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2011年01月02日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 新年明けましておめでとうございます。

 なんか「明けましておめでとう」というのは「年が明けておめでとう」という意味なので「新年明けましておめでとうは重複だ」というしちめんどくさいお話があるようですが、「明けましておめでとう」はむしろ目的語を省略した形なので「新しい年が明けておめでとう」は字義的に考えて何も間違いはないと思うのだがいかがか?
 一昨年麻生元首相が「弥栄」を「いやさかえ」と読んだと大騒ぎしたバカマスコミもいたけども、もとの意味は「いやさかえる」で、それが縮まって「やさか」となったのだから、主流の読み方ではないにしろ間違いでもない。そういう本来の成り立ち、字の意味を考えずに「間違いだ間違いだ」と騒ぐ人というのは者の考え方が浅い人だと自分で喧伝してるだけと思うのだがいかがだろう?
 と、正月からしゃちほこばったことを書き始めるあたりが今年もいつもの調子のようで。

 まあ、年末はいつものごとく実家でごろごろしてたわけですが、大晦日は親につきあって主に紅白をみていたわけです。そしたらなんか水樹奈々の裏のダイナマイトで長島☆自演乙☆雄一郎選手の異種格闘試合があったそうで。そして今日のワイドショーでその試合の様子が流され、流れた恒例のコスプレ入場が「ミルキィホームズ」の「明智小衣」という……相変わらず変態だw
 長島選手にはミルキィホームズの権利元であるブシロードがスポンサーについているので、スポンサーの意向かと思ったら、本人からの申し出だそうで。しかも、小衣かアルセーヌのコスプレがしたいと言ったら、スポンサーサイドから「ミニスカが似合うから小衣にしましょう」と……どんだけ蜜月なんだこいつらw
 で、正直格闘技はあまりわからないので相手の青木選手が試合前から結構嫌われていたこと、総合の青木選手にかなり有利なルールが決められていたこと、くらいしか知らなかった。とは言っても、異種格闘ルールはかなり難しく、猪木とアリの試合で、ルール上まともに組技がかけられず猪木はローキックで引き分けに持ち込んだというエピソードもあるしなぁ、くらいの印象。
 だけどニュースで試合見たら、まあ確かに青木選手にブーイングも飛びますわな、という感じでした。キックボクシングベースのルールである1Rで青木選手は逃げまくりで、すぐに寝転んだりクリンチに逃げたり、中途半端にドロップキックなどの相手を挑発するだけの技をかけてはかけ逃げしまくってて、これは確かに印象悪いなぁ、とは思いました。けど、自分としてはそれはそこまで批難するつもりもないのですよね。まともにキックボクシングをやれば、青木選手が不利なのはわかりきってることで、あそこまであからさまに逃げ続けなくてもと思う反面、まともにやり合っても青木選手にはまるで利がない。ある意味合理的。
 ただ、問題は総合ルールの2R。ゴングが鳴ってすぐさまタックルを仕掛けた青木選手に、きれいに長島選手の膝がカウンターで入り、昏倒したところを長島選手が追い打ちで殴り試合終了。
 あまりにマンガみたいな出来事であっけ。
  長島選手のインタビュー記事 によると、2R目に入って倒されたらもう完全に勝ちはないので、ラウンド開始の仕掛けに来るタイミングを重点的に想定してイメージトレーニングを行ってたとのこと。青木選手が一番あきれられるべきは、1R目を逃げまくってしまえば2Rは組み伏せて楽勝だと、相手がどう考えどういう反応をするかを、まるでシミュレートしなかったこと。してなかったわけではないのかもしれないが、要は「自分が組み伏せる方が速い」と、相手をなめきってたってことですよね。1R目の「逃げ」が作戦というなら、2R目に組み伏せに行くやり方もきちんと作戦を考えてしかるべきだった。でもそれをしなかった。結局2R開始4秒での無策のカウンターKOで、青木選手はただ相手をなめてただけ、ということが示されてしまった。相手をなめて試合に臨み、逆にKOされてはあきれられて仕方ありませんわな。
 おそらく、フェイントなどを交え組み伏せることに成功してしまえば、本当に長島選手にはなすすべがなかったのでしょう。これは長島選手本人が認めているので事実なのでしょう。その意味で、青木選手は本当に良い意味で恐ろしい選手なのだと思います。しかしその技量と、頭脳派という評価に対して、格闘技素人の自分からしても今回はお粗末、としか言えないです。
 格闘家は人格者であるべきとは思いませんが、態度が結果に現れてしまっては……両選手の態度の差がそのまま結果につながったんでしょうね。
 2chまとめサイトにあったコメントで「結果は最高、試合は最低」というものがありましたが、まあその通りなんでしょうな。


2011年01月04日(火) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 最終回いろいろ3

  おとめ妖怪ざくろ #13「おわり、燦々と」。神がかりの里で澤鷹に追い詰められるざくろたち。しかし、ざくろの母はざくろを守るためだけではなく、最後に澤鷹といっしょにいるために里に戻ってきたと景に聞き、母を独り占めしていたざくろへの復讐心にかげりが生じる。そのとき、里長の館に火の手が上がるのが見える。澤鷹への想いに暴走した女郎蜘蛛の乱杭が監禁されていた半妖の娘たちを餌食にし、澤鷹の想いを独り占めにしているざくろを亡き者にしようとしていた。

 原作追い越しちゃいましたな。最後は乱杭が暴走し、橙々を唆して屋敷に火を放たせ半妖の娘たちを逃げさせる。そして描写はされてなかったけど、おそらくその娘たちを食らい力を高めたんでしょうな。澤鷹の術も通じず、ピンチに。
 で、金縛りになったままのざくろだったけど、自分をせめるざくろに告白してざくろ覚醒。母の形見の封印の首飾りを、自ら砕くことで母の思い出よりも今自分が大事に思う人たちのために戦うことを選ぶ。
 話としては王道展開なのだけど、最後、澤鷹=花楯中尉の工作で作られた妖人省は解体され、景たちとざくろたちが別れ別れになったかと思いきや……そのエピローグは良すぎだろうw
 焼け落ちる館の中で誤解し続けていた母の骸と運命を共にしようとしていた澤鷹も、百録の献身に自分を大事に想う存在を知り、共に生きることを選んだみたいだし。丸竜は「ボクたちの想いが」と息巻いてたけど、実際には澤鷹の何らかの働きかけがあったんでしょうな。
 最後までニヤニヤされっぱなしで、良いラブコメでした。そしてエンドカードのイラストw 「ふりん」ってwww


  パンティ&ストッキングwithガーターベルト #12「ビッチガールズ」。悪魔と天使の最終決戦……って、相変わらずやりたい放題ですな。なんかパンティとブリーフの純愛っぽい展開になるかと思いきや、まあいつも通りのパンティだし。最後のバトルもガーターベルトが爆発したり元に戻ったり、めちゃくちゃすぎるw
 そいでもってこっちもエピローグに意外な展開が……いやもう好きにやってください。こっちは「ミルキィホームズ」と違い明らかにネタだってのはわかるし。
 好き勝手放題の最終回で、よくやった、ってところでしょうか。まあ一発ネタには違いないですが。


  荒川アンダー・ザ・ブリッジ×ブリッジ #13。仁義なき王様ゲームの続き。あれ? 金星行きとかの話はどうしたの??? まあ、いつも通りの荒川で面白かったからいいんだけど。ただ、時々シャフトはあからさまな続編引きをやるのでこれもそうじゃないかと思えるのだけど、まあこのくらいならOKの反中でしょう。


  FORTUNE ARTERIAL 赤い約束 #12「赤い約束」。これっていい話っぽくまとめてるけど、結局問題先送りだよね? いやまあ、作画のレベルは同ブランドのある意味伝説アニメ化「夜明け前より」みたいな「キャベツ」作画にはなりませんでしたが……う〜ん。


  神のみぞ知るセカイ #13「神以上、人間未満」。桂馬のダメ人間ぶりをこれでもかと見せつけたインターミッション。エルシィの駆け魂狩りに付き合わされて、積み上がってしまったギャルゲーをひたすら篭もって消化していく桂馬だけど……高めのポテンシャルのほぼすべてがギャルゲーのためだけについやされてるというのが、いやもう好きにしてくださいというか、どこまで行ってもこいつはこれが基本というか。
 そして最後はあっちの世界に精神が飛んでしまった桂馬の電波ソングで締め。酒でも飲ませて歌わせたんかいw 最後は前から言われていた第二期の発表があり、ハクアがちょい顔出ししてますな。それ以外にもハクアの契約者とか、いろいろ出てたけど。
 それにしてもエルシィのツッコミがいつになく厳しいな。


2011年01月05日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] 菅政権、何したいんだ?

 元旦の朝刊に菅政権が仙谷官房長官の更迭を検討、てなニュースが出たわけだけども、仙谷議員が院政を敷くってんじゃなければ、まず不可能だろうになんなんだろうなぁ、と思ったわけでございますよ。
 仙谷官房長官の内政および外政の手腕についてはまったく評価はしておりませんが、菅内閣がどうにかまとまってるのは仙谷官房長官がまとめてるから、という認識なのでございます。いくら菅総理が仙谷官房長官を鬱陶しく思っていてもどうにかできるわけがないだろうにと思ったら、今度は小沢氏勢力排除だそうで。
 そりゃ、ヒールとしての立場が確立した小沢氏を攻撃すれば支持率は持ち直すでしょうね。ごくごく一時的に。
 正直現時点、菅政権のていたらくを見てどの程度回復するかはかなり疑問で、30%弱まで持ち直せばいいところだと思ってますが、マスコミがどれだけピンボケな報道をするかにもよるでしょうね。
 でも、どれだけ持ち直しても効果はひと月あるかどうかでしょう。だって、持ち直した後の政策がまともにあるとは思えないですから。
 政局中心の運営から脱却するなんて言ってますが、国会で政策に突っ込まれてしどろもどろな現状を見るとまあ、無理でしょうな。今からでは手遅れだけど、若手を含めての勉強会とかちゃんとすれば、まだ後につながるんですが、それも期待できないし。
 正直菅政権はもうカウントダウン状態で、後に岡田氏が続こうが前原氏が続こうが党自体に政策能力が欠如してることが国民に浸透してきてるので、次に誰が来ても所詮は民主党政権の延命にしかならないでしょう。今更地力のない民主党政権が持ち直すなんて幻想はありえませんが、せめて次につながるような形に、人材の育成とかしてくれればいいんですが、むしろ自民の方がきちんと人材育成してるくらいなので、どうにもなりませんわな。首脳部自体に経験がないのでどうにもならないというのもあるのかもしれませんが……


2011年01月06日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] だめぽ

 伊藤計劃氏の長編遺作「ハーモニー」を読み終わって感想書こうと思ったけど、風邪ひいたのか熱っぽくて思考が長続きしないぽ。
 かゆ……うま……


2011年01月07日(金) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] 最終回いろいろ4

  咎狗の血 #12「同至/beginning」。いや、すいません。徹頭徹尾なんだか意味不明でした。原作ファンにとっても噴飯ものらしく、まあ、それじゃこれはなかったことで……とはいかないけど、ホントに意味が不明すぎるんだよなぁ。主眼がぼやけすぎてテーマがなんだったかすらわからない。原作の要素をまとめようとして失敗した例ではあるのでしょうね。
 ここから何をはじめようとするのかすら不明なのは、もうどうしようもないかと


  アマガミSS #25「シンジツ」。原作の隠れヒロインがメインの特別編、らしい。そしてそのヒロイン、上崎裡沙の特徴はと言えば……一言で言えば、ストーカー? 主人公の純一を影から見守り……と言えば聞こえがいいものの純一の回りに女性の影がちらつくと「騙されるかも知れない!」と捏造写真でその女性を遠ざけ、純一のトラウマにもなってる2年前のクリスマスにも関与してるという……でも、クリスマスの件は、弄ばれそうになった純一を守るため、ということで、本気でサイコパスなわけではない……と思う、多分……
 最後に彼女のしてきたことを許し、受け入れる純一だけど、おいおい、ホントにそれでいいのか!? まあストーカー女と変態紳士だから釣り合いは取れてる……のかな?
 なにはともあれ、平気なふりをして動揺が隠しきれなかった七咲が一番可愛い回でした(あれ?)

[読書] ハーモニー/伊藤計劃とホルモー六景/万城目学

 帰省から戻ったときに同時に買ってました。どっちも文庫版が出たばっかだったので。その他一緒に買ったのは「チョコレートの世界史」と「君主論」。まあ相変わらずです。

  ハーモニー は一昨年闘病生活のすえにみまかられた著者の最後の長編になる。そして舞台は技術の発達によりすべての病魔に打ち勝ち、人類のすべてが健康でいられる社会、となれば、否が応でも作者の状況に照らし合わせたくなる。が、今回は敢えてその視点は持ち込みません。
 作品世界では、過去原因不明の世界的紛争の混乱を経て、復興した後、その二の轍を踏むまいと「人命」を最上価値観とした社会が構築され、「人命」と「健康」の維持管理が社会の最優先の価値観となってしまっている。人々は成人後に体内に注入されるナノマシンによりあらゆる病原体に対する抵抗を得、また健康状態をモニタリングされ、痛みすらも遮蔽された社会で生きている。
 以下ネタバレ。
 そんな社会に息苦しさを覚えた少女、霧慧トァンが本作の主人公となる。正確に言えば、息苦しさを明確に認識したのは、もう一人の少女、御冷ミァハとの出会い、そしてその薫陶によるものになる。社会の押しつけがましい「優しさ」、それにより奪われていく自我と自由意思に耐えられず、社会への抵抗として彼女らは、もう一人の仲間と三人で、餓死することを試みる。しかし試みは失敗し、ただ一人、精神的な指導者とも言えるミァハだけが死んでしまう。
 そして13年後、表面上は生命査察機構の一員として社会に適合しながら、実際は機構の目の届きにくい世界の辺境で不健康の悪徳を享受することで折り合いをつけていたトァンは、タバコや酒などの不健康物資の不正入手を内々にとがめられ、日本に一時帰国した時にあったかつてのもう一人の「同志」零下堂キアンと再開しその食事中、突然目の前でキアンがテーブルナイフで自殺するという場面に立ち会ってしまう。
 キアンの自殺と同時間に世界中で数千人が一斉に自殺を行なうという現象が起きていたことを知り、トァンは権限を濫用することでキアンが死んだわけを知ろうとするのだが、そこに密接に結びついた自分の過去を知ることになる。
 潔癖さを守るために少女たちが自殺を試みる、という展開はいかにも、と思うのだけども、思春期のナイーブな社会への抵抗が、どんどん雁字搦めになった社会の内部へとつながっていくのは、前作の「虐殺器官」とつながるところがある。実際、どうもこの世界は虐殺器官の後の世界であるらしく、健康至上主義の社会が構築されるきっかけの「大災禍(メイルシュトロム)」は、前作のラストから引き起こされたことらしい。
 もっとも、本作は前作とは基本的にはオーバーラップしないし、別物なので前作を読んでなくてはいけないということはない。
 今回の中で描かれる社会は、風潮として「身体に悪いものは絶対にダメ」という極端な価値観に流されている社会で、捕鯨だとか禁煙だとかなんとかいろいろ連想しがちなのだけども、具体的なものではなく原理主義的な健全主義の態度を考察し昇華させたという感が強い。
 その「社会的風潮としてダメ」というものと「それに反発する自我」との対立として、結末がこれ、というのは、それでいいのかという大疑問と共に、合理的には反発する部分は何もない、という、矛盾にさいなまれる結末に至る。
 結末はすべての調和が取れた最良の世界には違いないのだけど、なにかが違う、しかしなにが違うのか言えないという、隔靴掻痒の感覚が、作者が突きつけた謎かけのようにも思える。


  ホルモー六景 は、映画にもなった「鴨川ホルモー」の外伝的短編集。基本的には、ぶっちゃけ、恋愛青春譚なのだけど、「ホルモー」という仮想の日本古式の由緒正しい(?)競技にまつわる「法螺話の連続」というのが正しいと思う。実際、作者もそのように短編を組んでると思うし。
 更にたちが悪いのが、その法螺話の青春譚が面白くて仕方ないのだw ホルモーの拡大感染も示唆されてるし、短編で矢継ぎ早にそういった法螺話を展開されるのは法螺とわかっていても面白い、という短編集。
 でも、これは鴨川ホルモーがあればこそではあるよなぁ。


2011年01月08日() 旧暦 [n年日記]

[映画] 仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&Wfeat.スカル MOVIE大戦COREと武士の家計簿とSPACE BATTLESHIPヤマト

 四本は見るつもりだったのが、上映スケジュールの確認を怠って結局三本だけでした。
仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&Wfeat.スカル MOVIE大戦CORE 。一昨年から恒例となった新旧仮面ライダー共演の冬のライダー映画。昨年夏に最終回を迎えた「W」編から始まるのだけど、メインはWではなく、Wである左翔太郎の師匠、「おやっさん」こと鳴海荘吉。その彼が変身する仮面ライダースカルになる。
 風都に現れた怪人に、Wに変身して戦う翔太郎とフィリップ、だが、攻撃された怪人はコインをまき散らす。「ドーパントじゃないぞ」と戸惑うWの前に、照井竜が駆けつける、が、竜はアクセルに変身しないまま戦う。「なんで変身しないんだ?」と首をかしげるWの前にさらに現れたのは、ウェディングドレス姿の鳴海亜樹子。実はその日は亜樹子と竜の結婚式の当日。しかし彼氏も仮面ライダーなら職場の仲間も仮面ライダー、それどころか父親も仮面ライダーでプライベートなど関係なく平和の為に駆け回る仮面ライダーだらけの環境についに亜樹子が切れ、竜に「仮面ライダー禁止令」を出し、アクセルのメモリーとドライバーを奪ってしまったのだ。
 そんな彼女の仮面ライダーへの鬱憤に目を付けたのが件の怪人、プテラノドンヤミー。どこからか奪ったガイアメモリーを使い、彼女の父、鳴海荘吉が仮面ライダーとなった経緯を知るために過去を覗く。
 というのがW編、というかスカル編の導入。そこから十年前の鳴海探偵事務所とそれを取り巻く様子が描かれるのだが、鳴海荘吉演じる吉川晃司がノリノリでやってる上、十年前の事件に、まだ制服警官だった刃野刑事や、たまたま荘吉の活躍を見た幼少時代の翔太郎と、幼なじみでありW一話・二話の依頼人だった麻里奈、過去の荘吉を知る人物として、エクストリーム誕生のエピソードに関わったサムが出てくるなど、かなりのファンサービス。アフターエピソードとしてニヤニヤしっぱなしでした。
 つか、荘吉とシュラウドの関係って、単にフィリップの保護を依頼した依頼人と探偵かと思ったら、元から知り合いだったのか!
 そして、荘吉の相棒だったマツこと松井、過去のメモリ売人として出てくる小森絵蓮もなかなか良いキャラ。小森絵蓮は「ありんす」言葉であざといキャラ付けをしてる上に、短い登場シーンの中にもお色気要因としてそのスタイルを存分に見せつけてます。胸は多分盛ってるけど。
 Wのエピソード・ゼロ的な位置づけとして、出てくる怪人もクモ怪人にコウモリ怪人と、初代仮面ライダーへのオマージュがたっぷり。初代ライダーの変身シーンの「シャキーン」という効果音も使われるなど、「もう番組終わった後だから、好きにやっていいよね?」的な感じがかなりたまりません。
 そして、鳴海荘吉がどうしてスカルになったか、そして亜樹子に会えなくなったか、という辺りを描いてオーズ編に。
 オーズ編は、なんというか、いつもの井上敏樹脚本です。ハイ。やっつけの時はいつもアレだからなぁ。ホント。視聴者を含めた人間全部を斜めに見ながら舐めてるような、そうでないような脚本家ですが、「当り前、常識なんて気にするな」的なスタンスと、時々本当に神がかった仕事をするので、~好きなんですよね。今回のは全然神がかってない仕事ですが。
 で、ライダー共演のCORE編に。
 過去の仮面ライダーのメモリーを吸収した謎のコアメダル(グリードたちは「ギルのコア」と呼んでいたけども、恐竜系のグリード?)が、仮面ライダーの姿を模した「仮面ライダーコア」に変身、破壊の限りを尽くす。全CGの巨大悪ライダーってのは、過去にもキバ劇場版の「仮面ライダーアーク」があったけども、こっちは炎が不完全に仮面ライダーの姿を模してるという感じのデザインで、より怪獣っぽい上に、下半身がバイクになったり、より面白げな存在。合流したWとオーズはそのパワーの源泉である、地球の中心にある地球の記憶の結晶へと潜り、そこでWエクストリームゴールドエクストリームと、初登場となるオーズタジャードルコンボ(鳥系メダルのコンボ)にフォームチェンジ、仮面ライダーコアを倒す。
 W編の仕事は、かなり良い仕事でした。オーズ編は……夏の劇場版は、頑張ってくださいね?


 二本目は 武士の家計簿 。新書が原作というかなり異色の映画。元々は幕末の加賀藩算用方として勤めていた猪山家の家計簿が見つかったことにより、当時の下級武士階級のやりくりや利殖が克明にわかるようになり、それを解説する本として、新潮社から 武士の家計簿〜「加賀藩御算用者」の幕末維新 が2003年に出版された。これは出版されてわりと直後に知り合いの日記で褒めていたので、購読した。しかし、確かにドラマティックな時代ではあったが、それを映画にすると聞いて「え? どうやって?」というのが正直な感想だった。
 正直に映画の感想を言う。起伏がなさ過ぎる。わざとらしい盛り上げ方は要らないのだが、大元の猪山家の家計簿が付けられるきっかけが、八代目猪山直之が息子、尚吉の四歳の行事に際し、猪山家が借金だらけで火の車であることを知り、売れる家財道具は売り払い、さらに残る借金のために超緊縮財政を決定したことによる。劇中でそのエピソードは描かれるのだが、その前の不正に荷担せず、それにより取り立てられることになったエピソードといい、ドラマティックさがかなり欠如してる。だからと言って家族の日常が細やかに描かれてるかと言えば、そうでもない。こう言ってはなんだが、主演の堺雅人がそういった細やかな機微を表現できてない。
 そもそも所作のぎこちなさが目立ち、それに気を取られてしまった場面も多かった。妻のお駒役の仲間由紀恵の方がむしろその辺はまともだった。
 主人公である猪山直之はかなりエキセントリックなキャラだが、そのエキセントリックさに気を取られ、その感情の動きなどがどうであるか、おろそかになっている。これは堺雅人の演技力のせいだけではなく、演出側の問題でもあるのだけど。
 この辺が解決するだけでもかなり見られる映画になったろうになぁ、と思うと、非常に惜しい。


  SPACE BATTLESHIPヤマト 。言うまでもない「宇宙戦艦ヤマト」の実写化。アニメや漫画の実写化というと、比較的近年では「デビルマン」なんかの「ガッカリクォリティ」が多いのでその類かと思いきや、そうではない。(日本映画としては)潤沢な予算に加え、制作者側の原作理解が高いため、かなりアレンジはなされているが、しかし抑えるべきツボは抑えている。映像的にも日本映画のスペースオペラとしては、最高峰なのは間違いない。(そもそも日本産スペオペ映画がアレなのを考慮しても)
 ただ……
 見ていて、「芸能人が演じる、宇宙戦艦ヤマトのパロディ映画」という感じが最後まで払拭できなかったのは、何故なんだろう? オリジナルの印象が強く残ってるから、と言われればそうかもしれないけど、少なくとも「よく作った」という感想は持っても、「良い映画だった」とは浮かばなかった。惜しい要素はあったんだけど。
 力作だし、パロディとしては存分に楽しんだし、クォリティは高いんだけどなぁ。う〜ん。


2011年01月09日() 旧暦 [n年日記]

[特撮] ゴセイジャー#46とオーズ#17

  ゴセイジャー #46「狙われたゴセイナイト」。ブレドランの正体は、かつて幽魔獣を封印した伝説の護星天使、救星主のブラジラだった。ブラジラはかつて使役していたゴセイナイトに再び仕えるよう命じるが、ゴセイナイトはそれを断る。しかしブラジラは弱っていたゴセイナイトを無理やり連れ去ると、悪のヘッダーであるオルトウロスヘッダー・ナモノガタリを呼び、後を追おうとするゴセイジャーたちの邪魔をさせる。
 ゴセイナイトを連れ戻そうとするゴセイジャーたちだが、どんなにダメージを与えても回復してしまうナモノガタリに手も足も出ない。一旦退却し、ゴセイナイトの居場所を捜索する一方で、アグリとモネは研究所に残り、ナモノガタリの攻略法を研究し続ける。

 ナモノガタリって、ヘッダーって言うけどヘッダーの要素ないよね。二つの頭を持つデザインをしていて、回復の瞬間それぞれのツノが光ることから、ツノが弱点と睨み攻撃するのだけど、両方のツノを叩き折っても回復してしまう。ナモノガタリを倒すには、より完全に同時にツノを破壊しないといけないのではないか、と兄妹のコンビネーションを見せるのだけど、ちょっとこの辺、強引というかわかりづらいというか。
 ナモノガタリは倒すのだけど、ゴセイナイトの行方はわからず、ブラジラの地球救星計画は進行してしまう。いやなんつーか、倒しちゃダメだろう。いや、最終的に倒さないといけないのはわかるんだけど。
 このまま、ゴセイナイトをめぐる話でラストまで行きそうな感じ。
 ナモノガタリの名前の由来はなんだろう? と思ったら、google先生の入力予測でわかりました。「世にも奇妙な物語」か。あれって劇場版あったっけ? あったのか。他局番組なのになぁ。

  オーズ #17「剣道少女とおでんと分裂ヤミー」。映司たちの前に現れた、仮面ライダーバースを名乗る男、伊達晃。バースを使って鴻上は何をするつもりなのか、そして伊達の目的は何か、聞き出そうとする映司とアンクだが、人を食ったような伊達の言葉にはぐらかされてしまう。
 そんな中、正月休みだったクスクシエも営業再開。比奈も店にやってきて、映司に助けてもらったお礼を渡す。さらに、アンクにも何かを渡そうとするのだが、バースの目的を調べることしか頭にないアンクのぶっきらぼうな態度に、つい渡し損ねてしまう。
 そして、しばらく動きを潜めていたウヴァたちも活動を再開。ウヴァは代表に選ばれるために強くなりたいという剣道少女梨恵の欲望に目を付け、彼女から白ヤミーを生み出す。
 それを察知し駆けつけた映司たちだが、メダル不足で早々に片をつけようとするアンクの思惑に反し、防御力が高く白ヤミーなのになかなか倒すことが出来ない。さらに、伊達がその戦いの様子を手も出さずに見詰めていて……
 白ヤミーとの戦いに巻き込まれた梨恵を病院に連れて行った映司は、自分の欲望から怪物が生まれたと聞いてショックを受ける彼女を「君のせいじゃないから」となぐさめるのだが、梨恵は何か別の心当たりがあるらしく、激しく動揺する。
 やがて白ヤミーはカブトヤミーに成長し、映司たちは今度こそ倒そうとパワーのあるタカゴリバコンボでカブトヤミーを追い詰める。ところが、追い詰められたカブトヤミーの身体に突如異変が起こり、カブトヤミーは分裂し、クワガタヤミーを生み出す。
 ヤミーが分裂するという初めての事態に動揺し、さらに二対一で劣勢に立たされるオーズ。そんな彼の前に伊達が現れ、バースに変身するのだが……

 劇場版パンフで知ったけども、バースって、基本スペック自体はオーズ(タトバコンボ)よりかなり低めなのね。武装の豊富さで戦うタイプなんだろうなぁ。
 そして一見フレンドリーで飄々としていながら、得体の知れない伊達。真木の申し出を断りバースとなる機会を失った後藤も、バースの装着者に選ばれた伊達のことは気になるようで……
 クワガタヤミーを分離したカブトヤミーの前に立ちはだかったバースは、オーズのことなど眼中にないような攻撃を行ない、その末、オーズとの同時必殺技で倒したカブトヤミーのセルメダルを、全部奪っていってしまう。
 「ごめんね。これだけ稼ぐために、セルメダルは全部俺がもらうから」と指一本を差し出した伊達。一億稼ぐことが目的、というのだが、その目的もさることながら、セルメダルがなくてはアンクは身体を維持できないし、オーズの戦いにも支障が生じることになる。次週、映司はセルメダル争奪戦をするつもりはないと、伊達を説得しようとするらしいのだけど……ただ、伊達がそんなに金銭に強欲なタイプに見えないのだよなぁ。いい人でもないかもしれないけど。一億円を欲する、別の理由がありそうなのだけど。
 そしてヤミーの親となってしまった梨恵。「強くなりたい」とつぶやくクワガタヤミーから、「全部滅茶苦茶にしたい」という欲望のクワガタヤミーが生まれたように、本当の欲望は別のところにあるようで。それがクワガタヤミーのつぶやくように「全部滅茶苦茶にしたい」なのかは、まだ不明だけど……
 で、助けてもらったお礼をアンクにも渡そうとする比奈。一度は渡し損ねるものの、お礼はお礼、とアンクのねぐらの屋根裏部屋に、お礼のメダルホルダーを置いておく。劇場版で映司が使ってて「おや?」と思ったんですが、そういう来歴のものだったんですな。比奈のアンクに対する感情も変化してきて、アンクも変化していく……のかどうかはかなり怪しいですが。