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2003年07月22日(火) 旧暦 [n年日記]

SF大会レポートその1

 7/19〜7/21にかけて栃木県塩原にて行われた T-con2003 に参加。

往路:

 7/19の朝八時に 林氏 と名駅新幹線ホームにて合流。東海新幹線で東京、その後東北新幹線で那須塩原へ。移動途上、せっかくの新兵器 MuVo が故障。云とも寸とも言わなくなる。しくしく。仕方ないので、かくあることもあれかしと、 Let's note Light W2 で持ってきていた ロック、ストック&トゥースモーキングバレルズ を見る。備えあれば嬉しいな、である。
 那須塩原駅から会場である ホテルニュー塩原 への送迎のバンで会場へ。バンに乗る前にプログラム等一式を手渡される。同梱されていた、会場内マップ& タイムテーブル の印刷されたウチワのアイデアは秀逸。大会期間中、このウチワにしばしば助けられる。

会場入り:

 宿に着くと、ある程度予想通りと言うか、DoCoMoのPHSは着信圏外。むー、実況モバイラーは不可能か。取りあえず、宿泊部屋にPM二時くらいにたどり着いた後、PM三時くらいまでひたすら寝る。ここんところ睡眠不足なんである。PM三時過ぎくらいに起きた後、ぼーとっしてると同室の人が来たので挨拶したら、友人の上田氏だった。同室なのは知っていたが、仕事で行けるかどうかわからないと言っていたのでビックリながらもちと嬉しい。どんなイベントや大会(あるいは学会も)でもそうだけども、SF大会は知り合いとかなにをするという目的がないと、なかなか参加しても楽しくないものである。この点、T-conの主催者側は結構考えていて、シール集めという企画も行っていた。参加者が各々シールを用意し、大会側から渡されたシール台帳に集めていく、という企画。108枚集めると「煩悩王」の称号が与えられる。アイデア自体は2001年日本SF大会の名刺交換からだと思うけど、参加者のオリジナリティの発揮される余地が大きいだけに、遊びの余地としてはこちらの方が大きい。事前に知らずに(アナウンスはされていたのだけど、プログレスをしっかり読んでなかった)オリジナルの画像は用意できなかったのが残念。

開会式(19日PM六時):

 PM五時半くらいに一度風呂で汗を流してから、PM六時にひとまずOPセレモニーへ行く。セレモニー会場でわっきーさんとけろーむ太田(入江省子)さんを見かけたのでご挨拶。去年のU-conは未参加とのことなので、SF大会では二年ぶり。わっきーさんが「2chのネタで『知り合いが誰もいないのに参加するSF大会は肩身が狭い』というネタがあった」とおっしゃっていたけども、私が一番最初に参加したi-conはもろそんな感じでした。(^^; 誰か引っ張っていく人がいるとか、知り合いが結構参加してるとかでないと、初心者には敷居が高いかもしれない。もっとも、お互い共通の趣味があるということからか、知らぬ同士でも割と気軽に声がかけやすく、知り合いを作りやすい場でもあるのだけど。
 OPではOPアニメが流れる。OPムービーはわりと流されるのだけど、OPアニメがきちんと出来上がっていて流れているのを見たのは、SF大会に参加して初めてかもしれない。人では、金ぴかのタキシードを着て挨拶をしたニュー塩原の飯沼さんが受けていた。
 参加ゲストの紹介等も終わり、大会開始の挨拶と乾杯の音頭と共に、立食パーティに突入。欠食児童の如く、SFファンが壁際の食い物のブースへわらわらと……ステージ前ではマグロの解体ショーまで行われる。BGMに合わせて拍手が鳴り響く。良くも悪くも、このノリの良さ(悪乗り気味)がSF大会なんである。こんなにノリのいい客は、ホテル側でも珍しいだろうなぁ……ちなみに「立食」は「りっしょく」と読まずに「たちぐい」と読むのである(嘘)。しかし、参加費4万円だけあって量はこれでもかというくらいに出てくる。料理としてのランクは後で野田大元帥が時間新聞に「料理の質もSo So(まあまあ)……でもないか?」と書いておられたのだけど(個人的には悪い方ではないと思うが)、学会の懇親会とかと大体同じくらいのもので、量ははるかに多い。グルメの人からは一家言あるかもしれないけども、主催者側の歓待の精神がはっきり出ていたように思う。
 また、今年はアトム誕生の年ということで、アトムの誕生セレモニーも。アトムの顔をかたどったケーキに、生バイオリン・ピアノの「HAPPY BIRTHDAY」の演奏が。この演奏をされたホテルの専属奏者のポーランド人夫妻は、この他にもナウシカやらルパン三世やら、大会主催者側から事前に50曲分楽譜を手渡されたと言うアレな曲を演奏してスジ者からは好評でした。

企画:アニメを報ずる(19日PM九時):

 OPセレモニーも終わり、特にどこに行こうと決めてなかったのだけども、「アニメを報ずる」にとりあえず足を運ぶ。昨年に続いての企画(らしい。去年のは見てない)で、前回はアニメ誌編集長を集めての対談だったのだけど、今回はそのアニメ誌編集長から必ずと言ってもいいくらい名前の出たサンライズの飯塚正夫さんを招いて、日本テレビアニメの黎明期からのお話をうかがう企画だった。虫プロに「鉄腕アトム」の途中から参加し、虫プロ倒産後はサンライズに移ってさまざまな作品に関わられていて、紙の上での年表ではない、当時の「体験」としての歴史を聞くことができて、大変面白い企画でした。

企画:遊コンT3(常設):

 その次は、特に「コレ」という企画が見当たらなかったので遊コン(酒とか飲み物とかおつまみとか置いてある広場)でごろごろしてると、顔も見知らぬ同士でなぜか酒飲みが集まり出す。ご一緒したのは 泥酔 さんと喜多さんという方。他にも入れ替わり立ち代りで何人かとご一緒したけども、お名前を記録しておらず。残念。

企画:日本SFファングループ連合会議総会(19日PM十一時):

 酒談義やらなんやらで時間を潰し、PM十一時前に 日本SFファングループ連合会議総会 へ。友人もさそったのだけども、ぐるぐる踊って進まない会議の様子に、しまいには辟易した模様。連合会議総会ってのはいつもこんなものです。いろんな人が集まるのだし、決しておろそかにしていい内容が話されるわけでもないから、まあ、当然こういうことも起こるのだけどね。世間からはきちんと理解されていない部分が多いけども、 SFファングループ連合会議 の仕事ってのは実はたった二つで、星雲賞を決定すること(およびそれにまつわる諸々の作業)と、日本SF大会開催地の決定のみだったりする。のみ、と言っても、それが実に大変な作業であることは、ここ数回総会を覗いて知ったのだけども。そこに関わる人も報酬を貰っているわけでなく、純粋なボランティアで頑張ってる方々である。潤滑に物事が進まない部分はないわけではないけども、それはファン全体でフォローしたり支えたりしなければならない部分がかなり大きい(連合会議への批判・提案を含めて)と思う。ペイバックを受けるには投資が必要なんである。

企画:遊コンT3その2:

 で、AM三時半にようやく会議が終了後、連合会議の飲みに。今年はちょっと個人的事情で中断した非公式ノミネートが結構知られていて、気まずいやらなんやら。来年度はしっかりしないと。という辺りでAM五時に部屋の布団へ潜り込む。
 続きは、次回の講釈で。


2003年07月23日(水) 旧暦 [n年日記]

SF大会レポートその2、あるいは湯煙の向こうの桃源郷

 大会二日目、7/20はAM十時に起床。AM九時から既に企画は始まっているのだが、一番行きたい企画だった「ゲゲボドリンクの部屋」は、行ったら二日酔いとゲゲボのコンボで確実に死ねると断念。風呂に入りに行く。
 風呂から帰りがけにわっきーさんらに会う。ゲゲボの部屋に行っていたようで、相変わらずなゲゲボっぷりだったようである。無理してでも行けば良かったかしらん?
 この後、遊コンの部屋に常設されてるシール屋さんで、昨晩発注しておいたシールを受け取る。これでようやくシール交換に参戦できる。シール屋さんでは友人の上田氏が手伝いをしていた。早速シール交換。シール屋さんの前では、シールの受取のタイミングを手ぐすね引いて待っているシール交換目的の参加者がいて、なかなか微笑ましい光景でした。

企画:教科書で読める日本SF(20日AM十時):

 AM十一時からの企画はとくにコレというものはなかったのだけど、「教科書で読める日本SF」へと行く。教科書に載るSFと言うと筒井康隆や星新一のショートショート、ブラッドベリの「霧笛」が定番と決まっているのだけども、近年SFの掲載される教科書が減っているという。理由は、「ゆとり学習」とかいうお題目で授業時間が削られ、授業に取り扱われるものが過去受験に出たものだとか、芥川竜之介の「羅生門」だとか志賀直哉だとかの無難な「定番」に偏ったためだそうである。芥川竜之介や志賀直哉がいかんとは言わないが、ただ「無難だから」という理由で選ばれたんでは、ちょいとなんだかなぁ、ではある。教師向けの授業指導要領にどのようにSF作品の授業について書かれているかも紹介されるが、ピントの狂いっぷりに大爆笑。「レイ・ブラッドベリの他の作品を読もう」で、「火星人記録」っていつの本だよ。「火星年代記」ならまだ入手しやすいかもしれないけど。それに「他に恐竜の出てくるSF小説」で「失われた世界」って、ああた……その文脈で「霧笛」を取り扱うのはなにかが激しくおかしいと思われ。ただ、海外短編小説の訳者の異なる幾つかの訳を読ませるというのは良いことだと思う。色々教育現場の問題点も取りざたされていたけども、大江健三郎の「特撮ヒーローものはおかしい」というエッセイを読ませた時、出来のいい子も悪い子も皆揃って「こいつの書いてることの方がおかしい」と感想を書いてきた、というのがなかなかいい話だった(笑)。日本の将来は明るいかもしれない。
 とりあえず、教科書におけるSFの復権には、センター試験にSFの問題を出させるのが一番手っ取り早い、という結論で締め。
 昼飯に弁当をかっ込んだ後、「SF創作講座」に行こうか「 となりのロボット−人間協調・共存型ロボットプロジェクト(HRP)− 」を覗こうか迷ったのだけど、「SF創作講座」は二枠分拘束されてしまうので「となりのロボット」へ。

企画:となりのロボット─人間協調・共存型ロボットプロジェクト(HRP)(20日PM一時):

 HRP−2というと、一時期ニュースで話題になった「出渕裕デザインのロボット」である。実際にはデザインだけでなく、まだまだ初期段階とは言え自律での人間との共同作業が可能だったり、倒れた状態から起き上がることができるなど、かなり「人間の生活との強調」を意図したコンセプトである。ハードウェア面を作成した川田工業のスタッフは、もともと川田工業でオリジナルのヘリコプターを作るために集められたエンジニアたちだったのだけども、バブル後の不況で計画が屯坐し、宙に浮いた形になったところを東大の井上教授からの依頼でロボット製作に携わったという、実はかなりの異業種参入だったらしい。まあ、ヘリの設計・製造も制御屋の分野らしいから、そんなに離れてもいないのかな? このプロジェクトの長である東大の井上先生というのがまたえらくおっかない先生らしく、川田工業・産総研のお三方は口を揃えて「本当に恐いんですよ」と言っていた。ところが、あのHRP−2の出渕デザインはこのおっかない井上先生の「かっこいい方がいいじゃないか」の鶴の一声で強力に後押しされた(一応、デザインの決定自体は投票)というのだから、世の中わからんものである。
 製作側のエンジニアはあの頭部デザインの「ツノ」にえらくこだわって「なんの機能にも関係ないのに、なんでこんなのがついてるんですか?」と言いつづけたらしい。「こんなのついてたら、倒れたときに壊れちゃいますよ?」「そんなのは予備の部品を用意しておけばいいんだ!」というやりとりがあったとかなかったとか……そのわりに、モーター冷却用の通風孔をつけるときには「出渕デザインだったらやっぱブチ穴でしょ」と出渕氏がわざとデザインにつけなかったブチ穴を空けたってんだから、技術者ってのは……とりあえず、機能と結びつけばなんら躊躇はないらしい。
 一方、デザインの出渕さんにおいては最初から「俺に話が来たってことは、パトレイバーを期待してるんでしょ?」と、最初からソノ気まんまんだったらしい(事実、依頼者側の意図はそうだったんだけど)。それと、実はもうひとつ、わざとキャラクターロボット的なデザインにした動機があったそうである。それはなにかと言うと、出渕氏は押井氏とロボットデザインの話をする時に、キャラクター性に比重を置いた出渕氏に対し、リアル指向である押井氏とは常に意見が分かれるらしい。しかし、実際にP−2、P−3、AIBOなどが登場すると、その動きはいかにもロボロボしい「リアルな」ロボット的な動きでなく、実になめらかな動きで、「いわゆるリアルなロボットってのは、実はリアルじゃないんじゃないか? じゃあ、アニメ的なロボットにしてやって、押井氏の『リアル』を出し抜いてやろう」という考えがあったらしい。あと、川田工業・産総研の人たちに散々「こんな安い報酬で仕事してもらって、本当に申し訳ありませんが……」と言われつづけたのだけど、提示された金額を見て「アニメ業界の仕事料って、本当に安かったんだ」と愕然としたとか。でも、川田工業の人によると「工業デザイナーと仕事をすると(こだわりが強すぎるせいか)、いっつも喧嘩別れするんですが、初めて喧嘩別れせず上手くやっていけそうなデザイナーさんと仕事をしました」とのこと。ただ、締め切りを守ってくれないのだけが悩みのタネだったとか……(ラーゼフォンのテレビとか映画とかで忙しかったからなんだけど)
 産総研の方はソフトウェアの担当で、そっちの話も実際には相当な苦労と工夫があったはずだと思うけど、退屈な部分はかなり省略して、これからの発展として「問題を自分で発見し、解決をする」自律プログラムの作成を目指すと話されていた。で、最終的な目標は「(ロボットが)人類を滅ぼして理想郷を作る」だそうな(笑)。ツボを心得すぎ。
 その後、どこに行こうか考えていて、遊コンの部屋でお茶飲んでぼーっとしていたら、目の前に寺島令子さんが……思わずシール交換お願いしてしまいました。こういうことがあるからSF大会って奴ぁ……

企画:「出撃! マシンロボレスキュー」を語ろう♪(20日PM一時(参加は三時から)):

 お茶飲んでからそこらをぶらついていると、呼び込みがかかったのでなんとなく「出撃! マシンロボレスキューを語ろう♪」に。製作者を招いての上映会&トーク企画で、過去のマシンロボシリーズとの関係とか、製作の裏話とか、それなりに面白い話が聞けました。ちと客入りが寂しいかなぁ、とも思ったけども、この規模の方がゲストとの距離感が近くなるというメリットもある。ただ、あのCGのロボットたちの部分の制作費はかなりかかっているのだけども、それでも「ガンダムSEED」にDVDの売上は相当負けてるのだそうな。決して悪くない番組だとは思うのだけどなぁ。一応、監督の頭の中の裏設定では今シリーズは過去作品の「クロノスの大逆襲」「バトルハッカーズ」と繋がってる(つもり)だけども、突拍子がなさすぎて誰にも話せないとか、監督的には「クロノスの大逆襲」の出来事は電脳空間での話だったとか、「クロノスの大逆襲」はバンダイ側から「人間を出さないでください」と言われてロム兄さんとレイナで誤魔化したとか、「バトルハッカーズ」でヤーサンダーとかガクランダーとか出したのは作った側からしてもトンデモなさすぎだったとか、ああ、マシンロボレスキューの話じゃねえや(笑)。今回のシリーズでは、子供の視点になって話を作ろうと最初から考えていたそうで、過去シリーズとは大分違うかもしれないけど、これも自分がやりたいことだ、とのこと。また、ウィングライナーは実はあれは下半身で、上半身がくっつく予定だったのだけど、ウィングライナーの売上が悪くてまぼろしの設定化。質問タイムでは、何故かガラゴロ大人気。量産が効いて、汎用性があって、愛嬌があってと、ガラゴロ最強ロボ説が出とりました。私は以前から気になっていた「なんでレスキュー専用ロボに『フィンガーフラッシュ』なんていう、どう見ても戦闘用の機能があるのか」という疑問をぶつけたら、「まあ、必殺技欲しかったし。後付けの理由では、レスキュー現場での壁とかの破壊用の装備」だそうで。やっぱ建機に発破は付き物なのですよ。ちなみに、本当に聞きたかった質問は「MRRはメガネっ娘に牛耳られてるように見えるんですが、どうなんでしょうか?」だったんですが……
 ある意味、MRRのロボットはHRPの提唱するロボットのコンセプトそのものなのだけど、良い子なので人類を滅ぼして理想郷は作りません(笑)。
 その後全員参加企画の「SFセンター試験」があったのだけども、それ以降の話はまた後日。


2003年07月24日(木) 旧暦 [n年日記]

第42回日本SF大会レポートその三、あるいは風呂より他に、望むものなし

 え〜、こんな題名が続いてますが、出歯亀なんてしてません。
 SFセンター試験のところからだっけ?

企画:SFセンター試験(20日PM五時十五分):

 タイムテーブルでは、20日PM五時半からSFセンター試験。「MRRを語ろう」からすぐ隣の「遊コンの部屋」へ移動してぼけらー、としてると、わっきーさん、けろーむ太田さんが。ぼーっと雑談やらシール交換しているうちに、SFセンター試験の問題が配布。全ての企画部屋で実施されるのだ。
 問題配布と共に、試験の説明。百問の出題で、解答時間は20分らしい……って、オイ、一問当たり、12秒かよ。こりゃ考えている暇ないなぁ、ということで、試験対策の鉄則に従い、一箇所で考え込まずに無理だと思った問題はどんどんすっとばしていく戦略に決定。こんなことくらいしか役に立たない受験社会に、激しい矛盾を感じます。って、ゆとり教育も全然賛成出来ないけどね。
 で、PM五時二十分くらいから試験開始。もー、なんてか、反射試験に近いですよ。二十分の期限に数分の余裕を残して終了。しまった。直感で答えすぎたか、と思うが、今更百問の問題を見返す気もせず。ま、いっか、と試験終了時間までほぼぼけらーっと過ごす。で、採点時間。隣の人に答案用紙を渡して、採点。他の人のと自分の採点が妙に気になる。むむむ。なにはともあれ、採点終了。わっきーさん、けろーむ太田さんや私のいたテーブルは、大体60点前後。私の得点は63点。まあ、とりあえず60点以上は取ったからいっか、と解答用紙を回収に来たスタッフに渡す。

企画:星雲賞受賞記念パーティ(20日PM六時):

 その後、雑談で一息つけてから二日目の星雲賞発表etc.の立食パーティーに移動。これもまた全員参加である。前日と大体同じ場所のテーブルにつくと、近くに友人の上田氏を発見。他の人も前日とほぼ同じポジショニングらしく、周囲はほぼ見覚えのある方々。ここでも隙あらばとあちこちでシール交換会が始まる。まー、SFファンってのはこういうあまり意味のないことに燃えるものです。いや、当然私も燃えましたが。その中で、シールを受け取った後にふと名札を見たら、「神代創」という名前が目に飛び込んで来まして……ごめんなさいごめんなさい、御本一冊も読んでません、と謝ろうと思ったけども、ちとタイミングを逃しました。
 で、星雲賞の発表。前日の「ファングループ連合会議総会」で既に聞いていたのだけど、とりあえずここで公式には明らかにされた。
日本長編部門: 野尻抱介「太陽の簒奪者」
日本短編部門:秋山瑞人「おれはミサイル」
海外長編部門: ロバート・J・ソウヤー「イリーガル・エイリアン」
海外短編部門:グレッグ・イーガン「ルミナス」
メディア部門: 新海誠「ほしのこえ」
コミック部門: 長谷川裕一「クロノアイズ」
アート部門 : 新海誠
ノンフィクション部門: 笹本祐一「宇宙へのパスポート」
自由部門  : 出渕裕デザインの人間型ロボットHRP−2最終成果機(Promete)
 ここ数年の星雲賞受賞傾向を再確認した形でもあったが、特に不満がある受賞内容でもなかった。
 星雲賞の日本長編部門で「太陽の簒奪者」が発表された瞬間、目の前の「太陽の簒奪者」宣伝のサンドイッチ看板をつけていた方が、ひっくり返して「星雲賞日本長編部門受賞」が書き加えられた意匠になったのが印象に残った。ちなみにその方の配っていたファランクスシールは初日にいただきました。ありがとうございます。
 それから飢えた欠食児童を解放するが如き乾杯の音頭が行われた後、飲み食いしながらファンジン大賞の発表が行われる。すいません、正直に言えば、私も発表内容聞くより食い物あさるのに一生懸命でした。(^^; いや、流石に食い物のテーブル前でたむろってたりなんて恥知らずなことはしませんでしたが。

企画:コスプレパーティ(星雲賞受賞記念パーティ内):

 この立食パーティはマスカレード(仮装パーティ)も兼ねていて、いろんな格好の方がおられました……まあ、いろいろとだけ。で、食い物を取ってきて戻る途中で、なんか後ろから突き飛ばされてしまう。 「なんだ?」と思って振り返ると、黒い格好の女性が走り去るとともに、その後を追うサングラスつけた黒いスーツ姿の一団が……え〜っと、ひょっとして、アレですか? 案の定、その一団は会場を駆けずり回った後に、壇上に登って立ち回りを……いや、突き飛ばされた瞬間は「むっ」としたけども、それだけで全てを許します。後に知ったことだが、その黒スーツの一団(何の格好かは割愛)は当日まで知り合いでもなんでもなく、事前のネット上の呼びかけで急遽当日に集まった有志だとのこと。さらに、会場中駆け回ったのは主催者側から「場をつないでくれ」と依頼されてのイベントだという話。「マトリックス・リローデッド」って実は受けてたんだなぁ、と再認識。で、その後、マスカレード(コスプレ)審査の発表。全部は憶えてないけど、優勝は確か「千と千尋」の「ハク」をやった子。数年前の「やねこん」では「おじゃる丸」を「やらされた」とか。他には「ヒカルの碁」の佐為の格好をしていた方(女性)。マジ美人。マトリックス・リローデッドのトリニティ&スミスsもパフォーマンス賞を受けてました。
 え〜っと、ちなみに補足。海外の規模の大きい国際学会などでは、「マスカレード」は普通に行われていて、例えば国際物理学会ではニュートンやアインシュタインのマスカレードが見られるとか。海外の人は遊ぶところは遊ぶ、締めるところは締める、めりはりをわかってるんだろうなあ。
 で、宴たけなわの中、次の企画が始まる前に解散。
 いかん、今回でレポートを終わるつもりだったのが、長くなりすぎた。こういうのって未参加者が読んでて面白いんかなと、ちょっと不安。
 ってわけで次回こそ完結編。(多分)


2003年07月27日() 旧暦 [n年日記]

第42回日本SF大会レポートその4

企画:星雲賞受賞者パネル(20日PM九時):

 星雲賞発表受賞記念パーティの後、「星雲賞受賞者パネル」に。新海誠さんやイーガンの「ルミナス」の翻訳者の山岸真さんは早々に会場で待機していたけども、他の受賞者の方々はわりと時間ギリギリとかやや遅れ気味。HRP−2の川田工業・産創研のお三方および出渕氏が大分遅れてやってきて、受賞者席がいっぱいなのを見て引き返そうとするのを引き止められる。
 パネルの内容は受賞の感想など。今回の受賞は「宇宙もの」と「ロボットもの」に大別できる、と野尻氏。特に突っ込んだ質問もそれほどなく、以後の仕事の予定などに言及して終了。質問タイムに「星雲賞短編部門を取り巻く現状」について受賞者の方々に質問してみたが、受賞する立場としては特に危機感は感じていないらしい。ノミネート段階では粒が揃っているので、見方によってはそれも正しいとは思うのだけど。海外短編部門受賞の山岸氏もなんと答えていいか困った質問だったようで、失礼だったかとパネル後に謝罪に行くが、あちらはこっちをご存知だったようで……名札を一瞥、「ああ、ホームページ見てます」と……恐縮しまくりでした。

企画:サイバーパンクふたたび(20日PM十一時):

 「星雲賞受賞者パネル」後は、同じ会場で行われる「サイバーパンク、ふたたび」に。
 巽氏によれば、「マトリックス・リローデッド」が史上初めて成功したサイバーパンク映画として判断する一つの指標が、コスプレが大きな規模で行われていること、だそうで。ようは コレ なんですが。まー、納得できるようなできないような。企画はマトリックス・リローデッド、ギブスンを枕に、「クローン・オブ・エイダ」のすっとばし鑑賞会に移行。この映画のナニがサイバーパンクかと言うと、遺伝子の中の記憶(この辺はまあトンデモなんだが)を元にコンピューター上にエイダ・バイロン(史上初のプログラマ)の人格を再生させて……というところなのでサイバーパンクと言えなくもないのだけど、それよりは劇中にブルース・スターリングや ティモシー・リアリー (亡くなる七日前に収録)が本人の役で登場しているというところがミソ。特にティモシー・リアリーは目付きが、なんというか、かなりヤバゲ。他には、ウィリアム・ギブスンの新作「 PATTERN RECOGNITION 」の話題。「SFじゃないけどサイバーパンク」という、微妙な評価。舞台は現代で、ネット上で人を惹き付ける、発信者不明の動画ファイルを主人公が追っていく、という話。基本ガジェットとして google が出てくるらしい。「カウント・ゼロ」的な宝捜しの話だそうだけども、描かれている問題は現代的なものだそうで……って、実物見てないから、伝聞以上のことはわかりません。主人公(ケイシーという名の女性)はその発信者不明の動画ファイルを追って世界中を回って、日本にも舞台が移るのだそうだ。渋谷の109とかその周辺の描写は詳しいのに、日本の協力者の名前が「タカヤキ」だそうで……ギブスンの奥さんって、日本人サラリーマン向けの英語教師で、日本事情通じゃなかったっけ? わざとやってる?
 日本通と言うと、ブルース・スターリングもわりと日本通なんだそうで。アメリカ南部では日本の昼メロとかを何故かスペイン語とかの字幕付で深夜に放送していて、そいういうのをわりと見ているらしい。
 補足。ちなみに企画者は例の「トリニティ&スミスs」の企画者でもあり、この場で当日まで全然お互い面識がなかったこと、星雲賞受賞記念パーティでのパフォーマンスは主催者からの依頼で行ったことが明かされた。
 企画参加者のマトリックス談義とかなんとかで終了時間を大幅に過ぎてAM三時頃解散。「韓国まんがまつり」に行く気力もなく、一旦部屋に戻ると上田氏とばったり会ったので、一緒に風呂に行くことに。風呂に行く途中、同じく風呂に向かっていた林氏と偶然合流。三十分ほどゆっくり風呂に浸かる。

遊コンT3その3:

 風呂に入った後は遊コンの部屋でなんだかんだと雑談して、AM五時近くになってしまう。結局、前と同じくらい夜更かしして部屋に戻って睡眠。とことん予定が立てられないなぁ。
 翌日、AM九時位に目覚め、前日食いにいけなかった朝食を上田氏と食いに行く。すでに参加者のかなりが撤収の騒ぎにあわただしい。エレベーターホール前などでは、最後のチャンスとばかりにシール交換が行われている。私は前日の夕方くらいに108枚集めてしまったので、後は作ったシールを持って帰るのもなんだしなあ、と、シールをばらまく。バイキング形式の朝食は和風でまとめてあっさりと済ませる。
 朝食後、部屋を本格的に引き払う。大荷物は宅急便にお任せ。

閉会式(21日AM十時):

 AM十時から、閉会式。大会内で行われたさまざまなパネルやイベントの受賞やら上位者発表が行われる。 2003年オールタイム・ベスト地球・海洋SF や「センス・オブ・ジェンダー」賞の発表及び受賞、SFセンター試験の上位者、シール集めで108枚集めた人への記念品の授与等。SFセンター試験は、何故か私も8位に入賞してました。まあ、半ば以上運と受験テクニックのせいなんですが。

暗黒星雲賞発表:

 最後に 暗黒星雲賞 の発表。イベント部門は 無銭飲食列伝 鉄人屋 、ゲスト部門は鉄人屋で鉄人定食に挑戦された秋山瑞人氏(曰く「嘘は書くものじゃない」)、コスチューム部門は開会式で銀ラメのタキシードを着ていたホテルニュー塩原の飯沼さん、自由部門は、ホテルニュー塩原。マイク係として壇上に待機していた飯沼さんだけども、コスチューム部門で自分の名前が呼ばれると、目を丸くして楽屋裏にかけこみ、例の銀ラメのタキシード姿になって再登場。ところが、そんな茶目っ気を見せる余裕があった飯沼氏も、自由部門でホテルニュー塩原の名前が読み上げられると、一瞬自失呆然。そして目頭を抑えだし……接客業に従事して十年、お客から表彰されたなんて始めての出来事で、感極まったらしい。会場中から拍手が送られる。まあ、送られたのが暗黒星雲賞で、投票のコメントの中に「全国SF大会御一行様」と描き間違えた看板も含まれてたのが多少引っかからないではないですが。(^^;
 主催者側も「参加者がなにをしていいか分からず困ってしまうような時間を、できるだけ作らない」工夫をしていて、それが今回の大会の良かったところである。だけどもホテル側の協力もかなりのもので、施設の古さ等、不満要素はないわけではなかったけども、それを補ってあまりあるものだった。だからこの暗黒星雲賞は、ちゃかしとかそういうことでなく、ホテル側に参加者からの感謝が伝えられて良かったのではないかと思う。
 閉会式の最後の最後でこれは、ちょっと意外で良い出来事だった。暗黒星雲賞を毎回企画・実行されている加藤さんにも一参加者として感謝を。
 で、大会中に撮影されたビデオを編集したエンディング映像が流れ、実行委員長からの閉会の辞で締め。

帰路:

 林氏、上田氏と一緒に、シャトルバスで那須塩原駅へ移動。乗ったバスで、お隣の席の方がゲスト名札をつけていたので、ふと名前を見ると、仮想戦記作家の横山信義さんでした。いや、ほとんど作品を読んでなかったので、話しかけられなかったんですが。最後の最後まで油断できねー。
 大会中に見かけたゲストの姿がちらほらしている那須塩原駅から、東京駅経由で名古屋に帰還。夕方には帰宅。たっぷり休む時間があったので、翌日に響かなかったのが幸い。
 四万円の参加費は流石に自分でも躊躇するし、人に勧めるのはもっと躊躇するけども、終わってみれば主催者側とホテル側の呼吸が合った、細かいところに気配りの行き届いた大会でした。
 大会全体の感想のまとめとかは、また機会があったら。

  鳩山由紀夫ホームページ (要flash)。え〜、これを見て、どのくらいの人が鳩山氏に政権を任せたいと思うのかが……


2003年07月28日(月) 旧暦 [n年日記]

うちうはでっかいたからじま(多分)

 先週末は学会で名古屋に来た先輩との飲みの翌日、H氏、O氏との飲みの二連続。さすがに肝臓がヤバ気味ですわよ。
 名古屋に来たO山内先輩の飲みの締めに大丸に久々に行き、何故か麺ダブルを食う羽目に。私が望んで注文したんじゃないんですよ〜? 一緒に行った後輩とかには「食うの早いですね」とか言われたけども、食うのが早いんじゃなくって、早く食わないと麺が延びるし満腹中枢が悲鳴を挙げるしで、死ぬ気で早く食ったんじゃい!
 朝の五時に家にたどり着いてそれから就寝、そのあと昼の三時まで寝ていて、起き出してから風呂とか。死亡気味の脳みそに活を入れつつ、H氏、O氏の待ち合せ場所である金山まで自転車で移動。途中で書店に寄って キネコミカ/とりみきマルドゥック・スクランブル The Third Exhaust ──排気 を購入。
 で、金山で合流。O氏に差し入れと称して近くの 書店 で売っていた「熊カレー」を押し付ける。とりあえず受ける。H氏相手では、「ほう、これが」で済んでしまってつまらんからなあ。
 金山の近くでメシ食って深+へ。まあ、SF談義とか(偏った)文学談義とかいろいろ。エンゼルフィッシュの佃煮は食ってみたかった。
 O氏が「異世界SFなら、世界の秘密まで行かないと」と言っていたのだけど(別に原理主義者的にではなく、自分的にはそうでないと、って感じだけど)、「世界の秘密ったって、例えばウチらがそんなこと気にして暮らしてるわけでなし、実はどうでもいいんでないかなぁ」と反論してしまう。
 その後、いろいろ考えるが、要は「世界の秘密」って奴は、宝捜しの宝なんでないかと思い当たる。「マルタの鷹」読んで江戸川乱歩が「きっとマルタ騎士団の財宝探しの話になるかと思ったのに、なんだこの展開は」と文句を言ったのと同じで、文学的なカタルシスをどこに求めるか、ということに過ぎない気がする。とすれば、あそこまで食い下がらんでも良かったかなぁ。
  一歩さん による T-con2003アフターレポートリンク集 から捕捉される。情報共有と、プラスにしろマイナスにしろSF大会の喧伝の意味を兼ねてのレポートなので、こういうのは大歓迎です。で、ついでに私のレポートがイベントごとに別れていずに大変見難かったのでイベントごとにアンカーをつけてみる。多少は見やすくなっただろう。
 それと、「MRRを語ろう♪」で語られたDVD販売枚数ですが、ポイントは 相当 負けてる、という辺りで、ある程度具体的な数字が出たんですが、確かにもうちょっと売れないとヤバイかも、という感じではありました。まあ、子供向けなんでセルビデオよりレンタルの方がメインなんでしょうけどね。


2003年07月29日(火) 旧暦 [n年日記]

猫舌同盟

  ファイズ をようやく消化。流星塾出身者がデルタのベルトを巡って醜い争いを繰り広げる。スマートブレイン側もラッキークローバと社長・村上との立場の違いが浮き彫りにされていく。その一方で、西洋洗濯舗菊池にアルバイトで猫舌の新キャラ登場……収集つくんかいな? 今回ラップをBGMに暴れまくっているオルフェノクの正体は、朝日のサイトを見ればわかってしまうんですが……「力は人を変える」がデルタ登場編のキーになるようで。
 SF大会移動中に「キャッチ=22」を読了。え〜、精神が不安定な時に読むものじゃありませんな。どんどん自分の正気が疑わしくなってくる……たとえ王様の耳はロバでも、一々そんなこと言ってられないってのが多分正常なわけで、「でもおかしいことはおかしい」が意味を持つのは、ある程度の制約があった上での話で。その制約ナシでタガだけはずれたら、ヨッサリアンとは別種のイカレポンチですな。
 結局、ヨッサリアンがイカレてたのか、他の人間がイカレてたのかは、さっぱりわからない。でも、最後でヨッサリアンが年端も行かない友人の恋人の妹のために行動し、結果、軍を脱走するのは、キチガイだとは思わない。
  総務省「メディア・リテラシー」教育を朝日 )。あたくしが偉そうなことを言える義理はこれっぽっちもないんですが、「マスコミが伝えているのはあくまで『マスコミを介した何か』である」ということはきっちりと抑えておかなきゃいけない現代基礎素養で、それをきちんと教えてくれるというのなら多分良いことだと思う。
  米といずれ最後の決戦Yahoo!hl )。戦る気か。戦る気なんか。そうか。
  財務省、いい加減にせえよ?産経 )。海底領土の探査予算が、財務省の腰の引け具合により削られる可能性大だという。まあ、実際のところはどうか知らないけど、どーんと出したれよとか思うのだけどなぁ。メタンハイドレートが実用化すれば、そのリターンは比べ物にならんのだけど、財務省はどういうふうに算定をしてるのかしらん?
 今現在、深+のマスターに「読め」と薦められた田中小実昌訳レイモンド・チャンドラー「湖中の女」を、他の予定に優先させて読み始め。良く考えたら、清水俊二訳のでも「湖中の女」は未見だった。ちと運がいいかも。フィリップ・マーロウがちゃんと「ぼく」でなく「おれ」と言うのだぜ? 促音の「っ」が「つ」なのは、慣れればなんということはないだろう……多分。


2003年07月31日(木) 旧暦 [n年日記]

瞳孔散大一歩手前

 午前中は仕事しながら精神状態最悪。とおりすがる人とおりすがる人皆がギョッとしたような目で見たので、よほどアレな目付きだったんだろうなぁ。この精神状態があと半日続いてたら本格的にヤバかったかもしれない。ここまでのアップダウン、ひさしぶりだ……
  宇宙のステルヴィア の展開がようやく期待していた展開に。期待してたのは宇宙でハリー・ポッターでも、宇宙大作戦でも、ファーストコンタクトでもなく、こういう身近な、誰もが経験したことがあるような自分の限界と孤独を実感する瞬間だったりする。公式ページの登場人物紹介だけでそこまで期待するのはちとヤバゲかと思ったけど、結果的には期待通りの展開になってきて満足。
 週刊チャンピオン掲載「虹色ラーメン」で、「またベタベタな展開を」とかってのはともかく、太陽が拾い上げられた漁船で船長を見上げてるシーンがちと震えが来た。海上での日差しってのは、こうなんだよなぁ、という感覚が再現される。「大介ゴール」で大介がサッカーグラウンドに選手として出るシーンもそうだったのだけど、この作者はこういう鮮烈な感覚の再現をなにげなく(と、見えるが、実際は試行錯誤によってとは思うけど)やってしまうのが、やっぱすごいと思うのだよなぁ。
  ブッシュ大統領、イラク特措法成立を歓迎朝日 )。これ自体は別に当然の流れといえば流れなんですが、米国内のアンケートでも日本の軍事力増強による日米同盟の強化を望む声が高まってるという報道もあり、対北政策をにらんで、日本にどんな役割を期待するのか、担わせようとするのかは気になる。
  ペルー、フジモリ元大統領の身柄引渡し、正式要請へ読売 )。別にフジモリ大統領の清廉潔白を信じて疑わないわけじゃないけど、 トレド現大統領の意向も微妙ならざる絡み方をしてるよう時事 )で、ICPO指名手配まで至った背後関係は気になると言えば気になる。
  北朝鮮から帰国組の家族の帰国を非公式に打診産経 )。あくまで非公式な筋で、ということだけども、北が「帰国させてもいい」と言っているのは蓮池さん、地村さんのご家族のようで。ある報道では「無条件で」ということだけど、別の報道では「これで拉致事件を解決ということにしてくれ」だというものもあり、まあ、少なくとも北朝鮮が何も期待せずそんなことを打診することはなさそうな気はする。
  「根っから悪い子はいない」渋谷のおばちゃん毎日 )。「ちゃっかりしとるけど、ホンマはええ子や〜」すいません、それが言いたかっただけです。でも私にとっては基本的に他人はエイリアンで、理解不能と思ったらそこで思考停止してる部分って大きくって、なんかこういう人はすごいと思ってしまう。すごいと思うだけでなく、見習わねばならないところも多いと思うのだけどね。
 そう言えば、自転車通勤してると気付かないけど、地下鉄で通勤してるとまわりに必ず一人は携帯でメールを見てたり打ってたりウェブを見てたりゲームしてたりする人がいるのに気付く。ある意味、SF的な風景だなぁと思ったりもする。だけど、そういった最近のコミュニケーション手段によって、遠くにいる知人とのコミュニケーションが取りやすい反面、肉体の身近にいる他人に対しての興味が希薄になっているとも思う。全面否定してるわけでない。ただ、得たもの、失ったもの、両方に気付くようにせねばならない気はする。少なくとも、私は気をつけたい。