不定期日誌


google検索

日記内検索  ウェブ全体から検索

hns - 日記自動生成システム - Version 2.19.9

先月 2002年10月 来月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
HNS logo

2002年10月11日(金) 旧暦 [n年日記]

イカスCM

 話ではオランダの保険会社の CM らしいのだけど、なんつーか、怖いもの知らずというか、シチュエーションが洒落になっていないっつーか。今の北朝鮮の一般市民にこんな恰幅の良いヒトがいるかどうかはそもそも疑わしいけど、彼の運命が心配である。
(追加。今は見れないらしいのでCMの内容説明。どうも「かの国」と思われる国で、マスゲームの練習をしている市民。解散し、その中の太目の市民の一人がマスゲームに使う真っ白なボードを持って、自転車をえっちらおっちらとこぎながらアパートの部屋へと帰っていく。翌日、市民総出のセレモニー・パレード。バルコニーから満足げに見下ろす「かの国」の指導者にそっくりの男。ところがマスゲームのパネルがぱっとひっくり返り、指導者の肖像画になると、顔色が変わる。指導者の歯の部分のパネルが抜け落ち、「歯抜け」の顔になってしまっていたのだ。場面が切り替わり、そこを埋めるはずだった昨日の太った市民の部屋、まだいびきをたてて寝ている。再び画面が変わり、指導者が隣の軍服の側近に何事かを耳打ちする。最後にこの後の運命を知らずに眠りこける例の男、そして「保険をかけましょう」の文字が重なる)
 昨日書いた通信簿に愛国心の評価があるのを在日系市民団体が非難した、という話なのだけど、 つづくニュース を見てみると「日本人としての自覚」であって、微妙にニュアンスが違う。だからと言って確かにそれなりの割合を占める在日コリアンを考慮しなくていいということでもないけども、しかし声だかに非難する内容とも思えない。市教委の返答もちょっと頓珍漢なんだけどね。
 韓国がらみのネタが続いてごめん。 韓国の対日訴訟者、韓国政府に対し韓日協定文書(日韓基本条約)の公開を求め訴訟 。っつーか公開してないの!? 当然のことだけど、 日本では機密文書扱いでもなんでもない 。いまさらながら、韓国という国に驚かされる。知らされてないのでは、賠償関係がどうなっているのかという意見が食い違うわけだ。
 こないだ日記に書いた 衛星軌道ゲーム 、なんか知らないけど 野尻ボード にも書き込みがされた。ほぼ同時期にあちこちの日記、ニュースサイトで取り上げられたらしいのだけど、 ここ を参照すると(月と地球の間に衛星を浮かばせてみよう!)日付はウチのが一番早かったっぽい。もっとも私のネタ元は 2ch宇宙板H-IIAスレ なので、ここを経由して伝わってった情報かはわからないけど(少なくとも、伝播力が強かったのは Appendix さんのところらしい)そうさとすると、なんとなく放流した稚魚が大きくなって食卓に並んでいる気分である。どんな気分やねん。
 NHK−BS1の金曜アニメ館で富野監督出演で新作 キングゲイナー の特集。いわばライバルのWOWOWで放映の作品なのだから、なかなかにNHKのオタクっぷりはあなどれない。今回は福々しいばかりの「誉めて誉めて」オーラを発散しており、いつものアレっぷりはひかえめだけども、やはりのっけに「『ガンダムの富野』と呼ばれるのはイヤ」(まあ、二十年も言われ続けてればねえ)とか、飛ばしてくれてました。キングゲイナーは今のところ、その自信に見合うだけの内容だしねえ。しかし、司会者が私物の特大シャアザクを持ち込んでるのは笑った。いや、微笑ましいです。


2002年10月12日() 旧暦 [n年日記]

どうせ今時中島みゆきと山崎ハコが似合う女よ〜!

 ってわけで友人から借りた 山崎ハコ のベストアルバムのテープを聞いてみる。その友人いわく「仕事場で夜中一人で聞いてると死にたくなる」とか「車を運転してるときにかけるとあぶない」とか、そういうものをぽんと渡されてもなぁ。実際は先月末に借りていたのだけど、聞く勇気がなくって。なんすか、この「こころだけ愛して」って。死ぬだのなんだの言われたほうがまだマシっすよ。いっそのこと殺してくれ〜。
 NHK−BS1で 海の勇者ホーンブロワーのテレビドラマ が4回連続で放映されていた。ホーンブロワーの本シリーズではなく、外伝の若い頃の話をドラマ化しているらしい。一本目の外伝以外、読んでないのでほとんど原作との比較はできないのだけど、かなり面白かった。士官候補生がさまざまな困難と出会い、成長していくというオーソドックスな筋なんだけどね。ただ、補給が絶たれて船員の食事制限が行われ、だんだん雰囲気が不穏になっていったりとか、敵に囚われたときの待遇とか、士官(士官候補生も)と一般水夫との違いだとか、ささいな日常とか、そういったディテールにもとづく生活観がやはりすごいし、物語の緩急のつけかたも次々と問題が起こっていき、余談を許さず面白い。登場人物が単純に悪党とかそういうステロタイプでなく、きちんとキャラクターが確立しているので端役にも魅力がある。これは評判が良いわけだ。
 関係ないけど、検疫する、という意味のquarantineという単語は、もともとは船舶の検疫期間が40日間だったことに由来する。
 こないだ半藤一利著 ノモンハンの夏 を買ってきて、ようやく読み始める。タイトルでわかるとおり、 ノモンハン事件 についての本。「司馬遼太郎が書けなかった」とか帯にはあったけども、あれやこれや読んでみると、司馬遼太郎はノモンハン事件について書くことを「人生の浪費」と言っていたようである。「日本は歴史からなにも学ばない」とも。この本ものっけから陸軍参謀本部の無能が描かれる。無論、原因は一箇所に限定できるわけではないけど、責任なしとおいうことでもない。日本陸軍最大級の汚点の話、なかなかに先が楽しみである。


2002年10月14日(月) 旧暦 [n年日記]

ギャルゲガンダム

 先週末から、一週間遅れで ガンダムSEED が始まった……けど、名古屋ではNHK総合でやっていた 老人と海 が重なっていたのでそちらを優先。たうぜんである。
 ってか、フレッツを契約してるので オンラインで見ることができたりする からだったりする。「老人と海」は前から評判を聞いていたのだけど、前回の放送予定が野球中継の延長のあおりをくらって延期。まったく、野球中継ってのはろくなことをしない。絵的な美しさはもちろん、老人のしぐさ、動作にいたるまで細かく表現されており、5年の歳月がかかったというのも納得の出来だった。
 で、ガンダムSEEDの方。初代ガンダムの系譜の宇宙世紀ではなく、またまったく別の世界観。でも、 ターンエー に帰結させられるんだろうなぁ。マンダラガンダムでも飲み込んでしまう設定だし。つくづくターンエーの設定は良く出来てる。
 肝心の本編だけども、「ああ、一話だねえ」としか言いようのない内容。っつーか、これで何を言えと?(いや、誰も言えとは言ってないけど) 敢えて言えば、ギャルゲの冒頭で義務のようにヒロインや脇役のキャラクターが出てきて「起こしにきたのは幼馴染の××だ」とか「親友の○○だ」という味気ない文章を眺めているのに似ている。某所で「メカとキャラクターのカップリングしか話題に出ない」と言われていたけど、これではそれ以外に話題の出しようがないだろうなぁ。
 無責任な噂では企画書の最初に「ガンダムW(ウィング)には“萌え”が足りなかった」とぶちかましているらしいので、まあ、ある意味狙いどおりではあるのだろうけど……
 で、「ターンエーガンダム劇場版地球光・月光蝶」を借りてきたので見る。全部で4時間オーバーなのだけど、一気に見られました。う〜む。
 50話近いテレビシリーズを編集しての劇場版なので当然語り口が足らないところはあるのだけど、富野監督が「地獄の黙示録・特別完全版に勝とうとしたアニメがあったことを忘れないでください」と豪語しただけあって、魅力は衰えていない。キャラクターをただ視聴者に放り投げて視聴者のおもちゃにするにまかせるではなく、ストーリーの中でキャラクターを作ってなおかつ視聴者にも遊び甲斐を持たせるというのがやはり本筋ではないかと思える。
 偽者ライダーのくせに 仮面ライダータイガ より強い 仮面ライダーオルタナティブ 。っつーか、全身黒っぽいんであまり映えないけど、デザインの特徴だけで言ったら13人ライダーより仮面ライダーっぽくないかい?


2002年10月15日(火) 旧暦 [n年日記]

「なら、引き渡しましょうよ」

 @ キングゲイナー 。ロンドン・イマから「ゲイン・ビジョウを引き渡せ」と言われて。こいつらさばさばしてるなぁ。言われたゲインはゲインで「俺に だと? そんなバカな……こともないか」って、身に覚えはたくさんあるようです。新登場のアスハム・ブーンも、単にゲインに対抗意識を燃やしてるわけでなく、 実はゲインの子供を産んだ妹のためにゲインを引きずり戻そう としている、いい兄ちゃんだったりする。ってか 子持ち だったんかい、ゲイン。
 この番組、よくよく考えればあからさまなギャグっぽいシーンとか動きとかは第一話からまったくと言っていいほどしていない。だけど、ちょっとしたやり取りとか間で笑わせるというのは、やはり富野氏の手腕は並々ならない、と感心する。しかも演劇とか作画枚数の制限が飛躍的にゆるい劇場用アニメではなく、毎週放映するタイトなスケジュールのテレビアニメでそれをやってるのだからなぁ。
 しかし、キングゲイナーのオーバースキルがさっぱりわからん。時間を止めたかと思えば、今回のはゴレームと同じスキルみたいだし、相手と同じスキルを使えるってことなのか。あと、肩の上にあるバレルはなにかと思ったら、オーバースキル用のバレルですか。
 なんか見失ってるのかぁ、という気がしないでもないのが第三期目の ギャラクシーエンジェル 。新キャラ投入で、新キャラと旧キャラの立ち位置を模索してるようにも見えるけど、やはりこなれてないみたい。まあ、あたりはずれは旧作からそうなんだけど。
 こないだの連休に京都で在日朝鮮人学校への暴行・差別を批難するデモがおこなわれたそうな。 こちらはそのビラ 。しかし、不思議なのはチョゴリの切り裂きなどの事件が百件以上あったという学校・総連側の主張に対し、実際には警察への被害の届出は三十数件にとどまり、また、それだけ事件が頻発してるにも関わらず当事者や目撃者をネット上でまったくと言っていいほど見ない。これは総連側の「捏造」説も流布していて、すべてが捏造ではないだろうけど、あるいは……と思えてもしまう。金正日が拉致を認めた時に民族学校の塀に書かれたという「(拉致被害者を)返せ」という落書き(ちなみに実際の落書きは「反せ」となっていた……)も、問い合わせた人によると「大事にはしたくないので警察には届け出てません。(でも)マスコミには連絡しました」と頓珍漢な返事が返ってきたそうな。大事にしたくないなら、警察には届け出て、マスコミには連絡しないものだと思うけど、こちらの常識が変なのかなぁ。すべての被害が捏造とは言わないけど、少なくともマスコミを使って自らの被害者の立場を強調し、それを利用しているようには思える。
  ドイツの書籍見本市におけるマンガブースの盛況ぶり 。なんでも、ドイツでは従来のコミックが停滞しているのに対し、日本のマンガの市場が飛躍的に増大してるのだそうな(MANGAという単語はそのまま英語で通じる)。いや、やっぱ気合の入った外国人のコスプレはやはりなかなかアレですが。しかし、今度ドイツで創刊されるらしい 日本の少女漫画誌 で唯一ドイツ人作家として連載するドイツ人の女の子が
(問) ドイツのマンガ家なのに、どうして今度の作品は、日本を舞台にし、日本人が登場し、座布団なんかの日本的な環境が描かれているんですか?
(答) ん〜〜〜。どうしてって、かっこいいじゃない。私、好きなんです。
 ん〜〜〜。そういうものか。
  コミックフラッパーコミックバーズ を入荷する書店がまた少なくなってきている。バーズは柱の連載「羊のうた」も終了したし、本当に大丈夫なんだろうか。どっちもわりと気に入ってるんだけど。


2002年10月16日(水) 旧暦 [n年日記]

人参チョコ

 人参と言ってもcarrotの方ではなく、朝鮮人参の方。お土産で研究室にいただいたものだけど、韓国土産だそうな。いや、味は普通のチョコでした。しかし……
 ふと、野菜のニンジンが朝鮮人参(高麗人参)と同じ名前なのは、やっぱ似てるからなんだろうかと思ったら、友達が見つけてきてくれたのが このサイト 。やはり、最初に渡ってきたニンジンは朝鮮人参と似ていたからみたいです。昔時代劇を見て「ニンジンニンジンって、なんであんなものがそんなに高価なんだ?」と不思議に思ったよなぁ。実際に物が出て「全然ニンジンじゃないジャン」とも……
 ワールドカップの時に韓国代表が大統領秘蔵の人参を相伴にあずかったということからも、韓国人の人参信仰ってのはおそらくかなりのものがあるんだと思う。西遊記でも「人参果」というのが出てくる話がある。諸星大二郎の「西遊妖猿伝」(どこかで再開しないかなぁ)では、 人間の赤ん坊を苗床に冬虫夏草のような菌類を繁殖させたもの、ということになっていた 。こういった「人参果」と「人参」の信仰はやっぱ関係あるのだろうか? 余談だけど、夫のために人外に身を変えてまで尽くす扶桑夫人の話は結構好きだったなぁ。
 以前、アポジモーターの酸化剤の枯渇により、寿命が短くなるのではないかという報道がなされた『こだま』だけども(実際は短くなってません)、 その酸化剤枯渇の原因が判明した らしい。業者による部品の取り付けミスですか……設計ミスとかではなかったとは言え、それはそれであまり誉められない気も。予算削減の煽りかなぁ。
 衛星がらみでもひとつ、 ひまわり五号の退役が来年四月に決定 。次の衛星が上がるまで、アメリカのを貸して貰うんですね、結局。打ち上げ予定はどうなってたっけ? 古い情報では、来年三月となってますが……(次のはH-2のと同じ、多目的衛星?)
 日本の気象衛星は日本だけではなく東アジア・オセアニア地域一帯の気象観測も行っているので、日本一国の問題というわけでもない。現代において精度の高い気象情報は各方面に重要なので、早いとこアメリカの間借りから抜け出したいものです。ちなみに各国気象衛星の様子は こんな感じ
  英国で軽油の代わりに使用済み調理用油でタクシーを走らせていた運転手を摘発 。いや、戦車のディーゼルエンジンは多燃料ディーゼルエンジンとは聞いてるけど、タクシーのディーゼルエンジンで……大活躍だな、フィッシュ&チップス。


2002年10月17日(木) 旧暦 [n年日記]

家族の問題

 北朝鮮からの拉致被害者の五人が一時帰国し、ニュースとなればそれでもちきり。確かにいろいろ気になるニュースではあるのだけど、さすがに過剰報道ではないかとも思える。事前に各種情報や状況証拠から、強度の洗脳状態、もしくは脅迫がなされて帰国するだろうということは推測されていた。たしかにそれをにおわせる発言や言動などがあるけども、それに騒ぐことがとりたてて大事とは思わない。そっとしておけとまでは言わないけども、あまり周囲で騒ぎすぎるのもねえ。それよりは、問題意識の持続のほうが大事だと思う。ただでも家族はこれから大変なんだし。
 この手の「洗脳」だのなんだのという話をするときに、「自由意思」というのがどこまで自由意志か、というのは常に多少は起こる疑問だと思う。北朝鮮における状態は明らかに異常なのだけど、だけど「まったく、クリーンな状態」というのもありえない。そもそも心だとかそういうのは、外部における問題や刺激を解決するために発生したものだから、ある意味「なにか」に対する「反応」でしか、心は測れない。その「外部刺激」と「反応」の関係が、柔軟性があるものが最も理想的な系だろう。だが、ある定まったルーチン的な系で固まってしまう、つまり、柔軟性を欠いた系に陥りがちなのも事実。それでも生活が出来るのであれば、系の目的は達成していることになる。社会だとか、そういう話になると少し変わってくるけど。だから、あまり内的な話にこだわりすぎるとこういった問題はどうどうめぐりになりかねない。もっと社会契約的な概念を用いて語るべきだと思う。社会契約だとかなんてものは、そういったことのために作られた道具なのだし。
 余談でちょっと考えたことをメモ。私は物理学科出身なのだけども、物理出身者には心だとかそういった哲学的な命題に興味を持つ者は少なくないし、私もそのでんだと思っている。心に形はないとよく言うけども、心がなんらかの形で表現されるための抽象的活動だとすれば、すなわち表現そのものが心であり、表現に形があるのであれば、心に形はある。かなりディベート的詭弁だけども。ただ、思考は心の一部ではあるけども心そのものでない以上、心というのはなにをしたか、たとえばなにをどう書いたか、人となにを話したか、どう接したか、周囲との関係性により浮き上がるものが心であるのかもしれない。例えば、言葉で話した内容、文意そのものは、たとえ思考を連ねたものでも心そのものではないが、しかし話した言葉は心であるという、そう言うこともできる。結局、他者、社会との関係性の中にのみ心はある、あるいは意味を持たない。
  ソノラマ社 の怪奇雑誌 ネムキ (旧「眠れぬ夜の奇妙な話」)だけども、ここ暫くあまり見ていなかったら、諸星大二郎の「栞と紙魚子」の他にも星野之宣氏や柴田昌弘氏が連載していた。何時の間に。メインの読者層がローティーンから二十台前半の女性だと思うのだけど、こんなマニアックなラインナップ引っ張ってきてたのか。
  日本版スペースシャトル、無人実験開始 。有翼往還宇宙機というのは実はあらゆる意味で効率があまり良くないのだけど、しかしやはり見栄えがするので予算もつきやすいらしい。いろいろ可能性を模索するのは良いことだとは思う。それが他の可能性の芽を摘まないことを祈るのみだが(ひまわり後継機の件といい、宇宙開発予算、もうちょっと考えて欲しい気も)。
  米の連続狙撃事件で男性事情聴取 。今のところ、あくまで参考人ということらしいけど、事件が早く終結することを祈る。


2002年10月19日() 旧暦 [n年日記]

ノモンハン

 ちょいと富山に学会で出張。でも、遊びに回る余裕はほとんどなし。おそばが大変おいしゅうございました。
 で、行き帰りで ノモンハンの夏 を読み終わる。なんと言うか、非常に徒労感の残る内容だった。筆致が、ではない。作家の技量が問題があるとか内容がつまらないではなく、司馬遼太郎が「人生の無駄」「過去から学ばない」と言った理由が非常によくわかるものだったのだ。
 端的に言って、日本軍が太平洋戦争で行った失敗が凝集されている。軍の指揮系統をまったく重んじない軍部上層部の暴走、情報不足にもかかわらず、自らの夢想のみの都合よいばかりの敵味方の戦力想定、場当たり的で統一性のない戦略の見通し、客観的観測を傍若無人な精神論により封じる傾向、輸送兵站の徹底的な軽視、そして自らの無責任を無責任と思わぬ傲慢さ。これらが凝縮された戦闘(一般に「ノモンハン事件」と呼ばれているが、「ハルハ河の戦い」と言うのが正確なところである。「戦闘」ではなく、あくまで特殊な「事件」だとするところに、すでに参考すべき判断対象となされていないことがわかる)にも関わらず、日本軍はここからなにも学ばずに繰り返している。これでは知るほどに絶望するのも無理はない。
 ハルハ側河畔の戦いは、日本軍の、というより当時の日本の問題点の凝縮された事例と言う点では疑いない。しかも、日本はそれにまったく学ばなかった(これは国民も含めてである)。かんがみて、現代はそれよりマシと言えるのか。胸襟を正す思いである。
 もう一つ、ハルハ河において数千の、太平洋戦争においてさらに数百万のうちのいくらかの生命を自省することもなく無碍に死においやった参謀辻と服部の存在には流石に慄然とした。この二人は、ガダルカナルの惨事における最大の戦犯と呼んでも良いことも付記しておく。
 余談だけども、この時期に日本全体が反英・親独に傾いていった理由の一つとして(と、いうより海軍がなのだけども)、例の「海軍メイドさん事件」があげられていた。やっぱそうなのか〜〜。
 先日に北朝鮮拉致者のことを云々と言ったのは、北朝鮮が核開発を認めたことがどう動くかの方が現時点では気になったからだった。北朝鮮が核開発をしているであろうことは大方予想がついていたし、一部事情通では公然の事実として捉えられていた。具体的に一体どういうつもりで認めたのかが不明だったのだけど、「現在の米軍には独力で二正面作戦を戦いきることはできない」という話を聞いて、合点がいったように思える。それが事実なのかどうかは不勉強な私にはわからないが、事実だとすれば、イラクと強調し、譲歩と脅迫によりアメリカをけん制する外交的手段に思える。場当たり的ではあるけども、現時点をしのぐには唯一の手段であるとも思える。どのような結末を迎えるかはわからないけども、「朝鮮人民民主主義共和国」という国が存続しての決着はないと思う。金正日が上に立ちながら現状よりの回復はありえないと思うし、また、トップがすげ替わったとしても現在よりマシになるだけの体力・民度があるとも思えない。とはいえ、もしことを構えるとなれば日本抜きでは語れないだろう。遠い地球の裏の話ではなく、国境を接する国である。どうなるのか。不安を感じずにはいられない。


2002年10月20日() 旧暦 [n年日記]

世の流れは早い

 昨日北朝鮮の核開発のことを書いたら、 もう重油が止められたらしい 。また、枠組合意も破棄されたとかされてないとか。おいおい、とさすがに思ってしまう。ブッシュ大統領はイラクと北朝鮮を同時に相手取る自信があるのだろうか。イラクがひと段落つくまではそこまではあるまい、と思っていたが、事態の進展は予想以上に早いようだ。
 ここまでのタカ派とはなぁ。本当にどうなるんだか。
 今月の「琉伽といた夏」に出てたタコマ橋の 映像 (mpeg)と その崩落の説明 。恥ずかしながら、「共鳴によるもの」という説が誤りだという話は知りませんでした。ってえか、未だに高校の教科書にはそう書いてあるんですが……本当はまさかカルマン渦のせいだったとは。
 先週末はマンガ誌の小ラッシュ。 GXウルトラジャンプヤングキングアワーズ 増刊。GXは犬上すくね氏の「ラバーズ7」が新連載。「ピンポン5」と言ってはいけないのか(って話が全然違う)。GXも独自のカラーが出てきたようで(アワーズと連載陣が似てるとか、それでもインパクトがあまり強くないとかはあるけど)。来月号の付録に別冊で「最終兵器彼女」が付くということは、やはり決定力不足を示してるのだろうか? そりゃ、アニメ化されて旬だとは言え。先月から新連載を始めた 松枝尚嗣 氏は、久々に見たら絵柄が変わっていてびっくりした。少し古臭い絵柄から、今っぽい見やすい絵になっている。絵柄的に秋重学氏のに近くなってるのだけど、アシスタントでもされてたのかしらん? 他にもまざってる気がするのだけど、確信は持てないなぁ。ウルトラジャンプはスタイルが定まっていてセンスがいい。連載の柱もしっかりしてる。けど、うーん、なんだろう。何故か全部読んでも物足りない感じがしてしまう。これはずっと感じてるのだけど、正体がイマイチつかめない。アワーズ増刊は増刊なので、他の二誌とは必ずしも同じには語れないのだけど、編集部内部の分裂ともささやかれているアワーズライトの創刊に端を発する体勢の混乱が落ち着いてきたのか、本誌連載の外伝などを掲載しつつ、新人さんを積極的に載せていくという増刊号本来のシステムが軌道に乗ってきたように思える。いずれの新人さんも即戦力とは思わないけども、荒削りな面白さはあるので上手に育っていって欲しい(その意味では、本誌に短期連載をしている水上悟志氏もまだ即戦力の段階ではないと思える)。
  ガンダムSEED 第二話。うーん、なんというか、未だに方向性が見えてこない。少なくとも軍隊を書きたいわけではないらしいことはわかったが、「普通のロボットもの」という以上の感想がまだ浮かばない。PS装甲で色が変わるところとか見て、「富野監督だったら、ここでこうやったりするんだろうなぁ」とつい比較してしまう辺り、こっちもあまり良い視聴者とは言えないけど。もうしばらく様子見。
  龍騎 は急ぎ気味の展開を演出で納得させてしまうあたり、上手いと思ってしまう。不明だった東條のキャラを番組終盤の展開ではっきりさせている。しかし、龍騎サバイブのマスクは正面から見せない方がいいと思う……
  ギャラクシーエンジェル は、新キャラの登場がほとんどなく、旧シリーズのノリで安心して見られた。でも、それもどうかではあるのだよな。しかし、ヴァニラの髪は…… セントビート
  フジツボは甲殻類知りませんでした
  バカを連呼されるベレッタちゃん 。やはりベレッタの定冠詞は「バカ」なのか。(バカアクション映画限定)