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2002年07月11日(木) 旧暦 [n年日記]

予想の範囲内

 だと思いますが、「 親日派のための弁明 」買って来てしまいました。(汗)
 最初序文に「韓国の反日政策は米国の陰謀」なんて出てくるので電波ゆんゆんかと思いましたが、中に書いてある内容はかなり──少なくとも日本の教科書よりは──まともでした。ただ、韓国批判を相対化させるためか、ちっと日本の持ち上げすぎの気が。「批判すべき部分」に関しては「そういうところもあるが」とお茶を濁してるので、イルポンマンセー本と受け取られないよう、また右翼正当化の材料にならないよう気をつければ、「韓国人がこれを書いた」というインパクトファクターと共に結構楽しめるんではないかと思います。まだ少ししか読んでないけど。
 予定通り、K研の連中とでトルコ料理を食いに行く。「ターコイズ・イスタンブール」に行きたかったのだけど、駐車スペースの関係で「オリエンタルの青い月」に。残念。しかしここのお兄ちゃんは本当に愛想がよくって面白い人だ。トルコピデやトルコ風のサラダ、前菜とか色々頼んだのだけど、好評だったのはアダナ・ケバブというひき肉の串焼き。アダナという町の名物料理らしい。「トルコののびるアイスクリーム」もパフォーマンスもあってかなり受けてた。当然メインの目的の「ラク」も頼んだのだけど、これは他の人にはちと不評。アニスの香が強すぎたらしい。私は二杯も飲んだら、美味いとはいわぬまでも大分慣れましたが。水を混ぜると本当に白くなる。ちょっと面白かった。
 ちょっと眠いんで今日はこれくらいで。


2002年07月15日(月) 旧暦 [n年日記]

わしも出雲で考えた

 本当は何も考えてなかったんですが。ってわけで今年のSF大会は島根県玉造温泉での合宿型コンベンション・ ゆ〜こん 。っつっても一週間前まで日にちを間違えていたり、ロクに企画のチェックとかもしてなくってかなり突発。例によって 林氏 の車に便乗させていただきました。前回・前々回と一緒だったO川氏は仕事の関係と家族の反対で参加できず。残念。会場とか規模とか企画とかを考えると、実際にはそんなに高い参加費と言うわけでもないのだが、やはり普通は数万円となると躊躇する金額なのはわかる。この辺がひとつの障害にもなってるのだよなぁ。
 出雲に到着してしばらく時間があったので 松江城 を見学。日本の天守閣を持つお城は西洋の城の影響を受けてるので、木造と石造りの違いはあるけど、案外と間取りとかは似た感じがする。そもそも城は戦国末期以降は要塞というより象徴的な意味合いが強くなってくるので、「ここを攻められる状況になったらもうとっくに終わりだよなぁ」などというツッコミは野暮。いや、やったけど。
 で、その後はまずは「日本SFファングループ連合会議」に。二月の臨時総会にも潜り込んでいたので、そのときの主な議題だった星雲賞の「自由部門」の成り行きも気になっていた。星雲賞の発表はこの時点で聞いていたのだけど、コミック部門が雪村氏の「プラネテス」というのは、さすがに首をひねった。作品としては文句はないのだけど、なんっつってもこの作品、まだ終了していないのだ。そのことに関してはやはり疑問に思っている人もいたし、また「マンガは盛り上がってるところで取ってもいいじゃないか」と妙な弁護をする人もいたり(マンガをどうして他メディアの作品に対して特別あつかいせねばならないのか。私は反対である)したのだけど、「ノミネート時点では続きが出てなかったこと」「二巻までで完結してるようにも見えること」を授賞式で説明することで決着がついた。個人的にもそれでOKと思うけど、来年も完結してないのにプラネテスがノミネートされることになったら、全力で受賞を阻止します。いや、マジで。だって中途でもOKってことになったら、マンガをちゃんとした作品の出るメディアと認めてないってことになるじゃないか。
 「ふわふわの泉」の日本長編部門受賞は、それが総意なら口をはさむことではないけども、どうもハードSFプロパーな勢力というか、野尻抱介氏のシンパが勢力を広げてる感じがして、どうにも閉塞感を感じてしまう。野尻氏の「太陽の簒奪者」はおそらく来年の日本長編部門を受賞するだろうから、今年はまったく別の傾向の作品にとらせたかったのだけど……これで妙な方向付けがされないことを祈る。
 同様に、メディア部門の「仮面ライダークウガ」も「全然SFじゃないだろ!」と突っ込みたくはなる。SF周辺領域の作品なので受賞資格はあると思うけど、他にSFであるという作品はメディア部門にいくつもあったので、釈然としなくはある。これもSFファンダムにおける特撮勢力の強さが元な感じがして、閉塞的に思う。アギトはぎりぎりSFだと思うけどさ。
 他にも他の議題に変な質問とかもあったけど全体としてはつつがなく終了。
 開会式を経て(ここでも会場のひとつの「松の湯」の女将の挨拶に大ウケだったりとかはあったのだけど)、夕食の前にひとっ風呂。サウナで再来年の日本SF大会「G−con」の代表者の高木さんが一緒だったり(一度か二度お会いしたことくらいはあるけど)とかもあり。晩飯はいかにも温泉宿の食事だったけど、運営実行委員会が事前から豪語していただけあって量があって豪華。食い切れない人もいたり、かなり力が入ってました。
 その後、少し休んでから、ディーラーズルームから離れられない林氏に頼まれて「宇宙開発の部屋」にビデオ撮影に行く。ところがここでデジタルビデオの使い方がわからず、四苦八苦して回りの方の協力を仰ぐことに。おかげでどうにか撮影にこぎつけられました。トークの内容は相変わらずの野田司令ワンマントークショーの様相。またも部外秘の話とかも少しあったり。個人的には裏で行われていた「サイバーパンク」の部屋にも行きたかったのだけど、こっちもこっちで面白かったです。
 次はカメラを撤収して 日本SFファングループ連合会議 主催の飲み会へ。アブサン片手に(ってもニガヨモギは入ってないやつ。おまけに何故か水を入れても白く濁らず???)ガイナックスの武田さんとか、歴代の連合会議議長、会計の話を聞く。武田さんが最初アンチファングループ連合で、連合を内部から壊すために議長に立候補したってのは(冗談も入ってると思うけど)初めて知った。まあ、ファングループ連合ってのは基本的には悪い意味でなく本来いい加減な組織なのだよな。
 途中で林氏とこの部屋も抜け、CGアニメ企画へ。お目当ては「 ほしのこえ 」の作者新海誠氏のトーク。混むだろうと思って三十分前に行ったら、まだほとんど誰もいず、主催者やスタッフが準備中。林氏と、たまたま前の席だった方とのんべんだらりと話をしていたら、なんと DoGA のかまた氏がやってきて「ほしのこえはもう買われましたか?」とか「廉価版が出るんですけど、どう思いますか?」とか色々話を。廉価版の発売は発売元の徳間書店側の意向が強いのだけど、通常のDVDが発売になってから半年ばかりという短期間での発売に、ユーザーの反発が大きくないかと心を痛めてる模様でした。
 ちょっとびっくりしていたら、なんと今度は当の作者の新海誠氏が「ほしのこえご購入いただきましたありがとうございました」とご挨拶に。我々がかまた氏と話をしていたのはかなり前の方の席だったので、丸聞こえだったらしい。で、林氏とワシ(主に林氏が質問していたのだけど)とで、この際なんで色々質問をしてみる。返ってきた答えは、おおよそ予想通り。平凡な思考とかそういうことでなく、それだけ作品に対するスタンスが作品にはっきり出ているのだ。ちょっと意外だったのは、「ほしのこえ」で使われたさまざまなガジェットやアニメ的文法は、好きだとかそういうことは全然なく、完全に道具と割り切って使っていたということ。最後のあのシーンのあのセリフのために全部組み立てた作品ってのははっきりわかるのだけど(でも、わからないで気に入ってしまった人も多いのだよなぁ)、そこまで割り切った作りだとは思わなかった。あと、やはりストーリーテリング自体にはやはりほとんど興味はないらしい。「これだけ売れるとわかってたら、エンタテイメントとかをもうちょっと気にしなければならなかったかなあ」とは言っていたけど、逆にそうするとまったく別の作品になっていた可能性も高い。次は一人ではしんどいので原画などに流石に人を使うそうだけども、それでも数人程度の小チームで当たるつもりらしく、また三十分程度の作品になるだろうとのこと。イベントの本編も楽しかったけど、個人的には新海氏と直接話が出来たことがもっとも大きな収穫でした。翌日も閉会式とかあったけど、参加した企画はこのくらいだったので、今回のSF大会のレポートとしてはこんな感じで。


2002年07月16日(火) 旧暦 [n年日記]

うっかりしてた

 「星雲賞自由部門の存続が気になったので」と書いておきながら、存続するかどうかの結果を書いてなかった。 日本SFファングループ連合会議 定例総会において、反対三票、賛成圧倒的多数で来年も自由部門の枠が用意されることに決定しました。「来年も」と書いているのは、自由部門の設立はあくまでテスト的なものでして、数年間ほど様子を見てから続けるかどうか決めよう、という意向のためです。この自由部門設立は 林氏 の提議によるものなので、帰りの車で「来年のノミネートになにかあるかねえ」とか相談してました。一応、量子テレポートは挙げておきましたが。
 それと、イマイチ自由部門そのものがなんだかわからないという人がいると思うので説明しておきます。ここ最近、星雲賞ノンフィクション部門においてホンダの「P2」やSONYの「AIBO」が受賞するということが比較的連続しておきました。ノンフィクション部門というのは本来SF文学・映像作品などの研究、評論においてすぐれた作品に対して与えられるもので、P2やAIBOは本来この枠で受賞する対象ではなかったわけです。で、これをどうするかで一昨年から林氏の提議を元に喧々囂々し、結局「SFそのものではないが、SF的だと思う研究・製品などに対し与える賞を新しく作ろう」ということで、今年初めてテストケースとして「自由部門」が設立されました。詳しい投票内訳は私が明かさない方がいいでしょうが、他の部門と比べて棄権率もかなり少なく(メディア部門に次いで二番目くらい)、これならば来年もやってみても良いだろう、ということになりました。個人的にはH2Aロケット一号機は日本の宇宙開発の歴史の中のひとつの道標ではあるけど、そこまでインパクトの強いものかな? という疑問はあるのですが、ある意味「ロケット=SF」というわかりやすい対象が受賞したのは、賞の今後の方向性を決めるのによろしかったのではないかと思います。再来年以降があるかどうかはわからんけどな。

 ネット上にある今回のSF大会のレポート( レポートリンク集 )を見ていて、「ゲストをなんだと思ってるんだ」調のものがあった。企画に手持ち無沙汰でいるゲストが結構みかけられたかららしい。確かにゲストは企画の実行者や運営委員会が招いて、わざわざ来てもらっているのだからそれはわかるのだけど、でも逆に「ゲストってそんなに偉いものなの?」とも思う。企画進行で不手際が生じて迷惑をかけたのなら、それは確かに企画者側が悪い。ただ、文章に「来てやってる」という意識がにじみ出ているようなのがイヤなのだ。
 SF大会というのは、そもそも学会の年会の形態を元にはじまってる。学術方面の人でないと学会ってのがどういうものかはわからないとは思うけど、SF大会に出た人なら、まああんな感じで研究発表を行ってると思ってくださってほぼ間違いはないです。その学会発表においては、特別講演とかに招いたゲスト以外は、どんな偉い先生だろうが無名の学生だろうが、発表者だろうがただの聴講者だろうが分け隔てなく参加費を徴収する。交通費や都市型大会における宿泊費は出ないはずなので、本当は一概には言えないけど、今回のような合宿型SF大会でゲスト参加者全員の参加費が無料になってるというのは、かなりの優遇措置であると感じる。無論、ゲストに招かれた人も「忙しいし、そんなに行きたくないけど、せっかく呼んでくれてるのだから行かなきゃいけないかなあ」と思い来てくださってる方もいると思う。だから、ゲストの参加費を徴収すべき、とまでは思わない。しかし、決して少なくないゲストの分の費用を、一般参加者が負担しているのも事実である。それを考えると、無意識に一部で構築されている「ゲスト>一般参加者」という図式は、本当に正しいのだろうか? 「せっかく来てやってる」調の論調は正しいのだろうか?
 単純に「みんなで楽しめばいいじゃん」と思ってる私には、一般参加者・ゲスト参加者双方の意識にどこか違和感を感じる。

 「 親日派のための弁明 」を読み終わる。なかなか面白い読み物でした。一部で日本の政治家の評価が日本の一般のそれと違うとか、ちょっとした事実誤認っぽい部分はあったけど、大筋ではそんなに間違ってないと思います。ただ、ここまで併合統治時代がすばらしかった、と連呼するのはさすがに極端だと思いますが(韓国の人の中には、たとえ恩恵を冷静に判断したとしても併合のような取り扱いを望まない人だっているだろう)、現在の韓国の歴史・国際情勢・教育認識が、控えめに見てもかなり変だというのは伝わってくる。この本に書いてあることがすべて事実かどうかは不明だけども、実情を知り、明らかにおかしい点があればそれを指摘し修正を促す、ということが必要だろう。もしこれに書いてある韓国の認識・教育が本当だとすると、韓国はそのうち本当に世界から孤立しかねない。

「仮面ライダークウガ」メディア部門受賞について・補足

 よくよく考えてみたのだが、「クウガ」はSF作品かどうか以前に、特撮ヒーローものとしてははじめてのハイビジョン撮影(正確にはハイビジョンではないらしいが)を導入し、またストーリーも従来の硬直化したお約束を排し、通常のドラマに近い構図を取り入れた、画期的な作品であった。SFかどうかという議論以前に、特撮番組という偏見で見られがちな作品に対しこういった試みを評価するのは一般投票により決する星雲賞のような賞の役割であるという気もする。それを考えると「仮面ライダークウガ」の受賞は必ずしも的外れ、ということはない気もしてきた。
 人気がなければただの実験作だけども、実際相応の人気はあったわけだし、ならばそれでかまわないという考え方もできる。
 と、いうわけで十五日の日記の「クウガがメディア部門はおかしい」は撤回させていただきます。失礼しました。

もひとつ追加

 合宿型SF大会のゲスト参加者は全参加費が免除されてるのかと思ったら、 宿泊費は自分持ち ということだったらしい。多分、大会にもよるとは思うのだけど。しかし、自分は玉泉宿泊だったのだけど、松の湯の方はかなりフラストレーションがたまっているようで。あと、料金がボられてるって本当なのかな? ちょっと調べてみたけど、 玉泉 の方はデフォルトで15000円(+休日料金3000円)、 松の湯 の方は13000円から。休日料金として玉泉と同じく3000円が上乗せされてるとして、16000円。2000円の差があることになる。うーん、これではゲストに不満が出てくるのもわかる気はしてしまうな……


2002年07月17日(水) 旧暦 [n年日記]

一般参加とゲスト参加に関して・補足

  谷田貝さん (7/16付け)のところで私のゲスト参加者の意識についてのことで、異論が書き込まれていて、私の説明不足のところもあったので補足。
 別に企画側・大会運営委員会側に問題がない、ということではないです。我々から(金額に差があると言ってもゲストからも)徴収した参加費を使って、結局無駄にゲストの方の貴重な時間を遊ばせることになったのですから、これは一般参加者側からも責められてしかるべきだと思います。ただ、私が思うのは「何故、ゲストの方々は何を期待されているかもわからないまま、出雲くんだりまで来たのだろう?」ということです。「ゲストの参加費は身体で払う」というのはもっともな言だと私も思います。前から言われているSF大会の問題点として、ゲスト参加者をただ客寄せパンダのように考えている大会もある、ということは知っています。私もゲストを呼んだからにはきっちり参加費分支払ってもらえる活躍の場を用意するというのは、一般参加者・ゲスト参加者双方への大会側の義務と思います。しかし、ゲスト側は事前に大会側に一言、「何のために呼ばれるのですか?」とは聞かなかったのでしょうか? 言葉は悪いですが、何のために呼ばれたかもわからずただ呼ばれたからはるばる遠方から島根までやってきたのでしょうか? 私にはその点が非常に腑に落ちないのです。これって大会側のみに責任があるのでしょうか? 私には大会運営側・一般参加者・ゲスト参加者の三者全員にいくばくかの問題があるように感じます。
 ちなみに昨日の補足の宿泊費の問題はまた別の問題で、これはアフターレポート、それが苦しければウェブ上ででも参加者に対し内訳を報告すべきことだと思います。

うわ! 失礼いたしました。

  谷田貝さん のサイト名の「鈴木権左衛門」というのを、特定個人名であると勘違いして表記してしまいました。訂正して、お詫びを申し上げます。

星雲賞およびSFファングループ連合会議について

 やはり レポートリンク集 にリンクされているあちこちのレポートを見ると、プラネテスのコミック部門受賞に、なんらかの形で疑問を感じてる人が少なくないようです。私も、作品としては星雲賞受賞にふさわしいとは思うものの「完結してない」という理由からプラネテスには投票しなかったクチです。
 問題意識は主に二つあるようで、ひとつは 向井さんのサイト(7/16) で挙げられているような、規約そのものを改正すべし、というもの。もうひとつは 細井威男さんのサイト(7/14) にあるようなノミネート選考過程そのものに対する疑問のようです。
 本来私のような若輩者が口をはさむことではない気もしますが、臨時総会と定期総会の二回ばかり参加し、 林氏 から受け継いで 星雲賞非公式ノミネート サイトをここ数年運営している身として、考えてることを書いておきます。
 私が非公式ノミネートの趣旨に賛同し、諸事情から非公式ノミネート運営継続に支障が生じた林氏からその運営を受け継いだのは、やはりノミネート作品(公式参考作品)の選考に非常に疑問を感じたからです(具体的に言えば、「やねこん」時のコミック部門ノミネートに「プリティサミー」が入っていて、なんで「ミッシングゲイト」が入ってないねん、ってことなんですが)。受け継いだ当時と最初の一、二年は私も星雲賞は権威をもっと意識すべき、と思っていました。ところが、 ファングループ連合会議 総会とかに行って話を聞いてると、どうも連合会議側は逆に「分不相応な権威などむしろつけるべきではない」というところがあるように感じられます。それはアンチ権威主義という部分もないこともないのですが、連合会議はなんらかの手当てをもらっているわけでもなく(むしろ赤字を持ち出しでなんとかやりくりしながら)SF大会・星雲賞の運営をSFファン全員の代理としてスムーズに行うための、あくまでボランティア団体である、という意識から発しているようです。
 私も連合会議臨時総会に行くまで連合会議側の意識と一般参加者の意識の違いというものは気付きませんでした。星雲賞の趣旨も、はっきりと「SFファンを楽しませてくれた作品に対し、ファンから感謝を賞という形で渡したい」というものであると説明を受けました。それまで時代遅れで趣旨がよくわからない規約も、作品を評価する対象を広げたいということで作られたということもそこで初めて知りました(具体的には昨年まであった「SF専門誌」掲載作品と「非SF専門誌」掲載作品の取り扱いの差。これは現在の実情には合わなくなっているということで今回の星雲賞からは規約から削られました)。したがって、連合会議としてはガチガチの教条主義で行くよりは、ファンの支持があるのなら規約から多少はずれていてもファンの気持ちを優先しよう、という趣旨のようです。私も今年の星雲賞にいろいろ言ってますが、基本的にそれがファンの総意であるならそういうものだ、という立場です。
 無論、そうした中で、規約と実情とが乖離していくこともあります。それがたとえばノンフィクション部門のP−2やAIBOの受賞であったりするわけです。そうなると規約の改正とか話が出てくるわけですが、先にも書きましたが、連合会議は任意のボランティア団体です。地方在住者もたくさんいるわけで、たびたび定期総会や臨時総会を開催し、そういったことを議論するのは難しい、というのもひとつの事実です。これにかんしてはメーリング・リストを作ったりしてもう少し小回りが効くようにしよう、という動きもあります。しかし、教条主義にしばられすぎないために弾力性を持って運営をし、何度も規約から明らかにはずれるようなことがあったら、議題として規約改正を提案する、という現在の形式はわりと理にかなっていると私は思います。
 したがってコミック部門の規約改正は、少なくとももうしばらく様子を見てから議題にすべし、というのが私の意見です。
 ノミネート作品の選考基準に対する不透明さはたしかにある部分もありますが、逆に過去一般からもノミネート作品を募集したところ、ほとんど反応が無かったという歴史もあったと聞きました。ノミネート作品選考も、基本的に連合会議参加グループからあげられた作品の中で多かったものを選んでいるようです。
 私も連合会議の実情と過去の歴史などがわかってくると、連合会議側の歴史や趣旨にかんするアピールの少なさというのは気になるところはあるのですが、逆に一般参加者からはたくさんの声が上がってくるけど「じゃあ、一般参加者はファングループ連合会議のために(というより、SF大会および星雲賞のために)なにをしてるの?」という疑問があがってくるわけです。 のだれいこさんのサイト(7/13) にもありますが、連合会議参加団体所属でなくても、定期総会を傍聴するのは実は簡単なことです。逆に来て欲しい、とすら思っているようです。また、連合会議への登録も特に審査があるわけでなく、代表者連絡先を記入し会費さえ払えば簡単に登録できます。内側から連合会議を変えることは、実は大変ではあるけど難しいことではないのです。私のように在野の人間でも(色々えらそうに書いてますが、実は私も部外者です)、非公式ノミネートの形で星雲賞をサポートできればと思いますし、そこまでせずとも回りによびかけ、星雲賞の投票率をあげるよう働きかけることも十分可能だと思います。
 結論を書きますが、実は星雲賞などの問題は規約や連合会議の運営方法の問題より、参加者側の意識の問題、連合会議側に多くを要求するが「それでは自分はSF大会・星雲賞のためになにができるのだろう」とはあまり考えないことの問題の方が大きいと私は思います。
 本当はこういったことは二回ばかり総会に行っただけの、しかも在野の人間の私が言うのでなく、もっと歴史と内部事情に詳しい、元議長や元事務局長といった方が話をした方が良いとは思うのですが、臨時総会時にいろいろひっかきまわしてまでそういった情報を得た者の義務として書いておかねばならないとも思い、ここに記しておきます。
 あと、向井さんのところにありますが、星雲賞の投票率の低さはわりと本気で問題だと思うので、ここを見ている方のお知り合いで投票権があるのに投票をしてない方がいたら、投票をぜひ促してください。


2002年07月18日(木) 旧暦 [n年日記]

通常業務前に

 そろそろSF大会モードから通常モード、のその前に、星雲賞と連合会議のことを書いた理由をちょっとだけ。一番のポイントは「連合会議って、実はそんなにすごい組織でなくってほんとうに手弁当のボランティア団体なんで、あれやこれや外野からたくさん言っても、キャパ的にあんまり実現の可能性って高くないんで、小さなことからコツコツと」という視点もあるってことを言いたかったってのが一番大きいです。ホントはもっと詳しい人が「連合会議応援ページ」とか作ってくれることを内心期待してたんですが。(結局他力本願)

蓼食う虫

 オタクごとがSF大会でいろいろたまってましたんで消化。
  ハリケンジャー 。戦隊ものってコメディ基調になることが多いのだけど、シリアスまっしぐらのゴウライジャーにマジボケさせるところはなかなかあなどれないと思いました。妙な英語なまりの新キャラのシルエットが出たりとか、予告でその新キャラの乗るヘリコプター型マシンが夕日をバックに分身(?)してるシーンはやっぱワルキューレ騎行がBGMだろうかとか、ハリケンジャーって直球どまんなかじゃないけど、妙に小ネタが心惹かれるのだよなぁ。
  龍騎 は、実は井上さんって構成力に難があるんじゃなかろうかとかなんとなく今更なことを思いつつも、ナイトサバイブの新ファイナルベントにチョイ受け。タイヤのついたコウモリってのも結構ビジュアル的にインパクトがあるけど、現段階だとバイクに変形する必要ってあまりないなあ、とか、ダークレイダー(モンスター形態)に乗ったまま突進したほうがカッコイイかも、とか、結局必殺技しか目が行ってないところが精神年齢お子様。
 NEWTYPEの別冊で巻頭に龍騎特集があったりして、でも映画の内容とかには結局あまりふれられてなくてちょっとガッカリしたような、期待がふくらむような。何故か龍騎映画のスチール写真の中に アギト の翔一くんと美杉教授と小沢女史が焼肉を囲んでる写真があったのは、同誌にのっていた「 PROJECT G4 」ディレクターズカットDVD版の記事のを間違えてのっけたんだろうと思いつつも、少しだけ本当に出たりするんじゃなかろうかと考えているあたり思ってたより自分のアギト熱は冷めてないみたい。
  荒箱さん おすすめらしいガンガン連載「 鋼の錬金術師 」( 荒川弘 著)を書店店頭でちょっと見てみる。結構面白い設定、と思いつつも、私にはあまりピンと来ない。一目ぼれできない微妙な感覚というか、美人だけど自分とは赤い糸はつながってないのだなぁとなんとなくわかってしまう感覚というか。すいません。検索かけたら ウェブリング やら ファンサイトがざくざくと ……こんなに人気だったんだ。知らなんだ。
 で、なぜか同時にコミック版「 真・女神転生デビルチルドレン 」(藤異秀明著)を見ると、むちゃくちゃオリジナリティがあるわけではないのだけど、こっちはわりと好みだったり。ショートでつり目が出てるからとか、そんなことは……ちょっとはあるのかな?
 よく出来た作品かってのと好みとはやっぱどうしても別の話で、「美人だけど好みじゃない」って言うのと「美人じゃないけど好み」って言うのはどっちが失礼なものなのだろうかとかちょっと考えてしまったり。
 げ、 今井商店 で買ったばかりのウェストポーチの留め金が壊れた。うう、泣けるのう。


2002年07月19日(金) 旧暦 [n年日記]

邪道企画・読まずに感想

 ふと、化けBに書き込んだあとで「メキシカン・キラーズ」ってのは実は「ナチュラル・ボーン・キラーズ」ではなく「ピンキーとキラーズ」のアレなんではないかとか思ったり。
 ここんとこ積読が増えてる。なじかはしらねど。
 韓国関連の話題で、つい買った「 ザ・ディープ・コリア豪定本 」(根本敬著)。注文して届いた本を見て、思ってもみない厚さにびびっていたら、中を見て更にジャギの入った読みづらいフォント、構成にもっとびびる。これを読まなきゃいけないわけか。全然知らなかったけど、作者の根本氏はガロ系の人らしい。知ってたら、もう少しだけ躊躇したのに。
 「 導きの星(2) 」( 小川一水 著)すいません。「 群青神殿 」まだ読み終えてないんでそっち読み終えてから。一巻はなかなかチャレンジャブルなネタだと思いました。でも前向きでまっすぐな主人公というのは、ヲイラのようなダメ人間にはまぶしすぎるのぢゃよ。トホホ。
 「 宇宙兵ブルース 」(ハリィ・ハリスン著)。早川2002年SFフェアとかってんで復刊されたのを店頭で見て、「そういえば、T橋さんにステンレス・スティール・ラット見せてもらったっけな」と思い出し購入。昔の早川の単行本らしく、文字密度が若干高目なのがステキ。当然復刊は横山えいじ氏の表紙のです。
 「プリンセス・プラスティック エスコート・エンジェル」「同 ホロウ・ボディ」( 米田淳一 著)。以前新書サイズで出たときにはネット上で 表紙 が怖いだとかなんだとか、若干作者の人のホームページも叩かれたりなんだりしたような気がしたのだけど、表紙が緒方氏になってオタク方面へのアピール力UP。なんとなくそんなことを考えながら購入。そうか、世の中表紙が正義だったのか、といまさら気付く。いや、それは言いすぎだけども、表紙の影響力はやはり小さくないのだなぁ。
 だめだ。やはり邪道過ぎて感想にならない。
 それとは無関係なネタだけど、 トーヴェ・ヤンソン画「指輪物語」挿絵ビルボとゴクリ らしい。あ、ビルボとゴクリなら「ホビットの冒険」か?


2002年07月20日() 旧暦 [n年日記]

土曜で土用

  土用の丑の日 ってヤツだそうで。近所にあるひつまぶしの店の店頭でも、スーパーの鮮魚コーナーでも大々的に売っていて、こういうもので季節を感じるのもどうかとも思うけども、ともかく季節ものには違いなし。ただ、実際にはこの時期の天然もののうなぎの場合は冬眠の影響で旬を逃していて、痩せていて皮が固いんだそうで。名古屋名物の「ひつまぶし」も、旬をのがして皮が固いうなぎをおいしく食べるために工夫されたものらしい。もっともこの時期の天然うなぎなんて食ったことないので本当かどうかは知りませんが。あと、当然冬眠の関係ない養殖ものはこの時期でも味が落ちるとかいうことはないそうです。
 名古屋では34℃近くの最高気温で、絶好の夏ばて日和。しかし個人的には平賀の源内さんの宣伝にのるのもなんなので、 オリエンタルの青い月 で、トルコアイスクリーム(ドンドルマ)とケバブサンドを買って来て食いました。適度に香辛料が効いてて、野菜もそれなりに取れるのでなかなかよろし。ケバブサンドが出来るまで店頭で待っているときに目に入った店長さん直筆のポップを読んで、トルコアイスクリームは工場で作って卸してるとかいうことではなく、一子相伝で受け継がれる(いや、一子じゃないかもしれないけど)業だそうで、お店で作ってると知りちょっとびっくり。どうりで雪印のトルコ風アイスとはなにかが違うわけだ。それだけでなく、名古屋のトルコレストランにこのお店で作ったトルコアイスを卸してるのだそうな。つまり、ここで食ってもメルハバで食ってもとんでイスタンブールで食っても基本的に同じもの、ということに。お持ち帰りでカップにつめてくれるサービスや、別料金でスチロールケースやドライアイスもつけてくれるので、よそに行くときにお土産に良いかも。やはり暑い日のアイスはおいしい。
 しかしこう暑いと、土用の丑の日とか一種の縁起物が流行った理由がよくわかる気が。疲れてるけど、研究室で実験していても良かったかもしれない。とかく、暑いと体とやる気の活性度が上がらない。

星雲賞関連・付記

 私は参加グループの代表とかファングループ連合会議に参加している人間ではないですし、なにごとかを貢献したわけでもないんで、そういう人をWWW上にひっぱりだそうというところはちょっとあったわけで、その意味では 林氏 からなんらかの コメント をひっぱりだせたのは目論見どおりなのだけど、ちょいと迷惑をおかけしてしまったところもあるようで、申し訳ない。