不定期日誌


google検索

日記内検索  ウェブ全体から検索

hns - 日記自動生成システム - Version 2.19.9

先月 2004年06月 来月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
HNS logo

2004年06月21日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] カエルの育て方

  Spanglemaker さんのところに「変態したばかりのカエルは育てるのが難しい」って話があった。
 私はずっと長いことトノサマガエルを実験動物に使っていて、その世話もやっぱり同じだけやってたのだけど、一番大変なのはやはりエサの調達。何種類かのカエルは活きたエサしか口にしない。これはグルメだとかそういう話ではなく、カエルは動いてるものしか認識できないのである。
 こういった動き特異的な視覚情報処理というのは人間も行っているのだけども、人間の場合は静止画像の情報処理もきちんと行うので、普段はあまり気にすることはない。原理としてはまあ、差分情報処理。
 で、カエルの場合はどうも動きによって大雑把に2パターンの認識をするらしく、目の前を横切るものはエサ、自分に向かってくるものは外敵、という見分け方をするらしい。無論、対象物の大きさとか速度とか、そういった要素も絡んでくるのだろうけど。
 だから、カエルが生きたエサしか食べない、というのは動いてないとエサが見えないからなのである。逆に言えば、死んでいてもそれっぽく動かしてやればエサと認識する。生きたエサの調達が難しく、一匹二匹くらいしか飼わないというときはこっちの方が楽かもしれない。
 一時期、ハエで実験をしてたグループから余分に育ててもらってそれをエサとして分けてもらったこともあるけども、ハエを育てるには腐肉をエサにするので、アパート等でやるのはあまりお薦めしません。
 ただ、同じカエルでもアフリカツメガエル(これはトノサマガエルやアマガエルとは大分種類が違う)の場合は生餌でなくとも大丈夫で、この辺はどういう認知をしているのだろう。ううむ。
 他にはアカアシ病の大量発生とか寄生虫とか、いろいろ大変です。
 ちなみに ミトこおろぎ さんには当時大変お世話になりました。元気で色艶の良いコオロギを取り扱ってます。

[その他] 暑い

 「アツクテシヌゼ〜」ってネタは過去やった記憶があるので省略。
 台風が来たおかげで夕べは寝苦しくて仕方なかった。一過の今日は大分涼しいのだけど。
 そんな今日聞こえてきた会話。
 「風速15mって、つまり 質量のないものが 毎秒15メートルで進むってことね」
 おかしい。他のことではまったく言動はまともなのに、どうして物理関係の表現ではこんなに愉快な表現をするのだろう?
#当然空気には質量があります。
 さすがに今日自転車通勤をする度胸はなく、地下鉄で。途中で 軍事研究 7月号を読む。A5サイズなんでそんなに目立たないんですが、グラビアページのチャレンジャーIIを眺めてたときに、一度「ぎょっ」という目で見られました。そのチャレンジャーII、えらいごっつくて「RPGもものともしない」という解説記事にすごく納得。イラクでM1A1の被害が結構出てる中、チャレンジャーの被害は皆無だという。冒頭のリベリアゲリラの制裁写真記事は、たった数ページだけども大変陰惨。こういう現実が戦争にはついてまわる。まだ全体の1/3しか読んでないけど、やはりイラク関連と、それと在韓米軍関連の記事が主か。こと、在韓米軍に関しては米国・韓国・北朝鮮の思惑が絡むが、韓国が明確な政策を打ち出せずかなり米国、そして北朝鮮の思惑に振り回されている印象。日本とても、必ずしも対岸の火事ではない話なのだが。
  韓国、台風六号の被災者408人発生朝鮮日報 )。え〜っと、 台風六号、半島をかすりもしてないんですけど…… 滅多に台風直撃しないのはわかるけど、あの国の治水・防災対策は根本的に問題がある気がする。
 「さざなみフォント」を入れてみたのだけど、サイズによってはカスレが出てしまうようで、ちょっと様子見。
 FireFox0.9では上手く動かなかった コンテキストメニュー拡張 だけども、現行配布版では対応。これでFireFox0.9も結構使えるか……? ただ、Prefferencialもしくはそれ相当のものが出てないのだよな。ううむ。
 ところで「あの男」なのになんで「ミセス・ロビンスン」なんでしょうか?


2004年06月22日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] どうでもいい話

 ストロング金剛(現ストロング小林)氏の「金剛」というのは映画「伊賀忍法帖」で氏が演じた根来忍者「金剛坊」から取られている。しかし金剛坊の忍術がなんだったのかは忘れた。
  コミックバンチ で連載している「伊賀忍法帖」は、アッパーズで先ごろ連載が終了した「バジリスク〜甲賀忍法帖」が出色の出来だったせいか、どうしても見劣りする。あ、ちなみに「バジリスク」ってのはヒロイン・朧の破幻の瞳をバジリスクの石化の視線にたとえて原作で表現されていたことにちなむ。単行本でも朧の能力はもう出てるし、ネタバレてもかまわんでしょう。

[読書] 別冊歴史読本 歴史の中のサンカ・被差別民

 いや、まだ買ってきただけで読んではいないのだけど。店頭でぱらぱらと見た限りそんなに変なことは書かれててなさそうだったので購入。まあ、趣味の本。

[その他] ブームとは確かに作られるものだが……

 冬のソナタについて、バラエティ番組で こんなやりとり があったらしい。程度の違いはあるが、二年前の 飯島愛と爆笑問題のやりとり を思い出す。当のドラマについてはちらっと見た限り、個人的にはまったく肌に合わないが、さほど叩かれるようなものでもないと思った。が、マスコミのあからさまに不自然なヨイショに(NHKの、せいぜい最高で20%も超えるかという番組なのに、民放が異様なまでに取り上げるのはやっぱ「異常」っしょ?)こういうやりとりがあると「やっぱいろいろ盛り上げろとあちこちから圧力がかかってるんだろうなぁ」と。
 志村けんの返しはさすがに上手いと思う。まあ、どっちにしてもワシは件の番組を見てるよりは「必殺仕置屋稼業」のDVDでも見てますが。
  都青少年育成条例の“健全”度 シール包装 四苦八苦東京新聞 )。都条例の改正により業界が封印シールを儲けることで「自主規制」した煽り。当然この手の雑誌を出すのは弱小出版社が多くかなりの負担。書店側も店頭で中身が確認できず、売上が落ちることを懸念している。まあ、子供に有害だから、ってのはわからないではないけど、エロ本売り場に子供がいるところはあまり見ないし(たまに少年漫画誌に隠して読んでるほほえましい?光景は見るが)、この手の雑誌は面白い新人さん(しかもあまりそういう雑誌では生き残れなさそうな人)がわりといたりするので、気軽にチェックできないのはあまりありがたくない。
  日本、韓国餃子の輸入禁止を解除朝鮮日報 )。輸入禁止解除自体はいいんだけど「日本は当分の間輸入申告証明書を通じ、材料に大根が使われたかどうかを確認する方針」って、書類だけじゃなくって通常の食品検閲と同じく、無作為抜き出し検査をしろ〜! 向こうの書類を信じたから今回の件が生じたんだろ! やはり当分餃子は中身を販売元に確認しないと安心して食べられそうにありません。
 韓国関連は 竹島遊覧船産経 )とかいろいろあるけどありすぎてきりがないので今日はこのくらいで。
  中国ガス田開発に対抗…政府、試掘調査を検討読売 )。ただし、 中川経産相は「ガス田共同開発考えていない」Y! hl )と強気な反応で、これは現時点ではむしろまともな反応と思える。こうい状況見てると、なんだかんだ言って小泉以外が首相だったら、とガクブルってしまうのだよなぁ。(比較的マシ、程度だけど)
 「アイルランドでイスラム教徒の移民に口頭で二人目以降の妻は娶らないと宣誓させてた」という記事が朝日新聞に載ってたということだけども(アイルランドなので過剰反応)、18、19日の朝刊では確認できず。夕刊は、明日図書館ででも探してくるか。ただ、移民条件を厳しくするという記事は載っていて、その背景に人口減から移民条件を緩くしていたのがヨーロッパ外からEUにもぐりこもうとする際の格好の裏口になっていた、という解説があった。風の噂で最近アイルランド国内での移民、特に有色人種への風当たりが強くなってると聞いてはいたので、その背景はこれか、と思う。いや、元々保守的傾向が強くはあるのだろうが……
 簡単に英文記事でも探してみたけども、とりあえず見当たらない。まあ、ないってことではないし、あるかもなぁ、と私なども思ってしまうのだけど。


2004年06月23日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] ニュース

  北朝鮮で「ドラえもん」放送?日スポ )。 「北朝鮮にはもともと著作権といった概念がないので、悪気は全くない。」 って、著作権の概念がないのは事実だけども、現時点では北朝鮮もベルヌ条約(著作物に関する国際協定)に批准してるんで、バリバリ著作権侵害なんですが。悪気のあるなしで著作権侵害の事実が変わるのなら、こんなに楽なことはない。悪気がなければP2Pで映画も音楽もただで入手し放題とでも? あと、絶対に日本のアニメなんて言って放映してるわけもない。日本への関心もへったくれもなかろうに、この北朝鮮関連商品販売とかいう人は一体なにを世迷いごとを言ってるのだろう? ま、それはともかく「 どくさいスイッチ 」を流して欲しいと思ったのは私だけではないはず(きっと放映した関係者はスイッチを押された如く姿が消えてくだろうけど)。
 昨日のアイルランドでイスラム教徒が云々、という朝日の記事だけど、よく見たら19日の昨日書いた記事のすぐ上にありました。フシアナさん>ワシ。しかし独自取材なのか記事の配信元の記述がなく、政府に抗議したという「市民の自由評議会」という人権団体を検索したが、見つからなかった(そりゃ日本語で検索してもねえ)。政府の弁解として「重婚犯罪を未然に防ぐため」というのが載ってたが、アイルランドは婚姻の記録とかはどうやって管理してるんだろう? 日本は戸籍とかで一括管理なわけですが。いずれにしても、ちと記事の検証は大変そうだなぁ。(アイルランド大使館に問い合わせるくらいしか手はない気が)
  日本のコンテンツ保護は厳しすぎる――なぜ戦わないのか?ITmedia )。やっぱロビー活動でもなんででも圧力をかけられる消費者団体がおらんのがいかんのかねえ。日本の消費者事情は必ずしも特別ではないという説は面白い。
 ちょいと「日本は朝鮮植民地時代(植民地ではなく併合なんだが……)に朝鮮語の使用を禁止した」という記述をネットで見、「ちょっと待て。なんで学校で教えていたものを禁止せなあかんねん」と 朝鮮総督府編纂の朝鮮語教科書の解説 を見つけてくる。いや、日韓併合の善悪はさておいとて、事実と違うことで糾弾されてもなぁ……
  民間が初の有人宇宙飛行に成功朝日 )をとりあげなかったのは、どういう資本のグループがどういう技術をどこから受けてたのかとか、そういう背景がよくわからず(調べてなかっただけなんだけど)評価が出来なかったから。それを抜きにしても、そんなに衝撃がなかった。いや、十分偉業なのだろうけど、静止軌道まで行ったときが本当の民間の宇宙開発時代の始まりなんじゃないかと思ったりするのだけど。
  朝日社説・■ガス田開発――日中協力の芽はある朝日 )。ま、この新聞が「チョイル新聞」であることはわかりきってたことなんだけど。もう馬鹿馬鹿しくって突っ込む気にもならない。たのむからさっさと本社を北京でも平壌でも好きなところに移してくれ。
  太鼓の達人6に「日本ブレイク工業社歌」が登場 。う〜ん、ブームを過ぎたとは言え……

[必殺] 一筆啓上紐が見えた

 必殺仕置屋稼業第三話。おこうは島送りになる若い女にすがる男・加吉を見て顔色を変える。その女おさとは料亭の客とねんごろになり、子供が出来たと脅迫をしたらしいのだが……数日後、おこうからそのおさとの依頼が主水によせられる。おさとが犯行に及んだのは加吉のしわざで、その加吉を仕置して欲しいという。依頼が本当におさとからのものなのか、加吉が本当に裏で糸を引いていたのかいぶかしむ主水に、おこうは加吉がやったに違いないと一歩も退かない。しかたなく主水は捨三に加吉の身辺を探らせるが、悪癖の博打もやめ、おさとの妹のおちさに給金もすべて預け、人が変わったような真面目ぶり。しかし、主水たちが安心したそのとき……
 女を食い物にする「ひも」が仕置の相手だが、女を惚れさせて騙すのみでなく、その妹まで餌食にするという悪辣ぶり。しかしそのひもが実は同性愛者で、市松に言い寄るというのは悪趣味だが思わず笑ってしまう。同時に女を金づるとしてしか見ていない悪辣さも強調される。この辺りが通常のひも悪役の話とは異なって新鮮。印玄の殺し技・屋根突き飛ばし *1 の際の悪役の「ヤメテトメテ」はこの回が初めて。一応この話では依頼人はおさととなっているが、最後まで加吉に騙されつづけてたおさとが依頼をした様子も動機も見当たらず、過去加吉となにかあったらしいおこうが実は依頼人では、と匂わせるが、その真偽もおこうの過去も結局語られない。ちょっと心憎い。
*1: 仕置の相手をわざわざ屋根の上まで連れていってそこから突き落とす。その際、悪役が「トメテヤメテトメテヤメテ」と繰り返すのがまたバカバカしくて笑える


2004年06月24日(木) 旧暦 [n年日記]

[マンガ] 買い物

 「東京赤ずきん」は連載間隔があいていたり掲載誌が移ったりで伏線とかのつながりがよくわからなかったのが、単行本だと結構よくわかる。しかし、今月号連載分まで収録されてるのだなぁ。
 「悪夢交渉人」は「KUROKO」の後日談的話「リセット」が収録。マガジンZで掲載されたときは、どうせすぐに単行本に入るだろうとタカをくくってたのだけど……
 「カオシック・ルーン」は魔界編。でも必殺ナレーションは含まれず。ショボーン。チャンピオンの今週掲載分では久我マコトに関する意外な……でもない秘密が明らかに。いや、でも、こういう明かされ方をするとは思ってなかった。

[必殺][その他] いちおう

 明日からテレビ東京系列で「必殺からくり人血風編」の再放送(月〜金AM11:35〜)が。時代は戊辰戦争で今まさに官軍が江戸に上ろうとしてる頃。時代背景もあってか救われない話が多いのだけど、前期必殺が全国ネットで再放送されるのは久しぶりだし、全十一話という短期シリーズなので、興味のある方はお付き合いください。
 P.S.必殺シリーズでも特に 必殺からくり人Onlyのサイト なんて特異すぎるサイトを見つけたので思わずリンク *1 。すげえ。濃すぎる。

 京都方面で再放送してるらしい「必殺仕置人」が、第四話「人間のクズやお払い」 *2 を飛ばして放映されたらしく、「なんでだろう? タイトルがまずいのだったら『ならず者〜』で放映すればいいし、内容がまずいのだったらその前の第三話『はみだしものに情なし』の方がずっとまずそうだけど」と疑問が出されてた。が、どうやら第四話の冒頭でゲストの悪役・黒沢年男演じる聖天の政五郎が 敵対ヤクザの首をカミソリでかき切るシーンが時節柄まずいんじゃないか という意見が。あ〜、なるほど。それじゃしばらくは「必殺必中仕事屋稼業」も再放送できなさそう…… *3

  講談社コミックス8月の予定表に、「仮面ライダーファイズ 正伝異形の花/井上敏樹」が…… ファイズ関連書籍がまだ出ることにもびっくりしたけど、コミックスで井上敏樹??? タイトルからするとシャッチョさんがからむのかしらん?
 世間で「ペプシブルー」なるものが話題なので、ちょっと飲んでみる。一応きちんとコーラの味がするのは驚いたのだけど、なんで色が青いんだろう? 身体に悪そうだ……いや、向こう(アメリカ)の飲料って結構こういう合成着色料バリバリのものが多いんだけど。
 先日イラクの武装グループに韓国人の金鮮一氏が殺害された事件だけども、抗議活動が激しく、 焚書を行う姿も……Y!hl )って、まさかコーラン燃やしてるんじゃなかろうな?! 多分遠目には記事が載ってるかなんかの新聞だと思うが、もしコーランなんて焚書した日には……ただでも 6月はじめに犯人グループから人質の映った脅迫ビデオがAP通信の手に渡り、韓国政府に韓国人拉致の事実確認を行ったが無視された朝鮮日報 )という報道で政府が批難されているらしい。被害者は5月末に誘拐され、韓国政府はイラクへの追加派兵を決定するまで半月以上このことを伏せていた、という可能性が出てきた。派兵自体についてはどうこうというつもりはないけど、このやり方は批難されて当然だろうなぁ……
*1: 「からくり人」は「必殺からくり人」「からくり人血風編」「新からくり人東海道五十三次殺し旅」「からくり人富嶽百景殺し旅」の四作成作されている。相互の関連性は薄く、まさかOnlyサイトなんて作ってる人がいるとは思わなかった。すいません。DVDは全部持ってます。
*2: 再放送時にはタイトルが「ならず者成敗します」になることも。「人間のクズ」がまずいらしい。
*3: 主役の一人、緒方拳演じる「知らぬ顔の半兵衛」の殺し技が、血しぶきが飛ばぬよう手ぬぐいを当てながら、かみそりで相手の頚動脈をかき切るというもの。出来自体は非常に評価の高いシリーズなのに、そんなことで……


2004年06月25日(金) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 魔窟に潜む紅い風

 必殺からくり人血風編第一話。時は幕末、官軍が江戸に攻め上ろうという頃。品川宿の白濱屋の女将・おりくは裏では恨みを金で晴らすからくり人の元締め。ある日悪辣な目明しを始末した河原で半死半生の男を拾う。献身的な介護により男は一命を取り留めるが、「土左ヱ門」となどあからさまな偽名を名乗り、身元を話すのを渋る様子から官軍か幕軍の密偵では、と疑う。そんな中、小田原から江戸にやってきたという母娘が白濱屋を訪れる。官軍の密偵の進入を防ぐため、江戸には通行手形がないと入れない。裏で十両も出せば手形の都合はつくが、国に戻って出直して来たら、というおりくの助言を何故か聞かず、母親は白濱屋で飯盛り女 *1 として働き出す。なにか事情ありと睨むが、案の定、彼女は幕軍の兵士の前で思わず薩摩弁を飛び出させてしまう。その場はおりくがかばうが、話を聞けば国許から薩摩屋敷にいる夫に娘を預けるために江戸に出てきたという。からくり人の一人・玉ころがし *2 の直次郎が夫の居場所を探り当て妻子が品川まで来ていることを告げるが、会わない、と意外な返事をもらう。聞けば妻が国許で上司に手篭めにされ、女敵討 *3 を決心した矢先、薩摩屋敷の焼き討ち *4 で重症を負って動けなくなったのだという。敵を討てない負い目から会えないという夫の言葉に対し、妻も娘を預けた後、身を汚されたことを詫び自害するつもりだと決心を吐露する。その覚悟を聞き、「くれぐれもはやまった真似はしないよう」という言葉と共におりくは夫の居場所を告げる。が、裏から通行手形を斡旋した目明しが幕軍に彼女のことを密告し……

 諸事情から製作予定だった「新必殺仕置人」の製作が遅延し、急遽作られたシリーズの第一話。が、とても急造のシリーズとは思えない出来である。世の中がひっくり返ろうという中で誰も彼もが心がすさんでいる時世、すれ違いが生じる悲劇、そして虐げられた弱者のための、ぎらついたまでの怒り。今回のメンバーは元締おりくに足技で相手をしとめる直次郎、ピーター演じる含み針が武器の新之助、白濱屋の飯盛り女おいね、そして薩摩の密偵の土左ヱ門。おりく役の草笛光子は「必殺必中仕事屋稼業」でも元締めを演じているが、多分にウェットだった仕事屋のおせいと異なり、おりくは金をもらうことを前提としており、ドライな印象を受ける。またメンバーも、土左ヱ門を巡って仲間内にも打ち解けないものが感じられるが、しかし話が進むにつれ根底に熱いものが流れた物語が展開していく。土左ヱ門を演じるのは山崎努だが、必殺シリーズでの当たり役・念仏の鉄とはまったく違った役作りにもうならされる。初期の必殺シリーズ全体に言えることだが、この話も目の演技がものすごい。
*1: 旅籠にいる遊女のこと。
*2: 遊女の斡旋業
*3: 妻の敵を討つこと
*4: 史実。 庄内藩兵が1868年に火を放った

[その他] 「人気」

 さて、表題の字はなんと読むでしょう?
 居残りで実験をしてる最中、やっぱり居残っていた同室の留学生のDさん(中国人)に「今日は部屋にニンキがありますね」と言われ、「?」となった。部屋が人気、とはどういうこっちゃ、と悩んでいたのだけど、よくよく聞いてみると「ひとけ」のつもりで「にんき」と言っていたらしい。確かに漢字は同じだ。漢字の本場出身だけあってか、同じ漢字でも読み方が違うとまったく違う意味になる、という概念を良く知らなかったらしい。
 で、意味の違いを説明したのだけど、よくよく考えると「ひとけがある」を英語で言い直そうとしても、適当な言い回しが思いつかない。「ひとけがある」というのは「ひとがいる」という意味の言い回しだけど、直接誰かと会ったとか、誰かと話をしたとかではなく、話し声や人影、物音で人がいる気配を察しているという、微妙な距離感の言葉である。
 ううむ、こうしてみると読み方を間違えてたとは言え極めて日本的な言い回しを使いこなしたDさん、あなどりがたし。
 それはさておき、 朝日調査で「小泉に首相続けて欲しくない」31%朝日 )。う〜ん、続けて欲しい、欲しくないは置いといて、じゃ、誰がいるの、と言うと……「次の選挙では年金と自衛隊イラク派遣が焦点になる」なんてことも言ってるが、「日本海の海底資源とかは?」とか言いたくなる。まあ、社説見てると、日本が海底資源の所有権を主張すると困ることがあるみたいですけど。朝日さんは。(「主張するばかりではいけない」って、その言葉を中国に言える・言ったことがあるのか、こいつらは?) 一党支配がいいとは思えないが、政権担当能力があるのが一党だけしかないというのが現実だものなぁ。この状況で自由党ばかりを持ち上げてるマスコミは本当になにを考えてるんだか(社会党が政権取った時の惨状を思い出す)。
 そういえば、見て大笑いした サヨクのフレーズスレ朝日新聞が良く使うフレーズのまとめ 。具体性ってものが欠片もない……この新聞は一体なにを言いたいんだ???
  カバヤ、水野晴郎が選んだ洋画を同梱する「DVD付きお菓子」ImpressWatch )。315円という価格はおどろきだが、 ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントも「買えば買うほど得をする」というキャンペーンをやっててImpressWatch )、ラインナップのDVDが一枚目は2600円ほど、まとめ買いすると二枚目は半額の1300円くらい、三枚目はさらに半額の650円となる。DVD普及のために低価格路線に出たのはいいが市場が低価格を当たり前と認識してしまったことと、DVD所有枚数五枚以下が市場の七割ということで、可分所得の争奪戦にそれだけやっきになってるということだろう。それだけではなく、低価格化するための工夫(映像特典ディスクのあったタイトルもそれを省略する、など)もしており、企業努力が間違った明らかに方向に向いてる音楽業界に見習わせたい。
 しかし、水野晴郎の方のDVD、「シベリア超特急」がラインナップにあれば、迷わず買うのに……


2004年06月26日() 旧暦 [n年日記]

[必殺][その他] 消されてる!?

 「必殺からくり人血風編」を見ていてエンディングでなにか違和感があり、何度か見直してみると、最後の「製作」のところにあった「大阪朝日放送」の文字が消されている!? なんで気が付かなかったかというと、白く塗りつぶされてたとかではなく、文字が丸ごと消えていたから。エンディングは海に小船が浮かんでるという単純なものとは言え、静止画像ではないのにどうやって消したのだろう? とりあえず、消えた部分の波の反射に不自然な部分はなかったのだけど……
 あ、ちなみに必殺シリーズではサブタイトルのつけ方にパターンがあるものが多く、「血風編」では「〜〜の い〜〜」というもの。変則パターンは必殺仕置人で、サブタイトルの頭文字を順番に取って行くと「いろはにほへと〜」になる。だからタイトルだけで何話目かがわかりやすい。

[アニメ][マンガ] 今週の絢爛舞踏祭ザ・マーズ・デイブレイクは……

 その前に、ゲーム版 絢爛舞踏祭 (「ザ・マーズ・デイブレイク」は付かない)の情報が雑誌に流れ始める。アニメとはだいぶ違っていて、グラムは主人公じゃないし、「夜明けの船」船長のエリザベスはマッチョおばさんでなく肉布団になってるし、ヤガミはアリアンじゃなくソーイチローだし、副長は140歳の幼女ではないし、まあ、色々。期待してるけど。ポイポイダーは出るし。(ポイントはそこか?)
 で、 アニメの方 は花嫁を拾う話。救出した後、ジャージに着替えさせてるのが笑える。惚れっぽいアキは彼女に振り回された形だけど、後味は悪くない。これまで存在感がほとんどなかった東原恵もちゃっかり存在をアピールしてたし。が、しかし、エンディングテロップ見て改め見るとこの番組、声優が豪華だなぁ。一城みゆ希に家中宏、兵藤まこに高島雅羅、玉川紗己子だものなぁ。洋画吹き替えファン垂涎ですよ。
  光と水のダフネ はラストスパート。実は失われた海底都市唯一の生き残りだったマイアをめぐり、その記憶が邪魔な勢力に彼女がさらわれて……成績優秀だったはずのマイアが何故海洋庁の試験に落ちたかとか、おまじないの話とか、例の犯罪者兄弟とか、きちんと物語が収束していってる快感を覚える。レナも実はマイアのことを思いやってるのだけど、ウェットなところは決して見せないとか、キャラ立てもバッチリ。しかし、今回のトリを飾ったケビンと、実は先週の予告から綺麗につながっている支店長の地味〜な雄姿がやはりいいかと。
 そういや、チャンピオンレッドで連載している「プラレスラーVAN」で、先月の三四郎とか成田とかより、今月のスパーク石松の方がカッコイイと思ってしまう自分はなにかまちがってるんでしょうか? いや、多分瞬殺されるんだろうけど。
  マガジンZ は今月も微妙なライン一直線だけど、永井豪新人賞(永井豪の名を冠した新人賞ってのもどうかと思うが)ストーリー部門受賞の「逃し屋クリス&ジングル」がちょっと興味を惹いた。「逃し屋」なんていまどき珍しくないじゃん、と思うかもしれないけど、実は主人公はネズミ。子供のあきっぽさゆえの残酷さとか、ネズミのものの見方の面白いデフォルトとか、かなりの力作。
 友人がIRCで「コミックバンチ」連載の「ガウガウわー太」の連載打ち切りを知らせてくれたのだけど、後で 作者ホームページ を見ると編集部との交渉で一旦中断、秋もしくは冬から連載再開という形になったとのこと。雑誌の路線変更や読者層とずれてきた等の理由での古くからの連載の打ち切りはさほど珍しくない業界とは言え、「バンチ」の中では絶妙な緩衝帯になってた作品だけにひとまず安心。濃ゆい絵柄の連載を見たいだけなら、バンチなど漫画サンデーでも漫画ゴラクでもソレ系の雑誌はいくらでもあるし、もし昔の漫画のリバイバルを柱に据えるという方針なら、それにも共感できないし。とは言え、本当に再開されるのかとか、一旦こういう話が出たということで予断は許さないことには違いないかもしれないのだけど。

[その他] それってスリって言うのか?

  韓国人武装スリ集団の事件産経 )が報道されたわけだけども、報道を聞くと「4〜5人で老女を囲んで手荷物を奪い〜」と言っていて、それって「スリ」って言うのか? と疑問を覚える。武装強盗団だよなぁ。これらの武装スリ集団は 産経のコラム によると、捕まっても強制送還程度の罰則しか施されないことが多いためその後密入国により犯行を繰り返す場合が多いことなどが書かれている。交流とかなんとか言ってないで、ビザ発行の簡易化を行うならこういった犯罪への罰則規定をもっと強化すべきでは? 穴を狙うモラルの低い奴はいくらでもいるのだから。(それやこれやも考えると、民主党には絶対投票できんな……)


2004年06月27日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 時代劇

 友人から関東ローカルの サムライチャンプルー を送ってもらって五話まで見る。う〜ん、なんというか、微妙。っつーか、ぶっちゃけ一話五話以外はマズイ出来。いや、作画動画が崩れるのとか、シナリオぐだぐだだとか、時代劇なのに現代風の眼鏡をかけてるとか、ヒップホップだとかスクラッチだとか、そんなのは別に鑑賞上フォローのしようがない致命的なまでの問題でもないんですよ。特に現代とのてきとうなちゃんぽんなんて、逆に時代劇じゃ珍しくもない。元々時代劇の源流のひとつは大衆剣劇芝居なので、大衆芝居的ないいかげんさ、おおらかさはむしろあって良いと考える。 *1
 いや、具体的に言うとですね……二本差しに向かって「渡世人」たぁどういうことで? なんで唐傘がワンタッチ傘の手つきで開くねん? いや、考証をしっかりしろって言ってるわけじゃないけど、なぜ時代劇にしたのかって肝心の部分の快楽がなく、見所もなんにもない演出見せられてもなぁ……
 「時代劇」は「時代小説」ではないのだから、考証だとか設定だとか、あまり細かい突っ込みはするつもりはない。むしろ五話目くらいのイイカゲンさぐあいが好い加減 *2 。この回は絵コンテも作画動画もいいんだけど。
 あ、ちなみにやや歌謡曲調のイントロから入るエンディングは大分イイカンジ。
*1: 源流を本当にきちんとたどるのは難しいのだが、チャンバラ映画の役者を見ると上方歌舞伎界と大衆演劇出身者が多く、その流れが濃いと見るのが妥当に思える。第一、歌舞伎も筋立てとか時代考証とか見るとわりと「いーかげん」な世界である。
*2: 菱川師宣は1618〜1694年で、真面目に考えると1930〜1940年くらいの時代設定と推測されるが、とてもそうは見えない。隠密回り同心もこんな役回りはしない。が、この回は面白いので「そんなこたどーでもいい」んである。

[マンガ] サラリーマン癒し系

 「わー太」打ち切りの話をしたとき、話の流れで友人が同バンチ連載の「リプレイJ」を出した。ので「ゴメン。実はボク、リーマン癒し系マンガってキライなんすよ」と言ったら「リーマン癒し系ってなに?」と返された。
 え? え〜っとですね、それはアレですよ。え〜っと。で、以下交わされた問答。
 「島耕作とか只野係長とか?」──そうそう、その辺。
 「クニミツの政は含まれる?」──いや、主人公も対象読者もサラリーマンじゃないし。
 「サラリーマン金太郎は?」──そのものズバリ。
 「恋風は?」──いや、そりゃ違うでしょ。
 「最近の星里もちるは全滅?」──微妙。
 「なぜか笑介」──ビンゴ!
 「つりバカ日誌」──ちょっと違うかなぁ。
 「流星課長」──それは多分チガウ。
 「じゃ、野崎修平とか嫌いなんだ」──いや、野崎修平は何故か好き。
 受け答えしてて自分でもなんだかよくわからなくなってきた。個人的には新田たつおとかがもう全然ダメなんですが。多分にご都合主義的かつ理不尽な理想主義のものはかなり生理的に受け付けないのだけども、でも予定調和があるものがダメかというとそういうわけでなく、いったいどこら辺がカンに触るんだろう? あ、でも「企業戦士YAMAZAKI」はイイと思います。

[その他] 韓国ブーム・その後

  あんた何様?日記(6/20) を見て、まずそのタイトル(「本屋の韓国俳優特集のコーナーで立ち止まっている人をみたことない。」)に笑ってしまった。いや、実際は立ち止まってるところは見るのだけど、設置されてるコーナーのものものしさに比べればささやかなものであり、実感としては同意である。
 とにかく目に触れされる、名前を連呼する、露出させる、芸能人の口から語らせる、は広報の基本で、規模こそ大きいがやってること自体は目新しくない。が、目や耳に入れるということは刺激で、人間は刺激に対し麻痺してしまう。結局、一過的にブームを立ち上げるには有効でも、ブームを持続させるには別の戦略が必要。それを怠ったのが昨今の音楽業界の不振だろう。個人的にはそんな宣伝に血道を上げてるくらいなら、面白いドラマを自分たちで作る努力をその十分の一でもしてみやがれ、と思う。しかし、費用対効果はかなり悪そうなのに、どうリターンを受ける仕組なんだろう?

[その他] デカ

 「刑事」(正確には私服警官)を「デカ」って呼ぶのって由来はなんだろう、とふと思って辞書で調べる。広辞苑によれば、「角袖( くそ )」の隠語らしい。もっと正しくは「角袖警官」の略語らしいが、「角袖」とか「角袖警官」とかってなんじゃ、と思ったら、「角袖」とは和服のこと、「角袖警官」ってのは、制服でなく職務上和服を着ていた警官のことらしい。つまり、私服警官。え〜っと、それを考えると、制服らしい服を着てる デカレンジャー って、デカじゃないんじゃん。


2004年06月28日(月) 旧暦 [n年日記]

[読書] 在日・強制連行の神話/鄭大均

 ま、いつものアレだとお考えください。でもかなりお薦め。
 「在日は強制連行により日本につれられて来た者の子孫である」という「神話」を、実態との乖離、成り立ち、そして「神話」を声高に唱えるものへの批判と、順序だてて進めていく。
 「強制連行」の意味するものの曖昧さを指摘し、戦前戦中戦後の資料を引き、そして実際に日本にやってきた世代の聞き取り調査を載せ、「神話」とそのイメージを切り崩し、欺瞞を糾弾していく様は安定感がありかつ読み応えがある。特に、在日本大韓民国青年団発行の「アポジ聞かせてあの日のことを」からの引用は衝撃的ですらある。第二世代以降の在日韓国人による渡日第一世代への聞き取り調査なのだが、「無理矢理連れてこられた」という者はそれほど多くなく、あるいは食えなくなったため出稼ぎに、あるいは学問のため日本に渡ったという動機が多く見られる。中には正規の手続きではなく密航してきたと言う者も少なくない。これらは引用で恣意的に拾われている可能性もあり、統計的なものではない。それよりそれらのコメントには言葉の違いや差別に苦しみながら、あるいは割合恵まれた環境で働く、世界のどこにでも見られるだろう出稼ぎ労働者や移民の姿が克明に浮き出されている。
 鄭氏は劣悪な環境や差別や、強制的に連れてこられた人たちの存在を決して否定しているわけではない。しかし、それがすべてではないし、そういったものと戦いながら日本にやってきて生活基盤を築いたのは在日朝鮮民族の自発性であると主張する。そして「強制連行神話」の跋扈により無制限に被害者としての立場を取ることが可能になり、その立場に依存するのは、異邦の地にやって来てそこで生活を築いていく人々にとってはマイナスにしかならない、という信念が見える。おそらく氏が強制連行神話を糾弾する最大のモチベーションはそこにあるのだろう。
 そんなわけで、基本的に氏の語り口は引用元をはっきり示し論説は簡潔明快で非常に理性的なのだが、無責任に学術的にいいかげんな論で強制連行を主張する文化人に対してはかなりはっきりと糾弾している。
 在日への地方参政権付与や対韓国・北朝鮮の外交についていろいろ取りざたされているからこそ、読んでおきたい本である。
 金嬉老事件自体についても個人的に若干思うところがあるが、それはいずれ機会があれば。その機会はないかもしれないが。
 あと、この本に若干関連して 岡田民主代表「日韓両国で共通の歴史教科書を持つ必要があるのではないか」 (元は読売の記事。googleのキャッシュ)。無制限の被害者の立場を主張する韓国側と共通の教科書を持つべきと日本側の政治家が言っている現実に、少なからずぞっとする。

[映画][その他] 京極堂シリーズ映画化

  京極堂シリーズ映画化。主演は堤日スポ )。いや、主演とかなんとかよりか、榎木津役は阿部宏ですか。中村敦夫じゃないのか。ところで中村まこと役はもちろん藤田まことですよね?
 知人のところで紹介されてたので 火の鳥 の後番 ポワロとマーブル のキャスト見たら、一話のゲストが草笛光子じゃん! おせいさんでおりくさんですよ! 俺たちは無様に生き残ったんだ、無様に生きましょうや。

[必殺] 非道にたてつく紅い刃

 「必殺からくり人血風編」第二話。土左ヱ門は仲間の密偵とひそかに落ち合い、榎本武揚暗殺の密命を受ける。直次郎の元には中年女・お梅が尋ねてくる。色町に捨てられていた直次郎にとっては育ての親の一人。娘夫婦のところから飛び出てきて、飯盛り女に雇ってくれるところを探し、玉転がしの直次郎を頼ってきたのだ。さすがにどこからも断られて仕方なく白濱屋が引き取る。さすがに客も引くが山下という気の弱い幕軍の兵士を半ば無理矢理なじみにしてしまい、そこそこ上手くやっていく。しかし実はお梅の娘おさわの亭主はおさわにも内緒で官軍の密偵をやっていた。また、山下の仲間の悪い連中がお梅が小金を貯め込んでいることを知り、その小金を掠め取ろうと算段する。
 今回は浅香光代演じるお梅が主役を食っている。特に「品川心中」ばりのくだりには思わずニヤニヤ。しかし女の子たちに頼られながらも彼女らの斡旋先に苦慮する直次郎に、貯めた小金を貸し出す人情に篤いところも。そのふてぶてしくもたくましいお梅中心のユーモラスな前半が一転、そのお梅が小金のために殺されるというすさんだ時代ゆえの無慈悲な結末に。お梅から奪った金で白濱屋のつけを払う兵士たちに、怒りを押し隠しながらお梅の命銭を拾い集めるおりくの演技も良い。話はお梅中心の直次郎の側と、仲間の密偵が殺される土左ヱ門側との二つにわかれてるのだが、お梅の娘さわと榎本暗殺も絡めて要所要所で上手く話が分散しないようにしてある。巧みな語り口。また、直次郎の過去と土左ヱ門の密偵としての顔と、それぞれからくり人たちの素顔にもクローズアップしている。からくり人同士の不和も感じさせ、次回への期待をもたせる話。
 どうしてからくり人たちがお梅殺しの犯人を知っていたのかが謎だが、最後に隊列の中の山下が登場しているところを見ると、お梅殺しを知った山下が白濱屋に駆け込んだんじゃないかと思えて仕方ないのだが……


2004年06月29日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] 自衛隊の多国籍軍への参加

 え〜、参加の是非自体は論じるつもりはありませんので。とりあえず。
  安倍幹事長「民主党の反対は約束違反」時事通信 )というのを見て、そういやそんな話もあったかなぁ、と思い検索してみると、 あったあったY!hl )。確かに菅直人氏(当時民主党代表)がはっきりと「国連主導なら多国籍軍への参加を支持」と述べている。これは党首として、党を代表しての発言だろうか。それとも個人としての発言だろうか。いずれにしても党の総意が反対ならば、この時点で菅元代表を糾弾してなければならず、非常に場当たり的で一貫していない政党という印象はまぬがれない。別に自民党がベストとは思わないが、こいつら(総体としての民主党)はひどすぎる。本当に「多国籍軍への参加」が選挙の争点になったら、困るのはこの風見鶏ぶりをさらしてる民主党なんじゃない?
 また、実質上はともかく、形式的には先日のイラクの暫定政権への統治権委譲にともない、条件は満たされることになる。 イラク暫定政権からの多国籍軍支援要請は国連全会一致で可決されており産経 )、これに反対するということは国連決議に違反しろ、ということでもある。多国籍軍への参加が云々と言ってる政党やマスコミは、このへんのことをわかって言ってるのだろうかと思うのだが……マスコミの報道の偏り方にもほどがあるってもんだ。

[必殺] 怒りが火を吹く紅い銃口

 「からくり人血風編」第三話。大店の伊勢屋は五人組の強盗が入り全財産を失い、借金を返すことができず倒産した。しかし、実はこの強盗は狂言で、幕府に勝ち目なしと踏んだ伊勢屋は全財産を盗まれたことにして官軍に供出、維新後の政府の取引を一手に引き受けようという腹なのだ。そんな中、直次郎は土左ヱ門が官軍の密偵と睨みつきまとい、始終目を光らせる。土左ヱ門はあまりのしつこさに閉口するが、直次郎の遊び仲間三人が死体で見つかる。彼らと伊勢屋とのつながり、そして伊勢屋と官軍のつながりがあると知った直次郎は、土左ヱ門に伊勢屋との関係を問い詰める。そのうえ、直次郎のもう一人の遊び仲間が直次郎の目の前で狙撃・射殺され……

 官軍の密偵としての土左ヱ門、心を開かない土左ヱ門に疑いの目を向ける直次郎との間の立場を超えた友情と、二人が元締めのおりくに向けるほのかな思慕と、シリーズを通しての関係がここで築かれることになる。そして、この話があってこその最終話である。
 遊び仲間が目の前で殺された直次郎が怒り、土左ヱ門に襲い掛かる。土左ヱ門は直次郎に殺されかけながら、「お前に殺されるんなら俺は幸せだ」、「俺は心底お前たちの仲間になりたいんだ」。それをきっかけにお互いを認め合い始めた二人がおりくへの思慕をはさんで急速に距離を縮めだすも、手がかりの狙撃手を目の前で殺され、再び直次郎は土左ヱ門に疑いの目を向ける。しかし、土左ヱ門抜きで官軍への供出金を奪おうとするからくり人たちを救ったのは、同士のはずの官軍に向けた土左ヱ門の銃口だった。
 静かに熱い話。それだけに、最終回は悲しい。

[マンガ] 今日の買い物

 「グレイトフル・デッド」は面白いんだけど、おまけがないのは物足りないかも。続きがあるのかどうかがわからないのが微妙に不安なのだよなぁ。「ナポレオン」は、OURsのあの解説は誰が書いてるのかと思っていたら、市井のナポレオン研究者(?)に書いてもらってるということ。今巻からその解説も載ってます。最近の長谷川氏の絵柄の「目」の書き方はちょっと気に入らないのだけど、刑吏シャルル・アンリ・サンソンとマラー殺しのコルデーのくだりは、非常に目の表情の付け方が良い、と思った。これは連載のときから思ってたけど。
  朝目新聞 さんの 「○○○様が見てる」特集水木しげる版ジョジョ「ゲゲゲの承太郎」
 本体にたかるスタープラチナと妙に怖いような怖くないようなクリーム、ワロタ。