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2005年09月01日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] 政治ネタは控えると言っておいて

 微妙に政治ネタのようなそうでないような。
  朝日新聞:新党結成取材で情報ねつ造、記者を懲戒解雇毎日 )。最初「あっはっはっ、朝日がまたやったよ!」だったのだけど、報道のされ方を見ていくにつけ、むしろその周囲の報道の仕方が妙に気になった。まあ、捏造報道はいけないに決まってるのだけど、言ってしまえば「たかがしれた」記事でもある。影響がないってこともないのだけど。
 この問題に関しては魔女狩りの様相を呈してきて、一体なにが起こったのか、なにを問題にしているのかわけがわからなくなってきている。それが本当に個人によるものか、会社の組織ぐるみか、体質的なものか、というところが問題だが、このへんが魔女狩り的報道になってるのでわけがわからない。問題点の洗い出しではなく、断罪だ。そもそも各社、他人事のように語れる問題なのか? と思うと釈然としない。
 そりゃ私は朝日のことをネタとして取り扱うことが多いけども、ちょっと今回の件は各社の報道の仕方もおかしいと思う。

 マスコミってえと「アクメツ」でついにマスコミが槍玉に。書いてることには概ね共感。ただ一点、「今の状態が60年前に似ている」と言ってるけど、60年前どころか戦中・戦前にもそっくりだと思う。そういう意味であるのならば。
 ちょいこの前、終戦記念日(まあ、本当は停戦の日じゃなくポツダム宣言受諾の批難だけど)がらみで戦前戦中の日本と何が変わったのかという話を職場の子として、そこらへんの話をしたらマジでショックを受けたみたいでした。戦中の教育とかなんとか、それらも問題がなかったとは言わないけど、その時代の先人たちはマジで尊敬しているけど、昭和って時代は日本の根本的な問題がずっと放置され、解決されようともしなかった時代でもあるのだよな。平成もそうなるかはこれから次第なのだけど。

[その他] ゲームとかメールとか

  こちら を見て 必殺裏稼業 なんてゲームが発売されるってことを知って、また頭抱えたりなんだり。ゲームとしての出来とかはわからないのだけど、また強烈な「物真似臭」がするのですよね。決して作者や作ってる方々をバカにするのではないのですが、意図的に「必殺にしよう」とすると、例えば「必殺仕置長屋」なんかもそうだけども、逆にパチモノ臭さがにじみ出てしまう。
 でも、ムービーを見てみると確かにいろいろな部分に必殺臭も感じてしまうのですよね。中期以降の臭いが強いですが。これは迷うところだなぁ……

 最近プロバイダの管理者アドレスで「Your Mail Account Will Be Stoped」とかなんとかというタイトルのメールがやたらと届いて、開いてみると検閲によってウィルスが削られたメールばかり。
 なんじゃそりゃ? と思いつつも元々身に覚えがないんで放置してたんですが、ある時ふと気付く。要はワームによる偽装メールで、こちらのメールアドレスの@以前に勝手にAdministratorとかWebmasterとかつけて、「アカウント停止するんで、詳細は添付ファイルで」と脅し、開かせて感染するってタイプなんですね。
 幸いうちはプロバイダでのウィルスチェックとクライアント側のアンチウィルスの二重チェックで全然大丈夫だったわけだけども、まったくたちが悪い。感染した人、さっさと駆除してください。


2005年09月02日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] ブームは必ず終わるもの、そして涙を流すもの

 誰が泣くのかは知ったことじゃないですが。
  日テレとフジの「韓流ドラマ枠」終了 (スポーツニッポン)Infoseek )。まあ、それがブームの「ふり」だけだとしてもブームが話題の消費である以上、消尽したら消える運命にある。あとは時代遅れ感が漂い、数年は消えないだろうね。笛吹けど踊らないブームを煽る結果がこうなることは目に見えてたのだけど。
 他にはフジテレビで野球中継の延長が行われなくなるというのが目新しいか。もはや野球は文句なしの国民の娯楽の座から滑り落ちようとしている。否が応でも時代は変わるってコトなんだろうなぁ。

 なんだかアメリカ深南部の、ハリケーン被害をきっかけとする暴動は留まることを知らず、州兵が暴徒を射殺するとかしないとか、そんな話にまでなってるらしい。災害の被害もさることながら暴動の被害はどんなものだろうとか思ったが、まあ、それは状況が落ち着いてみないとわからない。
 ガソリン生産にも影響が出ているらしく、直接被害を受けなかった場所でもガソリンの価格が急騰するなどの影響が出ているらしい。米国出張中の まるさんの日記で報告されている
 で、この状況改めて考えてみるとどっかで覚えがあるな、と考えたら、思い当たった。あ、もろに「バイオレンスジャック」だわ。自然災害により治安維持の機構も何もかもが崩壊し、力による略奪が横行する、って、ハリケーンと地震の違いこそあれ、構図は同じだ。これがアメリカ特有の現象かってえとそうも言えず、まあ、過去の災害にも噂話のレベルだけどもそういうのもいたとかいないとか。あまり他山の石とは思わないほうがいいのかもしれない。

[その他] これもやや政治ネタか

 正直、教科書問題は検定で認可された教科書ばかりなんだから、それぞれの地域でふさわしいと判断したものを選べばいいと思っているが、扶桑社の歴史教科書まわりがいいかげんウザいんでグチ的に文句を言いたくなった。
  こちら などで 圧倒的多数の全国581の採択地区の教育委員と教育委員会は、扶桑社の教科書を「教科書としてふさわしくない」と判断して採択しなかったことになる。と牽強付会してるが、アホちゃうかと一言言いたくもなる。どの自治体でも採用する教科書は一種類だが、その一種類以外の採用されなかった教科書に対し「教科書にふさわしくなかったと判断されたに決まってる」なんて言い出せば、普通は「アホちゃうか?」と思われても仕方ない。
 そもそも、こういった性質の組織は保守的なものだ。逆にある程度は保守的でなくては困る。過ちがあれば正すべきだが、軽々しく新しいものにとびつかれてばかりでも困る。更に言えば、世間で騒がれてる事柄だけにゴタゴタを避けるために採択を敬遠しがちになるのは想像に難くない。事実、一度採択を決定しながらクレームの嵐により採択を撤回した自治体もある。自分たちで圧力をかけてるのを棚に上げて「ふさわしくないと判断した」もへったくれもない。まさしくマッチポンプ。
 本当にどこもふさわしくないと判断すると思うのだったら馬鹿げた騒ぎをやめてみることだ。その上でどれだけ採択されるか。
 「我々の活動により採択が阻まれた」って主張なら、それはいい。
 キライだから圧力をかける。キライだから採択を阻む。活動自体はバカげているしわがままだがスジは通ってる。その点だけは認めることが出来る。だが活動がバカげている上言動までブレまくりでは、何も見るべきところはない。気に入らないものを排除しようとした上、自分の行動は正義だなどと責任を転嫁してるにすぎない。
 自分の欲求を正義と勘違いした人間・大衆は世の中を良い方向には決して引っ張ってこなかった。そして正義に酔えばその味を覚え、自分を正義と思うためにどんどん自己欺瞞を行っていく。
 正義に溺れる人間ほど恐ろしいものはない。上のサイトの人も、こういったネタ以外ではまっとうなんだけどなぁ。


2005年09月04日() 旧暦 [n年日記]

[特撮] 僕、明日夢です。なんだか少しずつ変わってきました。

 いや、いきなり変わりすぎですから(笑)。
  響鬼 の話なんですけど……今回脚本が井上敏樹氏なのは先に書いたとおり。なのだけど、OPのプロデューサーのクレジットを見ると……あれ? 「高寺成紀」氏の名前が消えて、「白倉伸一郎」氏の名前が……ええ?! ええええっ!?
 この組み合わせだと、「アギト」から「ファイズ」まで見た方は大体内容は想像できるでしょうが、想像通りです。(^^;
 これまでの明日夢があくまで「響鬼の視点」からの明日夢なのに対し、今回は本当に明日夢が主人公になってるのが顕著なんですが……いや、戦闘シーンとか嫌味な変なキャラとかもそうなんだけど。
 正直、楽しみましたよ? めっちゃ楽しみましたよ? だけど、好きではないながらも「響鬼」の見方がわかってきてそれに納得しかけたところでここまでドラスティックに変わってしまうと、今までの苦労(ってことはないんだが)が無駄になった気分。orz その路線でどこまでやるのか、お手並み拝見な感じだったんだけどなぁ。
 いや、癖の強い井上脚本好きなんだけどさ。今回面白かったんだけどさ。薄味の椀物の後に、いきなりチゲ鍋はなかろうて。orz
 プロデューサー交代の噂はあったけど、本当だったのか? 今回だけのスタッフ変更なんだろうか? チーフプロデューサーの変更だなんて、そうそう簡単に起こるものじゃないと思うけど……
 もし噂どおりのプロデューサー交代だとすると、視聴率は最初ブレが大きかったけど安定してからはそんなには低くはなかったし、玩具の売り上げが例年より低下するのも、販売計画を見る限りでは折込済みだったはず。ということは、製作体制とか、予算的なもののごたごたってのが一番ありそうなのか? 見ていると確かにかなり予算オーバーしそうなことをやってたのだけど。まあ、しばらく見てみないとなんとも言えないけど。

[アニメ] 土曜日の

  絶対少年 #15「アーバン・フォークロア」。
 希紗が成基に「見えないなにか」を見せているところを目撃した正樹は、希紗を呼び出し、そのことを告げる。ブンちゃんを人目に触れさせたくない希紗は、正樹に「誰かに言った?」と聞く。しかし正樹は本当は理絵子に教えていたのに、つい「誰にも言ってない」と言ってしまう。希紗は正樹に口封じをするが、その会話を聞いて正樹に声をかけてきた人物がいた。マテリアルフェアリーを求めて横浜にやってきた須河原晶だった。
 希紗との約束どおり口を閉ざす正樹に、気が変わったら連絡してくれと名刺を渡す須河原。その須河原は取材のための滞在先を、理絵子のバイト先の土岐宮家に定めていた。
 ブンちゃんを知る人が増えたことに不安を覚える希紗は、成基に正樹のことを相談する。相談された成基は「正樹ならやたらと人に言いふらしたりしない」と言いつつも、理絵子が「見えるけど見えないもの」のことを自分に尋ねたのを思い出す。成基は理絵子と会いはぐらかしたような問答をしながら、その質問の意味について探りを入れる。
 それで逆に理絵子は希紗と成基が秘密を共有していることを確信する。希紗が成基とより接近し、自分がつまはじきにされていると感じて希紗に「なにか隠していることはないか」と尋ねるが、希紗は「何もない」と嘘の返事を。
 憤懣やるかたない理絵子は正樹からのメールも無視、心配して帰り道で理絵子を待ち伏せし「見えるけど見えないもの」のことを蒸し返す正樹に対し、「しばらく放っておいて」ときつく当たる。理絵子にとっては「見えるけど見えないもの」はつまはじきにされた象徴であり、わずらわしいものに過ぎなかった。
 しかし理絵子に想いを寄せる正樹は共有したはずの秘密を否定され、理絵子自身にも拒絶されたことで一つの決意をする。正樹は須河原を呼び出し、一旦は断った「マテリアルフェアリー探し」への協力を申し出る。その代わりの条件は、須河原もまた彼に力を貸すことだった……

 あちこちの反応を見てみるとりえぞーの株が大暴落(笑)。
  伊藤氏、望月氏へのインタビュー によれば第二部はつらい話が増えるとのことだったが、この段階ですでにその予兆が。希紗は三人の友人たちの中でも最も成基に信頼を置いているように見える。それは多分、成基が希紗との距離の上手い取り方を一番知っているし、「枠からはみ出した人生を送っている」という意味では二人とも似ているとも言える。その意味では希紗にとっては最大の理解者だろうし、成基も、恋愛感情の有無は不明だがそれを自認しているように見える。
 しかし、理絵子はそんな二人に明らかに嫉妬している。成基のことが好きっぽいし、希紗に対してはやや優越感を抱いているのだろうか? そんな二人に割り込もうとしつつも、確かに二人と自分は違うこともわかっている。それだから余計それを突きつけられることに耐えられない。理絵子にとって、「見えるけど見えないもの」はその現実を突きつける存在になってしまった。
 そんな理絵子のことが好きな正樹は共通の話題が出来たことが純粋に嬉しく、理絵子に接近するがそれが裏目に出てしまう。本来なら安全だった領域がこれまで以上の危険領域になっていたことに気付かず、理絵子を怒らせてしまう。
 そのことが正樹にマテリアルフェアリー探しをする決心をさせる。ある意味「賢い」理絵子はこれ以上自分が傷つかない選択をし、少し鈍なところのある正樹は傷つく可能性に目をふさぎ、より突っ込んでいく。
 多分正樹は四人組の中で自分が取り得もなく、話題の中心にもなれないことを察していたのだろう。このままでは仲間たちからどんどん取り残される。それは理絵子との接点がなくなることも意味する。おそらく、そのためでもある。
 隣人との境界が近いことが当たり前の田舎の田菜とは違い、隣人の姿が分からず、他人と距離を取ることが当たり前なのが都市。都市から田舎に移り、それに戸惑っていたのが歩や潮音だったのだけど、今回は子供たちがみんなそんな感じ。お互いの距離を見計ろうとし、見誤り、傷ついたり傷つけたりしてしまっている。そしてここにマテリアル・フェアリーが入り込み、須河原と一緒にこの関係を引っ掻き回すのだろう。
 しかし、機械には映らないはずのマテリアル・フェアリーが何故か正樹の携帯のカメラには映っていた。やはり、ブンちゃんはマテリアル・フェアリーとは違う存在なんだろうか?(2chの絶対少年ネタバレスレには、 マテリアルフェアリーと対になるマテリアルイービルの存在が示唆されている)
 今回、前回に続いて須河原晶と、深山三姉妹の長女、深山美佳が登場。須河原は「深山」の名前に反応していたから、深山美紀のことは覚えてるんだろうね。そして、予告で更に別の人物も次回の登場を明らかにされている。誰かって言うと 逢沢歩その人なんだけど。田菜編のキャラクターたちがどう絡むか、非常に楽しみ。
補足:ホームセンターで希紗を見つけた理絵子が、なんでゴム長靴なんだろうと不思議だったけど、ちょっと巻き戻してみて理解。こいつ、「キッチンときみや」からそのまんま希紗を探して駆けつけてきたんだ!(その前の成基との会話シーンは、厨房でのバイトのため、同じゴム長靴を履いている) うわ、すごい必死すぎ。

[その他] 最近の散財

  涼宮ハルヒの陰謀/谷川流
  ぴよぴよキングダム/木村航
  ローマ人の物語 17 悪名高き皇帝たち/塩野七生
  ローマ人の物語 18 悪名高き皇帝たち/塩野七生
  ローマ人の物語 19 悪名高き皇帝たち/塩野七生
  ローマ人の物語 20 悪名高き皇帝たち/塩野七生

 傾向のばらつきはいつものこと。まあ、こんな感じで。

 ところで先日の「韓流」の話だけども、アタクシ怒ってることは怒ってるけども、それは韓国に対してではなく、無理矢理「韓流」を演出しようとして、結局それを消耗するだけのことしかしなかった日本マスコミに対して怒ってたりする。
 正直、韓国に対しては良い感情は持ってないけど、私は基本は面白主義者で面白ければなんでもいいんで、そうやって十把一絡げの消耗材として扱い、ひょっとしたら個別に面白いものとしてそれなりに評価されたかもしれないものに対しても「韓流」のレッテルを貼って「流行廃れ」のイメージを植え付けたことに腹を立ててるんです。


2005年09月05日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他][特撮] 「響鬼」のP交代について

 スタッフ関係者の日記・ブログ等の情報をかき集めたところ、やはりプロデューサー交代で間違いないようだ。 響鬼 のライターの一人、きだ氏の日記にその旨がはっきり書かれており、白倉氏のブログの過去のエントリーにも諸事情から急に大仕事が舞い込んできた旨が記されている。(それぞれリンクはしません。必要な方は各自探してください)
 きだ氏の日記によればさすがに「前代未聞のこと」だそうで、やはり視聴率や玩具の売り上げが原因ではないことが推察される(それならば前代未聞ではない打ち切りもしくはテコ入れ展開くらいのはず)。きだ氏も響鬼の脚本を少し離れていた間の決定であるらしくそれ以上の詳細は示されていない。後は新Pから声をかけられたことが情報として乗っているくらい。
 さすがに前代未聞のことは前代未聞の要因によって起きたのだろうし、中盤を越えての急激な体制刷新でもあるので、元の体制になることは多分ないのだろうなぁ。

[アニメ] すっかりふっとんでしまいましたが

 響鬼を色々笑い転げながら見ていたおかげで(決してバカにして見ていたわけではないです。ハイ)すっかりふっとんでしまっていたけども、 エウレカセブン も相当なことに。
 最後の残酷描写はレントンに徹底的にその行動がガキだってことを突きつけるためでしょうけど、確かに今入れても「今さら何を」ではあるか。まあ、ショックはショック。2クール目は徹底的にレントンを突き落とすクールだなぁ。ホランドも、レントンに自分の感情のしわ寄せを食らわせるところなんか大人になりきれない。それでも最低限の大人の義務は果たそうとするんだけど。
 次回予告がないので、もうどうなるんだか。

  ゾイドジェネシス は「ラ・カン決起す」の回。これまで触れられなかった元公主としてのラ・カンと、その継承者としてのレ・ミィの側面が語られる。また、キダ藩残党の隠れ里で生まれて初めて大陸の地図を見、その大きさに震撼するルージたち。でも、ロンは「世界の地図」と言われたのを「大陸の」と訂正したり、「みんなが笑顔で暮らせる世界を」という演説にも「できればいいけどね」とかなり冷めた態度。明らかに只者ではないし、ディガルドの間者というわけでもなさそうだから、やはり第三勢力の内偵、といったところだろうか?
 もうひとつのびっくりはお姫様然としたレ・ミィの過去と正装姿。ルージは最初別人と思って「お姫様ならああでなくっちゃ」なんて言ってたのだけど、ミィ本人と気付いてびっくり。赤面までしてしまう。イロモノキャラ化からの正統派ヒロインへの救済テコ入れか? このチャンスを逃したらヒロインへの復帰は絶望的になってしまう。(って何の話だか)

  おねがいマイメロ は柊先輩とどうしても踊りたいクロミが自分自身に魔法をかけて人間の女の子に変身。これがキツメの美少女で、でも中身はやっぱりクロミというあたりのギャップが。クロミのツンデレっぷりと魔法にとんでもない副作用があることを知ってクロミを助けようとするバクの献身っぷりが光りまくり。
 クロミが「一番なりたくない姿」のオチも大笑いだが、まあ、女の子なら仕方ないわな(笑)。その後のフォローの仕方がバカップル寸前と言う辺りがまあ。
 「マイメロ」は黒い黒いとあちこちで言われているけど、自分的には黒いとは思わないんだよねえ。単に人を良く見ていて、長所も欠点もちゃんと受け入れてるだけ。悪意等負の感情をもって描いてるわけじゃない。それにもし負の感情を感じたなら、それは製作者のではなく見てそれを感じた人間のものだと思う。

[その他] ぐは!

 8/15に書いたエントリで当のYさんからメールが届いていたことを三週間ぶりに気付く。そんなもんすぐ気付いとけ、という話だけど、実はその日未読メールを間違って削除の操作をしてしまい、すぐに気付いて止めて危うくことなきを得た、と思っていた。が、実はYさんのメールを消してしまっていた、というオチらしい。
 消したはずのメールになぜ気付いたか、というと実は一月ほどほったらかしになっていたがメインのアドレスのメールを念の為別のアドレスにも転送しており、一月ぶりにそのメールボックスの整理をしていて気付いた。
 うわ〜、Yさん、すいませんすいません。メール貰っといてばっくれたと思われたかしらん? 電信八号を使ってるとたまにある操作ミスなんだよなぁ。メール通知ウィンドウでのキーバインドを変える方法ってあるのかなぁ。

  ホワイトバンドの黒い影大佐blog )。まあ、運動を否定するにしても肯定するにしてもなんだかな、な話。それを割り切って啓蒙運動とやってる人もいるだろう。個人的にはまあ、この運動は視界の端の雑音、くらい。貧困ってのは構造。先進国と途上国、という意味ではなく、その国内部に維持する構造が出来ている。金を注げばなくなるってものじゃない。そのポイントを踏まえてない限りは、誰がつけてようが誰が主張しようがずっと視野の辺縁。

  「みんなのうた」 八・九月の曲の「トゥモロウズ ソング」を見る。アニメーションが望月智充氏。歌詞は普通に親子の歌なんだけど、アニメーションは母子家庭の話になっている。多分1Kのマンションの室内での生活が異様にリアル。一体どこで見てきたんだ??? 望月監督、本当に油断がならない人だ。もちろんシングル・マザーのしぐさはそこはかとなくエロス。放送スケジュールは こちら


2005年09月06日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] 釣り?

  堀江貴文社長:『天皇は日本の象徴』に違和感、大統領制に毎日 )。  そのうえで日本の国家体制について「大統領制にした方がいい。特にインターネットが普及して世の中の変化のスピードが速くなっている。リーダーが強力な権力を持っていないと対応していけない」と語った。って、天皇は「象徴」であってリーダーでもなんでもないんですが。まあ、旧態然とした体制だからそれを変えろ、ってことなのかもしれないけど、根本的になにか欠如している気が。「違和感」って、それだけで主張されても。エキセントリックな言動が人気を集めてるのはわかるけど、どうなんかなぁ。

  CM飛ばし対策協議へ、DVDレコーダー普及で広告主協日経bp )。どこか愉快がってる自分もいるのだけど、実際の話、テレビ局(民放)と広告代理店には死活問題であるのは確か。回りまわっては視聴者にも跳ね返る、ってことなんだけど。おそらくその結果が「あるある大辞典」のような情報番組のふりをした結果捏造宣伝番組だったりするのだろうけど。( あるある大事典のニセ実験と洗脳
 まあ、CMスキップ機能に制限が加えられるのもある程度仕方ないかなとも思ってはいるのだけど……

  選挙後政権「自民中心望む」が、「自公連立はイヤ」読売 )。まあ、読売ってことは念頭に置かねばならないけど、私の実感とも一致している。民主の政権担当能力云々の部分も。と、言っても自民の単独政権というのもあやうげっぽい。本当は民主が幾つかに割れてそれと連立政権とかやってくれるといいんだろうけどなぁ。
追記:あちこち見てると「まず戦争を起こさないことを第一条件に」と投票先を選ぶと公言している人がいるけど、自分にはどうすればそれを選ぶことが出来るかがわからない。戦争が一国の問題であるなら簡単だ。軍備を推し進める連中を排除すればいい。軍事力も完全放棄。万々歳。でも実際はそうじゃない。二国間の問題にとどまらないことすら珍しくない。自分の頭が悪すぎるせいかもしれない。「戦争が絶対起こらない自明の方法」があるなら教えて欲しい。本当に。

  早明浦ダムの貯水率100% 香川県民の節水生活終止符朝日 )。うひゃ〜、台風14号すごすぎ! それと同時に 台風14号被害 5人死亡、14人行方不明貯水率100% 香川県民の節水生活終止符朝日 )という歴然とした被害もあるわけで……災厄であると同時に慈雨。日本人と欧米人の自然観の違い、善悪観の違いってのは、実は台風によるところが大きいんじゃないかと思える。

[その他] ちょっとすっきりしない

  速水螺旋人さんの日記 の9/2〜9/3にかけての話題なのだけど、言ってることは正論だと思う。しかしどうもすっきりしないものも感じ続けている。
 「そりゃお前が嫌韓厨だからだろ」と言われれば多分その通り。が、前からここを見てる人なら気付くと思うけど、取り扱ってる韓国ネタは実際問題かなり減っている。自然に減ったというのもあるし、意図的に減らしてるというのもある。理由の一つは、嫌韓サイトが異様に増えすぎた、ということがある。つまり、世間全体で煽りすぎだ、ということ。それと他のサイトと似たり寄ったりのことを書いても面白くないという打算的理由もある。
 その意味では人種差別をやたらと煽ることに反対、という速水氏の意見には賛成だけども、賛成しきれないところもある。
 ひとつには、なるたけ客観的に見たところで、韓国・朝鮮は「困った隣人」であることは確かに言えそうというのがある。無論、それだけの存在ではないが、そういった面も歴としてある。その意味では韓国在住日本人教師(日本語教室)の方のやっている 今だからこそ・・・ 韓国斬り !! は、韓国在住の邦人の目から見た韓国の変なところや考え方の違いを紹介していて面白い。
 ふたつには、「境界線」ってそんなに全否定すべきもの? という違和感。無論過剰なレッテル張りやスケープゴートに仕立て上げられるようなものは論外だが、人間、利益を共通させるもの同士でテリトリーを作り、「中」と「外」と分けるのは当たり前の行動である。そもそも「国」ってのはそういうものだし。要は、「中」と「外」のイメージが適切にコントロールされているか否かのことだけにすぎない。単純な否定は「世界市民」的ないかがわしさを連想してしまうのだよなぁ。
 みっつには、「差別を助長する」という言葉は過剰に過ぎると圧力になりかねない、というあたり。わかりやすいところではマスコミ。「それは差別的表現だから……」とか「関係に支障が出るから……」と、(韓国関連に限らず)自主規制され、結果、重要度のわりにほとんど一般の人に周知されない情報が発生する、という事態は実際に起こってる。
 要はいずれも「適切にコントロールすべし」ということなのだけど、速水氏も「書くな」ではなく「書く前に考えよう」だし、どっちを前面に出してるかだけの気はしないでもない。


2005年09月07日(水) 旧暦 [n年日記]

[読書] 読了記録

  ホメずにいられない/福野礼一郎
  ホメずにいられない2/福野礼一郎
  ぴよぴよキングダム/木村航
  ぴよぴよキングダム2 ときのしおり/木村航

 とりあえず「読んだ」という記録だけ。現在はちょっとした難物の スターリングラード 運命の攻囲戦1942−1943/アントニー・ビーヴァー を攻略中。ソ連との開戦当時、ドイツ軍だけでなく世界各国でソ連が圧倒的に劣勢だろうと予測した中で、日本のみがノモンハン事件(ハルハ河の戦い)からソ連兵の頑強さを評価していた、というくだりがあり、ああ、なるほど、そういう見方も出来るものなのか、とちょっと目から鱗。

[アニメ] 公式ページ更新キター!

  絶対少年 の公式ページが更新。のっけからネタバレで来週登場のキャラが……キャラクター紹介にも追加されています。誰かっていうと、知りたい人は見てください。知りたくない人は見ないで。

  奥さまは魔法少女
 出だし、どう見てもイロモノだったはずなのに、多すぎと思われたキャラクターたちがきちんと役割を果たしていく。嬉子の過去の行動は、世界の守護者としてはともかく、人間としては失敗だらけだったけど、巽にすべてを打ち明け、支えられることで、自分が傷つけてしまった人とも、正面から対峙する勇気を得る。
 さやかもまた、巽の心が嬉子に向いていると聞いて居場所はない、と思い込んでいたが、実はちゃんと居場所が出来ていたことを知る。それが、第一回で自分が魔法で変えようとしていた学校を今度は守ろうとする行為に結実されている。
 指輪は嬉子にとっては「過去」の象徴。良いものも悪いものも全部含めた「過去」。間違いがあっても都合の良いものだけを選択することは出来ない。だからどうするか。この話はそういう話なんだと思う。
 ネットを見てると最終回間近な現時点まで見て、全否定な意見が結構あって、「つまらないのに見つづけてるなんて、じゃ、なんのために見てるの?」と思ったりもする……え? お前が言うなって? 響鬼をさんざん文句しか言わずに見てたくせにって? いや、まあまったくその通りで。
 自分の場合、響鬼は自分の価値観の外側になにかあることは感づいていて、見つづけることで、あるいは誰かが私に突っ込んでくれることがきっかけでその価値観をつかむきっかけが得られるんじゃないかと思ってたってことがあるんですが(Yさんすいません&ありがとうございます)。ネットで現時点まで見つつ全否定な人も、それを望んでるんだろうか? だったら突っ込んであげた方がその人は喜ぶんだろうか?

  アクエリオン は今回は良い出来。シリーズ構成としてはひどくいびつであることを忘れれば、だけど、今回は忘れてしまうだけの勢いはあった。自分がアクエリオンで嫌いなところは寒々しい熱血ギャグなのだけど、同時に嫌いでも認めざるを得ないのが3D-CGでのロボットアクションの見せ方だったりする。今回は前者少なめ、後者多めで、なおかつ余計な奇麗事も少なめで、単発回としてはきちんと熱血アクションとして見れた。なんだ、やれば出来る子なんじゃないか。
 もっともシリーズ構成の不味さはやっぱり否定できないんだけど。


2005年09月08日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] ニュース、な話

 そういやカトリーナってどのくらいの規模なんだろう? と、ごく最近日本を襲ったばかりの台風十四号との比較を探したら ありました 。現在フジテレビなどに出演されてる気象予報士の岩谷忠幸さん(すいません、寡聞にして存じませんでした)のブログらしい。確かにカトリーナの方が強力だけども、それは被災地域が発生位置から近いため、勢いがあまり衰えずに上陸してしまったらしい。さらに個人個人の危機意識の薄さが禍したのではないか、との考察。それに十四号だって十分すぎるほど強力。日本人は台風なれしてるってことなんだろうか?
 参考: google mapと連動させたカトリーナ被災前後比較衛星写真

  Apple、i-Pod nano発表ITmedia )。いや、なんてえか、Appleのすごさは生活スタイルの提示まで行ってしまう製品を高頻度で出すところだと思う。nanoはまったく新しいというよりi-Pod、同mini、同shuffleによるものからの方向修正くらいではあるのだけど。
  i-Pod搭載携帯ITmedia )も発表しているが、「ROKR」てなんて読むんだろう? ようわからん。

  日本にODA増額要求 国連開発計画が警告共同 )まあ、う〜ん、な話。拠出金額は国民総生産を基準にされるらしいのだけど、実際に支払われた拠出金は参考にしてるのかな? この辺は一応調べればわかりそうではあるけども……日本も拠出金額でっちあげるだけでっちあげて支払いはばっくれる?

[アニメ] 判断に困る

  落語天女おゆい公式ページ 。う〜ん、なんつーか、内容が想像もつかんというか、想像できる範囲ではへっぽこ感ただよう予想になってしまうというか。落語で敵を倒すのだろうか? パンチラなしネコ耳なし、だそうだが、ミニスカ、ピンク髪はOKらしい。つか、他のヒロインが「神楽」「討論」「機巧(からくり)」「剣客」と、古典芸能に関係ないのはどうよ。あ、神楽は古典芸能か。どうせなら「講談天女」(これはコミック版掲載社的にマズイか)「浄瑠璃天女」「和算術天女」とかやればいいのに。「泣き節お艶」でもいいですよ?
 歌丸師匠が出てくるってのはびっくりっていやびっくりだが、富士子夫人が出てくるのはもっとびっくり。「笑点」でよくネタにされてたなぁ。

  ぺとぺとさん 。う〜ん、なんか妙に漫画的になってしまったような。いや、元々漫画なんだけど(原作が漫画って意味ではない)。あいかわらずくぐるはツンデレだし、う〜ん、悪いってわけじゃないんだけど、軽くなりすぎた感じ。

  かみちゅ も、なんか微妙な違和感を感じる。和風ライトファンタジーとして一生懸命作られてるし楽しいのだけど、わずかにあざとさが気になる、と言っては贅沢すぎか。


2005年09月09日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] 自分が釣られなかった時にはここぞとばかり

 でも、それだって釣られてる、ってことだろ? って突っ込みはなし。
  のまネコ著作権についてAvex shopping arena )。参考: エイベックス著作権違反疑惑「のまネコ」のまとめ
 正直、みんな釣られすぎかと。冷静に考えれば、著作権者不明の“モナー”の著作権侵害で相手を訴えることは不可能(著作権侵害は親告罪)。逆に、avex等がモナー等を自社の著作権を侵害するとして訴えても、裁判で勝てる可能性はほぼない。無論、そうは言っても実際にそのような主張をされたら、個人相手の裁判の場合とんでもない被害を負うことになるし、商標・意匠登録されないという保証もないから不安になるのはわかる。だから、avexの対応もかなりマズくはある。最初からこのような声明をきちっと出しておけば良かったのにねえ。
 ここまでの騒ぎになったのは、ひとつにはavexのネット上の事柄に対する理解不足があり、他にはタカラによるAAの商標・意匠登録騒ぎがフラッシュバックしたからであり、ひょっとしたらavexがCCCDなどで購入者の利便性を削る方向を強力に推進したことも影響してるのかもしれない。
 まあ、avexも今後はこれに学ぶだろうし、別の意味で今回の件はちょっと興味深い。
 ネット発の作品(?)を商業ベースに乗せるという手法はこれまでにもあったが、それがパーツとしては完全に既製品のスクラッチ(よせあつめ)で、音楽に関しては著作権侵害で措置を取られてもまったくおかしくなかったものを、逆に売り物にしてしまうというあたりがとても面白い。
 もうひとつ、avexは「のまネコ」のグッズ展開を予定しているそうだが、類似商品、というかパチモノの発生をどう抑えるか、に注目する。普通なら「商標・意匠登録」だが、それをしてしまうと今度の騒ぎの蒸し返しになる。元がモナーをちょっといじっただけのものだけに、コピー商品に対しては手の打ち様がないのではないかと思えるのだけど……あ〜、でも明言したのは「AA使用を制限する処置は取らない」ことだけで、商標・意匠登録等には何も触れてないのか。この辺の言及はちと欲しいな。
 「京ぽん」の場合は商品展開を考えてのことではなく、悪用阻止的な意味合いでの商標登録だったから何も混乱は起きなかったのだけど。


2005年09月10日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] foaf

 アメリカでは都市伝説のことをこう呼んだりするらしい。語源は“Friend Of A Friend”、しばしば「友達の友達が言ってたって話なんだけど……」と、始まることが由来。
  絶対少年 #16「目に見えない巨大な何か」。
 逢沢歩、ついに登場。なんか自然に当たり前に主人公のように出てきてるんですけど……深山美紀とはあの後も連絡を取り合っていたのみならず、田菜にも何度か訪れているようで、部屋にはツーショットの写真も飾られている。会話の感じからすると友達以上、恋人未満の関係? 積極的なようで美紀も慎重だから、あの二人もそう簡単に進展しないだろうなぁ。田菜におきざりにしたわっくんとの約束のことは終わったものの、マテリアルフェアリーに好奇心以上の興味も示し続ける。歩にとってはあの晩のことはあの夜限りの「奇跡」ではなく、オカカ婆との再会をきっかけに、再び動き出す。
 一方、横浜の四人組はまっきーが暴走気味。理絵子にないがしろにされたこと、自分だけが蚊帳の外に置かれたことに対し、何か歪んだ感情を抱いてしまったよう。そのことが希紗の心を波立たせる。普段必要最低限なコミュニケーションでやりくりしていたのが、それでは吸収しきれない事態に、これまでの歪みをどんどん露呈させていく。まっきーの迷走がどう事態を混乱させるのか。
 須河原・堂丸組の情報交換により、事態の全容がある程度俯瞰される。「暖色系の光」と「寒色系の光」は最初から二種類いたらしいこと。田菜では暖色系の光=マテリアルフェアリーは癒し系で、正体不明の寒色系は人を傷つけようとした。しかし、横浜ではその印象が逆転しているらしい。そしてマテリアルフェアリーは写らない写真に、寒色系は写る……似ても非なるもの、ということだろうか。
 どうも「ブンちゃん=寒色系側の人間」として希紗が、「暖色系側の人間」として歩が立つ、という構図になりそう。単純に「希紗対歩」ではないだろうが、いずれにしてもちょっと厳しい話にはなりそう。
 今回は懐かしい面々が再登場したけども(美紀と堂丸は声のみだが)、近日中にもう一人、意外な人物も登場するらしい。昔「キッチンときみや」に下宿していたらしいのだが……

[メモ] 自家製濃縮つゆ

 昨夜深夜+1のシネマデイに行って「死霊の盆踊り」(これがまた見所がないということがどういうものかを大変よく教えてくれました)と「 スーパーサイズ・ミー 」を脇で流してて、そのスーパーサイズ・ミーにさんざん脅されたというわけでもないけども、ちょっと自家製濃縮つゆのレシピを探す。いや、前から探してはいたんだけど、気合が入ったのは事実。
 前に「寿司職人音やん」で載ってたんだけど、分量とか覚えてなくって、とか思ってたら ありました 。おおまかにレシピは同じはず。「濃縮だし」でぐぐった方がいろいろ引っかかるかも。
 市販品は加工食品ほど何が入ってるかわからないものなぁ。それに味の調整もしにくいし。自己流で前に作ったけどそれは水入れたんであまり日持ちがしなかった。これは水は入れない。その代わり、干し昆布、干ししいたけ、削り節を醤油とみりんと酒を合わせたものに一晩置く。この手順がないから上手くいかなかったんだな。
 ってワケでメモ。

[その他] こりゃキナ臭くなってきた

 昨日書いた「のまネコ問題」だけども、 コメント を貰ったりして、お返事書かなきゃ、とか思っていたら、 のまネコ問題サイトが突如閉鎖 され、しかも閉鎖後のメッセージに明確に「圧力がかかった」とあり、かなりキナ臭くなってきてしまった。同時に のまネコ総合サイト も泣いてるAAを残して消去。
 昨日までは「モナーの類似品が商標・意匠登録されるかどうか」というところが実際的な問題で、後は騒いでる側の気持ちの問題が大きいと思ってたのだけど、こうなるとavex側の意識がどうなのかというのがとても気になる……
 無論、「avexから圧力がかけられた」かは現時点ではわからない。気を回した関連会社がトラブルを恐れ、勝手に圧力をかけた可能性もないではない。が、これはネットの「祭」ではとてもまずい手ではある。なぜなら、一旦出来たものはコピー可能だ。そして、多くの人に見られたということはミラーする人の予備軍がそれだけ多いということでもある。単純に消しても消したことにはならない。実際、既にミラーがあちこちにできている。
 ここまでavexが空気が読めないとなると、商標登録等もやってしまうかもしれない。そうなると、さて、これまで以上の祭になるぞ、とワクワクしてしまう自分は根っからヲッチャーなのだなと思ってしまう。
 あ、それはそうとコメントいただいたお礼はちゃんとしておかないと。
 日本酒は銘柄自体より、信頼でき、相談できる酒屋を探した方がいいです。同じ銘柄でも年によってどころか、樽によってあからさまに味が違う場合もありますから。保存状態も大事ですしね。最低限、蔵元に行って買い付けてるお店。試飲会を開いていたり、試飲をさせてくれる店が良いです。


2005年09月11日() 旧暦 [n年日記]

[映画] ヒトラー 最期の12日間

 名古屋じゃまだやってると聞いて、あわてて見てきたわけですが。
 1942年11月、SSの将校に付き添われトラウドゥル・ユンゲは“狼の巣゛に出頭する。そこで初めて出会ったヒトラーは宣伝映画や新聞で見るのとは違う、紳士的な好々爺であり、彼女は彼の個人秘書として採用された。
 それから二年半後、首都ベルリンはソ連軍の侵攻により陥落しつつあった。首相官邸地下の避難壕の中ではナチスドイツの閣僚の誰もが敗戦を確信していたが、ヒトラーはその現実を認めようとせず、反撃の夢を見つづけている。そんな彼の妄想とも言える指令のために将校や市民は一層苦しめられる。
 そして私生活面では相変わらず紳士である彼の側には、退避を拒否し避難壕に残ったユンゲの姿もあった。
 ヒトラーは主役も含めて色んな映画で題材にされているけども、ヒトラーの秘書を勤めた女性の回顧録を元にされていて、私生活面を含めたリアルなヒトラー像を追求している。その徹底的な追及は、見る者に当時のベルリンに迷い込んだかと思わせるほど。
 本国(ドイツ)ではヒトラーや側近の人間的な描写が多い反面ユダヤ人政策等の描写が不足しているという批判もあったようだが、これは邦題どおりヒトラーの最期の十二日間とその直後のユンゲの脱出行が描かれているから、そうならざるを得ない。かと言って、ヒトラーの賞賛では決してない。逆に過度の批難的な描写の挿入なしに、同時進行的にヒトラーや首脳連の迷走とベルリンの惨劇のみが淡々と描かれる分、「事実の強み」としてメッセージが突きつけられる。邦題の「最期の12日間」の部分は、その意味では内容について良い提示になっている。(原題は“Der Untergang(転落)”)
 ヒトラーが敗戦を受け入れられず、中途半端に戦闘継続の指令を出しつづけたため、降伏も出来ず、将校や市民は戦禍の苦しみを受けつづけ、その側近たちもドイツの敗北は見えていたのにヒトラーに逆らうことは出来ず、その癖甘い見通しを抱きつづけている。その現実から逃れるために酒に溺れ、首脳部はますます機能しなくなっていく。そんな官僚的機構の瓦解が描かれる。
 一個人としてのヒトラーは取り繕っているわけではなく紳士的で、一方で「総統」としての妄想狂的な顔も晒す。ナチスの広告塔であったゲッベルスはかなり悪役的に描かれているが、それでも「怪物」ではなく、他の人物も弱い人間としての姿を晒されている。戦後、ヒトラーという怪物がドイツを誤った方向に導いた、というような見方が多くされてきた。だが、本当にヒトラーは怪物だったのか? ただ個人だったら妄想狂にすぎないヒトラーを怪物に仕立て上げたのは一体何なのか? この映画では確かにヒトラーは人間的魅力があるが、ヒトラー擁護では決してなく、突きつけているものもまた単なる批難ではない。
 ヒトラーの死に纏わるエピソードで印象的な話がある。ヒトラーが愛人(前日に簡素な結婚式を挙げていたのでこの表現は正確ではないが)エヴァと自殺し、その銃声が響いた直後、隣室で皆一斉にタバコを取り出して吸いだした(ヒトラーはタバコ嫌いだったので、エヴァを含め皆隠れるように吸っていた)、というもの。それはこの映画でも描かれているが、単にヒトラーの重圧が取り払われたということではなく、今後のことについて考えるような顔をしながらも、皆困惑したような表情のみを浮かべているところに問題の一端が如実に表されている。
 映画の最後、2002年まで存命だったユンゲ本人が登場し、「目を見開けばちゃんと見えたはずなのに」と、当時の自分への後悔を吐露する。
 何がヒトラーを怪物にしたのか。これは多分、世界の誰にとっても他人事ではない。まったく他人事ではない。

[特撮][アニメ] 井上セリフ

  響鬼 は体制刷新後の二回目。新キャラの京介の言葉から、母と離婚した父のことを意識した明日夢が、父に会いに行く。かなり強引なロケーションとか、行く先々で明日夢の父のことを誉めてる話を聞くのはご都合主義的すぎてちと苦笑なんだけども、犬小屋の下りはさすが井上敏樹氏、という感じ。こういうの上手いんだよなぁ。
 色々変えてしまってる(変えざるを得ない)状況だけども、ちゃんと大事にしてる部分ってのはあるのがわかって、安心。
 それと、脚本のクセが強いんで井上氏に批判が集中しているようですが、多分勘違いされてる方が多いと思いますが、井上氏はシリーズ構成ではないのですよね。好き嫌いはもちろんあるのが自然だし、それはいいのですが、そのことに対し「戦犯探し」をすること自体にはそもそも意味がないと思えるのですよね、状況を分析すると。
 でも最後の京介の「お前は俺のものになる!」は井上セリフすぎてワロタw

  エウレカセブン 。1クール目はお気楽に、2クール目は徹底的に突き落とす、という構成なのはわかるけど、やはり今更「人殺し・戦争をやってる」と自覚するのは、遅すぎるというか強引かと。ともあれ、レントンは居場所がなくなり家出、エウレカはレントンにこれまでと違う感情を抱いて戸惑い、新OPに出ていた新キャラも登場、お話は確実に転がってる。
 それにしても月光号に乗ってるのはダメ人間だらけってのはわかってたけど、今回はホランドが子供すぎ、というか、ボダラクが言っていた「エウレカがああなった原因」って、レントンじゃなくってニルヴァーシュだろうに……

  ゾイドジェネシス 。決起を決意したラ・カンは各地の反ディガルド勢力に檄文を飛ばす。ルージは街に残りハヤテライガーを使いこなすための修行を続けるが、かつてのラ・カンの腹心でもある灼熱のティ・ゼへの使者に立つことに……
 地味目の話だけど、二度目のハヤテへのエヴォルト、ディガルド四天王の一人・フェルミの登場と、それなりに見所も。ゾイドファン的にはブラストル・タイガーの登場も嬉しいらしい。今回は出ただけだけど。
 他には相変わらず妖しげなロンに、セイジュウロウの病状、ルージがラ・カンの檄文執筆を手伝うのを嫉妬するレ・ミィが、ラ・カンはルージをミィの婚約者にするつもりかもしれないと言われて一転動揺しまくったりとかのツボもはずさない。
 ミィのお婿さんに、はどうかはわからないけど、ルージを反ディガルドあるいはディガルド後の後継者として育てようという腹積もりはあるのだろうなぁ。


2005年09月12日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] どっちにしてもなぁ……

 昨日の選挙は自民党が300議席に迫ろうかという圧勝で、今回自民党を支持してた知人とかも喜んでる人が多いのだけど、個人的には浮かれてると言っていいほどの喜び方には違和感がある。私にはできない。
 まあ、民主政権には多大な不安があったので、その意味では良かったと言える。でも自民圧勝というのも行き過ぎと言うか。
 物事には何事につけ良い面と悪い面があるので、悪い面があることばかりを嘆いていても仕方ない。まあ、自民が圧勝したおかげで連立政権における公明党の影響力が小さくなったと思えることは喜んでおこう。
 民主党においては、戦略をかなり踏み違えたとしか言いようがない。昨年の選挙であれだけ岡田民主党を持ち上げてたマスコミって一体なんだったんだろう?
 自民の造反組は、ひたすら読みが甘かった。小泉首相の思い切りの良さはこちらの想像を上回っていたけど、 野田聖子議員が復党に色気を出したが武部幹事長ははっきりと切り捨てると言ってのけている毎日 )のは、造反組の読みの甘さをよく映し出している。
 来年の九月以降の小泉続投待望論も出てるけども、個人的には任期ですっぱりと降りて欲しい。私が小泉不支持ということではない。

[マンガ][アニメ] ちょっとペシミスト入ってるかも

  マンガと差別問題「エマ」漫棚通信ブログ版 )。う〜ん、言わんとすることはわかるし趣旨自体は正しいのだろうけど、騒ぎすぎ、という気も。「差別を刷り込むことになる!」的に、大騒ぎすることだとは思えない。差別を助長する意図がないのはわかってるのだから、出版社への連絡もしくはもう少し大人しめの論調に留めることはできなかったのだろうか?

  ローゼンメイデン・トロイメント公式サイト 。「CBCで今秋放送決定!」はいいのだけど、その前に前作をちゃんと流そうよ……orz

[特撮] ちょっと調子こいて私も

  戦わなければ生き残れない!電網山賊さん )で響鬼(というより高寺ライダー)と白倉ライダーの違いを明確に分析してらっしゃるのを見て、ちょっと感じることを。
 まず、私はロールタイプのヒーローというのは、好みではない。これは個人の嗜好だから仕方ないし、響鬼に対して共感を抱かなかったのもその為。
 しかし好き嫌いを出来る限り排除して分析すると、響鬼は社会人、特にお父さんがたに共感されやすい像なのもわかる。
 響鬼は「仕事は人助けのようなもの」と繰り返すが、実際の魔化魍退治は害鳥獣駆除に近く、確かに被害を防いではいるのだけど直接人々の危機に陥ってるところを救うという場面は少ない。また、被害が出てることに対し感情を表に出すこともあまりない。これって言ってることとやってることがちがくない? と一見思えるのだが、実はそうではない。響鬼にとって「魔化魍退治」は「仕事」であり、「人助け」はその仕事についた「原点」にすぎないということだ。
 「にすぎない」と書くとあまり大事でないように思えるが、実際仕事における原点って、大事な指針であっても、業務のやり方そのものの直接的な指針ではないんじゃないだろうか。あくまで方向性、原理。
 この見方をすると、響鬼が何故ああいう造りをしているのか、非常に納得がいく。どうして基本的にルーチンワークなのか。敵が大した強さでなく個性がなくてもいいような造りなのか。何故明日夢が魔化魍退治にあまり付き合わないのか。
 響鬼の中の鬼ってのは、実は「ヒーローという職業人」ということ。番組の構図としては「職業人としての先輩・お父さんの背中にあこがれる後輩・子供」になる。だから、特に明日夢が弟子になる必要もない。あこがれてるのはその「人」であって職業自体ではない。
 人里から離れたところにばかり魔化魍が出現する舞台を整えてるのも(例外はあるが)、妖怪が出そうなところという以外に、職場という一種外部との隔絶環境を再現していると考えられる。
 こう考えると、響鬼ってのはちゃんとそのコンセプトに則って作られている。
 だから体制刷新後に不満を持つ人の気持ちもわからなくはない。こうした構図が崩されているのだから。
 ただ、刷新後のスタッフが色々制約がある中でどれだけエッセンスを残していけるか、というのは興味深い。
 今週の回で明日夢の父親を出し、職場を追いかけさせて職業人としての父親を投射し、明日夢と父親(的存在)の関係を再構築したのは、なんとか上記の構図を出来る限り取り入れようとする模索に思える。(そのままの形で継続することは不可能なのは自明なため)
 上の電網山賊さんにもあるように高寺氏と白倉氏はベースのヒーロー観が全く異なるので、不安材料が大きいとは言えるけども、こういうサンプルは珍しいので観察対象として興味深いのは間違いない。


2005年09月13日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] かくも選挙は難しい。

 次のようなものを見かけた。
  自民党・・・女は騙してなんぼ。ちゃらちゃら遊び人

  民主党・・・女の顔色うかがってばかりのモテない君

  公明党・・・優しい笑顔で近づいて、薬を飲ませて・・

  共産党・・・真面目一徹、最後に女が戻ってくる場所
 最後の、ちょっと理想を込めすぎじゃありません? 次のように書き換えるべきかと。
  共産党・・・頑固一徹、ただし生活力は全くナシ
 誰を選ぶか、難しいところだよね?

[その他] 徴兵制?

 ちょっと若い子達が「憲法九条が変えられて自衛隊が軍になったら、徴兵制が復活するからヤだよね」と素で話してるのを小耳にはさんで、ずっこける。
 アホちゃうか。
 前もって言っておくが、私は自衛隊の名称変更の支持者ってわけじゃない。名前よりももっと色んなこと充実させろよ、とは思うが。
 「軍の呼称が復活すると徴兵制も復活する」なんてのはちょっと考えればありうるはずもなく、単に自衛隊に反対したい勢力が打ってるだけのゴシップ(それも実現しようのない都市伝説的な)であることはわかるのだけど、うまうまと乗せられちゃってそれに気付いてないんだねえ。
 ま、今度機会があったら「アホちゃうか」と「それがどれくらいあり得ない絵空事か」という辺りを説教してやろう。ウザがられるだろうけど。

[必殺] 気がつかなかった

 月曜日(12日、つまり昨日)よりTV東京系昼「時代劇アワー」(AM11:30〜)にて「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」が放送中。これまでからくり人を飛び飛びにやってるから絶対やるって思ってたのにうっかりしてた!
 まあ、DVD持ってるんでフォローできますけどね。
 ちょっとこれまでのシリーズと比べてもなぁ、という感は強いのですが、沖雅也の演じる最後の必殺レギュラー(スペシャルを除けば)「唐十郎」はこれまでの集大成。北斎・お栄親子もいい味を出している。


2005年09月14日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] ××××道不覚悟切腹よ♪

  号外 衆院選2005を斬る!社会派君が行く! )。村崎百郎氏と唐沢俊一氏の論調の対比が面白すぎる(笑)。私が共感するのは、言うまでもなく唐沢氏だけど。村崎氏の吐く気炎も「日刊ゲンダイがグチのはけ口にしてるようなら大丈夫」で一発キャンセルだものなぁ。
 が、注目したいところはそこではなく「民主主義道不覚悟」の一言。民主主義ってのは確かにそういうもの。悔しがろうがホゾ噛もうが構わないけど、結果が出る前にそれに同意したなら自分の思い通りにならなかったからという理由で後からシステムを否定してはダメ。
 今回喜んでる側(自分も含む)も、立場が反対だったらどうだったか。民主主義道不覚悟にならぬよう、気をつけねば。
 あと、個人的には民主主義において一番危険なのは独裁者になろうとする人物ではなく、民衆の英雄待望論だと思います。

 床屋政談ついでにもひとつ。前に対中国、っつーか靖国参拝関連 *1 のことで話してて、中国市場進出の障害になるからやめるべきだ、と言われた話まわりで喧々囂々してたら「今さら鎖国でもするのか!」と言われ、ハァ? となってしまったことがある。いや、私も対韓国、中国については色々感情的に物を言ってきた過去があるから誤解されても仕方ない非はあるのだけど、そんなことは一言も言ってないしむしろ逆。その為にはシーレーンの確保(とか)が重要で、米国との軍事協調支持の意見とかも全部そこらへんからの必然に過ぎない。中国とは仲良くする必要がないと言ってるわけでなく、別に必要以上に媚びることもない、と言ってるつもりだったんだけど……
 こんな話を急に思い出したのは、今回の選挙結果を受けて 中国紙「有権者が靖国参拝支持したわけではない」日経 )と、おそらく中国内向けのコメントが見られたため。あまり油断できるわけではないし簡単に靖国云々を引っ込めるわけにも行かないのだろうが、中国も日本との関係悪化(特に経済方面の関係)を望んでいるわけでもなく、その為のフォローだろう。
 まあつまり、中国はツンデレ、ということで。
*1: 私の立場は「しなければならない」とは思わないが、他国がどうこう口を出す性質のものではない、というもの。

[その他] これも演出?

  立っているのも難しい台風の中で必死に中継。でも、画面が切り替わる直前に……??  種明かしすると、 レポーターが台風の中で必死に風に抗ってる演技をしてただけで、画面がまだ切り替わってないのに気付かず画面が切り替わったと思ったとたん、何事もなかったかのようにすたすたと画面外に歩いていってしまった。腹が立つより先に、コントのようなシュールさにすげー笑った。

[必殺] 駿州片倉茶園ノ不二

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第三話。
 殺しの依頼の隠された北斎の富嶽百景に従い、駿州を訪れたお艶一行。絵の題である「片倉」を捜し求めるが、そんな土地はどこにも見つからない。それもそのはず、片倉とは地名ではなく小島藩にある茶問屋の屋号だった。
 小島藩はお茶以外の産業も特産もない貧しい小藩。その小島藩の茶が将軍家の御飲用になるかもしれない、という。現在御飲用である宇治から茶を運ぶ御茶壷道中、その責任者である玉木千阿弥が口入を申し出ているのだ。もしそうなれば藩の待遇は上がり、藩も領民も潤う。しかし、そんな千阿弥に切りかかろうとする若侍がいた。
 お艶たちは若侍が口にしていた「琴路」という名前をたよりに事情を探ると、御飲用採択にまつわる悲惨な話が明らかになっていく……

 一話・二話については後日DVDでフォロー予定。
 軽くシリーズの説明をすると、シリーズ第十一弾「新からくり人」の直接の続編、ということになっている。が、キャラクターとして共通しているのは泣き節お艶のみ。キャストとしては芦屋雁之助も登場しているが、「火吹きのブラ平」ではなく「宇蔵」というキャラクターである。
 お艶一座の「東海道五十三次殺し旅」の評判を聞きつけた殺し屋の元締め・永寿堂与八が手下である唐十郎を通じ、「富嶽百景」に隠された殺しを依頼するというもの。
 いろいろ安易な企画、という感は免れえず、シリーズ中での評価も微妙。
 詳細は後日書く一話に譲るとして、今回は権力者に翻弄される小藩の悲劇が描かれる。茶壷道中というのは「ずいずいずっころばし」に出てくる「茶壷」のことで、「茶壷に追われて戸、ぴっしゃん」とあるように、将軍家御飲用の茶壷を輸送する一行は、下手な小藩の大名行列など比べ物にならないくらい恐れられていた。粗相などしようものなら勿論切り捨て御免。(だから童謡の中では触らぬ神とばかりに「追われて逃げてる」) しかしそれだけに御飲用になればその待遇はひとかたならない。
 武家の子女までも総出で茶摘をせねばならないほどの小藩・小島藩家老玄蕃はそのために娘まで差し出し、それが原因で娘が自害することになっても忍従に忍従を重ねる。実際には千阿弥にそのつもりは毛頭なく、千阿弥に取り入ろうと片倉屋が吹き込んだ悪知恵なのだが、疑いつつも藩と領民の為と耐えに耐え、千阿弥を討とうとする若者たちを抑える。しかし、もう一人の娘が妹の敵を討とうとして返り討ちにあったとき、玄蕃はついに腹を決める。
 どうしてあんな方法を取ったか、というのは、玄蕃自身が斬ればお家の断絶にまでなってしまうことは明白だからだろうし、お艶一行の目的を察しながらも泳がせたのは、そのときのためだろう。この話の見所が玄蕃のひたすらの忍従、そして最後の解放にあることは間違いない。
 殺しのシーンとその演出もこの時期の必殺は完成の域に入っており、勢いのある流れの良いシーンになっている。木陰の中でのお艶のシルエットの殺陣や、唐十郎の優美で勢いのある動き、宇蔵のユーモラスな力技と、バランスも良い。


2005年09月15日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] そんなものを買うならば

  ほっとけないホワイトバンドますますほっとけないホワイトバンド (共に 井上孝司の週刊連載コラム )。ちょっと論調が攻撃的だけども、私のホワイトバンドに対する考え(「何の意味もない」)も基本的にこれと同じ。若干違うのは、 ここらへん を見るとボランティアにかこつけ宣伝費やらを節約させた商活動と見た方が良さそうだ、ということか。
 「募金活動なんて言ってませんよ? あくまで政治活動で賛同したら買ってくださいって言ってるでしょう?」とちゃんと逃げ道が用意してあるところが周到。結局は何の活動にもならず、「情報」を購入者に消費させることで利益を得ているだけだろう。
 まあ、消費者側も冷静に考えればコンビニに並んでる中国のおばちゃんの技術の結晶であるフィギュア付食玩だって250〜350円程度で普通に利益が出てるのに、あんな輪っかくらいでいっぱいいっぱいなんてありうることかどうか、わかりそうな気もする。だったら食玩の方を買うけどね。
 追加:もう少しだけマシなのは、第三世界の地域紛争関連の少しくらいはまともな本を買う足しにすることだ。本を読んで理解した気になるのは危険だが、読みもせずに理解した気になる方がもっと危険だ。
 追加2:敢えてわかってて皆言わないのだとは思うが、この手の運動は「無駄」である。無駄とわかっていても、何かしら行動したい、という祈りのようなものだ。そして誰かがそれを食い物にして金儲けの種にしている。そゆこと。

[その他] ヌヌネネヌヌネノ

  奥さまは魔法少女 。実質上のシリーズのクライマックス、かな? 保は嬉子から世界の真実と彼女の正体を聞かされ、すべてを受け入れる。この辺、大人だねぇ。嬉子は最低限巽が助かるようにと逃がした後、一人でワンダーランド消去に抗う。さやかは「こんなことで終わらせたくない!」と、戻ってきた巽と共に嬉子に加勢する。
 嬉子が自分ひとりで世界を守るという頑なさをどう打ち破るのか、さやかが「したいこと」をどう見つけるのか。この話の収束するところはほぼそこに集約されるだろう。嬉子が他人にゆだねるということを知り、さやかも世界を守りたいという気持ちが嬉子の行動と重なったとき、受継ぎは完了する。
 先日書いた響鬼と明日夢の関係では導き手は「立派な大人」(という役どころ)なのだけど、「必ずしも立派でない大人」でも導き手になりうる、と示した技量には感服する。 *1
 次回は嬉子が評議会に直談判に行く。けど、後二回あるんだけど、実質キャラクターの問題はほぼ解決してしまった状況でどういうふうに話を進めるんだろう?

  かみちゅ! #8。海に沈んだ戦艦大和(の魂)を帰還させる、という話なのだけど、正直、自分としては乗り切れなかった。それは作品側のせいかと言われると、多分違うけど。
 福野礼一郎氏の「ホメずにいられない!」「同2」で、タイトルに関わらずホメていないものが二つある。三八式歩兵銃と、九十式戦車だ。その工業製品としての素晴らしさやそれを作り上げた人たちへの敬意は勿論書き綴りながら(氏自身そういうものが大好きな人らしい)、「しかしホメるわけにはいかない」と締める。
 何故か。それらの物としての役割、機能、それに纏わる営みを考えた時、そこには「戦争」というものが絶対外す事が出来ないからだ。だから、素晴らしいものでも単純にホメるということがおいそれと出来るわけもない。その必要性と素晴らしさを認めつつ一方での本質も提示する。氏ならではのバランスなのだろう。モノに罪はない。出来は素晴らしい。必要でもある。しかし生まれの不幸、とでも言うのか。
 #8を見て、どうしてもそのことが念頭から離れなかった。スタッフのせいではないだろう。が、知ってしまえば「ただ賞賛する」ということが安易に出来なくなる。「物」は結局人と関わってこその「物」であり、自分はその関わりの一面だけを見る事を無責任に感じてしまっている。
 「いい話(人情話として)」なのはわかるしその意味では良くできてるだろう。こだわってしまうのはこちら側の要因に過ぎない。だが、今回は敢えて評価する事を放棄する。良いとも言わない。悪いとも言わない。

 とりあえず重い話題で終わるのもなんなので、 (゚∀゚)ラヴィ! ということで。
*1: 「立派な大人でない」ことを批難する感想が多いけど、「人間ってそんなに立派になりきれるものじゃないでしょ、でも立派になろうとするから立派たりえるんでしょ」と私などは思う。

[必殺] 神奈川沖浪裏

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第四話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 絵に従って「神奈川沖浪裏」に描かれた相模の浜にやってきたお艶一座。丁度その目の前で漁師たちが何者かが殺される。殺されたのは相模の網元魚辰の若い衆で、魚辰と向こうを張るもう一つの網元魚甚が真っ先に疑われるが、魚甚は自ら出向いて潔白を訴える。
 魚甚は本当に無実なのか、誰か他の者の計略なのか、それを探るために江戸でこの不漁で儲けたのは誰か、お艶は唐十郎に江戸へ行って探るよう頼む。
 実は今回の件を裏で糸を引いていたのは大問屋の上総屋。しかし上総屋は今回の件に唐十郎が絡み自分を狙っていると知って顔色を変える。唐十郎と上総屋には過去の因縁があった……

 見届け役ということもあり仲間内からは白眼視されがちだった唐十郎の主役回。
 これまで元板前だとか元役者だとか言われ、あくまでサポート役だった唐十郎だが、今回、許婚を勤め先の主人に手篭めにされ、その恨みで闇の世界に転落した過去が明らかにされる。その主人が何の因果か今度の黒幕・上総屋。上総屋は相模の漁を邪魔する事で、初鰹の相場で暴利を貪っていた。
 最初は網元同士の争いかと思われた話は、横恋慕により許婚も板前としての未来も失った唐十郎と唐十郎に殺されかけた上総屋の二人の対決にスライドしていく。これまで情を表に出さなかった唐十郎が人間味を見せる反面、案外と過去のしがらみの描写が薄く物足りなさも覚える。上総屋の女房にされた元許婚がもっと話にからんでいれば、とも思うが、話がスライドしたせいか、唐十郎の過去話が詰め込まれすぎたせいか、その余裕はなかったようだ。しかし元許婚の横に眠る上総屋を顔色一つ変えずにしとめる姿は、隔てられた年月を感じさせ、唐十郎のキャラを立たせる話という意味では、十分及第点ではある。
 でも最後の殺しのシーンで主題歌「夢ん中」を流し、その直後に間を空けずにもう一度エンディングで「夢ん中」を流すのはちょいとどうかと。一番と二番で通しにするわけにはいかなかったのかなぁ。


2005年09月16日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] 本当だったらお笑いネタだが

  「カトリーナはヤクザの仕業」 米天気キャスターが発言産経 )。一応 海外のニュースフラッシュにも流れている が、流石にこれは笑っていいだろう。台風ゆりえか?

[必殺] 本所立川

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第五話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 次の仕事は本所立川。絵をあぶると川の水が赤く浮かび上がったのに、一座は皆首を捻る。
 その本所立川では、「おいてけ堀」と河童が出るとの噂で持ちきりだった。
 探索する宇蔵と鈴平は怪しげな少女を見つけ、一座に連れ帰る。しかしその夜、宿に河童の格好を何者かが現れ、少女を連れ去ってしまう。それを追った宇蔵たちは、河童の格好をした少年少女たち、そしてその保護者らしい老人と出会う。
 隼の俊次と名乗るその老人は、子供たちを食わせるために子供たちに河童の格好をさせて魚泥棒をしていることを明かす。悪人ではなさそうと判断した宇蔵たちは老人たちを突き出すのはやめるが、子供たちにまっとうな生活をさせようという俊次は、旗本の神尾と手を組み、大仕事を行う。しかし……

 今回から諸事情によりうさぎ役が高橋洋子から真行寺君枝に変わっている。高橋洋子のうさぎは野暮ったさのやや残る娘っぽさがあったが、真行寺君江のうさぎはエキゾチックさをどこか漂わせるものとなっている。
 それはさておき、今回は親方から逃げてきた軽業の子供たちと足を悪くした老盗賊が描かれる。
 老人は火盗改めに追われ足を怪我したところを子供たちに庇われ、子供たちは軽業の親方から逃れ行き場のないところを老人に養われる。寄り添うように生きる彼らが、はかない夢をかなえる為に出た一世一代の大仕事が、悪人の手により踏みにじられる。
 あくまで子供たちを守ろうとする老人、老人を慕い、離れようとしない子供たち。泥棒は悪い事だが、老人には他に子供たちを養う術はない。そのことをわかりながら、お艶たちは無垢な子供たちが染められ、裏街道に踏み込んでしまう事を懸念する。
 間違ってる事は知りつつも他に方法を知らない一本気な老人、そしてその顛末と子供たちの未来を正すからくり人たちと、綺麗にまとまっている。それも闇の世界に踏み込めば、二度と戻れないことを知ればこそ。
 殺陣のシーンはいつもに増して闇と光のコントラストを際立たせている。花火を使ったケレンのある演出、遠近自在の唐十郎の立ち回りと、今回も魅せる。

[マンガ] OURs増刊HELLSING外伝とか

 昨日出てたのでとりあえず購入。ついてたOVA版「HELLSING」のプロモーションビデオは、まあこれだけだと判断しづらいところがあるけどTVアニメでは未登場だったあのキャラやらこのキャラやらがバッチリ登場していて、しかもできるだけ平野絵の歪み方を再現しようとしてて、そこらへんに期待。CGっぽさが勝ち過ぎるきらいはあるけど、実物だともうちょっと変わるのかな?
 週刊少年チャンピオンでこないだから始まった藤見泰高原作、カミムラ晋作作画の「サイカチ」はあからさまに「ムシキング」人気の便乗企画なのだけど、ブレーンがついてて虫の習性やら生態やらをきっちり盛り込んでるのが好印象。作画のカミムラ氏は新人賞出身らしいけど、まだ未完成ながらも虫を描く画力はきっちりあり、ちょっと期待したい。
 漫画ゴラク連載の土山しげる作「喰いしん坊」は相変わらずただ「喰う」ということがひたすら描かれるだけなのだけども、大食いの(多分読者にはほとんど実利がない)ウンチクノウハウのケレンを利かせながらもひたすら「喰う」というだけの行為がエンタテイメントになってしまうという稀有な作風になっている。「食キング」とかの時は正直狙ったB級すぎて個人的にはそんなにだったのだけど、どこかの雑誌別冊で大部屋時代劇役者の実録モノを描いたのを見たとき、ちゃんと人間を描ける人なんだ、とちょっと驚いた。際物っぽくはあるんだけどこういう変化球ながらも純エンタテイメント的なこともできてしまい、まあ、ストーリーテリングとしてはあまり期待してないながらもこの喰いっぷりが見られるだけでしばらくはいいや、などと思えてしまう。
 この辺は業界全体の漫画の技術が上がったのかスタイルが変わったのか、グルメ漫画もただ「食べ物をリアルに描く」「ウンチクを載せる」だけでは今一歩で今一定の支持を受けているのは「喰いっぷりがいい」「ドラマの完成度が高い」など、さらに付加価値のあるもののように思える。ちょっとした情報などは、簡単にネットで露出する時代になったし、「美味しんぼ」などは、その方面では時代に取り残されてるなぁ、という感は否めない。


2005年09月17日() 旧暦 [n年日記]

[必殺] 江戸日本橋

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第一話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 江戸に、家財道具を満載した大八車を引く女と、それを押す老人の姿があった。老人の名は葛飾北斎、女はその娘おえい。引越し魔の北斎はひとつところに居つくということをせず、仕事もろくにはかどらない。そんな北斎に声をかけたのは版元の永寿堂与八。裏の世界にも通じる永寿堂は、安藤広重の仕組んだ「東海道五十三次殺し旅」のことを知り、自分も同じコトをしようと北斎に「富士の絵に殺しの相手を織り込んで欲しい」と依頼する。永寿堂は五十三次があれだけ売れたのは庶民が殺しの臭いを無意識に嗅ぎ取ったからだと睨んでいた。
 一方、一年前にその「五十三次殺し旅」を終え江戸に帰ってき、「出雲太夫」と名を変えたお艶たち一座。しかしまたもや風俗紊乱のかどでお上に睨まれ、江戸追放の憂き目を見る。そしてお艶一座に声をかける永寿堂の手下の唐十郎と名乗る男。いろいろあって唐十郎以外の手先がいなくなった永寿堂は、お艶一座に「富嶽百景殺し旅」を依頼する。その見届け役として、唐十郎を一座につけることになった。
 富嶽百景の一枚目「江戸日本橋」の蔵の立ち並ぶ川岸、心中を描きたいからとそこに心中を見に来た北斎は、津軽じょんがらの瞽女が蔵に連れ込まれ、逃げようとした瞽女の一人が殺されるところを見てしまう。逃げようとした瞽女の三味線からこぼれた白い粉、それは間違いなく阿片だった。
 お艶たちに届けられた「江戸日本橋」の絵をあぶると「井」の印のついた蔵が真っ赤に浮かび上がる。それは津軽の米問屋、井筒屋の蔵だった。

 必殺シリーズ第十三弾として企画・制作され、第十一弾「新必殺からくり人」とは直接の続編。裏の世界の東海道五十三次殺し旅の評判を聞いた永寿堂が、今度は「富嶽百景殺し旅」をお艶たちに依頼する。しかし、「天保太夫」から「出雲太夫」と名を改めたお艶以外は、キャラクターは一新。前作でブラ平を演じた芦屋雁之助は「宇蔵」という、特製のやなを相手の頭にかぶせ、頭蓋骨を絞り殺してしまうという技を見せるキャラになっている。小駒の姿も見えず、どうなったのかは不明。高橋洋子演じる(五話からは真行寺君江)「うさぎ」がそのポジションになっている。第三話で「一年前に娘を失って〜」と被害者に近付く際に身の上話をしているが、それが小駒なのか、近付くための嘘なのかは明らかにされていない。他には、声帯模写芸の江戸屋子猫演じる鈴平が探索役。気が弱く、コメディリリーフの役どころを担っている。
 また、富嶽百景殺し旅となっているが元にされているのは富嶽三十六景の方で、その上梓は天保二年、広重の東海道五十三次の上梓は天保四年で、年代的にもちょっとおかしい。
 考証の甘さの他に、BGM・主題歌もシリーズ第十二弾「江戸プロフェッショナル必殺商売人」のものをそのまま流用しており、企画としてはかなり安作りの感は免れない。
 が、同時にこの時期は殺陣・演出などの必殺のスタイルが完成・円熟の域に達しており、シリーズ中でも高レベルに位置している。また今作が三度目のレギュラー出演となる沖雅也演じる「お役者唐十郎」は「必殺仕置屋稼業」の市松をさらに完成させたようなキャラクターで、殺しの為にあつらえられた、先端に針を仕込んだ伸縮自在の釣り竿で、華麗な殺陣を魅せる。
 サブキャラとしては、小沢栄太郎演じる葛飾北斎も強烈なキャラクター。安藤広重は理性的で、世の非道を絵に隠しお艶一座に殺しを依頼していたが、葛飾北斎は世の非道や犠牲者も絵のモチーフに過ぎず、オランダ製の絵の具のために仕事を引き受けたに過ぎない。絵のためなら吉田日出子演じる娘のおえいまでも女郎に売り飛ばそうというこの絵狂いぶりは、最終回、自らの死も省みず一心不乱に筆を動かし続ける鬼気迫る姿に集約されている。 *1
 惜しいのは永寿堂与八で、第一話で「富嶽百景殺し旅」を依頼した裏には何かありそうな含みを持たせていたのだが、結局シリーズではそれが明かされる事なく、中途半端に終わってしまう。
 第一話の流れはほぼ「新からくり人」第一話の焼き直しだが、これらの強烈なキャラクターの彩りもあって、見ていて飽きないものになっている。
*1: 北斎・おえい親子は仕事人スペシャル「大奥春日野局の秘密」でも登場しているが、こと際は北斎が東野英次郎、おえいが黒木香という配役だった。


2005年09月18日() 旧暦 [n年日記]

[アニメ] あ〜、こんなところにいた

 昨日、H氏、O氏と話していて、「兵頭まこって今何に出てるの?」という話になった。「アギトで怪人の声を当ててたけど(全然最近ではない)、他になにか最近見た気がするんだけど……」と首を捻ったが、今日判明。
  ゾイドジェネシス の敵の幹部・フェルミ役で出てますた。全然気が付かなかった。

[特撮][アニメ] こんな人、いるいる

  響鬼 。布施明が演じる小暮が引っ掻き回す引っ掻き回す。あちこち見ると評判悪いんだけど、個人的には大笑い。こういう人、確かにいるよなぁ。天才的だし、確かに専門分野においては有能なんだけど、ひたすら独善的で周囲を引っ掻き回す、組織にいるとはた迷惑な人。その癖憎めないので余計にたちが悪い。(笑)
 あれ? これって響鬼の制作体制になぞらえると……とちと考えてしまったりするが、それはさすがにうがちすぎか。
 今回は会社的組織が内外でひたすら引っ掻き回される内容で、内部の話はそんな迷惑な人はちゃんと鎖でつないどけよで済むのだけど、外側の話はどう解釈すべきか。これまで童子と姫は男女の声を入れ替えて人格性を担わせつつ人外性を持たせていたのだけど、それがなくなったというあたりがまだ判断できない。

  エウレカセブン 。このけったいな構成の意味はなんだろう、と思っていたけど、今回見て納得。少年が世界に飛び出て行く話、というのがシリーズ全体での一つの軸なのだけど、ゲッコーステートはひとつの閉じられた世界で、レントンに世界のあちこちを見せる舞台としては成り立ちにくい、ということでこういうシチュエーションを持ってきた、ということか。いろいろ無理は感じるのだけど、では無理なく構成したらどうか、と考えてみると、間口として別世界が前面に出て、おそらく意図から離れてしまうだろうとも思える。必然性はやはりあるのだろうなぁ。
 ビームス夫妻の名前って、チャールズとレイか。

  ゾイドG 。ザイリンは故郷の変わりようをまざまざと見せ付けられ、ラ・カンの元には各地の反ディガルド勢力が結集するも、今後の不安を感じさせることになる回。
 ザイリンの村も昔ディガルドに征服され、ゾイド乗りとしての才能を見出されたザイリンは軍に徴兵されていた。そして久々に帰った故郷は変わり果て、かつての景観は見る影もなく、人々もまた変わっていた。これはザイリンの今後の行動に影を落とすのか、落とさないのか。
 一方、ラ・カンの元に集まった連中はそれなりに腕自慢ではあっても山出しの烏合の衆丸出しで、統率が取れない以前の問題。到底統率の取れたディガルドに対抗しうるとは思えない。しかもその統率のなさのために崩壊すれすれの勝利だった事がラ・カンたち以外にほとんど誰も見えていない。壊滅と敗走が約束されたかのような展開だが、今後どうなるのか。
 また、四天王の一人「ソウタ」が登場。年齢はルージたちと同じくらいなようだが、こちらは子供ゆえの残虐性を持ったキャラクターっぽい。


2005年09月19日(月) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 隠田の水車

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第二話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 北斎の絵に従い隠田にやってきたからくり人一行。しかし絵を火にかざして浮かび上がったのは絵の隅っこにあるひもにつながれた亀。また何の娯楽もない小さな村に生糸商人がこぞって泊まることに、疑念を覚える
 一方、村では若い娘が二人、神隠しに遭うという事件が起こっていた。実は大寒の小島、庄屋、寺の和尚が結託し、商人たちの女遊びに村の娘をあてがい、その後は遊郭に売り飛ばすという真似をしていた。
 そんな神隠しにあった娘の一人おたねを探す若者亀吉が地回りに袋叩きにされているのを助けた宇蔵。神隠しと依頼の件とが関わりがあるのではないかと睨むが、遊郭に売られたおたねを見つけた亀吉は、翌日おたねと一緒に首を括った姿で発見された。
 和尚たちは悪事隠しと邪魔者の始末をいっぺんにしようと、娘たちの神隠しはお艶たち一行の仕業と村人を炊きつけ、小屋を襲わせようとしていた。

 「富嶽百景殺し旅」全話に言えることなのだけど、わりと絵のヒントがどれも強引。手下の唐十郎もいるのだし、これで殺しをさせるより、直接依頼内容を伝えた方が余程手っ取り早いと思えてしまうのだけど。「様式美だからそれは言いっこなし」と言ってしまえばそれまでなのだけど。
 判じ物としても強引で、お艶一行が様子を伺っているうちに犠牲者が増えてしまった感は否めない。ただ、扇動された暴徒から身を守るために鈴平の泣き真似が大活躍したりという場面は見所。超聴力と言い、能力だけなら最強クラスの諜報屋じゃなかろうか。そしてやはり殺陣は豪快かつ洗練されていて、後期のルーチンワーク化されたものや前期の荒々しくマニア向けの殺陣の間に立つ過渡期のもので、やはりバランス良くレベルが高いとうならされる。

[アニメ] いじめっ子理論

  絶対少年 #17「それは関与できない問題」。
 奨励会の昇段試験の件で、希紗に不安を打ち明ける成基。やはり成基にとっては「普通でない事」を相談できる同世代の相手は希紗しかいないのだろう。が、その直後に理絵子に希紗の不登校のことを相談された時には不快感を示す。理絵子は希紗を心配すると言いつつ、希紗を「普通」の枠に当てはめようとしていると感じているのだろう。理絵子は「普通」の枠の中で生きていける人間、自分がその中にいることに安心する人間だが、成基は理絵子から見れば「普通」ではない生き方を選んだし、希紗もまた、彼女なりのやり方で自分の価値を見出していくしかないのだが、自分の基準で全て当てはめようとする理絵子の行動は、成基たちから見れば無神経極まりない。
 成基が理絵子の言動を「いじめっ子はいじめられっ子に問題があるって言うよな」と評する言葉は辛辣であるが、事実を突いてはいる。成基や希紗から見れば、理絵子の基準は結局学校で希紗をいじめている連中と変わりはない。「自分が変わらなきゃ」って安易な言葉は「今のお前には価値がない」って言われているのも同然なのだと、彼女らは気がつかない。
 成基はそうは言いつつも他人と自分を比べてイライラしている自分に気付き、そうではなく自分が何をしたいのかが大事なのだと、将棋の世界で生きていくからには自分を見失わない事が必要なのだと気付き、「りえぞーにはわからないし、わかる必要もない」と(多分悪気もなく)言い放ってしまい、それがまた何かをこじらせそう。
 理絵子は「普通」という殻の中に身をおき、それは学校という社会の中では居場所のある殻であり、ひょっとしたら今後も別の殻に次々乗り換えていくのだろう。だから成基は理絵子はそういう悩みは理解できないし理解する必要もない種類の人間だと思ったのかもしれないけど、刺激と希紗に対する疎外感は一層深まったよう。
 次回はついに希紗と歩が接触する。


2005年09月20日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] Operaバナー広告撤去

  Operaプレスリリース より。
 なんだ。こないだの10周年記念の時に十個くらいライセンスキー確保したのに。いや、ちゃんと全部違う、reachableなメールアドレスで取得しましたよ? おそらく登録したメールニュースは半数以上が中国に飛んでいることと思います。笑い。

[必殺] 下目黒

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第六話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 唐十郎が持ってきた次の依頼の絵は下目黒。下目黒といえば町奉行の支配地で、裏稼業の上に江戸所払いの身の一座にはあまり近寄りたくない場所だ。渋る一行だが、絵を火にかざすと赤く染まったのは鷹匠。皆バラバラに下目黒にもぐりこむ事に。
 その下目黒ではお鷹組組頭・前田伊三郎が権勢を嵩に着てしたい放題。と、いうのも村にある鎮守の社の屋根を葺き替えたいのだが、葺き替えるための萱はお鷹場の真ん中にあり、その許可を得るためには無理難題をふっかけられても我慢するしかないのだった。
 庄屋の娘おそでと恋仲の水飲み百姓の友吉は、お鷹組のいいつけで隣村に向かう途中、女衒とお鷹組の侍が女郎の格好をした女たちを引きずっていくのを見る。その女たちは下目黒の娘たちで、前田の家に奉公に出されたはずだった。騙されて女郎屋に売り飛ばされ、命からがら逃げたものの、捕まり連れ戻される途中だったのだ。その中には友吉の妹のおたみの姿もあり、過酷な仕打ちにより、逃げる途中で息絶えてしまった。
 前田たちの所業を知ったからくり人一行はお鷹場で前田たちを始末する事を決めるが、いざことを起こそうとした時、妹の仇を討とうと友吉が鎌を手に前田に切りかかっていった……

 筋としては第三話と同じで、悪辣な権力者に村が振り回される話。しかし第三話の方が娘を差し出してまで耐え忍んだ家老がメインになっているので、より悲惨が際立っている感はある。今回の話も村人が一部の犠牲の声を押し殺すような、自分勝手さを出していればもっと悲惨さが際立った話になったと思うのだが……
 からくり人たちは表では何も手を出せない無力な傍観者に描かれているが、それはこのシリーズの特長とも言える。そのためいざ行動を起こそうとした瞬間、友吉が飛び出し、結局犠牲になっていっても何も出来ないからくり人たちの姿を描く事で、無力感が強調されている。
 襲撃に失敗し、おそでを人質に取られた友吉が前田の前に出ようとするのを、「二人で幸せにならなきゃならねえ」と止めるも、止めきれない唐十郎の姿に第四話の悲恋のエピソードが生きている。
 良い方にも悪い方にも村人の人間臭さがないという点を除けば、これらの終盤の展開と演出は悪くはない。

[その他] なんだかなぁ

  ブームは待つのではなく、こちらからつくりだしていくものだと思ってますInfoseek )。個人的にはモナーのパクリだろうがなんだろうが知ったこっちゃないけど(でも商標取ったら祭には乗るかも)、この言い様はどうかね、とは思うのだけど。仕掛人ってのはある意味そうなのだろうけど、あんたが何か作ったわけじゃないだろ、と勘違いっぽく思えてしまうのだが。

  東シナ海ガス田の生産開始?政府が中国に電話で抗議読売 )。しないよりはした方がいいのだけど、こいつらも今更なに言ってやがるんだと思わずにはいられない。そもそもは海底資源確保の出遅れがあり、その責任はどこにあったというのか。中国の行為もほとんど泥棒だが国としてはそう間違ってるわけじゃない(つまり、国ってのは元々悪行三昧)。文句言うのもいいけど、自分のミスもちゃんと省みてくれ。

  戦車公道再び走るHBC )。それのどこが問題なんだ??? わけがわからん。

  県:静岡の「日本一」最多128に 新たにマーガレット産出額や浴衣取扱量毎日 )。静岡出身だけど、そんなに日本一があったとは知らなかった。いや、なんつーか、わりと些細なもの(ロダン美術品展示は、ロダン美術館があるんだから当たり前だろうとか……)があるのはご愛嬌だけど。個人的には吟醸酒ランキングが気になる。
P.S. これ か。
P.S.2 これ かorz。土井酒造って、マジうちの地元の酒蔵。死んだウチの酒飲みの爺ちゃんも非常にお世話をかけました。医者に止められてるのに飲みに行くのだものなぁ。 酒蔵 へ。


2005年09月21日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] ネタロンダリング

 ほとんどは 朝目新聞さん とこからのネタなんだけど……
  一つのアニメ挿入歌から 生まれた軌跡 。ま〜、なんつーか、うらやましいかうらやましくないかは微妙なところっつーところで。うらやましいけど。同じ「自称実話」系ファンタジーにしてもこちらの方が電車男よりも百倍イイ話なんじゃないかと。人生の愛も悲哀もある。
 つか、「ガキ警察」といい「銀魂」といい、電車男ネタ見るとみんなやっぱり「そんな旨い話あるもんか!」と思ってるんだろうなぁ。いや、ベーシックすぎる話でいじりようが少ないってことかもしれませんが。

  子供が親に見せたくない番組ランキングAllHitNippon )。その手があったか!(笑) まあ、トップがダントツで「伊藤家の食卓」ってのはなんとなくわからんでも。

  浜崎あゆみのあまりにも壮絶なパクリ画像集毒電波TV )。う〜ん、まあ、そんなに騒ぐ事かなと。こんなもんでしょう。ただ、「浜崎あゆみフィルターをかければいい」という安易な考えだったりとかしたらバカバカしいなとか、ことごとくが「オリジナルに見劣りしてる」ってあたりが何ですか。

  中国に日本の「の」が浸透したデイリーポータルZ )。日本での「的」の使い方が中国で流行った(「××的○○」で「××の○○」というような使い方は本来中国ではしないらしい)ということは知っていたけど、さらにそこから「的」→「の」の流行になっていたとは。「の」で「ダ」と読ませるのも多分そのせいでしょう。元々日本での(「的」の)誤用が元なので、異文化コミュニケーションを生暖かく見守るのがいいんじゃないかと思うけども、中国では基本は一字で一単語なので、やはり妙な感じはしてしまうよなぁ。

  後藤田正晴氏死去朝日 )。「カミソリ」とあだ名されるほどの手腕と、あくまで非戦の態度を貫いたのが印象的でしたが、御本人としては「突入せよ!『あさま山荘』事件」で地方の映画館内の客として佐々氏と一緒にしれっと特別出演していたのが(本当に「しれっ」という印象だった)妙に記憶に残っている。(ちなみに映画中では後藤田氏の役は藤田まこと氏が演じていた。)下手な首相経験者の死去よりも、時代の移り変わりを感じさせる。

  NHKの不払いへの民事手続きはおかしい共同 )。NHKの態度云々はわからんでもないけど、まあ、番組自体も「まだ」NHKは民放より良心的かとは思いますし(それも最近あまり自信はないが)、何よりNHKの抱える映像資産ってのはもの凄いのですよ? NHK自身もその価値に気付いてないかもですが。BSで垂れ流される昼や深夜の映画の、質の高いこと高いこと。また、昔のNHKスペシャルの内容と来たら。過去の資産ばかり語るってのは何だけど、NHKの過去の資産はそれだけの価値があります。

[必殺] 駿州江尻

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第七話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 今度の仕事は駿州江尻。江尻に入った唐十郎は寺の境内で渡世人にからまれた女を助ける。しかし女は礼を言うともなく姿を消した。
 宿に入った一行の見る中、北斎の絵に浮かび上がったのは風に懐紙を巻き上げられた女。丁度江尻では女の落とした絵図面を拾った男が二人、謎の死を遂げていた。のみならず、その直前に清水屋の船大工佐兵ヱも殺され、入れ札で競われる予定の将軍家の船の絵図面も盗まれていた。
 お艶は興行にかこつけて江尻に逗留しようと土地の親分の政五郎に話を通そうとするが、政五郎は浮かない顔をする。宇蔵が賭場でわざと負け、興行の上がりをカタにすることでどうにか許可を取り付けるが、その賭場で「ここはイカサマだ」と忠告してきた渡世人がいた。寺の境内で女に絡んでいた男、仁助だった。
 仁助は船大工佐兵ヱの息子で、寺で絡んでいた女お京とはかつては駆け落ちまでしようとしたなさぬ仲だった。
 裏があると睨んだお艶一行だが、案の定船の入れ札に絡んで清水屋の商売敵の駿河屋が政五郎にやらせたことを知る。そして政五郎の手先になって佐兵ヱの元から絵図面を盗んだのはお京だった。しかし盗んだ絵図面を風にまかれ、行方の知れなくなった一枚を探していたのだが……

 相変わらず前もって悪事が分かっていたかのように絵を描く北斎先生への突っ込みはさておいといて、
 政五郎親分が出て来た瞬間、今井健二キター! と叫んでしまったり。たかだか地回りの親分なんだけどもさすが必殺常連の悪役、貫禄がありますな。
 話としてはスケールが小さく地場のヤクザの悪事なのだけど、かつては恋仲だったお京と仁助の二人のドラマが盛り上げる。かつて仁助と一緒に江戸に駆け落ちする約束を、足の悪い妹の美乃が仁助に想いを寄せていると知って反故にしたお京。そして今また妹を悪人に人質にされ、かつての恋人から罵られながらも悪人の走狗にあえて堕す。
 仁助を女に絡むつまらないヤクザと、お京を悪事に走る悪女かと思わせて、お互いの心情のすれ違いで道を踏み外した悲しい男女の話に。自ら己の所業にけりをつけた女の悲しい人生に、からくり人たちが立ち上がる。
 今井健二らの悪人の地に足の着いたふてぶてしさもあいまって、悲恋物語に視聴者を巻き込む佳作になっている。その分、お京一人が全てを背負うラストには賛否両論かも。
 ちなみに江尻は今の清水。冒頭で鈴平が浪曲の次郎長三国志を吟ずるのは年代が合わないがご愛嬌。

[アニメ] 世代間抗争

  ムシキング は先週ヒロインが逝っちゃったというかほとんどキャラリニューアル状態でそんなんありか? ってな感じだったのだけど、今回はソーマの母であることを明かしたチョークが、ソーマのポポへの嫉妬の火を煽る作戦に。ギラファってどうにも悪役っぽいのね。舶来モノだし、いかついし。ソーマはどうにも頭の回転と判断力に引きずられるところがあってチョークの誘いに乗りそうな勢いなんだけども、チョークもまた計算だけじゃなくって親心としてソーマを仲間に誘っているようで、悪意と言うわけではないだけにどうにもやりきれない。
 世代間というと 奥さまは魔法少女 もそうか。評議会は嬉子に「何故町を守りたいのか」「町の良さをクルージュに伝えるために何かしたのか」と突きつけ、クルージュはクルージュで自分が何をしたいのか、定まりきらず揺れ動く。クルージュの方は裕貴の告白のおかげでしたいことがつかみかけたところで町を自分たちの望むように作り変えようとする脇役魔法少女に操られることに。嬉子は母の面影と再会し、自分がなすべきことを知る。
 どっちの話もだけど、あるのは世代間のコミュニケーションの断絶。単純に話し合いとかそういうことではなく、ソーマは母親との、クルージュはアニエスとの、アニエスはフレイヤとの価値観の交換が途絶していて、そもそも価値観の交換が必要ということすら気付いていなかった。前の世代に同調するにしろ、反発するにしろ、いずれにしろそれがなければ宙ぶらりんになってしまうことで、必須だということか。


2005年09月22日(木) 旧暦 [n年日記]

[その他] 思わず肯いた言葉

 この前深+に行った時のマスターの言葉。
「酒のあまり飲めない奴って、旨い酒は飲むんだよなぁ」
 うん。うん。うん。


2005年09月23日(金) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 甲州犬目峠

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第八話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 次の仕事に行く前の興行の途中、お艶が突然倒れる。ただの疲労と唐十郎とのつなぎを取ると、次の仕事は甲州の犬目峠。絵にあぶりだされた男は、北斎の前で死んだ甚五郎という男で、「騙された」と言い残したらしい。甚五郎の元女房の話では、甚五郎は金鉱脈を掘り当て、その鑑定に江戸に向かおうとしていたらしい。同時期、犬目峠では丁度疱瘡の男が来た為湯治場が閉鎖されたとのことだったが、それは吹き所支配役守口による策略で、甚五郎の見つけた隠し金山から人目を遠ざけるためではないかとお艶たちは睨み、自らも疱瘡を装い、宿に潜り込む。
 一方、金山奉行の元に江戸からの金山目付として入っていた冬木大作は、隠し金山の存在を知り、そのことを金山奉行の神尾に相談するのだが……

 冒頭で興行中に倒れるお艶の姿で始まるというショッキングな展開で、それそのものはそんなに意味があるわけではないが、一応隠し金山のからくりの伏線になってる。
 悪人たちは金鉱脈の見つかった湯治場を偽病人を送り込んで閉鎖、その背後に鉱脈を見つけた山師の死があり、それを見て描いた北斎の絵から悪事をあばいていく。物語の中心になるのは冬木夫婦。しかしむしろ群像劇的に話は進んでいく。その分、掘り下げは甘さを感じるが、短い描写で娼婦に身持ち崩した甚五郎の女房や冬木夫妻の夫婦愛をよく描写している。
 一方、悪党の方は偽の伝染病患者で人を遠ざけるという仕掛けもさることながら、人畜無害そうな金山奉行の神尾も実は一枚噛んでいて、冬木に手痛い裏切りを浴びせるのが予想はついても衝撃的。
 冬木の妻の八重も無差別の人狩りに自ら名乗り出、その凶刃に倒れる。その彼らの清廉な死に様がからくり人たちの怒りを起こす。
 地味な話だがからくり人たちもほどよく絡んで、出来としてはレベルが高い。それだけに突出したところがなく、印象が薄いのは残念。


2005年09月24日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 頭痛い……

 木曜夜にお世話になった人の昇進祝いの会があり、名駅へ。名駅ツインタワーの屋上階近くって始めて昇った。流石に50階overだとエレベーター速いのな。会はその人のキャラクターとかもあって和やかに終わったのだけど、ちょいと飲みすぎた……まあ、その手の会にしては酒の質は悪くなかったんだけど、それだけに油断した。久しぶりに会った人の会話にも飲まれたってところもあったし。
 そいで金曜は半日死んでました。まあ、倒れてれば回復するから楽なものなんですが。
 休肝日くらいきちっと設けないとな。

[アニメ] 絶叫ってこのアニメじゃ初めてじゃない?

  絶対少年 #18。「17歳の出会いと絶望」。
 姿を消したオカカ婆を求めて横浜を散策する歩は、マテリアルフェアリーがモチーフと思われる落書きの前で、希紗を見かける。希紗の覗き込んだバッグから青い光が漏れるのを見た歩は自分もかつて「見えるけど見えないもの」と関わったことを明かし、半ば無理矢理携帯番号を交換する。ブンちゃんのことを知っているらしい歩の言動におびえた希紗は成基に相談するが、成基は「希紗はそいつと会って乗り越えなきゃいけない気がする」と、再度会う手はずを整えさせる。
 一方、理絵子は成基から「理絵子には自分は理解できない」と言われたことを気に病み、成基は希紗の事が好きなのかなとはなに相談するが、はなは、あの二人は恋愛関係ではなく、一人ぼっちの二人なのだと意味深に言う。
 奇しくもその日は希紗の誕生日。誰も自分の誕生日を覚えていないことに絶望しかけていた希紗だが、歩と会うのに付き添いに来た成基から誕生プレゼントを貰う。更に再会した歩から、きっと自分たちにはまだなにかやらねばならないことがあるはずだ、と言われ、身の証のためにどっしるとしっしんを見せられる。
 が、希紗がその愛らしい姿に心を許し、バッグからブンちゃんを取り出した瞬間、異変が起きる。正樹からブンちゃんのことを聞いてその場に駆けつけた須河原らの目の前でブンちゃんは威嚇するような行為を取ったかと思うと突如二体から猛スピードで逃走。しっしんとどっしるもブンちゃんを追いかけていき、ついには追い詰めたブンちゃんを破壊してしまった……

 田菜編と同じフレーズが、異なるシチュエーションで繰り返される。それも、最悪の結果を伴って。かつて歩が平五郎に言われた「逃げるな。向き合え」という言葉は、はなから成基に、成基から希紗に伝えられるが、その為にブンちゃんは破壊されてしまう。無論、その結果は歩とて予想していたことではない。「青い光」と「赤い光」が別物で、敵対しているということは、一同に会した中では須河原しか知らないこと。誕生日すら誰からも忘れられていたことに絶望しかけ、成基のプレゼントでささやかな救いを得、そして自分にやるべき事があるかもしれないと指針を得かけた、と思ったところでこの仕打ち。希紗は立ち直れるんかいな?
 田菜編では須河原は歩に協力を申し出て断られたが、微妙に重なる位置に正樹がいる。しかし正樹と二年前の歩のスタンスは全く違う。
 理絵子は自分の理解できない成基らの心情にトラップされてぐるぐる堂々巡り、正樹は正樹で、「マテリアルフェアリー探し」に没頭するふりをして逃げている。田舎では人間関係は限られていて密だから、逃げようにも逃げられないことがある。さらに、一つや二つの失敗があっても、どうにか付き合っていかなければならない。が、都会はそうではない。疎遠で、逃避先が簡単に見つかり、だからのっぴきならないところまで行ってしまうことがある、というのが今回。
 次回は「意外な人物」が登場するらしいのだけど、彼女はどうこの状況に関わり、変えていくのか。

[その他] あ〜あ、やっちまいやんの

 愛・ トヨタ 地球博ももう終わろうとしてますが、知ったことじゃありません。せいぜい黒字になって税金からの損失補填を防いでください、としか望みません。まる。

  のまネコ問題まとめページ によると、のまネコ関連の権利を譲り受けたと言う有限会社ゼンが、「のまネコ」「米酒」で「のまネコ」を図形商標登録として請願したらしい。まあ、商売にしようってんだから(機械的な手順としては)当然と言えば当然なのだけど、まあ、なんてえか。
  avexは新たな発表 により事態の沈静化を計ろうとしているけど、著作権商売をやってるにしてはお粗末な気が。まあ、avexに元々そんなに期待なんてしてませんが。

  中国の対日歴史観に違和感 米国務副長官が見解産経 )。いや、アメリカのしっかり研究してるところはそらしっかりすぎるくらい研究してるんですが、アメリカも当事者だからなぁ、その辺。ご遠慮申し上げたいんですが? ってか、アメリカも日中関係の悪化には気を揉んでると見て良いのかなぁ?

  自民党「支配」中朝と同一視 米紙NYタイムズ報道 外務省、不公正と“抗議”goo )。元は産経新聞のニュースです。念の為。で、さらにその当該記事の さわり 。記事の内容はまあどうだっていいんです。注目するのは記者記名。 By NORIMITSU ONISHI (NYT); Foreign Desk。なんだ、ま た 大 西 か 。詳しくは google検索結果 から適当に探してみてください。個人的には、あのトンチンカンなマツケンサンバIIの記事で「コイツダメダメだ」と思いました。ハイ。


2005年09月25日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 木に登ってきました

 ……台風の影響で、風が強かったです……
 ……木の枝も無茶苦茶良くしなったとです……
 ……ええ、揺られまくりました……
 きちんと安全は確保されてたし、風に吹かれて気持ちよかったんですけどね。

[特撮][アニメ] 世間とズレ気味の気もする

  エウレカセブン 。ビームス夫妻の元で居心地の良さを覚えるレントン。ボダラクの起こしたテロの煽りで治療の受けられないボダラクの少女を目の前にして、レントンの取った行動は……
 少女の両親も少女の死を受け入れたレントンの行動は自己満足とも取れる。が、行動した気持ちは間違いだろうか? 自分が何も知らず、世間を知らず、その事で思い悩まずいられるほどにはレントンは鈍感ではないし。そんなレントンを暖かく見守るビームス夫妻だが、次回、どうもレントンの身元がばれるらしい。向かう先がボダラクの聖地シウダデス・デウシエロではなあ……レントンはビームス夫妻がゲッコーステートの敵だと知らないわけだし。
 ゲッコーステートでもエウレカがレントンの所在を尋ねたことで大騒ぎになる。ついレントンが出て行ったことを言いそびれるホランドだが、メンバーたちが冗談交じりにレントンを連れ戻す相談をしてるのを、ホランドは怒鳴って飛び出る。イライラするのも、腹が立つのも身近すぎるせいか。
 大人になりきれないホランドと大人なビームス夫妻、来週衝突するのか?

マジレンジャー響鬼 はパワーアップ編。
 マジレンジャーは力を解放してレジェンドフォームに。マスクの形も変わってます。マジレッドの新マスク、ビビューンみたい(笑)。パワーアップに伴ってロボ形態?も変わるみたいだけど、副作用もある模様。
 響鬼は、アームドフォームに変身。「いかにも」なデザインだけど、ディスクアニマルが張り付いていって装甲になる演出は良かった。小暮さんはあちこちで賛否両論。でも、個人的にはこういう人、嫌いではないなぁ。小暮さんのような「変な人」が入る事で大人しいキャラばっかだったのがそれぞれのキャラもちょっと違った方面からの描き方になってるし。「こんな奴が現実にいるか!」って言うかもしれないけど、いるんですよ〜。こういう人。キャラクターを漫画的に強調していくのは、拒否反応も大きいだろうけども。
 旧体制ならば伊吹鬼が新姫・童子と戦って一旦撤退するところで一話引っ張って、次に響鬼、轟鬼が応援に参戦、という形になってただろうなあ。しかし今のスピード感は個人的にはキライではない。それによりないがしろにされてる部分があるのはわかるし、残念でないわけではない。

  ゾイドG 。前回拾い物のような勝ちを収めた反ディガルド同盟は増長、ラ・カンたちの懸念を他所に、勝負を急ぐ。
 今回も瓦解が目に見えるかのような展開。ラ・カンは反乱軍をまとめきれず、その打つ手も前線に復帰したザイリンにことごとく読まれる。さらに、ルージが「霧の川」を利用した作戦は撤退の場合も視野に入れてるのではないかと指摘したのを、エレファンダー部隊の兵士に聞かれてしまう。
 ラ・カン隊は他の隊に比べ兵力に極端な差があると認識されてるわけでもなく(リーオの武器を持ったゾイドがあれだけいる時点で、数の上以上の戦力差があると思うけど。特にレインボージャークの航空戦力はとてつもない強みだと思う)、強烈なカリスマがあるわけでもない。こういう場合、当面誰か適当に扱いやすい奴を神輿に担ぎ、徐々に他の勢力の指揮権を奪っていくのがいいと思うのだけど、ラ・カンは正義の人だからそういうこと出来ないのだろうなぁ……ロンは出撃時に「間に合わなかったか」とまたもや意味深な挙動を見せる。
 こういう展開だとラ・カンやルージが目立つのはともかく、コトナがお色気シーンも含めて目立ちますな。何故か。
 ところで最後の「ロン先生のゾイド講座」は、「ロン先生の虐待コーナー」になってきてるような。


2005年09月26日(月) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 深川万年橋下

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第九話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 江戸とは目と鼻の先の市川での興行を終えた後、唐十郎が北斎の絵を持って訪れる。持ってきた深川万年橋下の絵であぶりだされたのは橋げた。調べようと船頭を探すが皆嫌がり、しかたなく鈴平が船を出そうとすると、女が一緒に乗せて行ってくれという。その女おたきは委細も話さずただ花を一輪手向け、去っていった。
 事情を調べると橋げたには数日前子供の首が流れ着いたのだという。子供は辰巳一家から人質に差し出された少年で、斬ったのは旗本くずれの雷党の首領本間左近。しかしそれだけではないと睨んだお艶はおたきのことを調べさせるが、おたきのいるどぶ板長屋の住人は亡藩の家臣が町人に身をやつしている者たちで、のみならず、辰巳一家と雷党の争いに乗じ人質を貸し出す「人質賄」によりお家再興の資金を集めていたのだ。
 しかし実は元家老の堀田はお家再興など考えておらず、私腹を肥やすために元藩士たちを騙していた。殺された子供はおたきの息子で、彼女は堀田の正体を見破っていた。
 それに勘付いた堀田は、今度の人質交換におたきを差し出させ、左近にわざと殺させようとしていた……

 二つのヤクザの勢力争いがテーマだが、犠牲者となるのはその間で「人質賄」という商売をする人々。お家再興を悲願とする元武士だが、実は元家老の堀田に騙されている。
 息子を見殺しにされ、人質賄という安易な商売に走る同僚たちを見、またそんな商売を勧める堀田の心底を見抜いたおたきは堀田を糾弾するのだがそのために生命の危機に。
 と、ここらへんはまとまってるのだけども、芸者をして生計を立てているおたきに言い寄る左近など、ちょっと詰め込みすぎで舌っ足らずの印象は免れない。その分、おたき夫婦のやりとりに割いた方が、とも思える。
 今回は最初からからくり人たちが積極的に当事者に関わっていくので、その分、うさぎの飴売り姿や鈴平の声帯模写など、さりげないながらも出番とちょっとした出番と活躍が多いのが嬉しい。
 最後、大乱闘の中での仕置になるが、雷党の左近はともかく、辰巳一家の親分は殺さなくてもいいと思うのだけど……いや、悪い事してるって言えばしてるんだけど、今回殺されなきゃいけないほど悪い事してないし。

[その他] 今年の天気はどんなんだった?

 と、探したら、 私設名古屋お天気測候所 なるサイトが。名古屋市西区で測定したお天気データを記録しているサイト。そこによると今年は去年よりも真夏日が長引いた模様。いろんなことをしてる方がいるものだなぁ。

  「歴史問題の勉強を」 奥田会長らに温首相共同 )。あ〜、こういう場合なんと言えばいいんでしょう? とりあえず「わろすわろす」?

  英居合道大会 初代王者に同大で同期の学生とOB京都新聞 )。
  ローマ学生の狂言一座好評 アニメ・漫画から日本に興味 ( 朝日 )。角界での外国人力士の活躍とかが云々されてるわけですが、それは反面、外国への日本文化の認知と求心力が高まってるということの表れでもあるわけで。しかし、オタク文化からか……

  迷子の女児、署員を大麻栽培場へ案内 埼玉・本庄 ( 朝日 )。ま〜、なんてえか。多分バックに組織はいるんだろうなぁ。日本の組織か、外国人組織かはわからないけど。こういうニュースを見ると、日本人は外国の隣人との認識の差異に耐えられるんだろうかとちょっと思ってしまう。無論、犯罪者ばかりという意味ではないですが。

  のまタコ については、まあ何というか。もちろんひろゆき氏はわざとやってるのだけど。ただ、こういったこと(ネット上の知財を勝手に商標登録し商売にする)をやられるととことん歯止めも制限も効かなくなるので、どうにかはすべきなんですけどね。


2005年09月27日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] 別に右ってつもりもないけども

  「中国脅威論の誇張だ」 陸自の防衛計画に中国が反発朝日 )。はいはい。わろすわろす。 朝日のトンチンカン記事 への反論なのだろうけど *1 、中国としてはこうとでも言っておかないと格好が付かんのでしょう。これがジョークってことは この辺 でも見れば一目瞭然。だからどうしたって? 別に全然? あたしゃヘタレな平和主義者ですから。

  米マイクロソフトとインテル、「HD DVD」方式支持日経 )。う〜ん、これってどのくらい意味があるんかいな? 映像・音楽ソフトはどのコンテンツを有するところが何を出すかってのは大きな影響力を持つだろうけど、PCに関しては結局どんなハードウェアが出るかってだけのことに過ぎないんじゃなかろうか? MSとインテルがブルーレイ方式のドライブを全くサポートしないし、出したメーカーにはペナルティを与えるってならともかく。そんなことできるわけもないし。

  国連分担金 中露増額、要求方針固める産経 )。まあ、それがスジではあるよなぁ。まあ、他国との関係が悪化しなければいいのだけど。

  あぶない刑事で交通安全 啓発ポスターが完成産経 )。「人気『映画』」って辺りは微妙に違和感。 こっち とのタイアップか。まあ、仕方ないんだけどやっぱ年月は感じる。

  サンマのラーメンに弁当…価格暴落で新商品あの手この手朝日 )。「サンマーメン」とかいうベタなネタが頭に浮かぶ(サンマーメン(生馬麺)にサンマは使われてません)。実際はサンマ節を使ったラーメンなのか。スーパーで売ってるパック寿司とかもサンマが結構出てるなぁ……
*1: どの辺がトンチンカンかと言うと、中国の攻撃を想定してるという事自体は「防衛白書」にも載ってる当たり前のことで、「北方から転換」ってお前らの常識は何時から止まってる? としか言いようのないズレっぷり。あと、「計画の存在自体が極秘」って、んなわけないだろ。

[必殺] 隅田川関屋の里

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第十話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 お艶一行の次の仕事は総州流山。北斎から受け取った絵に浮かび出たのは馬で急ぐ三人の侍。丁度一行の前を委細ありげな一団が通り過ぎていく。そのうちの武士三人は途中で浪人や渡世人に姿を変え、消えていった。そしてその連れの一人が首を括った。その仲間たちの口にした「秋月様」が何か関係あると思ったお艶たちは探索するが、そんな人物は見つからない。
 それもそのはず、「秋月様」とは将軍の御乗馬。御召馬預頭である小関左内の元から何者かにより盗み出されており、三人の武士はその配下の者で内密に秋月を探していたのだ。
 しかし、挙動不審のかどで三人は代官所に捕らえられてしまい、やむなく身分を明かすと、代官たちの手配の者に切り殺されてしまった。実は代官稲取こそが秋月強奪の犯人。勘定奉行の鬼丸と組み、小関を失脚させるたくらみだったのだ。
 生き残った中間新助の知らせにより小関は自ら代官所へ向かうのだが……

 話としては筋立てがはっきりしており、時代劇らしい話。御召馬預頭の座を狙っての陰謀だが、御召馬預頭ってどのくらい偉いんだろう? と 調べてみる と……あれ? 碌で言うと勘定奉行の方が全然上じゃないですか? なんだか変な感じだなぁ。
 でも、ゲストの五味龍太郎、原田清人、草薙幸次郎、宮部昭夫らのベテランらの演技が渋い。
 責任を感じて首を吊ってしまう中間や、あくまで任務を果たそうとする侍三人、一人になっても役目を務める中間の若者など、派手さはないがこういったしっかりした演技陣に支えられ、きちんと時代劇に仕上がっている *2 。必殺としては物足りないが、古い時代劇(ってのは1950年代以前だぜ?)を見た人にはそれなりに見ごたえのある一本に仕上がってるのではないかと思う。
*2: こういったのって何が違うのかって、言語化しにくいんだけど、確かに役者の存在感で変わってしまうのだよね。一番わかりやすいのは宮部演じる鬼丸の居合での藁斬りのシーンなのだけど、所作というか、それらが今の役者さんとは異なってる。これはもうどうしようもない部分があって、NHK時代劇「秘太刀 馬の骨」が良く出来てても、そこを埋め合わせることは出来ないってのは厳然としてある。あえて酷いこと言ってしまうと「もう現代では時代劇は作れない」ってのもある意味真実。


2005年09月28日(水) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 甲州三坂の水面

  必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第十一話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 甲州の河口湖へとやってきた一行。富士を眺めながら食う握り飯を、近隣の子供たちが物乞いのように迫ってくるのに気おされる。その晩、宿にした空家で受け取った絵で赤く浮かび上がったのは水面に映った富士の山頂。一座は村の者に湖のことを訊ねるが、皆一様に怯えたように口を噤む。船を出そうとしても止められ、何かあると睨み鈴平を水面の富士の山頂辺りへ潜らせると、そこには折り重なるように白骨が幾つも沈んでいた。
 村人に言わせると逆さ富士は村人の守り神だと言う。しかしその村人たちは貧しい暮らしに苦しんでおり、巳代松 *1 の女房おそでも身重ながら、食い扶持の増えることに思い悩み、流そうとするのを祖母のおもんに止められた。その晩、おもんは家族に「富士に登る」と決めたと打ち明ける。一旦は息子の富蔵らに止められるが、庄屋の久兵ヱに説得される。「富士に登る」というのは、口減らしのために年寄りが湖の底に沈めらることだったのだ。16年前の大地震の際に、先祖代々の村のしきたりに従って再開されたという。
 そのことをお艶たちは知るも、許せないことだが村のしきたりならば仕置することはできない。しかし、富蔵の山に登った老人たちもそんなしきたりは知らなかったという言葉に引っかかり、更に探索を続ける。
 案の定、実はそのしきたりは久兵ヱによりでっち上げられた嘘。年貢米を上乗せして徴収し、それを米問屋の近江屋に横流しして私腹を肥やしていたのだ。
 せめて初曾孫の出来るまではとおもんの富士登りを延ばしてくれるよう頼みに行った富蔵は、久兵ヱと近江屋の会話で全てを知ってしまい、一派と仲間だった代官の塩沢に斬り殺される。
 しかしそうとは知らないおもんはついに悲壮な決意で湖に向かい、からくり人たちがことの仔細を知ったときには既にとき遅く、おもんは水の底へ沈んでしまう。
 家族のためと信じ自ら進んで口減らしに赴いた老人たちの無念を想い、からくり人たちは立ち上がる。

 貧困にあえぐ中、やむなく老人を口減らしさせねばならない村人たち。抗おうにも貧困と「しきたり」という言葉が重くのしかかる。からくり人たちもしきたり相手ではどうすることもできない。
 しかし、その「しきたり」が庄屋、米問屋、代官がグルになったたくらみによる嘘だったとしたら……
 庄屋の久兵ヱらは「悪」だが、主眼はそこではない。日々を送る中でどうしようもないこと、どんなに残酷であろうと受け入れるしかない現実への悲しみと怒りだ。村人たちは姥捨て山さながらの行為を受け入れながらも、憤懣やるかたなさを覚えている。それでも耐えて行かねばならない。お艶たちもすぐに動けなかったのはそのせいだ。誰か悪人を倒せば改善できることではないかもしれない。口減らしをやめれば、飢えて皆死ぬのかもしれない。お上にたてついたところで、より酷い目に遇う。そういうしくみはどうなるものでもない。
 エンタテイメントとしてそのやるせない怒りは悪人たちに向かい、カタルシスを迎えるが、おもんや富蔵は結局救えない。その怒りがお艶の「殺してやる!」の一言に込められている。仕置も華麗な殺陣が売りのからくり人富嶽百景に似合わず、泣き叫び命乞いする久兵ヱを逆さ富士の山頂に沈めるという、仕置人さながらの残酷さで最後を〆る。
 傍観者として何も出来ない今シリーズのからくり人たちの立場を逆手に取り、その怒りとやるせなさを浮き彫りにしたからくり人富嶽百景中でも傑作に近い佳作。
 ちなみに巳代松の女房おそではシリーズ第三弾「助け人走る」で中山文十郎の妹しの役でレギュラーだった佐野アツ子。(助け人当時は佐野厚子)
*1: 新仕置人の巳代松とは何の関係もない。

[アニメ] 最終回とか

  ぱにぽにだっしゅ #13。相変わらずパロディ尽くしのアイドル番組なのはいいのだけど、べホイミが内職しながら歌ってた歌ってなんだっけ? あの歌聴くと何故かゴスペル調に転調されちゃうんで、ちゃんとした節回しすら思い出せないんだよなぁ。OPがころころ変わるのは関連グッズ展開として当然予想してたのだけど、元に戻したりなんだりというのがよくわからない。

  奥さまは魔法少女 最終回。この回、嬉子は結局さやかを信じること以外の何も出来ず、でも「望む世界」を見つけたさやかによって、物語は大団円を迎える。不満が出るのは、まあわからないではない。が、同時にその不満は的外れだとも思う。世の中には能率的になんでも裁く人もいればそうでない人もいて、嬉子はあからさまに「そうでない」方。それは番組最初のコンセプトからわかり切ったことだ。そして例外はあるが人は突然別人のように変わるものではない。だが、嬉子の変化なしにこのエンディングはありえなかった。嬉子はかなり無自覚的だが、世代間のコミュニケーションで必要なものは実は果たされていた。システムとしてはちょっと問題ありなんだけど、まあ大抵話的に大きく揺さぶられるのはシステムから外れそうになる話だし、そういうものでしょ。
 有閑マダムのロマンスとして見ると中途半端だけど、色々多重な構造が込められててそれらがわりと上手くまとまった話だったと思う。

  アクエリオン 最終回。司令は一体なんだったんだとかエレメントの意味はとかアポロはそもそも何だったのかとか色々設定的に放り投げっぱなしなんですが、まあ、そういう話じゃないことは最初っからのことなんで問題にはならんでしょう。とにかく耽美に、恥ずかしく、その中にメカアクションを埋め込んで後から考えると「あれ? 番組中は何か盛り上がるようなことを言ってた気がするんだけど別にどうってことないよな」と急速に風化してしまうようなアレなんだけども、30分力押しでも卑怯技のオンパレードでもとにかく押し切って見せてしまったって時点でこの番組的には勝ちなんでしょう。多分製作者の意図を酌んで評価するには、「話の中身スカスカ」というような評価はまるっきり意味を持たないんでしょうなぁ。
 作品としてはどうか、商業的にどうかってのはまた別の話ですし、私の好みとか言い出すとそらもうまた全然えらく別の話になるんですが。


2005年09月29日(木) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 東海道金谷

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第十二話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 大井川のある東海道金谷の手前、島田の渡しにやってきたお艶一座。その河原へ駆けつけてくる女が一人いた。時間外だというのを頼み込み、柄の悪い川越え人足に身体を撫で回されても耐え、なにか委細がある様子。同時にその頃、「極楽桜」と呼ばれる桜の木の枝で、一人の娘が首を吊った。
 一座が唐十郎から受け取った大井川から臨む富士の絵をあぶると、本陣の旗が赤く染まった。本陣とは大名行列などが参勤交代の折に泊まる指定宿。しかし金谷の本陣の富士見屋は地元の面倒見の良い、人格者だという。絵に込められた意図のわからぬ一行は、唐十郎が富士見屋へ、宇蔵が脇本陣の嵯峨乃屋へ下働きに潜り込んで事情を探る。
 そんな時先だってのいわくありげな女おふじが楼郭に駆け込み「娘のキヌに会わせてくれ」と訴えたが、キヌは首を吊って死んだことを聞かされ愕然とする。お艶一行が目にしたあの首吊りの娘がキヌだったのだ。
 何があったのかと事情を探ろうとするが、おふじはお艶の言葉にも頑なに心を閉ざしたまま。実はおふじ母娘は遠縁を頼って江戸に行こうとする途中、川止めに遭い、更におふじが病を抉らせた為、娘のキヌが下働きに出る代わりに脇本陣から金を借り、母のおふじを違法な渡しで渡らせたのだ。そして何故かキヌは遊郭へ身を落としていた。
 丁度金谷では川止めが相次ぎ、川越え人足たちも旅人たちも、苦しい思いをしていた。本陣の富士見屋も川越えによる都合で大名行列に素通りされる事が多く、本陣株を返上しようかというところまで追い詰められていた。
 どうやら嵯峨乃屋と川越え人足の元締め川庄屋、それと代官の宗方が怪しいとお艶たちは睨むが、おふじが娘の死んだこの地で働きたいと嵯峨乃屋に下女として奉公することになってしまった……

 今出川西紀キター! って、あれ? 前もこんなパターンはやったような……
 それはともかく、今回は本陣と脇本陣の争い。本陣というと横溝正史の「本陣殺人事件」でも本家筋の本陣と分家筋の脇本陣との確執があったし、「新必殺からくり人」でも本陣と脇本陣の争いの話があった。やはり確執があるものなのかしらん?
 ターゲットを示すヒントに浮かび上がったのは本陣の陣旗で、宿場町で悪さを働いているのが誰かと、からくり人たちが混乱する元になっている。「そんな混乱するようなヒントを書くな!」というツッコミを除けば、これが今回の話の鍵となっている。
 一旦川止めが起これば貧しい旅人の路銀はたちまち底を尽き、首を吊る者、身を売るものが続出する。その犠牲となったキヌの母親おふじを演じるのは「薄幸の町娘No.1」の今出川西紀。これだけ不幸を引きずりながらなげきひたすら耐える演技の似合う女優もそうはいまい。その姿に、宇蔵がはかない思慕を寄せる。
 しかし人の良い富士見屋は嵯峨乃屋が代官と組んで行っている必要のない川止めに気付きつつ町を混乱させないために黙っていたのを、ついに耐えかねて直訴する。だがそれが裏目に出て富士見屋と下男の嘉平は始末されてしまう。そしておふじも嵯峨乃屋に言い寄られ、キヌがその毒牙にかかった事を知らされ、仇を取ろうとして返り討ちに遭ってしまう。
 その直後のおふじの死体を見た宇蔵の怒りの仕置。そして悪人たちを一掃した後、縁起が悪いと極楽桜を切り倒そうとする鈴平を複雑な表情で見、「桜の咲いた時分にまた来るぜ」と誰にともなく言う。悪人たちの犠牲になった悲しみはキヌからおふじへ、そして宇蔵へと受け継がれる。
 要素がばらけずにバランスよくまとまった話。でも相変わらず唐十郎の戦闘力は、ほとんど他のメンバー要らないんじゃないかと思えるのだけど……
 ところで、いい味を出してる下男役は必殺ファンには馴染み深い梅津栄。一番ピンと来るのはひかる一平を追い回すおかまの玉助か。

[その他] 私があなたに惚れたのは、丁度十九の春でした

 昨日の話だが、テレビをつけっぱなしにしていたらNHK-BSで沖縄歌謡の「十九の春」についての番組をやっていた。私は「十九の春」というと映画「ナビィの恋」を思い出すのだが、それはさておき。
 「十九の春」がどのように誕生し、島民と共にどのような変遷を辿っていったかというドキュメンタリィ色の強い番組で、日露戦争の時出稼ぎに九州に出ていた与論の人たちが、抜刀隊のことを歌った「ラッパ節」を持ち帰り、「与論ラッパ節」となり、「大島ラッパ節」「与論小唄」となり、現在の曲が形作られていったことが触れられていた。曲のみならず、歌詞もそれぞれが世情により好きに変えて歌い継ぎ、少しずつ節回しの違う、様々な歌詞の曲が出来上がっていった。
 その番組を見て、まったく関係ない二つのことを考えた。
 ひとつは「知財」ということについて。
 与論の人たちがラッパ節を好きに歌い継ぎ、変えていくことによって様々な歌が派生していき、そして原曲から半世紀以上経って、田端義男の歌う「十九の春」というまったく別のヒット曲を生み出した。「ラッパ節」≒「十九の春」だろうか? ある面で現在の著作権商売のバカバカしさの反例を示しているように思える。
 もうひとつは、派生した曲のひとつで、「嘉義(かぎ)丸の歌」というのが存在していることについて。
 大戦中、奄美大島沖で米軍潜水艦の魚雷を受けて沈んだ貨客船の悲劇を歌った歌だが、番組の最後でその歌を復活させた女性と、当の嘉義丸の沈没で生き残った老婆のことを取り上げていた。とても気になったのは、番組では司会進行役が「受け継ぐべき歌」というようなフレーズを何度も繰り返していたことだ。復活させた女性、当事者の老婆は、これを強く受け継がせたい、というのはわかる。あるいはその関係者、その歌に感銘を受けた人も。それ自体は何も悪いところはない。ただ、番組では司会進行役はその歌に限らず、歌に込められた与論の人の苦労を強調しつつ、ずっとそのような事を繰り返していたことだ。
 結果から言おう。無理だ。
 派生した全部の歌を、その歌に込められたあまたのすばらしい、残すべき価値のあるものを、全て残すなど無理だ。
 ゲストの沖縄出身の音楽家の人がことあるごとに匂わせていたが、民衆の間に歌い継がれた歌は、様々に派生し、また別のものを生み出し、そしてそのほとんどは泡沫のように消えていく。歌だけではなく、過去幾つもの遺すべき形のない財産が泡沫のように消えていった。遺す努力は無駄だ、ということではない。だが結局、受け取る側のキャパシティの問題がある以上、結局残るのはそのごく一部、ということだ。歌とは、文化とはそういうものだ。そして自覚無自覚の文化の担い手は、覚悟してるかしていないかに関わらず、ほとんどがそうなってしまう。忘却の対象だ。
 記憶とは、形のない文化とはそういうものだ。それでも遺そうとすれば、それは「記録」として遺すしかない。多くのものを取りこぼしつつ、それでもまったく消えるよりはずっといいと納得して。
 当事者が、身近な者が残したいと残そうとするのはわかる。しかし一方でそういう厳然たる現実もある。何も考えずにひたすら「遺すべき」と繰り返す司会の言動が軽く、ひたすら無責任に響いた。


2005年09月30日(金) 旧暦 [n年日記]

[必殺] 尾州不二見原

 必殺シリーズ第十三弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」第十三話。現在テレビ東京系時代劇アワー(月〜金AM11:35〜)で再放送中。
 先に尾張に入ったお艶と宇蔵を追って二人で大八車を押す鈴平とうさぎ。轍に車輪がはまったが、通りがかりの女・おりんが助けてくれる。その縁で尾張まで一緒に行く事になった三人だが、逃げてきた百姓風の男が追ってきた侍に斬り殺されるところに出くわす。
 合流した一座が唐十郎の持ってきた絵を見ると、赤く浮かび上がったのは作りかけの大樽。尾張から富士が見えるところはそうないと探すと、丁度絵のままの場所におりんが立っていた。おりんは江戸での女郎奉公を終えて帰ってきたのだがおりんが昔住んでいた村があったはずのこの辺には、家も、人も、綺麗さっぱりなくなっていたのだ。唯一いた知り合い、茂作に家族や許婚の清吉のことを聞いても口を開こうとしない。
 途方にくれたおりんは何かの縁と招かれた一座の小屋で、おりんを見て顔色を変えて逃げ出した弥助だが、何者かにより撃ち殺されてしまった。
 いまわの際の弥助から村人はみんな死んだと聞かされたおりんだが、実は清吉は生きていた。造り醤油の蔵元・尾張屋は消えた村人たちを使ってひそかに朝鮮人参を栽培、それを醤油樽の二重底に仕込んで江戸へ運び、売りさばいていたのだ。
 その事を知ったお艶たちは密かに清吉を呼び出し、おりくと再会させる。しかし十年の歳月で変わってしまった清吉は、おりんの持っていた五十両を目当てに、彼女を殺してしまった。

 ここ二回良く出来ていたが、今回は凡作の部類に属する。
 悪事が甘いというか、朝鮮人参を密栽培させられていた人たちが嫌々やっていたのか、そうなるまでの間にどんな酷い事があったのかがまったく描かれないので、お艶たちがこの事件自体に絡む要素が薄い。弥助が殺されるシーンも、一々見張りについていたんかいとか、わけのわからないまま悪人と犠牲者フォーマットを使ってるとしか思えない。
 その代わり、ゲストのおりんが話を引っ張る。普段は気風の良い姐さんだが、消えた故郷の村と許婚を一途に慕う。しかし、その許婚は十年の間に朝鮮人参の闇栽培に関わり、金しか目に入らない男になってしまっていた。今回の仕置も悪人退治と言うより、おりんの無念を晴らす為といった印象が強い。
 現状維持を望むばかりに地域の皆で目を瞑り、口を閉ざし続けた結果、一人の気丈で薄幸な女が命を落とした。この話はそういう話なのだろう。
 「からくり人富嶽百景殺し旅」は次回月曜で最後。最終回「凱風快晴」の北斎は必見。
 それにしても、この次のこの時間帯の必殺は何やるんだろう? 主水シリーズは多分やらないし、仕事人以前の必殺で非主水シリーズというと、あるのは「うらごろし」のみ……うらごろしやらないかなぁ、うらごろし。そうすればうららかなお昼のお茶の間が市原悦子と和田アキ子でビックリドッキリとんでもないことに! 天野師父もきっと大満足!