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2013年03月20日(水) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] ヴァンガードリンクジョーカー#10とラブライブ#11

  カードファイト!!ヴァンガード リンクジョーカー編 #10「宮地学園中等部」。アイチが高等部でカードファイト部を立ち上げたのに刺激され、妹のエミも友人のマイを誘って中等部でカードファイト同好会を立ち上げる。その話を聞きつけたナオキとシンゴは、様子見に訪問する。だが、エミがアイチの妹と知らないシンゴは、自分のステータス上昇のため、利用しようとして……

 中学生相手にいいとこなしのナオキとシンゴだけど、もっともいいとこなしなのはシンゴ。あなどってた中学生に負けた上、エミがアイチの妹と知らず威勢のいいことを……そいでもってシンゴがリベンジをと泣きついてアイチが対戦することになった第三の中等部生はなんとウルトラ・レアのレッカ!
 そりゃ考えてみれば、コーリンも高等部に通ってるんだから、レッカも通わされてて不思議はないんだけど、最後のあの髪の毛登場で全部持ってかれた!wwwwwwwwwwwww
 最後、カードファイトに興味がなかったナオキだけがレッカが誰かわからずきょとんとしてるのが笑えるw


  ラブライブ! School idol project #11「最高のライブ」。ラブライブを目の前にして、ついに19位にまで食い込んだμ’s。しかし出場のためには開催まで20位以内をキープしないといけない。もうすぐ開催される文化祭はそのための絶好の機会なのだが、学園祭での講堂使用の抽選にはずれてしまい、いきなり躓く穂乃果たち。穂乃果の発案でいつも練習に使っている屋上で野外ライブを開くことを決定するが、ことりの表情が冴えない。その理由は彼女に届いたエアメールにあるようで……

 え? これって1クールだったの? そんでもって何か、ことり絡みで波乱が……普通に考えれば、留学関係?
 そいでもって、穂乃果もいつも以上に頑張りすぎ、逆に無謀なトレーニングが祟ってライブ一曲目が終わった時点で倒れてしまう。
 いつも突っ走ってみんなを引っ張る役だけど、それが裏目に出た形。
 もし、文化祭が失敗に終わって20位圏内から落ちるとラブライブに出場できなくなり、学校の存続が危うくなってしまう。せっかく穂乃果の妹もUTX高校希望だったのが、音ノ木坂学院のパンフも取り寄せるようになったのにねえ。
 ここからことりの件、学園祭ライブ、そしてラブライブと、流石に全部は決着がつけられないと思うから、これは第二シーズン前提の展開なのか?


2012年03月20日(火) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] デジクロ#78とラグランジェ#11

  デジモンクロスウォーズ 時を駆ける少年ハンターたち #78「伝説のヒーロー大集結!デジモンオールスター決戦!!」。最終決戦前に過去の主人公総登場。タカトとギルモンももちろん出てきたけど、ギルモンちっともしゃべらねえ……さすがに野沢雅子は呼べなかったか。そしていかにも怪しかったリョウマが本性を表す。ホントに悪いやつには見えないんだけど、次回予告見ると操られてるっぽい? しかし次回最終回とは、随分急な展開だなぁ。

  輪廻のラグランジェ #11「鴨川絶対防衛ライン」。ウォクスを狙ってヴィラジュリオが総攻撃。ランとムギナミがウォクスリンファとウォクスイグニスで対抗するが押され気味。ようこの説得でアステリアがまどかの出撃を許可。さらにキッスの三人組もそれが死んだ「ユリカノ」の意思であると信じ地球側に加担。ウォクスアウラの「輪廻」の秘密以上に、死んでしまったユリカノが全部の中心っぽい気が。
 そして、オービットの攻撃を防ぎきれず鴨女校庭に墜落させてしまい、それにようこが巻き込まれたのを見てまどかが混乱、再度「輪廻」が発動してしまう。
 っつーかそもそも輪廻ってなんなの? ってのがまだ明らかになってないわけで。それが明らかになってまずは第一期終了、なのか? ユリカノのこともそれで多少は明らかになるのかなぁ。


2011年03月20日() 旧暦 [n年日記]

[特撮] ゴーカイジャー#5とオーズ#26

  ゴーカイジャー #5「ジャッジメント・パイレーツ」。ナヴィのお宝センサーの指示に従い、地球の警察署を訪れることになったゴーカイジャーたち。ところがゴーカイジャーは海賊行為で指名手配されており、マーベラスはそこにいた宇宙警察署のメンバー礼紋茉莉花に手錠をかけられてしまう。他のメンバーはマーベラスを助けようともせずあっさり逃げだし、マーベラスも彼らの逃走を助けた上で自身も逃げようとするが、その彼を追って取り押さえたのはSPD地球署の署長ドギー・クルーガーだった。ザンギャックとは関係なく犯罪者は処罰する、というドギーだが、マーベラスを取り押さえた廃工場でザンギャックが地球破壊ミサイルを準備しているのを見つけてしまい、それを止めようとするのだが……

 今回はデカレンジャー編。今回はジャスミンとボス、そしてバンの三人が登場と、かなり豪勢な顔ぶれ。でもメインはボスw 着ぐるみだから、スケジュール合わせやすいしね。
 でも、デカレンジャーたちはスーパー戦隊としての力は失ってるものの、宇宙署自体は存在してるっぽい。ザンギャックには反目しながらも特に活動はしてないみたいだけど……まあ、活動してたらややこしいことになるけど。
 そして海賊と警察という相性悪そうな取り合わせ通りに、海賊として指名手配されていたマーベラスたちを逮捕しようとする。こう、犯罪者と警察という関係だと逆にドラマが作りやすいな。48時間的な。
 ドギーはマーベラスを庇い負傷し、ピンチに陥ったドギーを逆にマーベラスが助ける。マーベラスに海賊としての誇りがあるのを感じたドギーはマーベラスに協力を仰ぎ、地球破壊ミサイル発射を阻止。そしてデカレンジャーの力を託す。
 今回の戦隊メカはパトストライカー。胸のパトライトが異様に派手で、しかも二挺拳銃。そう言えば、デカレッドのバンはジュウクンドーの使い手って設定だったっけな。
 最後にバンがマーベラスたちへの容疑はザンギャックの捏造で彼らは無罪だったことが判り、事件は無事解決。シリーズ構成が同じ荒巻氏だけに、バンは別の所で頑張ってるとかの設定を上手く使ってるなぁ。
 次回は守銭奴な性格のゴーカイイエロー・ルカがメインの話らしい。戦隊で守銭奴って、海賊だかららしいと言えばらしいけど、すごい設定だな。まさに現金な性格。


  仮面ライダーオーズ #26「アンクとリングと全部のせ」。アンクがオウムヤミーを倒す邪魔をしたことで、後藤はヤミーを作ったのはアンクだと断定、アンクを庇って結果ダメージを負った映司を甘いと責めるが、映司は、それでもアンクがヤミーを作ってはいないと反論する。
 アンクが首謀者かどうか、その結論は先送りにして後藤と伊達はオウムヤミー追跡に。映司はクスクシエで安静にしていろと言われる。
 その間にもオウムヤミーは次々とボクサーを襲い、岡村に欲望に従って武田と戦えと誘惑する。最初は他のボクサーたちを犠牲にしてリングに上がることを拒否していた岡村だが、ボクシングへの未練で結局それを承知。武田もまた、岡村との決着をつけたいと、現れたオウムヤミーに自らさらわれる。
 そして映司も、場合によってはアンクと戦う覚悟で病床を抜け出す。

 ヤミーを庇ったことで自らに向けられる疑惑の目を強めてしまったアンク。しかし、その目的はオウムヤミーの主を突き止め、そのグリードが持つ自分のメダルを取り戻すこと。映司は「もし本当に敵に回ったなら自分のメダル三枚を自分に持たせたままにしておくはずがない」と、アンクの狙いを見抜く。しかしアンクの狙いはオウムヤミーに見抜かれ、目的を果たせぬまま戦うことに。伊達たちも駆けつけるものの、映司は前回の戦いのダメージが大きく、火炎を吐くオウムヤミーにバースもやりづらい。コンボで勝負を一瞬でつけるために映司にヤミーの動きを封じてくれと頼まれた伊達。追加アームを全部装備した全部乗せ形態・バース・デイでオウムヤミーの動きを封じる。派手にバースバスターでセルメダルをばらまくなら、こっちの方が効率いいんじゃないかなぁ……
 とどめは「火に水」とばかりにシャウタコンボで一撃必殺。アンクは映司が信じた通りだったけど、結局鳥ヤミーの秘密はわからずじまい。でも、アンクたちを背後から見つめる赤い左手が……そして鴻上は誕生日ケーキに赤い羽根を飾る。鴻上は全部知ってるのか? クジャクメダルをどっかから持って来たくらいだしなぁ。
 今回は後藤がつまらないプライドを捨て、情報を得るためにも頭を下げて鴻上ファウンデーションに復帰。また真木も「ヤミーの研究よりも大事なこと」に没頭するのだけど、どう見てもただのストーカーw しかも相手は加世子? なんか唐突な人間関係ですな。
 次回は1000回記念のエピソードの前編。またなんか変なノリっぽい感じが……


2010年03月20日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] エレメントハンター#36、37

  エレメントハンター #36「時空を越えた奇跡」シェイプシフター・トリ族の失われた最後のオーパーツを求めて海底へ潜ったレンたち。そこは100%の純鉄で出来た洞穴だった。その奥に眠っていた最後のパーツを入手するが、入手直後に洞穴が崩壊、キアラの、そしてレンのブースターウェアのバッテリーも切れてしまい、危ういところだったが間一髪脱出することが出来た。三つのパーツを組み合わせれば帰還の方法と元素消失の謎がわかるかもしれないと、組み合わせた瞬間、完成したパーツから出てきたのは……ユノ?
 #37「あした、十一次元へ」。まだ開かれていた三つ目のポータルを教えられ地球に戻ってきたレンたち。研究所で待っていたカー博士に早速コロニーに連れて行かれる。初めて行くコロニーに驚く暇もなく、コロニーと地球が協力してパーツを解析し、元素消失を止めることになったと聞かされ、喜ぶレンたち。しかし、姿の見えないユノのことが気になって聞いたレンたちは、彼らを救出するためユノが犠牲になったことを聞かされる。そしてなおもユノのためにも元素消失を止めようとする彼らの行動を、大統領への野心のために潰そうとする川嶋長官がハンナに無理やり計画を妨害させようとしていた。

 二話連続なのに、先週のしんみりしたのはなんだったんだYO! と言いたくなるオーパーツの正体に思いっきり脱力する一話目。先週、ユノはレンたちを助けるために元素消失が頻繁に起こっている地球の核付近に向かい、元素消失現象をモニターしてその情報から脱出方法を検討しつつ、元素表面に情報を書き込むサブアトミック技術で自分の身体を構成する元素に脱出方法を記し、最後に自らの身体を溶かしてその元素をレンたちのメッセージとするための犠牲となった。レンたちやアリーとの思い出を「書き込む必要のない、私だけの宝物。だから私だけの中にしまっておこう」と言い、しかし任務を遂行すれば自分ごとそれが消えてしまう、肉体だけではなく、自分の中の思い出までも消えてしまう、それこそが「死」であると理解して初めて涙を流す。(なんでアンドロイドに涙を流す機能があるのかってのはそれはそれとして)
 アリーはそんな彼女に「あなたは人間になったのよ」と最後の通信で言ったのだけど……ネガアースでレンたちがオーパーツを全部集めたら出てきたのはそのユノの立体映像でしたw しかも変な歌で場をあっためようとするし。つまり、オーパーツはシェイプシフターがポジ元素の謎を調べるうちにレンたちより四千年前のネガアースに飛ばされたユノの身体の残骸を見つけ、そこにある情報から再構築して作り上げたものってことか。あんな緊迫した状況でこんなこと吹き込んでたんかいw
 が、それがユノの最後のメッセージだということを知らず、呆れながらも感謝して地球に戻ってくるレンたち。
 で、結局カー博士とコロニーの研究者たちが協力して元素消失を止める方法を探すことになり、ユノがもういないことを知らされたりしながらも元素消失が十一次元にいる生命体の仕業であることがパーツに記されてた情報から判明する。そのために十一次元に行く方法もわかるのだけど、それを邪魔しようとするのが川嶋長官。火星での元素消失を隠蔽していたことがわかり更迭されるが、流石あきらめの悪い悪役。牢獄の中から自分の命令に逆らえないハンナに作戦の妨害をさせようとするのだけど、ハンナは会って長くないのに自分に無私で肉親の情を注いでくれるホミのためにも必死でその命令にあらがい、作戦に参加拒否して彼らを守ろうとする。しかしあらがいきれずハンナの代理として作戦に参加するはずだったアリーを襲ってしまうが、襲われたアリーはあくまで「私の代わりに作戦を実行して」と懇願するアリーにホミの声が重なり、苦しみながらもポータルへと向かう。
 次回はいよいよ十一次元なのだけど、なんだか三次元の時間や空間がごちゃごちゃなおかしな世界らしい。つか、なんでレンがウルトラマンになってるんだ? スタッフ遊びすぎだろう。
 それと今回もダイヤの劈開とか純鉄の不思議な性質とか、何気に科学ネタが。
 あと二話冒頭のアレはユノにコピーされた博士の記憶だったのか。どんな生い立ちなんだか。


2009年03月20日(金) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] まりほり#10とドルアーガ(2)#11

  #10「神への供物」。天の妃高等部で現国を教えている鼎神父。現国唯一赤点だったかなこが追試中常に挙動不審だったことを気にする。かなこが挙動不審だったのは男性恐怖症のせいだと知らず、それを半ば口実にしてかねてから思慕を寄せていた鞠也にその理由を尋ねる。が、鞠也の口から出たのは「鼎神父にそっくりなお兄さんをチャイコフスキー症候群で亡くしていて……」という出任せもいいところの嘘。しかし人の良い(というかむしろ頭が悪い)鼎神父はそれを信じてしまい、かなこに積極的にスキンシップをはかろうとする。

 鼎神父が前倒しで登場。いや、まあ強烈なキャラだからおいしいんだけど。敬虔なクリスチャンで生徒想いで美形なんだけど、致命的に何かがヘン。特にかなことの噛みあわなさは(かなこにとって)致命的なほど。鞠也とは別の意味で天敵状態。
 その鼎神父が鞠也の嘘を信じ込んだまま勘違いでかなこの部屋にまで訪問してきたりと、いや、それはかなりアレだろう、しかも半分以上は鞠也と茉莉花目当ての下心だろうとかもアレ。見目はいいけど神年齢中学生男子だからなあ。仕方ないか。
 そいでもって三度の恋。まあ、多分絢理の方が実際精神年齢は上だろうしな。鼎という異分子が入ることで熟年夫婦のごとくなれ合いがマンネリ化してきたレギュラーキャラのやり取りに新鮮みが……出るのか? かなこに加えて鼎がいじられキャラに増えただけという気もするけど。
 ところでかなこは胸の大きさとかタッパとかスタイルとかいう以前に、普通にしててもにじみ出る変態オヤジオーラがアレではないかと。


  ドルアーガの塔〜the Sword ofURUK〜 #11「神をうつもの」。幻の塔最上階でギルガメスの影と対峙するニーバ。サキュバスとカイのサポートで互角の戦いを繰り広げるが、ヘナロがコントロール下に置いたマイトの参戦でバランスが崩れ、ギルガメスの凶刃の下に倒れる。
 その瞬間に丁度到着したジルたち。ある意味目標であり、また兄でもあるニーバを目の前で殺され、ジルはギルガメスの影への敵意をはっきりとさせ、仲間たちと立ち向かっていく。
 だが、ギルガメスは強力で次々と仲間たちは傷つき、倒れていく。ギルガメスの狂気ぶりをみせつけられたヘナロも、裏切ってマイトを立ち向かわせるがハイパーナイトの力をやどしたマイトも刃が立たず、破壊される。
 そんな絶望的な状況下でもジルはあきらめず、囚われの身から解放したカーヤと共に再びギルガメスに挑む。

 仲間たちとどうにかドルアーガ(の影)を倒したジルと違い、ギルは一人でモンスターやドルアーガを倒したんだものなぁ。装備のせいもあるだろうけど、そりゃ強いよな。
 しかしそんなギルも百年の孤独に耐えかね、すべてからの解放をうそぶいて狂気に身をゆだねてしまう。それを見かねたカイは、女神イシターの意に反していると知りながらも神に弓引こうとするニーバの手助けをするのだが、そのニーバもギルの手にかけられる。
 カーヤと共に再び立ち向かうが、それでも力及ばず、ジルたちも元々満身創痍であることもあるのだけど、孤独に戦ってきたジルに手も足も出ない。「孤独を知らん者に俺は倒せん」というギルの言葉通りにとどめを刺されそうになる。が、そのギルを背後からウラーゴンが剣で刺し貫く。孤独な狂王に致命的な一撃をあたえたのが、生まれてから本人も気づかぬ孤独に置かれ、その孤独をいやしてくれたマイトをギルにより失ったウラーゴンだというのは皮肉。ヘナロは四騎士を完全に道具としてしか認識しておらず、そのコントロールにより戦わされるマイトを見て、「その子は、そんな!」と、マイトが戦う姿に悲痛な叫びを上げていたのは、一種異様なこの状況下で妙に地に足がついた反応だった気がする。
 ウラーゴンの一撃も致命的だったけど、最後にとどめを刺したのはジルの剣。ようやく「死」を迎えたギルガメスは、ようやく重荷だったすべてから解放され、カイと共に消滅する。
 これであとは元の世界に戻るだけ、めでたしめでたし、のはずが、ジルたちにブルークリスタルロッドを渡そうとしたヘナロを矢が貫く。虫の息だったニーバがサキュバスの唆しにより最後の力をふりしぼり、ブルークリスタルロッドを奪おうとしていた。ギルガメスの狂気を止め、すべてが終わったはずなのに今またヘナロまで殺し目的を達しようとするニーバの妄執をジルも罵倒する。けど、ニーバにとっては格下だと思いつつもコンプレックスの対象だった弟にすべてをかっさらわれ、しかも哀れまれて死ぬのは何よりも耐え難い異だった模様。
 そして塔は「神に一矢報いる兵器」としての真の姿を現す。そして、その塔をコントロールするニーバの姿にドルアーガの姿が重なる。
 そりゃそうだよなぁ。この番組は「ドルアーガの塔」であって「ギルガメスの塔」じゃないのだものな。神へのルサンチマンに凝り固まったニーバと、そのために大事な人間が次々失われていったジル。なるべくしてなった最終対決なのだろうけど、どういう結末を見せるのか。


2008年03月20日(木) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] のらみみ#11とペルソナTS#11

  のらみみ #11「魔女っ娘メリィーちゃん」。小学六年生のシゲルは自分の家のキャラのことで同級生からからかわれていた。実はシゲルのキャラは人間の女性型、それも魔女っ娘タイプ。恥ずかしいから秘密にしていたのにそれを知られてしまったのだ。
 そのメリィーは見た目は中高生くらいの人間で、今は魔法も使わず普通にシゲルの家で姉のような生活を送っていた。無防備に接してくるメリィーを、思春期になりかかったシゲルは意識して反抗しまくりだが、メリィーはシゲルが距離を置いていることを気にしていた。そしてクリスマス前に「明日、一緒に買い物しましょ」と言い出す。
 久々に一緒に出かけてそれとなく嬉しくなくもないシゲルだったが、せがまれて手をつなごうとしたところを同級生に見られ、慌てたシゲルは「メリィーのことなんかなんとも思ってない!」と叫んでその場を逃げ出してしまう。
 だが、家に帰ったシゲルは親からメリィーが今夜「おわかれ」することを聞かされる。

 この番組の「おわかれ」話は大体子供、時にはキャラ側の成長の通過儀礼として描かれるのだけど、「初恋」と絡めてくるとは……
 のらみみ曰く「キャラには子供への愛情以外ない」と恋愛感情はないらしいのだけど、子供の頃は無邪気に「魔法のお姉さん」とメリィーを慕っていたシゲルは、成長してメリィーをキャラではなく普通に少し年上の女性として見てしまい、その気持ちをもてあましてメリィーを避けがちになっていた。キャラであるメリィーはそのことがあまりよく理解できない。普通なら「うれしはずかし」な生活なのだけど、キャラと人間なので気持ちが通じることはまずあり得ないし、それに否応なく「おわかれ」というタイムリミットがある。
 おわかれするメリィーを送っての夜道、シゲルは「男の子なのに魔女っ娘がキャラで、嫌だったんじゃない?」と謝られてしまい、違うと否定するも、自分の気持ちを上手く説明できない。そして別れの間際、メリィーの魔法が実はキラキラを出すだけしかできない、目くらましだったことを明かされる。メリィーとお別れしたくない理由は魔法とかそんなことじゃないシゲルは引き留めようとするが、メリィーはこれまでで最大の「キラキラ」を出し、姿を消そうとする。もうキラキラに欺されるほど子供ではなくなってしまったシゲルは急いで遠ざかるメリィーを見つけるが、メリィーは切なそうに「私のこと、忘れないでね!」と叫んで駆け去っていく。
 メリィーが魔法を使わなくなったのは、シゲルがもう子供でないことを感じていたから。最後に使ったのは、別れのつらさをごまかしたかったから。そして、シゲルがメリィーと素直に接することができなかったのは、子供だったから。
 いや、こういう切り口もあったのかと引き出しの多さに驚かされますわ。そんなのらみみも次回最終回。こういうのを夕方とかの時間帯に流せなくなったのは間違ってると思うのだけどなぁ。

  ペルソナTS #11「依存の定義」。学園内に秘密の陰抜きサークルがあると聞き、影抜きを嫌うめぐみはサークルのリーダーである「モーリー」をこらしめようと、慎たちとともに集会を襲撃する。が、リーダーのモーリーの正体は森本カナル。めぐみは説教をするが、反省したと思ったのもつかの間、その目の前で堂々と陰抜きの約束を携帯でする。カナルの様子を心配した慎が先回りして影抜き仲間を待ち合わせ場所のファミレスから追い返すのだが、それがめぐみに知れてしまった。結局カナルの影抜き依存をなおすためにみんなで学生寮に泊まり込むが、重度の抜き中(影抜き中毒)のカナルは夢遊病のように部屋から抜け出そうとする。そこに寮監の戌井が皆を自分の部屋に招く。かつてペルソナ使いに囲まれて育った時期があるという戌井は、この街に流行っている影抜きの起源、影抜きとペルソナの関係を話す。
 しかしカナルの抜き中の度合いは変わらず、休み時間、男子に呼び出されて屋上に向かったカナルを追った慎は、男子たちを自分のペルソナで脅して追い払うが、自分やめぐみの気持ちを裏切って影抜きしようとしたカナルの頬を叩き、「絶交だ!」と宣言する。

 戌井、怪しいと思ったらペルソナの存在をやっぱり知ってたのか。のみならず、自身もペルソナ使いである可能性が……つか、発言からすると原作(ペルソナ3)の「天田乾」の十年後の姿ではないかと思える。ってことは部屋でこっそり飼ってる老犬ってのはコロマル? って、見た目が違うからさすがにそれはないか。
 これまでも描写されてきたけどカナルの影抜き依存の度合いがいよいよ酷く、皆でどうにかしようとするのだが、カナル自身も無意識に徘徊していたりということがよくある中(それが影抜きの影響なのかは不明)、慎たちの行為を裏切るような言動をとり続ける。そして切れてしまった慎はついに「絶交」を宣言するのだが、やはり見捨てることは出来ず、学生寮に現われないカナルを探しに街に飛び出る。
 実はカナルは影抜き仲間の誘いを受けたり、影抜き相手をメールで募集したりはしていたが、ぎりぎりのところで踏みとどまって結局影抜きはしていなかったというのが……中毒症状に苦しむカナルに誘惑の言葉を投げるまゆりから逃げ出して、夜の公園の遊具の中で一人耐えていた。悶え苦しみながら耐えるカナルが「こんな私見ないでぇ!」と叫ぶのはもはや痛々しすぎる。慎は最初外から見守ろうとするが、暴れ回るほどのカナルの苦しみように抑えつけながら励ます。そして、二人の頭上に何か変なものが……カナルがいつもの天然ボケの様子で「何か出ました?」というのが、なんなんだか。w おそらくカナルもペルソナ使いのはずだし、影抜きとペルソナは関係してるのだから、あの「何か」もペルソナに関係してることのはずなのだけど、なんなんだろう?
 しかし、「スタンドバトル」「ジュヴナイル」「ゲーム原作」という要素は同じなのに、「アヤカシ」とここまで雲泥の差なのは何故だろう? っちゅーか今回、一般ゲー原作のペルソナの方がエロいっちゅーのはどういうことかと。w


2007年03月20日(火) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] まなびストレート#11とひまわりっ!!#11

  まなびストレート! #11「わたしにもみえるよ」。条件である全校生徒70%の署名を集め、学園祭中止が撤回される。そして急ピッチで準備が行われた学園祭の当日。せっかく苦労して開催にこぎ着けた学園祭に、まなびたちは本部に張り付きで楽しめない。そんな学園祭に、まなびの兄と愛洸学園学園長が学園祭にやってくる。

 あっという間にやってきた学園祭(アバンタイトルで本当に前日まであっという間にすっ飛ばされた)、ようやく間に合った準備当日、わくわくしながら学校で過ごすまなびたち。でも、上記の通り肩すかし(笑)。しかし、「学園祭見に行きたいよう!」と駄々をこねるまなびたちに、応援に来た多佳子が、みんながひとつになって楽しんでる様を感じるだけで、十分報われてることを気付かせる。
 学園祭自体は桜園長も言ってたように「普通の学園祭」だったのかもしれないけど、無為で楽しいだけのことに全力で向かえる、それが出来るのが学生時代しかない、という、「何の役に立つの?」と言われてしまえばおしまいだけど、何か重大なことを成し遂げた達成感が残る、学園祭(でもなんでも、学生時代のイベント)の楽しさをストレートにぶつけてくる。
 周囲の大人がそんなに物わかりがいいわけはないんだけど、だからこそ逆に、そういうものを肯定して欲しいという、見てるこちら側の気持ちが再確認される。
 ライブシーンは、涼宮ハルヒの憂鬱のとは位置づけとか意味づけが違ってた。まあ、制作者が意識はしてないことはないんだろうけど。ハルヒのはスーパー過ぎて日常に関心が持てなくなってたハルヒが、人のために一生懸命になることに快感を感じてとまどう布石だったのだけど、こちらのは、純粋にお祭りの楽しさ。
 しかしお兄ちゃん、「年増女との爛れた関係」だけじゃなく、結構腕っ節も強かったのね。


  ひまわりっ!! #11「秘密の過去はカラクリ模様」。日向村からの帰り、ハヤトと温泉に浸かるひまわりは、近くから火の手が上がっていることに気付き、駆けつける。そこは焼き払われた忍者の隠れ里。しかも、そこは以前隼人をつけねらってたお頭とわび助、さび助が身を寄せていた村だった。お頭とわび助は難を逃れるが、他の村人と一緒に襲撃者にさらわれたさび助を取り戻そうと、二人は息を巻く。だが、そこに村の襲撃者である小葉きゅうり先生と卸屋筆乃子先生が姿を現す。
 一方、しきみたちは黒幕の製薬会社の基地に潜入し、ひまわりたちの秘密を知る。

 これまで示唆されていた通り、ひまわりもハヤトも試験管ベイビー。それも、蘭丸と織田信長の遺伝子を用いたのだという。いや、そう言われても信用できないから。特にハヤト。(笑)
 国のために働く優秀な忍者とその主人を作ろうというプロジェクトで生み出されたのだが、プロジェクトの解体に伴い民間の製薬会社に払い下げられ、その際特に期待されていたひまわりとハヤトは密かに製薬会社の目を逃れ、人に預けられていたのだという。つまり、一期目冒頭の幼いひまわりを助ける武智先生は、製薬会社からひまわりを奪取するところだったのですな。やつがしらも製薬会社に学園を買収され従うフリをしながら、影ながらひまわりたちを支援する形をとっていた、ということ。でも小葉きゅうりと筆乃子、本気で襲ってなかったか?
 で、そんな話をあっさり信じるひまわりに、「いやぁ、ありえないっしょ」と突っ込むハヤト。いや、通常の反応としては、ハヤトが正しいんだけどね……
 なんだかんだでひまわりを気遣うハヤトだが、ひまわりはしきみたちが窮地に陥ってると知り、敵の本部に乗り込むことを決意。さび助を助けようとするお頭たちも同行することに。
 次回は、敵地に乗り込んだお頭がハヤトもろとも玉砕?
 お頭とわび助のキャストがEDに出てこないと思ったら、それぞれ小葉きゅうり先生とモモ太のダブルキャストだったんですな。しかもモモ太、「すもも」の鹿野優以だと初めて気付いた……それにつけても「卸屋筆乃子」って、いつ見てもすごい名前ですな。


2006年03月20日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] いい加減鬱陶しい

 一昨日に書いた「徹之進」もそうだったけど、まあ昨今「オタク」がいろいろメディアに取り上げられてるわけです。やや微妙な共感を伴った、見世物の対象として。「やや微妙な共感」ってのは、アニメとかマンガとかってのは今の〜40代前半くらいまで、大半は成長過程でその洗礼を受けている。だからアニメやマンガを見ていた、その話題をするから恥ずかしい、というわけでもそれほどなくなっている。その一方でそういったことについて語るとき、「自分は真性のオタクではない」ということを免罪符にもする。オタクを賎民視する風潮はずっと昔からあったし、オタク的なことの多くは敢えて力説するほど一般化できる感覚を強く含むものとは思わない、端的に言えば「そんな御大層な趣味じゃ御座いません」なので、大抵はカチンと来ても流すことにしてるのだけど、昨今のステロタイプの広がりはいい加減うざい。
 「オタクって秋葉原行ってメイド喫茶通って『萌え〜』って言ってるんでしょ?」ってそれどこの電車男? このステロタイプに合致する人もいるかもしれないが、別にそうでなければオタクでないってわけでもなければ、典型的な何かというわけでもない。ドラマとかではわかりやすい記号の寄せ集めとして使用され、それはそれで構わないが、虚構と現実の区別がついてないってのは、それこそ「あなた方オタクですか?」と聞き返したくもなる。
 つまりは、自分のわからない領域について語るときの態度の問題だ。ステロタイプを決め付けで自信満々に語るってのは、要は想像力の不足である。ところが、相手が言い返さないであろう弱者であればその想像力の不足を指摘される心配をしなくてもいい(本当は違うのだけどね)。別に想像力が不足してることを開陳し自分はものをちゃんと考える努力をしてない人間ですと公言しても、それはその人の御勝手だが、人様をそういったマスタベーションの材料にされるのは気分が良いものじゃない。
 こう言うとその人の全部を否定してるみたいに思えるかもしれないが、その人が実際に体験して得た価値観、人生観は否定するような類のものではない。しかし、その価値観・人生観の上から見て見えない領域を、「決めつけ」で語る行為が想像力の欠如であるということだ。想像力ってのは、夢想とかそういう話じゃない。むしろ先読みとか思いやりとか、思考力とか論理力とか推理力とかそういったものの属する領域のものだ。また、自分の価値観や人生観からでは見えない領域を認識できないというのは、結局自分の価値観や人生観の社会的な位置を認識していない、ということでもある。自分こそが「当たり前」と考え、その「当たり前」が何故当たり前か考えるよりも当たり前であるという安心感が欲しいために「当たり前」でないものを探し、見下すことで安定化を図る向きもあるだろう。
 なんか相手が悪意を持ってることを前提のような書き方になってしまったが、無論そうではない。「無知の領域」というのは誰にでもある。しかし「無知の領域」の存在を自覚しているか否か、どの程度自覚してるかがこういう時に露呈するだけだ *1 。それはその人間の立ち居地を露呈するということでもある。ヒトをダシにするにしても、もうちょっとマシなものを露呈するなら慎んで御拝聴もしますが、そんなものまろび出されてもまっとうに反論するのもばかばかしく、人間のアホさを見せ付けられて、気分が悪いだけです。
 ええ、これ、書いてることは全部自分にも跳ね返ってくるんですけどね。自分で言っててアイタタタ。
*1: 実際には完全に自分が無知である領域を把握するのは不可能なのだけど、そういう意識でものを見ると見ないとではまったく異なる。自分が阿呆であることを自覚できるかどうか。

[特撮] ボウケンジャー#5とカブト#8

  ボウケンジャー #5「帝国の真珠」。なんだか能登風ささやきボイスなピンクの当番回。先週のドリルオプションに続いてショベルオプション登場の回でもある。来週は早速両腕をドリルとショベルに換装したダイボウケンが登場するらしいが……ところで封印されるほどの凶悪兵器だってわりにビオパンツァー、トンデモ兵器にしか見えないんですけど……もっと言うと、タクミガミの方が遥かに強そう……そうか、設計者はきっと恥ずかしくて封印したんだ!(違)

  カブト #8。ザビーの装着者である矢車に傾倒し出した加賀美は彼の部隊に一時的に編入させてもらう。そのザビーはあくまでカブト打倒にこだわり、ワームを倒したカブトに戦いを挑む。
 いや、豆腐対決はもうええって(笑)。(やってないけど) 豆腐パーティって、どんなんだか……この番組、基本はやっぱり「警察と探偵」なんだな……ワトソン兼レストレード警部とか等々力警部の役回りが加賀美ってことで。今回は矢車が天道につっかかる展開で、話自体は対して起伏がなかった気が。しかしちゃんと まかない に中華風冷奴は追加されていた……

[マンガ][アニメ][その他] たまには楽しくない話など。

 いや、いきなりこう言うのはなんだ、ってのは自分でも思うんですが、ウルトラジャンプで「NEEDLESS」をわりと前面に押し出してる理由がよくわからない……わからないってより得心行かない、と言うべきか。誌面構成上でこの位置、ってのは、バランスを見るとわからないではないのだけど、作品としてはどうか、ってのは、そんな汎用的なアピールのあるものではないので。
 というわけで失礼ながらそれはさくっと飛ばして、「SBR」がまた面白いことに。いきなり初対面で「今からお前たちを吊るし首にする」なんて言う娘さん、最高じゃありませんか? ジャイロ・ジョニーサイドの話はさておいて、なんとなく富野監督っぽいスティール氏の奥さんが、大統領の陰謀に気付いて夫を守るべく密かに行動開始。こういう力なき者の勇気って、やっぱいいなぁ。まさか大番狂わせでスティール夫人が「背骨」を入手するなんてことになるのか?

 「しにがみのバラッド。」の望月監督云々。原作を知らないので原作からどんな情報が削られてるのか調べようと、とりあえず店頭で立ち読み(買えよ)。う〜ん、まあ、確かにこれは(シリーズの収集のつけ方とか度外視するにしても)、望月監督とは合わないよなぁ。でも、どうして合わないかを上手く表現できない。というところではてなキーワードの 望月智充とは でわかりやすいタームを見つける。
など、オーソドックスなものから一球外した位置に作品を作り込む。
 これ(「しにがみの〜」)、一球外しちゃダメじゃん!!!


2005年03月20日() 旧暦 [n年日記]

[必殺] あんたこの迷惑をどう思う

 必殺仕業人第二十二話。 DVD下巻
 伊達家家臣水谷弦之進の妻、水谷里江の始末が闇の口入屋藤兵ヱに依頼される。弦之進は伊達家が行っていた抜け荷の始末に、無実ながらその責を負って腹を切らされた家臣の内の一人なのだが、抜け荷の内情を実はよく知っており、そのことを知らされた妻の里江が江戸へ出奔したことからそこから秘密が漏れないよう口封じにという意図だった。特に弦之進の弟で里江の義弟・清二郎は武士の身分を捨て江戸へ出て瓦版屋をやっていた。万が一清二郎を頼り、風評であってもご公儀の膝元でそんな話が流れる事態は避けたい。その依頼を二千両で藤兵ヱは受ける。
 そんな晩、剣之介のねぐらに一人の男が逃げ込んでくる。男は剣之介に瓦版を預け、再び外へ。剣之介がその瓦版を見ると、伊達家の抜け荷の内情が記されていた。逃げ込んだ男こそが里江の弟の清二郎。持て余して剣之介は主水に相談するが、藤兵ヱがこの瓦版の揉み消しに動いていると察した主水は、瓦版を始末しろ、と剣之介に迫る。しかし、人から預かったものだ、と剣之介は断る。こんなものは見ただけで命が危ういと主水と又右衛門は縁切りまで言い出すほどの迷惑顔。
 しかし、剣之介の小屋は藤兵ヱに目をつけられる。そんな剣之介の小屋を、里江が訪れる。瓦版のことを訪ねる里江に、見張りに気付いている剣之介は知らぬ存ぜぬを通すが、里江に同情したお歌が預かった瓦版の隠し場所をつい教えてしまう。里江の様子から異変を感じた藤兵ヱの手下はお歌を拉致してしまう。主水と又右衛門は、拉致されたお歌が口を割る前に始末することを言い出す──

 巨大な黒幕との対決編。仕業人は闇の口入屋に睨まれ、お歌が捕まってしまう。犠牲者は里江とその義弟清二郎との関係を中心に話が進む。
 夫の無念を晴らそうと瓦版屋になってる清二郎をたよる里江だが、清二郎は里江に思慕を寄せており、兄の敵討ちよりも里江のために、命を懸ける。伊達藩の不始末を書いた瓦版を往来で撒こうものなら藤兵ヱの手下にたちまち見つかり、命はないことは確実。それを知った上で里江に黙って瓦版を撒きに出る清二郎。しかし案の定清治郎は殺される。清二郎の秘めた想いを知り、武士の妻というだけで敵を決意し、挙句清二郎を巻き込んだことを悔やむ里江は、清二郎の残した瓦版を撒くために仕業人たちに依頼する。
 仕業人たちはそんな命が幾つあっても足りない瓦版に係わり合いになって迷惑顔。みっともないくらいにうろたえ、知らぬ顔を決め込む。さすが仕業人。それだけに後半、あっさりと藤兵ヱとのけりをつけてしまうのが拍子抜けだが……
 つかまったお歌の始末を相談する主水とやいとや。そんな二人に「なんで殺す前に助けること考えねえんだ!」と抗議する捨三。それであっさり様子を見ることにする主水はあまり仕業人的じゃないかも。
 つるし上げられたお歌に、竹筒を渡してせめて水を飲ませようと、かいがいしい剣之介が実に仕業人。

[必殺] あんたこの女の性をどう思う

 必殺仕業人第二十三話。 DVD下巻
 やいとや又右衛門も入れ込む女郎・お絹はなぜか十日に一度しか出てこないという不思議な女。実はお絹は旗本千五百石・間部図書の妻女・雪。こっそりと屋敷を抜け出しては女郎として男に抱かれていた。
 そのことを知ったのは間部家中間の直助。岡場所で雪と会い、間部との間に夫婦の生活がないこと、身体のうずきをとめるためにこのようなことをしている事を打ち明け、口止めにと直助に抱かれる。
 お絹(=雪)に紐としてたかろうとする女衒・仙次郎と雪との諍いを見てしまった直助は、雪がこのようなことをするのも仙次郎のせいと思い、仕業人に仙次郎の始末を依頼する。そのことを意気揚々と直助は雪に打ち明けるが、帰って来たのは罵倒と叱責だった。淫蕩な雪は仙次郎とのそんな関係すら愉しんでいたのだ。意外な言葉に色を失う直助。
 一方、確かに仙次郎が悪辣な女衒とはいえ男女の仲のもつれで行う仕事には消極的な主水たち。捨三は直助に断りを入れに間部の屋敷に行くが、そこで見たのは口封じに、間部に射殺される直助だった。雪が女郎として働いているのは実は間部の承知の上でのこと。死に行く直助を前に、間部と雪は興奮して絡み合う。
 直助の最期を捨三から聞いた主水は間部と雪も仕置にかけることに。

 なんつーか、これはちょっと強烈。雪を心優しい奥方と思い込み勝手な理想像を作り上げ、一方的な思慕を暴走させたのは確かに直助だが、直助の死体を前に睦み合う間部夫婦は明らかに異常。雪の女の性も、間部の性癖異常も、直助の童貞臭い勝手な思慕も、なにもかもがつつみかくさず、見事なほどに異様に生臭い。
 雪の始末はやはり剣之介がつけ、解けた髪で絞殺されて髪を乱しながら崩れる最期の姿まで、全編艶っぽさで絵的に統一されている。話も画もタイトルに偽りなし。
 当初の標的の仙次郎もついでのように一緒に仕置。お歌にちょっかい出そうとしたり悪党なんだけど、今回ばかりは半ば以上とばっちり。

[必殺] あんたこの毒手をどう思う

 必殺仕業人第二十五話。 DVD下巻
 呉服問屋美濃屋の飯炊き婆さんのおのぶから、やいとや又右衛門は相談を受ける。番頭の彦三が最近矢場や廓へ足しげく通い、金遣いも荒いようだというのだ。しかし彦三は主人の太助の幼馴染で、その真面目な仕事ぶりに信頼も篤い。気にしすぎだろうと又右衛門はいなすが、妙に気になり捨三に彦三が通っているという矢場のことを調べてくれと頼む。
 しかし、数日もせずにおのぶが姿を消す。不吉なものを感じた又右衛門は、最近上がった身元不明の夜鷹の死体がおのぶではないかと考える。夜鷹はフグに当たって死んだ形跡があった。
 又右衛門の懸念どおり、ほどなくして川舟で鍋を食べた太助と彦三が、フグに当たる。彦三は助かるが、太助は命を落とす。自分が誘ったために、と泣いて悔しがる彦三だが、実は全て彼の計略だった。疑われないように自分は致死量以下しか口にせず、太助だけ死ぬように仕向けたのだ。太助には息子がいたが、まだ赤子で後を継ぐことは出来ない。そのため親族は太助の妻・おみちと彦三を一緒にして、成人するまで後見にしようと決定する。だがそれに強く反発するおみち。実はおみちは生前のおのぶから彦三の行動を聞かされており、彦三のお店乗っ取りの意図を薄々感づいていたのだ。又右衛門から懸念が全て当たっていたことを知らされたおみちは、彼に彦三を殺し太助の恨みを晴らしてくれと頼む。

 周到に周囲の信頼を得ておいた上での毒殺など、「あんたこの手口どう思う」よりはそれらしいお店乗っ取りだが、個性の強いキャラクターがいないので印象的にはむしろ弱い。このあたりはフォーマットでこなしてる印象の方が強いかも。ただ、彦三の徹底した裏表の使い分けぶりと、最初は夫同様に信じていた彦三をおのぶの言葉から段々疑いを強めていくおみちの描写は丁寧だ。
 赤子の横でおみちを犯す彦三など、彦三の悪辣さは結構出ているし、その愛人お咲のねちっこい嫉妬深さは仕置される説得力を生み出してるが、一緒に計画を手伝ったお咲の兄の仙八はさほど悪辣なシーンがクローズアップされなかったので、雑魚退治という印象が強い。江幡高志、なんかにくめないよなぁ。

[必殺] あんたこの心眼をどう思う

 必殺仕業人第二十六話。 DVD下巻
 中村家ではせんとりつがお盆も近いというので仏壇を掃除していた。しかしりつのうっかりから仏壇を壊してしまう。その矢先、丁度なじみの仏師・六兵衛が中村家を訪ねてくる。第六感でなにか御用がある気がした、という六兵衛の言葉に目を白黒させるせんとりつ。実は六兵衛には消えたものや見えないものを見通す不思議な力があるのだった。しかし六兵衛自身は奇異の目で見られるのを嫌い、そのことは極力隠していた。
 一方、若旦那の良太郎がいつまでも帰らないのを心配していた井筒屋に文が投げ込まれる。良太郎の身代金を要求する脅迫状だった。身代金の取引現場に向かった同心・浜田は指定した場所に現れた男・源七を首尾よく取り押さえるが、実は誘拐とは真っ赤な嘘。良太郎の失踪を知った源七が一儲けしようと嘘の脅迫状を投げ込んだだけで、源七自身は良太郎がどこにいるのかはまったく知らない。だが昇進のための上司への賂に金が欲しい浜田は、この計画を利用しようとする。偽の身代金要求をして自分が着服しようというのだ。
 しかし浜田のたくらみはあえなく挫かれる。実は井筒屋の奉公人・佐吉は六兵衛の娘・ぬいと恋仲。主人の為に六兵衛に良太郎の行方を見通してもらったところ、出来死体になって川べりに上がっている良太郎が見つかったのだ。良太郎は川遊びの最中、足を滑らせ溺死していた。
 悪事が皮算用と化した浜田だが失敗した悪事がばれるのではと不安になり、口封じに源七を始末し、そして不思議な力を持つという六兵衛も、その力を恐れて殺そうとする。
 そのことを予知した六兵衛は、主水の前に姿を現し、自分の身が狙われていることを告げる。六兵衛はその不思議な力で主水の裏稼業の事も見通していたのだ──

 珍しく超常現象がからんだ回。超常現象というと「うらごろし」が毎回出てたけど、今回は珍奇という感じはせず、ちゃんと上手く話の中で機能している。六兵衛は主水の裏稼業や自分が死ぬ事を知り、自分が死んだら主水に頼めとぬいに金を託す。裏稼業を知られたことを知り、始末するつもりで捨三に六兵衛を見晴らせるが、逆に浜田が六兵衛を始末するところを目撃する事に。主水はわけがわからないながらも六兵衛の言うとおりになったことから、依頼を受ける。
 浜田も巨悪ではないが、自己保身のためだけに疑心暗鬼になりあっさりと源七や六兵衛を殺すところは仕置の対象としての貫禄十分。
 また、吉田義夫演じる六兵衛の飄々とした演技も話に清涼感を与えている。

[必殺] あんたこの逆恨をどう思う

 必殺仕業人第二十七話。 DVD下巻
 主水はある晩、赤兎馬(せきとめ)組の捕り物に出食わす。赤兎馬組は神出鬼没な凶悪盗賊集団。しかし、頭目の孫・三蔵が傷ついて逃げそびれているのに出くわし、見逃してくれと頼まれる。金次第では考えないでもないというそぶりを見せる主水だが、横から現れた同心・岡田がさっさと三蔵をしょっ引いてしまった。
 三蔵は打ち首獄門になるが、その前に岡田と主水への怨嗟を吐き散らしていた。出戻り銀二や丁度不在の又右衛門からも赤兎馬組の意趣返しに気をつけるようにと忠告を受けるが、不安的中、岡田とその妻が何者かに殺されるという事件が起こる。
 次は自分と怯え、主水は上役に護衛を願い出るが牢屋見回り同心ごときに護衛などと、とてんで相手にされない。
 しかたなく剣之介や捨三に家の見張りを頼むが時遅く、西瓜売りの百姓に化けた赤兎馬組が中村家に押し入り、せんとりつを人質にとって主水の帰りを待ちわびていた──

 人様の恨みを晴らす主水が、今度は悪党の恨み(逆恨み)を買い、中村家に立て篭もられるという異色編。
 とにかくねちっこいくらいに中村家立て篭もりの経緯が描かれる。中村主水が狙われていると警告を受けた後、三蔵を召し取った岡田が家人もろとも殺される。岡田は西瓜に仕込まれた毒で、妻女は居間で複数の男に殺された上で殺されたと陰惨なことこの上ない。しかも主水が家に帰ると西瓜をバクついているせんとりつが……さすがに食欲が湧かず遠慮する主水だが、主水の分まで西瓜を食べたりつが腹を下し、りつの身体が無事である伏線にきちんとなっている。
 しかも西瓜はこの後もたびたび出て来て、夏の印象を濃くしている。
 西瓜売りや御用聞きのふりをして周囲に気付かれぬように中村家に押し込む赤兎馬組たち。しかも三蔵の母親のお駒は小塚っ原に晒された三蔵の首を中村家の仏壇に沿え、ほお擦りしたり髪を梳いたりと溺愛を通り過ぎたサイコぶり。なんとも不気味。千勢先生は法事から帰ってきたところを賊に拘束されるのだけど、塾にやってきた子供たちを帰した事で捨三が異変に感づくきっかけになる。
 主水の側は又右衛門不在の上、後手後手に回るが、なんだかんだと主水が心配で日が暮れだしてから中村家を見張りに行く剣之介。もっともちゃんと金はせびるのだけど。主水を気絶させて西瓜の大八車に乗せて連れて来るという赤兎馬組の企みを逆用、賊を仕留めていく。剣之介はお歌が一緒に行く意味がないんじゃない? と思ったけど、ちゃんと千勢先生を襲おうとした賊を仕留める際、目を隠して現場を見せないようにしてる。大出俊の契約の関係で出演しなかったやいとやはというと、なんと最後にちょっとだけ登場(ただし手だけ)。不在の理由が実は他のメンバーを出し抜いて赤兎馬組のお駒を標的とした仕事にかかっていたためと判明、主水たちの救出劇に乗じてちゃっかりお駒を仕留める。
 主水の意外なピンチで手に汗握るが、赤兎馬組も相手が悪かった。昼行灯としか調べられなかったのがやはりチョンボか。
 新人監督の採用で、しかも放送スケジュールの変更に伴い急遽追加された話だけど、急場に強い必殺スタッフの底力を見せ付けるような回。
 この回、赤兎馬組に狙われてることをもし知らせたら、とせんとりつの狼狽振りを想像するシーン、なんか見覚えがあるような……やっぱり仕業人みたことあったのかしらん?

[必殺] あんたこの結果をどう思う

 必殺仕業人第二十八話(最終回)。 DVD下巻
 標的の会津屋を待ちながら御籤を広げる又右衛門。そこには「凶」の一文字が。ゲンの悪さに御籤を投げ捨てる又右衛門だが、仕事は首尾よく会津屋を仕留める。しかし、この御籤が後々の災いの元に── 一方剣之介も会津屋が出入りする柴山藩江戸留守居役・土屋多聞を仕留めていた。
 捨三は依頼人の柴山の領民たちに会い首尾を伝えるが、料金を負けてくれと言われて呆れ顔。しかしその領民たちが江戸を抜けるのと入れ違いに、柴山藩から若侍とその妻が江戸へ駆けつける。
 二人は殺された多聞の婿・土屋小十郎と娘・澄。父が殺されたと知らされ、江戸屋敷に駆けつけたのだ。父が人格者と信じる二人はその死を嘆き、敵を探す。
 「これは商売人(プロ)の仕業だな」そう見抜いた小十郎は口入屋の江戸屋を訪ねる。江戸屋は江戸の黒社会に通じた男。会津屋の現場に落ちていた御籤を手がかりに、江戸屋の協力を得て下手人探しを行う。
 主水たちは大物の江戸屋が動いていることを知り不安にとらわれるが、その不安は的中、くじからやいとや又右衛門が絡んでいることがばれてしまった。
 一方、又右衛門の住居では剣之介がやいとをすえてもらっていた。今まで殺した人間の怨念が肩にのしかかってるようだ、と言う剣之介に 「くだらないねえ。殺す方も殺された方も、いずれは地獄で面つき合わせるんだ。そんときには一言頭下げて『すんませんでした』と言や、済むことじゃありませんか?」と嘯く又右衛門。そこを土屋と柴山藩士たちが急襲する。しかし又右衛門は逃げ、捕まったのは剣之介だった。留守居役殺しの依頼人と首謀者を吐かせようと、剣之介に柴山藩藩邸で苛烈な拷問が加えられる。
 そのことを知り、主水は会津屋殺しの詮議という名目で剣之介の身柄を町奉行所に移すよう工作するが、失敗。相談しあう仕業人たち。しかし、どうしようもあるはずもない。ピリピリした雰囲気の中でいがみ合いすら始まる。
 お歌にも万一の時の覚悟はしていてもらいたい、と言う主水。剣之介の運命はそう遠くない自分たちの姿でもあるのだ。
 しかし、お歌は一人で柴山藩藩邸に向かい剣之介を助けようとする。自分の代わりに剣之介が捕まった事の埋め合わせのつもりか、又右衛門もそれを手伝う。二人は剣之介を牢から出す事には成功したが、逃げる途中で見つかり、追っ手がかかる。又右衛門が身を呈して二人を逃がそうとするが、剣之介を庇おうと追っ手に包丁を向けたお歌が一刀の下に切り伏せられる。それを見た剣之介が逆上、追っ手の刀をもぎ取ると、二人、三人と次々に斬っていく。しかし拷問で弱った体の上多勢に無勢。又右衛門の見ている前でついに膾斬りにされ、力尽きる。
 主水も剣之介・お歌の最期を捨三から聞かされ、呆然とする。庭先でたたずんでいるのを間借り人の千勢先生から厠を除いていたと誤解され、非難と詰問を受けても上の空で二人の死にショックを受け続けていた。
 しかし柴山藩では、突如多聞殺しの追及の取りやめが藩主から命じられる。実は多聞は会津屋と組んで特産品の漆相場を操り不正に財を得、領民に塗炭の苦しみを与えていたのだ。このことが公儀に知れればただではすまないと、探索取りやめの決定が下った。
 父の不正を信じられず、そんなはずはない、と食い下がる澄だが、江戸家老からさらに多聞が女を囲っていて、不正で得た金をつぎ込んでいた事を知らされる。
 又右衛門もそのまま解放されるが、まるで小悪党のような又右衛門の捨て台詞を受ける小十郎に、澄が自害したという報が知らされる。尊敬していた父のもう一つの顔を知らされ、絶望した上での自害だった。
 義父と妻を失った小十郎は、江戸屋を通じて中村主水に決闘を申し込む。義父の非は明らかだが、それでも彼の気持ちと、武士としての面目からそうするしかなかったのだ。
 その事を聞き、仕業人が銭にならない決闘なんかするわけねえ、とせせら笑う又右衛門。しかし、主水はこの決闘を受けるつもりだと答える。剣之介・お歌を失った主水も、それ以外に決着をつける方法がなかったのだ。そして「侍ってのは理解できないねぇ」とからかうように嘯き、足抜けを宣言する又右衛門に、江戸屋から渡された証拠になった「御籤」を返すのだった。
 翌朝、ただ一人小十郎の待つ川原に、朝もやの中から姿を現す主水。又右衛門と捨三の見守る前で、侍・中村主水としての決闘が始まる──

 昔、ビデオで出ていた最終回シリーズを仕置人から仕事人までざらっと見たときに非常に印象に残った作品が三本あって、ひとつが「からくり人血風編」、ふたつ目がこの「仕業人」だったわけです。(最後の一本は「うらごろし」)
#実はコツコツ各話感想書いてたのも、この最終回の感想を書きたいがためだったりする。
 まったくカタルシスとは無縁の結末、しかしそこで描かれるのは彼らが底辺でうごめく「社会」そのもの。闇の世界を取り仕切る江戸屋源蔵と闇の世界のさらに最下層でうごめく仕業人たちの対称。仕業人は、対決するでもなく、ただその影に怯える。江戸屋も闇の掟をもって、仕業人たちとつかずはなれずの距離を取る。この底辺と社会を俯瞰する者の距離感、底辺の闇のもの同士でも蔑み恐れ合い、また藩士と町奉行所役人も「不浄役人」「田舎侍」と蔑みあう、闇と光両方の社会の広さの描写。仕掛人とはまた違った、泥の中で這いずり回るより惨めな者の視点だ。
 一方江戸屋や小十郎は明確な悪かと言えばそうではない。江戸屋は義理から探索に関わっただけで仕業人たちを決定的に追い詰めるのはむしろ消極的だし(まるでやぶれかぶれになった最底辺の者を恐れるかのように)、小十郎もむしろ陽の当たる側にいる人間で、義父の敵を果たそうと、己の使命に忠実なだけ。
 又右衛門のキャラクターも強烈だった。それまで知っていた殺し屋だけども結局はどこか正義の味方のキャラクターと違い、どう見ても完全なヒール。殺し屋稼業の業をせせらわらうような台詞、高いプライドと自己保身。まるで他の必殺のレギュラーキャラに「奇麗事言ってるんじゃないよ」と突きつけているようだった。
 そしてなんと言っても極めつけは剣之介夫婦の最期。犬死に──そうとしか言いようがない。水路の中を逃げ惑い、犬のように切り殺される。息絶える前にお互いを求めて手を伸ばすが、その手が重なり合うこともなく絶命する。この衝撃は主水にも影響を与え、「新必殺仕置人」いや、「必殺仕事人」でまでもその死に様に言及する。
 そして事態は急転、多聞の不正が明らかになり、彼らの犠牲がまったく意味のない事のように事態は収拾してしまう。なにも正しいことはない、正義はどこにもない……わかっていても小十郎は決着をつけずにはいられなかったし、主水もその果し合いに応じる以外に道はなかった。
 仕業人たちは闇のさらに奥底でうごめく住人だった。いずれその闇が自分たちを飲み込む事を承知で、それ以外の生き方ができない。結局土屋多聞の悪事とその始末をきっかけにそこから噴出した闇に、小十郎夫婦も剣之介夫婦も飲み込まれてしまったのだ。
 そして仕業人でも八丁堀同心でも誰でもなく、「中村主水」として全てに決着をつける主水。又右衛門が「恐ろしい男だ……」とつぶやくのは、善悪利害を越えたところにある生き様を見てしまったがゆえに漏らした言葉だろう。
 そこには勧善懲悪の爽快感はまったくない。善悪で括れる世界観ですらない。誰もが抱える闇、誰が立つ場所にも通じている淀み、その底辺でしか生きられない人間の業がそこにあった。


2003年03月20日(木) 旧暦 [n年日記]

よろしい。ならば戦争だ。

 ってな感じでおっぱじめてるなぁ。たぶん、とてもじゃないけど短期戦であっさり決着つくことはないでしょうね。
  アメリカの戦争に反対してメリットがあるのか ということですけど、まあ、世界の石油の大部分を握るアラブ系の反発を防ぐくらいのメリットはありますね。全体としてデメリットの方が大きいですが。あれだけ反発していたフランスですら イラクが化学兵器を使うならば参戦するかもしれない と言っています。実質、戦争がはじまればイラクの勝機は薄く、アメリカが勝ってしまえば戦後の石油利権はアメリカの胸ひとつですからね。個人的に言わせて貰えば「ムナクソ悪い」ですが、実際的な判断でしょう。「戦争と戦闘は同義ではない」というのは「戦争とは軍事力を伴うものばかりではない」ということと判断しますが、「軍事力を行使することが軍事力を行使しないことより結果的に被害者が少なくなる見積もりかどうか」はわからないので敢えて無視させていただきます。私がアメリカの宣戦布告に「反対」してるのは、一番大きいのは「戦争やるなら、もっと真面目にやれ」ってことです。「家に帰るまでが遠足です」じゃないけど、「戦後処理までが戦争です」ってこと。アメリカのやり口は最も上手く行った場合を考えても「予防戦争」の口実を大々的に世界に既成事実化し、権益関係ではヨーロッパ、中国、中東諸国との関係に深い軋轢を残すでしょう。もし、上手く行かなかった場合は目も当てられません。アメリカの戦後処理の考え方の甘さ、あるいは意図的に国際情勢の悪化を狙っているのかもしれませんけど、そのリスクは長期的に見て日本にマイナスだ、と判断したから反対、という意見になりました。反対すればメリットがあるのではなく、戦争すればデメリットがあるから反対、です。無論別の考えの人は別の判断をするでしょう。まあ、それだけの話です。少なくともアメリカは戦争を起こす最善の努力をしたようにすら見えない。(端的に言えば「日本がアメリカを支持することは反対ではないが、アメリカの決定については反対」)
 「まにぃロード」で、「軍オタは戦争が大嫌いだ! なぜなら兵器が傷つくじゃないか!」って理屈には笑ったなぁ。
  うででん は、うーん、悪くないけど、レキが案外とそんなに深い役回りでなさそうで残念。使いどころひとつではもう少し面白い役どころになりそうだったけど。
  電撃大王 は、 中村哲也 氏「ドラゴン・ステーキ?」が掲載されていて微妙に迷うが購入見送り。けーこちゃん様の正面図を見たのは初めてだったんだがなぁ。
  文部省前の在日に抗議してきましたスレの続き で、新しく在日の方と問答してきた人がいるらしい。相手の総連のおじさんも電波入ってるながらもなかなか冷静な対応で、これまた面白いやりとり。
  暴れん坊将軍、終了かぁ初期のシリーズは 好きでした。これで、 暴れん坊将軍 のURLが アバレンジャー になったりは……するわけないか。


2002年03月20日(水) 旧暦 [n年日記]

間違えた! テロリストは数には弱いのだ!

 電撃大王で、いつの間にか 紅鉄絢 氏の新連載が始まっていた。うう、購入予定とちゃうやったけど、しゃあないのう。前作の「ブリリアント・マシーン」は早々に 打ち切り の憂き目にあい、「やっぱこの人には萌え漫画は無理だ」と思ったが、今度は得意分野でちゃんと来るらしい。でもナース。いや、ウルトラセブンに出てきた宇宙龍じゃなくって。しかし、「帰ってきたヨッパライ」や「モンティパイソン」など、細かいネタが振ってある。わかる奴のが少ないと思うが。
 同誌の看板連載のひとつ、「あずまんが大王」が、なんと予告どおり、完全に最終回。いや、お見事と言うほかない。作者にしても編集にしても、 アニメ化 だのが目前に控えてる中での人気連載の終了と言うのは、なかなか出来るものでもあるまいに。でも、DVD読者全員(有料)サービスってのはカンベンな。そういうのは通販と言うのではないのか。おまけに6分程度の映像に2500円の値付け。強気なのか、なんなのか。
 ウルトラジャンプ、ここ最近「STREGA!」の展開が いつものとおり わかりにくくなってたが、今月号読んで、ようやく流れがつかめた(ワシの頭が悪いだけか)。毎度毎度、わかってくると、ボディブローのように来るなぁ。しかし、この雑誌、ほぼ毎月、巻頭は読み飛ばしてしまっているような……
  GX では、ワイルダネス再開。段々物語の背景があきらかになっていく展開は面白いのだが、地味である。いや、渋めの展開は好みではあるのだけど、他の連載に押されやしないかとハラハラするのも確か。そう言えば、企画段階では単行本一冊くらいのロードムービーみたいなの、っておっしゃってたような。伸びすぎて、メリハリがなくなってしまわねば良いのだけど。
 そのGXの次号には、むつきつとむ氏が載るらしい。成人誌畑だが、一般向けでも十分勝負できる数少ない実力の持ち主と思うだけに、楽しみ。広江礼威氏の「BLACK LAGOON」も連載に。ちょいと劇映画がかった演出や台詞回しが時々から廻りしてしまうところはあるものの、はまるとわりとクる作家さんだけに、注目したい。
 NHKで、青少年犯罪の裁判の付添い人に新制度を導入した福岡県の特集。青少年犯罪の裁判は家裁で行われるのだけど、実は弁護士や付添い人がつかないことが多いと言う。青少年犯罪は「裁く」のではなく、「更正を促す」と言うことで、被告の敵というわけではないので、弁護士等は必ずしも義務付ける必要はない、という理屈らしい。しかし、それでは非行を起こした未成年が本当になにを考え、なにかを不満に持ち、そして本当に再犯を防げるかがわからない。そのため、希望する者にはすべて、付添い人をつける制度を施行した。付添い人と言ってもその役目は付き添うだけでなく、本当に被告が犯罪を行ったのか、行ったなら、何故行ったのか話を聞き、原因を考え、必要なら、背後にある暴力団組織と話をつけて、手を切らせたり、就職先を斡旋したりとその役割は非常に大きい。未成年の裁判制度にはかなり問題点が多いと思うので、このような制度は良い事だと思う。
 ちょっと興味深い特集として、去年のニューヨークテロの際に、その現場の様子を写真に収めるために駆け回った戦場カメラマンの特集を行っていた。彼らのことごとくがその活動の舞台は国外であり、アメリカ国内でそのような仕事をしたのは初めてだった。中には、事故現場から五分のアパートに、たまたまオフで休んでいた者もいた。彼も、その他のニューヨーク在住の戦場カメラマンも、皆、事故が起こると同時にカメラを持って現場に走った。中には、事故に巻き込まれ命を落とした者もいる。しかし、彼らの視点は、一般市民のそれとは少し違う。彼らは世界の戦場を飛び回り、アメリカも戦争の当事者である事を肌身で感じて知っている。ショックを受けながら、悲しみを感じながらも、その背景にあるものを、より見通している。そして、それを伝えるために、命の危険を顧みず、戦場を駆け回る。日本人とても、直接戦闘に参加しているか否かはともかく、部外者ではない。世界はつながっている。いかなる意味においても。
 昨日の鬱の件、鬱々と考えつづけたのだが、どうも、必要なのは悩む事ではなく、考え、決断する事だと思い当たる。そうでなければ、現状で妥協するほかない。それが嫌だから、どうするか、決める。人生のドロップアウトって選択肢は、当然ナシね。