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2006年03月22日(水) 旧暦 [n年日記]

[読書] 義民が駆ける/藤沢周平

江戸幕府から突然命じられた三方国替え。越後長岡への転封を強いられた藩主を守ろうと、荘内藩の百姓たちは越訴のためもくもくと江戸をめざす。「雖為百姓不仕二君」を旗印に深山にわけ入り間道を伝って歩き続ける領民たちの相貌と彼らを衝き動かした情動を精緻に描く傑作歴史長編を講談社文庫にも収録。(カバーあらすじ紹介より。)
 「天保義民」と呼ばれた事件を描いた作品。「天保義民」とは、天保十一年、三方領地替えにより石高が半分の長岡への移動を命じられた荘内藩主酒井忠器への沙汰取り止めを嘆願し、荘内藩領民たちが生命を省みずこぞって江戸へと直訴に殺到した事件を指す。藩内でも集会を開き「雖為百姓不仕二君」(百姓と雖も二君に仕えず)を旗じるしに行われた百姓たちの事件を描いた歴史小説。
 ……なのだが、あらましを読む限りは美談であり、またそのように伝えられている事件が実は百姓たちの必死の生き残りをかけた幕府と藩を相手にした三つ巴の戦いだったことを描いているのがこの作品だ。
 百姓とは土に根付いて生きているものであり、藩主の任地替えなど会社で上司が変わる程度に考えるかもしれないが、実はそうではない。まず第一に、藩は百姓から生産物を年貢として徴収し、無論藩の運営上出来るだけ吸い上げたいという力が働くが、あまりに過酷な取立ては百姓の困窮・首吊り・逃散(要は百姓の大規模な夜逃げ)を招き、また一揆などを起こす危険もあり、好ましくはない。だから藩の側でも百姓が立ち行かなくなるようなことはせず、そこに土着の性質を反映した藩運営上のノウハウがある。しかし三方国替えによりそのノウハウのない藩主らがやってくる。その上、国替えの費用(当然藩側の自腹である)を補うため、国替え前、国替え後でそれぞれ過酷な徴収がおこなわれることは必至である *1 。百姓としては直訴を行うというのは公儀に国替えの沙汰取り止めをアピールするためというだけではなく、自らの頑強な姿勢を示すことにより国替え後の新藩主に対する無言の圧力を作るためでもある。「雖為百姓不仕二君」をはじめとする旗じるしも、世間の同情を買うとともに大義名分を掲げることで圧力をかけられづらくするという農民のしたたかな知恵なのだ。
 だが、そういったしたたかな戦略だけともいえず、戦国以降200年間培ってきた藩主への愛着や一種の気脈が通じているという感覚により、実際に「義」により衝き動かされる者も出てくる。
 そういった混沌としたかたまりのような百姓側の動きに対し、藩は藩で沙汰取りやめやあるいは国替え後の加増を働きかけようと策謀し、あるいはそのために百姓たちの動きを利用、または牽制しようとする。公儀は公儀で実際にはくだらない閨閥人事なのだが、面子のためや諸侯に対する弱みをみせまいとするため、一旦決まった決定を履行しようとする。
 しかしそういった政治側の思惑を超え、最後、もはや百姓たちも計算を超えたところで生存本能や義民としての自分に衝き動かされるように、総勢二百名という前代未聞の上訴の江戸行きを行うところはひたすら圧巻。その様子がひしひしとした彼らの状況が伝わりながらも百姓ならではのあっけらかんとした雰囲気が伝わってきて、それがかえって彼らのたくましさをダイレクトに訴えかける。
 そしてもはや百姓たちも荘内藩もほとんどあきらめかけていたまさかの逆転勝利。どのように、というのは読んでもらうしかないが、まさしく「降って湧いた奇跡」としか言いようがない。しかしその奇跡を起こしたのは農民たちなのだ。「七人の侍」の勘兵衛ではないが、「勝ったのは農民たちだ」である。
 この作品は時期が天保年間なだけあって、幕末史を聞きかじった人間にはなじみの人物が多く登場する。老中水野忠邦をはじめとし、徳川家斉、鳥居耀蔵、町奉行矢部定兼に、名前だけだが遠山(左衛門尉)景元も登場する。外国船出没が頻繁となり日本全体が騒然としだした世相を背景に、それぞれ内部にもさまざまな思惑をはらんだ政争が行われる。
 タイトルの「義民」という言葉にまどわされると思ってもみない方向に読者は転がされてしまうだろう。しかし、百姓たちの一心な行動とその結末は胸を打つ。
*1: 酒井側も莫大な国替え費用をまかなうため、国替え前に吸い上げられるだけ吸い上げようとするのは当然。わざわざ後任のことなど考えるなどするはずもない。

[読者] 小指の先の天使/神林長平

 人間同士が接触すると炎上してしまう謎の奇病の流行により、ある者は火星へと逃げ、ある者は身体を捨ててバーチャルなコンピューターの中へ逃げ、そしてある者は踏みとどまった未来の地球を舞台とする連作短編集。
 この作品のテーマは、となると、おそらく神林流に「リアルとバーチャル」を描くことだったのだろう。リアルとは、自分の望まない、予想をしていないことの起こる世界、他者のいる世界。バーチャルとは自分の望むことしか起こらない、あるいは自分の望むことのみを選択することが許された世界、自分しかいない世界。ということか。無論、そういったことを野暮ったく説明はしていない。また、教訓めいたことも一切描いていない。リアルにはリアルの人生があり、バーチャルにはバーチャルの人生がある。しかし、リアルを選んだ者にバーチャルの人生は究極的には理解できない。そういうことをこの本の結末は言っているように思えた。
 また、ネット依存症を含む現代のネットワークの流行も反映しているように思えたが、分析めいたことを一々書き連ねるのも野暮というものだろう。

[アニメ] よみ空#11とタクロア#11

  よみがえる空 #11「ビバーク」。滑落による負傷者を出した登山部の大学生パーティ。吹雪に巻き込まれ地元警察へ救助を要請し、一宏たち小松航空救難団にも出場がかかる。
 登山計画があまかったのかどうかはよくわからないが、予想通り救助すら困難な境遇に陥る大学生たち。負傷者と付き添いを残し、二名が携帯の電波の届くところに移動し救助を求めるが、皮肉にも彼ら自身が二重遭難し、帰らぬ人となって発見される。負傷者を含む残る二名の救助者も、発見はしたが強風で救助ができない。警察の救難ヘリが近くを通りかかっても気付かず通り過ぎてしまう無情といい、妙なところでリアルだが、そのリアルさにどういう意味を持たせるつもりなのかが……まあ、おとなしくあと一話見てみますか。

  タクティカルロア #11「花」。リディルの潜水艦との戦いにより、艦に大きなダメージを負っただけでなく五名の死者を含む多数の死傷者を出してしまったパスカル・メイジと七波。七波は艦長の責務としてもっともつらい、遺族への弔問に行くが、自らの出した結果に打ちひしがれる。漂介はそんな七波を見て……
 う〜ん、ちゃんとこういうところまでやるんですな。「ナデシコ」とかでは死者のリストを出しただけですが(あれは地球の外にいたから弔問はできなかったってこともあるけど)。死者たちも危険を承知で艦に乗っていたはずだろう、と言うのは簡単。遺族にしたって死者にしたってそんな簡単に割り切れるものではないだろうし、その上うら若い女性ばかりともなれば、遺族としては一層そうだろう。漂介はそんな七波を支えたいと、ついに思いのたけを口にする。
 一方整備班班長のみなもも親友のさくらをうしない、明るく振舞っていたが彼女のことを思い出し泣き崩れ、パスカルメイジへの業務を拒否しようとしてしまう。そんな彼女を救ったのは誰ともなく集った同僚たちの持ち寄った花束。
 他人の死を、自分の死の危険をどう受け止めるか、というのはおそらくこの作品の描き方では現実としては不十分なのだが、それでも果敢にそれを描こうとしたことは評価したい。
 漂介と七波の恋模様は、まあ、狂言回し的というか作品的にそういうものとして捉えるしかなさそう。二人のやりとりを見てしまった翼をからめて、どう決着がつけられるのか(あるいはつけられないのか)。


2006年03月23日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] WBC

 二日遅れでWBCの話題。日本が優勝だそうで。まー、いろいろ釈然とはしませんわな。ルールがどうとかいうことはあるだろうけど韓国に二回負けてメキシコの勝ちでおこぼれ的に決勝リーグに進み、それで優勝……
 いや、勝ち自体にケチつけようってんじゃないです。勝った選手たちは、頑張ったことでしょう。でも、それで「世界最強」と言っても、そりゃ実力があればこそだけど「勝負は時の運」とも強く感じる一方なわけで。
 素直に「良かったね」と言えないのかって? 自分が浮かれる要素はないし、他人がわけもわからず我がことのように浮かれてるのを見ると、冷や水のひとつも浴びせてみようってのが人情でしょう?

  NHK番組改変・説明「出向いたことに」 担当者が証言朝日 )。事実関係は調べるしかないんだが、  永田氏は、慰安婦や加害兵士の証言が、「信憑性(しんぴょうせい)が疑わしい」との理由で放送直前に削られたことについて「つらい経験をされた方の言葉について疑うのはあり得ないと思っている」と声を詰まらせた。って、「つらい経験をした(と自称している)人の言う事は疑うな」ってことですか? そりゃありえんでしょう……永田CPといい朝日といい、空気が読めなさすぎというか。

[アニメ] ノエイン#23

  ノエイン #23「オワリ」。自らがシャングリラ世界のユウであることを明かしたノエイン。ノエインはハルカや親友たちを失った過去を明かし、ハルカを連れ戻すために平行世界を渡り歩いたが、どの時空にも不幸があったと言う。そのためにすべての時空を統合し、世界を一旦破滅させ再度作り直すことがノエインの目的だった。
 現実では、篠原の実験をやめさせようと内田らが実験船に潜入するが、トビとコサギは実験の影響で量子状態が不安定になり近づけず、郡山は篠原に撃たれて重傷を負う。密かに内田らを手引きした黛は篠原を説得しようとするが前人未到の業績に取り付かれた篠原はとりつくしまもない。そしてマジックサークルの上に、はっきりとウロボロスが具現化してしまう。

 ついに本当の姿を見せたノエインはカラスそっくり。事故によってハルカやイサミたちを失ったユウが、ノエインになってしまった。つか、多分この時点で後は何見ても絶望しか抱けなくなったんだろうなぁ。「絶望した! この世界のすべてに絶望した!」ってなもので。
 ハルカを取り込むためにノエインが遊撃艇にユウとカラスを襲わせ、近づけまいとするがシャングリラ人の一人がノエインに逆らってユウをノエインの元へ送る。あれは誰なんだ? シャングリラのイサミは死んでしまったはずだよな……
 アイたちはハルカが再度龍のトルクの力を使って元の世界へ家ごと送り返す。ハルカやユウを連れ戻すために残ろうとする子供たちを、アトリが無理矢理家に放り込み、ハルカとユウを無事に帰すことを約束する。回想から推察するに、アトリは内戦により家族も友人も失い、自身も何度も死にそうになって日本に難民としてやってきたのだろう。カラスが嫌いだったのは、まだすべてを失ったわけじゃないのに不幸面してるのが気に入らなかったってことだろうか? ミホと間違えたアトリの妹も、地雷を踏んで死んでいたことも明らかになる。でも、妹の面影を見たミホと会えて、アトリも変わったのだろう。
 次で最終回。シャングリラでの危機を回避できたとしても元の世界での危機もあるし、どうしたものか。(お前が迷ってもしょうがない)


2006年03月24日(金) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 練馬大根#11とかしまし#11とムシキング#51

  練馬大根ブラザーズ #11「俺のドームで3人プレイ!?」。ヒデキもマコも散り散りになってしまい落胆するイチローに、ユキカが協力。イチローがドーム建設資金のために銀行強盗したことにし、ユキカがこれ見よがしに追い回す狂言を仕組む。イチローが本当にドームのためにそんなことをしたと思ったヒデキとマコはイチローを助け、大団円かと思われたのもつかの間。大根畑を手に入れようと暗躍していたドナベとユーケルは力ずくで権利書を奪おうとする。そしてそこに痺れを切らせた大ボスが登場。その正体は……
 って、ある意味王道なんだけど、大ボスの正体はちょっと安直だったかなぁ、という気がしないでも。でも当初不安だったユキカの役どころとかもそれなりにはまって、それなりにまとまった感が出てきた。あと、空飛ぶ国会議事堂は、アホらしいんだけどなかなか壮観。
 あ、あと大ボスの声が矢尾一樹で、かなりナツカシス。

  かしまし #11「やす菜の瞳から消えたもの」。う〜ん、修羅場が長続きしないなぁ。残念。はずむが都合がよすぎるぐらいに優柔不断ってのは構わないし、誤解する展開がベタベタだってのももっと構わないのだけど、とまりとやす菜の二人のエゴが終盤に引っ込んで物分りが良くなってしまうのが残念。爆発寸前で急速にしぼんでしまった感が……
 とまりが裏切ったことで男だけでなく女まで顔が認識できなくなってしまったやす菜は祖母の家に引っ越し、はずむたちに負担をかけないように決別しようとしてるようだけど、う〜ん、お定まりの展開になってしまうのかな?

  ムシキング #51「生きてこそ」。う〜ん、妙に終盤の展開、座りが悪いと思ったら、かなり人間関係の中心の方であるはずのパムとセランの立ち位置が不鮮明なんだよな。セランに至っては人型のアイテムみたいな扱いだし……展開的には伏線を収集していき、結構良いのだけど。母を助けるために旅立ったポポが、森とみんなを救うために母から命の力を譲り受けるってのは成長を端的に示してて良かったかも。それだけに、セランが助けました、ってのは、ちょっと蛇足だった気もする。

[マンガ] アクメツ最終回

 週刊チャンピオンで連載していた「アクメツ」が最終回。アクメツが消え去った後、リポーターがインタビューしたホームレス。それは……
 結局首相はアクメツと約束した改革に失敗し、自ら失敗者の人生を送る。日本は何も変わらず、しかし、アクメツの影は確かに永田町に残った、という。その日本が今と変わらないか変わったのか、それは描写されなかったのだけど、あるいはそのアクメツの影がずっと先に日本を変えていくかも、と、アクメツと生のそれぞれを知る二人の後姿で締め。と、綺麗な締め方。結局何も変えられなかったのか、というのにも、予感だけは残している。でも、アクメツによって変わった世界、というのも見てみたかったかも。あと、何度も書くけど、今の日本の問題は「戦後の問題」というわけでは決してないと思う。
 他にチャンピオンでは勇次郎が想像上のカマキリと戦った刃牙を笑い飛ばしたり(ま、笑いますわな……)サイカチがマジで終わりそうだったり、「24のひとみ」のひとみ先生のウソが相変わらずいかしてたり。「無敵看板娘」はまだちょっと美紀の「いい子」を押し出しすぎてるかなって気が。オチは容赦なくって良かったけど。

[その他] アレげなニュース(スコア:-1, オフトピ)

  Firefoxが原因で破局した女性がBugzillaにバグとして登録/.JP )。それってアリなんか? トラブルの内容は こちら のようなんですが……Firefoxのせいなのか? なのか?

  「デートに使える科学ネタ」文科省が無料誌作成毎日 )。「 「デートに使える科学ネタ」を集めた無料情報誌「サイエンスウォーカー」を、文部科学省が作成した。」。すいません、これだけでこちらの負けです(^^;
 でもマジな話、ちょっとしたトリビア感覚だったらともかく、一々そんなこと話してるとうざがられるよなぁ……話し方の問題か?


2006年03月25日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 梅は咲いたか桜はまだかいな

 などと歌っていると、梅も桜も咲いている……なんだ、そりゃ。
 今日はアウトドア系のイベントで木登り。開催場所には梅の畑?が隣接していてちょうど満開。でも桜も綻んでいて……う〜ん、季節感が微妙だ。
 イベント自体は、いつも子供がいっぱいであわただしいのが今日はのんびりとした空気で、自分もハンピングとかゆっくり練習できました。
 準備時間も余裕があったのでショットパウチでのスローイング(まず最初に一番高い位置にラインのついたショットパウチを投擲し、そのラインを使ってクライミング用のロープを架ける)の練習をさせてもらったのだけど、やってるうちに成功……あれ? 成功するとは全然思ってなかったんですけど……ってえか、スローイング自体久々で相当なまってると思ったんですが……おかげで「SMスナイパー!」とか、ありがたくない称号を賜りました……「SM」ってなんだよ、「SM」って。(笑)
 でもいつもよりたくさん練習も出来たし、のんびりできたイベントだったなぁ。

[アニメ] かりん#18と徹之進#11

  かりん #18「兄キのヒミツは恥ずかしい」。オープニングなしなのでなにかと思ったのだけど、あまり意味はナシ。かりんの兄・煉がどうして激しい人間嫌いになったかという話。いや、だいたいこういう肩透かしオチってのは途中で想像がついたけどさ……確かに人間嫌いになるし、恥ずかしいわな。

  徹之進 #11「てつのしん接待する」。飼い主の犬山家がアメリカの巨大ソフトウェア会社との提携をかけ、その社長ヨル・ゲイツの接待合戦をライバルの黒金家と繰り広げるのだけど……まあ、子供たちがこれが接待だと信じ……はしないか。ヒジョーにゆるーい内容なのは相変わらずなのだけど、テーマが「家族」なのはわかってるので、その意味では、ね。
 浪費家のママのいいところ、というはずの今回の話なのだけど、結論は徹之進の一言に尽きるよなぁ……でも番組最後の「来週も見てね。お願い」って……メロディ魔法?


2006年03月26日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] ゾイドG#50とマイメロ#52

 どちらも最終回。
  ゾイドG #50「再生」。自由の丘でジーンを迎え撃つ討伐軍。しかしバイオティラノの圧倒的強さに徐々に圧されていく。一気に片をつけようとしたルージは逆にバイオティラノに押さえつけられ、止めを刺されようとした瞬間、ソウタのランスタッグが割って入るが、今度はソウタが倒されそうになる。それを助けたのは意外なことにフェルミのバイオプテラだった……
 とにかくゾイドバトルに接ぐバトルで30分間。ゾイドの大軍同士の大混戦も勿論、ゾイドコアを破壊され次々と散っていく仲間のゾイドの散り際も圧巻。もはや出番がないと思ったデッドリーコングのバーサーカーモードまで惜しみなく投入、破壊するすさまじさ。バイオケントロやバイオティラノの量産型まで出てるし。
 しかしザイリンの協力を得てバイオ粒子砲を破壊してもなお圧倒的強さを誇るティラノにムラサメライガーまでコアを破壊され、なす術もないルージの前で、ルージを守ろうと身を投げ出すミィがバイオティラノの顎に砕かれそうになったその時、ムラサメライガーの最後の秘密が発動する。
 ムラサメライガーは強力な自己再生能力を持った特殊なゾイドで、それは搭乗者の強い意志に反応する。エヴォルトはその発現の一形態だった。誰にも扱えなかったムラサメがルージには使えたのは、ゾイド適性がまったくなくつらい思いをして来たルージの、必死の願いにムラサメが反応したためだった。
 ムラサメの秘めた再生能力によりコアが復活。二つ目のコアを持っていたデッドリーコングと、満身創痍ながら無事だったボルケーノがティラノのコアをむき出しにするが、その二体を盾にムゲンの大刀をかわそうとするティラノ。しかしそのティラノの副腕を切り裂く一体のゾイド。それはラ・カンのソードウルフだった。盾もなくコアを剥き出しにしたティラノを、二本の大刀でまっぷたつにするムゲン。
 戦いは終わり、余韻を残したまま物語は終わる。
 迫力がひたすら神がかった最終回。エヴォルトの謎と他にゾイドを動かせないルージだけがどうしてムラサメを動かせたかというのも、ルージが特別な存在だからではなくルージがどうしようもない欠点を持っていた故にムラサメを動かすのに必要な強い願いを持っていたという意外なものだった。敢えて言うなら、この強い意志、不屈さがこの番組のテーマだったのだろう。最後に出てきたジェネレーターを中心に復活したミロード村も、そのルージの不屈さが将来成し遂げる予想図なのだろう。
 フェルミがソウタを助けに突っ込んでいくのだけは唐突な気がし、もう少しフェルミのソウタに対する複雑な感情が描かれていればと思えたが、フェルミの最後としてはこれが最も救いのあるものだったのだろう……
 いや、一年という長丁場をだれることもなくフルに楽しませてくれたシリーズでした。

  マイメロ #52「夢の歌がとどくとイイナ!」。こちらも異様なハイテンション。特訓によりマックスパワーのタクトを振れるようになったマイメロの指揮により、メロディ音符の歌を歌う歌たち。しかし柊の身体を乗っ取ったダークパワーはすさまじく、抵抗にもかかわらず世界中の夢が奪われ、残るは歌たちだけになってしまう。
 最後まで歌を守ろうとした小暮まで夢を奪い取る霧に飲み込まれ、挫けかける歌たちだが、奏がそれでも歌い続ける奏に触発され、再び歌い出す歌たち。クロミはテレビの向こうの視聴者にまで一緒に歌うことを呼びかけ、高まったタクトの力でマイメロはダークパワーの中に取り込まれた柊に接触する。
 柊は自分が求めたはずのダークパワーの曲の非生産性、省みて歌たちの歌の、めちゃくちゃだけど込められた気持ちを感じたところに、すべての元凶の自分を責めることなく一緒に歌おうというマイメロに触発され、ダークパワーを内側から押さえ込み、メロディ音符の曲をかなでさせる。内と外両方から攻撃されたダークパワーの精は力を失い、宇宙へと逃げていく。世界は元に戻ったかにおもえたが、イギリスのヒースロー空港に、日本に向かおうとする謎の影が……?
 というわけで来週から二年目「くるくるシャッフル」が開始。その伏線が終盤に早速張られ、ちょっと消化不良気味な気も。(シリーズ継続と言う都合上仕方ないのだけど、ゾイドGのような後はすべて視聴者の想像にまかせても構わない、という終わり方ではない) しかし柊の歌に対する感情は妹に対するもののようなものと明らかになったり、最後は小暮ががんばったりしたし、あの盛り上がりは間違いなく本物だったのでこれはこれで良し。

 今日の最終回作品二本は、どちらも本当にすばらしかった。

[アニメ][特撮] エウレカ#48とボウケンジャー#6とカブト#9

  エウレカセブン #48「バレエ・メカニック」。衛星砲によりゾーンへの通路を穿ったデューイ。その通路を伝ってアネモネの操るタイプ・ジ・エンドがコーラル・スカブの中枢クラスタを直接攻めてくる。それを追ってジ・エンドを破壊しようとしたホランドを出し抜いて閉じかけた通路へ突入したのは、アネモネの過ちを正そうとするドミニクだった。
 アネモネのドミニクへの恋愛感情は唐突だけど、いや、かなりやけっぱちな盛り上げ方でした。バカバカしいんだけど、つい共感してしまうな……どこに、ってのは、ちょっと難しいんだけど。ジ・エンドの最後の行動は、ジ・エンドがアネモネにとってのニルヴァーシュだということを考えれば、不思議はないかと。
 でも、 BLOOD+ もそうだけど、TBS系のアニメはコミック版の方がアレンジは激しいけど間延びしてなくてテンポが良いような。それってつまり、一年シリーズで企画する内容ではないってことなんじゃないだろうか。

  ボウケンジャー #6「呪いの霧」。女の子二人のフラグイベント? まあ、両腕換装のダイボウケン登場がメインだったかな……最後にレッドがいじめられるのは面白かった。

  カブト #9。矢車がカブトにこだわるあまり、どんどん小人物に……ついには部下の安全よりもカブト打倒にこだわる矢車を見捨てるようにザビーゼクターが矢車から離れ、変身が解除される。そして逆に仲間たちを守ろうとマシンガンブレードのみで幼生体のワームに立ち向かう加賀美の元にザビーゼクターが現れ、加賀美はザビーへと変身する。
 仮面ライダーへの変身適性の条件はなにかメンタルなものだと匂わせ、また一方で矢車に破壊されたはずなのに勝手に元に戻っているカブトの変身ベルトなど、謎と伏線が張られる。ただ、矢車の小人物化が早すぎ&極端すぎる気が。まあ、ゴローちゃんも顔出ししたしいいか。


2006年03月27日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] 啓蟄のころ

 啓蟄ってのは太陰太陽暦による二十四節気のうちのひとつで、太陽の黄経が345度の時期なのだそうな。太陰太陽暦というのは月の周期にあわせ一年を計算する太陰暦のずれを、太陽暦によって修正する暦の計算法。太陰暦の場合一年が太陽暦より11日ほど短くなるので閏月を何年かにいっぺん挿入して調整するのだが、その調整上、月と季節のずれを調整するために設けられたのが二十四節気。
 詳しい説明は wikipediaの太陽太陰暦の項目 で。
 もう春分(啓蟄の次の中気)で啓蟄は過ぎてるのになんでこんな話をしてるかというと、春になるといろいろ出てくるなぁ、という話。

[その他] 内容不鮮明な単語

 ここのところ中谷孝氏という方がリベラル方面で活躍されてるそうで。元陸軍特務機関員と名乗っており、公演やテレビ出演で「南京虐殺はあった」と断言されてるそうなんですが……まず年齢で「?」となる。氏は御年85歳。南京市が陥落したのは1937年12月。つまり、当時16歳のはず。16歳の特務機関員? と不思議に思うが、ネットで見れるプロフィールによると、当時は東京府立商業学校在学中。翌38年に卒業し、高速機関工業(株)(現在日本自動車工業に吸収されたオオタ自動車)に入社、39年に特務機関要員となり支那派遣軍総司令部報道部に勤務、とある。つまり、南京事件時には学生でしかなく、当時の状況は二次的にしか知りようがない。どうもこの手の特務機関への民間人の出向はそれなりに行われていたようで、特務機関という名称にまどわされがちだが、占領地の行政支援がその活動内容だったらしい。広い目で見れば「工作員」となるかもしれないが、俗なイメージのそれとは大分違うだろう。
 報道などによると語っている「南京虐殺」の内容も組織的意図的な民間人の大虐殺ではなく、最近よく語られる便衣兵の掃蕩時の行為(当然伝聞のはず)のようだ。(その内容の是非は別に置いておく)
 敗戦直後、中華民国司令部に勤めていたことについては別に売国とかなんとかはまったく思わない(当時の状況というのは綺麗に二元論などで語れるようなものではないだろう)し、この方が語る内容にまるで意味がないとも思わないが、どうにもイデオロギーが先に出すぎているようだ。第一「南京大虐殺」の内容自体、時代や人によって揺らぎが大きすぎる。この言葉を曖昧な定義のまま使ってる方は、何が起こったかよりも「南京大虐殺」という言葉を広めることが目的のようにも思える。そして氏はそれに利用されているだけにも見えてしまうのが残念だ。

  “萌え”防衛白書 売り上げ倍増スポニチ )。私の過去に書いた感想は こちら 。今更取り上げられてもなあ、って気もするけど、
 特に女の子はセリフだけでも“超タカ派”。中国に対して「日本の領海を潜水艦で横切ったり、弾道ミサイル造ってたり、仲良くできっこないっつーの!」。クマが「防衛力って軍事力に変わりない」と言えば「じゃあさ、たとえば日本が丸腰になったら、テロは絶対に起きないの?国際社会で孤立したらどうなる?」と力説する。「沖縄にアメリカの基地があるのはよくない」と主張するクマを殴り飛ばしながら「沖縄は地理上すごく重要な場所なんだよ。だから米国の存在が必要なの!」と持論を展開する場面まである。
 う〜ん、現行政策支持寄りに作ってあるのは事実だけど、それほど偏った内容じゃないんだけどな。一応、両論併記の進行という形。進行役のPCは、でこ(女の子)の主張もすべて正しいとは断定していない。それに「萌えマンガ」というより学研の学習マンガの系譜だと、何度言ったら(以下略)
 「萌え」って単語が出来てから、あまりに単純化されすぎたなぁ。なんでもかんでも可愛い系の女の子が出てれば「萌え」で処理してしまえばいい、てのは。
 それはそうと、
一方で、読者からは「漫画につられて買ったけど、字が多すぎて読む気にならない」(さいたま市・19歳学生)などの感想も。
 さすがにそれは当人に問題がありすぎでは……
 追加: 外務省製作のマンガパンフレット
     文科省製作のマンガ科学技術白書
 なんだ。平成17年度まんが防衛白書、全然問題ないんじゃん。


2006年03月28日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] スタニスワフ・レムの訃報

  「惑星ソラリス」原作者 スタニスワフ・レムさん死去朝日 )。実はまだご存命だったことを知らず、むしろそれで驚いてしまったのだけど(でも年齢を見るといずれにせよ驚くような年齢ではない)、やはり「ソラリスの陽のもとに」で「こういうファーストコンタクトもありなのか!」と衝撃を受けた身としては、物悲しくはある。
 それにしても朝日新聞的にも新作の方の「ソラリス」はなかったものなのだな。

[その他] 星雲賞非公式ノミネート

 今年は試しにwikiでやってみる。自前で設置するつもりだったが、いろいろ調べるのがおっつかなくって、とりあえずフリーのレンタルwikiで。
  星雲賞非公式ノミネート@Wiki
 まあ、ボチボチよろしくおねがいします。ちょっとはこちらの手間が軽減されるかなぁ……どうなんだろう。

[その他] 自由? 不自由?

 卒業式シーズンだからか、 教員むしばむ『君が代神経症』東京新聞 )なんていう、どう見てもお笑い記事が出てきたりする今日この頃。
 いや、まじめな話「 女性教員は、音楽準備室に入り込んでくる虫(カメムシ)が「都教委に見え、見張りに来たと感じる」ような思いに襲われる」というレベルになると、行政云々の問題ではなくできるだけ早くにカウンセリングに通った方がいいと思う。もし、この記事のふかしでないとしたら、だけど。
 ちらちらと見ていた冬季オリンピックでもそうだったし、WBC、は見てないけどそこでも多分そうだったと思うのだけど、それらの式典や祭典で自国他国の国旗、国歌に敬意をもってふるまうのは一般的マナーの範疇だと思う。「国旗掲揚・国歌斉唱の強制は内心の自由を侵す」ってフレーズを「マナーの強制は内心の自由を侵す」と置き換えてみると、なんだかおかしなことを言ってるな、になってしまう。まあ、くだけた場でマナーを強制すればそういうことになるだろうが、学校という教育機関における公的な式典でマナーを強制してはいけない、というのはあきらかにおかしい。そういったマナーを身に着けさせることを含めて教育ではないの? 教育というのはある程度の強制を含むものだし。
 それに強制と言っても、「国歌や国旗を崇拝しろ」とまで言われてるわけじゃない。そんなことまで強制されてないし、強制もできない。「国旗様に千回謝れ」なんてやらされてるわけでもない。「それ相応の場では、敬意をもった振る舞いをしろ」というだけで、それはマナーの範疇だ。
 大袈裟に「自由」の御旗を掲げて、どうでもいいことで騒いでいるようにしか見えないんだが……少なくともヒステリーを起こすことじゃない。

  朝日新聞社長の長男、大麻所持で逮捕産経 )。朝日新聞、とんでもねえぜ! ……って話ではなく、この報道の速度にちょっと興味が惹かれた罠。前述の産経新聞の記事は12:02のタイムスタンプ、近頃社主が朝日と仲の良い 読売新聞の記事 は13:14。妙に朝日に切り込む記事の多い 毎日新聞の記事 は12:20、 日経新聞の記事は13:11、 東京新聞の記事 は12:28。
 朝日新聞は事件の記事ではなく、12:36に 社主からのコメント という形で記事を出している。
 かばってるとかそういうことではないだろうが、やはり各社の興味の差は出てるのかなぁ、という気はする。別に事件自体は大した事件じゃないんですけどね。

 そういや昨日中谷孝氏の話題を書いた後に気がついたが、氏が南京に入った1939年というのは春風亭柳昇師匠が南京に赴任していた時期と重なる(参考: 与太郎戦記/春風亭柳昇 )。立場が違うので見てきたものも違うのは当然だが、やはりカラーが違うなぁ、という印象。どちらがいい、悪いということではない。

[アニメ] よみ空#12とタクロア#12

 タクロア、全13話だったのか。
  よみがえる空 #12「レスキュー」。大学登山部のパーティの残る二人を見つけたが、悪天候のため救助が出来ない。一旦基地に戻らざるをえず、天候の回復を待つのだが……
 う〜ん、要素要素としてはなにを狙ってるかは(あざといくらいに)わかるのだけど、それらをまとめてつなげることは結局できなかった。う〜ん、なんなんだろう。口の中で飴玉がとけきらなかったような、なんだかそんな妙な後味。
 「職」というテーマについても、よみがえったのは本郷三佐の空だけで、一宏の空は(将来はともかく)まだよみがえらない。やはり、そこまで達成せずともなんらかのランドマークは到達させて欲しかった。

  タクティカルロア #12「九番目の命題(ノイントテーゼ)」。東ルース共和国周辺で政変が勃発。とある事情から自ら動こうとしない洋衛軍の代わりに、共和国からの要請で民間人の退避のため民間の護衛艦が出動する。パスカルメイジにもその任が下り、これまでにない緊張感の中、出航するのだが……
 「グランドロア」が実は人為的な操作(あるいは事故)によって誕生したことが明かされる。これまで、グランドロアって存在感薄かったのにな〜。その発生には洋衛軍もからんでおり、東ルース周辺の政変には第二のグランドロアを発生させようという勢力がいるため、自らの過去の過ちを押し隠すために軍は黙っている。ん〜、いかにも官僚。そんな政治的な諸々を承知しながら、危険な航海に出る七波たちも、それが彼女らの元同僚の書き残した論文の「九番目の命題」に沿っている事を知り、昔起こった惨劇の方をつけるために決心を固める。阿古屋姉妹って、「九番目の命題」関係者だったのか。
 肝心の漂介と七波、翼の関係は、漂介の気持ちを知ってしまった翼が、それでも漂介にはっきりと想いを告げ、哨戒任務が終わったら返事をくれ、と言い残していく。思い込みは激しいけど、男だね。女だけど。
 残り一話。しかしあの黒いワンピースとピンクのマフラーの少女は何なんだ?


2006年03月29日(水) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] ノエイン#24

  ノエイン #24「ハジマリ」。ノエインにハルカが飲み込まれ、ついに次元の収束が始まる。ラクリマでは十王委員会が崩壊、次元の侵攻を押し留める者はいなくなり、現実世界でもマジックサークルが暴走、次元の量子化が始まる。そしてハルカはノエインの中でノエインになったユウの過去を見ていた。
 群がる遊撃艇をアトリが一手に引き受け、カラスはノエインの元へ。しかしハルカもユウも取り込んだノエインに、カラスもまた取り込まれる。だが、ハルカはノエインとカラスたちの違いをはっきりと悟っていた。「あなたは、忘れちゃったのね」。たとえ不幸な結末を辿ろうと、ユウと出会い、一緒にいられたのだからどの時空のハルカも幸せだったこと……ハルカの死によってハルカの気持ちを忘れたノエインに、その事実を突きつける。そしてもうひとつのあり得た未来を見せる。ハルカたちを失いながらもしっかりと前に進むユウがハルカの墓参りをしている光景。ユウも「お前は前は俺だったかもしれないが、今は俺じゃない!」とはっきりとノエインを拒絶する。
 現実世界では量子化が逆に幸いし「撃たれなかった未来」と同時存在した郡山が篠原を拘束し、トビが必死にマジックサークルの働きを止めていた。アトリはシャングリラから現実に出ようとしている遊撃艇の大群を、ミホとの約束のためたった一人で押し留める。コサギもまた、量子コンピューターに頼り人同士のかかわりで相互の存在確定を放棄しかけてるラクリマを救うため、ラクリマに戻りその量子コンピューターを破壊する。

 ノエインは絶望のあまりハルカとの幸せだった日々も忘れたユウだった、ということか。カラスも世界に絶望しかけていたが、平行時空のハルカと出会うことでそれを思い出し、そしてユウはノエインではなくカラスを選択することで無限の未来の可能性を取り戻す。
 トビがハルカたちの世界に抱いた思い入れもまさしくそのためのもので、人と人の関わりを取り戻させることでクリマも救おうとする。アトリも、ミホと出会うことでそのことを再び取り戻した。
 量子の観測者原理と、人と人との関わりによって自己認識することをからめ、ひと夏の事件に幕を下ろす。
 時々出てきたあの老人は龍のトルクそのものであったよう。おそらく無理矢理時空を収束させようとするのに対し自己防衛として顕現し、ノエインの暴走の原因であるハルカのうち、そのハルカを依り代として選んだのだろう。そしてもう一人の未来のユウであるカラスを呼び寄せ、ユウに選択させた、その選択こそがテーマ、ということになるのだろう。ユウだけではなく、トビもアトリも、もちろんカラスも皆同じ選択肢を選んだのだと思うし。
 最終回でわかったことも多かったが、不明なことも多い。ラクリマのミホ、視力を失ってたのだけど、自殺を止める者がおらず、助かりはしたがその後遺症、ってことだろうか? あと、コサギはトビやアトリと違って移民ではないようだけど、誰だったんだろう?

[アニメ] 灼眼のシャナ#24

 一応、実は全話見ていて最終回を迎えたので。う〜ん、そんなに悪くはないんだけどね。全話通して絵が大崩れすることはなかったし、最後に盛り上げてきたし、キャラは立ってたし。ただ、結論を見ると大筋は祐二とシャナの恋愛話なのだろうが、全体はそういう構成ではないのだよな……最後の方でバタバタと片付けたという印象。これは原作の構成がそうだから、ってこともあるのだろう。まあ、原作を切り詰めてる部分もあったらしいから、あまり大幅に手は入れられなかったのかもしれない。
 全体としては手堅くまとめた手腕には感心するが、可もなく、不可もなくだった。それとやっぱり文字媒体での漢字に頼った名称は、映像・音声媒体化の際には向かないよね……

[その他] なんで雪が……

 三月も終わりだというのに雪が……雪はいいが、寒いのはめげる。ただでもいろいろ投げ出したい気分なのになぁ。まあ、テンパらずに行きますか。

  朝日クーデター、反社長派がリーク?長男逮捕zakzak )。事件自体はただの大麻所持なのだけど、こっち方面に波及したか。ちょっと面白そう。

  姉歯元建築士の妻が飛び降り自殺 自宅近くのマンションから産経 )。なんというか……いたましいとしか言いようがない。

  自動改札機が稼働/JR秋田駅、新幹線以外では県内初秋田魁新報 )。秋田って、秋田って……


2006年03月30日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] くせもの

 「曲者」って語を広辞苑で引くと、
1ひとくせある人物。変り者。変人。徒然草「世を軽く思ひたる―にて、万(よろず)自由にして、大方、人に従ふといふ事なし」
2異常な能力をそなえた人間。平家七「光盛こそ奇異の―くんでうつて候へ」
3妙手。やり手。申楽談儀「…と一声に移りし、―なり。胡銅(ことう)の物を見るやうなりしなり」
4えたいの知れないもの。用心すべきもの。閑吟集「げに恋は―、―かな」。「あのしとやかさが―だ」
5ばけもの。怪物。伽、鉢かづき「いただきたる鉢を…取るべきやうもなし。これを人々御覧じて、いかなる―ぞやとて笑ひける」
6あやしい者。不審な者。伽、唐糸草子「我君の御命をねらひ奉る―なり
とある。
 私の知り合いにも「曲者」が何人かいる。「5」の曲者はいないけど、「1」ならかなりいるし、「3」と思える人もそこそこいる。「4」「6」も少数だがいる。問題は「3」と「4」を兼ね備えている人で、場合によっては「2」も兼ね備えているのかもしれないが、ちょっとそこらへんは簡単にはわからない。
 やり手で得体の知れない人物なんて、そうそういるのかって? いや、それがいるんです。そういう人。個人的には好きですし、好人物とは思うけども、善人かと言われるとちょっと迷ったりする。個人的にはそういう「曲者」大好きなんですけどね。
 私もそういう曲者になりたいが、果たしてなれるものかどうか。

[その他] 今日の晩飯

 いや、特か特別なもの食った、ってわけではなく、無頭のブラックタイガーが安かったんで串を打って塩焼きにしてみたんですが。まあ、そこそこいけましたな。でもえびの串の打ち方ってネットで見つからないなぁ。「のし串」って奴を見様見真似でやってみたけど、それでOKだったのかどうか。
 それにしても今日も寒かったなぁ。夕方には昨日に引き続き雪がぱらついてたし。典型的な「花冷え」って奴なんでしょうが、ここまで極端なのは……

[アニメ] ムシキング#52

  ムシキング #52(最終回)「森の民の伝説」。アダーは星を渡る船に不可欠なパーツとしてパムとポポを取り込もうとする。心ならず船を起動させてしまったパムだが、ポポには逃げるように訴える。しかし船の羅針盤であるポポは、諦めたように船に取り込まれると意外な目的地を告げる。「目的地は、この星だ」と……
 終盤きちんとクローズアップされなかったパムとセランが中心人物になったのでちょっと盛り上がり的にはきつい最終回。ただ、SFガジェット的にはそれなりに面白かった。羅針盤であるポポがこの星にとどまることを指示したため、野望がくじかれたアダーは、守護者の証を使って星のすべてを取り込み、自らが星を渡る船になろうとする。しかしセランの力と守護者としてのポポによりそれも阻止される。望みが潰えたアダーに、セランが「森をはぐくむ力を持った私が一緒に星を渡りましょう」と、意外な提案をする。
 アダーが何故元もとの目的地である星に行く事に固執するのかと、セランの役どころが不明なので、アダーにとっても救いなのはわかるが、ちょっとイマイチ乗り切らない。もう一人くらい、アダーに同意する人間がいた方が良かったかも。
 結局命の光は解放され、ポポたちはこの森の星にとどまる。両親を失ったソーマは、自分以上ではない自分を知り生きていくことを決意し、ビビ、バビ、ブウはそれぞれ元の故郷へ、パムはバビと一緒に行ってしまう。しかし、母の待つ森に帰ったポポの元に、一緒に暮らそうと、パムが……
 記憶を失ったチビキングと再開を果たしたり、エピローグはそれなりに良かった。特にパサーが蘇った故郷の森で弟(もしくは妹)の誕生に狂喜する描写は良かった。
 ただ、やはり終盤のキャラクターの役割の盛り上げに副わない展開が、やはり惜しかったなぁと思う。


2006年03月31日(金) 旧暦 [n年日記]

[マンガ] どこかで見たいろいろ

  コミックガム できづきあきら氏の新連載「メイド諸君!」(生徒諸君?)が開始してた。なんつーおっかない人を連れて来るんだ……まあ、サイトウナンキという方と共作らしいので、少しはやわらげられる……か? 情け容赦ない先輩鬼軍曹メイドとかが実にらしい。でも、仕事にプライドを持って向かうのはいいんですが、独断で一気にバイト二人首にしたら、そりゃどう考えてもイカンと思いますが……~

 週チャンで始まった(短期?)新連載「椿ナイトクラブ」。どっかで見た絵だと思ったら、チャンピオンREDで「ヤニーズ」描いてた哲弘氏だった。流石に週チャンでヤニーズ見たく萌えの欠片もないとヤバイと踏んだのか、主人公は女の子だけど、やってることは基本的に同じ。w
 「24のひとみ」はインチキ化粧品販売員VSひとみ先生。性質わりいなぁ、この人。クロサギと対決させたらどっちが勝つんだ?
 短期集中連載中の「トリガートリガーハッピー」、絵柄をどこかで見た気がするんだけど、どこだったかが思い出せない。作者の安田祥憲氏の名前には聞き覚えはないし、新人賞入賞作のリファイン版だし、気のせいかなぁ。
 「サイカチ」と「ドールガン」が順調にまとめに入ってる……うう。

 ソフトバンクから創刊予定の 少年ブラッド 。現在一号発売に先駆けて無料冊子の創刊0号が書店等で配布されてるのだけど……正直微妙。馬場民雄氏の新作があるから、見るだけは見てみようかな……
 ぺんぎん書房が潰れて廃刊した COMIC SEED も双葉書房で復活するのだけど、今度はウェブブラウザベース(javascript?)のビューアーになってる。まあ、使い勝手はともかく、余計なものをインストールしなくていいってのはメリットかな。現在公開されてる創刊準備号は、こちらもちと微妙なのだけど、「ゆーあい☆えとらんぜ」の主人公が眼鏡でつり眼でショートでSFマニアってのか気に入った。それだけだが。執筆陣には須藤真澄氏やきづきあきら氏の名前も見えるので、良いアクセント(良すぎる?)になるだろう。

[アニメ] 練馬大根ブラザーズ#12とかしまし#12

 これらも最終回。
  練馬大根ブラザーズ #12「俺のフィニッシュ! 見ておくんなま!」。大根畑を潰そうとしている大ボスは実は大泉首相だった! 一人で大根畑を守ろうとするイチローに、ヒデキやマコも駆けつけるのだが……
 最初の頃の毒はもうすっかり消えている。マネーダンサーズ(って名前だったのか)は味方になるし、大泉首相も野心家とかというより、ノリと思いつきで行動してるだけのヒトだし、最終的には誰も悪人はいなかった。でも、なんか面白かった。ノリで押し切ってしまい、歌ですべて解決した力ワザの勝ち。あの声量・歌唱力を考えると、松崎しげる氏を主役に据えたのは大正解だったと思う。あとの二人もボイストレーニングとかの効果がちゃんと出てる。レンタル屋の親父(ナベシン監督)の「お前らの歌、最高だぜ?」ってのは、監督の素直な気持ちなのだろうな。これは楽しんで見れた番組でした。スタッフの方々、ご苦労様でした。

  かしまし #12「やがて恋がはじまる」。療養のため街を離れ祖母の下へ行く決意をしたやす菜。はずむととまりもそれぞれ重大な決意をする。
 う〜ん、予期したとおりの無難なまとめ。とまり以外、失格。というのが私の評価。あれだと好きという気持ちではなく「やす菜がかわいそうだから」で最終的に選んだように見えてしまう。やす菜とはずむのために身を引く決意をしながらも、最後の最後で泣き崩れてしまうとまりだけが「気持ち」をちゃんと見せていた。そこらへんの脇が甘いから、宇宙仁の出した結論も茶番に見えてしまう。
 本当の最終回(#13)はDVDで、ということだそうだが、TVの最終回がこれでは、評価は引っくり返らないだろうなぁ……途中まで良かったのに、どこでまずったのか。

[その他] バカバカしい結末

  民主執行部が総退陣 永田議員も辞職朝日 )。前原代表はじめ、総退陣だそうで。う〜ん。ライブドア関連で自民をイケイケで攻め立ててたのに、自爆の大ポカで一気に逆転、総退陣って、バカバカしいとしか言えない結末。前原代表もあまり乗り気で船頭やってるようには見えなかったな……

  イラク・サマワ市長「陸自の撤退望まない」NEWS24 )。自衛隊の駐留継続の希望だそうです。現地の役に立ってる証拠とするならばうれしいことこの上ないですが、個人的にはちと複雑かなぁ……

  ”奇怪な”幼児が誕生、見物客が集まってお祭り騒ぎに ネパールx51 )。(わりとショッキングかもしれない画像があるので、開く際にはご注意。) 情報ソースはネパールのちゃんとした報道機関なので、冗談ニュースとかではなさそうです。ぱっと見で無頭蓋症とわかりますね……しかしそれでお祭り騒ぎになってしまうところが、おそらく良くも悪くもネパールの土地柄を示してるのでしょうね。

  ベルルスコーニ伊首相「共産主義者は赤ん坊を茹でる」発言excite )。で、この後さらに 「数万人規模の人間が中国で殺害されたのは歴史的事実だ」CNN )。え〜、あまりそういうこと正直に言い過ぎると、国家間の関係にひびが入ると思うんですが……
 ちなみにCNNの日本語記事は「数万人規模の」となってますが、 原文 では "Besides, it's a historical fact that millions and millions and millions of people have been slaughtered in China."(一方で中国において数百万と数百万と数百万の人々が殺戮されたのは歴史的事実だ)となってます。だから本当のことを言うなと(略)。