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2004年12月21日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他][アニメ][漫画] ちょんまげ音楽を聴いてみる

 自転車で冬の街頭のない夜道を走っていると、死にたくなりませんか?(挨拶)
 いや、死ぬ死ぬ言ってる奴に限って大抵は死ぬ度胸がないものですが、私もその伝なのでご心配なく。家に帰ってあったかいもの食ったら落ち着きました。
 実は大分前に届いていて、さらに実はとっくに聞いていた「 ちょんまげ天国 」なのだけど、改めて聞いてみるとまとまりはいいのだけど、なにか一つ物足りない。あの、時代劇に特有な男臭さがあまりない。もしや、と思ってリーフレットを見てみると、案の定、選曲者は女性。必殺必中仕事屋稼業から主題歌「さすらいの唄」ではなく「夜空の慕情」を選んでることや、仕事人IIIの「冬の花」がが入ってるところ、杉良の遠山の金さんに思い入れがあるようなところ、中村梅之助の金さんはスルーしてるってところから、なんとなくそんな気がしてたのだよなぁ……これはこれで悪くないけど、ガツンと思いっきり男臭い選曲も聞いてみたい気がする。
 「時代劇ファン」連載の黒鉄ヒロシ「伝説 日本チャンバラ狂」が「木枯らし紋次郎」の舞台裏の話。市川昆が映画「侠客」製作を条件に引き受け、その要望から背が高く、面長の新人・中村敦夫が大抜擢されたこと、その副作用として時代劇の殺陣などまるっきり出来なかった中村敦夫の為に、殺陣の素人でもできるようにと、あの滅茶苦茶でがむしゃらな殺陣を生み出したというのは知らなかった。「リアルだ」と評判を呼んだ殺陣だけども、最初から意図してたんではなかったんですな。「必殺」の舞台裏もそのうち書いてくれないかなぁ。
  舞-HiME #12は無口で内気だと思ってた幼女が意外とキツイ性格でしゃべくりまくり。無口ならみやむーの声も違和感無いのかなぁ、と思ってたが、こういうことならミスキャストではないかも。また、シスターに続いて新しいHiMEも発覚。コミック版でもHiMEな人物だけど、チャイルドが名前も姿も能力もまったく違う。これで執行部合体はまずなくなったわけだけど。姿は、冬虫夏草のセミタケの一種がモデルだろうなぁ。しかし、シスターのチャイルドはユニコーンだったか。前回は気付かなかったけど、エレメントである弓も、ユニコーンが意匠になってるんですな。
 国内メディアは報じてないみたいだけど、中国湖南省の市場で火事があって、中国メディアではかなり大きく報じているらしい。隣席のDさんにネットの記事を見せられて、私も初めて知ったんですが。市場内の建物(ショッピングセンター?)がかなり激しく燃えたらしい。写真を見たら普通ではあまり考えられないような出火だったので、消防法(かその類)の違反とかあったのかもなぁ。だとすれば、急成長の副作用と言えるかも……ってのは、極論すぎか。
  「遺族に会って謝りたい」=加害男性、収入から慰謝料−神戸連続児童殺傷事件Y!hl )。漫画アクションに「モリのアサガオ」郷田マモラっていう、死刑囚の担当になった刑務官の漫画が連載されてるんですが、被害者側は言うに及ばず、加害者側の心中ってのも、傍からは計り知れないのだろうなぁ、などと。弁護でなく、加害者が改心したとか主張するつもりもなく、ただ、本当にわからないのだろうなぁ、と。
 あ、そうだ。冬至だというのに、かぼちゃ食うの忘れた。orz


2004年12月23日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他][漫画][アニメ] 休んだ

 休日だからなんですが。ま、その他にもいろいろあって。
 お陰で、録画したNHK-BS2で放映したパトレイバー劇場版及び劇場版2その他を消化出来ましたが。しかし、連続で見ると劇場版1と2の絵柄の違いはちょっと面食らいますな。劇場版2の太田なんか誰か一瞬わからないし。
  神無月の巫女 。10日遅れの中京圏では11話12話(最終回)一挙放映。え〜、なんと申しましょうか。ここまで確信犯的にやってるんなら、こちらとしては口挟むところありません。なんせ、かませ犬の男に「俺にできることは、せいぜい地球を守ることくらいだけど……」と言わせてるんだから。この世界では「百合>地球」なんです、ええ。作品としてどうかと言われりゃ「ダメ」と言いますが、きちんと一本筋は通しすぎるくらい通していた。最終回は、大半を使って百合会話をさせてるし。まさかここまで覚悟しての「ガチの百合アニメ」とは思わなかった。
 週刊チャンピオンでは月一で山賢リライトの「ブラックジャック」を掲載してるのだけど、今回は事故で妻子を亡くし正気を失った男が、いついた猫の母子を妻子と認識してしまう話。いや、確かに原作にある話 *1 なんですけどね……ネコミミ裸エプロン(+子持ち人妻)はやりすぎ。妻子が「潰れてる」シーンは、山賢にしては押さえ気味でしたが。
 木曜洋画劇場で、なんかチャック・ノリスみたいなオッサンが出てるなぁ、と思ったら、本人でした。ザ・プレジデント・マン(2000年・米)って映画だった。最近は(アメリカの)通販番組なんかに出てるって聞いてたけど、映画の仕事もしてたんだなぁ。
*1: リライト版タイトルは「絆」だけども、原作タイトルは「ネコと庄造と」。 こちら 参照。


2004年12月24日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他][漫画][アニメ] ぐるぐる

 やっぱり鬱。自転車を十数キロ漕ぐ元気も無いが、地下鉄は地下鉄でちと危険。ってほど実際にヤバイわけじゃないけど。しかし、いろいろ、悩みのタスクが単一でなくなると、段々ゾンビタスク化していく。悩みまでシングルタスクなのだな、ワシは。現状では、却ってありがたいけど。
  地球侵略少女Qコちゃん(2)(完結)/ウエダハジメ 。う〜ん、なんと評すればいいのか。普通の意味では、まったく終わってない。が、おそらく作者の書きたいことは書いてしまったように見える。悪辣な善意、無垢な悪意、前向きさすらも絶望。正直言って、好きなタイプの話ではないが、逆に突き抜けた明るさを感じるのはなぜだろう? 照りつける砂漠のような明るさだが。
 あと、技術的なことを言うと、一般向けとしては致命的にコマの連続性が悪い部分が散見される。設定や話自体は「こんな感じ」で通じればいいだろうが、ところどころひっかかる流れのつまづきは、「わかる人だけわかればいい」ということなのか。しかし、いずれにしてもシチュエーションが与えられるまでのところで終わってて、物語としてはひどく消化不良だなぁ。
 ちょっとしたことで、久々に見つけたので。Delta−Lloyd assuranceの2001年のCM、 Parade (IEでないとちゃんと見れないかも)。某北のお国を連想させるCM。
  プリンセスアワー を見て。なにを見せたいかはわかる。しかしその描き方が、何かをやけくそ的に、あるいは当然のようにすっとばしているようで、ひどく歪なものに思えるのは私だけなんだろうか? それは神無月の巫女でも感じたことだけども。視聴者としては「自分にわかるからいい」と、そういうものなんだろうか? 「自分」(あるいは属するコミュニティ)に相対する(あるいは包括する)世界、少なくとも(自分が属するうつろう小コミュニティを包括する)社会への立ち位置は、そこには完全に欠如している。それでもいい、というのも一つの回答だろう。数年後、数十年後、遠くは自分の死後、どう評価されるなどは関係ない、というのは、それも間違いではない。作品は所詮自分の外のものだ。しかし、それを評価する自分はどうなのか? うつろうコミュニティに乗っているだけで、自分というものはあるのか。自分がそこ以外にあり、それは所詮趣味、というならば、それもありだろう。あるいはそれが、健全な姿なのかもしれない。なにか「普遍」を求めるのが、間違いなのかもしれない。
  東京電力光通信サービスTEPCO のCM(「お宝映像満載」をクリック)をようやく見る。いや、映像より、BGMがMonty Python Flying Circus(空飛ぶモンティパイソン)のテーマ曲なのが気になって……同曲は、正確にはジョン・フィリップ・スーザ作曲の リバティ・ベル・マーチ 。あまり多くない制作費を節約するため、パイソンズが著作権の切れたものを探してきたとか……しかし、この曲が流れてると、いつ でっかい足に踏み潰される かと、わくわくしてしまいます。(オイ


2004年12月25日() 旧暦 [n年日記]

[その他][特撮][アニメ] 見返す

 おとつい(23日)のねるとんSPで半田健人%乾巧が出ていたらしい。しかも、変身ポーズ付で。何故かのりさんは本名でなく「たっくん」と呼んでいたらしいですが。いや、でもたっくんだし。
 というなんだかんだで、突発的に 仮面ライダー555(ファイズ)劇場版パラダイス・ロスト ディレクターズ・カット を見てしまう。ファイズって、舞台の大前提として人間VSオルフェノクという対立はあるけど、根幹は巧・真理・啓太郎(と草加)と木場・結花・海堂のドラマなのだなぁと。 小説版 とかも見て思ったけども。多分テレビ版を見てないとこの劇場版の意図するところは理解しきれないのだけど、それでも「映画として最低」と言い切れないところで、自分がこの映画を評する権利は失してしまっている。
 冬休み期間に入ったようで、「ながぐつ三銃士」をNHK-BS2でやっていたので、録画&鑑賞。本当は昨日シリーズ第一作「長靴をはいたネコ」もやってたのだけど、録りのがしたので。しかし、駅馬車の描写が今では記述されないところがちゃんと描かれてるのは、やっぱそういう時代なんだなぁ、と思ったけど。主に、車軸とか、サスペンションの部分とか。(STAGECOACHで google イメージ検索すれば 車体下部の構造とか、わからなくもないと思いますが。
 NHK歌壇は、今週は福島さん。多分、実際に面したら暑苦しいことこのうえないだろうけども、レギュラー評者としては一番フィーリング的にしっくり来る。小島ゆかりさんとかもテクニック的には感心するところは多いのだけど、やはり、感性的な共感では、こちらかなぁ。
 しかし、戦中を、否定するではない(肯定というわけでもない)歌が散見されるのは、何故だろう。決して消しえぬ、ある時代の事実ということに過ぎないのかもしれない。自分にそう言い切る権利があるとは思わないが。
 指先の肌荒れの酷さに、塗るバンソウコウを試してみるが、セメダインの臭いがする……多分成分とかは違うのだろうが、揮発成分は同じようなものの気が。小学校のときに怪我した指先にセメダイン塗ってるのと同じ気分に。なにか複雑。おまけに、水仕事OKってことは、有機溶媒に溶けるってことだろうし。消毒にエタノール使ってるんですけど……
 どうでもいいが、受胎告知した天使はガブリエルだそうな。本当にどうでもいい話。


2004年12月26日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 電話

 昼に電話がかかってくる。なにかと思い出ると、「こちら、Yahoo!BB宣伝広報部の××と言います。光通信のキャンペーンのご案内で電話いたしました」。
 それで? という感じで一拍か二拍待つが、返事がない。本来ならここで「現在我が社ではこれこれこういうお得なキャンペーンをやっているのですが、△△に興味はおありでしょうか?」とか聞くべきで、そうすることで会話をつなげるきっかけが出来る。契約までこぎつけることは少ないだろうが、いずれにしても会話が続かなくてはほぼその可能性すらつぶれる。
 が、返事がない。ので、「必要ありません。すいません」とだけ。電話の向こうでなんと答えようか考えてるのか、しばし沈黙。こちらがいたたまれなくなって「じゃ、そういうことですんで、すいません」と電話を切る。ううむ、なんだったのだろう?
  愛・蔵太の気ままな日記サトウトラストバンク という経路で ミリタリー萌え12345 。書いてる森永卓郎って、誰だっけなぁと思ったら、前にテレビタックルの中国や韓国の領土侵犯などの特集で、かなりトンチンカンなことを言っていた人だっけ。あれは、中国や韓国側に立つのが氏一人で、しかも専門外なのでちと可哀相という部分がなくもなかったが、まあ、トンチンカンなことには変わりなく。こちらの記事も表層の現象を無理矢理自分流に解釈してる風で、分析・批評としてはまるっきり役に立たない。そもそもARMS MAGAZINEが(オタク向け)アニメや漫画からミリタリー方面に入ってきた層を取り込む戦略としてこういう方向にしているのは自明で、無理矢理ミリタリーと萌えと結び付けてるのは牽強付会にすぎる。が、カタログ的に「こういうものがある」という紹介記事として見れば、まあそこそこ楽しめる。しかし、森永氏って本業の経済アナリストとしてはどうなんだろう? 仕事とは言え、専門外のことに言及している内容の的外れさを見ていると、そっちもどうなのかなぁ、と思えるのだけど。
  舞-HiME公式人気キャラ投票 。現時点なつきが一位ってのはキャラの立ちっぷり(あと、ヨゴレっぷり)を反映してるのだろうけど、意外なところではでぼちん(珠洲城遥)と何故かエロ眼鏡(原田千絵)が健闘。しかし、改めて見ると登場キャラ多いなぁ。
  韓国人と仕事で困ったこと総集編


2004年12月28日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] 潰れる

 昨日は職場の忘年会……まあ、今風の店でしたかね。とかもったいつけたこと言うと文句言ってるみたいだからあまり言わないけど、食い物はまあわりと美味かったです。しかし、N先生、酒の種類を問わず飲むからなぁ……人にも注ぐし。結局四次会まで付き合いました……う〜、途中で逃げればよかったかも。でも、そういうわけにもいかないしなぁ。
 古巣の忘年会は、泣く泣く不参加。楽しみだったのだけど、今年はどうしても都合がつかなかった。
 しかし、年末はどうしてこう鬱々とするのだろう。開き直りたい。

 スマトラの地震による東南アジアの津波の被害は、本当に言葉を失う。一時、スマトラで休暇を取っていたジェット・リーも音信不通になり安否が気遣われていたが、 避難の際に負傷はしたものの、無事だったらしい毎日 )。でも、まだ被害の大きさを見るとほっとしたとは言えない状態。死者の数は増え続け、広範な被災地では救助活動が滞っているところも少なくないという。 自衛隊を派遣しろ という意見とかも見られて、さすがにそれは少なくともすぐには無茶だと思うけど、気持ち的にはそう言いたくなるのはわかる。
  詩人の石垣りんさん、12/26に亡くなる朝日 )。石垣さんにはちょっとした思い入れがあるので、年齢的に不思議はないとしてもちょっとショック。活動については良く知らないが、その日常を描いても鬼気迫る詩歌の数々は忘れ得ない。


2004年12月29日(水) 旧暦 [n年日記]

[読書] 火車/宮部みゆき

 膝を悪くして休職中の刑事・本間は、親戚の青年から行方不明になった婚約者・関根彰子を探してくれと頼まれる。クレジットカードを作ろうとしてかつて自己破産の手続きを取った過去が発覚したのがきっかけらしいのだが、職場にも何も告げず突然の蒸発で、まるで逃げ出すように姿を消してしまったのだ。
 本間はよくある痴話げんかによる失踪、と思い調べ出す。しかし、自己破産の手続きをした弁護士は、彰子の履歴書の写真を見て「これは関根彰子ではない」と言う。姿を消した「関根彰子」とは誰なのか? 本物の彰子はどうなったのか? 二人の女の行方を追ううち、現代金融の落とし穴にはまり込んだ彼女らの半生が明らかになっていく。

 宮部作品をちゃんと読むのは初めて。つまり、初宮部。「火車」というタイトルは生前悪事をなした死者を運ぶ妖怪「火車」と、家計が苦しいことの比喩「火の車」とのダブル・ミーニングだろう。以下、ネタばれ。
 事件を通して描かれるのは、借金地獄に陥った二人の女であり、社会にぽっかりと空いたまま黙認されてしまった深い穴、そしてそこに意図せず落ち込んでしまった者の心の影と寂しさである。人がなにか理想を持つとき、実現の努力をするか、諦めるか、その二つに一つのように思える。が、理想が実現したかのような幻影に簡単にはまりこむ手段がある。それがクレジットカードだという。正確にはクレジットカードがすべて悪いわけではないが、システム的にそのような罠に落ち込めるようになってしまっているし、また、それを防ぐ為の十分な啓蒙もされていない。関根彰子はその隙間にはまり込んでしまった人間だった。そして、自己破産という手段を取る。彼女にはまだそういうやり直しの手段があった。
 が、彼女に成りすましていた新城喬子の場合は違う。彼女はその一世代前のパターン、住宅ローンによる借金を親が作り借金がまわりまわってヤクザが債権者になってしまうという、典型的な最悪のパターンに巻き込まれ、一家は悲惨な末路を辿る。しかも本来返済義務のない父親の借金の返済を迫られ、嫌がらせを受け、債務者である父親は生死すら不明であるため自己破産も出来ない。とこんまで追い詰められてしまう。官報で、父親の死亡記事をあさましく必死の形相で探すほどまでに。そのためにせっかく掴んだ幸福を失ったとき、彼女の中でなにかのスイッチが入ってしまった。それが別人になりすますための、一連の犯罪の直接の始まりになる。
 新城喬子は常に事件の中心として存在するが、彼女は最後の最後まで姿を現さない。しかし、捜査の中で明らかになっていく喬子の人物像は、ある意味本間を魅了していく。過去も友人知人も一切を切り捨てて新しい人間になろうとする執念と壮絶なまでの孤独、それでいながら求めるものは自分をこのような境遇に陥れたマイホームに代表される幸福な家庭であり、また婚約指輪に本当の自分の誕生石を欲しがったり、処分してしまえばいいはずの彰子のアルバムを処分せずに彼女の友人に送ったり……冷徹、というよりは強烈な意志力で犯罪を断行する姿と、時折見え隠れするさびしげな女の姿、なにを考え、なにを求め、そしてどこへ行こうとするのか……ついに姿を現した彼女に声がかけられるシーンで話は終わる。状況証拠しかなく、犯罪を立証するのは難しい。しかし、彼女が夢をかなえることはもうないだろう。その彼女がどうするのか、見たいという欲求はあるが、描かれないからこそ良い、とも思える。
 多くの宮部作品の中でこの本を手に取ったのは 「必殺からくり人」第十二話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」 との類似を指摘する意見を見かけたから。読み終わって共通点を上げるならば、最後まで姿を見せない登場人物を追い、そして見せないことでその半生の悲哀を描いてるところくらいだろうか。それほど似てるようには思わない。しかし、その人物の行為そのものの動機が枠から漏れてなにかであり、そして断行される行為自体からも、あるいは別の、あるいは同種のなにかが漏れずにはいられない。しかもそれが余分なものではなく、それこそが大事なものだ。いずれも強烈な話ではある。

[その他][アニメ] 零れる

 「火車」を読んでてやはり思ったのだけども、今の流行の主流、オタクものに限らず、主流って「器」には気をつけているけど、「中身」は伴ってない、というより器の評価ばかりがされ、中身はまったくされてないという極端な形にあるように思える。有体に言えば評価の手法があるかないかという問題なのだけど。「火車」の場合は器は何重にかあり、次第次第に零れ、次の器を満たす。事件自体が零れたもので器があふれるから起こったのであり、そこからもさらになにかが零れていく。その零れた上澄みにこそ、もっとも端的に、しかし言葉で説明しがたい心を打つ何かがある(人によっては打たれないかもしれない。その人の中に共鳴する経験があるか否かだろう)。
 マーケティングの手法により消費者の求める「器」を用意するのがいけないわけでも評価してはいけないわけでもない。しかし、少なくともそれ以外のものもあると知らなくては、「それ以外」だが良いもの、には過剰な淘汰圧がかかるだろうし、消費者は用意された器に実は自分が元々共感しやすいもの、追体験したいものを自分で注いで、それを透かして見ているだけということに気付かずにいてしまうかもしれない。今に限らず世間はそういうものだ、という意見もあるかもしれないが、少なくとも私は自分がそこに閉じこもってるのは嫌だ。
 器も重要だが、器を重要視しそこに収めようとするあまり、実は最も人の共感を得られるかもしれない部分を削ってしまい、そこになにを注ぐか、そこからあえて何を零れさせるか、ということをおざなりに、いや、器と中身の違いが見えなくなってしまうというのは、つまらないかもしれない。
 なんとなくチャンネルを捻ったら「不思議の海のナディア」の最終回をやってたのでなんとなくそのまま見る。パロディ、というかオマージュ満載の最終回だったけど、きちんと消化した上で使ってる。BSマンガ夜話で岡田氏が(庵野作品のパロディというかオマージュというか)「あれはパロディをやろうと思ってるわけじゃなく、あれが自分の中にあるあそこで使えば一番カッコイイ表現だと思ってるから使う」ってなことを言ってたけど、そういう感じなんだろうなぁ。でも、今は更にそこからどんどん縮小気味に再生産されていて……って、最終回の演出、もりたけし氏(監督作品としては ヴァンドレッドストラトス4 など)だったのか。知らんかった。
 昨日、スマトラ地震による津波について、「すぐに自衛隊派遣は難しいだろう」と書いたけども、 海上自衛隊、三隻の護衛艦などを派遣Nifty , 共同 )だそうで。 愛・蔵太のきままな日記 より。うわ、甘く見ておりました。申し訳ありません。m(__)m しかし、タイミングによっては丁度日本に帰航中の「おおなみ」「たかなみ」が派遣対象になっていたかもしれないそうで……名前が……そんなこと気にしてる状態じゃない気もしますが(死者が最終的に10万を超えるという予測すら出てる)、主に国内の政府や自衛隊の足を引っ張りたい人が騒ぐ余地が与えられなくてほっとしました。
 (間違い訂正 遺体回収の任についたのは「たかなみ」「きりしま」「はまな」の三隻 みたいです。つまり「たかなみ」は行ってます。すいません)
  「日本の防波壁が首都を守った」モルディブ毎日 )。別に「日本偉い!」ってことではなく、きちんとこういうことも評価しないと、ODAについて、ちゃんとした議論はできないだろうなぁ。


2004年12月30日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他][マンガ] 爛れる

 今年、最後の忘年会(?)。その席上で、何故か ガンスリンガー・ガール を別の作家が書いたら、という話題が出る。
 そのうちの一部を紹介。面白いかどうかは、多分に主観的。たとえば、伊藤明弘氏の描くGSGはきっと薬莢二倍増しでそのうちオッサンしか活躍しなくなるので義体少女の意味が薄れるだろう(勝手な言い分)とか、西原理恵子氏だと(悲惨さが)そのまんまなので意外性がない、とかいう具合な感じで。あと、島本和彦氏など、何にしろ自分のカラーに染め上げてしまう(と思われている)作家は却下。

 谷岡ヤスジ(どうなるのか、むしろ見てみてえ)
 しりあがり寿(ものすごいダウナー系の話になるに違いない)
 青池保子(エロイカチックなGSG)
 冬目景(これはミスマッチのようで合ってるかも。普通に見たい)
 わかつきめぐみ(きっと待機中の日常の話ばかりに違いない)
 逢坂みえこ(異様に合いそうな気がする)
 松本零士(いったいどうなるのか予想がつかず、大御所の中では例外的に普通の好奇心で見てみたい)
 宮脇明子(二課で起きた犯罪の、どろどろの話になりそうだ……)

 次点:バロン吉本(きっと淡々と話が進む気が)、浦沢直樹(普通に上手く調理してしまいそうな気が)、花輪和一 *1 (服役後の作品も知ってる方は、色々想像できるでしょう)、小林源文(ネタとしては面白いのだけど……)、望月三起也(根本的に熱血な作風が相容れないのでは……)その他多数。
 ちなみに個人的に思いつきで口にして、もっとも見てみたいと思ったのは

 白土三平のGSG!

いや、すげー見てみたい。
 ちなみに、 今年の紅白の曲順 。マツケンサンバIIは21番目。その他の出場者? どうでもいい。
*1: 05/01/03追加。最初「丸尾末広氏」と間違えて記述。春山康介さんからも間違いの指摘がありました。ありがとうございます。


2004年12月31日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] 帰省虫

 実家に帰ると、父親がインターネット株取引用のノートPCが欲しいというので、買うのと設置を手伝う。まあ、田舎のことなので品揃えはあまりよくなく、選択肢は少ない。とは言えこの期を逃すといつチャンスがあるかわからないので、そこそこで妥協。ま、しかたないやね。ついでに無線ルータも買ってきて、無線LAN環境も構築。一応セキュリティもかけた。これで実家に帰った時にネットにつなぎやすくなった……と思ったら、ルータの設置してあるのは実家に隣接する事務所で、距離はさほどではないがやはり電波の減衰が結構ある。つながらないこともない、くらい。それでも今までとは格段に便利。
 その後、両親および妹夫婦と鍋を囲みながらなぜかPRIDEを見たり、紅白を見たり。
 わざとらしい韓流の宣伝に家族みんなで苦笑してたり(さすがウチの家族だ)、マツケンサンバIIを見ながら「これはショートバージョンだ」(私の発言だけど)、「松平健、ノリノリだね」「いや、でもこれはやっぱちょっと緊張してるよ」(これも私の発言だけど)とマツケンサンバ批評してたり、BS朝日のTRICK一挙放映を見てたり。
 紅白の投票で視聴者投票結果が白組の圧勝だったのにも関わらず審査員投票の結果でなぜか赤組圧勝になってしまったのには、家族で総ツッコミ状態。さすがウチの家族だ。マツケンサンバIIがショートバージョンだったのも、いつもバックダンスを踊っている花柳社中ではなく、花柳社中は石川さゆりだったか天童よしみだったかのバックダンスに回されていたのも、全部NHKが悪い。カメラワークも根本的に間違ってたしNHKには是非やり直しを要求する。年末に日本テレビ系列でやっていた番組でのマツケンサンバの方が、観客が若くってノリがいいし、バックダンサーズは客席にまで入って踊るしで、ずっとノリノリだった。このくらいは見習え。でなきゃ受信料を踏み倒すぞ。
 ってな感じで慌しく年を越える。旧年中はお世話になりましたが今年もずうすうしくよろしくお願いします。