不定期日誌


google検索

日記内検索  ウェブ全体から検索

hns - 日記自動生成システム - Version 2.19.9

先月 2005年03月 来月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
HNS logo

2005年03月01日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 東海道五十三次殺し旅 三島

 現在テレビ東京系昼に放映中の「新必殺からくり人」第三話。
 天保太夫一座の次の仕事は三島宿。三島明神鳥居脇の灯篭が赤く浮かび上がったことから灯篭を調べると、おのぶという女が寄進したという。そのおのぶは女郎に身を落としていたが、塩八が客として潜り込んでも口を閉じたまま、女郎になった事情を話そうとしない。お艶は次に蘭兵衛にわざとおのぶを無碍に扱わせ、そ知らぬふりをして近づき同情してみせ、話を聞き出そうとする。
 そんなとき、小駒を見初めた地元代官所の役人小幡が、小駒を売れと迫ってきた。返事をはぐらかすお艶だが、小幡は商人の遠州屋とつるんでよからぬ事をしているようで、仕事の目処がつかないうちに巻き込まれた厄介に頭が痛い。しかし、再びお艶の泣き節を聞きに来たおのぶの口から彼女が身を持ち崩した理由を聞く。死ぬほど惚れあった旅絵師の清吉の病死が原因だったのだが、その清吉が滞在していたのが遠州屋、そして死を告げに来たのは小幡だという。
 あまりに役者が揃っている出来すぎた話に疑いを持ち調べるが、墓を暴くと案の定、清吉は病死ではなく、斬り殺されていた。実は清吉は遠州屋からおのぶを描いた絵を譲れと迫られたが断り、他ならぬ小幡に斬り殺されていた……

 うわ、おのぶが加賀まり子だよ。しかも後年のふてぶてしさは6割程度で後の2割くらいは初々しさが見える。あれ? 計算が合わないな。悪人・小幡の顔もどっかで見覚えがあるなぁ、と思ったら 和田浩治 。大岡越前の「風間駿介」役が個人的には印象が強い。
 それはさておき、話の方は正面から話を聞き出せないおのぶから身体を責めて話を聞き出そうとするお艶はえぐい。こういう善悪を超えたところにあるキャラは、今ではなかなか描けないだろうなぁ。それをさらっと描いてしまう。
 おのぶも、身体は売っても心は亡き恋人に操を立てようとしているのに、身体が思うままにならない女の性を嘆く。同じ女にここまでするか……
 塩八はスケジュールの都合か、途中で早々に姿を消し、殺しには加わらない。残念だなぁ。ただでも出番がすく……うぐむむ。

[その他] ゆびさき……

 「ゆびさきミルクティ」の4巻はまだ買ってません。
  本人確認は指先で 三井住友銀など偽造カード対策朝日 )。え〜っと、今の私みたいに指先がボロボロの場合、どうすればいいんでしょう? なんか星新一のショートショートでそんなようなのがあったような。

  警視庁も萌えを目指す?  子供に自己防衛を教えるためのクイズ形式のコンテンツなんですが、なんつーか、「ヤクチューくん」萌え?(わざとやってるのか? いろいろと)

  セカンドカップはてな店 さんから Zundel abandons deportation fight (ツンデルは国外退去の戦いをうち捨てる)。ツンデレが国外退去に! ってツンデレじゃなくってツンデル。ツンデルって言うとナチスドイツのユダヤ人600万人虐殺に異を唱え、カナダからの国外退去を求められていた。これはこれで立派な言論弾圧だよなぁ。それとも人権派の方々は、「自分の意に添わない言論は弾圧されても構わない」って考えてるってことなんだろうか?

 先日の日本酒のまぜものについてのはなしだけども(「まぜもの」というと一様にイメージが悪いか)、日記を見た友人から こんなURL を示してきた。醪の段階で醸造アルコールを少量入れると、味と香りが増すんだそうで。「で、菊正宗が美味い?」と返すと、友人は「う〜ん」と言葉に詰まってましたが。
 何故か純米酒でも糠臭い、飲むに耐えないものがある一方で、醸造アルコールが入っていてもそれほど飲めなくもないものもあるのも事実(聞いたところでは糖化装置の存在が云々とか)。でも、醸造アルコール入りで「大当たり」って酒、いや「当たり」の範疇でさえ当たったことがないのよね。わざとアルコール分を足して酒を作るって意味では、酒精強化ワイン(ポートワイン、シェリー酒など)といった「ワインとはちょっと違うけど、ちゃんとしたもの」があるから、そういう作り方をすれば美味いものが出来るだろうということは、多分想像がつくのだけど、そういう実物に当たったことがないので……
 あ、その友人にも言いましたが、水はまぜてもいいです。水は。


2005年03月02日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 東海道五十三次 原宿

 現在テレビ東京系昼に放映中の「新必殺からくり人」第四話。
 天保太夫一座は水野出羽守の所領沼津藩原の宿を目指していた。その途中、滅多切りにされた浪人を見かける。浪人は一本の簪を手にしていた。不穏なものを感じる一座。原宿は次の裏稼業の場なのだが、五十三次の絵には鶴が赤く浮かび上がっていた。浅茅ヶ原は将軍家に献上する鶴の狩場。安藤広重は五十三次を描く旅の途中で浅茅ヶ原で一人の老武士が切腹するところに出くわしていた。委細はわからないが、老武士の所作振る舞いになにか裏があるのではないか、と思った広重は、お艶たちにその真相の解明を依頼したのだ。
 お艶は将軍家に献上する鶴に関係があると睨むが、それがどういう裏なのか、皆目検討がつかない。しかし原宿では関止めが行われていた。不意の立ち入り検査に、天保一座に匿ってくれと頼み込んで来た鳥追い姿の女がいた。
 何か事情あり、とその女おしのを黒子にしたて役人をやり過ごすが、案の定彼女は原宿に来る途中で斬り殺されていた浪人の妻だった……

 ゲストは時代劇の薄幸町娘と行ったらこの人、の今出川西紀。今回は武家の妻だけど。必殺でも常連犠牲者。顔立ちは必ずしも美人ではないが、全体から不幸オーラが漂ってる気がする。「赤かぶ検事」シリーズでは事務員役でレギュラー出演していたというが、不幸役でない今出川西紀というのも想像がつかない。鶴を巡る家中の争いによって取り潰された家の妻で、夫婦の間柄すら破滅された恨みを晴らしてくれと頼んでくる。その破滅の仕方が貧困から夫が荒れ、それに嫌気がさした妻が耐え切れず浮気を……という、もうどうにもやりきれないパターン。結局その時の寝物語で舅の死の真相を知り、結果、家老の悪事を江戸詰の藩主の元に告げに行った夫は斬り殺される。貧困苦から夫を裏切った罪悪感がずっと彼女をさいなんでいたのだ。
 しかし、一座が恨みを晴らした後、これでもう思い残すことは無い、と言い残し、燃え盛る小屋の中へ……幸福の似合わない脇役女優、今出川西紀の真骨頂!(失礼なやっちゃな)
 ただ、全般的には今出川演じるおしのの不幸に焦点を当てすぎ、悪役の存在感が薄かったり、悪事の酷さがあまり感じられない話になっている。
 それにしても今回も塩八の殺しはなし。いろいろそれなりに活躍はしてるんですが。


2005年03月03日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 東海道五十三次殺し旅 府中

 現在テレビ東京系で昼放送中「新必殺からくり人」第五話。
 今回の仕事の場、府中で一家惨殺の押し込み強盗が起こる。その為、緊急の検問が行われるが、犯人一味は一向に網に引っかからない。
 五十三次のあぶり出しで赤く染まったのは安倍川を川越をする女。しかしその女が誰なのか、探しても皆目見当がつかない。そんな折、お艶は江戸で彼女が三味線を教えていた春之介と再会する。春之介はお艶でさえも一目置く才能の持ち主だったが、十八の歳に不意に姿をくらまし、今では府中で茶問屋を営んでいた。一体なぜだったのか、と問うお艶に、心中で相方の女だけを死なせてしまい、江戸から逃げ出したのだと言う。お艶と一緒に話を聞いていた小駒はそのことを語る春之助の横顔に、なにか恐ろしいものを感じる。
 一方、塩八の探索も的外れに終わり、一向に絵の女の正体がつかめない一座。しかし部屋の押入に隠れて一部始終を聞いていた娘がいた。娘は宿の女将の遠縁で、押し込みで彼女以外一家皆殺しになった家の唯一の生き残りだった。それ以来気が触れ、人前を恐れて押入にこもるようになってしまったという。
 彼女に話を聞かれてないか、町へ連れて出て様子を見る蘭兵衛だったが、彼女をつけ回す男がいることに気がつく。そしてその夜、娘を狙った刺客が宿を襲う。撃退した刺客をブラ平が追うと、男は春之介の茶問屋への入っていき……

 この話に限らないが、新からくり人は少し要素が多くてとっちらかってる感は否めないかも。ただ、やはり異彩を放っているのはピーター(池畑新之介)演じる春之介。ピーターというと必殺では「必殺からくり人 血風編」ではレギュラー殺し屋を演じていた。が、正直悪役の方が映えている。小駒に心中の理由を、お艶に芸が薄いと叱咤されたため「芸のために、男と女の情死を知ってみたかった」と表情の消えた顔で語るシーンはぞっとする。また、府中の女が 実は官憲の手を逃れるために女装し逃亡する春之介だった、というドンデン返しやお艶と三味線を弾き競うシーンもピーターでなくてはできない筋立てだろう。
 ただ、ピーターの役が立ってるという以外の部分では、盗賊の犠牲になった娘にお艶・春之介の間柄の深さ、否応なく先代からの盗賊稼業を次がなければならなかった春之介とその周囲など、もっと掘り下げれば面白くなるのに、というくすぐりがそこそこにしか生きていないのは残念。
 本筋とは違うが、塩八が絵の女を捜すのに広重の描いた府中の絵が二種類あることを知らずに大空振りしてしまうのはなかなか凝っている。その塩八は今回も殺しに加わらないが(あの技は扱いが難しいんだろうな)、春之介の美貌が目蓋から離れず、ぼーっとしてる小駒に「ほら、目の前にもっといい男がいるでしょう?」と催眠術をかけようとするのは笑える。

[アニメ][マンガ] またぞろ変な名前が……

 週刊チャンピオン誌上で「TWO突風」コンビによる新連載「ガキ警察」が開始。大手警備会社が警察などの手が届かない学園や街の少年少女たちの起こす問題を解決する新部門を設立、そこにスカウトされた超ド級の悪ガキ橘雷。癖の強いキャラの勢いは相変わらず。前作での「ほとんど色気0」という弱点(?)を克服するためか、今回は女性キャラが多め。受けの良さそうな絵柄だけに上手くいけば当たるかも。おそらく前作からの読者には注目の「狂ってる二つ名」は今回も健在。とはいえ初回なためか全般的に大人し目。それでも「はぐれすぎ刑事免職派」とか「世界でひとつだけの花を散らすガキ」とか「美少女はうどんが嫌い」とか、十二分に意味不明で狂ってるんですが……

  ファンタジックチルドレン #22。デュマとの直接対決、ヒースマの裏切り、ゲルタ博士の秘密、何かを思い出しかけるトーマ、と佳境に。また、子供たちの本当の身体はゲオルカたちに盗まれており、絶体絶命の危機に。
 ゲルタ博士は前世の記憶がないから利用されてもしかたないのだけど、ヒースマの場合は……ゲオルカ一派に協力する以上は国王の元には戻れず、ということは当然ゲオルカ派としてティナを兵器として利用するつもりだ、ってことになるのだけど……でも、「ゾーンによる老化を防ぐ方法」が本当かどうか……トーマはティナと関わりのあった誰かの転生には違いないのだろうけど、それが誰なのか……
 それにしてもギリシア人、やっぱりでかいな。

  舞-HiME #21。最後のHiMEの登場と、黒曜の君・真白の正体と関係など、シリーズの謎の多くが明らかになった回。いろいろ強引なところもあるけど、まあ、いかんせん前回が強引すぎたってことで。百合ん百合んな会長とか妹属性とか(だけじゃなくって、魅優復活の予兆だとか)いろんな要素がごちゃまぜになって面白くなってきたのも確かだけど、本当に収集つけられるのかしらん?

 今更ながらDoCoMoのPHS撤退関連二つ。 ドコモ、PHS事業から撤退へITmediaモバイル )と ドコモ、PHSサービス撤退も視野にケータイwatch )。四月末で新規受付終了ってのは確実らしいけど、撤退が確定なのかどうかがイマイチよくわからなんなぁ。611sを使ってるので、この辺は大事なのだけど。

  答えのわからない三択問題のうち、どれか一つ不正解の選択肢を教えてもらえるなら正解の確率は1/2ではなく2/3にできる (フェアリアルさん3/3)。なんだか魔法のような話だが計算すると確かにそうなるってんだから仕方ない。絶対に答えない選択肢(A)と、そうでない選択肢(B or C)の正解の確率は実は同じではない、という、一見おかしくも思えるお話。

  料理人が江戸時代に飛ばされたら? (2ch料理板)幾つか気になるところがあるんですが、なかなか面白いかと。ただ、江戸時代にも胡椒はあったはずだし(「助六」だったかで、うどんの薬味に胡椒を使うシーンがあるとか。聞いた話ですが)、江戸時代は酒器としてはとっくりより「ちろり」の方が主流だった時期が長いとか。「ちろり」ってのは こんなん


2005年03月05日() 旧暦 [n年日記]

[必殺] 東海道五十三次殺し旅 日坂

 現在テレビ東京系昼に放映中の「新必殺からくり人」第六話。
 天保太夫一座が訪れるより前のこと、日坂の宿の付近で、茶屋の女が殺される。女ははらんでおり、死の間際に子供を産み落とし、妹がその赤子を育てていた。
 その一部始終を見ていた広重は、そのことを五十三次に託していたのだ。しかし一体なにが起こったのか、何故なのかは詳らかにせず、お艶たちに調べた上で、納得して仕置して欲しいという。
 手がかりを求め子鳴き石の付近を調べていた一座は、捨てられていた赤子を拾う。この赤子こそ女が死の間際の産み落とした子で、女の妹おふじが育てようとしていたのを、彼女が働くはたごの主人が足手まといと勝手に捨てたのだった。
 ひとまず日坂で小屋をかけた一座だが、客席でおふじが女連れの男ともめだす。おふじはその男清太郎が赤子の父親だと言うのだが、清太郎は人違いだ、とけんもほろろ。清太郎は掛川の庄屋の手代として働いており、近々庄屋の娘と祝言を挙げるのだという。
 なにか裏があると調べると、案の定、おふじの姉を襲った浪人たちと清太郎は繋がっていて、邪魔になったおふじの姉をわざと襲わせたのだ。のみならず、その子供まで始末しようとしていた。
 おふじが小駒と外出中に、清太郎のやとった浪人たちに襲われる。身辺を見張っていた蘭兵衛がかけつけ事なきをえるが、物陰から小駒を見た清太郎が顔色を変える。
 後日、小駒の前に清太郎が現れる。しばし清太郎の顔をしげしげとながめていた小駒が、気色輝かせて清太郎に「兄ちゃん!」とよびかけた。清太郎はあろうことか、小駒の生き別れの兄だったのだ……

 日坂というと金谷と掛川の中間くらいで、実はわりと出身地の地元だったり(撮影は京都なんだけど)。でも夜鳴き石伝説が地元の話だってのは忘れてました。
 今回は、仕置の相手が身内だったら……というパターンなのだけど、小駒の葛藤よりも、やはりお艶の覚悟の方が目を引く。兄との再会を喜ぶ小駒に、今回の的はその兄だということを告げるお艶。どうするかと問われた小駒は「自分はからくり人」と答える。そんな小駒にお艶は、「最後にお兄さんと会ってきなさい」と促す。一部始終を聞いていたブラ平、塩八が肉親の情からの小駒の裏切りを心配するのを、お艶はこう言ってのける。
「小駒が裏切るんなら、あたしたちみんな死ねばいいじゃないか!」
 蘭兵衛も「俺は小駒を信じる」と言っているが、そういった信頼というのとも違う、信頼よりも血よりも濃い情の強さを感じさせるセリフだ。
 その小駒の兄・清太郎を演じるのは綿引洪。必殺では常連のゲストだが、現在では綿引勝彦と改名しており、ピカチュウおじさんとしてむしろ有名かも。でもこの頃はこんなゴツイ顔してこんな悪そうな役やってたんですよ。「兄ちゃん全然変わってない」って、変わりすぎだっちゅゆーねん。必殺仕置屋稼業では山田五十鈴をコマしてるし!
 それはさておき、小駒役のジュディ・オングと綿引洪が兄妹だってのも無理があるんですがそれもおいといて、兄と妹二人きりで生きてきたのが、いつの間にか道をたがえてしまう。決して肉親の情は消えたわけではない。生き方の決定的な相違。無情。
 最後、広重への文でお艶がわざと「一行五人、なんの変わりも御座いません……」と言っているのが、重い。
 今回の殺しは清太郎の祝言の席に呼ばれた一座が、ひそかに浪人たちと清太郎を仕置する。塩八の催眠術殺しも第一話から久々に登場。小駒の独楽殺しの方が出番が少ないか。
 その塩八、シリーズ最大の見せ場は次回「荒井」。


2005年03月07日(月) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 東海道五十三次殺し旅 荒井

 現在テレビ東京系昼に放映中の「新必殺からくり人」第七話。
 浜名湖を越えて荒井宿に向かおうとするお艶たち一行の宿に、女の盗人が入った。男物ばかり盗んだその女お志まは駆け落ちの途中。浜名湖の対岸の荒井の関は特に出女の取締りが厳しいことで有名。男に化けて抜けようとしたのだ。お艶はお志またちを見逃すが、あまりに鼻っ柱の強いお志まの様子に無茶をしないかと心配になり、塩八に後を付けさせる。
 ところが途中で見失ってしまい、「なにかあったら後々まで祟られるよ」とお艶に脅される塩八。しかし一方で関所の役人たちで満員の小屋で塩八の高座が大受けし、噺家になって以来の盛況に満足もする塩八だった。
 そのお志まと駆け落ち相手の文次郎は船頭の仙次の話に乗り、彼の手引きで関所やぶりをしようとする。だが仙次は関所番頭の五味とつるみ、関所破りをする女の弱みをいいことにその身体をもてあそんでいた。
 お志まが五味の元に連れ去られるのを見つけ後をつけていた塩八だが、見つけられて短筒で撃たれる。
 半死半生のまま一座の小屋に戻りそのことを告げる塩八。関所の役人がなにか悪事をしていることを察したお艶は五十三次の絵をあぶると、荒井の関が赤く浮かび上がる。しかし、そのことを告げた塩八の様態はかんばしくない。治療する蘭兵衛も言葉を濁すばかりだった。
 一方、お志まはさんざんもてあそばれた後解放される。ひとたびは死まで考えるが、どうせ死ぬならと荒井宿の町奉行所に五味らの悪事を訴えに行く。しかし、五味らに先手を打たれ捕まり、駿府に送り返される途中で事故死を装い殺される算段をつけられる。
 もはや一刻の猶予も無い天保太夫一座は小屋に役人たちをひきつけ、その隙に代官所を襲い彼女らを逃そうとするが、役人たちはお目当ての塩八が臥せっていると知ると、帰ろうとする。役人たちが代官所にいては仕事にならない。必死で引きとめようとする一座。それでも帰ろうとする役人たちを引きとめたのは化粧で蒼白になった顔色を誤魔化した塩八だった。
 役人たちをひきつけるため、塩八一世一代の高座が幕を開けた……

 塩八の勇退話。瀕死の重傷を負った塩八はからくり人として、そして噺家として、高座に立つ。その様は化粧や気付け薬で誤魔化しているが、どう見ても半死半生。客席も笑いどころではなく、明らかに不調な塩八の様子に静まり返っている。しかし、ついに力尽き倒れ、一度は下ろされた幕を、もう一度上げてくれと頼む。既に役人たちはブラ平、蘭兵衛たちの襲撃で火事になった代官所に駆けつけ誰もいなかったのだが、今わの際の塩八はそこに爆笑につつまれる客席の幻覚を見、満足しながら死んでいく。芸人としての死だった。
 ゲストのお志ま役は鮎川いずみ。後の「必殺仕事人」の加代役が有名だが、「必殺商売人」でレギュラーになる以前から何度かゲスト出演をしていた。今回は手代と駆け落ちをする、向こう気の強い大店のお嬢。着物を盗んでもお艶たちに悪びれず開き直り、悪人に騙されても死ぬ前に一矢報いようとする。塩八は彼女らのことなどほとんど知りはしないが、最初はお艶に脅され、しかし最後にはプロとしての仕事として、結果的に彼女らを助ける。彼女は彼女で一本気が通っていたのだが、塩八のプロとしての意地、芸人としての生き様に飲まれてしまったのは確か。
 塩八役を演じた古今亭志ん朝師匠は高座を非常に大事にした方で、しばしば登場が少なかったり、このシリーズでも半ばでの退場もそのスケジュールの都合上のことだろう。その師匠も、2001年11月1日にこの世を去った。ただただ合掌。


2005年03月08日(火) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 東海道五十三次殺し旅 藤川

 現在テレビ東京系昼に放映中の「新必殺からくり人」第八話。
 蘭兵衛は一行と別行動で藤川の宿に向かう途中、盲目の馬方の少女、おせんと出会う。おせんの馬・ふじは見た目が立派なだけではなく彼女の目代わりになるほど利口な馬。おせんの美しい馬方歌を響かせながら、荷物を背に東海道をゆっくりと上っていく。だが、丁度宿に着いたところで、役人が引く馬が暴れているところに出くわす。その前に飛び出て馬を一瞬でなだめるおせん。
 蘭兵衛と合流したお艶一行が藤川の錦絵を火にかざすと、馬と犬が赤く浮かび上がる。広重は犬を連れた馬方が切り殺されたところにでくわしたのだという。ここでの仕事は、なにか馬が関係していることを察っして調べると、毎年御献上馬をめぐって役人の醜いいざこざがあるという。去年も馬方の青年が無礼討ちにあい、その馬が献上されたという。広重が出くわしたのはその場面だったのだ。
 一方、献上するはずの馬が暴れて足をくじいてしまった役人村瀬と庄屋の徳兵衛はふじに目をつけ、おせんの祖父の嘉兵衛にふじを献上馬としてゆずることを迫るが、孫のおせんのことを想い、嘉兵衛は決して首を縦に振らない。業を煮やした村瀬は、帰り道に嘉兵衛を物取りの仕業に見せかけて殺してしまう。
 徳兵衛と村瀬は祖父の死のショックからまだ覚めやらぬおせんの元から、偽の証文を盾にふじを奪ってしまう。祖父と愛馬をいっぺんになくし、悲嘆にくれるおせんをお艶の泣き節がなぐさめる。
 一座は庄屋と役人を仕置し、おせんのためにふじを取り戻そうとする。

 前回の塩八の死が、いなかったかのように進んでるのはなんなんだと思わないでもないが、今回は馬が主役。おせんの口笛一つでかけつけるふじもそうだし、暴れ馬もそう。暴れ馬の前に飛び出すおせんも相当のものだけど。馬に寄った画が多いせいか、馬の存在感が強く感じられる画作り。
 そのおせん役は西崎みどり。必殺ファン以外はピンと来ないかもしれないけど、四作目「暗闇仕留人」の主題歌「旅愁」以来、しばしば必殺の主題歌を担当し、ゲスト出演もしてきた。 「新からくり人」の主題歌「惜雪」も西崎みどり (3/14訂正。「惜雪」は西崎みどりではなく「みずきあい」でした)。今回は馬方歌でたっぷりとその美声を披露している。
 話としては、今回は悪党としては小粒だが、筋自体は勧善懲悪のパターン。痛快時代劇としては安定して見られると思う。あまり必殺的じゃないと言えばそうだけど。

[その他] 人権擁護法案とかなんとか

 あちこちで騒がれだしてる人権擁護法案なんですが、今までの経緯とか内容に呆れるやら呆れるやら。で、賛成か反対かで言えば無論反対なのだけど、一部で起こっているような「言論弾圧の危機が!」みたいなヒートアップのしかたは果たして正しいか、というのはイマイチよくわからない。よくわからないってのは文字通り良くわからないのであって、そうならない保証がある、ということではない。いろいろ問題のある法律なのはわかるしだから反対なのだが、あまりに範囲が漠然と広すぎ、またその基準などもいい加減にすぎるので、法として果たして実行できるのだろうか、というのがある。それでも適用をちらつかせるだけでも十分威圧を与えるのだけど。また、議論にイマイチまとまりを持って見えないのも、果たして一体誰がどういう目的で推し進めているのか、という実態がよくわからないからかもしれない。それにしては各政党、共産党以外は足並みが揃いすぎるくらいに揃ってるんで、その部分は異様に不気味ではある。

  MTSAT、静止軌道に 愛称は「ひまわり6号」産経 )。ここまでくればもはや大事はあるまい、と思っていたけども、やっぱり成功するとうれしい。公式発表は こちら 。それにしても、運輸多目的衛星だからどうなるかと思ったけど、「ひまわり」の名を継承ですか。相乗りだから、二つ名つけてもいいんじゃないかと思ったり。「安全」の花言葉だと、 センニンソウ になるのか。でも有毒植物。ダメか。
 それはそれとして気になったのは、昼には発表されていたのに、 朝日新聞の記事 は18:40にようやく出てることだったり。

  フジテレビがニッポン放送株を1/3以上買占めに成功した朝日 )そうで、これでライブドアが過半数の株の買占めに成功したとしても、重要事項の決定については拒否権を発動できるそうな。株と札束を弾丸にした戦場ってのは良くわからないのだけど、買占めに問題がなければ、最悪膠着状態、ということだろうか。
 同じフジ系ということで牽強付会に話題にするが、 産経新聞が「ドラゴン桜」を取り上げてる のはちとびびった。

  新語探検「萌え四コマ」 。orz……っつーか 亀井肇氏 は「トリコロ」とか「あずまんが大王」を読んだのかが気になる。なんか妙に心そそられる構図だ。

 先日の補足。先日の三択問題の件ですが、 フェアリアルさん の3/4の記事でようやく前提条件の違いが合点が行ってたんですが(三つのうちどれか一つ、×の選択肢を教えてもらう、というのは「三択→二択」化。選択肢のうち任意の二つのうちの×を一つ教えてもらう、というのは「任意の二つを選ぶ時点で当り2/3のくじを引いているようなもの」という感じか。実は前提がかなり異なっている)、最近新からくり人の感想に圧迫されてて、そのこと触れる余裕がなかった……


2005年03月09日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 東海道五十三次殺し旅 鳴海

 現在テレビ東京系昼に放映中の「新必殺からくり人」第九話。
 お艶たち一行は鳴海の宿に差し掛かるが、ブラ平はどうにも気が乗らなさそう。鳴海を仕切ってる地回りの親分重蔵は法外なショバ代をふっかける上にお艶の泣き節も介さない無粋な男。しかし、鳴海には広重から依頼された仕事があり、避けて通るわけにはいかない。
 錦絵を火にかざして浮かび上がったのは駕籠に乗った女。毎年江戸からやってきては敵を探すような目で鳴海絞を探していくのだという。並々ならぬ様子に広重はその裏を探って欲しい、というのだ。
 その話を聞き、蘭兵衛と小駒は街中で見かけた女を思い出す。その女が広重の言う女ではないかと、市中を探す一座。果たしてその女、お葉は重蔵の手下に道中手形をすられて持っていないのを見咎められ、屋敷に引っ張り込まれていた。実は道中手形を盗ませたのは重蔵自身で、お葉をもてあそぶつもりだったのだが、間一髪で道中手形を取り戻した蘭兵衛が駆けつける。
 お葉に話を聞くと、彼女は江戸の染物問屋薊屋の女主で、三年前に雇っていた絞職人・多七が主人を殺し、江戸を出奔したのだという。それ以来、夫の敵を求めて各地の絞の中に多七のものがないかと探し回っていたのだ。
 たまたまお艶が人からもらった絞が多七の手になるものだったことから、その消息が判明し、お葉は多七に対面する。しかし、再会した彼女の口から出たのは意外な言葉だった……

 う〜〜ん。正直、今回はかなり不調な回。と言うか話数的に中だるみ回か。
 並々ならぬ目つきの女がいた、というだけでなんの悪事かもわからないのに広重が殺しの依頼をするのは不自然に過ぎるし、いろいろご都合展開が多すぎる。
 また、旦那殺しは確かに大罪だが、今回のからくり人たちの行動が恨みを晴らすためでもないし誰かを助けるためという目的もかなり希薄で、カタルシスに欠ける。必殺でカタルシスを欠いたらいけないだろう、と思うのだけど……
 お葉も主人を殺された上に地回りに目をつけられる被害者……と思わせて、という展開はいいのだけど、あっさりとからくり人たちに知られてしまって上手く機能していない。
 最後は実は純然たる被害者だった多七を鳴海から逃がそうとするが、お葉がたらしこんだ重蔵によって拉致され結局殺されてしまう。つか、助けようと思えば助けられたはずなのになんにもしようとしないんだものなぁ。最後は仕置シーンのための仕置で、この回で久々に小駒の独楽殺しが出たのが惜しいくらいに理不尽な感じしか残らない。妙にいろいろ捻りすぎて失敗した台本の弱さが目立ってしまう。筋は単純でも一本筋が通っていれば楽しめる、という前回と対照的。
 ゲストの俳優陣はお葉や重蔵を含めて雰囲気を出して健闘していただけに残念。

[特撮] 響鬼についてのフォロー

 番組の展開やあちこちの情報とか見て、どうやら制作の基本コンセプトに勘違いがあったようだと気付いたのでフォロー。
 どうも「ライダー=憧れの対象である正義の味方」として、「響鬼=先生」が「弟子(明日夢など)」を導いていく、ということをやりたいようだ。先に登場した「伊吹鬼」に弟子がいて、それが明日夢と同年齢の女の子、しかも弟子として先行している、というあたりでようやくそうかも、と思い、イブキとヒビキの指導者としての資質を云々してる会話で確信を持った。
 そうすると今までまったくちぐはぐにしか見えなかった部分もその意図が見えてくるのだが、やはりいろいろアレな点はそれでもあると思う。なにより、人間の悪意がない、善人ばかりというのが非常に性に合わないんですが……
 そういや、響鬼を「寅さんライダー」を称しているのを見かけたけど、特徴は確かに寅さんに対応できるが、実はその位置づけはまったく異なる。
 寅さんってのは放浪者で、それが柴又にふらっと帰ってきたり日本のどこかにしばらく滞在して、おせっかいやらなにやら騒動を巻き起こす。そして話が落ち着くところへ落ち着くと、また旅立っていく。それってヒーローと似ているようで実は違う。端的に言えば、寅さんは永遠の放浪者であり、旅が日常で滞在や帰郷が非日常であるということ。全国各地を忙しく飛び回っている、というのとは違う。また、寅さんは善意の存在には違いないけど定住者から見れば浮世離れした存在であり、滞在しているだけで本質的に不安定のタネであること。その他もろもろの要因により、寅さんは愛される存在ではあるが、必ずしも決して尊敬される指導者ではないということ。まあ、少年に寅さんを目指されても困るので、それは意図的に違うようにしてるのだろうけど。
 閑話休題、個人的な好みに合わないというのはさておいても、それなりのコンセプトがあることはあるらしい、というのはひとまずフォローを入れておく。
 しかし、 視聴率は今のところふるっていないようだ 。やっぱ子供が見たがる戦闘シーンが見ごたえがないのがネックなのかなぁ。(ディスクアニマルは売れてるらしいが)

[その他] マツケンサンバII、アメリカに紹介される

  世界も注目、マツケンサンバ産経 )。なんの冗談かと思ってたけど、 本当にあるよ 。orz
 「暴れん坊将軍」が「Violent Shogun」って訳されてるのは、直訳過ぎる気もしますが、"shogun"や"kimono"と言った英語化した日本語だけじゃなくって"shogunate"なる見慣れない単語も出てて面白かったり。


2005年03月10日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 東海道五十三次殺し旅 桑名

 現在テレビ東京系昼に放映中の「新必殺からくり人」第十話。
 天保太夫一座は、焼き蛤で有名な桑名の宿にたどり着く。東海道本道の宮(熱田)と桑名の間は「七里の渡し」という海上路があり、その舟客でとても繁盛していた。
 その桑名の七里の渡しの絵で赤く浮かび上がったのは渡し舟の帆。ブラ平がこの辺りの渡し舟の工場を調べると、ヤクザのような男たちに船大工らが奴隷のような扱いを受けていた。その船大工の一人・小吉に、しのという女に届けてくれと文を託されるブラ平。どうも逢引の連絡のようなのだが、男のただ事ならぬ様子にかえって面倒に巻き込まれてはと届けるのを躊躇う。
 小駒はそれを聞いて自分が届けると買って出、その相手がいる角屋へと赴く。しかしそこでも帆を作る機織の女たちが無碍に取り扱われていた。小駒は監視の目をかいくぐって文の相手のおしのを見つけるが、おしのは身体を患っている様子。おしのだけではなく、そこにいる機織の女たち皆が身体を壊しているようすなのだ。
 そのことをお艶に話し、すぐにやっつけようと息巻く小駒。しかし一体誰が悪の親玉なのか見極めるのが先決と、お艶はたしなめる。
 そのお艶を、角屋の主人善兵衛が訪ねてきた。江戸の芸人がやってきたと聞き、そののどを聞かせて欲しいというのだ。お艶は当地縁の「桑名の殿さん」をつまびくが、善兵衛は他の歌がいいと止める。
 一方、雨の中小吉と待ち合わせ場所の神社の境内で落ち合ったおしのは一緒に逃げよう、と小吉に迫る。実はおしのは機織の仕事と騙されて借金のかたに田舎から来たものの、女郎として身体を売らされ、身体を壊し客が取れなくなると機織としてこき使わされ、たまにやはり囚人同然に取り扱われている船大工たちの相手をさせられていたのだ。
 おしのの身を案じるものの、決心がつきかねる小吉。しかしおしのがいないことに気付いた角屋に戻ることもできない。こっそりと逢引の現場を覗きに来た小駒が姿を見せ、自分のところでおしのを預かると申し出る。

 オーソドックスながら綺麗にまとまった一本。
 船が出なければ客も宿にとどまるしかない。客がとどまらなければ町も潤わない。そうやって桑名の宿を支配している角屋善兵衛は、それのみならず、船大工や機織たちをこきつかい、あくどく利益を挙げていた。「桑名の殿さん」はちと歌詞がネットで見つからなかったのだけど、吝嗇家の殿様が茶漬けで食事を済ませてまで倹約することを揶揄して歌ったとして、善兵衛を揶揄するのに使っている。もっとも本当は明治〜大正に桑名にあった米取引所で儲けた桑名の旦那衆が東京で豪遊し、酒宴の最後にしぐれの茶漬けで締めにしたことを歌った歌らしい( 参考 )。だから、本当は大分新しい歌なんですな。
 まあそれはともかく、虐げられた二人が身を寄せ合い、しかし女は病に倒れ、男もそれを知って自暴自棄に角屋に乗り込み、返り討ちに会う。虐げられたもの同士のすがるような間柄と望郷が丁寧に描かれている。
 殺陣のシーンも、角屋に乗り込む小吉を追い、しかし目の前で切り殺されてしまった蘭兵衛が怒りに燃えて角屋の手下を切り殺し、善兵衛の前でわざと彼の嫌う桑名の殿さんを歌詞を変えて歌うお艶と、見ごたえがある。
 細かいところでは、おしのを宿に連れ込んだ小駒が(きっとすぐに見つかってしまうだろうから)はやまったことをしたねえ、と蘭兵衛にしかられたり、案の定女中が女の人が一人増えたと主人に話すところが結構良く出来てる。善兵衛に支配された町でどうやっておしのを隠しとおすか、というのがひとつのみどころ。
 ところで今回、BGMを聞いてると、殺陣のシーンの「仕掛人」はもちろん、仕置人、仕留人、仕事屋稼業、無印からくり人、仕業人、新仕置人(あと仕置屋稼業もあったかも)と、過去の潤沢な音源を使いまわしてるのはある意味すごい贅沢なことかも、と思ってしまった。末期の必殺と違って、画面もBGM負けしてないし。