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2010年06月17日(木) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] デュラララ#22と大魔王#10とナイトレイド#10

  デュラララ!! #22「解散宣言」。自分にとってダラーズとは何なのか。迷う帝人は、ダラーズの掲示板に杏里とおぼしき女子高生が黄巾賊に連れて行かれたという書き込みをされてるのを見る。悩むのをひとまず忘れてなりふり構わずダラーズに助けを求める帝人の声に応え、ダラーズの有志たちが次々と杏里の逃亡を手助けする。
 杏里もまた、見知らぬ人々が自分を助けてくれるのを、夢の中にいるような心地で逃亡を続けるが、人通りのない路地で黄巾賊に追いつかれそうになった時、手を引いて助けてくれたのは、黄巾賊の将軍であるはずの正臣だった。
 杏里は正臣に「どうして」と尋ねるが、自身の気持ちに整理がつけられない正臣は杏里に思わず疑問・鬱屈を激しい言葉でぶつけてしまう。
 そんな正臣から逃れるように再び黄巾賊から逃走する杏里だったが、法螺田たちがついに夜の公園で杏里に追いついてしまう。

 大事な人が何かいいしれようもない事件に巻き込まれている。それを知って止めようとする杏里と、杏里のためにしていたことのはずがいつの間にか杏里を追い詰めることになってしまっていたことに何の「答え」も見いだせない正臣、そして、彼らのことを何も知らないながらも何かに巻き込まれつつあること、そして自分にとって大きな意味を持つはずの「ダラーズ」の、その「意味」に悩む帝人。
 そんな彼らの思惑とは裏腹に、黄巾賊に怯えていたダラーズのメンバーたちは、「田中太郎」からの呼びかけに応え、杏里の逃亡を手助けする。そのメンバーは#8で「あなたの探してるモノはなんですか?」と道行く人に聞いていた外人の女性「siri」や、カズターノと弟系お助け妖精キャラ・ハシム、ウサギの着ぐるみのサンドイッチマン「ラビさん」に、サイモン、門田たち、そしてダラーズをやめると言ってた滝口まで……しかも最後は「渋谷のフォルテッシモ」平和島静雄w
 杏里がセルティに保護され無事逃げおおせたのを見届けた帝人は「終了」宣言をし、ダラーズは再び意気が上がるが、しばらくして帝人が管理人名義で行ったのは「解散宣言」だった……
 いくら気持ちがあっても、直接的な暴力を手段とする黄巾賊にそうトリッキーな方法が何度も通用するわけがない。とは言っても、これはメンバーに対する裏切り行為と取られても仕方ないし、事実多くのメンバーがそう受け取った。帝人は何考えてこんなことを言い出したのか。
 そして、その帝人の選択が皮切りのように、黄巾賊によるダラーズ狩りは激しくなり、法螺田は流出した「チョコレート」つまり拳銃で静雄に意趣返しをする。「池袋最強」が雨の中血溜まりに沈み、陰鬱とした結末しかなさそうに見えるけど……
 原作では解散宣言とか、杏里の逃走のくだりとかなかったので(帝人は本当に最後の最後になるまでカヤの外だった)、これをどう最後につなげるのかは本当にわからず、楽しみ。


  いちばんうしろの大魔王 #10「女たちの最終決戦」。う〜ん、やはり急ぎ足過ぎるなぁ。波はあるけど原作は結構情報量があるんで、第五巻を3話でまとめるのは結構無理があると思ったけど。まあ、その前の段階でいろいろすっとばしてるせいでもあるんだけど。脚本がその辺上手くいけてないなぁ、という気も。ソハヤノツルギ云々のところは、前のエピソードで服部父と阿九斗が直接やり合うくだりがあって、もう少し服部の家とのしがらみが描かれてたのだけど、その辺完全にオミット。デュラララは原作三巻を2クールというかなり贅沢な作りなので異例ではあるけど、やはり原作一巻当たり2,3話ってのは苦しい。以前原作一巻分を一話なんて無茶なことしてたのもあったけど。


  閃光のナイトレイド #10「闇の探索」。高千穂勲と共に葛が姿をくらますが、葵たちの不安と焦燥をよそに、桜井は特に何も動こうとせず、葵たちにも待機を言い渡す。が、葵は大連で捕まえたMI-6のエージェントからの情報を独自に確保、そこから高千穂の入手した物資の搬入先を突き止め、雪菜・棗と桜井に無断で探索を行う。

 この手の話は1クールだとやっぱ厳しいよなぁ。理想論者的なところのある葛は高千穂の掲げるアジアの未来の理想に傾倒していき、桜井に対し不信感を抱いたのか、葵は独断で探索を開始する。雪菜が兄に対しまだ消化できない気持ちを抱えたままなのはこれまでどおりとして、以前、雪菜に「自分のいた寒村のような餓えと貧しさが無くなるなら、自分は迷わず国のために銃を取る」と言っていた棗は、その一方で日本に土地や財産を奪われた現地民を見て言葉を詰まらせる。
 それぞれの想いを抱えながら、それぞれに錯綜する一本の糸となった高千穂勲の行動を追うが、やはり勲の作っているのは原子爆弾のよう。さらに、そこには協力者として姿をくらませた「預言者」静音が……しかも、先代の預言者は勲の婚約者だったよう。
 希少であろう異能者がこれほどの密度で関係し合うってのは、やはり尺の少なさ故か不自然で残念。そこらへんのバックグラウンドがもう少し描かれてれば……
 そして、高千穂たちに協力していた影の黒幕は、何を考えているかわからない上に時折不可思議な判断を下していた桜井。勲の理想論に傾倒するようなタイプとは思えないし、最悪、勲を利用してる可能性も。でも雪菜同様テレパシーを使う勲を騙すとしたら、相当周到に何かをしてるはずだけど……


2009年06月17日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] 今日の党首討論

 鳩山代表、何時も通りの駄目っぷりでした……最初の方はまだ話がかみ合ってたんだけどなぁ。そうでもないか。
 医療制度の話になって、「財源をどうするの?」と逆に振られたら「無駄遣いをなくせばいい」、それに対し「どこを削るの?」と突っ込まれたらシオシオ。「官僚任せだから駄目だ。210兆の予算のうち20兆円を捻出して……」と言ったら、「こないだ指摘した12.1兆なんですが内訳はこうこうなんですが、人件費は0.8%なんだけど、こないだ全部天下りに使われるようなこと行ってたよね? こういうことをちゃんと詰めて計算できないで、ホントにそんなのできるの?」と突っ込まれ返され、「現実論を言わないとこっちが不安だよ」と言われる始末。そしたら、「検討し直したんだよ!」と試算を提示せずに曖昧な話を、しどろもどろで返答。こないだの党首討論の発言に細田氏から公開質問状が来たことに逆ギレ。おいおい、公の場で話したんだから、公開質問状くらい来るだろ。それと12.1兆円の内訳の計算についても間違いを指摘されてるし。メディアセンターの話でも経緯と主旨を説明したら、「これは政府から貰った数値」と結局官僚任せな事を漏らしたり、「私が不要と行ったんじゃなく、河野氏が言ってること」と責任転嫁したり。
 無駄の指摘はいいと思うし、実際麻生氏も「ここが無駄だというなら具体的に個別に指摘していっていただきたい。それを受け入れるのは当然」と言ってるんだけど。むしろそういう地味だけどちゃんとした仕事を期待してるんだけどなぁ。
 自殺の多さから生活保護に話をつなげるのも無理があるのだけど(どのくらいが生活苦で自殺したのか、まったく提示せず)、それもあっさり具体的な数字とデータで返され、最後に安全保障の問題を振ったら「突然だ」って、自分で最初の方に臨検のこととか、国防省とか話してたじゃん……むしろ鳩山氏が最初の方に臨検の話を振り出した事の方が唖然としましたが。
 印象としては「お涙頂戴の話をダシにデータの詳細を示さずない鳩山氏」に、「具体的データを出して感情論ではなく数値と理屈(屁理屈もあったけど、それを突っ込むだけの頭が相手になかった、ってことで)で返した麻生氏」という構図で……まあ、前回と同じですな。
 マスコミの作るMADビデオが楽しみです。


2008年06月17日(火) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 陰の王#11

  陰の王 #11「カーテンコール」。え〜!? 雷鳴と雷光の兄妹の件、こんなオチなの!?
 いや、もともとオサレアニメ(マンガ)なので、深いこと求めちゃ行けないんですが……うわー、あまりに恨みとかなんとかがあっさりしすぎ。つか登場人物に深みなさすぎ。深み=濃いなのかなぁ。最近のはこんなんでいいのかなぁ。う〜ん。

[その他] 死刑で何も生まれはしないけど……

  「執行増は異常」「抑止力ない」=法相あてに抗議書−死刑廃止議連時事 )。死刑に抑止力がないってのは、どんなデータからどんな理屈を以て言ってるのかなぁ。明らかに嘘なのだけど。(死刑が抑止として働かない連中もいる、というだけで) 欧米の死刑廃止は日本とは文化的・宗教的背景を異にしている部分があるので、「欧米でもどうこう」という理屈で無理矢理に「人権云々」と結びつけるとおかしくなるのだけど、言ってる連中、わかってるのかな?(廃止議連の人たちは「復讐するは我にあり」の意味がわかって、さらにそれを元に理論を構築してるのだろうか? そうは思えないけど)
 また、ドラスティックなことを言ってしまえば、更生の余地がない、少なくとも低いと思える人間をどうするか、ということもあるわけで。社会に出して再犯が出たら、この議連はどう反応するだろう? また、無期懲役にするにしても、それは国費、すなわち国民の金でそうするということになる。それだけの価値がある、ということを示せるのだろうか? 「人の命は地球より重い」と、ただ「飼い殺し」にしてる懲役囚を示し、言い切れるのだろうか? また、「死刑を実行しても殺された人は戻ってこない」と言っても、「殺された人間は戻ってこないのに、殺した人間は生き続けてる」ということに対して遺族が抱きうる「理不尽感」はどう釈明するのだろう?
 無論、これらのことには全て反論可能ではある。が、これらが絶対的に正しいと言えないのと同じくらい、その反論が正しいと言い切ることもできない。少なくとも、これらのフォローをしないで死刑反対と言うのは、他者を納得できるものでは到底ないと思う。


2007年06月17日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] グレンラガン#12

  グレンラガン #12「ヨーコさん、お願いがあります」。獣人たちの王都テッペリンの前に横たわる海にたどり着いた大グレン団。ダイグレンを航行可能に換装する間、時間の空いた一同は海で遊ぶ。が、黒の兄弟三姉妹やニアばかりがちやほやされ、ヨーコは面白くない。特に世間知らずのお嬢様然としていながらなにをやっても完璧にこなすニアに対抗心を燃やすが、邪気のないニア相手には空回り。ヨーコはついにはすねてしまう。
 リーロンによるダイグレンの換装も終わり、ついに海に乗り出す大グレン団。だが、そこを復讐に燃えるアディーネが襲ってくる。海中を得意とするセイルーンとダイガンカイになすすべのないグレンラガンと大グレン団だが、ニアは泰然自若に、ひたすらにシモンを信じていた。その信頼に応えるように気合いでセイルーンを圧倒し、ダイグレンを救うシモン。だが、やぶれかぶれになったアディーネがニアを人質にして、同士討ちをするよう命令してきた。

 女同士の確執……って、ヨーコが一方的にこだわってるだけですが。シモンがニアを見つけてダイグレンに連れ帰ったときもむっとしてたけど、ニアのことを悪く思ってる、ってことでもないのだよなあ。むしろ、「自分だって女の子なのに」という気持ちなのか。でも期待していた水着姿がいつもより露出が少ないとなったら、がっかりするのが男の子の心理ってものですよねぇ……
 けど、ニアに軽い嫉妬を覚えていたヨーコも当のニアがシモンに対するのと同様の無条件の信頼を自分にも寄せていることを知り、自分の嫉妬が空回りだったことに気づいてニアと和解。女同士というのはこじれると大変だけど、そうならなくて良かった良かった。特にニアみたいなタイプは女性からの受けは悪そうだからなぁ。
 で、もう一方の女、アディーネは得意の海中戦でグレンラガンを苦しめるが、覚醒したシモンにあっさり逆転される。それでも見苦しいほどに食い下がるが、ニアの覚悟とヨーコの決意の前に敗退。最後にチミルフの名を呼んだのは、打算ではなく本当にチミルフに友情を感じていたからなのか。一人で出撃を命じられたときにヴィラルに当たり散らしてた暴言は、やるせなさからだったのか。
 そのヴィラルはダイガンカイの破壊の中奇跡的に生き残り、グレンラガンへの憎悪をさらに燃えたぎらせる。でも、ヴィラルはカミナがまだ生きてると信じてるわけで、憎しみをふくれあがらせればふくれあがらせるほど、カミナがもう死んでると知ったらどう反応するのかが恐ろしくもあり……
 次回はついに王都テッペリンに迫り、疾風のシトマンドラとの空中戦が行われるっぽい。でも、ココ爺ってやっぱり怪しいよなぁ。あのゴーグルといい、シモンとなにか関係が?

[アニメ] 大江戸ロケットのサブタイトル

 #10「怪異猫変化」#11「埒もねえ!」#12「もしも悩むのが嫌だったら」#13「あんたこいつらどう思う」#14「一筆啓上明日が見えた」。
 #10以外は自明ですね。「埒もねえ!」は必殺シリーズ第29弾「必殺剣劇人」の江戸っ子っぽい威勢のいい台詞のパターン。#12「もしも〜だったら」はこの前再放送をやってた仕切人。#13「あんた〜〜をどう思う」は必殺仕業人。#14「一筆啓上〜〜が見えた」は必殺仕置屋稼業。#10は謎だったけど、2chで見たら、どうやら「妖異武芸帳」らしい。#3「縁に縛られた銀ノ狐」は「無用ノ介」、#7「トンデモない飛んだ女」は「快刀乱麻」、#8「恋も殺しもやるってさ」は「いただき勘兵衛旅を行く」らしい。そりゃわからんわな……
 全26話の予定だから、あと12話分パターンが必要なわけだけど、必殺シリーズのパターンで使われてないのは「暗闇仕留人」の「〜〜にて候」、「からくり人」の「〜〜をどうぞ」、「新からくり人」、「からくり人富岳百景殺し旅」の浮世絵のタイトルネタ、「翔べ! 必殺うらごろし」の三文記事的パターン、「仕事人」で多用された「誰それ、何々をする」や「何々をしたのは誰それ」パターン、無印仕事人前半の「〜〜か?」という疑問形パターン、後半の技名パターン(例:「散り技仕事人危機激進斬り」)、「仕舞人」の民謡を含んだパターン、「渡し人」の「〜〜で渡します」、「橋掛人」の「〜〜を探ります」、「必殺まっしぐら!」の「相手は〜〜」、「仕事人激突!」の初期の、歴史上の人物のアイテムパターン、ってところか。「新からくり人」「からくり人富岳百景」の絵のタイトルネタとか、「うらごろし」のパターンは使いにくいだろうしなぁ。「仕留人」、「からくり人」あたりはガチで使われるだろうけど、他のはどうなのかなぁ。


2006年06月17日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 死亡確認!(by王大人)

 体調が戻りきってない時に山オフなんて付き合うもんじゃないですわ……というわけで死亡中につき今日はお休み。トホホ。


2005年06月17日(金) 旧暦 [n年日記]

[読書] タフの方舟/ジョージ・R・R・マーティン

  タフの方舟 1禍つ星
  タフの方舟 2天の果実
 二メートルを超える巨体に太鼓腹、全身無毛の特徴的な外見を持つハヴィランド・タフはボロ船を持ってるだけのしがない星間商人。しかし最近は商売があまり上手く行っていない。そこに目を付けて声をかけてきた連中がいた。彼らの目的地は通称<禍つ星>。過酷な環境と度重なり起こる疫病によりあらゆる生物を拒むその惑星には、実は太古の恒星間戦争で使われた生物兵器とロストテクノロジーを満載した胚種船<方舟>号が眠っており、その計り知れない価値を狙っていたのだ。しかしタフにとっては決して愉快と言えないこの同乗者たちが、<方舟>号を独り占めしようと仲間割れを起こし……
 ひょんなことから惑星を滅ぼすことも救済することもできる数多の生物の遺伝子データライブラリとその再生技術を積み込んだ超巨大船<方舟号>を手に入れた慇懃な口調と特異な外見を持つ怪人物・タフが巻き起こす、数々の惑星での騒動を描く連作短編集。
 帯には「イーガン、チャンがわからなくてもこの本の面白さはわかる!」とあるけど、確かに人を食ったような口調に似合わず、したたかなタフの頭脳と冷徹ですらある哲学、そして<方舟>号に積まれた各種の奇々怪々な生き物たちをもって各惑星で起こる問題の解決策が提示される様は文句なしに面白い。でもSF読みでないとイーガン、チャンなんて言ってもわからないだろうに……まあ、確実な市場であるSF読みに狙いを絞ったコピーなんでしょうけど。
 閑話休題、様々な怪物群とクールですらある解決法だけではなく、一番の魅力はとらえどころのないタフという人物だろう。無礼一歩手前の慇懃な口調(ときに無礼そのものだが)と裏腹に、善良かと思えば抜け目ない商売人であり、またときにはそのユーモラスな容姿・言動とはうらはらに、非情な行為を躊躇なく行ってしまう。ややピカレスク的だが、「愚鈍と悪党にはなにをしてもいい」とでもいうようなタフの行動には一種の爽快感すら覚える。
 基本的に各話は独立しているのだけど、以前のエピソードの惑星の話がちらと出たり、また惑星ス=ウスラムでの話は三本の連作になっている。特に、ス=ウスラムのエピソードは興味深い。そこでは宗教と習慣上の理由から無秩序な人口増加を起こし、社会は破綻寸前。近隣の惑星諸国はス=ウスラム人が人口問題解決のために戦争をしかけてこないかと警戒し、緊張状態にもある。その過剰な人口増加に伴う未曾有の食糧問題に対し、タフは訪れるたびに解決策を提示するのだけども、いずれもその場しのぎにすぎない。タフは再三根本的解決策を口にするし、ス=ウスラムの良識的な人間もわかってはいるのだが、あるいは政治的保身から、あるいはあまりに根強く貼りついたス=ウスラムの倫理観から、それを実行できない。結局タフは破滅を避けるために別の種類の破滅を提供し、決断を迫る。
 「人道」「倫理」では解決できない問題にそれらを踏み越えて冷たい方程式を粛々と解き進めていく様は、SFの面目躍如の感。もっとも、実は冷たい方程式を解かねばならないのはSFの中だけではない。現実世界でこそそれが求められており、情緒的かつ扇動された世論が結局問題をずるずる悪化させていくのが現実に見えている人ならば、それらを一気に踏み倒すクライマックスには昏いカタルシスを得られるだろう。
 ハードSFではないが、SFの原初的な面白さのエッセンスが詰まっている。

[その他][マンガ] 今日の買い物

  サンデーGX  7月号
 軍事研究 7月号
  ストライク・アンド・タクティカル・マガジン  No.9
 サンデーGXは大方の予想や噂どおり、「ブラックラグーン」のアニメ化が速報。そう、「アニメ化」であって「テレビアニメ化」とは書かれていない。劇場版かOVAかは不明だが、「ギルステイン」や「新暗行御史」の劇場版アニメのタイアップをしていたことを考えると、劇場版の可能性が高い気がする。あるいはOVAかもしれないが。
 「軍事研究」は横浜のたな方から「今月号は良いよ」と連絡があり、なんとか確保。まだ巻頭の「兵力数から見た21世紀米軍の戦略」(野木恵一)しか読んでないが、なかなかよさげ。
 SATマガジンはずっと探していたのだけど、ネット書店ですら取り扱いがなくなかなかに参った。値段はかなり高めだが、発行部数を考えれば仕方ないのか。

 これまであまりちゃんと読んでなかったのだけど、週刊ヤングジャンプの「Evil Heart」(武富 智)、今までスルー気味だったのは地味っぽい話と垢抜けない絵柄のせいなんだけど、今週号は垢抜けない絵柄のままに合気道少女の鶴がやけに瑞々しく、女の子らしく描かれていてちょっと驚いてしまった。こんな地力のある作者だったんだ。我ながらまだまだ観察眼が甘い。


2004年06月17日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 一筆啓上姦計が見えた

 必殺仕置屋稼業第十話。主水の同僚・安田弥一郎は実直で家族を愛する男だったが、義父の残した借金の返済のため、つまらない賄賂に手を出したところを南町奉行所綱紀粛正役の土方左馬之介に見つかる。通常ならば切腹のところを、奉行に妻を差し出せば見逃してもらえる、との言葉。その話を安田はきっぱりと断るが、それを聞いた安田の妻・志津は密かに土方の元へ。しかし、それは土方の罠だった。土方とその仲間に慰み者にされ舌を噛んだ志津の亡骸を見て、逆上した安田も返り討ちにされ、相対死にとして処理される。主水は子煩悩な安田夫婦が一子・小太郎を残して心中したことを不審に思い、事件の裏を探る。
 いろんな要素がバランスよくまとめられた仕置屋中の佳作。家族を愛する真面目な同心・安田を演じるのは横内正。抑制心の強い男が、義父が吉原通いのために借金をしていたことを聞き動揺するシーンや、愛妻の変わり果てた姿を見て嗚咽しながら土方に斬りかかるシーンなど、家族に対する愛情と併せて横内正のこんな演技はちょっと他では見られない。
 仕置屋メンバーのシーンは、遺された小太郎との絡みがメインになる。コメディリリーフの印玄が小太郎に「屋根落とし」されるし、市松はかつて養父に拾われた自分を小太郎に重ね、自分が引き取るとまで言い出す。結局、市松を真似て蜘蛛を竹串で仕留める小太郎を見て殺し屋稼業の業の深さを悟り、断念するのだが。
 中村家としては、冒頭で下っ引きの亀吉によって主水が昔おたふく風邪を患ったことが暴露、せん・りつに「種なしかぼちゃ」と罵倒される。実は「種なしかぼちゃ」と呼ばれるのは必殺シリーズ中これが初めて。そこから一度は小太郎を養子に、という話になり(結局、借金付であることがばれて追い出されるのだが)、また土方たちをおびきよせるおとりにりつを利用する際、「子宝に効能がある神社の夜参り」と口実にしたり、最後まで伏線を上手く使っている。
 仕置のシーンはお百度を踏んでいるりつにばれないように行わねばならず、非常に緊迫感がある。
 主水が土方から騙し取った金を仕置料にしているため、よく考えると依頼人とのつなぎ役のおこうが出てきてないが、そんなことが気にならないくらいよくまとまった話。

中村主水=種なしかぼちゃ?:

 この話で出た「種なしかぼちゃ」を契機として「主水=種なし」のイメージが拡大するのだけども、実は後のシリーズ「必殺商売人」では第一話でのりつの妊娠発覚から最終回でのその結末までが描かれており(想像妊娠や誤診ではない)、「種なし」の汚名を一応返上している。「子供」が縦軸として描かれているせいか、この話はいろいろ「商売人」と対比できるところがある。「商売人」では姑のせんからりつの懐妊を告げられるも、素直に喜べない主水が描かれる。小太郎を育てると言った市松に冷笑的に「やめとけ」と言った主水だが、「商売人」では自分が同じ立場になっている。

TIPS:食い物:

 もうひとつ、この話では市松を通して当時の江戸の青年層の食生活が描かれている。百万都市とはいえ圧倒的に男が多かった江戸では独身男性が多く、外食が非常に発達していた。主水が小太郎を連れて入った飯屋で市松が食事をしていたのは他人と接触をあまり持たない市松にしては意外に見えるが、これは当時の独身男性としては普通である。
 また、小太郎を自分の小屋に連れて行った際「飯食うか? 冷えた飯しかねえがな」「茶漬けでいいか?」と言っている。考えてみれば当たり前だが、自炊をする場合は一日に一度まとめて飯を炊き、それを三度に分けて食うというのが普通だった。炊飯は当然薪と釜で行うため暖め直しなど簡単にできるわけがなく、冷や飯は湯漬けや茶漬けにして食べていた。
 飯屋にテーブルと椅子があったりとおかしな描写もあるが(時代劇のお約束なので、まあ仕方あるまい)、こういう細かなところが結構リアリティを出すのに一役買っている。

[その他] こどものかがく

  /.JPこの記事 を見たときとかも思ったけど、自然法則を体感するには、必ずしもまわりが自然にあふれかえってる必要はないのだけどなぁ。
 子供のとき、父親が古いテレビを分解した中から磁石を持ってきたことがある。かなり強力な磁石でいろいろ遊んだのだが、それをテレビの画面に近づけると映像が歪むのを発見し、それで遊んだ。親からは「テレビが壊れるからやめろ」と怒られたけど。
 そのときはブラウン管の仕組みだとかローレンツ力だとかはまったく知らなかった。が、後にそれらを知って、なぜあんなことが起こったかが合点がいった。
 父親が拾ってきたのはいわばゴミだし、テレビなんてどこの家庭にもある。別に同じことじゃなくてもいいけど、変な操作をしてやることで、なにかに普段行わない動作をさせてやる(壊れない程度に)、という遊びは結構したような気がする。ものの原理、自然法則に興味を持つきっかけなんてそんなものじゃないのかなぁ。
 あ、ちなみに電子レンジもいろんなもの放り込みましたよ。お約束のアルミホイルや卵も(結果がどうなったかは言わずもがな)。

[その他] FireFox0.9続報とか

 Mozilla系の常として、クリーンインストールしないと調子が悪い。それさえすれば、幾つかの拡張プラグインが導入可能。
 今日は半徹夜で若干不機嫌。「俺はまだまだ修行が足りん!」(中村敦夫の声で)

[アニメ] アイと追憶の日々

  光と水のダフネ #22。「アイ」ってコミック版の主人公、それも100年前の話だよなぁ、とか思ってたら、まさかこんなふうにコミック版とつながってたとは! ちょっと意表をつかれました。それどころかコミック版主人公とゆかりの深い人物がすでに出ていました。全24話なのであと二話。なかなかハードになってきたようで。こりゃ海洋庁も落とされるっちゅーねん。次回は「エスケープ・フロム・カムチャッカ」当然サーフィンシーンは出るんだよな!?


2003年06月17日(火) 旧暦 [n年日記]

日本で春風亭柳昇というと……

 その 春風亭柳昇師匠がお亡くなりになられました産経 )。徴兵された軍隊時代の話を面白おかしく高座にかけていたのをテレビで見たのはもう何年前か……一方的な思い入れに過ぎないのだけども、こういった人が一人、また一人といなくなってしまうのは、なにかが欠けて落ちていく気はしてしまう。記録の中の映像、音声を見ても、もうこの人はこの中にしかいないと実感するのだろうなあ。合掌。
  ニューズウィーク の「オタク産業、世界へ」という記事を読む。アニメ・マンガと言ったいわゆる「オタク産業」の欧米での市場が広がってきたことに関するレポート。ちょっと目を引いたのは、これまで買い手を待っていた状態から、積極的に日本から海外へと営業をするようになってきたこと、それとこれまでの体制だとアニメなどのロイヤリティは主に原作者に還元されてしまい、海外でヒットしても製作現場が潤うことはほとんどなかったこと、か。アニメ産業に関してもいろんな規制緩和がされるということであり、そういったものによって製作現場が今以上に活気付けばいいなぁ、とは思う。また、アメリカ版のジャンプも35万部の発行部数を達成したそうな。百万部規模の日本の週刊少年誌よりは小規模だけども、まだまだ成長の余地はあるということなのかもしれない。
 同じ号に掲載されているのは、アジアでの韓国ドラマの台頭の記事。ちゃんと読んでないので、こっちは詳細不明。某ドラマが日本の某アレのパクリだとか、そういう話は多分載ってません(当たり前)。
 最近、雨が多いので職場の行き帰りは主に地下鉄。けど、地下鉄に頻繁に乗るようになって気付いたけど、地下鉄の乗客って、さほど混雑してるわけでもないのに乗降客に道をあけたりしない人ってけっこういるのね……別に居眠りしてるとか、そういうわけでもないのに。微妙に嫌な雰囲気だなぁ。
 で、最近地下鉄の中で読んだのは 装甲騎兵ボトムズIウド編 IIクメン編 。小説版と銘打ってるけど、どちらかといえばシナリオを小説形式で書き下したもの、という感じで、だけど、きちんと話の流れはわかるようになってる。そこらへんは腕ということか。二巻の解説の大河原氏のインタビューがたいへん面白かった。 サンサ編 も買わんとなぁ。
 久々に紅鉄絢氏の新作を見たと思ったら、成人誌……いや、どこかで見たようなキャラクターたちの気もしますが。つか、ペンネームも 鉄絢になってるし……一般誌での登場はないんだろうか?


2002年06月17日(月) 旧暦 [n年日記]

湯神家とかなんとか

 最近、湯神家とかオイダキとかなんとか良く聞くなあ、と思ったら、 こういう んがあったんですね。個人的には「なんじゃこりゃぁ!?」としか思わなかったんですが、たまたまこれの作画が 岩崎つばさ 氏だと知ってびっくり。いや、ポジティブな意味でじゃないっす。失礼ながら、あ、この人、まだこの業界で生き残ってたんだって意味で。岩崎女史は80年代末期から主にアニパロ方面で描いていた同人上がりの作家さん。アニパロ上がりってことと、ペンネームで大体想像はつくと思いますが、まあ、そうです。おっきいおねえさんがよろこぶ方面です。別にそれの偏見で差別しようってことはないんです。「センチメントの季節」の榎本ナリコ女史がそっち方面の出身ってのは有名だとは思いますが、そういう中でも売れるものを描く人は出てくるんです。ただ、岩崎女史は少なくともかつてはそういうタイプではなかった。そしてホームページの仕事一覧を見る限り、今もそういうタイプから脱却してるとは思えないというか……いや、いいんです。食えているのなら、人様の仕事に口を出すことじゃありません。それは大変立派なことです。ただ、個人的には特別どうこういうところのある作家さんだとは思わない、っていうわけで……いや、関係者のかた、もしくはご本人、もし見られてたらスイマセン。
  龍騎劇場版 から出てくると云う噂の女ライダー、 仮面ライダーファムの映像と思しき写真 (写真中央)。左の写真には変身前と思える役者さんが載ってるんですが、どっちも小さすぎてよくわかりません。まあ、女ライダーは本当だった、ってことで。それよか、左端のは手塚広海じゃないのか? てっきりわりとあっさりあぼーんだと思ってたのだけど…… 王蛇に契約モンスターが吸収される って話だったし。
 2chのアニメ板を見てると、GPMアニメ版に関して情報が錯綜。もっぱら GONZO だって話だったのに、 JCスタッフ だとか、なんとか、いろいろ。いや、GONZOよりはJCスタッフの方が嬉しいんですが。
 日記の検索で、「右軸変移」で検索してくる人がいる。横着しないで、生理の教科書調べなさいって。
 お料理メモ。刻んだしそを巻き込んで仕上げた 鳥はむ をスライスしてごまドレッシングをかけると、おつまみにいい感じ。また、下ごしらえした鳥はむに火を通す時、ジプロック(ストックバッグ)に入れて、空気を完全に追い出し密閉、沸騰して火を止めた鍋のお湯の中に放りこんで蓋すると失敗知らず。なかなかいい感じ。


2001年06月17日() 旧暦 [n年日記]

夢のない話

  昨日の今日で っつーかむしろおととい。
 いや、ま、赤字財政のこのご時世に贅沢は敵だってのも一つの考え方なんだけど、ビジョンは示して欲しい。昨日テレビで実に嫌な感じ具合がいい感じの「明日がある」(ウルフルズバージョン)の使い方をしてたのが良かった。(国の借金明日に残して「あしーたがある」) 結局先にビジョンですらも残せないのが最悪なんだよなぁ。
 あ! ううむ、あやうく「 ジャッカルの日 」を見逃すところだった。フォーサイス、見てきたような嘘を書き。ブルース・ウィリス主演の「ジャッカル」とは完全別物なので注意すること。
 ここのところどこかイライラしていて、なんか自分がどんどん嫌な人間になっていくような気がして嫌だったのだが、原因がわかった。いや、原因がわかったというよりは回避法がわかったと言うべきか。結局はやるしかないということなのだ。行動あるのみ。