不定期日誌


google検索

日記内検索  ウェブ全体から検索

hns - 日記自動生成システム - Version 2.19.9

先月 2004年03月 来月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
HNS logo

2004年03月02日(火) 旧暦 [n年日記]

[ドラマ] 必殺仕置人#15「夜がキバむく一つ宿」

 横になってるしかなかったってこともあって、必殺仕置人を見返す。15話「夜がキバむく一つ宿」を見ていて気づいたけど、「巷説百物語」の第一話「小豆洗い」って、モチーフは多分この話だよなぁ。雨宿りで集まった男女の中に刺客がまぎれていて、というのはカムイ外伝の「暗鬼」と同じパターンなのだけど、作者の必殺好きを考えると、こっちの方が近いのではないかと思える。
 この話は遠国での仕置を済ませた鉄と錠が帰途、長雨のために足止めを食らい、雨宿りに入った廃屋の中で、同じく雨宿りをしていた旅人たちが一人、また一人と何者かに殺されていくという、シリーズ中でもかなりの異色作。
 初孫に会うのを楽しみにしていた老人の死に、鉄の怒りが爆発。「罪のねえモンまで殺しやがって!」。最後、錠が自らの純情を爆発させるかのような「バカヤローッ!!」の叫びと共にの仕置も、殺しのプロフェッショナルとしてではなく、身近な怒りを行動にする仕置人というシリーズならでは。
 個人的に仕置人の中でのお薦めベスト5を挙げると、主水、鉄、錠らが奉行所の正義に愛想を尽かし、仕置を開始する#1「命を売って晒し首」(神社の境内で三人が楽しそうに仕置の算段をするシーンはまさしく「ゾクゾクして」くる)、力こそ正義と堅気も容赦なく巻き込む極悪非道のヤクザ・聖天の政五郎を逆に自滅させる#4「人間のクズやお払い」、仕置人たちが江戸一番の目明しに目をつけられたのを逆用して依頼を遂行する#11「流刑のかげ仕掛あり」、江戸詰家老の娘をさらい油問屋に立て篭もった青年藩士の思惑が思わぬ方向へと話を進める#13「悪い奴ほどよく見える」、#15「夜がキバむく一つ宿」辺りか。とはいえ、序盤数話はどれもお薦めだし、中盤以降は低調の話が多くなるけども、それでもハズレというほどのハズレはない。必殺なんて様式美の産物ジャン、と思ってる人に特に見てほしい。

[読書] 攻殻機動隊SAC 虚夢回路/藤咲淳一

 アニメ、攻殻機動隊SACのオリジナルエピソードノベル。作者はSAC本編でも何本かのエピソードの脚本を担当している。その分、ベタベタ激甘のストーリーにはなっていないしそれなりにまとまっているのだけど、一般読者を意識した書き方と、見るものを突き放した本編のストーリーテリングとの間でどっちつかずになっている印象は免れない。難しくなりそうなガジェットの説明等は上手くまとめていると思う。

[アニメ] ウォーターシップダウン

 メモ的に。 NHK春の新番組 。プラネテスの後番は有名な児童文学「ウォーターシップダウンのうさぎたち」。たしか昔に海外でアニメ映画になっていたはずだけど、あの愛らしくも容赦ない世界をどうアニメ化するか、楽しみ。

[その他] 熱とか薬とかなんとか

かぜ薬:

 日曜からの腹痛を伴う発熱は月曜になってもほとんど衰えず、古巣のI助教授の退官記念講演にも行けなかった。少し動いただけで汗が止まらずぶっ倒れそうになるのだもの。熱は38度未満と、人によっては「大したことはない」レベルなのだけど、何故か昔っから発熱には妙に弱かったりする。おまけに腹痛と嘔吐感が重なるのでどうしようもない。
 仕方なく近所の薬局で買ってきたのが 天野製薬のガノン顆粒KA 。腹痛、嘔吐感を伴うかぜの症状に、ということを売りにしていたので試してみたら、一包で熱と腹痛は大分治まった。治まったのだけど、何故か悪寒や疲労感は回復せず。特定の症状には異様に効き目があるだけに、あまり効き目のない症状とのギャップが……手っ取り早く発熱や腹痛を抑えるのにはいいかもしれない。

セカイ系:

 週末に「セカイ系って、よくわからひんねん」とセカイ系の話をして、検索。 はてなダイアリーのキーワード登録のセカイ系解説 。なるほど。こういうものか。

[ニュース] 親日 反民族特別法 国会 通過

 あの国は困ったときの反日頼みだなぁ。まったく、しょうもない。


2004年03月03日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] 見てきたような

  朝日新聞 で連載中のAK47の特集で、何故かフレデリック・フォーサイスが登場。AKについて触れてるのは冒頭のほんのちょっとだけで、その後は「戦争の犬たち」事件のこと。フォーサイスが実際のクーデター未遂事件に関わっていたという疑いを持たれた事件。フォーサイスは、取材のため武器商人に近づいたのを誤解されたと言っているけども、嘘か本当かは闇の中。ただ、聞いてたのとちょっと話が違うところがあって、クーデター未遂が起こった国と、あと、直前に発覚したのは買収した税関が心変わりして武器の持込がばれたためだという部分。調べてみたが、どうも別の事件と混同して聞いてたみたいだなぁ。うむむ。
 クーデターってえと、 ハイチもめちゃくちゃなようで朝日 )。あそこもアメリカがいらんちょっかい出し続けた国だからなぁ。

[特撮] デカとか剣とか

  は謎のライダーカリスの正体が始ではないかと一真が疑い始める。失踪していた烏丸所長は橘が身を寄せている女医の前に姿を現わし、「橘の異変はライダーシステムのせいではなく、橘自身の恐怖心のためだ」と告げる。そしてその烏丸を追う謎の男伊坂が一真の身柄を拘束する。
 なんつーか、展開はやっ!  555 でこのころ何やってたか覚えてる方はいますか? 喫茶店でイカが人を襲って「最後の授業だ!」とやってたんですよ? でも、やっぱ展開速いのはいいけど、話を進め急いでいる感がどうしてもある。烏丸が橘の不調の原因を説明するところとかも、ただ説明してるだけで通り過ぎてるし。それと、ようやく始を筆頭にキャラが立ってきたけど、それでもキャラだけで視聴者を引き込むまでは……
  デカレンジャー は、個々のメンバーにクローズアップしていった話。いってみれば紹介話なんだけど、やっぱ「このキャラはこういう奴」というのが最初に刷り込まれていた方が、序盤は話に入りやすいかも。前二話ほどのバカっぽさはないけど、敵の巨大メカを巨大ロボを出さずに倒すのは結構珍しかったかも。

[その他] 睡眠導入剤

 友人が睡眠が浅いというので、睡眠導入剤のことをちょっと検索。 Mental+Netの解説ページ とか 毎日の解説ページ とか。最近は副作用が少ない良い薬がたくさん出ている模様。効き目の短いものを使うと、すぐに服用をやめた場合一時的に眠りにつきにくくなる場合があるようだけども、その場合は効き目の長いものに切り替えたり量を減らしていくことで対処できるそう。一番安心なのはお医者さんに相談して処方してもらうことだけど、まあ、私みたく酒飲んで寝るよりは健全でしょう。


2004年03月04日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] ××登場

 昨日のブレイドとデカレンジャーの初っ端のキャラ立ての差を言及して、ちょっと思い立って「必殺仕置人」第一話「いのちを売ってさらし首」でメインの三人、主水・鉄・錠の登場シーンを分析してみる。
 まずOPナレーションが30秒、導入、タイトルが入ってCM、アイキャッチ、そして本編、という形になる。時系列で追っていくと、(分:秒)
(00:00)OPナレーション〜(00:30)処刑場で泣き叫ぶ罪人〜(00:46)罪人、土壇場に引きずり出され処刑〜(01:37)娘、晒し場で罪人の晒し首を見て愕然とする〜(02:08)タイトル〜(02:20)アイキャッチ〜(02:23)竹馬に乗りながら半次登場〜(02:37)役人の見回りに気付いた半次、泥棒長屋の面々にそれを触れて回る〜(02:51)主水登場〜(03:13)主水、店に因縁をつけて袖の下をせびる〜(03:47)鉄、袖の下を取る主水をからかう(鉄登場)〜(04:16)鉄、情婦(おしま)と落ち合う〜(04:30)鉄、入った飲み屋にいた錠にいやみを言う(錠登場)〜(05:52)墓地でヤクザ者に追われる娘〜(05:04)ヤクザ者に立ちはだかる錠〜(05:34)情婦と長屋で寝そべる鉄
 と、ここまでが冒頭からメインの三人の登場シーンまでとなる。
 アバンタイトルは除いて、最初、視聴者に一番近い視点のレギュラーの半次から登場させる。子供と竹馬で遊ばせ、リクエストに答えるように片足とびまで見せてることで1)人の好い2)お調子者の人物、であることを強調している。その後、役人(主水)の到来を察知してそれを触れて回るシーンで3)情報屋的存在4)役人寄りではない ことがわかる。
 次に、その役人として主水が登場。のっけから見回りにかこつけて小額のワイロをせびって回ることから1)セコイ役人2)役目には忠実でない ことを強調。
 次に鉄が登場。主水とのやり取りから主水の側は3)怪しい連中と親しい4)もちつもたれつの仲 、鉄は1)役人(主水)を恐れぬ不敵な人物2)主水に対する妙な信頼感 がわかる。その後鉄とおしまの落ち合うシーンで鉄が3)享楽的な俗物 であることが示され、錠にイヤミを言うシーンで4)感情を素直に出すのが苦手でどこかひねくれてる ことが示される。
 錠の側は同じシーンで1)無口な変わり者 であることが示されるが、続く墓地で娘をかばうシーンで2)理屈でなく行動で示すストレートな正義感の持ち主 であることがわかる。
 錠の立ち回りに続いてこの後、鉄の立ち回り、そして最後のレギュラーのおきんの登場シーンまで続くのだけど、その辺はちょっと長くなるので省略。
 流れ的には、主水→鉄→錠とそれぞれの関係を交えながらバトンが渡される形になるのだけど、冒頭でそれぞれが登場しているシーンは一分前後、それぞれが絡んでいるシーンは20〜30秒、それで三人の人物のキャラクター、関係を示してしまっている。(主水登場から計れば二分四十秒)
 徐々にその人物がどういう人物か明らかにしていく、というのもありだけども、キャラクター主導で引っ張っていくのにはまず最初にキャラクターの印象を強く与えてしまうってのはやっぱ効果的だと思う。
 演技・演出もかなりすごいし、アクの強いキャラクターばかりだとは言え、この冒頭五分半は何度見てもすごいとしか感想が沸かないのだよなぁ。
 この冒頭でのキャラクターの立て方は、ろくでもないキャラクター小説に見習わせたいものだ。

[ニュース] なんなんだかなぁ

  音楽CD逆輸入を禁止、来年から本の貸与権もYahoo!hl )。著作権という名の流通業界既得権がどんどん広がっていくわけですな。ねえ、著作者って元々は実際にそれを作った人じゃなかったっけ? 本当にまっとうに還元されてるの?
  庭でこけたまま3日間、死ぬまで助けを拒否し続けた男x51.org )。頑固もいい加減ここまで来ると……
  /.JP より、 MyDoom、Bagle対NetSky --作者同士がウイルスコードで「罵り合い」CNET )。まー、なんつーか。やっぱりろくでもない。


2004年03月05日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] 冥土の旅の一里塚ってことで

DVDドライブ、逝く:

 ウチのPCの内蔵DVDドライブ(東芝SD−M1212)が、CDは認識するのだけどDVDを認識しなくなる。  外付けのもあるとはいえ、不便なのでいたしかたなし、新しいDVDドライブを買って来る。内蔵でも良いとなると選択の幅が広がるもので、 IOデータDVR−ABH8 にする。全対応DVDドライブも安くなったものだ。RAMは、保存用メディアとして欲しかったし、今使ってる記憶用メディアはDVD+R/RW(DVRW−iU4.7P3)だけども、DVD+Rは海外ではメインだからメディアがなくなることはないにしても国内では入手が不便なので、結局全メディア対応ということに。これでひとまず安心。ふところ的には痛かったけども。

こんなんいたんか!:

  フロムソフトウェア天誅 参藤岡鉄舟 なんてキャラが……まじってる! いろいろまじってるよ!
 針刺し、骨はずし、心臓潰しって、ああた、少なくとも三人(藤枝梅安、念仏の鉄、石屋の大吉)はまじってるんですが。明日中古で買って来ようかなぁ。つか、ゲームで必殺(初期必殺2/3、後期必殺1/3くらいのキャラ比率で)出せや、ゴルァ!

比較広告もここまでくるといい加減……:

 某Sgt殿のタレコミ。GALANTとCAMRYの比較広告……つか、これも比較広告って言うんか? 次のマトリックスの高速シーンのコンベンション? いや、ないってば。カースタントのドライバーさんも大変だぁ。

[映画] たそがれ清兵衛

 テレビでやってたので見てみる。なんつか、よく出来てるのは確かなのだけど、原作が藤沢周平だけあって、地味。むちゃくちゃ地味。でも、昔はこのくらいの「時代劇臭」がある作品って、ざらだったのだよなぁ。なにかが臭いを薄めてしまってるんだろな、なにかが。

[アニメ] 光と水のダフネ#08「スピードに命を張れ!」

 まあ、わりとフツーの範疇といえば範疇なのだけど、「A級ライセンスなんてそうそういない」と言ったあとで「海洋庁の受験に必要だったから」ってのはどうかと。海洋庁の受験倍率っていくらだったっけ? あと、セオリーどおりだから文句は言うほどではないけど、 内通者は主任じゃなくってミリィだった方が 話は面白かったと思うのだけど……仕置人の見すぎか?
 しかし、録画で「巷説百物語DVD−BOX」のCMの次に藤田まことが出てる東建のCMが続くってのは、まあ、意図的ではないのだろうけどなぁ。


2004年03月06日() 旧暦 [n年日記]

[読書] 天国にそっくりな星/神林長平

 1993年に光文社から出た小説の再販。
 主人公、坂北天界は紫外線に火傷を負うようになってしまう「日陰病」に冒されているが、日陰病患者の唯一の安らぎの地ヴァルボスに恋人とともに移住し、そこで探偵業を営んでいる。ある日天界の元を訪れたヴァルボス人の刑事ジャンドゥーヤから、ヴァルボス人の凶悪犯ザークの逮捕を依頼される。ザークは移住してきた人間たちの社会の新興宗教団体に関係しているらしいのだが、入れ替わりでやってきたその宗教団体の信者から、家出した教祖の娘を探し出して欲しいと依頼を受ける。
 まず、表紙はダマシです。(おい)おっさん探偵と少女の話じゃなくって、おっさん探偵の話です。で、ザークの捜査と少女の捜索を行っている中で、人間とはまったく価値観の異なる、というより意味不明なヴァルボス人社会が描かれていくのだけども、それがヴァルボス星の秘密が見えてくると、ちゃんと納得がいくようになっている。まあ、神林作品だから主題はそういうところではないのだけど。
 で、結局、天界という究極的に即物的で俗物な主人公がヴァルボス星の秘密を知らされてどう結論付けるかというと 「別に死んだ後のことなんてどうでもいいじゃん? 好きな女が一緒にいて、楽しく暮らせれば。つーか、お前が嫌いだ(要約)」 なので、変な思弁に陥ってぐちゃぐちゃな展開にならないのが小気味よい。その後、事件が解決した後でヴァルボス世界について思弁はしてるのだけど、それが事実かどうかはわからない。あえて帯にあった「セカイ系」と結びつけるなら、閉鎖した世界について、あれこれ考えるのはいいけど深刻になりすぎる必要はないんじゃない? ってな感じか。なんだか妙な読後感だけども、神林作品だからおなじみといえばおなじみか。

[読書] 日本軍の小失敗の研究/三野正洋

 タイトルに「小失敗」とあるのは、そもそも十倍以上の国力差があるアメリカに宣戦布告し、その上中国、ソ連という敵を抱えて二正面作戦(ソ連とは一応不可侵条約結んでたので。破られたけど)を行う暴挙をしでかした「大失敗」がまずあり、「何やっても負けは変わらない」といってしまうと終わってしまうので、という意味。日本軍の「小失敗」は合理精神の不足と日清、日露戦争の勝利ばかりに目が向き、そこにあった致命傷に直結する問題を放置し続けたことが根底にある。すなわち「補給・輸送(兵站)の軽視」「兵士のサバイバビリティの軽視」「情報戦の認識の甘さ」「新兵器・新戦術開発の努力の欠如」などなど。「専門家」への妄信など、今の日本人にも見て取れる、頭が痛い部分も多々ある。戦術の変化の流れなどもあるけど、「基礎科学力」の欠如、合理的にものをすすめる仕組み(まあ、あくまで大枠で、だけど)といったもの、個人的には理系教育に必要と思えるものが、戦時には如実に影響してしまうのは頭が痛いっつーか。理系を習得すれば合理精神が養うかというと必ずしもそうではないのだけど、それでもするとしないとでは雲泥の差だとは思う。まあ、閑話休題、こういうのを見てると、今の日本にも見て取れる「失敗の要因」が多く含まれてるので、その点心配である。特に戦後日本は軍事を遠ざけてきたため、こういう研究も一般への認識の浸透も立ち遅れてると思う。戦争を起こさない、あるいは起こっても最小の被害で済ませるためには、どのように戦争が起こるか、行われるかはきちんと研究されるべきだと思うのだけど。
 余談だけども、以前友人と日本の再軍備とかについて議論してたら、「日本は軍事を上手に扱える民族じゃないから再軍備化はすべきではない」という発言が出て「ハァ?」となった。確かに第二次世界大戦の例などでも稚拙なところはあまりに多かったけども、今の日本の軍事音痴はそれとは別に戦後徹底して軍事を遠ざけ、コモンセンスを得られなかったためだし、その理屈はたとえばナイフを使ったことのない子供に「ナイフはあぶないから、使い方を覚えてから使うようにしましょうね」と言ってるのと変わりない。実際にナイフを使わずにナイフの使い方なんてわかるわけはない(運用しながら効率的な方法を研究・学習していくのが普通)。大前提は「日本に軍事化は必要か否か」で、それはまた別の話だけども、そういう妙な「再軍備反対」を聞くと、普段はわりとクレバーな友人の発言だけに、「小失敗」の原因はいまだ取り除かれてないのだろうなぁと思ってしまう。

[映画] イノセンス

 押井守監督最新作。事前に聞いた情報からどんな話か全然創造がつかなかったので見に行ってみる。詳細な感想と解釈は後日にして、簡単に。
 ジブリが広告にいろいろがんばってたけども、やはりちょっと一般受けはしにくい映画だと思う。ただ、自分はオシイストではないし、中盤ちょっと寝そうになったけども、ラストは押井守作品としては妙に思弁やテーマの押し付けっぽいところがなく、結構良かったんではないかと思う。
 余談。先行で見た人から「あれ見て、ストーカーも一種の愛なのかな、って思うようになりましたよ」と聞いていて、なんのことだろうと思ったら……まあ、ストーカーって言えばストーカーか。(笑)


2004年03月08日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] おなかいっぱい

 昨日、古巣の研究室の追いコンに呼び出される。私みたいなOBが参加者の1/3。大阪からO先輩とかも来たりして、いろんな話ができて楽しいことは楽しかったのだけど、地下鉄の時間ギリギリになったから中座したら「なんで帰るの?」とか言われるのはなぁ……実を言うと先週の日曜みたいに38度近い熱、ということはないが、それでも恒常的に37度くらいの熱は出ている。普段はそれほどどうということはないが、少し無理をすると体調がどんどん崩れるので、翌日丸一日潰して寝込んでいいという状況でなければ無理はできない。こっちにも都合ってものがあるのだよな。

[アニメ] ふたつのスピカ

 で、その飲み会の時にM君が「日記にときどき出てくる『 ふたつのスピカ 』ってなに?」とか抜かす。リンクが貼ってるだろ! リンク! もしくは検索すれ!
 つか、「なんなの?」だけではどの程度の説明を聞きたいのかさっぱりわからん。どんな作品なのかの概要だけでいいのか、粗筋を聞きたいのか、もうちょっと深く突っ込んだところを聞きたいのか。
 原作は コミックフラッパー 連載のコミック。舞台は技術レベル的には今と大差ない近未来の日本。つまり、ロケット一基打ち上げるのに大変なお金がかかるし、宇宙コロニーとかが浮かんでいるわけでもない。そんな中で、主役の鴨川アスミは宇宙飛行士の養成コースに入学し、アスミにだけ見える、ロケットの事故で死んだ宇宙飛行士の幽霊「ライオンさん *1 」に導かれながら宇宙飛行士を目指す。SFというよりむしろ学園もの・青春もので、宇宙飛行士コースの中でも実際には何人も宇宙にいけるわけではないという厳しい現実が、宇宙を夢見て挫折した人々や日常の訓練を通してのしかかってくる。そんなわけで非常に地味な話 *2
 で、「ふたつのスピカ」というタイトルだけど、タイトルの意味はまだよくわかりません。主人公のアスミが好きな星がスピカということと、スピカが連星であることが関わってると思うのだけど、他にも含みがありそう。
*1: ライオンのかぶりものをしてるのでアスミがそう呼んでいる
*2: 二話まるまるかけて主人公が密室でドミノを並べたりだとか


2004年03月09日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] 体調不良

 朝は37度くらいの熱があったけど、さほど不調ではなく、夕方に立ってるのもしんどいくらいに体調が悪くなったので熱を計ったら、むしろ平温に下がっている。わけわからん。そのわりに帰りの地下鉄で立ってるのもしんどくってしゃがみこんでしまったし。

[アニメ] プラネテス

 原作はガチガチなハードっぽいSFで、アニメ化してオフィスものになったことで「原作と違う! 堕落した!」的な物言いをする人がいて、一部では最初の方だけ見て、最近は見もしないで同じことを言ってる人もいたりする。
 原作とはかなり違うことは間違いないのだけど、個人的にアニメが原作を越えうる点が一点、あると思っている。それは、アニメでは(最近の展開で明らかにされつつあるけど)「宇宙開発」の意味を問う世界背景として、「先進諸国VS第三世界」の、もっとありていに言えば「富める国VS持たざる国」の対立が持ち込まれていること。宇宙開発で宇宙の資源を得て人類の発展が望み得る、などとお題目を唱えていても、結局持てる国がその資産で宇宙の資産も我が物とし、持たざる者は持てる国により搾取されつづける、という構図が宇宙にまで拡大したにすぎない。最新の#21のハキムの行動が、この構造に希望を失った第三世界の人間を象徴している。
 それは、結局9.11テロによって世界にしらしめられた構造の引き写しだろ、と言われればその通り。だが、結局国家事業として宇宙開発が行われている以上、宇宙開発になんらかの「利」が求められている以上、結局は逃れられないことでもある。しかし、#11で出た小国の人たちのように、それでも絶望せずにテロなどに走らずに前へ進むキャラたちも出てくる。原作では散漫だったこういった世界背景をひとつのテーマでまとめあげ、安易な環境テロとかではなく、出口の見えない、解決法の見えないこれらの問題を乗り越え、なんらかの結論を見せられるのならば、アニメ版は原作を越え得ると思う。

[映画] 東京原発

 メモ的に。実家が浜岡原発の影響圏内の身としては、わりと気になる題材。無論、実際に東京に原発を建設するなんてのはムチャな暴論としても、そういったものの上に電力供給が成り立っていることくらいは、知っておいて欲しいのだよなぁ。


2004年03月10日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] どうでもいいことが気になった。

 体調は相変らずです。ええ。
 友人が「BSE騒ぎの中ですき家だけが順調に売上を伸ばしてる」と言っていたので、それって値段が効いてるだけなんじゃない? と思い、 吉野家松屋すき家 各社の豚丼の値段を調べてみる。(すべて並盛り)
  吉野家は三二〇円松屋は三五〇円すき家は二八〇円 と、牛丼(牛めし)と同じ値段を保っているのはすき家一社のみである。一応各社の豚丼(豚めし)を食い比べてもみたが、松屋、すき家が肉を薄くして牛丼(牛めし)との違和感を少なくしてるのに対し、吉野家は肉が厚めで、しかもタレが牛丼のタレの流用なものだから、豚肉の臭みが気になってしまう。これじゃ客足は遠のくわ。あからさまに牛丼ひとつに商品を絞ってきた弊害(多商品を扱うノウハウ、商品の開発能力)が出てしまった形となる。吉野家としては米牛肉輸入再開までひとまずしのごう、ということだとは思うが、日米の交渉は遅々として進まず、この状況がどのくらい長引くのか見通しが立たない、というのが正直なところだろう。すき家がどういう企業努力で豚丼の値段を抑えているのかわからないが、他社の焦りは吉野家の豚丼期間限定二五〇円セールや松屋の牛めし限定販売再開などにあらわれているように見える。さて、どうなることやら。