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2004年03月12日(金) 旧暦 [n年日記]

[読書] イリーガルエイリアン/ロバート・J・ソウヤー

 太平洋上に、地球外から飛来した宇宙船が不時着する。太陽系から一番近い恒星アルファケンタウリからやってきた彼ら、トルソ族は故障した母船の修理と、その見かえりとしての技術提供を人類に申し出る。オーバーテクノロジーを持った友好的な宇宙人とのファーストコンタクトは国連主導でスムーズに進んでいくかに見えたが、そんな中、トルソ族の案内役をしていた天文学者がバラバラ死体となって発見される。しかも、その容疑者はトルソ族の一人だった。逮捕されたトルソ族の弁護人として選び出されたのは黒人人権裁判で有名な老弁護士。人類が見守る中、前代未聞の裁判は進んでいくが、トルソ族の驚くべき生態や地球人とはあまりに異なる思考様式・習慣に弁護人たちも翻弄される。やがて、この事件の背後には、ただの殺人事件以上のものが存在していることが明らかになるが……
 ファーストコンタクトものと言って良いのか、裁判もの、あるいはミステリーと言うべきなのか、そのいずれでもあり、しかも手抜きなし。天文物理、生物とどの分野もフルに知識を生かしきってあまれたプロットに最後まで読者は翻弄される。こと、 トルソ族の目的が友好などではなく、四十万年に及ぶ大休眠期に入る前に休眠中の脅威となりうる他の知的生命とその萌芽を抹殺しようというものだとわかるくだりは、 多少ダイナミックすぎるきらいはあるが、物理、生物、文化への知識と考察が一体となり、知的遊戯としてのSFの一種完成形ではないかとすら思ってしまう。ストーリー自体も発散するかと思えた細かいエピソードが思ってもみない場所にはまったりして、没頭させられる。
 欠点としてはあまりに内容が濃すぎるために元々各分野にある程度の興味知識がないと振り落とされかねないところだが、がんばって読む価値はあると思う。個人的には、トルソ族と人類の進化分岐の決定的な時期がバージェス頁岩生物の発生時期のような時代だったのだろうなぁと思った絶妙のタイミングで、グールドの名が出たのにニヤリとしてしまった。

[映画][その他] アラン・スミシー

 昔、「デューン/砂の惑星 完全版」のスタッフを見たときに監督が「アラン・スミシー」となっていて「アレ?」と思った。「デューン」の監督はデヴィッド・リンチのはずでは? それに確か「ハートに火をつけて!」の監督も「アラン・スミシー」だったはずでは……で、それっきり忘れていたのだけど、 こんなサイト をたまたま見つけてしまう。あ〜、そうだったんだ。恥ずかしながら、全然知りませんでした。自分の名前をクレジットして欲しくない映画には「アラン・スミシー」あるいは「トマス・リー」の名前を代わりにクレジットすることは、監督組合の勝ち取った権利として認められているそうな。そういや、ゴールデン・ラズベリー賞を受賞した アラン・スミシー・フィルム なんてのもあったな。
 P.S.Alan SmitheeはThe Alias Menのアナグラムだそうで。

[ニュース] 戦争の犬とかラーメン

米英西、赤道ギニアのクーデターに関与?:

 ( 日経 )。こないだまで朝日の連載でフォーサイスが出ていたけども、手の綺麗な国家なんてないとはいえ……

中国が即席ラーメン消費第一位:

 ( 河北新聞 )。人口が多いってこととか、経済的に急成長してるとかいろいろあるだろうけども、案外と本家のこだわりは特にはないのだろうか。まあ、その貪欲でしたたかなところが中国の強いところではあるのだろうけど。

烏骨鶏大量餓死:

 ( 日経 )。エサ代が払えずということで、鳥インフルエンザとは直接は関係ないのだけども……そういえば、調べてみたが、個人宅で飼っている鶏を処分する際、案外とその手段が見つからない。公的な機関は取り扱ってないし、業者もなかなか制限があるらしい。やはりこういうところは日本は後手後手になるのだなぁ。

韓国議会、盧大統領弾劾決議提出:

  ならびに可決産経 )。いや、韓国は見ていて本当に飽きない国ですわ。関わりさえしなければ。ちなみに、この弾劾決議への韓国民の反応は、年配層は比較的支持していて、若年層は反発しているそうな。盧政権の支持者は若年層が主とのことなので、そのためなのだろうけど。


2004年03月13日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 夢を見た

 うなされて目覚めたけど、起きてから冷静に考えると、全然うなされるような夢じゃない。で、もうちょっと考えてみると、夢の中で陥ったシチュエーション、というか悩みのパターンが今抱えてる問題の引き写しだったりする。つまり、問題の解決の仕方もそれの引き写し。馬鹿馬鹿しいと言えば馬鹿馬鹿しいことこの上ないけど、自分が環境をどういう受け取り方をしてるかが、一部妙にわかって、新鮮なんだけどやな気分。バッドトリップって、こんな感じなのかねえ。全然知らないけど。ある意味面白い夢でしたが、たまにでいいです。たまにで。

[映画] でっかいスパナ大活躍

 今日公開の ペイ・チェック と、 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 を見てくる。本当は指輪の方は後日にして、ペイ・チェックと レジェンド・オブ・メキシコ で薬莢三昧に浸るつもりだったのだけど、レジェンド〜の方が意外にも席が取りにくくって、急遽変更。やっぱりみんな、カンパとキーノの無敵のイカレポンチコンビが見たいのだなぁ。(そんなワケはない)
 「ペイ・チェック」:マイケル・ジェニングスは企業の重要な開発を請け負う、フリーの腕利きの技術者。彼は守秘義務を完璧なものとするために、契約終了後は契約期間中の記憶をすべて消すことにしていた。そんなマイケルの元に、親友でもあるオールコム社の社長ジミーからの依頼がある。契約期間は前例のない三年という長期間。しかし報酬も破格で、マイケルはその依頼を受けることに。そして三年後、その間の記憶を消したマイケルが弁護士から受け取った報酬は19個のガラクタ。弁護士につめよるが、契約期間中にマイケル自身が一億ドル近い報酬と引き換えにこのガラクタの引渡しを求めたという。なにかの間違いに違いないとジミーに連絡をとろうとするが、その前にFBIによって身柄を拘束されてしまう。契約期間中に開発した「なにか」のためらしいが、マイケルにはその記憶がない。すべての罪をオールコム社にかぶせられそうになったマイケルを救ったのは……
 ネタバレのためブラックアウト。 自分自身によって送りつけられた、なんの役に立つのかわからない19個のガラクタ。それがピンチごとに意外な方法で役に立っていく。ジョン・ウーはSFというよりむしろサスペンスととらえてヒチコックを意識したと言うが、アクションシーンは多めながらも、正統派のサスペンスに仕上がってる。大まかなアイデアは原作と同じだが、それでもかなりハラハラしながら見れた。また、原作はP・K・ディックらしく絶望した世界の中で主人公たちもその絶望した世界の住人としてのラストを迎えたが、その辺は大きく変わっていて娯楽作品らしい結末に。
 ジョン・ウー映画としては、アクションシーンや銃撃戦はあるものの、二丁拳銃や横っ飛び、スライディング撃ちを期待して行くと肩透かしを喰らう。ユマ・サーマンはポン刀ならぬでっかいスパナで活躍してました。(笑) けれども自己模倣的なアクション映画に陥るのではなく、別の趣向のもの(サスペンス)もちゃんと撮れますよ、とアピールすることに成功している。また、驚いたことに「狼/男たちの挽歌 最終章」以来初めて、ロマンス要素が成功している。これはびっくり。傑作とまではいかないが、肩の力を抜いて楽しめる、「二丁拳銃監督」でないジョン・ウー監督の地力が確認できる作品。
 ところで後ろで見てたお姉ちゃん方、見終わった後で「この映画なんて映画だっけ?」って言うのはちょっとずっこけるんでカンベンしてください。(^^;
 「ロード〜」は今更なので簡単に。原作ではホビット庄に帰るまで、そして帰ってからもまたひと波乱あったが、その辺は想像通りのアレンジをされていた。が、原作のテーマと直結する大事な部分はできるかぎり残し、その上でエンタテイメント作品として作り上げたピーター・ジャクソンは本当にすごいと思う。その他部分部分もすごいのだけど、そんな感想は蛇足になりかねないので。
 印象的だったのは終わった後、家族連れの中の小学校高学年くらいの男の子が、帰りがけに食事でもしようという両親に「(原作を)図書館行って読んでみたい。早く帰ろう」とせがんでいたこと。この一事だけ見ても、この映画はほとんど完璧な成功じゃないでしょうかね?


2004年03月14日() 旧暦 [n年日記]

[特撮] 今日のデカレン

  デカレンK−9/友情に輝く星 ですた。ラストは締まらない映画だったけど、犬とはみ出し刑事のやりとりは面白かった。
 あと、エンディングのネタは結構笑った。
  ブレイド は、内容よりも、「こちらで爆発音がしたとのことですが……」とやってきた警官が「そんなの知りません」の一言であっさり帰ったのが突っ込みどころで楽しかったです。お前ら、散乱したガラス片を見て何も思わんのか?(笑)
 あと、馬怪人のきぐるみのデザインは、去年の ファイズ の、ホースオルフェノクのデザインが秀逸だということをやはり思い知らされた。ゼブラアンデッドもコンセプトに乗っ取った上でかなり頑張っているのだけどね。


2004年03月16日(火) 旧暦 [n年日記]

[映画][アニメ] イノセンス

 少佐(草薙素子)が電脳の海に消えてから三年、九課のメンバーは失われたものをいまだ埋められずにいた。とくに傷が深いのは彼女の相棒だったバトー。さびしさを埋めるかのようにバセットハウンドに愛情を注ぐ毎日を送る。そんな彼を見て室長の新巻は「失踪前の少佐を思い出す」と感想を漏らす。そんな中、少女型のアンドロイドが所有者を殺害した上で自壊するという事件が立て続けに起きる。バトーは新しい相棒のトグサと共に、事件を追って行く。

 一言でいうなら、「人形」「犬」「攻殻機動隊」の三題話の押井映画。
 宣伝戦略の関係上タイトルからはずされたが、間違いなく映画「攻殻機動隊」の続編。2というよりは後日談っぽい気もするが、では前作の付属物に過ぎないかと言うと、この映画はこの映画で独立したテーマを持っている。
 ただ、その見せ方に難がある。ストーリーだけ拾うと単純なんだけど、それだけでは意味がなくて、演出や枝葉の部分が大事なんだけど、重要性が高い部分も高くない部分もあんまり見せ方の重み付けが変わらないため(特にセリフ)、押井作品のポイントがわかっていないとひたすら難解で意味不明に見えてしまう。けど、面白くないかといえば信者でない私にもそれなりに面白いという大変困った作品。
 でもやっぱり、宣伝の対象と狙っている層が明らかにずれているような……

[その他] あれやこれや

  両親にインターネットを使わせるとしたら両親にインターネットを使わせるとしたら──Part2ITmedia )。ちょっと前に兄弟で「ウチの親のPCでリモートアシスタント使っての指導や管理」の話が出たので、参考に。

[ニュース] 宇宙関係二題

  宇宙議員連盟発足へ読売 )と 環境観測衛星、商用衛星使った打ち上げも検討毎日 )。同じことの裏表なんだけど……後者は打ち上げ失敗によるリスクなどがあるので話はわかるが、前者はどういう関係なんだろう? ううむ。


2004年03月18日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] St.Patric's Day

  /.JP で話題になってるのを見て、初めて昨日が「聖パトリックの日」だったことを思い出す。しまった。そのためにジェムソンも買っておいたのに。聖パトリックというのはアイルランドの聖人で、初めてアイルランドにキリスト教をもたらした。アイルランドにはローマ・カトリックの宣教師が来る前からキリスト教が布教していたという。その聖日はアイルランドの最大の祝日である。まあ、カトリックでもアイルランド人でもないけど、アイルランド好きとしては気分だけでも、と思ってたのだけど……
 名古屋にアイリッシュバーはないのかなぁ、と思ってちょっと探してみる。栄と覚王山にあるらしい。近いうち、余裕があれば行ってみたいなぁ……

[その他] 雪隠口上

 昔、江戸の牢の中には牢名主を頂点とした階級がはっきりとできていて、新入り、特に金を持たない新入りは荒っぽい歓迎を受けた。その際に雪隠、すなわち便所の掃除の心得を叩き込む口上というのがある。ふとそれが気になって検索したのだけど、ネット上に見つからない。覚えている分だけでも上げておく。
よォく聞け。この詰めの神様はナ、縦に八寸横四寸、前におったが金隠し、まわりにおったが真っ向縁。昼に三度夜に三度、しおみあけ(?)するところだ……
確かなにかの新書に全文載っていたのだけど、なんだっけ? 「 江戸の刑罰 」だったかな……?

[その他][ニュース] 擬装?

  バーチャルネットサージェント様 のところで知ったのだけど、 イラク派遣された韓国軍の軍用車両 。え〜、民間用の軽トラに見えるんですが……ってえかまんま 現代の軽トラだよ!  なんでも、米軍にHMMWV80台の貸し出しを要請したが、断られて仕方なく、ということらしい。ある意味、装備の追いつかないだけの兵隊を送って米軍との協力関係を保たねばならない、というのが、韓国の現実でもあるのだよなぁ。韓国軍の兵士には同情する。


2004年03月19日(金) 旧暦 [n年日記]

[マンガ] 荒木飛呂彦新刊二冊

  ゴージャス・アイリン変人偏屈列伝 が発売されたので帰りがけに買ってくる……ってああた、値段もそうなんですが、装丁がアレなんで重量が大変なことに……書店の店員も店員で、それだけの重さだから手提げの袋に入れてくれればいいのに普通の紙袋。ううむ、気が利かない。
 「ゴージャス・アイリン」の方は表題作に「魔少年ビーティー」の第一話、「バージニアによろしく!」「武装ポーカー」などの初期作が収録。この本には単行本初収録の「アウトローマン」が収録されている。原稿が紛失してるらしく、雑誌からのコピー原稿のようで、画質はかなり悪い。が、原稿紛失なのに無理に収録したのは「スティール・ボール・ラン」との絡みなのだろうなぁ。作画技術や演出技術は比べ物にならないが、荒木飛呂彦の根本的な部分の作家性は、このころから揺るいでいないのがわかる。ってえか、SBRがそのままじゃん! って感じの作品。
 他にはゴージャス・アイリンの15年ぶりのピンナップ(同じイラストが今月のウルトラジャンプにポスターとして付録)がついているけど、やっぱ絵柄が似ても似つかない……
 で、変人偏屈列伝。週刊連載を抱えながらの作画までは不可能、ということで、二編を除いては作画はアシスタントだった鬼窪浩久氏が担当。これがデビュー作だったそうで……って、一話目ってそんなに昔だったっけ? と思ったら、一話のニコラ・テスラの初出はなんと15年前。そんな前だったっけ? ううむ。内容は、決して道義的に正しい、正義の味方ではないが、他人からの評価を気にせず奇怪な行動を一生とり続けた人たちの、一風変わった偉人伝。最後のウィンチェスター・ミステリーハウスはかなりジョジョ風味入ってるけども。しかし、箱入りのハードカバーで出るとはなぁ……
 ついでにウルトラジャンプと 境界戦線/やまむらはじめ も購入。ウルトラジャンプは先月「不死者あぎと」も微妙な終わり方をしてしまったし、ほとんど「蒼のサンクトゥス」のためだけに買ってるようなものになってしまった。来月はちょっと購入を考えよう。
 「境界戦線」は雑誌掲載分に加筆を加えての収録。うげ、プロローグとエピローグ以外の加筆分が全然わからね。物語の舞台は近未来の日本。東京が地殻変動のため外との遮断され、内部では内乱が絶えず、独自の政府がつぶれては出来る政情の関東。そこでくりひろげられる、五本の「男と女の話」のオムニバス。あ、最後のは男と女の話じゃないか。五本ともジャンル的にばらけながらテーマ的にはどことなく一貫している、という良作。ただ、エピローグのニュースで出てきた「男女」って一話目のあの二人なのかねえ……その可能性が高いと思うが、そうだとしたら本当に容赦がない。(3/27に不適切な部分を削除させていただきました。大変ご迷惑をおかけします)