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2005年01月01日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 寝正月?

 あらためてあけましておめでとうございます。
 モチ食ってごろごろしてつまらない正月番組を見る以外は、父親用ノートPCのセットアップを行ってたわけで、なんだか結局普段と代わり映えしない気もする。
 今年のことを考えると頭の痛いことだらけだけども、年末にいろんな人に会えたおかげで半ばカラ元気でも元気にはなってきたし、気分がふさいでなにもできない、という最悪の状態ではなくなった。最高に良いことってのは難しいかもしれないけど、でも悪くない方向に転がすのは結局自分次第なのだよな。頑張らないと。
 実家の無線ルータがあまり電波が綺麗に拾えない件については、電波の弱さと、周囲の電波状況が関係しているらしい。外付けアンテナなどで若干の改善は期待できるが、それらはまた今度だな。
 明日からは通常営業。バリバリは個人的にはやっぱり無理そうなので、ボチボチ生きます。ボチボチ。


2005年01月02日() 旧暦 [n年日記]

[必殺] あんたこの連れ合いどう思う

 必殺仕業人 第十五話。 DVD上巻。
 渡り中間 *1 の岩松と瞽女 *2 のおふくの夫婦が江戸にやってくる。岩松は口ではおふくに江戸で一旗揚げると言っているが、その実はどうみてもただの紐。おふくの稼ぎにたかっては博打でみなすってしまう。主水たちは口先ばかり調子がいい岩松の小悪党ぶりを見て、おふくにあんな男とはさっさと別れた方がいいと忠告するがおふくは岩松にべた惚れで聞く耳を持たない。
 そんな夫婦に目を付けたのは公事師 *3 の早瀬。大店の大黒屋は後添えおはまとその連れ子吉之助の身持ちの悪さに辟易して早瀬に離婚訴訟を依頼していたのだが、実はおはま母子は早瀬とグル。身代目当てで後添えに潜りこんだはいいが、離縁されては目論見がはずれてしまう。そこで岩松に、おふくを大黒屋の後添えにすれば、主人の死後の身代は岩松のものとそそのかし、おふくを大黒屋主人にあてがうことを承諾させる。しかし当然それはでまかせで、不義密通を訴訟しておふくもろとも大黒屋を死罪に陥れるのが目的だった。 *4
 それを立ち話で聞いた岩松は……

 ベタ惚れされてるのをいいことに酌婦までさせて内縁の妻にたかる渡り中間岩松と、たかられる人のいい内縁の妻の瞽女・おふくというところで、普通なら岩松に騙されたおふくの恨みで岩松を仕置する、とでもなりそうだが、そうならないのが仕業人。ひたすら岩松に尽くすおふくはもちろんだが、舌先三寸でおふくを騙しては金を巻き上げ、博打ですってはまたたかる、という繰り返しをする岩松も、小悪党に違いないのだがその悪事は子供じみていて、どこか憎めない。
 自分でおふくを騙して大黒屋主人に抱かせようとしたのに、殺されるとわかると必死で助けに行く岩松という奇妙な男と、死んだ後も小悪党呼ばわりされる岩松を、むしろ母性愛的に溺愛する一途なおふくの夫婦がこの話の厚みを出している、と言える。
 おそらく岩松にとっておふくは甘える相手であり、おふくにとって岩松はその深い母性を無尽蔵に向けられる相手だったのだろう。そんな二人を演じるのは必殺常連の菅貫太郎と市原悦子。中期以前の菅貫太郎は被害者も悪党も両方演じていて、それもあって最後の最後までどちらになるのか展開が読めない。岩松が事切れた後の「うちのひとがころされたー!」と叫ぶおふくの姿も、市原悦子だからこその耳に残る響きになっている。
 こんな連れ合いも、ありなのかもしれない。
*1: 中間とは雑役に従事する武家の奉公人。渡り中間は一つの主家にとどまらずに雇用のある屋敷を渡り歩く中間。
*2: 東北地方の流しの三味線引き。盲目の女性がなることが多かった。
*3: 諸法度に精通し、訴訟などを代理で行う職業。今での弁護士や代書屋に近いか?
*4: 定法どおりなら不義密通は死罪。もっとも実際にそこまですることはあまりなく、大抵は示談で済んだ。

[その他][漫画] 今日の散財、その他

トライガン・マキシマム10/内藤泰弘
トライガン・マキシマム11/内藤泰弘
げこげこ/水上悟志
ふたりぼっち伝説(1)/佐藤ショウジ
西の善き魔女(1)/荻原規子
西の善き魔女(2)/荻原規子
幻のスーパーカー/福野礼一郎

 トライガン・マキシマムは言わずと知れた。ちと長くなりすぎで全体としてのバランスは悪くなってるとは思うけど、でもやっぱりウルフウッドの最期は泣けるのう。
 「げこげこ」「ふたりぼっち伝説」はそれぞれOURsの新人作家の単行本。「げこげこ」の水上氏は 散人左道 で連載もやったのだけど、決して下手と言うわけではないが、やっぱ初期の短編の方があちこちごつごつしていて、でも最近の作品は角が取れたけども癖になるようなクセも、はっとするような鮮烈さも薄れてしまってるなぁ、というか……OURs編集部って、新人を一から育てるのは、やっぱり上手くない。
 「ふたりぼっち伝説」は代理原稿(連載作品がなんらかの原因で休載したり、あるいは予定のページ数間に合わなかった場合にその不足したページ数を埋めるための急遽、あるいはあらかじめ用意しておいた原稿。主に新人や持込が登用され、登竜門となることもある)が溜まりに溜まって一冊の本になってしまったもの。ってお〜い。いや、まあ、作家さんもいろいろ苦悶して原稿を生み出すのはわかるんですけどね。単行本一冊分の代原って……せめて、きちんと前もってスケジュールをコントロールして新人さんを載せる余裕を設け、鍛えていかないといつまでたっても新人さんが育たないような……大変だとは思いますが。で、そんなOURsの救世主の佐藤さんガンバレってことで購入。いや、代原ばかり頑張んなきゃいけない状況ってのは間違ってるんですが。ちと重点的に、連載が持てるように力入れてあげてくださいよう。
 西の善き魔女は評判がかねがね良かったので。「幻のスーパーカー」は年末、知人に「デザインというものを知るのに良いものなので、福野氏の著作を読んどけ」と勧められたので、書店にあったものをとりあえず。

 年末最後の忘年会で「ナディア最終回改めて見て、やっぱりあちこちいろんなもののパクリ(オマージュ)と気づく(んだけど、やっぱり面白い)」と言ったら、「でも、元ネタを知らない人間にとってはそれがオリジナル」と反論された。それ、なんか違うんだよなぁ。私は「オマージュだから元ネタに劣ってる」と言ったわけでも、「パクリだからいけない」と言ったわけでもなく、そういうつもりもない。別に悪口として言ったわけでもない。それを言うと、そもそも「まったくのオリジナルってどこにあるの?」という問題に行き着く。なにか作品の源流をたどったことが一度でもあれば「オリジナルってどこまでたどらなきゃいけないんだ?」という感想を抱くはず。つまり「オリジナルであるか否か」は実は重要な評価基準とは限らず、逆にオリジナルだから偉いとは限らない。「知らない人にとってはオリジナル」という発言は、実はそれ自体では意味をなさない。
 なんにせよ、結局表現にすぎず、その表現に何が乗っているか、なのだ。先に例えた「器」「中身」にそれぞれ対応させることもできる。また、「換骨奪胎」という言葉もあれば「新しい酒を古い革袋に入れる」という言葉もある。既にあるものだからいいというわけではない。新しいものだからいいというわけでもない。きちんと中身が機能するかが重要だろう。
 「器」も重要だが、「器」に囚われすぎると「中身」を見過ごしがちになる。


2005年01月03日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他][読者] 恋せよアミーゴ、踊れセニョリータ

幻のスーパーカー/福野礼一郎 読み中。正直、車に詳しくない私には横文字がずらずら並ぶのは読みにくい。が、それ以上に面白い! 少しスーパーカー世代のピークとずれがあったこともあって、それほど強烈な憧れは持ってないし、車や機械のファクトリー的な部分というのはわからないのだけど、物理的な部分というのは流石になんとなくわかるし、空間的・質量的なもの、あと、材料的な感じもちょっとだけなんとなくわかる。最初三分の一読んで、一番興味を惹かれたのは「汝、Tを侮ることなかれ」だろうか。ポルシェ911Tという廉価版(?)の特性がどうしてそうなったのか、そしてそもそもそういう車が生まれた戦略、というのが明快に、まさしく快刀乱麻を断つという感じで書かれている。しかし、「幻のランボルギーニ」を読んだら、今ヤングジャンプで連載している梅沢春人氏「カウンタック」でのイオタの薀蓄がほとんどここからの出典なのに、ちと笑ってしまった。いや、決してバカにしてるわけではなく、ここに書いてある以上のものを書けと言われてもそう簡単には行かないのはわかるのだけど。 *1
  埼玉でコンビニ強盗 エアガン弾が肺を貫通、店員重傷産経 )。改造エアガンらしいけど、BB弾で肺貫通って、どんな改造だ? 古いエアガンとかだったら、そういう改造は比較的できなくないとも思うけども。
  李登輝氏、司馬遼太郎氏の墓前であいさつ 日本訪問終える産経 )。日本、台湾側の思惑についての分析部分は、通り一辺倒ながら、簡単な参考になるかも。

 紅白歌合戦でのマツケンサンバII(以下マツケンサンバ)を見て、他のTV出演時と比較していろいろいけない点を具体的に抜き出してみる。
 まず、ショートバージョンである(前奏が短い)こと。バックダンサーズ(別名、腰元ダンサーズ)の前振りの踊りが短く、マツケン登場までに「戸惑い→期待」と移行させる間がない。
 振り付けはすべてマツケンを引き立たせるためのもので、それ以外にカメラを振っていいタイミングと言うのは意外と限られている。特にキメポーズの時に他(特に審査員席)にカメラを振るなど言語道断。また、キメポーズでのカメラワークもマツケンを十二分に引き立たせるものでなくてはいけない。それもちゃんとできてない。(「恋せよアミーゴ、踊れセニョリータ」の部分で、きちんとカメラ目線になるように合わせなかったり)
 マツケン登場の舞台が高すぎて、階段の段が多すぎること。これではサンバのステップで降りてくることが出来ない。レコ大のも高すぎたが、あれは共用なので仕方ない。が、紅白のものは専用なので調整できたはず。
 これも仕方ない面があるが、観客のノリが(他のテレビ放映と比べて)悪い。レコ大等は若い客が多くて(しかもアリーナ席は立ち席)でノリが良かったが、いかにノリを演出するか。これがマツケンサンバの臨場感を伝えるのに重要。客席にバックダンサーを送り込んでノリノリにさせるのは、むしろマツケンサンバでこそすべきだった。実際、レコ大などではそうしていた。NHKのお偉いさんの頭が固いことの証明ですな。
 ってわけで、個人的には非常に不満の残る紅白出演でした。レコ大は、階段の段数が多すぎという欠点はあったものの、それでも十分に満足。
 そして 2005年にはマツケンサンバIIIがリリース予定サンスポ )。ちなみに、記事中で「北島三郎が楽しそうじゃない、と語った」と書いてあるけども、北島三郎は2004年前半に放送されたNHK歌謡コンサートの時に、すでにマツケンサンバを踊ってます。しかも、他の出演者よりも無茶苦茶ノリノリで。(って、よく考えたら、さぶちゃんは暴れん坊将軍以来確実に知己なんだから、絶対元々知ってるはずなんだよな。さぶちゃんも盛り上げに一役買ってる?)
*1: しかし、この章では最終的に次々に乗せ変えられた5リットルエンジンこそ実は真の「幻のカウンタック」というニュアンスでまとめられており、「(機械としての)車のheart(心臓、という意味でも中心、という意味でもいい)はエンジン」という基本的な見方(=哲学)を感じさせている。梅沢氏の連載ではそういう哲学をあまり感じないので、より薄い感じは否めない。


2005年01月04日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] 祭キター! と思ったら終わった〜

 某方面から昨日の 埼玉でコンビニ強盗 エアガン弾が肺を貫通、店員重傷産経 )についてツッコミがあって、 強盗が撃ったのは金属製のBB毎日 )とのこと。気になってあちこちの報道を調べてみるが、他の主要新聞社である 読売朝日日経 では材質について記述ナシ。金属製とプラスチック製と書いてあるのは毎日、プラスチック製というのは、産経(というか共同通信社配信記事)と時事通信社の配信記事でそう書かれている模様。金属製BBだということなら納得は行くのですが、念のため共同通信社にメールで問い合わせ中。市販のプラスチックBB弾で人体貫通だなんてまず不可能とは思うのだけども念のため念のため。
  アニメOP風の次郎長三国志Poo's World )。うわ、すげっ! 正直鳥肌が立った。フラッシュでもこれだけできるんだなぁ……(おっさん比率が異様に高すぎるので、実際に企画が出ても昨今ではまずなかなか通らないとは思うけど……)
 正月早々プチ祭りとしてネットのごく一部を騒がせていた すばらしき世界 が該当記事をまるごと削除という、ありうる対応の中で最悪の結末を。祭のあらましは 電脳遊星D さん(1/3以前)や カレーとご飯の神隠し:【論点】津波と自己責任論の論点 を参照のこと。つまり、「イラク人質が自己責任だって言うのなら、今回の津波の被害者だって自己責任だよね」(大意)と(どうもイラク人質批判への皮肉のつもりとして)書いたのがきっかけ。
イラクで誘拐され、人質となった日本人は、本質的に、今回のインド洋災害に遭った人たちと同じである。だから、今回の被災日本人が自己責任を追及されないのと同じレベルで、イラクでの被災日本人が自己責任と糾弾されたのはおかしい *1
などと言ってしまったためにコメント欄は総ツッコミ状態に。しかも本人は自分の言ってることの何がおかしいのかわからず自説を強弁したためますます事態はヒートアップ。いくつかの有名ブログや2chにまで飛び火して、IP晒しに実名晒しと、典型的な経緯の挙句、この結末に。実名晒しとかまではさすがにちとやりすぎとは思うけども(でも地方局記者という身分は自分で触れていたので、仕方ないと思うが)。
 しかしこの手の騒ぎを見ていつも思うのだけど、どうしてこの手の人たち(今回の場合midnightpax氏)ってこんなに撤退戦が下手なんだろう……自説の検証に難があるのは間違いないのだが、その前に自説を整理することの欠如と、異論が出された場合の思考の柔軟さ、つまりはディスカッション能力にそもそも難があるような気が。
  新・平々凡々【Umikaze WebSite Diary】 さん( 01/02 )のところで、 15歳Fカップグラビアアイドル なる、冗談みたいなものの存在を知る……自分が年をとったことを痛感しました。ご飯はまだかのう。ふごふご。それにしても引用されている2chの罵倒レス(に見せかけたベタ誉めレス)は笑った。
*1: この論は「人質になった日本人と津波の犠牲者は本質的に同じ」(大前提)→「津波の犠牲者は非難されてない」(小前提)→「よって人質が避難されるいわれはない」(結論)という三段論法だが、最初の段階がかなり変。「本質的」と書いてあるが「どの価値判断の視点において同じ」なのかが不明瞭にされている。多くの反論では、明確に危険が勧告されている場所に自由意志で行き勧告されていた被害に遭った場合と、(予測し得ない天災であるがゆえに)勧告されなかった被害に遭った場合とが「同じ」であるとするのはおかしいと指摘されたが、それに対し有効な返答がなされなかった。


2005年01月05日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] あんたこの無法をどう思う

 必殺仕業人第十六話。 DVD上巻 。これで上巻は片付いた。さあ、残り十二話だ。
 捨三は夜鷹が殺されるところを見ていたという薄汚れた鳥追いの女おとくから二十両という大金と引き換えに夜鷹の仇を討ってくれと頼まれる。本当に二十両なんて大金を? といぶかしむ捨三たちに、小判を見せるおとく。しかし夜鷹の仇が赤鞘組と聞き、一同の顔が青くなった。赤鞘組は旗本子弟のごろつき集団で、腕っ節と権威を嵩に着てやりたい放題をしている、奉行所でも手がつけられない世間の鼻つまみ者。相手が悪すぎる。だがおとくは、断りを入れられても淡々とした様子で、殺された女郎とはまるっきり面識がなく、ただ可哀相に思ったから頼んでみただけ、二三日すれば忘れてしまう、と言って去ってしまう。終始死んだような女の表情に、主水たちは不思議そうに見送る。
 一方赤鞘組の非道はとどまることを知らず、やいとや又右衛門の得意先である船宿の女将も、赤鞘組の陣場に無理矢理手篭めにされた挙句に情婦にさせられていた。女将は船宿の船頭幸吉に惚れているのだが、それを見越した陣場は幸吉のすぐそばで女将を抱き、自分と別れ幸吉と所帯を持ちたければ店を売って手切れ金を用意しろ、と迫る。女将は幸吉と一緒になれるなら、と思いの丈を幸吉にぶつけるが、幸吉は「自分は死んだも同然の人間」と女将の気持ちに応えようとしない。幸吉は実は心中者の片割れで、自分だけが生き残ったことを悔い、この十年死んだように生きてきたのだ。
 仕業人たちが仔細ありげな幸吉の身元を探るうちに、実は幸吉の心中の相方は例の鳥追い女おとくであったことが判明。おとくも自分ひとりが生き残ったと思い、この十年を投げやりに生きてきたのだ。たまたま剣之介たちのところに転がり込んでいたおとくにそのことを確認し仕業人たちは謝礼金目当てに二人を引き合わせようと画策するが、船宿の女将がそれを聞いてしまう。
 女将は惚れた男のために身を引こうと店の身代をすべて幸吉たちに譲り、自分はけりをつけるため刺し違えるつもりで陣場の屋敷に乗り込む。それを知った幸吉は陣場の屋敷に乗り込み、女将を助けるが、自身は陣場たちに膾切りにされてしまう。
 そうとは知らず幸吉の到着を主水たちと待つおとくだったが、痺れを切らせ始めたときにやってきたのは、息も絶え絶えになりながらおとくの名を呼ぶ幸吉だった。

 仕業人、というより中期の仕置人的な話かも。死んだように無目的にずっと生きてきた二人がやっと添い遂げられる、というところで悪人により再び引き裂かれる。仕業人たちは(お歌以外は)みな謝礼目当てだが、おとくの胸の中で息絶えた幸吉と、その後を追ったおとくの亡骸を前に、一度は断った仕置を遂行する。
 単純明快に赤鞘組は外道の悪党で、彼らに踏みにじられる人々は貧しく、一途で、弱々しい。しかし、何事にも興味がないと言いながら見知らぬ夜鷹のために恨みを晴らしてくれと言ったおとくや、恩義と後悔の板ばさみになって酔って暴れる幸吉や、惚れた男のために身を捨てようとした女将だとか、仕業人としてはめずらしい繊細な人情の機微が織り込まれている回でもある。
 おとくが死んだ後、お歌が仕事に向かう剣之介の後をついていきながら、「あんたが死んだら、あたしも生きていないから」と幸吉・おとくの姿に自分たちを重ねるのは、やはり情愛の世界の仕業人。あと、赤鞘組に境内を荒らされて「商売にならん。水でも飲んで寝るしかないだろう」という剣之介も。(^^;
 他に準レギュラーの千歳先生は主水から新作の好色本を渡されてホクホク顔。ゲストで中村家の遠縁の娘お咲として西崎みどりが出演。主水に仲人を頼むが、主水が約束に遅れた上に、せんとりつの醜い仲たがいを見せられて怒って帰ってしまう。仕事が終わって家に帰った主水は半ばとばっちり。家を追い出されて役所に泊まるが、「日々是平安、これが一番です」と言う同僚の老同心島忠助に「こっちは日々是不安の連続だ」とぼやく。この飄々とした老同心、島忠助役の美川陽一郎氏はこの後体調を崩して降板、そして永眠。この話が最後の登場となった。
 しかし、第十五話「あんたこの連れ合いをどう思う」の菅貫太郎もそうだったが、この頃の時代劇は大部屋役者も鬼気迫る、肉厚の演技をしてるなぁ……こんなの見せられたんじゃ、今のドラマが薄く見えてしまう。 *1
*1: この話って仕置人でも置き換えられるよなぁと考えたが、一箇所、仕置人ではどう引っくり返っても置き換え不能なシーンがあった。おとくが赤鞘組につかまり、女かどうかを確かめられるのを剣之介たちが見守るシーン。これは、仕置人なら助けに入ろうとするだろう。表立たず、目立ってはいけない、仕業人だからこそのシーン。

[その他] 大谷昭宏センセイとかいう方

 奈良幼女誘拐殺人事件の容疑者が逮捕され(犠牲者の冥福をお祈りします)世間の注目を集めているわけですが、この事件に関連してまた別のところで注目を集めてる方が一人。それが「ジャーナリスト」の 大谷昭宏氏 なわけで。
 注目を集めてるといってもその対象は主にオタク方面で、しかも良い意味ではまったくなかったりする。大谷センセイはワイドショーにおいて 珍妙 独自のプロファイリングを展開し、 フィギュア萌え族 なる不思議ワードを用い、何故か牽強付会に秋葉原などでフィギュアを買い求める層(ま、大多数はオタクだわな)の批判に誘導するというアクロバットを見せた。無論、フィギュア萌え族なる意味不明の単語がオタク界隈の失笑を買ったのは言うまでもない。 *2
 容疑者が逮捕され、その言動や履歴から「オタクだとかフィギュアだとかとはあからさまに別のところに問題があるように見える」ことから、オタク界隈が大谷氏の「フィギュア萌え族」発言をせせら笑ったわけだけども、大谷氏は更に斜め上を行く。それが 日刊スポーツ・大阪エリア版「大谷昭宏フラッシュアップ」平成17年1月4日掲載記事「この欄でも私は事件について再々、怨恨などではなく、異常な少女性愛者による犯行ではないかと書いて、近ごろ特に目につくいわゆるフィギュアマニアや萌え族と言われる一部の人たちの嗜好に対して疑問を呈してきた。」とあるが、フィギュア愛好者とか萌え族(って何?)に疑問を呈するのは言論の自由だが、まったく根拠を提示せずに批判を展開されてもなぁ、としか思えない(というか、この文章ですら 「異常な少女性愛者による犯行ではないか」という前半と 「近ごろ特に目につくいわゆるフィギュアマニアや萌え族と言われる一部の人たちの嗜好に対して疑問を呈してきた」という後半に一体何の関連性があるのか、何度読んでもわからない。「取材した」とあるが、取材による情報はまったく提示されず、あるのは大谷センセイの偏見のみ)。またその他の部分も「本当に取材をしたのか」と思えるほど事実と異なることが多く、 こちら でその間違いを一々指摘されている。
 字数制限のあるコラムのことなので、このコラムの中で詳細な検討を展開しろ、と言っているわけではない。また、厳密に考察されたものでなければ書くな、ということでもない。
 たとえば、過日ちょっと取り上げた ミリタリー萌え という森永卓郎氏の連載記事だが、この連載記事の考察・分析は根本的に間違っている部分があるが、紹介してる事物については事実だし(付随する考察はずいぶん、というかかなり怪しい)、まず先に「硬派なはずのミリタリーと軟弱な萌えの同居」という違和感が実感としてあり、この記事を書いたのだろうことは読み取れる。
 他には、 内田樹氏のブログ(04/12/07)「この「恐るべき破壊力をもったモビルスーツ状のメカ」は日米安保条約によって駐留する在日米軍であり、それを「文民統制」している「無垢な少年」こそ日本のセルフイメージに他ならない。」というのは、恐らく日本には力と自我の二重性というのが(少なからず敗戦・戦後の影響を受け)存在し、その影響があることはあるだろうが、だったらフランスでのグレンダイザーの大ヒットやその他の国でのロボットもの日本アニメのヒットにもそういうセルフイメージがあるからなのかという素朴な疑問には答え得ない(個人的見解では同じ根から発生したものでそれゆえ似てはいるが別物だと思う)。
 しかしどちらにも共通して言えるのは、「間違っていても別に誰も困らない」という点。ひょっとしたらそれを真に受けた人がとうとうと薀蓄を垂れ流し「うへえ」となるかもしれないが、せいぜいその程度。
 大谷センセイの場合、困ったことに「間違った言説」控えめに見ても「間違った論の展開」で扇動的な言動を繰り返している。タイトルからして 「趣味と犯罪の境界 社会が決めるべき」とあからさまに圧力をかけている。問題はその圧力の方向性が妥当かなのだが、大谷センセイは自分の先入観を語るだけでその根拠を示さない。大谷センセイの頭の中では「小児性愛癖」=「ロリコンオタク」=「フィギュア萌え族(ってだから何?)」=「ピグマリオニズム」=「ネクロフィリズム」=「犯罪者予備軍」という、非常に大雑把で幸せな世界が築かれてはいるらしい。また、それに対する反論は「言論弾圧」の一言で切って捨てる。言論の自由というのは、反論されずに発言ができるという意味ではなかったはずだが。
 この行動パターンを見ていて、最近非常に見覚えがあることに気付いた。先日の すばらしき世界 の管理人氏と、行動だけ見るとそっくりだ。あくまで自説を強弁し、論理的な論の組み立てが出来ず、反論には言論弾圧との言葉で答える。そうなると、大谷センセイも撤退戦はきわめて下手だろう。オタクの社会的地位を考えると大谷センセイが孤立することはあるまいが、その程度の連中ときわめて程度の低い争いをしていることを世間に喧伝することになり、いずれにしろセンセイにはいい結果にはなるまい。
 撤退のタイミングと方法は誤るべきではない。 *3
 非常に余談だが、大谷氏が原作をつとめた「こちら大阪社会部」の作画担当大島やすいち氏(バツ&テリーとか言った方がわかるかも)は、 女子高生 の大島永遠氏と実の父娘。
*2: ピグマリオニズムのつもりだろうか? ピグマリオニズムとネクロフィリズム(死体愛好癖)とは異なるし、フィギュアを求めるオタクは既にあるキャラクターの投影、あるいは単にコレクターアイテムとしてこれらを求めているのであって、大多数はピグマリオニズムですらないだろう。別にそれが健全だと擁護してるわけではないが、変態のダメ人間だからと言って殺人者予備軍呼ばわりが不当なのは自明。
*3: どうでもいいが、この手の「オタクのことがまったくわからないのに無理矢理オタクのことを語ろうとする人」は、いい加減「萌え」はただの言葉、ジャーゴン、タームにしか過ぎないことを悟るべきだろう。コミュニケーションツールとしての言葉なので大事なのは定義ではなく、どのようなタイミングで使うか、使われるかというパターンに過ぎない。これは、「萌えってわからない」と言っているオタクにも言えるのだけど。


2005年01月06日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] 見なかったフリ見なかったフリ

 なんだかアクセスログを見ると、いろいろアレなことに……二箇所、ここなんぞよりずっと有名どころからリンクされた影響。無論悪意のものではないし、そもそもこっちも勝手にリンクしてたりする(相互にそういうものだと思ってる)し、一過的なものなのですが、「迂闊に書いた文章を迂闊に見られる可能性が高まる」と考えるとちとガクガクブルブルしたり。Trackback機能のある日記ツールの場合はアクセス稼ぎのため有名サイトに無意味にトラックバックを張っていく人もいるらしいが、ちとその神経はようわからん。有名サイトと比較されると考えるだけでも気が重くなるのに……それで仕事になるってんなら話は別ですが、この手のものは忘備録ともっぱら露悪趣味とつまらない自尊心の発散ですからね(無論、きちんとそれ以外の目的を持って運営している方もいますが)。必死にアクセス稼ぎするとそのみっともなさが際立ってしまう。(どっちにしろみっともないには違いないのだけど)
 まあ、アタクシは日々平穏、心穏やかに過ごしたいのでアクセスログは見なかったフリをしよう。

[その他] RSSに対応してみる

 と、言っても私にHNSを改造してRSS対応にする時間も技術も根性もあるわけないので(主に二番目と三番目)、 こちら などを参考に既に用意されているスクリプトを導入してみる。
 いや、元々「RSSって何?」という疑問はあって、ダイジェストの配信の仕組だという概要は言葉では知ってるけど、どういうものか、どう使うのかとかがいまいちピンと来ない。なら自分で導入してみれば感覚的にわかるだろう、ということで。
 導入は一からやるよりは全然楽なんですが、スクリプトや導入手順の解説に間違いがあったりして(上記サイトは間違ってない)、ちょっと思ったよりは時間を食ってしまった。で、URLは http://celts.sakura.ne.jp/diary/rss.cgi 。RSS対応ブラウザの方は、対応したのが見てわかると思いますが(たとえばFirefox1.0なら、右下にマークが出る)。ついでにFirefoxにも Sage をインストール。
 導入し、自分のサイトやら他のサイトやらのRSSを見てみてわかったことは、一つには発信者側の利点としてアンテナと違い配信するダイジェストをコントロールできること(その根性があればだけど)。見る側の利点としては、記事の一覧性が高いこと。アンテナも記事の一部、もしくは全体を抜き取ってくるものもあるが、記事の切り分けまでするわけではない(ひょっとしたらできるのもあるのかもしれないけど)。
 それと、この手のシステムは内容の記事性が高いものでないとあまりありがたみがないこと。私みたいにいろいろまとめてごちゃごちゃととりとめもなく書いてるようなのの場合、大して意味がないんですな。うう。
 まあ、RSSの記述法(xmlなんだけど)までわかったわけじゃないけど、大体の流れと利用方法はこれでつかめました。

[アニメ][漫画] 佐藤大輔のケツをなめろ!

  スターシップ・オペレーターズ #1。いかん、粗筋を説明する気力も無い……つかみの第一話というのに前半は延々緊張感のかけらもない密室での会話で終り、後半はやる気の無い戦闘シーン……このスタッフのやる気を疑うテンションはどうよ? しかも会話でそれっぽい雰囲気をかもし出そうとしてるのだけど、全然そんな雰囲気にならない。本当に戦争の雰囲気を出す気があるのかと小一時間問い詰めたい。それならいっそ、テレビ局がスポンサーについた反乱軍という方向できちんとまとめればまだ現実味がないながら面白くなったかもしれないのに。とりあえず、スタッフは佐藤大輔のケツをなめろ!
  魔法先生ネギま! #1。これもやっぱりやる気ナシ。最後の最後でちょっと盛り返したけど、それでも及第点には及ばず。確かに一話を敢えて布石にして、その後盛り上げに盛り上げた作品もありますよ? でも、原作物で展開がわかってるのに、これはちょっと……

  鉄鍋のジャン!(1)/西条真二 同二巻 がメディアファクトリー社から再販。それ自体はいいんですが、それだったら「地球防衛OLいちご」の完全版とか、葉雨たにし……もとい谷澤史紀作画「すいむ。」の単行本も出して欲しいなぁ……む、文句ばかりだ。しかし、最初のアニメ二作の不振っぷりは……


2005年01月08日() 旧暦 [n年日記]

[メモ] Text::Kakasi導入

 さくらインターネットの場合はそのままは導入不可。
 まず、 ここ からText::Kakasi2.04のパッケージを拾ってくる。(何故か文字コードがおかしい。)
 その後は Namazu正規版インストール覚え書き を参考にインストール。転載気味になってしまうけど、以下に手順を。
Makefile.PLの内容を変更
'INC' => '-I/usr/local/include','INC' => '-I/home/<<account>>/include',
'LIBS' => ['-L/usr/local/lib -lkakasi'],'LIBS' => ['-L/home/<<account>>/lib -lkakasi'],
#<<account>>は適宜登録されているuser名に変更。
 その後、
"perl Makefile.PL PREFIX=/home/<<account>>"
 生成されたMakeFileの内容を修整。これは先のページとは行番号等がちょっと異なる。
LineMakefileの内容を変更
77INSTALLPRIVLIB = $(PERLPREFIX)/lib/perl5/5.8.4INSTALLPRIVLIB = /home/<<account>>/lib/i386-freebsd
79INSTALLSITELIB = $(SITEPREFIX)/lib/perl5/site_perl/5.8.4INSTALLSITELIB = /home/<<account>>/lib
83INSTALLARCHLIB = $(PERLPREFIX)/lib/perl5/5.8.4/machINSTALLARCHLIB = /home/<<account>>/lib/i386-freebsd
85INSTALLSITEARCH = $(SITEPREFIX)/lib/perl5/site_perl/5.8.4/machINSTALLSITEARCH = /home/<<account>>/lib
103INSTALLMAN3DIR = $(PERLPREFIX)/lib/perl5/5.8.4/perl/man/man3INSTALLMAN3DIR = /home/<<account>>/man
165INST_AUTODIR = $(INST_LIB)/auto/$(FULLEXT)INST_AUTODIR = $(INST_LIB)/i386-freebsd/auto/$(FULLEXT)
166INST_ARCHAUTODIR = $(INST_ARCHLIB)/auto/$(FULLEXT)INST_ARCHAUTODIR = $(INST_ARCHLIB)/i386-freebsd/auto/$(FULLEXT)
278BSLOADLIBS =BSLOADLIBS = /home/<<account>>/lib
664write $(DESTINSTALLSITEARCH)/auto/$(FULLEXT)/.packlist \write $(DESTINSTALLSITEARCH)/i386-freebsd/auto/$(FULLEXT)/.packlist \
で、
"make"
"make install"
 "make install"前に"make test"するとエラーが幾つか出たが、動作には問題がなかった。他の環境でも同様かは不明。全ての作業は自己責任で。
 これらはNamazu for HNS導入のための手順の一部。gettextはさくらインターネット(レンタルサーバーサービス)の場合は既にインストールされているので、 Namazu はセキュリティホールがふさがれている 2.0.14 をインストールした方がよさそう(2.0.13以降はGNU gettextが必要)。Kakasi、Text::Kakasiは余裕と自信があれば。

[その他] 津波周辺関連

  「稲むらの火」外国首脳も知っていた…首相が逸話披露読売 )。『稲むらの火』については こちら 。私は全然知りませんでした。いや、見たことあるかもしれないけど忘れてた。小泉八雲によって紹介されたのを、日本向けにリライトしたんですな。しかもこの話のモデルになった濱口梧陵(第七代儀兵衛)氏は ヤマサ醤油の七代目 だそうで。ううむ。
  TSUNAMIは世界共通語産経 )。TSUNAMIが英語で通じるってのは知ってたけど、こういう経緯だったのか。
  津波被害の支援めぐり中国と覇権争い−日本政府ANN )。「中国と覇権争い」ってどこをどう争ってるんだか……こういうのを下衆の勘繰りって言うんですな。「 今回の支援表明は行きあたりばったりで」ってあるけど、どう行きあたりばったりなのかまったく理論だった記述がないし。しかも、「 また、日本には、最大の拠出国になることで、国連安保理の常任理事国入りをアピールする狙いもありました。しかし、そういった意図を感じ取ったドイツが、今回の会議の直前に、日本を上回る支援額を表明しました。」という部分について、ドイツ大使館に問い合わせた方がいるようで、 こちら 参照。常任理事増加枠がひとつ、という話は聞いたことがなく、日本とドイツが同時に入るか、あるいは入らないか(もしくは拒否権ありの常任理事か否か)という問題だと思っていたので、かなり首を傾げたのだけども、それに対するドイツ大使館の返答は
日本の安保理加盟を察知したドイツが日本を牽制する意味で日本を上回る
拠出を行ったとする報道について、それは論理的にありえないとのこと。
理由は以下の通り。

1.安保理加盟はドイツと日本のどちらか一方が加盟する可能性は低く、
  両国加盟か両国加盟できないかのどちらかだから。
2.ドイツ義捐金の拠出額は数年に渡る金額であり、日本政府が
  3月以降にさらに拠出することは目に見えているので、日本政府の拠出額
  がドイツのそれを上回ることは分かりきったことだから。
とまあ、1は予想通りの答。しかも、2については寡聞にして初耳で、確かにどれだけの期間で幾ら、という比較は出ておらず、言われてみればその辺抜きに「ドイツの義損金が日本を上回った」ってのは確実につまらない印象操作なのだなぁ。
 この問い合わせと返答が本当かどうかは大使館にでも確認しないとわからないのだけども、かなり理路整然としていて、朝日のニュースよりは信頼できるように見えます。
 こういう時にどういう報道するかってのは、報道社としてのイメージにかなり重要だと思 うのだけどなぁ。


2005年01月09日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 不思議な文章

 はてなの質問で、気になった文章。
  嫌なら読まないでください。コンピュータ関連(趣味の領域で)の話題を質問にもってくるのと、ギャル文字で携帯でやり取りしているのとどこがどう違うのでしょう?
 質問の内容も意味が良くわからないがそれはさておき、「嫌なら読まないでください」とあるが、読む前にどうして嫌かどうか判断できるのだろうか? どちらかと言うと批難された場合に「嫌なら見なければいいって書いてあるじゃん」という逃げ口上用に書かれた断りのようにも思える(それもめちゃくちゃだが、元の理屈がめちゃくちゃだから仕方ない)。そんな用心をしなければならない文章には見えないけど……まあ、害があるわけでなし、なんにせよちょっと面白かった。
 不思議文章と言えば、米軍も今回の津波被害の救援に続々と向かっているわけですが、一部リベラル系blogで「人殺しの軍隊なんか送るな! 民間NGOにまかせとけ!」みたいな記述を幾つか見て、萎え。この手の人は、兵站の概念なんて永遠に理解できないんだろうなぁ……戦争は良いことではないけど、今度のような有意義な活動(政治的アピールとかそういった面はとりあえず置いておく)に対してまで反対のためだけの反対を行う不毛さは、救いがたい。まあ、わざわざそんなアホなこと書いてるところを見に行く私も救いがたいんですが。
  奈良女児誘拐殺人事件における、マスコミのオタクバッシングまとめサイト 経由で このような書き込み を見る。本当に性犯罪が倍増してるの? と検索。すると このようなグラフ が。一応、 警視庁 のサイトを調べてみる。 こちらの資料 の9ページ目(P43)にわいせつ罪の、8ページ目に強姦罪の平成10年から平成14年までの推移の統計情報が載ってました。十年前からどうかはよくわかりませんが、強制わいせつ罪は増加、強姦罪はほぼ横ばいの傾向というのはそうであるよう。ただ、これがネットの影響のせいなのかは、当然これだけではわかるわけもなく。この資料によると強盗事件もこの五年で倍近く増えているし、犯罪件数自体が増加してるんですよね。治安が悪化したのか、認知件数が他の理由で増えたのか、ともかく全体的な傾向であることはそうであるようで、特に強力な証拠も無いのにネットと結びつける根拠はやはりよくわかりません。「児童ポルノの先進国」発言も原典が不明。まあ、件の番組を見たわけではないので、実はその辺にも触れていた可能性はないではないですが、言いっぱなしだったら、やめて欲しいよなぁ……

[アニメ][その他] 年末もの

  ファンタジック・チルドレン は年末はベフォールの子供たちとヘルガの正体が明らかになり、今年最初の放映は総集編。これ見ると、これまでの判りにくさがいったいなんだったんだってくらいよくわかる。これだけ見ると、実はファンタジック・チルドレンって判りやすい話だったんだと勘違いするくらいに。<おいおい しかし、ファンタジック・チルドレンが(近)未来の話だって総集編見て初めて知った。だって、美術とかがレトロチックなもので、つい過去の話かと……
  舞-HiME は修羅場修羅場。つか、最近のアニメは問い詰めモードは標準装備なんですか? 関係ないけど、オフィシャルページの人気投票の動向がなんか変な感じ。
 メモ。 第5回 日本のアニメは米国でキラーコンテンツになれるのか?(前編)
 そして、アニメ関係ではないけど訃報。 映画評論家の小森和子さん死去朝日 )。ここ十年くらい、お仕事はされてなかったし、たまにテレビで見かけても車椅子で移動されていたりと、在りし日の元気な面影は潜めていたのですが……ご冥福を祈ります。


2005年01月10日(月) 旧暦 [n年日記]

[読書] 幻のスーパーカー/福野礼一郎

 少し前に読み終わっていたのだけど、今更に。
 正直、この本について云々吟味することは私にはできない。その技量も知識もない。なら語らなきゃいいじゃん、というのは正論だが、困ったことに読んだことの興奮はなにかを語りたくなってしまうのだ。ほんとにまったく。
 後書きによるとスーパーカーマニアのバイブル的な取り扱われ方も一部でされたみたいだけど、福野氏はそれを否定する。その前振りというか、理由はご丁寧に前文に記されている。
 そもそも物事を静かに深く考えるようなタイプの人間は雑誌のライターになれない。
 雑誌には締め切りがある。
(中略)
 世のなかの有様や社会のあり方に疑念や不満を持ったりするような人間もまた雑誌ライターには向いていない。
 雑誌には広告スポンサーがいるからである。(中略)生まれつき単純つとめて従順、不満だの疑問だの持ったりせずに物事おしなべて浅く軽く考え、右から左へ原稿を書いてウワサ話と流行に敏感になれば、それが雑誌ライターの鏡である。
「まえがきにかえて──スーパーカーの出発」P6から
 このことは決して謙遜でも卑下でもないだろう。この本にある記事は記念的集大成として入念に書かれたものではなく、雑誌記事の収録である。福野氏の言葉を借りれば「右から左へ」書かれた原稿で、その内容も雑誌掲載時から手を入れられていない。
 ならこの本の記事はいい加減なのか。とんでもない。だからこそ逆に、書いたの人間の物事の捉え方、常日頃もどうやって触れ、感じ取るようにしているか。そういったことがすべて反映されてしまう。そこに書かれている情報もさることながら、それ以上に福野氏という人間の面白み、すごさが刻み込まれている。記事の厚みはライターの人としての厚みの投影だ。
 テストドライブの体験記はあるいは官能的であり、透視の目を持って車の構造を分解する文章はエロティックですらある。そして機械を通し、その背後にいる人間を読み取ろうとする真剣勝負そのものの気迫。
 とてもそれらは私の言葉では伝えられず、ただ感想と称して書き連ねるしかできない。物事の姿勢、というか、あり方というのは、こういうことなのかと、楽しみながらも思わず居住まいを正してしまう。


2005年01月11日(火) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] UG☆アルティメットガール

 #01。オタク向け15分枠美少女アニメの製作を行う m・o・e の新作。関東および関西UHF局ローカルというありがちな放送区分なのだが、ここは一週間限定で無料ダウンロード配信を行っている(視聴環境はWindowsMediaPlayerのみ)。ものが1クール以下の15分枠という小品でリスクが低く抑えられているのが原因かもしれないが、テレビ放映がその番組のソフトの一種宣伝である以上、コピー制限をかけたネット配信も宣伝になる、という理屈で回ってるのだろう。いや、本当にきちんと回ってるかどうかは知らないけど。
 怪獣とヒーローであるUFOマンが罪のない戦いを繰り返すのが日常となっている世界で、誤ってUFOマンに踏み潰されてしまった女子高生三人組。UFOマンの力で生き返ったはいいけどその代償に力をなくしてしまった彼に代わって巨大化して怪獣と戦うことに。ただし制限時間は三分間、時間が迫るとエネルギー切れでコスチュームが消えていくというお約束設定付き。
 ダメオタク向けのアニメだけど、今年の新作では気楽に楽しめたかも。UFOマンはもちろんウル○ラマンのパロディで、巨大ヒーローの不注意で一度は死んでしまった主人公たちが変身ヒーローになるくだりもウルト○マン第一話「ウ○トラ作戦第一号」の展開そのもの。しかしそこらへんはダメバカ下品アニメらしく、力をなくして小さくなってしまったUFOマン(声:古谷徹)が主人公を露出変質者チックに追い掛け回したり、チープなソフビ人形が巨大化したような怪獣の足の裏に「 ルマァク」とあったり( ルマァクはマニアには有名な怪獣ソフビ人形等玩具メーカー。既に倒産。あかぬけないずんぐりむっくりした造形が特徴的)、作画枚数はさほどでもないようだが、妙にもっさりした怪獣やUFOマンやアルティメットガールの動きや、水しぶきなどの巨大感の演出も部分的だけど案外きちんとしている(この辺はリアルというより怪獣映画・番組のオマージュか)。
 企画だけが先走って企画意図がこなれていない視聴者おいてけぼりの新番組が多かったので、ちゃんと企画意図が見える第一話を見ると安心する。背伸びするのが悪いってことではなくって、見る側のことを本当に意識してるのかわからないものばかり、ってのが。いや、この後も面白くなるかってのはわからないんだけど。
 しかし相変わらず「生天目」はどう読んでいいんだかわからないなぁ…… *1
  「スターシップ・オペレーターズ」擁護集見下げはてな さんとこから辿ったけど……裏設定が色々あるのはわかったが、これだけ視聴者置き去りにしてちゃ第一話としてはあからさまにダメだろう……どっかで視聴者を釣らないと……
 ちなみに好きしょは見ません。多分。
*1: 正解は「なばため」らしい。

[その他] 違いのわかる……

  シーバス・リーガル12年で漬けた梅酒 というネタを 松浦さんの日記 で見てびっくりし、友人たちに記事を見せたら、実家が酒屋の友人が「洋酒で梅酒を漬けるって、ウチでもやってるけど?」と意外なことを……もしかして私が知らなかっただけで実はメジャー? と思い検索して見ると、メジャーってほどではないけども ブランデーで漬けた梅酒ウィスキーで漬けた梅酒 のレシピが。これは贈答品のあまったブランデーやウィスキーの利用を想定してるけど、元々ブランデーで果実酒を造るのは一般的みたいだし、それ用のブランデーとかも売ってるそうで……いや、それにしたってシーバス・リーガル12年で梅酒を漬ける思い切りは到底私にはつきませんが。
 話し変わって正月に見たドラマのことなどを。 シャクルトン を後編の最後だけ、たまたまチャンネルを合わせたので、そのまま見る。あまり良く知らなかったが、有名な
"MEN WANTED FOR HAZARDOUS JOURNEY. SMALL WAGES, BITTER COLD, LONG MONTHS OF COMPLETE DARKNESS, CONSTANT DANGER, SAFE RETURN DOUBTFUL. HONOR AND RECOGNITION IN CASE OF SUCCESS."
「求む男子。至難の旅。わずかな報酬。極寒。暗黒の長い日々。耐えざる危険。生還の保障無し。成功の暁には名誉と賞賛を得る」
の新聞広告の人だったんですな。ロケーションには非常に力がかかっているが、物語的には地味。しかし、最後だけだったんだけどこれが面白かった。状況はなんとなくわかっただけだけど、迫力と寒くてひもじくて今にも諦めたそうな演技だけで楽しめる。「ホーンブロワー 海の勇者」も、以前一度見てたのだけど面白い。その後、NHK新春ドラマの「大化の改新」を見て一気に萎える。そりゃ制作費の違いとかはあるんだろうけど、なんでこんなに違いが出てしまうのだろう? 帰省中にNHK教育でやってたBBC製作の恐竜番組も、CGもロケハンもえらいこと力が入ってたが、予算もさることながらどこか根本で異なってる気がする。やっぱ肉食ってる連中は違うのか?(多分違う)
 「リベラル系サイト」で「救援活動の正当性を説明するのに軍隊の自己完結性を根拠に上げるのは欺瞞だ。軍隊も補給がなければ機能できない」という文章を見て、頭が痛くなる(だから見るのやめなさいって)。無補給で機能できる組織なんてのがどこにあるってのか。それに補給が大事だからこそロジスティクスが軍事で重要視されてるんだろうに。自分で見といてなんだけど、本当に頭が痛い(楽しんでないか?)。


2005年01月12日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] 報道と言論の自由

  NHK番組に中川昭・安倍氏「内容偏り」 幹部呼び指摘朝日 )。え〜、なんか朝日の朝刊一面をかざっていて嫌でも目についたんですが、記事内容を見てみると、内部告発のマヌケっぷりをさらしているだけの記事のような……
 関係者によると、番組内容の一部を事前に知った両議員は「一方的な放送はするな」「公平で客観的な番組にするように」と求め、中川氏はやりとりの中で「それができないならやめてしまえ」などと放送中止を求める発言もしたという。
 という一番過激な発言として載せられている部分でさえほぼ、放送法を参照すると当たり前のことを言ってるように見える。
  放送法第三条の2
第3条の2 放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
2.政治的に公平であること。
3.報道は事実をまげないですること。
4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
 まあ、中川氏の最後の発言については微妙ですが、この告発って要は単に「NHKは法文に準じていない、公正でない番組作りをしてると政治家に指摘されちゃいました」ってことを言ってるにすぎないのですが……これで公正だった! って主張は微塵も乗ってないし……
 ついでに言うと「その意見を放送するな」とはこの記事中どこにも書かれてないわけで、言論の自由の弾圧でもない。
 四年も前のことを引っ張り出して、何をやりたいんだ?


2005年01月13日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] 昨日のの続き

  安倍氏の公式サイトによると
記事に関し、事実と反している部分がありますのでこのHPにおいて明確化しておきたいと思います。
1)朝日新聞の報道では『安倍晋三自民党幹事長代理が…NHK幹部を呼んで…』となっているが、先方から進んで説明に来られたのであって、当方がNHK側を呼びつけた事実は全くない。
2)先方が説明に来たのは、番組放送の前日である1月29日のことであるが、朝日新聞の報道で指摘されている『民衆法廷に批判的立場の専門家のインタビュー』はそれよりも前に完了していたものであり、当方がこうしたインタビューをするようNHK側に求めた事実は全くない
だそうで、これが本当なら朝日の記事のイメージ操作になるが……もっとも、安倍・中川側の言い訳である可能性もあり、どういうやりとりでNHK幹部がやってくることになったのか、具体的なことがわからないとなんとも言えない感じ。
 それはさておき、このことで友人に議論をふっかけてしまったのだけど(こっちから喧嘩を売りました。すいません)、その友人の場合はマスコミの恣意的報道よりも政治家や政府の権限拡大の既定事実化を懸念している模様。個人的には流れる情報が恣意的に選別、演出されてる現状の方が問題だとは思うが。「テレビを見てると頭が悪くなる」と言われたものだが、現状は「(日本の)ニュースだけ見てても頭が悪くなる」ということになりかねない……んじゃないかな?(ちょっと弱気。「どうすれば頭が良くなるか」は適切に提示できないし、自分も頭が良いわけじゃないし。違う視点でいろいろ調べて、できる限り消化することくらいは必要とは思うけど)
 あと、判例による法律上の検閲の定義は 「行政権が思想内容等の一定の表現物(出版物)を発表の前に網羅的一般的な審査を経て発表(出版)を禁止する事。その目的は発表(出版)を禁止する事のみ。」だそうで、実はすげえ範囲が狭かったんですな。(安倍氏・中川氏が行政権を行使したとは解釈しづらいし、一定の表現物で網羅的一般的な審査を行ってるわけでもないので、「検閲に相当する」とは言いがたいんですな。ふむん)
 続報。 安倍氏による記者会見日経 )。事実かどうかは続報を待たねばならないけど、本当だとすれば一面でデカデカと報道した朝日がアホ丸出しですな。

[その他] お笑い芸人の質的転換

 で、別の友人がその後「ギター侍の『残念! 切腹!』ってなんで受けてるの?」「なんであのフレーズをみんな使ってるの?」と話題転換を……いや、あたしゃこないだの正月に初めてギター侍見たんですけどね。だからようわかりません。
 流行物がなんで流行するかってのはむずかしい。その芸人の出演履歴を追っていけば多分その過程はつかめるとは思うけどそれでわかるってものでもない。しかも、テレビメディアペースだと芸人の消費ペースが激しい。流行の「流れ」と呼ぶにはあまりにめまぐるしい。お笑い芸人としては昨今はこの流れの中で継続して仕事を持ち、司会業や文化人化するのが「勝ち組」でなのだろうけど、なにか全体が「こういうもの」という枠にはめられてるようなのだよなぁ。
 江戸時代が終わった後も続いていた「芸人は身分外身分の存在」という空気、悪い面ではどこか蔑まれているような、良い面では枠外の人間として逸脱した言動を許容されてた雰囲気、というものが本格的に消えているのかな。テレビでのここ10年ばかりの新しく出てきた芸人を見ると「枠外の人間としての破天荒さ」は要求されなくなってるように見える。システムに組み込まれることを前提として、自ら枠の中に収まるよう進化する芸人、それは彼らが一生懸命本気ではないと言うことではないし実に環境に適応してるのだけど、まるで去勢されてしまったようで、「こいつらめちゃくちゃやってやがるな」という、呆れながらも反面心躍らせていたわくわく感は、もうそこにはない。
 しかし、滅多にこういうことを言わない友人が切り出したので、この話題を切り出されたときはちょっとびっくりした。

[アニメ] 好きで見てるんでしょ?

 そう言われれば、まったくその通りなのですが……
  スターシップ・オペレーターズ #2.まあ、#1よりはまだマシなんですが、やっぱりどこか視聴者おいてけぼり感がある。その違和感に悶々としたまま見てたのだけど、艦隊戦時の「プラズマ砲が〜」「レーザー砲が〜」「リボルバーガンが〜」という説明セリフがゲームのチュートリアルというかルール説明っぽく聞こえたことではたと気付き、原作を読んでる友人に振ってみた。
「これって、ひょっとしてTTRPGやボードゲーム的方法論で話を作りたいのかな?」
 友人の答は「多分、そうだと思うよ」。実際に原作を見てないですが、そうなら「スペースオペラ」や「艦隊戦」をやりたいのではなく「リプレイ小説風ストーリー」をやりたいわけですな。つまり延々と続く説明会話とかはゲームマスターによるルール説明なわけで、なんだ、そういうことか、と腑に落ちたので次からは見ません。<おいおい
  好きなものは好きだからしょうがない! ……いや、だって見ないと判断できないじゃん。良い悪い、つまるつまらない以前に最初から私の嗜好の埒外だということはわかってはいたけど、予想以上にキツイ! 出てくるのは男ばっか。寮母だと思ってたのも実は男。右を向いても男。左を向いても男。しかも男臭いのは一人もいず、みんな線の細い中性的美少年タイプ。だめだ、声聞いてるだけで精神汚染される。ダメ押しに、世界観の前提としてゲイカップル公認。うわー、こりゃキツイ。どうもBLもののあるジャンルのお約束であるらしいのだが……そういう意味では「美少女ばっかりハーレムアニメ」と同質の存在なのだろうなぁ。完全に同じではないけど、性的ファンタジーという意味では。男だけど現実の男ではない、性的欲求を満たすためだけのモノがそのために動いてるのを見ることの生理的嫌悪感ってのはやっぱ出てしまう。ハーレムアニメで中身のない性的欲求を満たすためだけの美少女が理不尽に主人公に尽くすのを見る女性も、同様の嫌悪感を感じてるんだろうか……それとは別に、実はこの手のBLものの始祖はアースラ・K・ル=グィンの「闇の左手」との持論をますます強くしました……「冬の惑星」に降り立ったゲンリーのカルチャーショックがよくわかる。よくわかったからもうカンベンしてください。<自分で見ておいてナニを
  らいむいろ流奇譚X 。その典型的な「中身のない美少女にひたすら主人公がかしづかれるハーレムアニメ」。いや、それも需要のひとつなんでいいんですけどね(「好きなものは〜」も嫌悪感が出ると言ってるだけで、存在を否定はしてない)。ただ、とてつもなく、どこまでも安い作りなのは……生理的嫌悪感を除けば、「好きなものは〜」の方がまだ視聴者へのサービス精神がある。これも次は見ない。


2005年01月14日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] 昨日ののと一昨日のの続き

 NHKによる、政治介入による放送内容変更の事実の否定の声明と、安倍氏、中川氏の声明により、flame upするかと思われた事態は一時小康状態に。それでも追加事実が出るのを待てない政府などを批判したくて仕方ない方々は火のないところに火をつけようと一生懸命。私もこれら全てのコメントが現時点で無条件に事実だと認識してるわけではないが、同じ疑いの目は元々の糾弾や朝日新聞の報道に対しても向けてるわけで。要は、どんな事態になっても最小の方向転換で済むように日和見てるというわけ。
 一方で猪突猛進に突っ込んでいく人もいるわけで……そういう人たちは方向転換をどうするのだろう? と心配もするのだが、ひょっとすると心配の必要はないかもしれない。つまり、彼らのいくばくかは方向転換しないかもしれない。そういった現象はわりと見られる。そういう人はどうするか。推測ですらない妄想によって生み出した陰謀論を唱えだしたり(政府の圧力で事件が揉み消された、とか)、問題にならない部分を大問題だと騒ぎ立てたり。世間から見ると「変な人」の振る舞いをする。前者の場合「こう考えると不思議ではない」という仮定がいつの間にか確定事実のように語りだしたりするので、見る際は注意。
 一人二人なら私も笑って楽しむのだけど、今回はそれが大量に出る可能性があるので、逆に心配している。方向転換の努力を惜しんだばかりに、自身をのっぴきならないところに追いやってしまうかもしれない。大量にそういう人が出てしまうのは哀れだ、と思ってしまう。徹底的に「見たい現実しか見ないことの楽さ」に味を占めてしまうと引き返すのは難しい。だから、そうならないで欲しいのだけどねえ……みんな肩の力を抜いてもっと日和ろうよ。 *1
 一方、報道ステーションに渦中の人である安倍晋三氏が出てきて今回の疑惑について受け答えをしていた。 Irregular Expressionさんの書き起こしテキスト (いやはや、ご苦労様です)。これを見ると実に受け答えの歯切れがいい。検証すべき要点も明らかだ。一方、告発者の長井氏の記者会見も見たが、こちらは非常に要点がわかりにくい。狂牛病の番組とか作った人で正義感は強いのかもしれないけど *2 、肝心のポイントでは「らしい」「ようです」とか、本人だけが抱いてる確信であったりとか、行われてるのは「糾弾」であって「証言」とは言い難い。う〜ん、これはプレゼンテーション能力の点で大きな差になってしまっているような……本当にこれだけの材料で、職を失う覚悟で、公衆に顔をさらしてまで告発したのか、と首を捻ってしまう。海老沢批判が多かったことから、海老沢追い落としの鉄砲玉なのかもしれないが、それにしても銀玉鉄砲並の気が……「命(たま)ぁとったらぁ!」と飛び出したはいいけど兄貴分に渡された安物中国製トカレフのコピーが暴発して自分の指が吹っ飛んでもんどりうってるような感じ。情報源が「(匿名の)信頼できる上司」……ますます利用されてる鉄砲玉臭い。
*1: 方向転換の拒否要因のひとつは、blogなどでの場の主張者を支持するシンパの存在が大きいと思う。「支持者」の面前で大言壮語してしまった以上、それを引っ込める勇気が出ない、見放されるのが怖い、また、あからさまにおかしなことを言ってもシンパが支持し続けることで自分の発言の正当性を心理的に強化してしまう。やっぱ自分を偉く見せようとするよりは、自分を愚かに見せる方がいろいろな意味で楽だな。私の場合はそれが分相応だし。
*2: 正義感が強いことが良いこととは限らない。

[必殺] あんたこの替え玉どう思う

 必殺仕業人第二十四話。 DVD-BOX下巻
 捨三の洗い張り屋に、信州の田舎から出てきて女郎屋に身売りしたばかりの娘が洗濯物を持ってくる。その娘・お弓を見て驚く捨三。捨三とお弓は同じ郷里の幼馴染だったのだ。お弓は水飲み百姓である父の作った借金を返済するため、四年の年季で女郎屋に身を売ったのだ。どうにかしてやりたいがどうにもできない捨三。
 その頃、江戸では「田舎屋お艶」と名乗る女盗賊が悪事を重ねていた。その手口は純朴な田舎娘を装い大店に潜り込み、手下を手引きして家人を惨殺し金品を強奪するというもの。すっかり手を焼いた南町奉行所は威信をかけて捕らえようとするが、主水は内心ほくそえんでいる。お艶が北町の月番に代わるまでに捕らえられなければ、担当の定町回り同心二名が格下げになる予定なのだ。牢屋見回りの定員は二名。二人が格下げになれば主水は自動的に定町回りに復帰できるという算段。ところが主水の思惑とは裏腹に潜伏していたお艶が見つかり、廓での大立ち回りの挙句御用となる。がっかりする主水はやっぱり獲らぬ狸の皮算用をしていたせん・りつに責められ立つ瀬がない。
 一方捨三の方はお弓の身請けのための五十両という大金はとてもじゃないが作れない。やっぱり不景気な顔をして小屋にやってきた主水に相談するがどうにもなるわけがない。むしろ鼻でせせら笑い、女なんかすぐに心変わりするものとバカにされる始末。お弓はそんな女じゃない、と捨三はお弓に会わそうと廓に向かうが、お弓は丁度身受けされるという。座敷に上がった捨三に断りの挨拶を入れに来たお弓はまるで捨三のことなど知らないかのように振る舞い、人も変わったように冷たくなっていた。
 狐につままれたような捨三を前に「それ見ろ」と言わんばかりの主水だが、お弓の顔にどこかで見覚えがある。田舎娘にしてはあまりに手馴れた煙管の吸い口が気にかかり思い出すと、お弓の顔は捕まった田舎屋お艶とそっくりであった。つまり、女郎屋にいるお弓がじぶんそっくりだと知ったお艶はわざと同心たちに見つかって郭に逃げ込み、あらかじめ手下に気絶させておいたお弓と着ているものを取替えてお弓を自分の身代わりにしたて、自分は部下に身受けされたという筋書きなのだ。
 このままではお弓はお艶の代わりに打ち首になってしまう。だが、替え玉だと言ったところで信用されるわけがない。牢から逃がしてやるわけにもいかない。それでもお弓を助けてくれ、と頼み込む捨三に、又右衛門がひとつの提案をする。処刑の前に、もう一度お弓とお艶を牢の中ですり替えちまえばいいんじゃねえか?
 かくして、仕業人たちは牢内で替え玉をまたすり替えるという難題に挑むことに……

 すいません、ほかの話すっとばしてコレ見ました。実はこの話は必殺シリーズ放送通算200回目。200回目ということでシナリオもさることながら、今までの登場キャラを演じた役者がカメオ出演している。
 まず最初は煙草を買いに出たお艶に水をかけてしまう嫌味な店のおかみが中村玉緒(「仕掛人」おくら、「仕置屋」おこう)、内職の傘を届けに出たせん・りつとすれ違い、羨望の目で見られる犬を連れた上品な女将が草笛光子(「仕事屋稼業」 「商売人」 おせい、「からくり人血風変」おりく)、しじみ売りが沖雅也(「仕置人」錠、「仕置屋」市松、 「からくり人富岳百景」唐十郎 )、お艶がおでんをつついていた屋台のオヤジが中谷一郎(「助け人」辻平内)、牢屋敷におしかけてきた七人の子連れおんなが野川由美子(「仕掛人」おぎん、「仕置人」おきん、「助け人」お吉)、牢屋敷でゴミをあさっている屑拾いが田村高廣(「助け人」中山文十郎)、すり替えの練習をしていた剣之介にちょっかいを出してくるカマっぽい岡っ引が大塚吾郎(「仕事屋稼業」源五郎)、お艶に針を打つ針医者が緒方拳(「仕掛人」藤枝梅安、「仕事屋稼業」半兵衛、 「からくり人」時次郎、「新からくり人」安藤広重 )、牢内で「なりませぬ」と寝言をつぶやく女囚が三島ゆり子(「仕置人」おしま、「仕留人」妙信尼)、牢に呼び出される医者が石坂浩二(「仕留人」糸井貢)とまあ、こんな感じ(ピンクは仕業人以降の登場作)。昔その話を聞いて、再放送に恵まれなかったばかりに悔しい思いをした私の気持ちがわかりますか!? わかりますかってんでえべらんべえめ!(酔っ払いモード)
 が、ニヤリとするゲストキャラだけでなく、この話はシナリオも凝っている。
 すり替えられ、替え玉に仕立て上げられた娘を助けるためもう一度すり替えを行うのだが、まとまりのない仕業人たちがめずらしく息の合ったチームプレイを見せる。まず 最初に何か粗相をしでかして牢に一日でも長く居たい出戻り銀次を主水がそそのかし、ゴミ捨て口の鍵をわざと閉め忘れさせる。その晩に剣之介と又右衛門がお艶一味を襲撃、手下二人は始末し、お艶は針で眠らせ、牢屋敷の前に放り出して行き倒れに見せかけ、番屋内に手当てと称して運び込む。次に前もって女囚として入り込んでいたお歌がお弓を又右衛門直伝の針で眠らせ、急病人と偽り牢内から出す。そして人目がなくなった隙をついて鍵のかかっていないゴミ捨て口からお弓とお艶を入れ替える、というもの。これが宿直は主水一人のはずが二人になってしまったり、結構手に汗握らせる。ルパン三世の「華麗なるチームプレイ作戦」を思わせる連携プレイ。そして捨三の恋の顛末も、お約束ながら……仕業人的じゃないけど、娯楽性の高い好編。あえて言えば、仲間からのしっかり金を取るのが仕業人的……って、別に仕業人じゃなくてもそうか。
 お艶・お弓は夏純子の二役。純朴な田舎娘とすれっからしの女悪党の二役を演じ分けるのは見事!


2005年01月15日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 仁義なきNHK

  長井氏の会見videonews.com )とか見てると今回の一件、報道の正義とかなんとかという問題ではなくNHK内部の内紛の一部に過ぎないと思うんだけどなぁ。ヤクザ映画見てるつもりで楽しんでます。
 けど、長井氏の伝聞の中に安倍・中川昭氏が入っていてそれを朝日が聞きつけ、それをメインに記事にしてしまったために安倍・中川昭叩きをしたい人たちが大量に反応してしまったようで……
 で、その叩きたい人たちのリアクションの一つがこちら。 NHK特番問題:日本ジャーナリスト会議が抗議声明毎日 )。参考: 日本ジャーナリスト会議 。一方の言い分を問答無用で肯定し、もう一方は問答無用で否定したコメントなんですが……ジャーナリズムってナニ?  1996年近畿公安調査局内部資料
(4) 法曹・救援、文化、教育関係
(中略)
 日本ジャーナリスト会議による言論・出版の自由などを求める活動の実態把握
  日本ジャーナリスト会議賞の受賞一覧 。あと、 連絡先住所憲法九条を守る歌人連絡会 事務局 と同じだとか。危険な団体かはともかく、思想的にはバイアスが最初からかかっていそう。
 他には 天木直人・マスメディアの裏を読む:NHKの長井プロデユーサーは真の勇者だ 。確かに伝聞と推測とそれだけから成り立つ確信で糾弾する姿は、「たびびとのふく」「ひのきのぼう」「なべのふた」だけを装備した勇者Lv1を連想させます。そしてこのブログの中で、それらの伝聞と推測がいつのまにか確定事実に変換されてる……そんなに簡単に馬脚をあらわしちゃってどうするのか。
 なんだかこのまま待ってると他にも面白い人・組織が釣れそう。
 あと、「フィギュア萌え族」の方で、こんな書き込みを発見。 量販玩具店に勤めてるのですが、苦情が絶えません 。「 撤去の要請があるのは所謂美少女系のフィギュア(例・寿屋ギャラクシーエンジェル、ユージンSRDX等)から、果てはミクロマンにまで及んでいます。」いや、ミクロマンはどう考えても行きすぎだろ。煽る人の考えナシさと煽られる人の過剰反応が見られて(純粋に被害を受けてるこの投稿者には申し訳ないですが)面白い。
(1/17追加)その後 その書き込みの真偽を疑う書き込みが 。どちらが正しいのかはわかりませんが、わからないことを確定的に、しかも批判的に書いてしまったことをお詫びし、追加の情報として付記しておきます。

[その他] 2001年1月当時の反応

  2chマスコミ板「NHKが極左団体に加担!女性戦犯法廷特集を放送!」スレ過去ログ(2001年1月26日〜) 番組内容、取り上げた裁判内容は放送(1/29)の事前にかなりダダ漏れだった様子。しかもプロデューサーの池田恵理子氏が政治的に偏向した番組作りをするという風評はかなり立っていたことが読み取れる。番組内容などについては必ずしも正確とは限りませんが、当時流れていた情報、雰囲気についてはかなり参考になります。
 少なくともこれだけ情報ダダ漏れだったんなら、「 番組内容を事前に知った経緯について両議員は「仲間から伝わってきた」などとし、具体的には明らかにしていない 」って朝日の報道の一節は、実は問題にもならないことをさも問題があるかのように書いてるんじゃないのか?

[その他][メモ] ミロにラム

 昨日は深+(「深夜+1」の略だからな。「ふかじゅう」とか読むな)の映画の日だったので行く。今回は人少なめだったかにゃー。あと、映画の話も少なめ。楽しかったけど。
 そこでマスターが差し入れの森永ミルクココアにおもむろにラム酒を入れて飲む。ええ!? と思ったが、一口飲ませてもらうと、これが結構いける。昔、ミロにラムを入れて暖を取るということをよくやっていたそうな。ラムコークなど、ある程度こくのあるものとラムとは合うらしい。今度参考にしよう。(飲んだくれの参考かよ!)
 一通り客が引けた後でマスターとマスター呼称「丁稚」の方(って、私ごときが丁稚呼ばわりするのは恐れ多いのだけど)とで、時代劇、というか江戸時代考証談義。時代劇考証にはそれなりに一家言あるつもりだったが、いやはや、このコンビにはやはり敵わない。でも実はそれなりに便利だった江戸時代の江戸市中の生活の様子が伺え、大変為になりますた。
 しかし他にもあぶない話が出た気がするなぁ……まあ、いつものことだからいいか。
 その深+映画の日にも話題が出た「オーシャンと11人の仲間たち」のリメイク「オーシャンズ11」が続編「オーシャンズ12」公開に合わせてテレビ放映。この映画、劇場で見て 昔感想を書いてる んだけど、その時の印象とほとんど変わらない。危機また危機、の連続で捻りもあって面白いのだけど、オーシャン以外のキャラの掘り下げが薄いのが難点。特にオーシャンの元女房の「実はオーシャンに未練はあるんだけど過去の傷が元で決別を決意し裏切ることのなさそうな別の男と付き合っている」というのが、致命的に描写が弱い。そのため、ただの自分勝手に再びオーシャンに乗り換えるわがまま女に見えてしまうのが……そうすると、そんな女に入れ揚げているオーシャンが軽く見えてしまう。なかなか難しいにゃぁ。


2005年01月16日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 伝聞による すごい 事実

 今回のNHK問題の周辺で、ここ数日では一番ウケたフレーズ発見。
  数学屋の眼鏡1/15
  >−−長井さんの伝聞による事実
 伝聞による事実! 新しい概念だ! すごい!
 ちなみに 伝聞による事実でgoogleってみると 、普通は「伝聞」として取り扱われることと「事実」として取り扱われることの間には距離を置いて考え取り扱う人が多いです。そりゃ、普通そうだわな。「伝聞」が「事実」であるかは検証を経なければなりません。検証がなければ「伝聞」は「伝聞」です。「伝聞による事実」という愉快フレーズはなかなかないですが、今回は実はそうやって検証を経ずに「事実認定」をしている人が多い気が。あるのは「事実」か「事実でないか」だけで、「事実かどうか、検証を待たねばならない」という項目が抜け落ちてる人が……

 よく考えると放送法3条により放送が法的に正当なもの以外は外部に左右される必要はなく(無論、第3条の2などに記された義務は果たさねばならない)、誰に何を言われても法的な正当性のあるもの以外には束縛されず、また言う方も束縛されないことを前提で言っているはず。だとすれば、安倍氏が明確に圧力をかけたり強制をしたという証拠どころか状況証拠もないのに、なぜ発言が問題だと責める人たちがいるのだろう? 不思議だ。

[映画][メモ] あゝ結婚

 主演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ
 NHK-BS2 19日(水)0:00〜01:40
 深+のマスターに薦められたので、メモ。

[アニメ][映画] 最低

 映画「ジャッカル」を見る。フォーサイスが「ジャッカルの日」を原作と名乗るなと文句を言ったらしいが、そりゃ、これは言うだろうなぁ。一致してるのは要人の狙撃をする謎の殺し屋を主人公が追う、ということと、殺し屋の名前がジャッカルということと、ごくわずかな部分部分。たった一人の正体不明の殺し屋が警察の包囲網を潜り込むように淡々と標的に迫り、一人の刑事と裏の読み合いをする手に汗を握る展開は微塵もない。これが面白いと思ってる人は「ジャッカルの日」の映画でも原作小説でもどちらでもいいから目を通すべき。
  ファンタジック・チルドレン は状況が一度説明された後での急展開。異星のお姫様の転生だったヘルガ、それを追う、異星の科学者だったべフォールの子供たち、そして彼らを狙う別勢力。この設定だけ見ると陳腐に見えるけど、その転生の設定、世界観、きちんと組み立てが出来てるので世界にちゃんと入り込める。トーマも実はただの無関係な傍観者じゃないみたいだし。でも、公式サイトは設定の説明しすぎ……
 最初の方だけで見るに耐えなくなってやめてた 双恋 だけど、途中からマシになったと聞いて視聴再開。ふ〜む、最終回、思っていた以上に綺麗に落としてた。恋愛経験なんてない、夢想だけしてたオタク少年がいざ気持ちをむき出しに見せられるとビビって逃げだしてしまうのだけど、それと向き合うことが出来るようになるまでの話、という感じか。結論は出さず続編作成の余地を残してるが、主人公が中学生だからまあこんなところまででいいだろうし、また綺麗に一枚薄皮が剥けたところで終わってるので、これで十分でしょ。
  舞-HiME #14。大筋は「僕の学校は戦場だった」。なんちゅーか、無茶苦茶だが、無茶苦茶な展開ほど面白くなることもある、という典型例。HiME大集合、でぼちんも活躍、楯がうじうじ悩みだす、って、そりゃ役に立たないのはわかるけど、もうちょっと扱いよくしてやってよ。次回は軍隊にカチコミかけるらしい。


2005年01月17日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] NHK番組政治介入疑惑:情報整理

 一応、今まで報道されている情報を整理。別に番組批判したいわけでもないし見てないので、主に行動に関してだけ。まあ、ひと段落つけるためといかなる事態になっても逃げられるように逃げ道の確保です。
 安倍・中川昭両氏の行動についてのコメント
  • 当初、朝日新聞が「両氏が幹部を呼び出し件の番組について内容に偏りがあると指摘」と 報道 (2005/1/12)
  • 安倍氏は2005年1/12の時点で「呼び出した」との報道内容を自サイトで 否定 。中川氏も後に番組放送前にあったかのようなコメントは記憶違いで、番組放送後にしかNHK幹部と会ってないとコメント。
  • その後、安倍氏は当時2001年1/28にNHK幹部から予算説明などの席上で番組について自主的に説明され、それに対し「公正公平な番組作りを」と述べたのみで変更の強要などはしなかった、とコメント。
 NHKの行動についてのコメント
  • 朝日新聞の報道に対し政治圧力の介入の否定をコメント。
  • 2001年1/29以前にすでに番組構成の変更作業が始まっていたと主張。
 長井CPのコメント
  • 番組製作時、当初予定の構成からの変更が上司から指示されたとコメント。
  • 政治的圧力がかけられたらしいと聞いたとコメント。
  • 安倍・中川氏から番組内容について指摘を受けたと聞いたとコメント。
 問題点と騒がれうる場所(番組内容の偏向は除く)
  • 安倍・中川両氏およびNHKのコメントの信憑性。
  • 長井CPの情報の信憑性。
  • 放送前に政治家や内閣の一員が番組内容に意見を述べること。
  • 長井CPの情報を記事にした朝日新聞記者(本田雅和記者)はきちんと検証した上で記事にしたのか。
 まあ、こんなところですか。情報に齟齬がなく確実そうなのは放送前に番組制作が上司からの指示を受け、構成内容の変更を行ったというあたりと、安倍氏が放送前に何か言ったということくらい。しかし安倍・NHKのコメントでは時系列的に安倍氏の指摘を受け変更が開始されたわけではなく、また指摘後の影響も不明(両者は影響はなかった旨をコメント)。
 長井CPのコメントは現場からの声ですが、政治圧力の有無や安倍・中川両氏の介入はすべて伝聞情報でその情報の検証はいまだなされず。
 現時点の確実そうな部分で争点になりそうなのは「番組放映前に政治家が感想を述べること」だけど、放送法第3条によれば法的な根拠のない介入は従う必要がないから、従うよう強要した証拠がない限りはこれも特に強い糾弾内容(法的裏付けのある)にはなりそうにないです。道義的に云々、という程度の議論はできると思いますが。(これ以外は現時点では「こうだったに違いない」という見込みでの糾弾とみなせる)
 こうして見ると情報の確度と視野角が低いと、組み合わせで大きなことが見えるということは滅多になく、より小さなことしかわからなくなってしまうのだなぁ。

[その他] それいけスマート!

 ってのがあったなぁ、と思い出すニュース。
  米国で“ホモ爆弾”開発計画…同性愛者増やし士気低下狙うサンスポ )。…………映画版のそれいけスマートでヌード爆弾(nude bomb)ってのがあったなぁ。 しかしどこまで本気かわからないネタだ。しかしプラズマ兵器とかいうのの開発にも本気で予算がついたことがあるし、本当かも……
 先日書いた「苦情の耐えない玩具店」について、別の「 その証言はおかしい 」という意見が。玩具小売店の業界を知らないので指摘が正しいのかはわかりませんが、どっちにしてもわからないことを確定事実のように書いてしまったことで、反省。と、いうわけで修正します。
  日韓条約:韓国、外交文書公開 個人の対日請求権消滅毎日 )。日韓基本条約の条文すら国内では公開されてなかった韓国ですが、それに加えて関連文書も公開されたそうで。秘匿してたのが変だという指摘はともかく、この情報公開の速度はすごい。素直に評価すべきでしょう。内容について現政権に批判が出ないよう、いろいろ裏で動いていたという話はありますが……日本国内では別に条約は秘匿されてなかったので日本人は「個人賠償分も韓国政府に渡し、それにより韓国政府が個人賠償の義務を負う」ということになってたのは知ってたのですが、韓国の人もようやくそれを自由に見ることができるようになったわけです。北朝鮮側の賠償権については、実は曖昧にされたままだったんですな。どうやら韓国内部でもいろいろ荒れそうだなぁ。つか案の定 日韓協定無効とかやってるし朝鮮日報 )。すぐに納得できるできるものではないとは思いますが、韓国内の学会でしか通用しない強制連行なんて神話を持ち出してるし、本当にこいつらどうしようもない……いやいや、そんなことを言ってはいけませんね。うん。


2005年01月18日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] まったくもう

 ほんとはね、昨日の段階で一旦この話題休もうと思って情報の整理をしたんですよ。そしたら朝日・NHKの側両方に急展開が。
 朝日が「捏造だ」との反論に対し NHK幹部への取材の一問一答朝日 )等を掲載したのに対し、 NHK幹部への取材内容が実際の受け答えと違うと反論NHK )。NHKの抗議によれば、「圧力を感じてないと答えたのに感じたと書いたり、中川氏に会った記憶はないと言ったのに中川氏と会ったと言ったことにされたり、安倍・中川両氏に取材済みだと偽り、回答を誘導された」とのことで。少なくともどちらかが嘘をついてるんですが、さて、どちらでしょうね。
 追加: NHKの公式抗議コメント 。こりゃ本気だ。


2005年01月19日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] 本気だ、本気だとは思っていたけど

 しばらく匿名のNHK幹部ごしに言った、言わないのやりとりがあるかと思っていたら、その「匿名幹部」が 実名を現してNHK側のコメントを肯定、朝日記事を否定しました産経 )。展開早っ! NHKの内紛からNHKと朝日の全面抗争になってきたぞ、わくわく。検索をかけてみると 現在NHK出版代表取締り役のようで 。よく考えたら複数の議員に予算説明のために会ってるんだから、「誰が会った幹部なのか」ってのは、実は匿名にしなきゃいけないほど秘匿性の高いことじゃないんだよな。この場合朝日新聞側が反論する方法はさして多くなく、一番効果的なのが取材時の録音などの確かな物証(存在するなら)を公開することですが(他には朝日が取材したのは別の幹部だとか、安倍氏と会ったのは松尾氏じゃないとか……)、どうなることやら。
 ところで「匿名幹部」って、「仮面校長」みたいでちょっとかっこいいかも。(んなこたぁない)

[その他][アニメ] 流石に↑だけってのはいい加減食傷してきた

 一応、 朝日のNHK会見への反論記事 を公平の為に、申し訳程度にのっけといて。(この反論では、朝日の圧倒的不利は変わらないんですが……)
  H2Aロケット、2月24日に打ち上げ再開決定朝日 )。うむ、長かった。打ち上げるのは運輸多目的衛星。私がなにができるってわけじゃないけど、せめて応援させていただく。
  頭に釘刺さるも気付かずTBS )。え〜っと、自動クギ打ち機って洋画なんかでたまに凶器に使われたりする アレ だよなぁ……ごっつ凶悪なんですけど。記事でも刺さった瞬間は「バットで殴られたみたいな衝撃だった」って書いてあるし。レントゲン写真がまた、なんと言うか……
  JR秋田駅の三箇所のゴミ箱から計28万円見つかる秋田魁新報 )。こんな名前の新聞があったのか。ってのはともかく、1000万円、いや、100万円だと「おお! どんな事件だ!?」とか思ってしまうけど、28万円ってのは結構微妙なモンですね……いや、そりゃ落ちてるなら欲しいけど。
  UG☆アルティメットガール #2今回はサブメインの二人が変身。でも変身シーンが……専用の音楽があるから、多分本来はあるはずなんだろうけど、無料放映・配信分じゃ流さないのか? UFOマンPという屈辱の名前からようやく「アルティメットガール」に呼称変更。なんでもDVD収録版は、「P」の部分が「子」になるんだそうで。そりゃイヤだ。
#でも、ウルトラマンコスモスってのもあったしな……
 


2005年01月20日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] 実録・日本報道列伝

 NHK対朝日について。まあ、一応両方の言い分を載せてるけど、私がNHK寄り、ってか朝日に批判的な目なのは見ていてわかると思う。別に隠そうともしてない。でも、だからと言って「朝日は捏造をした! 断罪する!」と断言することもしない。だって、本当はどうだったか、見てきたわけじゃないからわからないもの。
 「相手の感情を逆なでし発言を引き出し」たり「発言を編集し」たり「恣意的な解釈、発言の変更をする」のはどこのマスコミにも見られる、ってのは多分そう(程度と頻度問題はあるけど)。番組製作におけるヤラセはNHKだって幾つも不祥事を起こしてる。またマスコミはNHKに限らず、常に数々の圧力に晒されてるだろう。でも、そこから「疑惑が本当である」「嘘である」という確定はできない。本当はどんな受け答えがあったかがわかれば最低限記事の検証はできるが、それが表に出ることは多分ない。
 だから、そういう目ではなく、「NHK、中川・安倍が打つ手」と「朝日が打つ手」に注目していた。はっきり言えば、朝日は杜撰すぎ。元々不利なのには違いがないけど(これは記事が捏造だから、という意味ではない)、それにしてもへぼ将棋すぎる。朝日としては一気に世論を盛り上げてその流れをバックにつけようとしたのだろうけど、安倍氏らのすばやい対応に出足を封じられ、むしろ「拙速」との印象を残す。対応もまずい。記事の前後の矛盾にきちんとした釈明・訂正をせず、それを放置している。それで事実は判断はできないが、世間の心象は悪くなる。
 証言の録音等がなければ朝日にできるのは地道な取材で周辺事実を固めていくしかない(それも記事が本当として、だが)。秘密は大人数ほど保つことは難しいので大人数が関わった編集会議や試写でのやりとりなど、そういったところにまず当たっていくしかないだろう。が、ここまでの騒ぎになった以上、事実がどうあれ難しい作業になっていくと推測される。
 ここまで一方的な勝負になってきたのは、戦略とその思想が根本的に欠如していた、ということは言えると思う。
(追加)つまり、なにが言いたいかというと、「やるならもっと上手くやれ!」ということ。世論と相手をなめすぎてるからいい加減な戦略でも勝てると錯誤するんだ。

[その他][アニメ] TSUNAMIは神の御業

  スマトラ沖津波は神がもたらした――米国人の4分の1が信じ、日本人は信じないITmedia )。 元記事GMI )。え〜、今回のスマトラ地震の津波についての調査なんですが、現地民はともかく、アメリカでの「今回の津波は神の起こしたものだと思う」と答えた人(正確には Yes, Definitely(絶対そう)とYes, Probably(多分そう))が多い(26%)のに対し、日本人は少ない(6%)、という結果の記事なんですが……いや、日本だけじゃなくってフランス、ドイツ、オランダ、デンマークも同じくらい低いんですけど……なんでわざわざ日本だけ? アジアを田舎だと思ってやがるな? 困ったときだけ神頼みの天災大国日本を無礼(なめ)るな!
  朝日新聞の変な外信極東blog さん)。「 私の見落としかもしれないけど、それまで朝日新聞って石油食糧プログラム不正を扱ってきただろうか。」という一文を見て、そういやイラク戦後処理問題でアメリカの一国統治状態(それが正しいかっていうと、まあ、なんだが)に反対だった友人が「米軍は引き上げ国連が統治すべき」と強固に主張してたっけなぁと思い出した。「『船頭多くして』で、余計利権関係や勢力争いが面倒なことになるんだけど……」と言っても「それでも米国の横暴を許すよりマシ!」と主張してたっけ。言いたいことはわからないではないけど、別に国連は公正公平、世界平和のための組織ってわけじゃないんだけど、とか思ったのを覚えてる。決して思想的に頑迷だとか、頭が悪いとかいうことのないはすの友人なんだけどなぁ……日本人のかなりが「世界政府」の幻想を持つようになったのはいつだったのだろう。というより、自分がその幻想から醒めたのはいつだっけ?
 メモ的に 未公認なんですぅ:いったいいつまでこの書籍流通システムは続くのだろう?  書籍流通の業界人の方のblogらしい。面白そうなので、メモしとく。
 家に帰ってチャンネルを捻るとたまたま 宮廷女官チャングムの誓い (原題『長今歌』)をやっていたので、それを見る。女性宮廷調理人の、陰謀渦巻く宮廷の中での物語、ということらしい。まあ、リンク先のページ見ればわかるでしょう。韓国ドラマです。いや、結構面白かった。とか言うと意外に思われるか? 韓国のものを無条件に毛嫌いしてるわけじゃないんすよ。単に別に大人気でないものを大人気と言ったり、悪いことを悪くないと言ったり、嘘を本当のことだと言ったり、本当のことを嘘だと言ったり、そういうのにはうんざりなだけです。あたしゃ面白主義者なんで、面白ければ別にいいんです、別に。時代考証とか滅茶苦茶なのはわかってるけど、どうせほとんどの時代劇だって時代考証なんて滅茶苦茶なんだし。番組後に、さりげなく(でもないが)番組内に出た韓国の風習、文化、事物の説明をするのも、まあ、韓流報道とやらもこのくらい身の丈にあったものにしておけば物笑いの種にならないのにねえ、とオモタよ。
  ファンタジックチルドレン #16。前世の記憶を辿るヘルガは、ついに事件のきっかけとなった惑星ギリシアでの出来事にさかのぼる。そこにいたヘルガの前世ティナの婚約者シスとその親友ソラン。しかしティナはソランに心惹かれ、シスはそんな二人を祝福する。が……
 どうもこのシスとソラン、物語の「現在」の人物に関係ありそう。ってか、キャスト見ると大体予想がつくんですが……って、ひょっとするとブラフかも。
 しかし、結構面白いのにアニメ感想系サイトではほとんど感想を見ないなあ。


2005年01月21日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] フルメタル報道

 いかん、そろそろ極道映画ネタが尽きてきた(早っ!)。ってわけでNHK VS 朝日の進展。
自民“朝日新聞報道”調査へNHK )。
NHK番組改変問題 自民党内に調査チーム朝日 )。
NHK特番問題:衆院総務委で協議 自民党国対委員長毎日 )。
自民が調査チーム設置へ NHK番組改編問題産経 )。
NHK番組改変で自民が調査チーム日経 )。
 おんなじニュースをなんで並び立ててるかというと、朝日とNHKの報道の比較をしてもらおうと思ったけどどっちも当事者なんで、解説するのも面倒だしいろんな記事がどう書いてあるか自分で見て比較してください、と、まあ、手抜き。しかし、朝日だけ政治欄ではなく社会欄扱いってのがよくわからん。
  朝日新聞報道「虚偽」と表示 NHK、本社抗議後、削る朝日 )に対し、 「昨夜の『ニュース7』のニュースタイトルは、朝日新聞の記事の内容に間違いがあるという判断で、「朝日新聞虚偽報道問題」としました。この一連の報道をめぐっては、記事だけでなく、朝日新聞記者の取材方法に問題があるので、朝日新聞全体の報道の問題という認識で、昨夜の『ニュース10』では、ニュースタイトルを『朝日新聞報道問題』と変えました」FNN )と反論。
 で、下の記事の方にある 朝日新聞へのNHKの18の公開質問 。今日の一番の動きはこれかなぁ。まあ、読むといろいろ面白いです。しかし朝日新聞の代表取締役と編集局長が両方「しんいち」というのは、同名としては微妙にイヤですな。
 ちなみに私は朝日がすごく嫌いでしょうがない、ということじゃないんですよ。日記でも再々触れていた「カラシニコフ」の連載記事は非常に質の高いものだったと思うし、確実に注意して読まなきゃいけない、あるキーワードの含まれた記事以外は(錯誤はあっても)そんなに極端にひどくはないと思います。そのキーワードってのは「政府」「米国」「戦争」「中国」「韓国」「北朝鮮」「自衛隊」辺りは確実に含まれてるんですが(つまり、政治と国際のほとんどとそれ以外のかなりの部分)。この手の記事は他の報道と見比べたり、関連事項を調べるとメディアリテラシーの練習にうってつけだと思います。
 一番最近で顕著だったのが「インドネシア国防相が日本の軍事化を懸念して災害支援のための自衛隊の駐留に非常に慎重で、中国の軍事的な威圧感は感じていない」というニュアンスの記事だったんですが(なぜかネット版にはその記事は残っていない)、他の報道を見てもそんな内容の記事はまったくない。注意して他の記事なども参照して読むと、インドネシアは国内に武装反政府勢力を有しているので外国の軍隊の駐留に慎重で、三ヶ月という期限を切った(自衛隊に限らず)ということと、同じ災害支援についての会合で出た中国を警戒してるかというそことは関係ない流れでの質問に「脅威は感じない」と答えた質問を切り貼りして「日本を警戒して中国は歓迎している」(ここまで露骨には書いてないけど、まったく関連性のない二つの事象を(しかも一方は日本を狙い撃ちしてるかのような解説を加え)並べて書くことで)とやらかしたわけで……実際のところがわかって目が点。さすがに自身で恥ずかしいのか検索してもその記事が出てこないんですが、あったら面白いんだけどなぁ……(記事を引っ張り出して打ち込むのもありだけど)
 その矢先のこの報道、色眼鏡で見るな、って言っても無理なこと。他の新聞社だって恣意的報道や誤報、あるいは捏造だってあるだろ! ってのはそうなのだけど、今回、あまりに「注意キーワード」に引っかかる単語が多かったので。
 朝日新聞社サイトにはまだ出てないけど、朝日がNHKの提訴を発表したらしい。そして今回の件の事項については「係争中のことなのでコメントできません」だそうで。
 必殺仕業人DVD-BOX上巻の解説で、「どうして主水はだまし討ちとか一瞬で相手をしとめるようになったか」(後にセコ突きとか呼ばれるアレ)が解説されていた。当時裁判が報道されていたロッキード事件で被告が検事に質問され返答に窮している場面が延々流されると、不思議に世論の被告への同情論が高まった、ということが上げられている。つまり、延々と一方的に責められる場面が続くと事実関係はどうあれまるで検事が被告をいじめているように見え、世間の同情が発生してしまう。それで主水には悪党を一瞬で仕留めさせるようになった、とのこと。
 なんだか朝日がまったく説得力のある返答をせず、「答えられません」と引き伸ばすのを見て、このことを思い出してしまった。
  マガジンSPECIAL で「おれはキャプテン 高校編」がスタート。なんだかひねくれながらも少年スポーツ漫画の王道を押さえてた前作(?)の続編らしく「甲子園を中心とした球児神話・信仰を否定しながらも甲子園をめざす」という形のようで。まだ高校進学前で、どの学校を選ぶかというところ。前作で最終的にライバルになったデレック、海老名と組んで、またとんでもないことをやらかすつもりのよう。


2005年01月22日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 報道合戦は、とりあえずこれでひと段落かな?

  NHKに訂正・謝罪求める 番組改変問題で本社通告書朝日 )。 「誠意ある回答がない場合は法的措置を取らざるをえないことになる」と話したとのことで、物証や新証言が出せず、最終的に法的措置に至る可能性が高い以上、報道を武器としてのやりとりは終局を迎えていると思える(朝日の言う「誠意ある回答」はすなわち「朝日の報道内容を認めろ」ということ)。しかし、まともに考えるならこれまで出ている材料で朝日が裁判で勝てる可能性はほとんどない、としか思えないのだが……
  朝日新聞の社説 (1/22付)「NHK問題――ことの本質を見失うな」とあるが、ことの本質とはなんなのか。朝日は内閣の一員が番組作成に介入したと主張したいのだろうが、朝日が取材し、その証言と言うことで記事にした対象本人が直に「書かれていることは違う」と言われてしまった以上、朝日が立証しようとした「政治介入」の不確定さならびにその際の報道姿勢が浮かび上がることになる。すなわち、伝達手段に問題がある可能性が浮かび上がっているのに、その問題があるかもしれない伝達手段で伝えられた情報で問題提起を行おうとしている、というのが現状。これではことの本質もへったくれもない。
 現状はNHKが松尾元報道総局長らからの「朝日の報道が記者に述べたことと違う」ということや、 朝日新聞への公開質問状 にある
 さらに記者会見前日の電話で、松尾元放送総局長が、御社記者に対して「私の証言と記事の内容が違っている」と抗議をした際に、御社記者は「NHKにはもう話してしまいましたか」「どこかでひそかに会えませんか」「証言の内容について腹を割って調整しませんか」「摺り合わせができるでしょうから」などと繰り返しました」 *1
という部分に対して、朝日新聞側は取材記者自身の「実際はこういうやりとりだった」とか「そのような事実はない」という釈明もなしに、「NHKは嘘をついている!」の言葉だけ繰り返している、という状態。
 あるサイトで言われていたのだがこの状況は、北朝鮮当局が日本に渡した横田めぐみさんらの遺骨が本人のものではない、とのDNA鑑定発表に 北朝鮮側が具体的な根拠を出さずに遺骨鑑定は「ねつ造」と非難朝日 )している構図とよく似ている、と指摘されていて、笑った。
 ちなみに、上記の北朝鮮の日本非難の記事で朝日のものを使ってるのはわざとです。
*1: なんだよ、「摺り合わせ」とか「腹を割って調整」とかっていう愉快タームは。


2005年01月23日() 旧暦 [n年日記]

[その他] ここんとこ電波浴をしすぎてましたが

 さすがに中毒気味になってきたので、次逝ってみよう!

[アニメ][特撮] 見事に繋がらねえ!

  仮面ライダー剣(ブレイド) 最終回。ジョーカー=相川始以外の全てのアンデッドが封印され、ジョーカーが勝者として認定されてしまった。人間としての心が芽生えた始の叫びもむなしく、世界を滅ぼすべくダークローチが大量発生、世界を混乱に陥れる。この状況を打開するには始を封印するほかない。しかし、唯一無事である仮面ライダー・ブレイド=剣崎は始を封印する決心がつかない。そして、剣崎が選んだ道とは……
 え〜、ぶっちゃけてネタバレしてしまうと、 剣崎はわざとアンデッドとの融合を進め、自ら二人目のジョーカーと化す。アンデッドが二体存在することにより、バトルファイトは終了していないと判断されダークローチたちは消滅。そして、剣崎はアンデッドとしての本能で戦うことを避けるべく、始たちの前から姿を消す。ある意味、過去のライダーたちの末路の中でも最も壮絶な最期。だけど、イマイチ乗れないのはなんでだろう? 剣崎と始の間に、剣崎が 人間としての自分を捨てるだけのなにかがあったとは思えない、ということが大きいだろうか。バトルファイト自体が終わってないという、曖昧な状態だからなのだろうか。映画版だと、テレビシリーズは剣崎がジョーカーを封印したことによりバトルファイトが終わった、という設定になっており、テレビ版最終回は明らかに結末が異なる。しかし、ただジョーカーが封印されるとむしろ始が主人公になってしまうので、その意図はわからないではない。わからないではないのだけど……
 去年のファイズは構成上の問題は色々あったが、オルフェノクの滅びを回避する存在・オルフェノクの王=アークオルフェノクを、人類の滅びを回避するために、それが自らの滅びと同義と知りつつ挑み、倒した木場と巧の、そしてその前には確定的な滅びを前にした異なる立場の二人の宿命的な葛藤があった。剣の場合には、それらが決定的に欠けたまま終末を迎えてしまった。このラストを見ると、會川昇は決して下手ではないのだけど、エンタテイナーとしては井上敏樹の立場は圧倒的に不動だ、と思える。いや、あの人はあの人でいろいろ問題はあるのだけど。
 いや、正直、最終回でもなんでもない デカレンジャー の方が震えた、ってのは、どうかと。
 次からは 仮面ライダー響鬼 だけど、どうなんかなぁ。う〜ん。
 ところで、最終回を見て思ったことは、烏丸所長は実は王大人?
  プリキュア は、珍しい女の子主人公のフィジカルアクションってことで、いや、それだけが存在意義なのかと言われると困ってしまう。いまのところ、まったくその通りなのだけど。今回は次期シリーズ ふたりはプリキュアMax Heart の番宣が公開。二人で戦うのは変わらないみたいだけど、そのバックアップ?に新キャラが出るようで……地味にいろいろ頑張ってるなぁ。
  舞-HiME #15。シアーズ財団軍の襲撃にHiMEたちが反撃、なんつーか、ヒーローものアニメそのものの展開なんですけど……愕天王は空まで飛んでるし(愕天大王に変形は、さすがにしないか)。意外にあっけなくシアーズ財団は敗退、事件は解決したけど楯は自分の無力さを募らせるばかりの上、志穂がオーファンに襲われた罪悪感にさいなまれるようで……今後の展開がまるで読めんなぁ。次回のなつきのアホコスチュームに期待しておきますか。「お風呂場でドッキリ!」も当然な!

[その他] どっちが本当?

  ベトナムの「海賊船」が中国船襲撃 中国外務省発表産経 )。ところが、ベトナム側では次のように発表している。 中国国境警備隊がベトナム漁民8人を殺す=領海内に迷い込む?goo News )。なんだか発表内容に大分開きがある。どちらが本当だろうか。まあ、東南−東アジアの海は、決して平和でもなんでもない、国同士の思惑がからんだ場所である、ということだけは確かそう。


2005年01月24日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] う〜ん

  弁護士・小倉秀夫氏の2/24の記述 を見て首を捻る。確かに新聞社といえ、会社である。会社にはスケジュールがあり、納期があり、社員はそれに間に合わせようと日夜戦っている。新聞社であろうと会社なのだから、このことは事実なのであろう。また、記者の性急な記事にやはり性急に返答をしてしまったのは、返答をしてしまった側のうっかりミスというのはそうだろう。その辺には異論がない。
 だけど、それって消費者としての新聞購読者の立場がないんだよなぁ。抗争として見た場合は、私もそうやって見て楽しんでた。が、購読者への説明をなしに裁判沙汰に落とし込む、という朝日の行動を見てると、「読者のための新聞」という「フリ」すらしていないという態度に興ざめしてしまった。いや、フリくらいしろよ、というか。あくまで報道機関としてドンパチやってほしいものだが。
 あと、いくら二組織の抗争として見てるからと言っても、ここまで購読者をないがしろにしてるのを見ると、さすがに萎える。読者への説明責任はないのか……

  民主・社民が首相答弁に反発、一時退席も 衆院代表質問朝日 )。こういう行動を見ていると牛歩戦術とか言う戦術になってない自己満足的行為を思い出し、確かに社会党の系統なのだな、と。ニュースに具体的な答弁が書かれてないのだけど、 こちら を見るしかないんか……しかし国会って野次が多いなぁ。(追加)よく見てみたら、なぜかウチのHDDレコーダーに国会中継が録画されていた。基本的に小泉首相の答弁は方向性を述べ、細部は原理原則論を述べて断言することを避けている形で、岡田氏の突っ込み逆に細かいところを突っ込んでるが基本は精神論にすぎない、という感じ。まあ、どっちもどっち(でも、たよりがいは小泉首相の方がありそう)なのだけど、切れて出て行った時点で岡田氏の負けだわな。第一、「歳出は増やせ、歳入は減らせ」って、まともな思考で言ってるとは思えない。北朝鮮への経済制裁に関して、牽制をしてもいたけど、岡田氏が「拉致邦人帰還者」について、「一度帰国させるべき」という意見を変えたという話を聞いたことがないなぁ……そして、岡田氏の質問長すぎ。内容を考えると余分な部分(感情的扇動・アジ)が多すぎ。あと、岡田氏の答弁には野次が飛ばず、小泉首相のときには飛ぶってことは、つまり、野次を飛ばしてるのは……

  ブッシュ、小泉首相ら有罪、実効性を 「イラク戦犯法廷」報告集会京都新聞 )。いや、この手の模擬裁判イベントをどうこうは言いませんけどね、「実効性」持たせたらいかんだろう……あと、「 また、同志社大の浅野健一教授は「イラクで拘束され殺害された人質を政府は守ろうとしなかった」と非難。」って部分は、各機関が犯人グループとの接触を試みたり宗教指導者グループからの呼びかけを求めたりして、あからさまに事実と反すると思うのだけど……おそらく彼らは、自衛隊の撤退以外は「守るための行動」とは認めてないのでしょうが。
 しかし、見るニュースが偏ってるのかもしれないけど、京都新聞って記事傾向がかなり偏っているような……


2005年01月25日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] ベーカー大使は本当はなんと言ったのか

 などと愛・蔵太さんのまねっぽく。 (でも結局結論は出てません)
  「中国との関係を修復して」と注文 ベーカー大使 ( TV朝日 )。ここはすぐ記事内容が移ったり消えたりしてしまうので全文転載しておく。
 3年半の任期を終え、来月帰国するアメリカのベーカー駐日大使が、日本政府に対し、冷え切った中国との関係を修復するべきだと注文をつけました。

 ベーカー大使は「中国のような国が、どのような関係を日本と構築しているか。それが日本にとって本当に重要な課題だ」、「日中両国は協力して前進する道を探る責任を持っている」と述べ、小泉総理大臣の靖国参拝問題などでこじれた中国との関係を修復するよう求めました。また、北朝鮮の拉致問題や核の問題に関連して、東アジアの平和と安全を維持するために、日本がより一層の役割を果たす必要があるとの認識を示しました。
 え〜、朝日の注意キーワードとして「米国」「中国」「政府」「北朝鮮」があると書きましたが、これにはそれらが含まれてます(「政府」とは書いてないけど、小泉総理大臣云々とあるから)。ところが、この記事、よく見ると「いつ」「どこでの」発言なのかが書いてない。タイミング的に見て、 永田町での異文化フォーラム での発言だとは思うのだけど。 元スピーチがどこかにあれば参照できるのだが、まだ 在日米国大使館 のサイトにはアップされておらず、なんと言っていたのかはわからない。どこでの発言かも書かれていないので 2004/12/14の記者クラブでのものです とかいう強弁もできるわけだが(もっともこの記者クラブのスピーチ原稿では日中米の三国の関係の重要性を述べているが、靖国問題により日中の仲がこじれた趣旨の発言は一切ない)。在日米国大使館にある氏の発言を見ると、わざわざ日中関係で日本側を糾弾するような内容を述べるとは、ちと考えにくい。また、記事を見ると「靖国云々」のくだりはカギ括弧くくりではなく、ベーカー大使の発言ではなく朝日が勝手に付け加えている解釈である可能性も高い。そうすると、 「中国のような国が、どのような関係を日本と構築しているか。それが日本にとって本当に重要な課題だ」「日中両国は協力して前進する道を探る責任を持っている」とだけ出ているのとずいぶん印象が違う(日中双方に友好関係を呼びかけているのみで、「現状が悪い」だとか「日本の行為のせい」という意図はあまり読み取れない)。朝日に電突する気もないが、一応異文化フォーラムでの発言が出てくるのを待とう。
 しかし、 中国の活動もいつもどおり微妙読売 )なんだけどね。
追加:とか言ってたら米国大使館に ベーカー大使の公演内容 が公開された。中国に関する部分を引用する。
But my friends, the real challenge for Japan, in my view, comes from how you arrange you relationship with China. China is growing in economic and political influence, but so is Japan. Japan and China have a mutual responsibility, I think, to find ways to work together productively.
つたないながらも訳すと 「しかし、友人たちよ、私から見た日本の本当の挑戦というのは、いかにして中国との関係を調整するかになる。中国は経済的、政治的影響力を成長させているが、日本はそうではない。日本と中国は共に生産的にことをなす道を見つる相互の責任があると考える。」となる。つまり、相対的に中国が国力を増大させている中で中国との協調もしていなければならない(それもお互いに)、という一般原則論以上の発言ではないですな(日本に耳の痛い部分はあるし、裏になにか含んでるかもしれないけど)。当然、靖国とかなんとかなんて「一言も」出てません。もっと言えば「どのように」も。そして、中国に関する発言は1870単語中48単語分のみでした。テレビ朝日は報道するなら「公演の中で中国との関係改善を求める発言もなされました」くらいにしておくべきでしたな。

[その他] 実はあんまり変わってない

 あと、戦中戦前の言論統制について余談。マスコミは一様に政府が検閲し圧力をかけたことで自由に物が言えなくなった、という顔をしているが、実はマスコミ自身の自主規制の方がはるかに多かった。外来語を「敵製語」として日本語に言い換えたのも、自主規制。戦中の回顧録や戦記を読むと、前線の兵士ですら萎縮することなく普通に外来語を使っていたのがわかる。また、政権への批判も行われていた。少なくとも不可能ではなかった。自由に言える空気だったかとかはあるけども、今日思われてるような「言論統制」とはちと違う。
 当時の世情・雰囲気や世論(もっとも、それの少なからぬ部分はマスコミが作っていたのは間違いないが)などもあるし、行政側の問題もあるのだが、さまざまな理由のうち行政ばかり糾弾され全部悪いことにされてしまい、マスコミ側の行動はうやむやのまま今日まで来ている。
 こういうマスコミ自身に都合の悪いことって大抵のマスコミは取り上げないものだから、実は知らない人が多いんだよなぁ。NHK問題で国による言論統制と戦前戦中になぞらえ大げさに騒ぎ立てる人は、その時代には別に学ぶべきことがあると知るべき。
 ちなみに昨日のなぜか国会中継が録画されていた件については、その時間帯に本来放映するはずだった昔の新選組映画の録画予約がそのまま置き換わってしまったよう。インデックスはそのまま「国会中継」に置き換わってしまって、便利なのかなんなのか(まあ、二時間しか録画されてないんだが)。
 今回は国会中継に取って代わられてしまったが、こういう古い映画とかBBCなどの気合の入った特集番組をやってくれるのはNHKくらいなので、週刊誌とかで「NHKの番組はつまらん」と書かれてるのを見ると「そのつまらんNHKの番組より民放の方がもっとつまらないんですけど……」と思わずにはいられない。自分たちの先輩が40年前、いや、30年前でいいからどんな番組を作ってたか、見て反省して欲しい。


2005年01月26日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] カラスの味・海自の間違い?

 以前、深+のマスターに中国ではあまりカラスがいないらしい、とDさんに聞いたことを話したら、マスターいわく「そりゃ、食っちまったんだろ」。アグネス・チャンが日本にやってきて当初、公園の鳩を見て「どうして日本人は獲って食べないのか」と言ったという有名な逸話を引かれたが、しかし、以前カラスの肉は不味くて食えたものではない、と聞いたことがあり、いくら「四本足はテーブル以外、空を飛ぶものは飛行機以外なんでも食う」と言われた中国人でもカラスは食わないんじゃないか、と思った。思ったが、カラスが不味いという証拠もないので、反論はできなかったのだけど、 知識の泉 Haru'sトリビアさんでカラスの味についての話題 が。東北の湯治場で「ろうそく焼き」というカラスの肉を使った名物があるらしく、それを食べた方の本にそのことが記されているらしい。正確には「不味い」というより「臭い」らしいのだが、線香みたいな臭いって……香辛料をたっぷり効かせればなんとかなりそうな気もするが、湯治場のおじちゃんも「不味い。食えたもんじゃねえ」って、そんなもの、食糧難の時代ならともかく、観光客用に売ってええんかい。まあ、なんでも食べる中国の人も、あんまり好んで食べそうにはないなぁ。
PS.カラスの皮膚がどす黒いってのは知ってました。なんか肉も変な臭いがしてた気がする。いや、確か小さいころに死んだカラスをいじったことがある気が……臭いは腐りかけとかそんな臭いじゃなかったような。(食ってません)

  日本領海上に現れた中国の駆逐艦についての海自のニュースリリース 。この「ソブレメンヌイ級」がどういうものか、だけども、 軍板のスレッド で喧々囂々されている。このへんは下手にコメントつけると恥かくだけなのでやめておこう。ただ、某所で「ソブレメンヌイ級は蒸気タービンでディーゼルじゃないぞ。最大速力も33ノットある。大丈夫か、海自」というのを見たので(速力についてはさすがに巡航速度だろうけど……)、調べて見る。この手のデータで日本のサイトを確定的に扱うのは危険なので、英語サイトを。そうすると Chineese Difence Today なんてのがあるんですな。検索して初めて知った。 ソブレメンヌイ級の解説 のPROPULSIONを見ると、「 Main propulsion include two steam turbines, each with two high pressure steam boilers rated at 50,000 hp in total, two fixed pitch propellers, giving a max speed of 32.7 knots.」だそうで。その下の方に「 Generating Capacity: Turbogenerators 2 x 1,250 kW; Diesel generators 4 x 600 kW」ってあるんで、これを間違えた可能性がありますな。他のいくつかのサイトを見ても、まあそんな感じ。広報担当官だとそんなものなのかもしれない(ええんか?)。まあ、海自ニュースリリースで提示されてるJANE'Sを見れば早いんだろうけど(当然持ってません)。それとも、普通このばあい「機関」と書かれれば「推進機関」だと思ったのだけど、「発電機関」なんだろうか?(そんなバカな)

[その他] カレー食べたい

 夕方に突然「カレーが食べたい病」が発生。それもレトルトのとかフランチャイズのではなく、洋食屋とかカレー専門店のちゃんとコクのある日本風カレー。しかし近隣にはそんなカレー屋はなく(ココ壱ならあるんだが)、大須に行けばなんかあるだろうと行く。
 で、大須のちょっと裏小路に入ったところにある キッチンシロー へ。これまでも何度も店の前を通っているのだが、入るのははじめて。名古屋ではテレビとかでもわりと取り上げられてるお店なのだけど、ものすごくこじんまりとしている。中には四人がけのテーブルが四脚のみ。晩御飯時にはずれていたせいもあり、お客は私一人。店員もコックでもあるご主人だけ。ここは本当はハンバーグがいいらしいのだが、カレー食べたい病にかかっているのでカレー。っつーかレディースセットのカレーセット。レディースセットって知らずに頼んでしまった。別に男でも普通に注文できたが。待つことしばし。出てきたカレーは、いやもう私の食べたかった洋食屋のカレーそのもの。ガツガツと意地汚く食ってしまいました。
 この手の店だと、雑誌や新聞に取り上げられた記事が飾ってあったりするものだけど、ここもそう。ひときわ大きく飾られてるのがグルメぴあの洋食屋特集のもの。読者投票によるランキングなのだけど、キッチンシローは5位。ちなみに名古屋地区で、ではなく、全国からの投票で。ところがびっくりするのはそこじゃなくって、トップ10を見ると、キッチンシローを含め大須の洋食屋が三店入っている(他は キッチントーキョー御幸亭 )。1位は東京の店だったが2位も大須ではないが名古屋の洋食レストランで、大須以外だが名古屋の店が結構ある。これは投票の母集団が名古屋に偏ってたのか、それとも実は名古屋は隠れた洋食王国だったのか。事実はどうなんだろう?
 それはともかく、カレーはたいへんおいしゅうございました。思わず会計の時に頭下げて「ありがとうございます、ごちそうさま」って言ってしまい、ご主人もびっくりしたのか「いえ、こちらこそありがとうございます」って返してた。
 私と丁度入れ違いくらいに男性の客が一人、入ってきてた。どうも常連さんのようで、やはりそういうお客が多いらしい。なんかそういうのを見てると、店に飾ってある新聞・雑誌記事もちっともいやらしくなく、ご主人のささやかな誇りのように思えた。
 今度はハンバーグを食いに行ってみよう。


2005年01月27日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] カラスの味 続き

 Sgt.ytkさんからメールがあり、昨日のカラスの話題について、「中国ではないが、韓国では肉が滋養強壮の薬効があるとして一時期乱獲された」とのこと *1
 あ〜、そっか、漢方って可能性があったな、と思い調べると、やはり本家中国でも漢方薬としてカラスの肉や頭(!)を使うらしい。肉はまんま「烏鴉」、頭は「烏鴉頭」と呼び、その他胆嚢、羽までも用いるらしい。うわ、マジですか? 確かに臭くっても「薬」としてならガマンできないことはないのかも……もっとも、これにより乱獲されたかまではわからなかった。
 個人的にはやっぱ大躍進のときじゃないかと思うんだけどなぁ *2

 で、そのメールに書いてあったのだけど、茨城には「ロッキード観音」なる観音様が建立されているらしい。やっぱり ロッキード ってからにはF-16にまたがってるんだろうか!? と期待して URL を開いてみたら……なんだ、普通の観音像だ。orz *3
 なんても橋本登美三郎元運輸大臣(ここ、何故か私が橋本龍太郎と勘違いして書いてしまい、Sgt.ytk氏の再度の指摘により訂正)が後援者となって建立されたらしい。ロッキード事件の渦中だったので当時「ロッキード観音」などと呼ばれていたらしいのだが、今では年配の人がそう呼ぶくらいのようだ。う〜む、残念。
*1: ちなみに近年は乱獲が減ったそうだが、理由が保護されたとかではなく、今まで山野にいて自然の草木を食べていたのが街で生ゴミをあさるカラスが増え、薬効が減ったと思われているためらしい……
*2: 「スズメは害鳥である」(実った米を食べてしまう)として人海戦術による一大駆除が展開され、スズメは減ったのだが、結果それまでスズメが食べていた害虫が大量発生、大凶作に陥ったという……
*3: そんな物騒な観音像があるかっての。

[その他] すぐバレる

 私も取り上げたTV朝日のベーカー大使の発言の報道とか、最近「なに考えてるんだろうなぁ」と思える報道が多い。いや、多分そういう報道は元々あったのだろうが、それを「なに考えてるんだろうなぁ」と思えることが多くなった、と言う方がいいのか。
 理由は至極簡単、ネットインフラの整備・充実だ。たとえば、同じ事件を別の新聞がどのように報道しているかを調べるには、ネットがない場合複数の新聞を購読するか、図書館などに行って記事を付き合わせるしかなかった。今は、ネット上で参照できる(全部の記事が、ではないが)。また、「誰かがこう言った」という報道の場合、昔はなかなか元発言が参照できず、複数の報道をつき合わせ検討するくらいしかなかったことも多かったが、今は公式に映像や原稿が公開されるものも少なくない。使い方さえ誤らなければ、利便性ははるかに増している。 *4
 不思議なのは、これだけネット環境が充実して実際はなんと言っていたのか、あるいは他のマスコミではどう報道してるか調べるのが容易になり、報道内容の(恣意的としか思えない)誤りや偏りが判明しやすくなったのに、何故先のベーカー大使報道のようなことを、平然と(かどうかはイマイチ不明だが)あまりに不注意に繰り返すのだろう?
 朝日の場合あまりにわかりやすいものが多いので取り上げることが多いけどもこれは別に朝日に限ったことではなく、各社の事情など知る由もない身としては、世間にはそんなことを検証する能力はないとたかをくくっているようにも見える(確かにマスコミに比べれば出来ることは限られるが)。
 どっかの人みたいに「ネットやブログはマスコミに対抗しうるジャーナリズムだ!」などと大真面目に主張するつもりもないが、ネットのなかった頃よりおかしな報道はそれをつつかれやすい状況ではあると思う。
 まあ、例として国籍条項を理由に都管理職試験拒否が合憲と判断した裁判についての各社報道。
外国籍職員訴訟、昇任試験拒否は合憲 都側が逆転勝訴朝日
外国籍受験制限は合憲、最高裁が初判断 都の管理職試験産経
都の管理職試験、外国籍受験制限は合憲 二審破棄、最高裁が初判断産経
都国籍条項訴訟:門戸開放の流れに水差す 最高裁判決毎日
国籍理由に受験拒否は合憲…都管理職試験訴訟で最高裁読売
都管理職試験、国籍制限は合憲・最高裁大法廷日経

社説で取り上げている各社の見出し(すべて1/27)
産経「【主張】国籍条項訴訟 常識にかなった合憲判決」
朝日「外国籍管理職――時代が分からぬ最高裁」
読売「[管理職試験訴訟]「『日本国籍』明確にした最高裁判決」」
日経「外国人任用で最高裁初判断(1/27)」
毎日新聞では触れられてませんでした。 28日付の社説で取り上げられました。
毎日「国籍条項訴訟 住民の意思が門戸を広げる」
 なお、韓国では在韓外国人の公務員採用自体が、禁止されているとか(未確認)。
*4: 無論、有象無象の雑音もはるかに多くなったし、ゆえにフィルタリングや情報整理、検索能力の重要性も増している。が、一応公式に発表されたものは(最低限、公開する主体の意図に沿ったものとして)信用できると思われる。

[マンガ][アニメ] 赤ずきんちゃん(に)気をつけて

  東京赤ずきん(2)/玉置勉強 。エログロ悪趣味フリークス、と良い子には決して見せられないマンガ。かなりイッちゃってるはずのヴィヴィアンですら雑魚キャラ扱いの変態オンパレード。悪魔とか魔界とかもいよいよ本格的に絡んできて、ますます良い子は見ちゃダメ度と面白さが上がってきてる。こう、真正面から来られるとうれしいなぁ。
 しかし、いまさらだけど「どこが東京やねん!」ってキャラ多すぎ。居酒屋は日本だったか。
  舞-HiME #16。シアーズ財団も消え、今後の利便のため、碧から「HiME戦隊」結成が提案、その親睦会と称したバカ騒ぎの裏で、残酷な事態が進行していく……
 まあ、ラストのあれが一番のキモなんですが(いや、お風呂場でドッキリの方じゃなくって)、見所はなつきの何かを勘違いしているアイドル風コスチュームとか、お風呂場でドッキリとか(やっぱりそれかい)。なつきはマンガ版でもついにヨゴレのかませ犬路線決定だけど、以後の見せ場はあるんかいな? 次回は白無垢のHiMEが出てくるらしいけど、白無垢ってえと、やっぱあの娘かねえ。あと、やっぱりこういう展開になったからには、黒幕は当然「神崎」……(士郎じゃないって)
  ファンタジックチルドレン #16。惑星ギリシアでの出来事中篇。今まで、単純になにか事故が起こってそれからティナを退避させるさせるために転生装置で魂を地球に送ったと思っていたのだけど、ことはそんな簡単ではないようで。タイタス王の、娘を思う気持ちゆえに狂った、その暗愚さが痛々しい。


2005年01月28日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] マスコミが流さない香田証生君人質事件の経緯

  馳浩の永田町通信一月号 。谷川秀善外務副大臣の森派総会での発言。
 唖然。あまりに生々しい。そして救出ができなかった関係者の無念と、香田君のご両親の心中の傷が推し量りがたいことが伝わってくる。
 香田君関連はご両親の心中察するに余りあり、ある時点で取り扱うのを差し控えたのだけど、これは人目に触れるべきことだと思い、勝手ながらリンクをさせていただく。


2005年01月30日() 旧暦 [n年日記]

[その他] おうちでカレーが食べたい

 先日のカレー食べたい病の後遺症で、家でカレーを作る。野菜は大ぶりに切って肉は切り落としの安い奴。それをじっくり煮込んで一晩置く。私がカレーを作るといっつも底が焦げ付いて焦げ臭くなってしまうのだけど、今回もそうなってしまった。でも、それを除けばうまかったです。なべいっぱいに作ったので、しばらくはカレーか。

[アニメ][特撮] 踊る大仮面ライダー

  仮面ライダー響鬼 。いや、先週まで放映していたブレイドと比較するといろいろ突飛というか、突飛過ぎるんですが、まあ、それはいいんです。平成仮面ライダーは第一作の「クウガ」は高寺プロデューサー、「アギト」「龍騎」「555」は白倉プロデューサー、「剣」は日笠プロデューサーだった。プロデューサーが全部を決めるわけではないけど、「アギト」以降は、「剣」まで含めて、白倉ライダーと呼んでも良いと思う。「剣」の製作には白倉氏は関わってないのだけど、「剣」が白倉ライダーの強い影響を受けて製作されたことは明らかだ。カードなどのガジェット、主人公チームの構成、エンディングの有無など。が、今回の「響鬼」はそれとはまったく違う。やはりこれは「高寺ライダー」だろうと思う。バイクに乗るかどうかわからないので、「ライダー」ってのはどうかとも思うけども。第一回を見た限り、まだちょっと判断はできないのだけど、ただ、主人公のタイプは「清く正しいヒーロー像」で、今回「おやっさん」を出すとかサポートキャラに「立花」という名字のがいたり、やはり旧ライダーに強いリスペクトを抱いていることがわかる。う〜ん、ちょっと苦手なんだけどな、そういうの。ライダーとしては違和感全開だったデザインは、慣れるとやはり悪くない。まあ、見てみないとわからないけど、はっきり言えるのはひとつ。突然歌いだすのはどうかと……
  デカレンジャー はついに最終回まであと一回。最終回付近は予算の問題でいろいろ苦しくなってくるのが特撮番組のネックなのだけど(すでにスポンサーは次の作品に関心を移すので、終わってしまう番組に大量の予算を投下しても広告としての意味がない)、なんとデカベースがエージェント・アブレラに乗っ取られるという展開。最大の味方が最大の敵と化してしまう。これまで出たキャラとかもちょっと出て来て、なかなか良い感じ。あと一回、このテンションを保ってくれるだろうか?
  ふたりはプリキュア 最終回。う〜ん、まあ、こんな感じですか。闇の三戦士は消えたままなのか、ってのがちょっとかわいそうな気も。ある意味、巻き込まれただけなんだけどなぁ、彼ら。メップル・ミップルともお別れだけど、来週にはすぐ次のシリーズってのがわかってるからなぁ。新キャラが出るが、これはどういうキャラなのかまったく不明。プリキュアって実は主人公はあくまでなぎさ一人なんで、話の基本構造はあんま変わらないんじゃないかと思える。
 友人から都合してもらって JINKI:エクステンド を見る。う〜ん、ちとこれは……ロボットの重量感とかは結構いいセンと思うのだけど、ツッコミどころ満載、というかほとんどツッコミしか思い浮かばないのは、どうかと。ご都合主義が過ぎるというか、とりあえず戦場で自己嫌悪を吐露されたりそれを責めたりをされても、困るだろう……とりあえず動かんと死ぬんだから。主人公が才能だけで無条件に認められてしまう、ってのも、ちょっと。ちなみにもっとも笑ったのはスポンサー紹介のイラスト。作画とかは非常に良好なんだけどなぁ。


2005年01月31日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] イラクの選挙

  朝日新聞 ではあいかわらず大々的に 選挙を狙ったテロ を一面に載せていたのだけど、多国籍軍の中核となっている アメリカは大成功だ、と発表 している。 イラク暫定政権首相もテロリスト側の敗北と発表 、実際にはこれは長い戦いの第一歩に過ぎないのだろうけど、その第一歩を踏み出せたことは重要ではないかと思う。各国、国内勢力の思惑もあって、さらにそこにテロが絡み、無菌的にクリーンなものではない。最大政治勢力となったシーア派による他勢力の弾圧の恐れもある。同じくシーア派が多数を占めるイランとの接近を危惧する声もある。それでも選挙という行為が国民によって行われ、その代表が選出されたことは、イラクの復興に必要不可欠な一ステップである。それをテロ行為で妨害しようとした勢力は一体なんであるのか。一部の人は彼らを「レジスタンス」と呼ぶ。だが、国民を敵視し傷つけることを是とするレジスタンスなどいない。今回の選挙は彼らが望まざることだった、と言える。このような妨害にも関わらず投票率が70%を超えたということは、イラク国民の大部分がテロリストたちとは意思を異にするという、最大の意思表示でもあるだろう。犠牲は大きく、重く、また先の道のりは決して平坦ではないが、それは決して無駄ではなかった、と思う。

  中尊寺ゆっこ氏、死去朝日 )。 ご本人の公式ページ でも発表されています(現在非常に負荷がかかっています)。昨夏から闘病中だったとのことで、全然知らなかった……「ええ!? まだそんな歳じゃないのに!」って方が亡くなるのは、やはり堪えます。

  映画産業、過去最高の興行収入NHK )。特に日本映画のヒットが多かったというのが意外。むむ、日本映画が斜陽と言われ早何年という感じだが。それともヒットが偏ってるってことなんだろうか?