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2005年06月11日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 見えても気にしない

 先週の 絶対少年 で新たなお色気要員・濁らない須河原サンにキャラ負けした深山三姉妹の次女美紀はついに露骨なお色気作戦を決行。ミニスカート姿で柵を乗り越えるふりをいて歩少年にパンツを見せつけたり、MBに二人乗りして身体を密着させるなど、破廉恥きわまりない所行に及んだ模様……ってなウソあらすじは置いといて、当面の主要キャラ総登場および、起承転結でいうと「承」の部分に当たるのか。
 田舎は田舎で面倒な人間関係が存在していて、美紀、亮介、拓馬の幼なじみ三人も、単純に昔通りにはいかなくなっている。亮介は潮音や歩のような異分子への対応が上手く出来ず、おかしな距離の取り方しかできない。また、美紀と拓馬にくっついてほしいと願ってる節がある。拓馬は、つき合ってるのか告白されたのか、それとも露骨な態度から察したのか、潮音と微妙に恋愛関係的な接近をされ、それを拒否しきれないながらも、潮音との接し方がわからず、むしろ美紀と親しくしてしまう。美紀は、潮音に遠慮しているのかそれとも拓馬となにかあったのか、拓馬から友人以上の接近を持たれることを快く思っていない。また二年前の神隠し以来神がかってしまった妹の美玖と普通に会話している歩に興味を抱いている。
 男二人と比べて多分美紀は美玖とは違った意味で違うものが見えているのだろう。異分子の登場に上手く対応できない亮介と拓馬と違い、積極的に距離を詰めていこうとする。それには美玖の存在も大きいのだろうけども。
 コミュニケーションのとり方自体が稚拙な歩・潮音の都会組と違い、田舎組は関係の変化という点で戸惑っている気がする。
 後半は歩とわっくんの話に。オカカ婆に導かれるように入った森の中で、再開したわっくんと約束をするのだけど、次回のサブタイトルが「夢の軽さ約束の重さ」ってので、なんか嫌な予感。
 と、真面目な話はさておき、いかにもアニメのヒロインな外見に対して、美紀ってわりと姉御肌というかサバサバしてるというか。あんなものと言えばあんなものなのだろうけど。第二話とかでミニスカなのに脚組んでたりとかして、無頓着なのか警戒甘いのかと思ってたけど、今回の柵を乗り越えようとしたところで歩に出くわしたとき、あれ、完全なスカートの中見えてたよなぁ……一瞬だけだけどパンツもはっきり見えたし。
 亮介は原付に乗ってたので美紀たち(中学)よりは年上か? と思ったら、美紀・亮介・拓馬・潮音は同い年らしい。多分歩もそうなんだろうけど。亮介、結局無免か……


2005年06月12日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ][特撮] ××の白い悪魔

  エウレカセブン はいつもどおり微妙なライン。ゲッコーステイトの前身はボダラクの聖地シウダデス・デル・シエロで虐殺を行った軍の部隊で、ホランドとエウレカはその実行者でもあった。そのことを知ったレントンは……
 相変わらず要素要素が散漫なイメージ。あと、レントンがゲッコーステートの正式メンバーに認められるのも、その前の仮メンバーという前振りが何度か欲しいところ。エウレカをママと慕う三人の子供については、執着の仕方から多分そんなことかなと。 当の虐殺者だったエウレカにそんなにまでなつくものかなと思うけども、まあ色々あったんでしょう。来週辺りは新キャラ登場&ホランドが軍から逃げた理由か?

  マジレンジャー は、魔界の門解放の危機、で強敵ブランケンとの対決。努力と根性でなんとかなっちゃうのはストレートすぎてなんだけど、兄貴が家族を引っ張っていくというのは良かった。ルナジェルはウルザードの正体が裏切り者の天空聖者ライジェルと思っていたけども、その正々堂々した戦い振りから違うと悟る。ってことはやっぱアレか? やたらとマジレンジャーにこだわってるし。SW EP3も公開されたし。それにしてもブランケンはあまり活躍できなかったな……次週予告には魔法のランプとランプの魔人(?)スモーキーが登場。顔はファンシー、身体はマッチョ。

  響鬼 は、轟鬼・斬鬼師弟コンビがメインの話。やっぱこの二人がメインになると面白い。とどめの音激も一番爽快感があるし。ただ、この番組の大人の物分りの良さって、凄い嫌な感じの物分りの良さなんだよなぁ。人間同士のぶつかり合いをヌルヌルと避けてるような。あと、「猛士」の収入源の謎はどうにも引っかかる。「たちばな」のような拠点の売上も組織全体を支えるほどあるとは思えないし、どうも引退後の再就職問題も組織内で片付けてるみたいだし。公的な組織ではないからなんらかのスポンサーかもしくは組織自体がもっと大掛かりな副業をしてなくてはならないはずだけど。その辺が見えてこないんで、ヒビキさんとかが御高説かましてもいかがわしい団体とつながったボランティアグループのようで、奇麗事にしか聞こえないのだよなぁ。

  プリキュアMH は、なぎさの引越し話で、多分勘違いだろうなぁ、と思ったらその通りなのだけど、序盤で早々に勘違いがばれてしまい、ひかりの話にシフトしたのが意外だった。ただ、宣伝している児童玩具アイテムの使い方は、前シリーズの同様アイテムでのエピソードでの使い方には到底及ばなかった。

 ここしばらく 甲虫王者ムシキング〜森の民の伝説 を数話見てるのだけど、なかなか人間(森の民)の描き方がえぐい。管理すべき森の手入れを怠り、森に寄生してダラダラと生きていく連中が無気力なまま殺戮されたり、山の神の生贄にされる娘の代わりに主人公の仲間を差し出そうとした母親や、実はその山の神がタランチュラで村を外敵から守る用心棒であり、食べ物のなくなる冬の時期に村人から生贄を差し出して食べさせていた共生関係という事実が明るみになったり、いや、これちゃんと解釈できれば子供にはトラウマもののエピソードばっかですよ。こんな調子でずっと続くんだろうか? 楽しみだ。(笑)

[その他] 言われてへん言われてへん

  民間軍事会社、法的問題点を研究 イラク事件契機に政府朝日 )。あいかわらず朝日のこの手の記事はあいかわらずなのだけど、PMCの問題というのは法的に問題があるということではなく、法的な間隙だということ。では条約で規制してしまえばいいかというと、それも不可能。もはや現在の軍事はPKOを含めPMCなしでは行えない。各国の体制がそういうようになってしまっているからだ。軍事が回らないということは国際政治も回らないことになる。だから誰がどう叫ぼうとも体制の変化が起こるまでは規制は不可能。記事では日本がPMCを使うことに批判的に誘導したいようなトーンだけども、実際それもばかげている。PMCにはいろんなレベルがあり、兵站や施設を担当する会社もある。PKOの折にノウハウの不足をこれらで補わない手はない。そこらへんは朝日もわかっているのか、あまり強くは出られないらしい。もっとも一番あきれたのは PMCは「戦争請負会社」とも言われの部分。言われてへん言われてへん。「戦争請負会社」ってのは P.W.シンガーの著作の邦題 で、原題は Corporate Warriors:The Rise of the Privatized Military Industry (法人兵士:すなわち民間軍事産業の勃興)。「戦争請負会社」はセンセーショナルかつ内容をよく表した名邦題だけど「とも言われ」だなんて記事に書くのは、ちょっとどうよ?


2005年06月14日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] 疲れた

 仕事で疲れました。「仕事 疲れた」ではないので悪しからず。おかげで単純ミスとかやらかすし。とりあえず急冷はいかんだろう、急冷は。orz
 先週末に予定していた以外のタスクの割り込みがあってペース配分がえらいこっちゃだったんですが、どうにか乗り切れたようです。つっても今週末までちょっとまだいろいろあるんですが。

  酔夢ing Voice6/11 で、中国での食人習慣・事件のことを云々してるのだけど、それもちと違うような。中国での日本軍の残虐行為の証言の一つとして赤ん坊を云々ということに対し、相手の方が食人だ、と罵り返すのははっきり言えばよろしくない。食人云々の証言が具体性がなく、なぜそんな発想が出てきたかと言えば、という傍証程度ならばかまわないけど、少なくとも現在おおっぴらにおこなわれているわけではなく、あるいはほとんどの中国人とは無縁ではあるはずだ。そういった体験が一般的な日本人よりはいくらか近いところにあるとしても、やはり多くは直接とはほど遠いはずだ。国民性の際は無論認識すべきだしそれなりに心構え・対策はすべきだろうけど、「お前たちの方が食人だ!」という言い返しはやはり適切ではないと思う。
 一方、 身辺雑記 の6/13でもなんだかななことが。
  「権力の監視」がジャーナリズムの最大の使命であり、そこのところを怠ると戦前の「大本営発表」と同じことが繰り返され、それは「みんなを同じ方向に向けさせる社会」につながる…
  歴史的な基本の事実誤認が幾つかあるけどそれは置いておくとして、まず権力の抑制機構として働きなおかつそれに効果があるならばそれ自身が権力であり *1 、じゃあその権力の抑制機構であると自認するマスコミの監視は誰がやるの? という話になる。権力の濫用に歯止めをかけるシステムというのは古来から考えられており、三権分立だってそのひとつに過ぎない。もし「良心」だのなんだのということであれば大笑い。人間の良心など当てにならない(もしくは良心が抑制になるとは限らない)からこそシステム的な抑制を試行錯誤している。その前日の「活発な議論」についてもよく読めば異論を戦わせているわけではなくある方向性を持った意見しか出ていないことが読み取れる。その前提が「なぜそうなのか、本当にその前提で正しいのか」とか、そこまで考えてるのかなぁ、などと思ってしまう。
 両者とも以前はこれほどエキセントリックな言動ではなかったはずだが、ここ数ヶ月どちらもなんだかなぁな感じにどんどん突き進んでいる。これは主義思想はあまり関係ない。
 まあ、斯く言う私も「人の粗ほど良く見える」病なのだけど。
*1: 実際にはそれだけで権力とは言いがたいけど、マスコミの場合権力に対してだけその効力を発しているわけではないから、権力「的」と言って差し支えないと思う。

[その他] 「物語」を見るために必要なもの

 「物語」を分析する方法ってのはいろいろありますよね。一番単純なところでは「比較」で、その他「要素」「構造」「パターン」などなど。「物語のパターンは××の時代で出尽くしている」とよく言われますが、「××」には「シェイクスピア」が入ったり「旧約聖書」が入ったり「ギルガメシュ叙事詩」が入ったりするわけです。じゃ、いまあるものは出古していて退屈でつまらないかと言えばそうではないから、パターンというのもひとつの見方に過ぎない。その他もそう。
 じゃ、どう解析すれば物語を見たことになるのか、わかったことになるのか。
 答えは「そんなのありません」。
 解析は解析、それはいろんな方向からどう見えるかを考えたものにすぎず、「見えた物」そのものではない。無論、適切な解説はさまざまな示唆を与えるけど、物語を楽しむのに必須なものではない。
 物語を楽しむだけなら、別になんの資格もいらない。
 人と語りたいなら、相手から見てどうなのかという程度の意識があれば好ましい。
 人に薦めたいなら、これは単に自分が好きなだけなのか、良いものなのか、という疑問を持つことが重要 *2
 解析・分析はその為の手段となりうることも確かだけど常に適切な手段とは限らないし、またそれだけが手段ではない。
*2: 「良い」と「好き」とは違う。「良い」けど「好き」じゃないものもあるし、「好き」だけど「良い」ものじゃないこともありうる。

[必殺] 殺し方って……

 なんか検索ワードに「 必殺必中仕事屋家業 半兵衛 殺し方 」ってのがあった……半兵衛つったら頚動脈に剃刀と決まっとるやろ、ゴルァ! きちんと血が飛び散らないよう、手ぬぐいを押し当てながらですからね、って具体的に書くとヤバイご時世なんですかね。リアリティはあるけど、あれはあれで必ずしもリアルではないですから。具体的に何が、とか言うと犯罪を誘発しそうなんで書きませんが、真似はしちゃだめですよ! DVD見て楽しんでください!


2005年06月15日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他][アニメ] 田舎のシルエット

 夕べ友人と 絶対少年 のことで話してて、私が「面白い」というのに対し、その友人は「わからない」といつまでたっても平行線。私が面白がっているのが田舎の雰囲気だとか人間関係だとかなのに対し、むしろその友人は田舎に来た都会の人間の視点で話を見ようとしている。私は田菜ほどじゃないけど田舎の出身で、その友人は転勤族の家庭で都市部で過ごすことが多かったらしい。まあ、つまりはそういうところからの視点の違いなんだろうなぁ。こういうこともあるので評価ってのは難しい。
 ってなこと言ってもあんまり納得してない様子。「あれって田舎?」みたいなことを言う。聞いてみると「自分が行った田舎は、一族しか住んでなくって店とかもなくって……」
 それってどこの横溝正史の小説の舞台よ? それは田舎を通り越して「へき地」と言うんですぜ、ダンナ。

[その他] 韓国関係

 人様の日記で 日本人必見 韓国人から見た日本・・・ 斬り!!今だからこそ・・・ 韓国斬り !! )を見る。あ〜、なるほど、こういう国と付き合っていかねばならないわけだ。知らなさ過ぎっつーか、踊らされてるなぁ、というか。わざわざ仲悪くしようとは思わないけど、「友情年」なる単語の、なんと空しく響くことよ。敵対的なものを煽ろうとは思わないけど、障壁は厚くそこそこ高い。
 しかしこのブログ、大変面白い……

  NHK BSディベートアンケート投稿状況 がすごいことになっていてどういう風に番組を作るのだろうと言われていたのだけど、その出演者について。 小此木政夫教授の食糧支援論を評す現代コリア研究所 )と NHKハングル講座講師の小倉紀蔵の特集! 。後者は良くわからないけど、前者は……つか、韓国に詳しい人ってのは正しいのだけど、韓国よりの人出してどうしようってのか……祭の悪寒。

[アニメ] ユーシィ再放送

  ぷちぷり*ユーシィ がNHK-BS1で再放送してて、それに合わせてサイトも復活したらしい。独自ドメインたぁ剛毅なこって。これってクレジットには特に明記してないけど、どう見ても「プリンセスメーカー3」が原案。クレジットされなかったのはNHKだからなのか、それとも本放送当時ですら古いゲームになっていたからなのか。クライマックスには「プリンセスメーカー1」のヒロイン(娘)まで出てくるし。この当時のガイナックスは「まともに話を終わらせられない」と言われていたけど、これはそれなりにきちんとまとまってるんだよなぁ……

  創世のアクエリオン #11。相変わらずの一人よがりっぷり。この空回り感が楽しいというなら特に言うことはなし。けどいろいろまともな作りはしていない。2クールかける作品じゃないと思う。

  エマ #11。この時点でこのエピソードってことは、着地点はどうするんだろう……?

  甲虫王者ムシキング #11。今回はトラウマエピソードはナシ。新キャラ登場エピソードに終わっていた感じ。むしろ来週、OPに出てくる金髪の少年が登場するのが興味津々。OPではポポとパムとこの少年(ソーマ)のみが人間での登場キャラなので、サーカスの人たちより重要な人物なのだと思われる。


2005年06月16日(木) 旧暦 [n年日記]

[読書] 戦争請負会社/PWシンガー

 ようやく読み終わりました。面白いんだけどなかなか読み進められない、タフでヘヴィな本でした。でも、2500円(税抜)という値段分以上の価値が確実にある本。
 民間軍事企業(Private Military Company; PMC)はこのイラク戦争、更に英国ハート社に勤めていた斎藤氏の一連の事件で一気に有名になったが、なにかと言えば軍事の外注民営化企業である。世間一般のイメージでは「傭兵」と一緒くたにされがちだが、ならず者的なイメージがあるそれとは一致しないし、また国際条約による「傭兵」(ジュネーヴ条約追加議定書では実質上の禁止である)とも違う。傭兵、という存在はそれでもずっと存在していたのだが、「PMC」という存在が積極的に起業されるようになったのは、東西冷戦の終焉が契機となっている。
 一つには、ソ連を始めとする社会主義国の崩壊により、それまでソ連等からの援助で抑えられていた第三世界の諸国の軍事的バランスが崩れたこと。ソ連からの援助による軍事力で抑えられていた第三国の対抗勢力がパンドラの箱を開けたように飛び出し、混乱が一気に広がった。これはとりもなおさずPMCのような金で雇える、洗練された軍事力の活躍の場が増えたことを意味する。もう一つはやはり冷戦の終結により東側諸国では大量に解雇された元共産軍兵士が、西側でも冷戦対立構造の消失に伴う軍縮により元兵士が市場に大量に放出されたこと。その他、装備の市場への流出もあるが、基本的に必要とされる場があり、必要な人員がいる、という状況が整えられた。あとは、両者が仲介されるシステムさえできれば十分であり、実際そのようなシステムが出来上がった。
 それは法的には限りなく黒に近いグレイな直接的な軍事力の提供から、教育、作戦立案、拠点の建築、兵站など、多岐に及ぶ。
 軍事力の民営化がどのような意味を持つのか。歴史的な公に属さない軍事力(傭兵)の歴史、そして現代のPMCの具体的事例を引き、更にはPMCの問題点を指摘する。
 PMC自体はもはや各国軍隊では必要不可欠な存在になっている。兵站の外注化はもちろん、場合によっては教育や、高度な技術を要する兵器や機材の維持運営を委託しているところもある。また、各国軍人の再就職の受け皿としても重要性もある。
 問題点の指摘、と言っても既にPMCの存在は現代の軍事では不可欠なことはわかっており、そういった現実的な視点の上で、どうPMCの問題をコントロールするか、ということである。
 PMCによって起こりうる問題点は、主なものは二つに大別される。一つにはPMCはあくまで私企業であり、正規軍のような国に対する忠誠度は期待できないこと。これは戦線離脱もそうだし、場合によっては雇い主を裏切ることもありうる。また、雇い主の選択基準も不明瞭である。私企業であるがゆえに、利益追求のための経費削減による機密の漏洩、あるいは経費の水増し請求、さらにはわざと戦局を長引かせる可能性もある。無論、企業としての評判に傷がつくことへの懸念が抑止力になりうるかもしれないが、他の業種の一般企業を考えれば、あまり期待できないことがわかる。また、PMCの契約社員による非人道的行為を罰則する法も規定もないため、規律の厳しい正規軍と異なり、その手の問題に対する対処がなされていないように見える。
 もうひとつは、公に属する軍に対するさまざまな面での浸食。これは正規軍の仕事を奪うという意味だけではない。日本ではあまりピンと来ないだろうが、米国などでは軍人というのは相応のリスペクトを受けている。受けてるのがリスペクトだけってことはないけど、でもさして高額ではない報酬で身体を張っているということは認知されている。が、その軍人の再就職先として無視できないPMCでは、高額な報酬を受け、場合によっては雇い主を選ばないかのような仕事をし、あるいは軍規に縛られない問題を起こす。また、雇われた先の国で場合によっては正規軍の面目をつぶすことになってしまい、民衆と軍のある種の信頼関係にひびを入れることもある。再度言うが、日本では考えにくいが多くの国では民衆と軍というのはなんらかの信頼関係を持つ場合が多い(無論、紛争国など破綻した国は最初から別である)。
 そういった問題点はきちんと認識しているが、それ以前に軍事の民営化は避けられない流れとした上での論の展開なので、興味深く、また今後の世界情勢への示唆に富んでいる。
 なお、 以前の日記 で書いた朝日新聞天声人語での本著の引用は、やはりかなり元の意味がゆがめられていました。朝日新聞は 「戦争は民間業界に任せるにはあまりにも重要すぎる」という部分を引いてPMCへの批判的文章を書いたのだけども、その前段から正確に引用すればこうである。
 結びに。古い諺に「戦争は将軍たちに任せておくには大事すぎる」というのがあった。二十一世紀向きの新しい格言がいるかもしれない。「戦争は民間業界に任せておくにはあまりにも重要すぎる」
(同書p470 二行目から四行目)
 この括りの章では、その前までで上げられていたPMCの問題点をコントロールするためにいかに法や国際条約を整備すべきか、ということが述べられており、そのことと「戦争は将軍たちに〜」という格言を用いていることを考えれば(いくら重要だからといって将軍を排除して戦争を行おうだなんてバカはいない。これはきちんと適切に監視すべきだという意味に他ならない)、これはPMCを取り巻く法環境等を整備し、コントロールしながら使うべきだ(その存在はもはや不可避であるがゆえに)、ということに他ならない。

[その他] またも人質

 と言っても今度はイラクではない。 カンボジアで一時園児ら人質朝日 )。カンボジアの、外国人学校付属幼稚園での事件。いたましいことにカナダの男児が一人犠牲になっている。犯人は学校の警備担当者であり、強盗目的と見られているとか。なおいたたまれない。無知と貧困は人類の罪、だが、それに付随して暴力も決してなくならない。それに対処する方法は「平和平和」と念仏をとなえることではない。それこそただの有害にもなりうる電波だ。まず現実を認識し、どうするか。

  「全裸の徘徊者」に全裸の恋人excite )。さすがモンティパイソンの国……しかも元海兵隊。

  亡命した中国人外交官、声明を発表大紀元時報 )。この騒ぎも、着地点はどこになるのだろう……まさかこの証言等だけで中国への世界各国の批難が始まるとも思えないけど。でも、中国の活動をマジで心配してなきゃいけないのは日本なんだよなぁ……

  実写よりわいせつ性低い…漫画本の「性描写」に罰金刑読売 )。う〜ん、なんかよくわからん結果に。懲役刑が破棄されたのはいいけど、結局有罪、ということだからなぁ。百五十万円だから、支払い不可能な罰金でもないけど……芸術性があるかどうかは主観が大きいし。なんともよくわからないしすっきりしない。


2005年06月17日(金) 旧暦 [n年日記]

[読書] タフの方舟/ジョージ・R・R・マーティン

  タフの方舟 1禍つ星
  タフの方舟 2天の果実
 二メートルを超える巨体に太鼓腹、全身無毛の特徴的な外見を持つハヴィランド・タフはボロ船を持ってるだけのしがない星間商人。しかし最近は商売があまり上手く行っていない。そこに目を付けて声をかけてきた連中がいた。彼らの目的地は通称<禍つ星>。過酷な環境と度重なり起こる疫病によりあらゆる生物を拒むその惑星には、実は太古の恒星間戦争で使われた生物兵器とロストテクノロジーを満載した胚種船<方舟>号が眠っており、その計り知れない価値を狙っていたのだ。しかしタフにとっては決して愉快と言えないこの同乗者たちが、<方舟>号を独り占めしようと仲間割れを起こし……
 ひょんなことから惑星を滅ぼすことも救済することもできる数多の生物の遺伝子データライブラリとその再生技術を積み込んだ超巨大船<方舟号>を手に入れた慇懃な口調と特異な外見を持つ怪人物・タフが巻き起こす、数々の惑星での騒動を描く連作短編集。
 帯には「イーガン、チャンがわからなくてもこの本の面白さはわかる!」とあるけど、確かに人を食ったような口調に似合わず、したたかなタフの頭脳と冷徹ですらある哲学、そして<方舟>号に積まれた各種の奇々怪々な生き物たちをもって各惑星で起こる問題の解決策が提示される様は文句なしに面白い。でもSF読みでないとイーガン、チャンなんて言ってもわからないだろうに……まあ、確実な市場であるSF読みに狙いを絞ったコピーなんでしょうけど。
 閑話休題、様々な怪物群とクールですらある解決法だけではなく、一番の魅力はとらえどころのないタフという人物だろう。無礼一歩手前の慇懃な口調(ときに無礼そのものだが)と裏腹に、善良かと思えば抜け目ない商売人であり、またときにはそのユーモラスな容姿・言動とはうらはらに、非情な行為を躊躇なく行ってしまう。ややピカレスク的だが、「愚鈍と悪党にはなにをしてもいい」とでもいうようなタフの行動には一種の爽快感すら覚える。
 基本的に各話は独立しているのだけど、以前のエピソードの惑星の話がちらと出たり、また惑星ス=ウスラムでの話は三本の連作になっている。特に、ス=ウスラムのエピソードは興味深い。そこでは宗教と習慣上の理由から無秩序な人口増加を起こし、社会は破綻寸前。近隣の惑星諸国はス=ウスラム人が人口問題解決のために戦争をしかけてこないかと警戒し、緊張状態にもある。その過剰な人口増加に伴う未曾有の食糧問題に対し、タフは訪れるたびに解決策を提示するのだけども、いずれもその場しのぎにすぎない。タフは再三根本的解決策を口にするし、ス=ウスラムの良識的な人間もわかってはいるのだが、あるいは政治的保身から、あるいはあまりに根強く貼りついたス=ウスラムの倫理観から、それを実行できない。結局タフは破滅を避けるために別の種類の破滅を提供し、決断を迫る。
 「人道」「倫理」では解決できない問題にそれらを踏み越えて冷たい方程式を粛々と解き進めていく様は、SFの面目躍如の感。もっとも、実は冷たい方程式を解かねばならないのはSFの中だけではない。現実世界でこそそれが求められており、情緒的かつ扇動された世論が結局問題をずるずる悪化させていくのが現実に見えている人ならば、それらを一気に踏み倒すクライマックスには昏いカタルシスを得られるだろう。
 ハードSFではないが、SFの原初的な面白さのエッセンスが詰まっている。

[その他][マンガ] 今日の買い物

  サンデーGX  7月号
 軍事研究 7月号
  ストライク・アンド・タクティカル・マガジン  No.9
 サンデーGXは大方の予想や噂どおり、「ブラックラグーン」のアニメ化が速報。そう、「アニメ化」であって「テレビアニメ化」とは書かれていない。劇場版かOVAかは不明だが、「ギルステイン」や「新暗行御史」の劇場版アニメのタイアップをしていたことを考えると、劇場版の可能性が高い気がする。あるいはOVAかもしれないが。
 「軍事研究」は横浜のたな方から「今月号は良いよ」と連絡があり、なんとか確保。まだ巻頭の「兵力数から見た21世紀米軍の戦略」(野木恵一)しか読んでないが、なかなかよさげ。
 SATマガジンはずっと探していたのだけど、ネット書店ですら取り扱いがなくなかなかに参った。値段はかなり高めだが、発行部数を考えれば仕方ないのか。

 これまであまりちゃんと読んでなかったのだけど、週刊ヤングジャンプの「Evil Heart」(武富 智)、今までスルー気味だったのは地味っぽい話と垢抜けない絵柄のせいなんだけど、今週号は垢抜けない絵柄のままに合気道少女の鶴がやけに瑞々しく、女の子らしく描かれていてちょっと驚いてしまった。こんな地力のある作者だったんだ。我ながらまだまだ観察眼が甘い。


2005年06月18日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 今週のフェチ

 なんだかだんだんぞんざいなタイトルに……
  絶対少年 は今週はフェチ度があまり高くなく。これまで人間関係というか、その隙間を縫うような話だったのだけど、今回は一対一の人間関係がクローズアップされてるのでバストアップのショットが増えるってのはわかるのだけど、ちと残念かも……
 歩は心ならずわっくんとの約束を破ってしまい、その日からわっくんが現れなくなったことに取り返しのつかないことをしたのではないかという不安を覚えながらも義務から解放されたような気持ちも少しだけ感じ、そのことを美玖に話す。亮介は須河原晶に「なにも見ていない」と歩が嘘を言ったことを不審に思い歩を付回し、拓馬、美紀、潮音の三人の間もなにやら微妙な雰囲気に。ここら辺も人間関係が複雑。拓馬は美紀に想いを寄せているようだが、美紀はそれに距離を取ろうとする。潮音はおそらく拓馬の心が自分に向いてないことを半ば意識し、さらに美紀が自分に気を使っているのも察して美紀に反感を抱いている。過剰にフェロモンを振り撒きながら歩に近付こうとしてるのもその敵愾心の表れかも。潮音は田舎を見下しながらも自分をつくろって他人に接近するので、イマイチ考えが読めない。考えが読めないという点では美紀もそう。美紀の場合、たとえば拓馬や潮音のことをどう思っているのか、というのがわからないのだが……
 須河原晶が聞いていたカーラジオで横浜での「フェアリー」と思われる物体の目撃談が流れ、また歩は「わっくん」の格好が昔の自分のしていた格好と同じことだと知ると同時に、なにかを告げるようにフェアリーが窓を叩く。横浜の目撃談はシリーズ後半の、冬の横浜編につながるんだろうか? 次回は「世界の皮膜が薄くなる」で、皮膜が薄くなってどうなるのか。しかし相変わらず緊張感もなにもない次回予告だ……


2005年06月19日() 旧暦 [n年日記]

[その他] なんだこりゃ?

  カンボジアでの人質事件朝日 )なのだけど、なにか流言的に「ANNに『犯人の動機は学校に通う子の親の韓国人雇い主から虐待を受けたのが動機』という部分があったのが削除されてる」という記述があちこちで流れてて、今までは無視してたのだけど、どうもそれに対する反応が妙、というか、まるっきり流言でもないような反応ばかりだったので、おかしいと思ってあちこち調べてみると、 僕が僕であるために(6/17) に、 スイスのニュースサイト での 記事 にはっきりと「レストラン経営者の韓国人の雇用主から受けた虐待に対する、復讐心が動機」と書いてあることが紹介されている……その他、 米googleでのニュース検索結果 。おいおい、洒落になってないですよ、これ。
 2chとかで韓国・北朝鮮がらみのデマが流れることはしょっちゅうだったのでこれもそのひとつかと思い流していたのだけど……決して行為や結果を正当化する動機ではないが、この部分があるかないかでは大分事件の背景の捉え方が違う。
 本当に日本国内の報道って当てにならない。

[その他] Musical Baton

  くわたろさん から回ってきたようで、世間でのピークも過ぎてたりするんですが、まあせっかくだから。(と、言葉と裏腹に妙に嬉しそうにワクワクテカテカしながら)

Total volume of music files on my computer(コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
 あちこち分散してるんで概算ですが、おおよそ3.5GB程度でした。

Song playing right now(今聞いている曲)
 Songじゃないけど、 「翔べ! 必殺うらごろし」サントラ の「哀歌」。精神状態がずんどこの時にうらごろしのサントラ聞いてると、いい具合にダウナーになるんすよ。

The last CD I bought(最後に買った CD)
  フタコイ オルタナティブ OP&EDテーマ 「New World / ぼくらの時間」
 この質問で最近まともにCDのチェックとかしてなかったことに気付き、後述。

Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
 1.シャンソネッタ・テデスカ( タブラトゥーラ・コレクション/タブラトゥーラ )
 2.Alasdair Mhic Cholla Ghasda( Sidewaulk/Capercaillie )
 3.Banba Oir( Banba/clannad )
 4.やがて愛の日が( 必殺仕置人サウンドトラック
 5. Celts( The Celts/Enya

 1.はつのだたかし率いる古楽アンサンブル「タブラトゥーラ」の代表曲。テレビ番組のBGMとかでもたまに聞きます。黛氏在りし頃の「題名のない音楽会」で初めて聞いて、非常に衝撃を受けました。私の変な曲好きは多分この辺から。「でんでれでん」や「へべれけ」も変で楽しい。
 2.はケルト音楽にはまって最初の頃に買いあさった中の一枚。とにかく同アルバム収録の"Balindore"とかのアコースティックギターの旋律がかっこよかった。Capercaillieは To the Moon までは文句ナシに好きなのだけど、その後の Beautiful Wasteland からはちょっと微妙な感じが。
 3.はEnyaの一族のバンドということで買ったもの。が、結局Enyaよりこちらの方が気に入ってしまった。他には Anam のHarry's Gameとか、タイトルということならRi Na Cruinneとかも印象に残ってるのだけど、やはり最初の一枚ということで。
 4.は、これだけ傾向がまるっきり違うけど勘弁してつかーさい。初期必殺のBGMって映画BGMのパクリもといオマージュが多いのだけど、「仕置人」BGMもご多分に漏れず。でも、番組の印象の強さもあいまって二番煎じ感はないのですよね。その必殺BGMの象徴として。主題歌で映画BGMオマージュということだったら、「助け人 走る」の主題歌「望郷の旅」の方がアレなんですが。
 5.は、言わずと知れたEnyaの名を広めたBBCのドキュメンタリー"The Celts"(The Celts 幻の民 ケルト人)のサウンドトラック集、そしてそのメインテーマ。さくらのレンタルサーバーサービスの私のアカウント名(celts)の由来がこれです。ちなみに同番組は 7/29、ポニーキャニオンより二枚組でDVD化される そうです。

Five people to whom I'm passing the baton (バトンを渡す 5 名)
 え〜っと、これは申し訳ありませんがパスさせてください。ピークが過ぎた今、末端のbatonの拡散もあって「遊び」感が薄れてきてますし、ロンダリングに入りそうですし。と、トモダチが少ないってことじゃないですよ? ホント、ホントヨ〜。

[ケルト音楽] 久々に注文

 あ、このカテゴリ自体久しぶりだ。
 上のMusical Batonで「そういや最近あまりCD買ってないじゃん!」と気付き、CapercaillieやClannad辺りを中心に新譜を検索したら、Capercaillieのベストアルバム? Grace & Pride the Anthology 2004-1984 、Karen Mathesonの新譜 Time to Fall が出てたので注文。ついでに新規開拓でMeavの Silver Sea を。どれも日本じゃ国内盤、出てないはずです。自分がCD逆輸入制限法に大反対してた理由はこの辺です。下手にここら辺まで拡大解釈されて制限されたんじゃたまらない。あの手の法案は「産業としての音楽保護」(もしくは大レーベル保護)であって、「文化としての音楽保護」とはまったく逆の方向。大レーベルの売りたいCDがこちらの買いたいCDなわけじゃない。
 ちなみにMeavはメイヴ、「クーリーの牛争い」の登場人物「マヴ(メイヴ)の女王」のことで、「戦闘妖精雪風」の≪メイヴ≫と語源は同じ……ハズ。


2005年06月20日(月) 旧暦 [n年日記]

[アニメ][マンガ] 七人もの

 昨日はオープンゴルフの中継でTV朝系の朝の番組が軒並みつぶれたわけですが、わりとどうでも良かったかも……マジシャイン登場が見られなかったのはちと残念ですが。
 で、 ゾイドジェネシス を心置きなく(でも作画はかなり悪いんだけど)見てたんですが……OPで主人公側のメインキャラが7人なのはわかってたんですが、やっぱりこれも七人ものなんですな。とりあえずラ・カンが勘兵衛、ルージが勝四郎、セイジュウロウが久蔵、って辺りはガチとして、後のキャラを無理矢理当てはめるとどうなるのか。
 レ・ミィは七郎次(古女房だから)、ガラガは菊千代(バカだから)、コトナは五郎兵衛(お主の人柄に惚れたのよ、だから)、とすると消去法でロンは平八か……うむ、なんかイマイチ。
 しかし不寝番のシーンで、一対一でルージと会話させるシーンはまるで美少女ゲーかなにかみたいと苦笑した反面(まあ、キャラが立ってるから楽しくていいんだけど)、「ルージは何時寝てるんだ!」と思わずにはいられなかったのことよ。
 そのうちルージ君にセイジュウロウに向かって「あなたはすばらしい人です!」と言わせて欲しいものです。(死亡フラグ)

 漫画アクションで連載していた「こどものコドモ」(さそうあきら)が最終回。時間は春菜が元を産んで12年後に。あの一件でそれぞれ強くなった仲間たちが隠れ家に集合して……途中、いろいろどうなるのかと思ったけど、まとめ方はさすがさそうあきら氏だった。