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2004年11月22日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] 奇妙なチャンネル

 ビデオが壊れたのは先日書いたとおり。まあ、HDDレコーダで手ごろなのがあったらそれにしておくか、と思い、大須に行くと ヤマダ電機テックランド名古屋栄店 が閉店セールをやっていて、そこを見ていたらまあ色々値引きしやすそうだったので 三菱のDVR-HE650 を購入。まあ、市場価格より若干お徳、くらいか。
 その後ちょっと飲みがあったので、それが終わってから家に帰って接続作業をしたのだけど、そこで四苦八苦。うちの環境は実はちょっとあまり電波状態が良くなくブースターをかませているのだけど、それでもちゃんとチャンネルが映らない。あれやこれややってどうにか映るようになったのだけど、奇妙なことに気がついた。VHF1〜3chでは問題はまったくないが、4〜だと何故かチャンネル番号が一つ繰り下がる。どういうことかと言うと、5chのCBCは4chに、11chのメ〜テレは10chに、という具合に。もっとおかしいのはUHF。どうおかしいかというと説明しづらいのだが、25chのテレビ愛知は11chに、35chの中京テレビは6chになってしまう。そのほかは意外にも画面の映りは良好で、「?」としかならない。本当にどうなってるんだ?
 しかしいろいろレコーダをいじってみた結果、機能的にはこれで十分そうだがいろいろと不満な点も発見。一番の不満は、録画予約時やテレビ欄の移動時におけるユーザー・インターフェイスの悪さ。テレビ画面の解像度だから文字の大きさとかは文句は言わないが、リモコンのボタンが多いわりにあまり意味がない。じゃあ、少ないボタンしか使わないから便利かと言うと、結構離れた場所にあるボタンを使ったりとその意味もあまりないように思える。迂遠な作業時に「ショートカットを作ってくれ!」と何度思ったか……リモコンのデザインとユーザー・インターフェイスの設計がきちんと同期して行われていない印象。「多機能をわかりやすく操作しやすく設計する」ってのは家電メーカー各社の悩みどころではあるだろうけど、だからこそちゃんとやって欲しい。それ以外のところは、まあ悪くないのだけど。
 で、その前の飲みはなにかというと、いつものH氏とO氏。O氏が新しいバイク(原付)を買ったので見せびらかしたいとの事。もっとも、バイクのことより「ハウルの動く城」への大突っ込み大会になってましたが。いえ、私は見てないんですけどね。色々立て込んでいたこともあって今回は店を調べておらず、以前行った 串家物語 へ。どっちかと言えば 嘉文 の方が良かったのだけど……って、他の二人が油ものの食いすぎで苦しんでて、なんで私だけが平気なんだろう? いや、量なら同じくらい食ったはずなんですが……
 その後深+に行ったんですが、まあ、バカ話を取りとめもなく。ただ、そのときに「女は宮司になれない」という話が出て、確か女性の宮司がいたような気がしたけども、調べて見る。 やっぱりいるみたいです


2004年11月23日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 最後(?)の必殺(その6)−「あばよ!」

 剣劇人がどんな作品であったのか、もう一度ざっと説明する。主人公は三人の元義賊。彼らには三人のうちの誰かが父親である娘がいて、娘は彼らの正体は知らないものの(実は最終回で知ってたことを明かされるのだけど)、金よりもこの娘の願いを受けて殺しを行う。その際、申し訳程度に三途の川の渡し賃に四文を受けとるのみ。殺しというより、悪党退治と言う方がぴったり来る。殺しに行く際は義賊時代の派手な衣装に身を包み、大人数とチャンバラを繰り広げ、悪の首魁だけ倒して去っていく。その際には(作り物の)大蝦蟇の背中に乗って消えると言うケレン付き。
 こう説明すると、「どこが必殺だ」と思う人も多いだろうし、見ても実際そういう人も多い。しかし、要素だけを抜き出せば、これまでも依頼主から依頼料抜きで依頼を請け負った者たちはいたし、額の少なさで言えば末期の仕事人だって大概人のことは言えない。これまでの必殺になかったところと言えば、実は正面から乗り込んでいって大人数相手にチャンバラを繰り広げる、というところくらいである。しかしそれこそがこの作品の重要な部分であることは、OPナレーション時のチャンバラ活写のパロディの映像と、タイトルの「剣劇」を見ればわかる。
 そして私が声を大にして言いたいのは、このアグレッシブさは間違いなく必殺のそれである、ということである。
 剣劇人最終回「あばよ!」ではゲストで中村主水が登場。剣劇人たちに絡んでくる。この時、主水と剣劇人たちの間でスタッフの内部葛藤そのままではないかと思えるやりとりが行われる。

 主水「(元締めのお歌にぼやいて)田舎芝居じゃあるめえし、あれで裏の仕事のつもりかよォ? 大根役者が雁首そろえて、派手な見得切りやがって」

 綾太郎「(仕事料がないと聞いて文句を言う主水に)中村さん、金を貰って仕事をするあんたの時代、もう古い」

 主水「何言ってやがんでぇ。その金にはな、殺された者の恨みがこもってる、だから仕事が出来るんじゃねえか」

 松坊主「『晴らせぬ恨みを晴らしてやる』、耳から指突っ込んでガタガタいわせたろか! 立派な大義名分ですナァ」

 初期の必殺では、一回一回が脇役、つまり犠牲者と悪人のドラマである回が少なくない。キャストのスケジュールの都合上ということもあろうが、犠牲者と悪人のドラマを濃密に描くことで視聴者の共感を、怒りを掻き立てる。世の不条理、あるべきものがあるべき姿でない「ねじれ」を丁寧に作り出す。スタッフも脇役の出演者もその時代にはその力があったし、だからこそ殺しのシーンで何の解決にならずともねじれのほどけるカタルシスを得られた。しかし、末期必殺では濃密なドラマは作られず、淡白に、あくまで決まりごととして犠牲と依頼が流れていく。言ってしまえば「恨み」は「大義名分」でしかない。
 いわゆる「お約束」は、いわば条件反射であり、条件付けが行われれば特徴的な条件刺激だけでカタルシスを追体験できる。別にこれ自体を責めようとは思わない。それも立派な娯楽のシステムである。が、刺激は慣れるものであり、また条件付けを再学習しなければ条件反射は薄れていく。反復だけでは限界がある。
 上の松坊主のセリフは、ただのシンボルとして「条件刺激」化された「犠牲者の恨み」を掲げる主水への、仕事人への、必殺に対するアンチテーゼではなかったのか?
 犠牲者に対する共感ではなく、犠牲者を悲しみ、悪へのまっすぐな怒りを示すお七を視聴者の代弁者に据える。そのお七に世直しの夢を見せるため、三人の父親が置かれる。悪漢になりきれないとなると頼み料だなんだは邪魔なだけで、シンボルであることを明示し、最小限のものにとどめられる。派手な殺陣、チャンバラで視聴者の目を楽しませ、かつ、あくまでこれは「夢だ」ということを明示する。
 必殺が一回りして帰ってきた先が、結局再び「時代劇」「チャンバラ映画」だというのはちょっとした皮肉か。アンチ時代劇として出発した必殺シリーズ、15年最後の作品は、「必殺」への「アンチ必殺」だった。かと言って全否定しているわけではなく、最終回では火事でいつもの衣装を失った主役三人はそれぞれ勇次、(何故か)石屋の大吉、秀の衣装を着て、殺し方まで真似すると言うサービスを行っている。必殺を愛しつつも愛しているからこそ否定する、そんなスタッフの心意気のようにも思える。

 と、ここで終わっていれば綺麗な話だったのだが、さらに数年後、第三十弾「必殺仕事人・激突!」が作られる。最初の数話の評価は悪くないものの結局末期仕事人の特徴を再現しており、シリーズ再開の原動力とはならなかった。はからずも「あんたの時代、もう古い」との綾太郎のセリフを裏付けるかのようだった。

[必殺] インデックス代わりにまとめ

最後(?)の必殺


2004年11月24日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] やや鬱

 なんだか微妙な鬱状態に入ってきた。正確には鬱というより一種のパニック状態で、無意味になにごとも怖くなり、新しいことをやる意欲が失せていく。そんなことも言ってられないのだが、年末になるとこれだからかなわない。もっとも、まだ手首をじっと見つめるとか、線路見て飛び降りたくなるとかはならないので全然楽なのだけど。
  読売新聞11/23付編集手帳 。鋭いところを突いている、とまでは言わないが、まあそうだよなぁ、という感じの意見。靖国参拝とか言われたって、大幅な組織整理予算案とかが財務省から出ている国を、色々軍備を近代化したり国境付近や周辺部に火種がくすぶってる(一部は「くすぶってる」どころじゃないみたいだけど)国が「軍国主義だ!」と文句を言う構図ってのは、まあ政治としてはわかるけど、冷静に見るとお笑いでしかない。問題は、それがお笑いだって見える人間が(日本の側にしろ)どのくらいの割合いるか、ってことだろうなぁ……しかし、 抗日戦争館拡充Y!hl )とかいうニュースを見ると、胡錦濤政権も最初からどん詰まりなのかなぁ、などと考えてしまう。つまりは、基本的に日本との共存共栄なんて考えてない、ってことなのだから。

[映画] 写楽

 NHK-BS2で映画「写楽」をやっていたので見たのだけど、「東洲斎写楽」という人物を描けてはいないが(っつーか、写楽自体が正体が謎なのだけど)、時代のありようが変わる中で、今様を追い求める業者と、自分の信じる良いものを固執するものという対立構造がまずあり、その回りで時代に右往左往する者、その上で市政に携わり逡巡する者が描かれる。それが、写楽というサービス精神のかけらもない、人間を描くことを追求したものに周囲も、描いた本人も振り回される様が描かれる。人間を描くことにはほとんど誰も追従できない売れっ子歌麿も、異彩ながらも役者絵は写楽に敵わないと苦しみながら吐露する北斎も、各々創作という地獄にそれぞれの武器で抗う。単純には売れることと良いものとの対決、その上で各々の者を生み出す苦しみ。主役が蔦屋重三郎やらなんやらにぶれているし、娯楽作としては難があるが(舞台設定は面白いが、ドラマとしてはイマイチ)、少なくとも前半部分はなんだか今のエンタテイメント界隈を見てると感じるところの多い作品ではある。

[アニメ] 非道い話

  舞-HiME 第八話、事前に既に放送してた地域から情報が漏れてきてはいたけど、なるほど、こりゃ(非情という意味で)非道い設定だ。どのくらい非道いかというと、勝手に花京院の魂まで賭けた承太郎の五倍くらい(笑)。なるほど、これで「恋を賭けた」につながるのか。いきなり人死にってのは諸刃の剣だし、これが作品としての完成度につながるかはまだ先を見ないといけないけども。
 この話の大殊勲はなんと言っても岩男潤子。実に嫌な感じの悲鳴をあげている。しかしロボだのなんだのまで出して、設定的には収集はつくんだろうか……? 

[その他] マツケンサンバII、紅白出場決定

  日経 。うわ、マジっすか!? ってほどびっくりすることでもないのだよなぁ。近頃になってワイドショーなどで散々取り上げられたし、紅白もNHKの制作費横領の影響もあって大物歌手が続々出場を辞退するなどしている。もともとド派手なステージで紅白向きだし、マツケンサンバIIが出場する要因は意外と多かった。とは言え、驚かないのとめでたいのとは別の話。紅白、久々に録画しておくか。(そいでもってマツケンサンバIIのところだけ見る)


2004年11月25日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] もー、なに考えてるんだか

  朝目新聞 さんより 岐阜経済大学公式サイト 。SPライセンス吹いた! 近年ご当地ヒーローとして「××戦隊」とかがたくさん出てるけども、あれはなんで戦隊ばっかりなんだろう? ゴレンジャーとジャッカー電撃隊はスーパー戦隊に含まないって話もあるけども、いずれにしても戦隊ヒーローものとしては忍者部隊月光やガッチャマンが先行してるわけで、別にスーパー戦隊ものでなくてもいいと思うのだけど。 *1 やはりシリーズ数が多くって漠然としたイメージのあるスーパー戦隊の方がパロディをやりやすいんだろうか?
  自衛隊駐留支持が8割、4割に「不満」も 朝日新聞調査朝日 )。この報道は朝日の報道と言うことで身構えて見てしまうが、さすがに8割支持ではどういじりようもなかったのではないかとも思える。ただ、 11/24付けの毎日新聞のコラム もあり、単にそういう事実があるというだけではなく、そういう報道を行う動機が存在してるのではないかという気がしてしまうのだけど……でも朝日の記事の後半の「4割に「不満」も」という辺りが朝日らしくって笑える。こういう表現をしているときは大抵示威的な操作をしているので内訳を見ると、28%完全に不満、12%不満もある、で、完全に期待はずれとしているのは3割に満たない。また、逆に6割は不満はまったくないということで、現地での外国組織の活動としてはかなり良い支持率ではないだろうか? しかし不満の内容を見るとやはり自衛隊の活動に伴う雇用の発生に寄せる期待が高いようで、その辺はやはりある程度は埋まらない溝なのかなと思えてしまう。
  ブラックバスは網の外?外来種被害の法対策骨抜きか読売 )。「在来種」と言っても難しいところで、元々渡来種であるものは、動物にも植物にも少なくはない。が、絶滅を放っておいていいかはそれとは違う話。結局何を保護し、何を駆逐するかという人間の恣意的な自然の操作に違いはないのだが、個人的にはバスよりフナやタナゴが見られるならそれに越したことはない。無論、私のただのわがままですが。しかし、やっぱり「キャッチ・アンド・リリースで命の大切さを」ってのは違うだろ、と思うのだけど。「美味しんぼ」の戯言を真に受ける気もないが、魚釣りで命の大切さを覚えさせるなら、絞めて、さばいて、料理して、食べて、そういう生き物として当たり前の一連の手順を体験させる方が、生命とはなにかを体感させることになると思うのだけど。
  首相の靖国参拝は公的 千葉地裁、賠償請求は棄却産経 )。要約すると「参拝は公的なものだけど、憲法違反はしてないので賠償は却下」という判決内容。「政教分離」って誤解している人が多いけども、あれは「政治が宗教に一切関わってはいけない」ということじゃない。アメリカとかその他各国の大統領の就任式の時、何に片手を置いてるのか。無論どのくらい力を入れるかとかは違うけども、この手合いの宗教の関与は普通は問題にされない(する人もいるけど少数派)。問題は、それが特定宗教団体への肩入れという形になったとき。お参りするくらいなら問題ない、というのが今回の判決。「参拝するのが義務」は言いすぎだが、少なくとも国からの物質的な利益供与はないし、国民への信仰の強制もないし、原則的に「政教分離に反する」はおかしいと思うのだけど。
*1: ここではリーダーは置いても基本的に同列かつ個々の特徴のある集団ヒーローのみを意図し、一人の強力なヒーローが仲間を引っ張る「レインボー戦隊ロビン」等は除外する。けど、ジャッカーのビッグワンってのもいるしなぁ……


2004年11月26日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] かぶれの後には……

 一時はマジで洒落にならないことになっていた右手のかぶれも収まったものの、その後遺症で今度は表皮の角質化に苦しむことに……つか、ボロボロ崩れる。指の先の表皮が厚い部分はえらいことになっていて、生え変わるまでしばらくは苦しみそう。手先を使う仕事としては、ちょっと嫌な状態なんだけどなぁ。
 本日は職場の別の部署の成果の発表会。他の用事やらもあって遅れて行ったり途中で一時抜けたりとかもしたけど、なかなか面白い話が聞けました。
 で、その後は懇親会。ぼけーとしたり、メシ食ったり、酒飲んだり、話したり。あの会費でこの料理は普通はありえん、と思ったけど、やはり会費よりグレードの高い料理だったらしい。クスクスの料理やテリーヌが出てくる懇親会は初めて見た。一体どこから金が出たのだろう、って、まあ出るところは限られてますが。
 その移動の途中、先日HDDレコーダーを購入したヤマダ電機のビルが工事している。よく見ると、閉店といっても撤退ではなく、12/4に新装開店する工事のための一時閉店だったらしい。店じまいするのにポイントカード発行してどうなるんだとか思っていたけど、なるほど。結構ポイントがあるので、新装セールはちょっと覗いてみますか。
 HDDレコーダーは導入して約一週間、おもちゃ感覚でいじってるんで、ついでに録画の消化が進む進む。もちろんもっぱら他事しながらですが……導入した DVR-HE650 は普及モデルより少し上くらいのグレードの製品で、PCとの連携とかデジタルチューナーとかそんな大層なものはついていないのだけど、それでもまあ、VHSよりはそこそこ便利。小型のベアボーンを買って録画専用PCを組むという手もないではないけど、導入やメンテナンスのコストなどを拡張性や機能と比較して、まあ、そこそこのことができればいいや、ってことで。案外と便利なのは録画しながらの再生。録画途中で見始めたりとかしても、また頭から見直すなどの時間のロスが少なくて済む。テープ媒体のビデオとはかなり似て非なるものという感じ。
 明日の「雲の向こう、約束の場所……」のシルバー劇場での上映は、新海誠氏の挨拶があるとか。その時間帯に間に合うようだったら並びに行ってみよう。しかし、ハウルもまだ見てないなぁ。話に聞くところでは「どうなったのかはわかるけど、どうしてそうなったのか/そうなるのかがわからない結末」ということらしいが。


2004年11月27日() 旧暦 [n年日記]

[映画][アニメ] 雲の向こう、約束の場所

 名古屋は シルバー劇場 公開初日で、新海氏の舞台挨拶もあるということで行ったものの、ほとんど徹夜状態 *1 . なので周期的に眠気が襲ってきたり。
 幸か不幸か劇場に向かう途中で派手にすっころんで膝をしたたかに打ちまして、その痛みで眠気が醒めたはいいんですが、痛みと体力消尽で立ち見は辛い状態に……これなら二回目の上映で確実に座った方がマシ、ということで、二回目の上映にしてもらうことに。かなりの人出で、行列も結構なことになってたんですが、スタッフ側の対応はあまりなれてませんでした。まあ、どっちかと言えばマイナー系の劇場ですから。でも、前にも一回シルバー劇場で並んだことがあったのだけどなぁ……なんだっけ? まあ、それはともかく一回目の上映終了予定時刻の12:30に劇場に再び来たものの、まだ退場は行われず……予想外の人出に手際が追いつかず、終了予定時刻の12:30に挨拶、ということになった模様。まあ、こんな事態、年にそう何度もないだろうしなぁ。
 本来開始時刻のはずの12:50にようやく入場開始。って、劇場から出てくる客の中にH氏発見。日曜に会った時に「見に行く」って言ってたっけなぁ、そう言えば。でも人がごった返してる中なので、挨拶するのもナニなので生暖かく見送ってましたですよ、ええ。
 その後、ようやく入場。予定がずれ込むこと10分ちょい。まあ、そんなものだと思ってたのでこちらはどうともないですが。
 で、いよいよ本編の感想となるわけですが……ちと、厳し目の評価っぽいのは勘弁してください。
 2002年日本SF大会ゆ〜こんにて、新海氏とちょろっと会話する機会に恵まれまして、その時にストーリーを語ることにそれほど興味の焦点は無い、と言っていた氏が長編アニメ映画をどうまとめるか、というのをちと半ば意地悪い心持ちで見ていもしたのです。が、それに関しては、わりと上手くまとめていたと思います。が、むしろ別の視点での見方がされてしまいまして……

 まず、鑑賞料分の価値があるかないか、と言われれば、確実にある、と答えます。楽しんだか、と言われれば、楽しんだ、と答えます。しかし、傑作か、と聞かれれば、ちがう、と答えます。佳作か、と言われれば、迷います。見に行く価値はあるか、と言われれば、70%の確信を持って、ある、と答えます。
 失礼を承知で端的な感想を述べます。「感嘆はしたが、感動とまではいかなかった」
 幾つか気になった点というのはあるのですが、実は根本的に感動するまで感情移入できなかった理由は二つです。
 一つは、人物とそれ以外のリアルの寒暖差。たとえば、風景だとか無機物のアクションだとかはものすごく良いのですよ。自分には到底こう物を見ることはできないんじゃないか、ってくらい。私が見える光景はもうちょっとへこみや傷による質感、誇りによるぼやけとかがあるので基本的な違いってのはあるのだけど、それにしたってこの風景を捉える力はものすごい。が、これが人物、はっきりしたところでは動作になると、急にその感動から引き剥がされる。いや、動きの滑らかさはいいんです。ただ、動作がリアルなそれではなく、「アニメ的」なんです。最初、佐由理の動き、「ぶってる女なのかな」とマジで思ってしまいました。でも、世間一般的なアニメの基準で見れば、「普通」なんですよね。極端に言えば実写の背景にアニメのキャラクターがはめこまれている違和感。他のキャラについてもそれが言えて、その画面全体での統一感の欠如が、ことあるごとに現実に引き戻すわけです。
 二つ目は、決定的な間の悪さ。例えば、ネタバレになりますが 岡部に「なんでジェットエンジンなんだ?」と聞かれて、ヒロキとタクヤが「なんとなくかっこいいから」みたいな答えを次々返す場面。笑える場面のはずなんですが、劇場で笑い声が漏れませんでした。ためらいがちな、息のようなかすかな笑いは漏れましたが。実は、これはちょっと間の取り方を工夫すれば笑いが取れるはずで、「間で演技させる」ということが出来ていない、ということです。
 両方ともどうしてそうなってしまったかは、非常に簡単。新海氏はゲームのデモムービーや短編ムービーのみの作成に関わっており、テンポ良く流れることが必須な分野であり、あるいはテンポを崩し、止め、観客の反応をコントロールする分野に関わらなかったから。単に「そういうスキルがない」ということ。また、短いムービーだったため、「演技をさせてない」欠点が気が付きにくかったこと。
 以前、アニメージュの富野由悠季氏との対談で、富野氏が「ウチで鍛えればモノになる」みたいなことを言っていたのだけど、それを思い浮かべると新海氏の欠点を適切に見抜いていたのだと思える。こればかりはそれを意識して鍛えないと、鍛えられないものなのだ。一緒の職場で働きたいとは思わないが、流石に数多の作品に関わり数々のヒット作を生み出した富野氏ではある。
 が、だからダメダメかと言うとそうとも言えず、「デモムービー・イメージビデオの手法で90分観客を飽きさせない」という手腕には舌を巻くほかない。なんだかんだ言って、私も上映中時計を見たのは二回だけだった。
 その他にも伏線の貼り方だとか視聴者の感情をコロコロ動かす技術だとかについて、未熟を感じる部分が多かったが、もし今後、上手い具合にそれを吸収したら非常に恐るべきクリエーターになること、間違いない。
 観客がスクリーンを食い入るように見ていた反面、上映直後に観客のすすり泣きがまったく聞こえてこなかったということが、新海氏の長所と欠点、両方があることをはっきり示していると思います。
 テーマはかなり重いので人によっては非常に感じ入って泣く人もいるとは思います。が、全般的には「感嘆はするけど、感動にまではいたらなかった」というのが正直なところです。しかし、それが出来たときは恐ろしい存在に化けるでしょう。
*1: 計二時間くらいの仮眠を取ったのみ。


2004年11月29日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] 調子悪〜

 私の調子が、ではない。ウチのネットワークの調子の話。なんだか先週末からブチブチ切れまくっている。評判の悪いPLANEXのルータのせいかなぁとか疑ったけど、どうもそうではないらしい。ADSLモデムか? とも思ったけど、そうでもないみたいだし、ケーブルが切れたかとか、いろいろ考えていたが、もしや、と思って受話器を取って時報にかけてみる。すると、酷いノイズがバリバリと……なんじゃこりゃ? しかもこのノイズ、四六時中乗っているわけではないらしい。とりあえず明日、 NTT西日本に連絡してみるか 。しかし、この状況はなぁ……

[その他] 先週末

 知人のTS氏が日曜に出張で名古屋に出てくると言うので、昼過ぎにお出迎え。名古屋にはそこそこ来ているので、特にこれと言って目新しいところは案内できず。ってぇか、「山」だのなんだのという奇天烈なところは既に訪問済みなんですが。ただ、日曜は28日で毎月行われる大須の烏瑟沙摩(うすさま)明王の 明王殿 の縁日。不動明王と勘違いしていたけど、烏瑟沙摩明王ってどんな明王だっけ? と思ったら、不浄除けの守護神で、便所などに札が貼られているんだそうで。昔、その辺のこと一通り調べたはずなんだけどなぁ。
 もう一人、名古屋在住の共通の知人であるNM氏も都合がついたというので合流することに。携帯での連絡がつかずぶらついていたら、大須の町中でいきなり遭遇。お会いするのは何ヶ月ぶりだっけ? まあ、同じ名古屋在住なんだからもっと接触の機会があってよい気もするのだけど、なかなか会わないのだよなぁ。
 で、少しそこらを回った後、縁日は三時からなのでそれまでグッドウィル近くにあるBOYDSでお茶などをする。まー、相も変わらずろくでもない話ばっかりしてたりするんですが。
 縁日が始まって少しぶらついて、他にも所用を済ませた後、リニューアルした 月天 へ。NM氏はリニューアル後に既に一度来ているらしいが、私とTS氏はリニューアル後は初めて。基本的には以前と同じ。店内の内装が、以前よりはおとなしめになっているくらい。日曜なのでそんなに混み合ってるわけでなかったのが却って幸い。二時間制ということだったのだけど、時間を大幅に越えても追い出されることはありませんでした。土曜だったら、そうはいかないだろうなぁ。ただ、おしぼりを持ってくるのがオーダーが来てからだったり、「お神酒」 *1 が来なかったりと、手際の悪さもありましたが、まあ文句を言う筋合いではないでしょうか。なんせ、回転直後の五時ちょい過ぎから、十時過ぎまでず〜っと居座っていたのだから……
 その間に話していた話も、大概ろくでもない話だと考えておくんなまし。
 久々、と言っても先月会ったとか、長くても数ヶ月ぶりなのだけど、でもやっぱりいろいろ話せて大変楽しかったです。
*1: 「月天」ではまず最初にお絞りとお神酒(梅酒)を持って来て店のシステムを説明するようになっている。これは以前と同じらしい。

[その他][マンガ] あんたは俺か!?

  webサンデーの藤田数日郎氏インタビュー の好きな映画、本(小説)の一覧を見て一言。「あんたは俺か!?」
 いや、藤田氏の読書量は多分相当なものだというのはわかるんですが、マイナータイトル、ことごとくなにかしらワタクシのなにかに引っかかってるんですけど。つか、読んでるんですけどね。ジャック・ヒギンズとタニス・リーとロジャー・ゼラズニーがピンポイントなんて人間は、(それらをことごとく目を通してる人間も絶対量では多くないだろうけど)それほど割合的に多くないと思うんですが……
 あ、でも唯一「ジングル・オール・ザ・ウェイ」はどうかと。(家庭持ちだとまた感想が違うのかもしれないけど)


2004年11月30日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他][マンガ] 「BSマンガ夜話」を見て

 テレビのチャンネルをなく変えていたら、いきなりBSマンガ夜話をやっていたのでびっくりして途中から録画。そういえば今週だっけ。初日は安彦良和「虹色のトロツキー」。ところが見始めた直後、いきなりレギュラー出演者のいしかわじゅん氏が「古臭い」とか「マンガとして下手」とかこき下ろし出す。
 いや、この番組で期待されているいしかわ氏の役どころだとかはわかっているつもりだし、絶賛ばかりというのも偏っているのだけども、それにしたってなぁ……
 ひとつひとつの指摘は間違っていないのだけど(「この人物を出すことはストーリー進行上は意味がない」とか「マンガの手法としては古い」とか)、言ってしまえば「だからそれがどうした?」って話で、それでつまらなくなっているという指摘ならともかく、マンガとしては間違ってる、と延々繰り返すのはうんざり。「ニューウェーブ」って言葉を多用して「自分の方が新しい立場にある」という態度なのも権威主義的で……結局は「面白いか、面白くないか」「作品としては良いか、悪いか」で、主流の表現方法や作劇法を取ってなかったからってだからなんやねん? そう言うからにはご自分はもっとご立派な作品を描けるの? とか思われるのは、仕方ないよなぁ。
 いしかわ氏の発言の数々に、ゲスト出演者で安彦氏の友人でもある高千穂遥氏もちょっとむっとしていたように見えた。気のせいかもしれないけど。
 辛口の出演者も必要かもしれないけど、ここ最近のいしかわ氏のやり方はちといただけない。

[その他] 大須のあれこれ

 日曜に行った時に縁日をやっていた 明王殿 で、どうして烏瑟沙摩明王なんてあまりメジャーじゃない明王でかなり大々的に縁日をやるのだろう? と疑問を抱く。見てみると大須に遊女街があった時に遊女に人気が高かったということで、「なんで?」とさらに思ったが、烏瑟沙摩明王は下の病気の守護明王でもあるという記述を見、なるほど、と納得。多分、性病除け祈願なのだろう。
 さらにふと、寺のまん前に遊女屋があった、ということに気付く。そりゃ、寺ってのは人の集まるところの一つなわけではありますが……え〜っと、寺が関与してなかったってことは多分なさそうで、そうするとおそらく寺が許可・保護をする代わりに寺銭とかを取っていたわけで、まあ、なんつーか、坊主ってのは今も昔も……と思ってしまう。
 「メロンパン」って言うと、 大須の301ビル向いにあるメロンパン屋 がパン生地がやわらかく軽い触感で、大変おいしいです。ハイ。