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2005年12月02日(金) 旧暦 [n年日記]

[マンガ] マンガのようなもの

 バールのようなもの、拳銃のようなもの、日本刀のようなもの……
 いや、 ヤングガンガン で韓国の方作画のものが二本掲載されたのだけど、何と言うか、う〜ん。
 言葉に困るのだけど、「マンガのようなもの」に見えてしまう。どこが、と言われると困るが、スムーズにマンガを読んでるという感じがしない。掲載されたのは日本人原作の新連載「JACKALS」と、ユン・インワン、ヤン・ギョンイルによる前後編読みきり「Let's BIBLE!」。両者に共通して言えるのは、コマの描写の「メリハリ」がない。なんというか、綺麗な絵を描こうとしているのだが、そのわりにキャラが立たないというか、全般的に埋没してしまっている。日本のマンガだと適度にコマごとにメリハリをつけてリズムを取ってくれるのだが、どうも全コマ通して一本調子で読みづらい印象がある。特に線の多いこの手の絵柄だと顕著だ。
 もう一つは、どうにも宙に浮いたような現実感の欠如だ。どっちもファンタジー?SF?とにかく現実にはありえない話だからってんじゃない。何というか、マンガを参考にしてマンガを描いたようなリアリティの欠如というか。あと、「JACKALS」は構成上のコマ割りの稚拙さがあるのだが、まあそれは略。
 恐らくどちらか一本だけ見てたら「そういう作風」と私も流していたのかもしれない。が、この妙に読んでいて地に足がつかない感じは、よくよく考えると多くの韓国マンガに共通していた。そういうものばかりではないし、作品により量の多少はあるけども。
 基本的に目にする韓国マンガの多くはお話の作り方が下手で(日本作家だってみんな上手いわけではないが……)、でも例えば昔モーニングで連載していた中流韓国人家庭を描いた黄美那作「李(イ)さん家の物語」はそういった遜色はまるで感じなかった *1 。ひょっとしたら韓国と日本の民族性による違いかもしれない、と思いつつ、そうでないものもある以上はそうではないんじゃないかとも思えるわけで……第一あちらでも日本の人気漫画はやはり人気があるのだ。
 一作一作では「そういうものか」と思えるのだが、まとめて見てそういう傾向が見出されると、「ひょっとしたらこれ(ら)はマンガではない、『マンガのようなもの』なのかも」などと思ってしまうのだが……無論、あまり良い意味ではない。日本のマンガと違う「マンファ」を目指すのならそれはそれで良いが、いずれにしてもレベルの底上げは必要だろう。
*1: 余談。昔、日韓翻訳掲示板で「読んだ事のある韓国マンガは?」という話題が出て、私はコレを挙げたのだが、韓国側の人はちょっと言葉を濁した感じで「それも悪くはないけど、黄美那だったらこっちの方が……」と別の作品を挙げたのを覚えている。日本人にとって外国人に何故小津映画があれほど受けるのか、よくわからないのと似てるのかもしれない。