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2006年08月01日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 恨みが呼んでる佐渡おけさ

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第一話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。
 京山一座は、若い娘たちが諸国民謡にのせて踊るのを売り物にする旅一座。その座長の坂東京山はかつてお京という殺し屋として名を馳せていた。しかし風俗紊乱の咎で興行を中止させられる。
 そんな京山に声をかけてきた春海尼という尼僧。春海尼は駆け込み寺の総本山本然寺の主・善行尼の使いで、寺修復費用の寄進興行として、全国各地を回ることを依頼してくるが、京山は善行尼の本当の目的は京山に全国殺し旅を依頼することだと喝破する。足を洗った殺し屋稼業に戻ることをよしとしない京山だが、「阿修羅の怒りと弥陀の慈悲。表と裏が結ばれてこそまことの慈悲ならん」と、善行尼は駆け込み寺に寄せられる女の恨みを切々と説き、取り合えず佐渡へ行け、京山に佐渡に詳しい晋松という男を訪ねろという。
 依頼を受けるか受けないかはともかく、とりあえず佐渡へ向かう京山一座。その途中、関所破りの国定忠治に子分にしてくれと頼み込んで酷い目に会っているやくざな若者と出会う。
 食い逃げまでしていたその若者・直次郎を助ける京山。直次郎はその恩義に感じ入り、京山一座に同道する。
 越後・枕崎の駆け込み寺にやってきた京山はそこで晋松と会うが、晋松は佐渡に渡ることを拒絶する。実は晋松はかつて愛した女が佐渡で江戸から来た金山役人に犯し殺され、その相手を殺していたのだ。
 佐渡に渡った一行だが、佐渡では佐渡奉行所与力・戸塚修理が権威を嵩に横暴を行っていた。京山への依頼も戸塚修理の仕置だったのだが、京山の心は話を聞いてもまだ定まらない。
 だが、奉行所へ興行の願い出へ行った京山は戸塚修理その人と会い、驚く。戸塚修理はかつて京山が愛し、そして手ひどい裏切りを行った男・内田春之介の名を変えた姿だったのだ。京山はそのために娘まで失っていた。
 自分の過去を知る京山を始末しようと刺客に襲わせる修理。京山の帰りを迎えに来た直次郎が駆けつけ、初めての真剣での斬りあいに震えながら、刺客を仕留める。
 京山は依頼人のおこうのやっていた店を訪ねると、そこにいたのは晋松。実は晋松が愛した女というのはおこうだった。晋松は、おこうを騙し佐渡金山の役人に抱かせたのは、おこうが恨みを抱いて死んだのは修理だということを、京山の口から初めて聞く。京山と晋松は善行尼の依頼を受けることを決意する。
 おこうの店に修理を誘い出し、修理を仕置する京山と晋松。しかし、京山の後をつけてきた直次郎がその現場を見てしまった。晋松は始末しようとするが、仲間にしてくれと頼み込む。
 京山は万が一の時には自分が始末をするからと直次郎を仲間に加え、ここに仕舞人が結成される。

 時代的には1981年、順番では、丁度「必殺仕事人」の次の作品ということになる。「新からくり人」以降の伝統を継いで、この時期の非主水シリーズの定番の旅物。
 主演の坂東京山に京マチ子を迎えるなど、短期シリーズながらスタッフも力が入っており、本放送時にはこの前のスペシャル「恐怖の大仕事」でも顔見世登場している。
 丁度過渡期の作品であり、前期と後期の必殺の特徴の両方が見られるのだが、個人的には前期のようなインパクトはなく、ドラマ的にも、さすがに末期のようにグダグダではないものの、弱いと感じる。初回の悪人が戸浦六宏なのも、悪人のキャラを掘り下げることができなかったこともあるのだが、ちょっとインパクト不足。その分、地味ながら主要キャストの力で引っ張っている感がある。また、ライティングなども後期よりも前期に近い気がする。
 銀幕の女王として名を馳せた京マチ子の貫禄は勿論、晋松演じる高橋悦史の貫禄も重厚さを演出してる。しかし、個人的にはやはりひょうきんな渡世人崩れの若者直次郎を演じる本田博太郎がかなり重要なポイントになってると感じる。
 いや、別に仮面ライダーカブトで出てるからとかは関係ないですよ。(^^;
(それ以前から氏のファンだし)
 第一話で京山を襲った刺客に震え、まろびころびつしながら相手を倒し、興奮と恐怖で混乱し、えづきながらもできるだけ明るい調子で「俺の習った居合、通用するもんだね!」と京山に話かけるなど、人間臭さを存分にかもしながらも明るさを失わない、ムードメーカーとして重要な役割を果たしている。
 あと、善行尼を演じてるのが原泉というのもさりげにポイント。「必殺からくり人」第4話「息子には花婿をどうぞ」で、家名存続のために小身の旗本の娘をホモの息子に娶らせる鬼婆の役を演じていたのが鮮烈。

[その他] あれ?

 昨日書いた 在日差別発言で積水ハウス社員が顧客提訴スポニチ )の件で「おかしいともおかしくないとも言えない」と書いたけど、よく考えてみるとあからさまにおかしい部分が一箇所あったので。
  大阪府内の顧客に300万円の慰謝料と謝罪広告の掲載を求め大阪地裁に提訴する。って、慰謝料はともかく、「謝罪広告」って、あからさまにおかしくない? だって個人間で発生したトラブルで、業務上で発生したということで会社がバックアップ、ということはまだなんとか理解できるとしても(それもおかしいっていやおかしいんだけどね。経済力が必要な訴訟において、会社をバックに脅しをかけてるみたいだ)、あくまで個人間で発生した問題で、その他に広がってはいない。このニュースが流れるまでそんなトラブルがあったという報道ももちろんない。それを「謝罪広告を打て」なんて、ちょっとこれはさすがに異常な反応に思える。ちょっと流石に原告の動機を疑うなぁ……


  ボルトなく、針金で固定か 埼玉・プール事故朝日 )。記事見出しでは「吸水口の柵がボルトで留めてなかったことが問題」であるかのようだが(それも問題と言えば問題だけど)、記事をよく読むと、もうちょっと組織のシステム的な問題があるように思える。外れた柵を客から渡された監視員はそれがなにであり、それが外れることによってどういう問題が起こりうるか、理解していなかったよう。と、言っても短絡的にその監視員を責めることは出来まい。なにせ高校生のバイトだったそうなのだから。監視員は管理棟に問い合わせるが、管理棟でも判断できず、社員に連絡し社員が到着した時点でそれが給水口の柵だと気付き、危険性がようやく認識されたようだ。
 問題はどこだったのだろう? 法的な責任は、契約に従って決まるだろう。だが、「どうすれば防げたか」を考えるのはそう簡単な話でもあるまい。先日報道された擬装請負の問題同様、「効率化」で削られてるのはなにか、ということになる。別に「効率化」そのものを責めようってことではない。しかし、削られてるものは認識すべきだ。すくなくとも、削られてるものがあることは。


2006年08月02日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] さんさ時雨は涙雨

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第二話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 新しい依頼は仙台藩。しかしそこの住職は殺されており、依頼内容がわからない。寺に向かう京山一座だが、住職のいない寺は三浦という役人が管理しており、一座もけんもほろろに追い返されようとしたところを三浦の妻・志乃によってひきとめられる。
 実はこの寺には何人もの女が幽閉されていた。女たちは藩主伊達安房のお手つき。安房は好色で若い女に手を出しまくっていてが、悋気の強い奥方にばれては女たちを尼寺送りにしていたのだ。しかし、女たちは身ごもってる者もおり、尼になることを拒否していた。
 三浦の役目は女たちの監視のみではなく、強情な女を始末することも含まれていた。妻に内緒で役目を果たす三浦だが、実は志乃自身も拝領妻。監視される女たちと同じ立場だったのだが、二人は弱いもの同士、寄り添うようにいつしか深く愛し合っていた。三浦が嫌気がさしながらも役目に忠実なのは、出世し、妻に良い目を見せるためでもあった。
 しかし、京山は三浦が女を始末する現場に出くわしてしまい、なにが起こってるかを勘付きだす。そして死んだ住職の墓を掘り返すと、そこには藩主の悪行一切が記された手紙と依頼料が。しかし女ばかりの一座に目をつけた藩主が、一座の女を伽に出すようにいいつけてきた……

 三浦と志乃の夫婦愛が切ない一編。って、三浦を演じてるのは森次晃嗣なんですが。志乃、僕は地球人じゃないんだ。ウルトラセブンなんだ。(そんなセリフはありません)
 「仕置人」では善人を装い天神の小六すらたばかった悪党を演じていたが、こちらも善悪二面のはざまで揺れ動く男を演じている。足軽の身分から侍になったのはいいが、やっていることは女衒まがいの女の管理。それどころか汚れ仕事としてその始末さえさせられる。立身出世のためもあるが、それもこれも拝領妻として娶りながらも愛してしまった妻に良い目を見せてやりたいがため。しかし、妻にその悪行を知られてしまい、なにもかも瓦解する。
 始末されるのを待つだけの女たちを京山一座と共に逃がすが、追っ手たちを引き受け、贖罪であるかのように斬り殺される。志乃も京山一座に一度は託されるが夫の意図を知り駆けつけ、共に殺される。
 当地で京山一座が演じる「さんさ時雨」は本来祝言の時に謡われる歌で、尼として女の幸せを取り上げられようとした女たちと、拝領妻としてではなくきちんとした夫婦として今一度祝言を挙げたいという三浦夫婦の願いとの対比が悲しい。
 前回は三人揃っての仕置シーンはなかったが今回は各々のスタイルで殺しを見せる。


2006年08月03日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] ふと恐ろしいことに気付いた

 鬼丸美輝はツインテール。いや、三角巾のせいで今まで考えたこともなかった……


  CMのCMキャンペーン の会議室編で、本田博太郎が変な社長役で出てた……(「キャンペーンCMを見る」から見られます) テレビ放映しない30秒バージョンが滅茶苦茶変だ。


 世間では 亀田興毅氏の疑惑の判定 がにぎやからしいが、概ねどうでもいい。試合を見た知り合いは「おかしい」と口を揃えて言っていたので、多分そうなのだろう。でも、まあどうでもいい。どんなふうにバッシングが展開されるかの方が興味深い。


  靖国参拝、「戦犯外せば容認」3割 日中世論調査朝日 )。いや、これってむしろ 51%が「どんな条件でも反対」と強い拒否反応を示したの方が強いのでは? 結局分祀論で云々しても意味なさそう。分祀しても中国側にカードが残るのだものなぁ……まあ、そもそも最初に打った手が不味かったってのはあるんでしょうが、これではメモ絡みの報道で大喜びした方々もがっかりでしょう。(しない人もいるかもしれないけど)

[必殺] 織姫悲しや郡上節 ―郡上八幡―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第三話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 次の依頼のために郡上八幡に入る京山一座。町に入ったところで婚礼の一行に出くわし、仲人の天満屋という男から婚礼の為の舞を請われる。しかし、目出度い婚礼の席だというのに花嫁であるおかよの表情は暗かった。
 この地での依頼は、名も知らぬ死にかけの女郎からのもの。しかし、当の女郎はお店への恨み辛みを述べた挙句、肝心の店の名前を言わぬまま息絶えてしまった。
 晋松が女郎屋で探りを入れると、どうも女郎たちは郡上つむぎの元職工の模様。それも、天満屋に雇われていたらしいのだ。
 一方、直次郎は居酒屋で毎晩飲んだくれている音松という男と出会う。音松は一行が町に入ったときに出会った婚礼の花婿なのだが、何故か荒れている。実は音松とおかよの婚姻は天満屋によってなされた擬装結婚。借金をたてにおかよは実際は天満屋の妾としていいように弄ばれていた。いっそのこと女郎として働いて借金を返そうかとまで思いつめるおかよ。実は天満屋は借金のかたに職工の娘たちをこき使い、身体を壊し使い物にならなくなると娘たちを女郎として女郎屋に並べるという非道を行ってもいた。
 音松はついに耐え兼ねて悪行を黙っている代わりに、おかよから手を引いてくれと天満屋に直談判するのだが……

 話のからくり的には「新・からくり人」#10「桑名」と同じか。あちらは町全体、役人まで牛耳る辺りが地域の独裁者のそら恐ろしさを演出していたが、こちらはむしろ女たちの悲惨さに焦点を絞っている印象。なんの策もなく、あっさりと天満屋の口約束を信じてしまう音松がちと無邪気すぎると感じるが……被害者たちの借金の原因もイマイチ不明だし。
 しかし、夫婦の営みもできない音松たちの苦しみはそれなりに見させる。
 直次郎は今回、迂闊な行動で晋松に「俺たちまで危険な目にあわせるつもりかい!」と鉄拳制裁を受け、京山からも裏稼業の心得を厳しく言われる。若さゆえ反発する直次郎だが、京山が天満屋をひきつけ音松夫婦のために夫婦の時間を作ってやったことに、自分のことのように喜び、京山に礼を言う。わりとこの辺は直次郎の成長がメインなのだな。
 殺しのシーンでは暗闇の中から顔の下半分は隠し、目だけをぎらつかせて相手を狙うシーンが良かった。本田博太郎氏、目が大きいから特に目立つんだよなぁ。相手に駆け込んですれ違い様に長ドスで刺し殺し、ドスを引き抜くときに勢い余って堀に落ちてしまいながらも興奮で異常な呼吸音を立ててるのも、個性派俳優の本田氏らしい。
 絵的には、音松が天満屋の用心棒に襲われ、殺されるシーンは凝っていてかなり目を引く。ここらへんは前期必殺っぽい。

[アニメ] ウィッチブレイド#18といぬかみ#18とゼーガペイン#18

  ウィッチブレイド #18「転」。和銅の策略により、アルティメットブレイドを装着した八木の起こした事件を鷹山の責任に転嫁し、ついに鷹山の追い落としが成功してしまう。雅音はニュースでそのことを知り、導示重工本社に駆けつけるのだが……

 うわ、和銅って装着限界による装着者の結晶崩壊のこと、知ってたんだ。まあ、西田からデータを渡されてるんなら知らないわけはないよな……研究員には装着実験をしていた八木が暴走して逃走したと説明してるらしいが、前回のを見る限り、わざとだよな……あれだけのことをしておきながら、自分のしたことに動揺を隠せない和銅。とことん小者。
 反対に鷹山はまったく動じず、「これも可能性として想定していた」と、導示本社をマスコミの追及から逃すため、導示を退社してしまう。鷹山を心配して本社にやってきた雅音はそこでそのことを初めて知る。ウィッチブレイドの管理(つまり雅音の管理)は和銅に引き継がれるが、そのことを最初はよしとしない雅音。しかし、瀬川に「梨穂子のため」と説得され……って、瀬川、変わり身早っ! まあ、予想はしてたけど。でも、あんな小者に心底仕えるタマとも思えない。あるいは鷹山が残した獅子身中の虫という可能性も。
 雅音は前回に続き梨穂子にベタベタしっぱなしだが、奈月ビルの面々もさすがに様子がおかしいと感じ始める。その上この騒動だからなぁ……
 NSWF側は、明らかにまりあの行動が変わっていく。これまでの無方向性の狂暴さは影をひそめ、後身に指導をするなど、一見落ち着いたようにも見えるが、経緯が経緯だけに逆にそら恐ろしい。西田も古水への翻意を覗かせはじめ、こちらもひと波乱ありそう。
 あ、ちなみにアルティメットブレイドはより人型に近いアイウェポン(エクスコン)といった出で立ちでした。ウィッチブレイドやクローンブレイドと類似デザインじゃなくって良かった。(笑)
(それだとむしろ「いぬかみ」の方に相応しくなるからなぁ)


  いぬかみっ! #18「まんもすたいへんっ!」。前回に続き赤道斎の復活編。啓太たちの霊力を吸い集め、ついに地上に復活してしまう赤道斎。啓太たちは街に災厄を振り撒き力を蓄える赤道斎を止めようとするが、赤道斎の魔力は甚大でいかんとも手の打ちようがない。そこに現れた助っ人とは……

 そんなことよりED。ともかくED。いや、もう、この番組のウリがなんであるかを特別ED(映像&歌)で余すところなく表現しています。しないでええっちゅーねん(笑)。
 で、赤道斎の魔力で巨大化したクサンチッペに苦戦する啓太たちに駆けつけた援軍というのが……え〜っと、変態同盟? 出で立ちからするとむしろ赤道斎側っぽい気もするが、まあ、彼らには彼らの美学がある模様。いや、主人公のピンチにこれまで関わった一般人たちが駆けつけて、ってのは、普通は感動的なシーンのはずなんだけどねえ……唖然というか爆笑というか。あ、ある意味一般人じゃないか。
 なでしこから霊力を集めようとした赤道斎が装置の許容以上の霊力に慌てて装置を止めたり、なでしこの秘めた願望(他の九人を排除して薫の唯一の犬神になりたい)とかが出てきて、終盤への展開へのシリアスな伏線も張ってるのかな?
 次回は 築地俊彦 氏が脚本だとか……


  ゼーガペイン #18「偽りの傷、痛みは枯れて」。わりと小休止的な話か? リョーコは戻ってきたものの、感情データ領域はアルティール内に置き去りになり、舞浜サーバ内では別人のようになってしまっていた。さらに以前と同じ日常の繰り返しに、舞浜サーバ内での日常に意味があるのかと考えるキョウ。その疑問はカワグチに本気の喧嘩を仕掛けられ、より強まる。繰り返しに気付かず本気で生きてる彼らと、現実の世界に出ても花にも触れない自分と、どちらが本物なのだろうかと。
 その一方でシマとシズノは他のセレブラントたちにも秘密裏に、なにごとか計画を実行しようとしていた……

 前回もたらされたリョーコの状態ってのは、二重生活を送るキョウの葛藤の象徴的存在だったのだな。舞浜サーバの日常ではなにをやっても、一緒に映画を見ても反応はない。キスをしかけても無反応。しかし、アルティールに乗っている間は映画のことを楽しそうに話したりキス未遂で照れたりと以前どおりのリョーコ。キョウにとっては繰り返しの舞浜より、アルティールの中にリアルを感じ出すのは当然か。
 「どっちが本物って言えるんだ!」と叫ぶキョウに、「どっちも偽物だよ」と答えるリョーコ。明るく振舞ってるけど、キョウよりもシビアに、深く傷ついて現実を捉えてるのだろうな。
 その怒りを襲い来る敵にぶつけ、復活の日を実現させることを誓うキョウ。でも、その一方で進められるシマたちの計画が気になる。「メンテのために舞浜サーバに向かう」と言っているが、どう考えてもそれで済むとは思えない。会話からすると、このままではジリ貧と、起死回生の一手に出るっぽいが。


2006年08月04日(金) 旧暦 [n年日記]

[映画][アニメ] ゲド戦記

 ええっと、まず最初に言っておきます。「見に行け」と言える作品ではありません。反対に「救いがたい駄作」ということもありません。その意味では「フツー」の部類に属する映画でしょう。ただ、その中でちょっと感じること、考えることがあったので。

 まず、この映画の世間評から。「意味がわからない」「暗い」「地味」という評が個人的にはわりと否定意見のメインと感じる。私は原作のファンなので原作は一通りは読み、外伝も目を通してるので、そうでない観客の感想を完全にトレースすることは出来ない。その上での意見は、もっともなところもあり、そうでないところもあり、というところ。
 意味不明、という感想もある程度わかる。大きいところでは竜と人間の関係というのはどういうものか、この世界の魔法というのはどういうものなのか、アースシーの社会はどうなってるのか。小さいところでは、世界の異常とはなんなのか、ゲドは一体なにをしたくてなにをしてるのか、とか。これらの疑問は映画では断片は示されてるものの、わかるように描かれてるとは言いがたい(原作を読んでいれば一応補完できるが)。
 なにより、クライマックスの展開(ネタバレなんで一応書かない。原作を一通り読んでる人にはバレバレだろうけど)は、その大前提となる人と竜の関係がまったく描かれてないので唐突すぎる。

 が、映画としての起伏を考えると、そう外してるわけでもない。

 映画の描写ではわかりづらいが、映画版のアレン(原作ではまったく違う設定なのであえてそう断らせていただく)ってのは、かなり今時の子だ。父親は非の打ち所のない立派な人物。母親は厳格で、子供を次の王に相応しい人物であるべきと育てている。アレンがなぜ父王を刺したかというのは、親への尊敬と期待の重荷からの憎悪のジレンマの結果であろう。(不謹慎なので示さないが、昨今起こった事件を連想する)
 原作と比べるといきなりなさけなくはなるが、そういう問題の話ととらえると、とたんにわかりやすくなる。
 テルーは原作と違い(てか、ベースになってる第三巻ではそもそも登場してないしアレンとは絡んでもいない)ツンデレ美少女になってるが、親に捨てられ、あまつさえ火の中に投げ込まれ殺されかけた存在(って、その辺、描かれてなかった気が)として、親の庇護を受けながらその期待の重圧に逃げ出したアレンとの対比として描かれている。まあ、映画版テルーもある意味今的な子供ではあるのだけど。
 結局、そういう対極に位置しながらどちらも現代に見られる事件・問題の象徴的な子供の邂逅と見ると、わりと納得できたりする。無論、原作の設定を了解した上でなんだけど。
 なので、かなり門戸の狭い作りだよなぁ。
 一応、その門戸をクリアしていれば、この映画の意図ってのは理解できる。つまり、対極の問題を抱えた少年少女が邂逅することで、その閉塞を打開するという、プロット的には普遍的な話なのだ。
 まあ、作り自体上手いってわけでもないのはたしか。ただ、二時間の映画でゲド戦記をどう映像化するか、と言われても、困ってしまうのだよなぁ。そもそもが地味で心理的で映像化しにくい原作だけに。
 それらを総合して、「薦めるか」と言われると「薦めもしないけど特に見るなとも言わない」という、ビミョーなポジションに位置する評価になってしまう。「ときかけ」とどっちを薦めるかと言えば、「ときかけ」には勿論なりますけどね。
 このへんが大変困る。映画のつくりとしては実はとてもオーソドックスだし今的な問題を念頭に置いてれば理解できないわけではないけど、原作を読んでないとわからない。そうすると原作のイメージと違うからいろいろアレ、という、奇妙な絡めとられ方をしてる作品なのだ。うう〜ん。

 純粋に技術的に言えば、多々問題は見られるものの、素人で監督に起用されてそれなりに形になった映画を作ったってのは、かなり評価してる。できればこの後も何作かこなしてみていって欲しい。

P.S.あ、この映画を示すのに適切な表現が見つかった気がする。つまり、この映画は、ゲド戦記の「二次創作小説」なんだ。って、ごめんなさいごめんなさい。

[マンガ] 月チャン

 同日発売の月刊誌三冊(「月ジャン」「月マガ」「月チャン」)の中では一番読みでがある気がする。(作品傾向がマニア誌に近いからかもしれんが)
  塚脇永久 作「Kランカー 奥村ザウルス」が結構面白かった。「ウヒョ助」のPNで以前スピリッツ誌上にて道路交通法ものや伝奇もの(?)「女神の赤い舌」などを連載していた作者による読みきり。ガタイはでかいが小心者でいじめられっ子だった奥村君は、東京の学校から逃げるようにして地方の「刃黒高」に転校してくる。ところがそこは典型的なヤンキー校の上、学内の男子全員で「Kランク」というケンカランキングごっこが流行っていた。図体はでかいが蚤の心臓の奥村君も無理矢理参加させられるが、ランキング最下位になってしまう。
 前の学校でやはりいじめられっ子の親友と無理矢理ケンカさせられ、結局脅しに屈服して無抵抗な親友を一方的に殴ってしまった奥村君。その事を後悔するも、当の友達には謝ることも出来ないまま引っ越してしまった。新しく出来た友達に「友達を一方的に殴るなんて、気分悪いだろう!」と言われ自分の力に開眼するも、「そいつにすぐ謝れ! じゃなきゃ上位ランカーと戦え!」と脅しのつもりでけしかけられ、親友と話をすることが怖くてどんどん上位ランカーを倒してしまう(笑)。段々「自分の過去から逃げるため」ではなく、「ランク一位になって友達に謝りに会いに行くため」に目的が変わってくる。ランク一位の増田君は身体は大きくないが決して倒れないことから「ゾンビ」と言われる強者。奥村君の資質をひと目で見抜いた人物でもある。そんなチャンピオンにいどむのだが……なんだか奥村君を応援しつつ殴り合いに夢中になってるおバカヤンキーたちがみんな気持ちのいい連中で、読んでてこちらも気持ちがいい。やっぱりこういうのが上手い作者だなぁ。
 「野球しようぜ!」は、対日横商業戦に決着。逆転の危機の中、日横まさかの一発が出てしまう。主人公の天の活躍で勝利、という展開はお約束だけど、敵も味方もギリギリの執念を見せた勝負で、ご都合主義はあまり感じない。自分の思いのままのチームを作って女人禁制の甲子園に復讐しようとしていた日横マネのわだかまりも解け、一応ハッピーエンドかな?(連載は終わってないけど) でも、部員たちを操るために自分の「女」を武器に使っていたのをやめる、という象徴だろうが、大きく開けていたブラウスの胸元を閉じてしまったのは惜しいといえば惜しいかも……(おい)
 「明日のよいち!」は、やけに次女をクローズアップし続けてるなぁ……長女と主人公の三角関係に持ち込むのかな?
 「イゾラバ!」は、以蔵の憧れの担任教師がえげつなくってなかなか面白い。能面の神鬼たちの方がよっぽどピュアなんだものなぁ……


2006年08月05日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 命の価値

 いや、一部から不快感買うこと必至の内容なんですが……よく言われる「人の命は地球より重い」「人の命はみな平等」は正しいのか、という話。
 結論から言っちゃうと、大間違いなんですけどね。
 「人の命は地球より重い」って、生命活動に重量なんかあるわけがない。これは「それだけ価値が重い(重要)」という比喩に過ぎないのだけど、比喩ってのは説得のテクニックなので、それでなんとなくわかったつもりになっても、実態はどうなのかはわからない。
 じゃ、人の命はなにものにも代えがたく重いかというと、現実を見れば決してそんなことはないのは明白なわけで。それどころか、ある場合においては明確に値段がつく。立場などによっても変わるが、おおまかには「時価」であり、「相場」なんじゃないかと思える。「命の価値はどこでも同じ」というのは間違いで、命が高い社会・安い社会というのは確実にある。と、するとその「相場の違い」を利用してる連中もいるだろうことは想像に難くない、というか確実にいるんですけどね。
 誤解のないように書いておくけど、様々な紛争や人権蹂躙で失われる人命というものに心を痛めないわけではなく、そういうことがなくなればいいとも思ってる。ただ、その際に単にヒューマニズムに訴え、建前のみを繰り返してるのが、気になるだけなんですけどね。正直、建前の繰り返しは繰り返してる側は気持ちがいいかもしれないけど実際にはほぼ何事もなせないし、それより現実を正確に把握した方がいいと思う。


  エヴァの新作ゲームは「名探偵エヴァンゲリオン」 。……タイトル見たとき、絶対ネタだと思ったのに。


  TBSの人間が持つ「メディアに対する意識」が面白い 。「TBSが」というより、多分わりとテレビメディア全般の意識なのかなぁ、と思う。メディア関係者自身が「テレビは情に訴えるメディア」と割り切ってたり、情報のトリミングを行いながらその危険性にはかなり無頓着であるってのは、想像はついていたけど、一般の意識との乖離がかなりあるなぁ、と感じる。使命感と特権意識が絡み融け合ってるのかもしれない。

[アニメ] おとぎ銃士#6

  おとぎ銃士赤ずきん #6「ごめんね、りんご」。ファンタヴェーレになにか異常が起こり、エルデ(現実世界)との行き来が不安定になってきてしまう。完全に行き来が出来なくなる前に異変の起こったファンタヴェーレに戻ることを決める三銃士だが、夏休みに入った草太も護衛のため連れて行くことに。でも、そのことを聞いてりんごは、草太と夏休みを過ごすことを楽しみにしていたのにと怒ってしまう。
 むー、作画が悪いなぁ、というのが第一印象……そういうの、あまり気にしない方だと思ってたんだけど。まあ、いろいろ今回も突っ込みどころ満載なんですが。「肉じゃがの屋台ってなんだよ!」とか、「いばら姫、メッセンジャーとしては全然使えねえ、ってか、こんな奴メッセンジャーにしたの誰だよ!」とか。まあ、いばら姫、戦力としては強いんだけどねえ。
 これからりんごを置いてファンタヴェーレに行ってしまうのか、ツッコミ役不在ジャン! と思ったら、草太を狙うグレーテルによって人質にさらわれる。ああ、ツッコミ役もちゃんと随伴するんだ。良かった。


2006年08月06日() 旧暦 [n年日記]

[その他] テラワロス

  それ何てユリカン? と突っ込みを受けて意味がわからず、リンク先に飛んで、まず驚き、それから思わず笑ってしまった。新井英樹作品は絵柄が個人的にあまり合わず、さらに殺戮や暴力シーンの連続がそれに輪をかけていたので、「The World Is Mine」はほとんど見てなかったんだよなぁ……「ユリカン」ってキャラがいるのは知ってたけど、この演説は知らなかった。で、あまりに言ってることが同じなんでびっくりして、その後思わず笑ってしまった。
 ここのところ地域紛争とかについての通り一辺倒なコメントにいらついていてのエントリだったのだけど、ほとんど同じ答えというものが出るものなのだなぁ。あまり自分でも斬新とか新しいことを言ってるというつもりもなかったけど、きっと作者がこの演説を書いたモチベーションってのも、似たようなところだったのかなぁ、などと思ったりした。
 ただ、「命にはハナから価値はない」というのは個人的に違う意見だなぁ。「価値というものは価値判断する主体、対象の状況の存在発生なしには生じえないから、ハナから価値があるわけではない」というのなら賛成だけど。

[特撮] カブト#27

  カブト #27。結局マスクドライダー計画のことについてはなにもわからなかった天道と加賀美。落胆する中、以前風間の相棒だった少女・ゴンが風間の記憶を取り戻した。風間に会うために家出したゴンはサルにやってくるが、風間はゴンと別れて以来、仕事も落ち目で新進の若手に追い落とされかけていた。
 そんなとき、神代がじいやが倒れたとサルに駆け込んでくる。ゴンは風間を見つけるまでのアルバイトとしてじいやの看病を申し出るが、同時に神代も家の財政破綻を知ることとなる。愕然とする神代だがすぐに気を取り直しアルバイトを……
 一方、風間はライバルの同業者を殺した犯人として、指名手配されることに……本当はZECTと手を組んだ間宮の部下が化けての犯行だったのだが、そんな言い分が通るわけもない。サルに駆け込んで天道に助けを求める風間。天道は風間を信じ、彼を家に匿うことにする。しかし……

 シリアスなのかギャグなのか、よくわからない世界が相変わらず展開されております(笑)。風間とライバルのメイクアップ合戦も相変わらずバカくさいが、じいやが倒れたとサルに駆け込みながら、天道の助力の申し出を断って「俺は看護においても頂点に立つ男だ」とのたまう坊ちゃん……お前は一体なにをしたいんだ!(笑) その坊ちゃん、神代家の財政状態を初めて知り、一時はショックを受けるもののすぐに立ち直り、「俺が立て直してみせる!」といつもの意味不明な自信を根拠に前向きになるところは、ちょっと見直した。まあ、やってることは相変わらずですが……
 で、「風間に起こるとんでもないこと」というのは、まずはこの殺人犯容疑。ところが天道が自宅に匿った風間も、ワームのシルエットが一瞬重なる。つまり、こいつも偽者。本物の風間はというと、次回予告で示された通り、遺体で発見されることに……ええ! マジかよ!? という感じ。冒頭の、話術にも切れがなくなり、ゴンの喪失がいかに風間にとって大きかったかというのが示されただけに……

[アニメ] シムーン#18

  シムーン #18「葬列」。アルクスプリーマで行われたアングラスの葬儀に、その出自の低さゆえに出席が許されなかったアーエルとマミーナ。しかしそれのみならず、司政院の権限が強まり、うやまれるべき巫女であるはずのシヴュラたちも戦争のコマ扱い。細々と抵抗は見せるものの抗いきれるわけもない。さらに、礁国らに奪われた古代シムーンを警戒しての偵察任務から、司政院の命令でアーエルとユンがはずされることになってしまう。

 前回から登場の黒いシムーン(愛称Vシムーン)は、敵国が開発したわけじゃなくって遺跡から盗み出された古代のシムーンだったのか。宮国、いろいろダメダメすぎるなぁ……これまでも散々後手後手に回ってることから見ても、どう考えても司政院の連中って無能だろう。そんな連中に政治を牛耳られてるのだから絶望的だよなぁ。
 ネヴィリルは前回遺跡の奥で見たものにシムーンの謎を解く鍵を感じつつ、アーエルに口止めをする。また、司政院の面々がアーエルの姓を聞いて顔色を変える。どうも、元シヴュラのアーエルの爺さんってのは、覚えめでたくない意味での「有名人」らしい。祖父が元シヴュラなのに孫は本来シヴュラになれない身分、ってのはどうも変だし。なにかやって身分を剥奪された? しかし京田尚子声の爺さんってのははじめてだ……
 前回までで一気に男(?)を下げたパライエッタは、さらに妄想&暴走で情けないことに……ここまでヘタレキャラにされると、かわいそうだなぁ。それがいい、という人もいるかもしれませんが。一方ワポーリフはモリナスとも和解し、シムーンの秘密と向き合うことを決意。男性キャラ人気投票でも一位になったし、贔屓にされてるなぁ。って、アレ(巨乳)が男性キャラで本当にいいんだろうか?


2006年08月07日(月) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 江差追分は母娘の別れ―北海道・江差―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第四話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(これは先週金曜放送分)

 依頼で江差に入った京山一座。町は横暴な網元の江差屋に支配されており、浜辺で網を引きながら江差追分を歌う漁師の女房たちの表情も暗い。その江差追分を、悲しげな表情で聞く娘がいた。
 娘の名はおしん、今回の仕事の依頼人だった。恋人の伊之吉が江差屋に雇われていたのだが、タコ部屋同然の扱いに耐え兼ねたところをつかまり、殺されたのだという。依頼を引き受ける京山だが、顔役の江差屋と上がりの件で折り合いがつかず、三日間の興行しか認められなかった。わずかな期間のうちに江差屋を仕留めなければならない……京山たちは急ぎ裏を探るが、驚いたことに江差屋の屋敷でおしんを見かける。なんとおしんは江差屋の妾にされていたのだ。彼女を妾として口を聞いたのは母親のお栄。流れ芸者をしていたお栄はそのおかげで料亭を持ち腰を落ち着けることが出来、娘にも因果を含めていたのだ。
 一方、晋松は江差屋のタコ部屋に潜り込み、伊之吉のことを調べようとする。タコ部屋では扱いの酷さに耐えかね、逃げ出そうとしている連中がいた。ところが彼らの逃亡は事前に内通され、全員殺される。内通を裏で手を引いていたのはお栄。実は、お栄は伊之吉の脱走も密告していた。それを知ったおしんは……

 今回は脚本が良かった。お栄・おしん母娘がメインになるが、お栄が脱走者の密告を行っていたことがわかったことで、メインキャラ三人のマトが誰かということもミスリードに利用している。単に見てる側を騙すのではなく、ところどころで幼い頃のおしんがお栄に手を引かれながら寒風吹きすさぶ浜辺を歩くシーンが差し挟まれ、母娘関係がどうなるのか、ということも興味を引き続ける。
 お栄の悪人ぶりも、流れ流れ苦労し、すれっからしになってしまった、あまりに現実的な悪人ぶり。誰かを酷いめに合わせるのが目的ではなく、あくまで安定のために江差屋に取り入ることがすべてなのだ。おしんにも酷い目に合わせようとしてるのではなく、江差屋の囲われ者になって生活が安定していた方が幸せだろうと思っているふしがある。
 ところが、母が恋人が死んだ原因であることを知ったおしんが江差屋を去ることによって、江差屋の上前をかすめていたことがばれたお栄も用済みと着の身着のままで追い出される。最初、おしんを見つけみっともなく「江差屋にお戻り!」と言い出すお栄だが、はっとしたように気づき、おしんに江差屋に見つからないように逃げるんだよ、と言い残し別れ去っていく。おしんはその後ろ姿を見、昔の自分たち母娘を重ねる。そして思わず走り出し、「一緒に逃げよう!」と抱き合う。様子を見て場合によってはお栄を始末しようと伺っていた京山も、それを見て得物のかんざしを収める。
 母が娘の恋人を殺していて、娘の依頼で母を殺す、の方が直接的な悲劇だろうが、なぜかその場合よりもこの方がやるせなく、胸を打つ。おそらく恨みも愛情もすべてを含めて、二人で生きていくことを決意したからじゃないかと思う。
 その母親を最初軽い調子で「殺っちまいましょうよ!」と言う直次郎だが、様子見するという京山になおも食い下がり、晋松に殴られる。そして、倒れ込んだ後そのまま雪で顔を洗い、「へへっ」といつもの笑いを浮かべ、そのまま立ち去る。ちょっとぞっとしたシーンだった。こいつもただ、屈託のない男ではないなぁ。

[その他] ネズミ裁判

  顧客提訴 反響よぶ会社の訴訟支援東京新聞 )。これ見て最初に思ったことは、「あ、2chのタレコミって本当だったんだ」ということ。 こちら 参照。特に「ネズミ裁判と呼ばれるでしょう」だなんて、最初みんなが見て「なんのこと?」だったものなぁ。理由を見ると、更なる補修が必要と示してきた積水側の理由が「ネズミが石をはこんでまた排水溝をふさぐから」ということだから。唖然。アホらしい。
 コラム自体は作りを見るとむしろ後半部分を示したかったのだろうが、結果的に「両者の言い分が食い違ってる」ということを提示したに過ぎず、その事実と筆者の持っていきたい結論が結びつかないので、おかしな話になっている。第一 徐さんは、なぜ名前にこだわったのか。生い立ちを抜きにしては語れない。ってのは、事件の経緯を考えるとここで持ってくるのはおかしい。営業が、名刺を出すたびに自分の生い立ちから語って説明するのだろうか? あるいは名刺だけ見てわかることを当然と期待するのだろうか? それはちょっとありえない。だから、「無条件で人種差別的発言をした方が悪い」という結論にはならない(実際にそういったやりとりがあったのかは、不確定だが)。個人同士のトラブルから無理矢理普遍的な「罪」を抜き出して裁こうとしているように見える。掲載されてる材料自体は面白いが、新聞社説としては最低の部類。


 マンガ家の 飛竜乱 氏の 日記 、8/4にゲド戦記の感想が載ってて、「無駄な移動のシーンが多すぎる」というのに、これは確かに、と思った。監督は建築家だから空間配置はより気になったのかもしれないが、アレンがテルーを探しに行くシーン(で、裏の原っぱで歌ってるテルーを見る)で、庭を歩き、門を開け、外に出て、歩く、というシーンが、かなり冗長に思えた。それでいて、特に機能しているシーンではない。言ってしまえば、ぱっと移動させて「どこをどう移動してきたか」を納得させる演出力(と自信)が不足してるということなのだが、これはやはり場数が必要だろうなぁ、と思う。
 けど、飛竜氏の日記、ゲド戦記の件に限らず結構個人的に同意できることが多く書いてあるなぁ。いや、作品自体はそんなに好きな作家さんじゃないんですが。(^^;


2006年08月08日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 津軽じょんがらは嘆きのひと櫛―青森―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第五話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(これは月曜放送分)

 興行で越後に寄った京山一行。そこで離れ瞽女のなつと出会う。盲人なのに仲間と一緒におらず、三味も持たずに庄屋から借りるなつは明らかに訳あり。そんなとき、一行を追って善行尼の遣いの春海尼がやってくる。一行に津軽に飛んで欲しいという。
 その場を通りかかるなつ。だが、なつは庄屋の三味線を抱えていた。実はなつはかつて木曽でこけし作り職人の誠二郎という男と愛し合い、都へ出て仏師になりたいという彼と駆け落ちをしたのだが、誠二郎はなつの稼ぎをアテにしていただけ。必要なくなるとあっさりとなつを捨てた。三味線も失い、仲間の元にも帰れないなつはただひたすらに故郷を目指して旅していたが、三味線に触れ芸人としての魂が甦り、思わず持って飛び出てしまったのだ。話を聞いた京山はなつも一緒に津軽に連れて行くことにする。
 津軽に着いた京山への当地の依頼は、寺に投げ込まれた遊女のなりをした娘の恨み。だが娘は遊女ではなく、津軽藩お抱えの仏師鷹衛門の娘りつ。身体を壊し死ぬばかりになった遊女が投げ込まれるのをいいことに、何者かが遊女に見せかけ始末しようとしたのだ。しかし、りつは虫の息で恨みの依頼と、家には知らせないでくれと頼んで事切れた。
 何故そんなことを言ったのか。京山たちは依頼の裏を探る。その裏には数年前に津軽にやってきた仏師の早雲という男の影が見え隠れしていた。
 一方、京山一行と別れたなつは妹のすわに会いに行く。六年ぶりに会った妹が妊娠していることを知り、喜ぶなつ。だが、すわは明らかに取り乱し、なつに「もうここには来ないでくれ!」とまで言い出すのだった……

 話はわりと悪くなかったかな。りつを殺した男・仏師の早雲はりつを通じて鷹衛門の仏像を入手し、わざと他藩に売り払うことで鷹衛門を失脚させ、自分が藩御用達になる参段。そのために奉行の高森とも通じていた。りつは自分が利用されたことを知り、用なしと始末した早雲を恨んで死んだのだが、同時に父を裏切った後ろめたさについぞそのことを知らせることをよしとしなかったわけだ。
 その早雲が実はたまたま出合ったなつが恨んでいた誠二郎というのは、流石に偶然が過ぎるとは思うが。さらに誠二郎は「なつは死んだ」と妹のすわを騙し、子供まではらませていた。
 誠二郎は出世がかなうと見ると身辺整理のために産み月間近のすわをお腹の子供ごと殺し、なつが津軽に戻って来てることを知り、なつまでも殺そうとする。
 なつに深く同情を寄せて直次郎は誠二郎の始末にはやるが、晋松は「入れ込みすぎだ」と誠二郎の始末から外す。代わりに高森の始末をすることに。なつが家に帰れたことをおおはしゃぎで喜んだり、ひとりで出かけるなつの身を案じたりと、惚れたわけではないだろうが、その入れ込みようはきっちり表現されている。殺しのシーンも前回のように緊張と興奮の中で殺すのではなく、どことなく落ち着いた感じが出てきたのが、直次郎の成長が良く描かれてる。
 なつは京山一座の小屋にやってきた高森と誠二郎の前で津軽じょんがらを演じるのだが、目の見えないなつには目の前にいる早雲が誠二郎だと気付かない。だが、早雲の表情を見て京山たちは彼が誠二郎に間違いないと確信するあたりの演出はなかなか。ただ、最後に自分の屋敷になつを招いた誠二郎が自分の正体を明かし、始末の前に犯そうとするのは、これから殺そうという女を抱こうということで、どうも薄っぺらぽさが……そうでなきゃ、異常性愛者か殺人者だよなぁ。
 ちなみにすわを演じた久保にしきは、必殺シリーズの常連不幸娘・今出川西紀。最初気付かなかった。

[必殺] 花笠音頭は地獄で踊れ―山形―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第六話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。(やっと追いついた)

 庄内の熊井村に、一座に先駆けて入った晋松。ところが山中で三人の百姓が役人に追われ、二人までが殺されるところに出くわす。一人は尼寺に逃げ込むが、実は三人は尼寺から観音像を盗み出し売り払っていた。その事を諭されるが、最後の生き残りの一人、彦市が言うには、役人に追われているのはそのせいではないという。代官所の厳しい取立てによる生活苦のあまり盗んだ観音像を売り払った帰り、代官所の役人が江戸からの巡回士を斬り殺すところを目撃してしまったのだ。晋松は彦市が気にかかり、後を追いかけるが彦市は晋松を振り払う。そして、晋松は不審人物として役人につかまり、牢に入れられることに……
 一方、晋松を追って庄内入りした京山は、貧しさに口に入れるものさえ不自由する様子を見る。そして、山越えをしようとした途中で体調を崩し倒れてしまう。のみならず大八車の心棒まで折れてしまい、代わりを探しに行った直次郎があばら家で何者かに殴られ、昏倒してしまう……

 時系列どおりにあらすじを説明をすると、非常にめんどくさいことになるなぁ……この辺は見ながら注目点が分散してしまうかも。その意味ではあまり上手い脚本ではないかも。
 筋も代官が厳しい年貢の取立てをしており、代官と組んだ庄内屋が困窮した百姓たちの娘を口先で騙して江戸の女郎に売り払ってしまうというのが悪事。で、その江戸の女郎たちからの依頼が京山たちへの依頼になる。ちょっとありがちかも。
 ただ、彦市の妹おしかを同様の手口で騙して売り払おうとしたり、息子の無事を一心に祈る彦市の母を、おとりにした挙句彦市の始末が済むとあっさり殺してしまうあたりで虐げられた農民たちの悲哀を演出してる。特に、直次郎が彦市の母親の様子を見て、聞き分けのない彦市に「母親に心配されてるおめえがうらやましいからだよ!」と殴って説得するところは、普段とぼけて素直な心情など見せない直次郎の、珍しく直接的に感情を吐露するシーンになっていて、この後の母子の悲劇に欠かせない。
 もうひとつ重要なのは、京山一座の一人・おはなが京山の殺しのシーンを目撃してしまい、晋松に始末されそうになる。京山を母と慕い、京山も娘と思うおはなに、京山は「生かすも殺すも私の手で」と、すべてを自分に預けてくれるようにと説得する。
 大分プロっぽくなってきた直次郎とは言え、掟に従いおはなを始末しようとする晋松を静観してるのがちょっと気に掛かる。その後、晋松から解放されたおはなに一瞬駆け寄ろうとし、京山に彼女が抱かれるのを見て立ち去るシーンを見ると、直次郎も平気だったわけではなさそうだけど。おはなを演じるのは「旅愁」「さざなみ」などで必殺の主題歌を歌った西崎みどり。
 ところで番組終了後にこないだちょっと書いた、本田博太郎出演の「 CMのCM 」が流れるのは、なにかのワナですか?

[その他] 「これはひどい」と買ったもの

  列島地獄!日本人1億人死亡…日朝戦争シナリオzakzak )。おいおい。これはあまりにひどい。どうなってるの、この自称軍事アナリストの方の頭。自分もいいかげん素人だけど、ここまで妄想垂れ流しじゃないぞ。とりあえず言ってることが端からツッコミどころしかないんで一々突っ込まないけど、 濱野氏は「ナンセンス。北は米国よりも日本を狙うだろうし、ミサイルはただの陽動作戦。攻撃はテロに尽きる」と断言する。って、あんたの言ってることが一番ナンセンスや! 不安を煽って注目をうけようという、下賎なおっさんなんだろうなぁ。まるでホロン部……え? 東京女子大教授だって? でも英文学科じゃん。(笑) それもやたらと無関係の肩書きをつけたがるあたりが、薄っぺらいよなぁ。


 ・ 虫と眼球(めだま)とテディベア/日日日
 ・ われら九人の戦鬼(上)/柴田錬三郎
 ・ 同(下)

 いや、上はコミック版見てなんとなく。下二つは、「スペースオペラの書き方」を読んでからずっと探してたのだけど、なんとなく書店に入ったら見つけたので。

[アニメ] 徹之進#29

  徹之進 #29「てつのしん里帰りする」。犬山一家と九州のお屋敷に里帰りする徹之進。折角羽根をのばせると思ったのに、ポチを始めなぜか犬楽園の面々もやってきてしまいあまり普段と変わらない。その犬山家のお屋敷を、九州の時のルミちゃんの友達のトオルとススムがやってくる。二人はルミちゃんをめぐるライバル、と思いきや……
 徹之進の名前の由来が明らかに! って、実はルミちゃんの男友達の二人、徹(トオル)と進(ススム)が、貰われてきたばかりの徹之進に自分の名前をつけようと張り合って、ルミが困ってつけたのが「徹之進」。二人をルミにまとわりつく悪い虫と敵視してた徹之進は、それを知ってショック。で、二人がルミとお付き合いをしようとしてると勘違いしたお爺ちゃんが障害物競走をさせることに。で、二人は徹之進の名前のことではヒートアップしてしまったが、それぞれ下心なしでルミのナイトとして精進しているいい連中ということがわかり、徹之進も二人になつく。てか、レースに随伴したハカセとイワンが、最初はレースをリタイアさせてドローに持ち込むつもりだったのだが、それぞれ意気にほだされて本気になってしまうあたりが「二人がいい奴」感が出てた。
 それにしても犬山じいさんとセト様、しょうもないなぁ……


2006年08月09日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 丹後の宮津の嘆き唄―京都・宮津―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第七話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 京都宮津にやってきた京山一座。依頼は中間の兄を不義密通の罪で手打ちにした勘定方・本庄弥平次に恨みを晴らしてほしいという、おはつという女郎からのもの。裏を取るためにおはつを探す晋松だが、ようやく見つけたおはつを、身請けしたいという侍がいた。なんとその侍こそ本庄。そしてその身請けの相談の帰り、本庄が若侍に襲い掛かられる。彼の名は友田新助。おはつの兄と共に不義密通で殺された奥方の弟だった。
 無縁仏に埋葬された二人を弔うおはつと、新助が出くわす。新助はおはつの兄のせいで姉が死んだとなじるのだが、おはつからこれは陰謀だと知らされる。本庄は勘定方の立場を利用して不正を行っていたのだが、それをいさめた奥方を監禁。その奥方に同情し、手紙を仲介したりとしていたおはつの兄を、共々口封じのために殺したのだ。本庄がおはつを身請けしようとしてるのも、宮津から追放して口封じするため。
 とりあえず本庄に狙われた二人をかくまう京山たちだが、新助は敵討ちにはやる。のみならず、本庄のバックにはさらに大物が隠れていた。

 わりとソツない印象のあるシナリオ。一点、敵討ちにはやる新助におはなが淡い思慕を寄せ、その身を案じるのだが、その描写が薄く、京山のセリフでそうと知る。そのせいで、その後黒幕の老中に騙されて新助とおはつが殺されたことを悔恨し、京山たちの裏家業を手伝うという描写にイマイチ説得力が生じない。これさえきっちりと描かれてれば……
 どうも直次郎もおはなに淡い思いを抱いてるらしいのだが、それもちょっと曖昧で、上手く機能してない。
 他の部分は、いきなり口封じに殺そうとするのではなく、まずは追放という穏便な手段を取ろうとする辺りがちょっとリアルなのだが。
 あと、前半部分が結構丁寧だったわりに後半部分が、仇討ちしようとする二人のバックに何者かがいることを知りながらそれを調べずあっさり殺してしまったりと、駆け足気味の展開なのが気になるかな。でも、全般的に悪くない話でした。

[その他] オチョーシモノ

 ちょっとしたことで浮かれたり落ち込んだりする自分の単純な性格を再認識。まあ、躁状態に突入しなければそれはそれでいっか。


 なんどか話題にした「 CMのCM 」の、本田博太郎が社長役で出ている 「会議室 篇」のテレビ未公開の30秒篇 が、可笑しいだけじゃなくってよくよく考えると良く出来てる。

 この社長、会議に運ばれてきたミネラルウォーターが自社のでないと女子社員に怒るのだけど、社員一同、自社が水を売ってたなんて誰も知らない。「CMやってないんだもんなぁ」。
 で、社長怒ってとにかく自社の水を持ってこい、と言うのだが、女子社員に「商品名は?」と聞かれて「CMやってねえんだからわかるわけねぇだろ!」と逆ギレ。
 「CMなんかやらなくたって買う人は買ってくれる」と言うのだが、「売れてるんですか?」と聞き返され「全然」。社員の誰か「ダメだこの会社」。
 社長、「ともかく俺は帰る!」と立ち上がるとスーツの下は変な短パン姿。「社長、そのズボンは……?」「CM見て買っちゃった」そして社員一同立ち上がるとみんな同じ短パン姿。「僕らもなんです」。
 女子社員が踊りだす短パンの社長・社員を冷ややかに見ながらモノローグ「CMって何?」。

 これって、CMを打たなければどんないい商品だろうと認知されず売れないし、逆に購買者はCMに流されてコロっと変なものを買ってしまったりする、という、CMの恩恵と問題両面が実は描かれてる。おまけにCMをバカにしてた社長が「CMやってないから知らない」とか、「CM見て買っちゃった」とか、CMの影響下バリバリなのが可笑しい。短編映像だけど結構良く出来た風刺小噺だと思う。本田博太郎のテンション高い妙な演技があればこそ、なんだけど。


  この街で(上)増える在日ブラジル人 通訳置くなど大垣市も対応 同(中) 同(下)中日 )。私事なんだけど、実はうちの実家の方も、ブラジル人はじめチリ人、ペルー人など、出稼ぎ労働者が多くいる。南米だけじゃなくってもちろん中国やインドの人もいたりする。こちらは出稼ぎ労働者というより知的労働者が多いのでちょっと違うのだけど。
 で、ブラジル人が多いので、隣町にはブラジル人向けのスーパーまである。客層はもちろんブラジル人ばっかなのだけど、うちの親などは躊躇なく行って肉とかを買ってきている。田舎の人間にしては、結構エキセントリックな性格だ。
 で、そこにお肉がずらっと並んでるのだけど、日本みたいに「ヒレ」「ブロック」「バラ肉」みたいな大雑把な並びじゃない。こと細かく部位に種類分けられている。肉自体はオージービーフらしい。
 精肉部のおじさんがなにか薦めてくれてるのだけど、日本語が喋れないのでわからない。すると、そばにいたお姉さんがちょっとカタコト気味の日本語で訳してくれて、「ここのお肉がやわらかくておいしい」と薦めてくれた。
 実際その肉はサシも入ってないのにとてもやわらかくておいしかったのだけど、日本人がいかに肉食文化に疎いか、ということを思い知らされた。と、同時に、実はそのお姉さん、店員でもなんでもなくただのお客。なんの気なしに小耳に挟んで自然に説明してくれたのだ。
 日本語ができない人もいるだろうし、無論風習の違いによるトラブルも多いのでそれは双方工夫して回避しなければならないのだけど、双方コミュニティで固まって壁を作ってるだけってのは、お互い損なことなんじゃないかなぁ、と思う。
 どうせ付き合うならお互いメリットのある付き合い方のほうがいい。


 それにしても台風直撃とか騒いでたわりに、直撃どころが雨も降りませんでしたな、うちの周り……なんてこったい。


 今日読み始めてふと気付いたが、「われら九人の戦鬼」って、上下二巻じゃなくって上中下三巻じゃん! しまった! 中巻も注文しないと!


2006年08月10日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 坊さんかんざし買うを見た―高知―

 必殺シリーズ第十六弾「必殺仕舞人」第八話。現在テレビ東京系にて時代劇アワー(月〜金 11:35〜)で再放送中。

 高知での京山たちの仕事は、女郎を寺に連れ込んで弄んでいるという生臭坊主・宗純の始末。依頼主は廓町の総代・鶴富楼お倉。実は宗純はお倉の元娘婿という、複雑な関係。お倉は宗純が廓町の亀屋と入船屋の楼閣の娘を「助けてやる」と口八丁で連れ出したのを、堪忍しかねていたのだ。実は道中、京山たちはその標的らしい坊主がかんざしを三本買っているのを見かけていた。
 晋松が廓で話を聞くと、廓では放蕩の挙句鶴富楼を飛び出て頭を丸め、女郎に「助けてやる」と説いて回っている宗純は物笑いの種になっており、逆にお倉は女郎に厳しいが無法な扱いはしないと評判は高かった。直次郎が陰間のふりをして宗純の寺に入り込むと、駆け込んでいた女郎たちは粗末な飯に機仕事に草履作り、その上売上は宗純がすべて手にするというありさま。さらに夜な夜な娘たちは宗純の部屋に呼ばれているのだという。直次郎が怒りに燃えたこともあり、宗純はクロとばかりに仕置にかかるのだが……

 今回の話は中身が濃く、良かった。個人的にはこれまでの話で、もっとも良い話だと思う。
 宗純は女郎に足抜けしようと甘言ですりより、囲い物にした挙句こき使う悪党? と思わせておいて、実は宗純の行動は全部娘たちの自立のため。手に職を持たせ、稼いだお金は国越えの時に娘たちに渡していた。宗純を殺しに入って娘たちを前に国越えの手はずを説明しているところにでくわし、この依頼が過誤によるものだと初めて知る。実は入船屋と亀屋の過酷な扱いに耐えかねた女郎たちが逃げ出したのだが、お倉はそのことを知らず、さらに二人の楼主から総代としてのけじめをつけるようにと、強く迫られていたのだ。
 京山たちは宗純が勧進興行の京山一座に目を付け、その通行手形を盗んで娘たちを国越えさせようとしてると知り、わざと手形を盗ませる。
 このへんは、宗純が一座の小屋に入り、観客らしからぬ目つきで一座を見渡してるのが伏線になっている。
 だが、事情を知らないお倉は二人の楼主からしつこくけじめを迫られ、自らの手で宗純を始末しに行くのだが、そのことを聞いた宗純の元妻のお光がお倉を止めに走る。結局、宗純、お倉と、止めに入ったお光らは、事情を知られた亀屋と入船屋によってもろとも殺されてしまうのはお約束だが、起こってる出来事が比較的複雑で、元夫婦の宗純とお光、そして姑のお倉の関係の描写量は少ないながらも、それぞれの立場を印象的に描いていることで薄っぺらな印象はない。仕掛人の頃から関わっている松野宏軌監督と、この頃脂の乗っている吉田剛脚本との組み合わせが非常に良く出たせいだろう。初期必殺のにおいすら感じた。宗純演じる藤木敬士の、悪人とは思えないのだけど鬼監督的で「本当はどっち?」と迷わせる演技もなかなか良かった。
 それにしてもお調子者の直次郎の陰間(オカマ)役、妙にノリノリだったなぁ。

[その他] 訃報

  鈴置洋孝氏死去朝日 )。6日死去、死因は肺癌だとか。56歳、まだまだ盛りだというのに……ただただ合掌。


  のだめカンタービレドラマ化キャスト を見て、友人と「シュトレーゼマンが竹中直人ってのは……」と話し合っていた。
 「そりゃ、そこらの外タレ使うわけにはいかないだろうけどね……でも粘着質過ぎない?」 「じゃ、他に誰がいる?」
 ってな感じで名前を出してみたのだけど、山城新伍、植草教授(なんでやねん)、天本英世(故人やっちゅーねん)、明石家さんま、ビートたけし、伊藤四郎と名前が出て、ふと、ぴったりな人物がいるのを思い出した。
 「そういや、藤村俊二がいるじゃん」
 フジテレビ! 今からでも遅くないからキャスティングをやり直すんだ!
 のだめが上野樹里ってのは、納得できるんだけどね。

  WEBアニメスタイル特別企画 『時かけ』公開記念放談 細田守×小黒祐一郎 「映画」とは何なのか?
 読んでみて、かなり面白い。前に深+で「映画的とはどういうことか」と話をしたことがあって、その話が非常にオーバーラップする。デジタル技術の導入が見る側のインパクトに結びつかないという現状やら、非常に納得のできる話でした。
 昔の記事だが 『ONE PIECE ―オマツリ男爵と秘密の島―』細田守インタビュー もなかなかに興味深い。

[アニメ] ウィッチブレイド#19とゼーガペイン#19とその他

  ウィッチブレイド #19「思」。鷹山失脚後、和銅の秘書としてNSWFに勤める雅音だが、明らかに無理をしている様子に梨穂子のみならず奈月ビルの面々も心配そう。そんな時、以前一緒に旅行に行った雑誌編集長の恭子が訪ねて来た。鷹山の取材のために近くを通ってやってきたのだという。雅音は鷹山に会いに行きたいという気持ちと、和銅に解雇されるかもという恐れの間でゆらぐのだが……一方、NSWFでもまりあが決定的な行動を起こしていた。

 え〜っと、雅音と鷹山、「朝チュン」ですか? 男としては、鷹山がこれでなだれ込む、ってのは、違和感感じるような……古水のうすっぺらさといい、この辺はなぁ。女性側の心理は結構よくできてると思うのだけどね。
 話としては雅音が鷹山への想いを決定的にし、またまりあが古水に反旗を翻し、ネオジーン計画を手中に収めるという、結構大きな転換点のわりにそんなに大きく振れなかったような。これまで潜伏してたものが表に出ただけ、という感じか。
 その分、アルティメットブレイドに追い詰められた雅音がウィッチブレードの新フォームを発動させるのと、いよいよ崩壊が始まったのをもっと印象付けて欲しかったような。


  ゼーガペイン #19「ラストサパー」。シズノを舞浜サーバー内のレストランに招待するルーシェン。ルーシェンはオケアノス内から何者かが舞浜サーバーの位置をどこかに送信したこと、それがシズノかシマの仕業である可能性が高いことを突きつけ、その真意を問い詰める。そんな時、アンチゼーガが舞浜サーバを破壊しようと襲撃してきたのだが、シマは積極的に迎撃に出ようとしない。ルーシェンも裏切り者の疑惑を向けているシズノを舞浜サーバから出そうとしないのだが……

 シマとシズノの行動は当然ワナで、舞浜サーバにアンチゼーガが接触したところでそのデータを吸い上げてしまおうというもの。だが、舞浜の人々を危険に晒す行動に、キョウが賛同するわけもない。舞浜サーバの前で戦いを繰り広げ、サーバとアルティールを直結することでゼーガペインを通してアンチゼーガのデータを吸い出すことに成功する。だが、なんとアンチゼーガが舞浜サーバもろとも自爆。かろうじてアルティールはエンタングルアウトするが、なぜか舞浜サーバ内のシズノもルーシェンも無事……舞浜サーバは破壊されたのではないの? どうもセリフからすると、舞浜サーバはサーバの中でも特殊なサーバなせいらしいが……でもなんで無事だったのか、やっぱりわからん。
 静かに女の嫉妬をのぞかせてたシズノがリョーコとラブラブのキョウをあくまで静観してる理由ってのも気になるけど。
 それはともかく、メイウーとメイイェンのメイド服姿ですよ! ダンナ! 作劇的にはさほど必要性があるわけではないのだけど(まあ、無人のレストランで食事ってのも味気ないってのもあるんだろうけど)、どう見てもファンサービスです。本当にありがとうございました。


 こないだの アニマル横丁 #87(#44前半)「どき☆どき アニメが見たい!」がかなり抱腹絶倒でなおかつ痛かった……あみちゃんも大好きなマンガがなぜかアニ横でアニメ化することに。しかも深夜番組なのでケンタが録画してくることになったのだが、録画失敗の連続。その理由が単純な録画ミスってのはともかく、野球中継延長で時間帯がずれたり、事件報道に変わってたり、年末編成になってたり、テープが切れたり、新しく導入したDVDプレイヤーの使い方がわからなかったりと……いや、なんか妙に「深夜のアニメを見てるおっきいおともだち」に、憶えのある理由ばっかなんですけど……で、なんとか最終回だけは見られたのだけど、いかにも尻切れトンボな終り方ってあたりが、なお切ない。いや、オタク限定の切なさだけど。w
 後半の「どき☆どき 誰もいなくなった?」もいろんなミステリーのパロディがちりばめられてた。場面転換でレギュラーキャラの人数分のインディアン人形が映ったのは、タイトルの元ネタ「そして誰もいなくなった」の数え歌が元ネタなんだろうけど、まあ、子供にはわからんだろうなぁ……