似てる、似てないじゃないんだよ。やっぱ愛情がどれだけこもってるかが…はいはい、どうせ似てないですよ。(^^;
 あちこちで「見ろ!」とわめきたてて迷惑をかけまくった「フェイス/オフ」だけども、実はこの映画の中ではジョン・トラボルタやニコラス・ケイジよりもこのハゲのディートリッヒを演じたニック・カサベテスが一番好きだったりする。悪であれども高潔、ジョン・ウーの好みの悪党の典型であろう。
 ある一面において、他者から見て「悪」であることは、その人間が「悪」の属性であることにはならない。人間とは多面的な生き物である。「正義」「悪」は世間一般で通用しやすい累計化された規範にすぎない。悪党にも肉親がいるし、家族もいる。当たり前のことなのだ。とても当たり前過ぎることなのだ。
 そのことをふと、劇中に思い出す。

フェイス/オフ FACE/OFF
監督:ジョン・ウー(呉宇森)
主演:ジョン・トラボルタ、ニコラス・ケイジ
製作年:1997年 製作国:アメリカ