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2002年05月21日(火) 旧暦 [n年日記]

楽するための苦労は惜しむな

 ヲイラは、実験中に実験系の出来の悪さでフラストレーションが溜まると、突如実験そっちのけで実験系の改良を始めることがある。いや、これでもひかえてたんですよ。今の研究室に移ってから。生理学の基本は一種の技術習得なので、上手くいかなくても繰り返しやるのは大事なんである。でも、ちょっと装置を改造すれば簡単に済むことまで我慢して繰り返しやるつもりはさらさらない。ここんとこ、今のボスと根本的に意見が合わないところなんだよなぁ。近道のないことや、楽するための苦労なら別に構わないんだけど、苦労のための苦労はするつもりがまったくないあたりが、我ながらなんと言いますか。
 その研究室の私用マシンが概ね完成。私用なのもそのはず、全部人から貰ったパーツとか余ってたパーツとかポケットマネーで出したパーツとかで組んだPC。だから値段もたかが知れてる。一番高かったのが、展示品で出てた新品のケース4800円だものなぁ(丁度良いケースの出物がなかったのだ)。その他も、減価償却考えると全部で2万は行ってないだろう。芸は身をたすく、って別にスキルってほどのスキルじゃないけど。
  先月に林氏と会ったおり紅鉄絢 氏の「ナイチンゲール・ゲマインシャフト」があと何回残ってるかという話をして、「あと三、四回じゃない?」という話をしたけど、今月で終わってました。ギャフン。ある意味最初の私の意見が正しかったわけだけど、あまりうれしくない……これで微妙に購入ラインより上だった電撃大王はまた購入ラインから下に落ちました(だってダークウィスパーは単行本見ないとわかんないし)。がっかり。連載化してくれないかなぁ(アンケート送れよ>ワシ)
 あ、ちなみに米村孝一郎氏の「STREGA!」第一巻は来月19日発売な。買え。<誰に言ってる?


2002年05月23日(木) 旧暦 [n年日記]

ちっといいわけ

 おとといの日記の「電撃大王は購入ラインから落ちた」云々ってのは、必ずしも「他の雑誌より劣ってる」ってことではないんで。要は「好みの問題」ってことだったりする。好みの問題ってのは往々にして作品の良し悪しとは別のところにあったりするものだから、「好みでない=作品として質が低い」わけでなく、「購入ラインから落ちた」ってのもそれだけの意味だったりする。まあ、電撃大王がメインとする萌え路線はそもそも好みからずれてるんで。ってツッコミ入ったわけでもないのに、誰にいいわけしてるんだ、ワシは?(いや、多分ここ見てる何割かの電撃大王愛読者に対して)
 「感性と悟性と理性」に関して、自分内定義があいまいっつーかそもそも良くわからなかったので、ちょっとだけ調べてみる。つったって辞書で調べるくらいのものだけど。だってヘーゲルなんて読む気しないよう。カント関連は少しだけ呼んだことあるけど。なんとなく、人を「感性的人間」「悟性的人間」「理性的人間」に分けるにはちょっと便利そうな概念だな。哲学はそれなりに面白いんだけど、のめりこみすぎてもアレなんで、個人的にはこうやって少しつまむくらいが丁度いい。
 研究室のPCに ZoneLab のZoneAlarmを導入( 日本語化ツール )。入れると……なんか、アクセスされまくりなんですけど? どうもほとんどは構内ネットのDHCPが関連しての参照っぽいのだけど、中には怪しいものがあったり……みんな、ウィルスチェッカーくらいは入れようね?
 以前から サンワサプライロジクール のオプティカルホィールマウスのホィールが、どうもまともに動作しないことが多々あった。困ってしまって仕方がないんで 2chハードウェアスレ を参照してみると、「 Microsoft のIntelliPoint v4.01 を入れたらまともに動いた」との報告があった。「マジかいな?」と思いつつドライバを入れ替えてみたら、あっさり安定動作。なんか悔しい。あ、ちなみにOSによっては旧バージョンの方が安定するって話もありますんで、一応。
 実家からメロンが送られて来た(品評会用に栽培された、質の良いメロンらしい)ので、研究室に持っていく。いや、こういうところでは多少気を使ってるんす。お金出して買ったわけじゃないけど。でも、別に感謝してくれとは言わないが、美味かったかどうかくらいは聞かせてくれてもいいと思うのだけど。お金出して買ったわけじゃないけど。
  ワールドタンクミュージアム は相変わらず見当たらない。どうも、生産数が追いついてないのかなんなのか、物自体が少ないんだそうな。そりゃ、作る側もチョーシこいて作って大量に余っても嫌だものなぁ。この流通が改善される日は来るのだろうか?
  龍騎 の新ライダー情報。ネタばれ反転ね。 新ライダーが何人か登場確定。さらに次に登場の「王蛇」以降のライダーは「第二段階ライダー」であり、龍騎ら「第一段階」とは根本的に違うのだそうな。というわけで当然龍騎らもパワーアップ。まずはナイトかららしい。第二段階はライドシューターも独自のものになるらしく、ドラグレッダー、ナイトウィングなどが変形するとの噂も(さらにデザインが「……」という噂も)。その他、新ライダーとしてほぼ確定してるらしいのが「リュウガ」と「ファム」らしい。ファムは昆虫ベースの初の女性ライダー(タックルはライダーにカウントされてないから)、リュウガは「黒龍騎」との噂。
 ってところか。こういう情報は特撮板より おもちゃ板龍騎スレ の方が早いなぁ。


2002年05月24日(金) 旧暦 [n年日記]

ちりがたまるからチーター……ではありません

 噂では、 タイ国際航空 の機内で上映されてる「指輪物語」の字幕は、戸田奈津子版とは違うの だそうだ 。いや、つい先日、友人と戸田奈津子版字幕の是非について を論ずること について喧々轟々して、「まああんまり気にするな」で落ち着いているのだけど、ちょっとだけ気になるよなぁ。
 店頭で 日本代表選手になろう! のデモを展示してたので、ちょっと触ってみる。タイトルからシミュレーション系かと思ったのだが大違い。なんとノベル系ゲームだった。しかも映像とテキストの使い方が面白く、サッカーは良く分からない私でもついのめり込んでしまう。PS2持ってないけど、買ったら欲しいなぁ。
 昨日書いた仮面ライダーナイト 第二形態デザイン (ネタバレ注意)。うーん、カッコイイような、微妙のような……
 もひとつ、 リュウガデザイン (やっぱりネタバレ注意)。
  HAPPY☆LESSON の8話目。ありがちっつーか、オチは正直読めていたけど、きっちり作ってあって普通に楽しめる。なんか、数回に一回、「まともに作られてる」ものが出てくる。設定の異常さはさておき、実はわりと当たりなんではないかと気の迷いが生じる。
  とあるレトロゲーム系サイト に何故かあった昔のマンガ紹介ページで、なんと 「おれのサーキット」の紹介 がなされていた。うわー、なつかしー。児童向け月刊誌としてはコロコロコミックに水をあけられているコミックボンボンは、昔から時々児童向けとは思えないマニアックな連載をやったりする。たとえば、近藤和久氏の史実戦記風ガンダムマンガ「MS戦記」とか。「おれのサーキット」もその一つ。妙に現実的というか、リアリティのある展開は地味だったが、ぐいぐい引き込まれるように読んだ。正直、当時はまだジャリたれだったので「プラモ狂四郎」とかの方が好きだったんだけど、ただ、作品としては「おれのサーキット」の方が優れてることは子供心にわかっていた。ある意味、マニアック人生の始めの一部となったマンガ。復刊希望はないかなぁ、と思い、 たのみ.COM を探したら、復刊希望だけ出てて賛同者は0! なんじゃそりゃあ! というわけで 賛同者募集ページに リンク(http://www.tanomi.com/metoo/naiyou.html?kid=10356) 。懐かしいと思う人は是非!
 追加:姉からの情報で 復刊どっとこむの方 では既に3票入ってるとのこと。無論そっちも調べたのに、何故みつからなかったかというと、「 のサーキット」になってたからだった。タイトルは正確にね。
 大学のPC、なんかよくわからないところからアタックされまくり。まあ、トロイの木馬とかftpポート目当てとかなんで、遮断できるけど。大学ネットってのは本当に狙われてるんだなぁ。


2002年05月26日() 旧暦 [n年日記]

親が来た

 土曜日に、両親が名古屋に遊びに来た。年に何回か、ときどき遊びに来てる。主に名駅前の高島屋で買い物、というパターンが多いのだけど、今日はそれだけではなんなので、栄の方まで行ってひつまぶし発祥の店 いば昇 で、お昼にひつまぶしを食べる。以前名古屋に来た時にも食べさせてあげたかったのだけど、その時は正月三が日だったので、お休みで食べさせてあげられず、今回が念願かなって(って大げさだな)初めて。ちょっと味が濃いのが(味の薄い蒲焼なんてあるわけないが)後に残ったらしいけど、おいしく食べてもらったようで安心。どうせ名古屋に来るなら、名古屋にしかないものをおいしく食べて欲しいしね。
 親は先月末に妹夫婦のところに遊びに行ってたらしいのだけど、そのときは新宿だかの串揚屋に行ったそうな。で、そこは有名店らしいのだけど、父曰く、まずいわけではないのだけど、「いい商売」してるのだそうな。どういう意味かは想像にお任せします。ブランドに弱い妹らしいなぁ。ワシもミーハーだけど、そういうのはわりとどうでもいい。おいしく、お値段もそれなりにお値打ちであることの方が重要。
 両親は夕方に実家の方に帰り、丁度良く時間があいたので「 少林サッカー 」の先行レイトを見に行く。親が夜まで遊ぶようなら、やめておこうと思ったのだけど。
 一部映画雑誌などで評判になっていて、一時間前に行ってもすでに結構並んでいた。「まにや」としては「ナニいまさら騒いでるねん」と内心忸怩たる思いなのだが、そういうことを言うと他人には嫌がられるのであまり言わない。でも言うけど。(^^;
 感想。日本劇場公開作として前作になる「食神」は「ミスター味っ子」や「料理の鉄人」をパロったような内容だったのだけど、「少林サッカー」はアニメ版の「キャプテン翼」をパロったようなところがある。っつってもパクリとかいうのではない。おまけに、前作では普通の人に見せるには抵抗がある下品ねたが結構あったのだけど、今回はそれをわりと抑えているのは、市場を意識したんだろうか? ただしアクの強いオーバーな表現は実に周星馳映画らしく、「アクが強く、一般受けも良い」という進歩を遂げている。あと、ブルース・リー信者らしいあちこちに埋め込まれた李師父へのリスペクトがニヤリとする。高尚なところなんて微塵もない映画だけど、笑いを徹底的に追及しており、また周星馳映画としても一皮向けていて、バカ笑いのできるコメディの佳作。映画誌の評価は素直に頷ける。見て損はない。2点。


2002年05月27日(月) 旧暦 [n年日記]

正しいが好きじゃない

 なんかログを見てみると「紅鉄絢」のキーワードで来た人がいた。そういや 紅鉄絢 氏って、今世間様ではどのくらいの知名度なんだろう、と思い googleで調べて みる。ふむふむ、なかなか。ただ、いくつかのサイトで「ココロ図書館」とかと併記してあったのが気になった。いや、別に人の趣味だからいいんだけどさ。 林氏 とココロ図書館の話題になると絶対に出てくるのが「本好きの気持ちが全然わかってねえ!」「 ビブリオテーク・リヴ を見習え!」とか、まあそんなセリフである。実際のところはココロ図書館とビブリオテーク・リヴは目指すところがまったく違うし、より売れるには明らかにココロ図書館のアプローチの方が正しい。売れる作品を作る。商売人としてはまったく正しい行為だ。でも、それはただ正しいというだけにすぎない。こっちの好みからすれば、商売人として正しいかどうかなんて知ったことではない。「正しいが、私は好きじゃない」ってヤツである。
 売れる作品というのは、「イコール・すばらしい作品」ではないことが往々にしてある。むしろ、そうでないことの方が多いかもしれない。それは商売としてはまったく問題はない。何人かの売れっ子作家と呼ばれる人たちは、そうやって「売れる作品」を出しつつ、一方で名作と呼ばれるものも書いている。そういった作家たちは、はっきり言って尊敬にあたいする。いや、むしろ尊敬させてくださいとお願いしたいくらいだ。では、たとえばココロ図書館とかとどう違うのか。単純な話で「一方で良い作品を生み出してるかどうか」である。「こころざしの高低」と言ってしまうと陳腐だし、私がナニサマだということになるけど、まあ、そういった言葉からそんなに遠くはない感想を持っている。売れるものというのは、必ずしも狙ってできるものでもないが、ある場合には狙ってできる場合がある。たくさん売れるってことは、より多くの人が買うということである。で、こう言ってはなんだけど、より多くの人が買うということは、買う人はかならずしもレベルが高いとは限らないし、またレベルが高くないわけではない人もレベルが高いものを求めて買うわけではないということである。つまり、幅広く押えようとすると、狙ってその分レベルを引き下げることがあったりする。出来れば、レベルが高くなくともわかりやすく、なおかつ作品の質も悪くないというのが理想だが、そんなものプロだってホイホイできるわけではない。したがって、商売として行なう分にはそれも当然一つの手段である。
 でも、それで終わってる人の作品と、そうでない人の作品って、やっぱどこか違うんだよね。どう違うと言われると困るんだけど、多分、知らず知らずのうちに引き出しの広さが「売れるための作品」であっても、あらわれてしまうんだと思う。別に、食うためだけに書く、でも何も間違ってない。人間として行なう当然の活動だ。プロとしての最低の必要条件ですらある。でも、それだけじゃなんか辛いよね。読む方も、書く方も。


2002年05月28日(火) 旧暦 [n年日記]

信仰の自由

 以下、愚痴っぽいはなしでスマソ。
 実験とかをやっていると、「特にはっきりした理由があるわけじゃないし、明確な効果もないんだけど、こうした方がいいんじゃないかなー、という理由だけでやってる」手順が入ったりすることがある。まあ、言ってみればジンクスで、私はこういうのを「宗旨」と呼んでるのだけど、この呼びかたは物理学科の人間以外にはあまりいい顔をされた覚えなかったりする。「宗旨」と呼んでいるのにはまあ理由があって、結構研究室ごとに、やってる人間も説明できない「なんでこんな手順が入るの?」というものが違ってたりするのだけど、やってる当人は本当に意味があるのか疑いつつも、大抵頑としてそれをやり続けたりしてる。そこをあまり「そんなのがあるのは絶対おかしい!」とか「意味がない!」とか言うと、「宗教戦争」が勃発しかねないわけである。本当に理屈でなく「なんとなく、これやると上手く行く確率が高い気がするから」というだけのことなので、一種の信仰としか言い様がない。
 こういったものは、あまり追及しすぎても害が大きいばかりで利が少ない。だから、私は基本的にこちらに害がない限りは完全放置にすることにしている。が、生理学畑の人にとってはそうではないらしい(いや、ボスがときどきおせっかいなくらいに親切なのと、私の出身の物理が基本的にかなり個人主義的なだけかもしれないけど)。「なにやってるの、そんなのダメダメ!」と実験中口を出された。いつもならハイハイと適当に口をあわせるのだけど、今日に限っては虫のいどころがちと悪い。と、いうのも、午前、やっぱりボスの「信仰」に引っ張り回されて、二時間ほど、無駄な作業をKClで手をひりひりさせながらする羽目になったからである。だから「むすー」っとして聞いてるだけ。精神的余裕がないときだってありまさぁね。おまけに、ボスの言ってる手順は、どう考えても効率的どころか無駄が多く、今の手順よりいいと思えない。これは私の「宗旨」の問題でなく、単純な理論的帰結である。それでもボスは頑としてそのやりかたの方がいいと主張して譲らない。ボスに教えてもらうことは有益なことも多く、感謝はしてるのだけど、ときどきこういう「信仰の押し付け」(当人は当然信仰だと気づいてない)があるのはちょっとたまらない。
 この手の「押し付け」は他の局面でも多々ある。たとえば、多いのがマニアである。非常に良い例が コレ (映画版指輪物語の字幕改善運動ページ)。いや、字幕版は見てないんでよくわからないですけど、戸田奈津子女史の作る字幕は、他の映画でもときどき意味不明なものがあったりとかして必ずしも上手くないんではないかとと思うことがあるし、また、指摘点が本当ならマイナスでこそあれ、プラスではないとは思う。だから、字幕が改修されるならそれに越したことはない。ないのだけど、要は「他人(一般観客)を不快にさせてまでやるこっちゃないよね〜」ってことなんである。件のページを見ると、口調こそさほどでもないが、「作品を壊している」などといったかなり強い糾弾を行なっている。こういったことは、興味がない人には不快でこそあれ、「そうなんだ、原作読み込んでる人ってすごいね」なんてふうには、まずは思われない。これも一種の信仰の過剰な押し付けである(だったら興味がない人は見なけりゃいいじゃん、なんてのは、WWW上で啓蒙してる時点ですでに矛盾してるので却下)。
 他にも 少林サッカー 見て「アレは日本のあのマンガ(アニメ)の真似だ!」なんて断定は、冗談にしたって製作者に失礼だとか(香港映画関係者には日本のマンガのファンは多いので真似やインスパイアはあるだろうが、少なくとも少林サッカーの面白さは真似では終わっていない)、マニアとはとかくピントのずれた妙な、しかも他にとって不快な発言をしたりすることがある。拘りは否定しないけど、それは自分にとっての自分だけの「信仰」であることはわきまえとかなきゃいけない。人のふり見てわがふりなおせ、こんなマニアにはなりたくないなぁ。くわばらくわばら。
 「少林サッカー」っていうと、「役者の顔が『個性的(婉曲的な表現デス)』なのが気に入らなかった」って意見もあった。いや、好みは人それぞれだからそれはいいのだけど、でも、それってやはり表層的な見方じゃないかなぁ、と思ってしまう。たとえば、パンフにもあったけど、周星馳映画に完全無欠の善人は出ない。主人公であってもお金に弱いところを平気で見せたり、欲でヒドイ目にあったのに全然こりてなかったりしている。でも、それって人間の欲深なところ、醜いところ、面白い顔、そういったものをすべて肯定してるんじゃないんだろうか。つまり、周星馳はそういったものを全部ひっくるめて人間がとても好きなのだろう。そう感じるから、欲の皮をつっぱらかせて、自分勝手で、変な顔で、なさけなくって、面白くて、でもどこか目をキラキラさせている登場人物たちが、映画を見るうちにとても好ましく思える。
  アギト に比べると話題にすることの少ない 龍騎 だけど、つまらないかって言うとそんなことはなく、毎週大変楽しんでます。アギトの方が好きなことは好きだけど、それは単純に好みの問題であって、ドラマ的な起伏は龍騎の方が上じゃないかな。今週の話は、来週の王蛇こと朝倉威登場を控えて、登場人物たちそれぞれの立ち位置が再度強調される。一つの苦悩を乗り越えて、「ライダー同士の戦いを止める」との決意を固くする真司(バカだけど、真司はそれで正しい)、ライダーを殺すことを受け入れ切れないが、かと言って意識不明の恋人のための戦う道を捨てきれない蓮、それぞれの持つ正義が少しずつ軋みを立てて静かに物語は進行し、王蛇登場により軋轢が一気に暴れ始める。そんな予感をさせる、こういう地味な話って好きなんすよ。地味なだけではなくって、各エピソードで描かれていった各キャラの蓄積の描きかたも見事。やっぱ地味で目立ちにくい部分だけどね。龍騎は相変わらずコミカルな動きで子供の人気はイマイチそうだけど、今のままでいいと思う。本当は「子供にこびつつも話を破綻させない」のがいいのだろうけど、龍騎の場合は下手に子供だましを入れて話を破綻させると、元も子もなくなりそうだからなぁ。


2002年05月29日(水) 旧暦 [n年日記]

戦略変更

 「おれのサーキット」の件に関して、ほぼまったく反応がない(姉からはあったが、それは折込済み)のは、どうも「おれのサーキット」が地味でしかもマイナーな児童誌掲載という事情と、作品の性質上、存在と作品性を認識してない人が多いんではないかと思いはじめる。存在を知らなければ、復刊に賛成することはそりゃできないわなぁ。ってワケでちと戦略を変更して BSマンガ夜話 に作品リクエストをしてみる。取り上げてくれれば、認知率も高まるのだけど。
 なんで「おれのサーキット」をこれだけ評価してるかというと、こういったジャンルものに対して私が設けてる、一つの評価基準が関係あったりする。当然世の中にマンガは多く、その中でも「面白い」といえるマンガはそれなりにある。しかし、そんな中でもまったくの素人が読んで主人公のやってる{スポーツ|ゲーム|創作}が「楽しそう」と思える作品というのは、実はそんなに多くない。極端な例で説明すると、「アストロ球団」を読んで野球が楽しいと思えるか、ということである。スポーツそのものに入れ込んでなくてもスポーツを楽しむことはできる。たとえば、わかりやすいヒーローがいるとか。巨人ファンの多くは巨人ファンであって野球ファンではない、というのと同じだ。主人公の活躍がかっこいい、勝つのがいい、ではなく、主人公の光景を共有できるか。「おれのサーキット」はこの条件を満たしてる中でも、優れた作品のうちのひとつなんである。無論それだけでなく、成長物としても見事なのだけど。
 私はバイク乗りではないけども、このマンガを読む限り、バイクに乗るということはすばらしいことなのだろう。多分。
 少し前に、シリーズ構成・脚本メインの 吉岡たかを 氏は誉めたけど(いや、脚本家だけの力でなく、監督やプロデューサー、その他スタッフの実力で作品は作られるので、脚本家だけを誉めるのは必ずしも正しくはないのだけど)、作品自体の再評価は棚上げにしてた「 HAPPY☆LESSON 」だけども、どうも打率が3割以上は確実に超えそうな雰囲気なので、今期の中ではヒットに入ると認めざるをえなくなった。先日なくなったグールド博士の著書にも、四割打者が生物的に絶滅した理由が書いてあったし。いや、何の関係もないけど。そもそもがダメオタク向けの企画物なので、キャラとか設定のアホらしさ、オタクくささはしかたなく、そういったものが嫌いな人には勧めることはできないのだけど、きちんとスラップスティックとして成立して楽しめることは事実なので評価しなくてはならない。昨今のはやりはそうではなく、コメディ、作品としての楽しみを二の次にしてでもダメな願望の擬似充足や記号化したキャラクターのわかりやすい媚びの強調によりオタク層の支持を狙うのが多い。商売としては間違ってないが、「私は好きではない」。
 再評価というと、「あずまんが大王」も然り。第一話の時点で「テンポがおかしい」と言ったけど、間の使いかたが上手くなってきた。慣れただけかとも思ったけども、明らかに上手くなってる。間の笑い、ってのは、ある種の空白を作り、視聴者に反応に困るような緊張を生み出させ、緊張の緩和としての笑いを誘導しやすくする技術である。これは脚本だけで出せるものでなく、スタッフの連携が見事にかみあってるということでもある。最初の評価と不安を、謝罪しつつ撤回する。
 「ダークウィスパー」二巻と「 ピルグリム・イェーガー 」一巻を購入。独自のコマ割破壊とその他もろもろのせいで、ダークウィスパーは単行本でまとめて読まないとまったく話についていけないが、二巻だけ読んでもやっぱりついていけなかった。一巻と通しで読まないとなぁ。ピルグリムは、月刊で読むと良い情報量だけど、まとめて読むとネームとその中の情報量が多くてちと戸惑う。それはそうとして、アデールって実は半ケツ……じゃなかった、カバー下がまた何というか。国会図書館で閲覧した人はどう思うのだろう?(注:国会図書館では書籍はカバーをはずした状態で保管、閲覧もそのままである)


2002年05月30日(木) 旧暦 [n年日記]

右から左

 今日もボスからいろいろ言われる。けど、今日のは八割方ボスの言い分の方が正しい。しかし、頭ごなしに指示されて、その作業の意味もわからぬままに言われたままに作業など到底出来ない。意地もはれなくなったら男の子はおしまいである。ボスもちょっと調子いいこと言いしいなところがあり、もう言いたい放題である。ここまで言われると却ってカチンと来る。自分のやりかたがベストでないことを自覚しつつも、意地になってそれを押し通す(いや、次回以降はなおすけどさ)。そのやりとりを傍で聞いてた、今のボスの直のお弟子さんに当たるA田さんが一言「いやぁ、K場先生、わりとすぐ調子乗るからねぇ。ボクも昔はすごいやりあったよ」と慰めの言葉。「やりあった」という言葉を脳が勝手に「殺りあった」と自動変換。お互い強情張りだから、さぞかし凄かっただろう。しかし、ボスの手順は経験がある分、それなりの程度で正しいのだが、それに疑問をもたず、ただ言われるままにやっていては研究者としては却って失格だろう。ボスもなんだかんだ言いながら、そうやって噛みついたり別の方法を模索することを許容してくれている。それが楽しみな節さえある。無論、結果が出なければいけないという大前提はあるけど、それはどこでも同じだしね。なんだかんだ言っても、総体で言えば恵まれた上司なんである。
 と、いうことを この記事 読みながら思ったり。聞く耳持たず、自分の業績を粉飾することだけに邁進する上司って怖いなぁ。
  SF板エフィンジャー追悼スレ にて、 扶桑社 のミステリー短編集「 死の姉妹 」にブーダイーンシリーズの短編が載っているとのこと。SFマガジンも薄情にも追悼特集は組まないとのことであり、代わりに注文しておく。せめてもう一度マリードに会いたいのじゃよ。
  アギトスレ にて、アギトで謎の青年役を演じた羽緒レイ氏が、フジテレビ日曜朝の料理番組 旬が好き! に出演中とのこと。インタビューとかの印象では、ビジュアル系のわりに(偏見)シャイで人見知りの激しい青年という印象だったのでちと意外。
 今月のジオブリはなかなかイイですな。竜の目的は、やっぱり……だったし、ミニがとびまくってるし、「 ミニミニ大作戦 」(原題:The Italian Job)って、わかるやつぁ少ないだろう。ワシもタイトルしか知らん。ビデオもとっくに廃盤(と思ったら、 ネットで注文できました 四千円以下とお値打ちだったので、思わず注文)。英国コメディ映画の傑作との呼び声も高いので DVD化希望 。あと、リベレーターいらんならワシにくれ!
 ピルグリム・イェーガーは、この教会親衛隊隊長って、四話目でアデールとカーリーンに免罪符の為の五つ目の秤を与えたヤツじゃん。どうもただの端役ではないっぽいとは思ったが。
 漫画家の しんがぎん氏が死亡 とのこと。別に好きな作家さんではなかったのだけど、突然の訃報にちとびっくり。惜しむ気持ちはともかく、グールド博士の訃報とかはびっくりしても「ああ、そうか」と思ってしまうお年だったのだけど。ご冥福をお祈りします。


2002年05月31日(金) 旧暦 [n年日記]

多分、普通は怒るべきなんだよなぁ

 今朝、研究室に行く前に、たらーっと 2ch のスレッドめぐりをしていたら、とあるアニメスレッドにて、ちょっとした書き込みが目についた。「長文スマソ」とか書いてあって、「スマソなら最初からウザイ文章書くなや、ゴルァ!」と2ch的ツッコミを内心で入れつつ読み飛ばそうとしたが、ふと、どこかで見た粘着気質の文章の気がしてちゃんと読み直す。これ……先日ヲイラが日記に書いた文章、ほぼそのまんまなんですけど。(^^;
 多分、盗用ってヤツだよなぁ。転載というより、わざとひらがなで書いていた部分を漢字に直してたり、語尾をちょこっと変えたりして、自分の文章っぽく見せようとしてるし。う〜ん、こういうのって、恐らくは普通、怒って良い、怒るべきものなのだろうけど……すいません。思わず笑ってしまいました。(^^;; ほぼ完全なコピペ文章に真面目なレスがついてたりする様子を見ると、怒るより先に受けてしまって……
 その盗用された文章は、実はある特定人物の目に触れることを意図して書き、日記にのっけといたものである。そして、その目的は状況証拠的にはたされた、と思う。だから、あとはどう使われようが正直知ったことではない。両方を見た人間がその書き込みを見て、私が書き込んだと誤解しなければ、別にそれ以上はなにも求めない(その書き込み時間は爆睡してました)。相手をするのも結構手間なので、犯人がこれを読んだとしても、名乗り出てもらう必要はない。名乗り出てこられたら反応しなけりゃいけないし、そんなことをするほど大事なことでもない。ただ、多分それは私の知り合いの誰かだと思うので、一言だけ忠告。私は気にしないけど、気にする人もいるからそういう迂闊なことはしない方がいいよ。あとは、笑わせてもらったからいいや。
 「 突入せよ! あさま山荘事件 」を見てくる。事前に「装備やパトカーなどが、何故か当時のものでなく現行のもの」とか、「BGMの使いかたが下手」とかの評判を聞いていたので心配したけど、これらの欠点以外は欠点らしい欠点も特になく、楽しめました。長野県警と警視庁の間の面目のための対立、銃撃戦にただでも不慣れな日本警官に、発砲不許可という足かせ、不十分な装備とノウハウ。こういった不利な材料ばかりの状況の中で、異様な美化を行なうでもなく、登場人物たちのエゴをまるだしで事件が推移していく様子が描かれる。私が一番泣けたのは、長野県警の顔を立てるために突入部隊に長野県警機動隊からの「いけにえ」が必要となった場面。主人公とすれちがった志願隊員が、同僚に「パイプ爆弾は怖くないのか」と聞かれ、「怖ェよ。でも、誰かが行かなきゃいけないんだ。だから俺でいいんだ」と答えた場面だった。理屈にもなにもなってない。でも、それだからかえって胸が熱くなった。日本映画としては画作りといい、かなり上の部類に入る。装備云々も、まあ気にならない。ただ、BGMだけは本当に下手だった。1.5点。
 職場でボスと3ヵ月ばかり討論していた現象に関して、結論が出た。つまり「実験結果は間違ってない。ただし、検証方法は間違っていた」つまり、実験結果の解釈としては「それはおかしい」と言った私の方が正しかった。他には別になにも望まない。満足。
 今は見れなくなってるけど、龍騎の新フォーム、ディフォルメだけど見た。今と比べて「カッコイイ」といえるデザイン。多分、映画が先行するはず。楽しみ。