ではそういった意識は育ちにくい(意訳。また、「変化・移動」の後に「交流」も加えられているが、田舎にだって交流はあるわい、とか田舎者としては思ってしまう)という意見がちょっとなるほどと思った。自分の属する集団というのが見えにくくなり、それでは帰属意識もへったくれもないよなぁ、と。まあ、それはともかく、そういった帰属意識の希薄さを「ジプシー的精神」と称してるので、ちと「?」となった。上の漂泊民とかもそうだが、漂泊しているからと言って帰属意識がないわけではない。上のサンカの話でもたとえば柳田国男がサンカにロマンティシズムを仮託したように、「流浪性・漂泊性」をジプシー的と呼ぶことは、これも一種実態とは乖離したジプシーへのロマンティシズムの仮託が含まれるだろう。まあ、別にだからどうこうってことはないのだけど、結局人間は理性的に生きてるつもりでもわりとこういう実態とは乖離したロマンス、幻想、思い込み、イメージ、そういったものの上に生きてる生き物なのだよなぁ、とあらためて思ったり。