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2005年02月21日(月) 旧暦 [n年日記]

[その他] ノートPC不調につき低空飛行中

 ってわけで、以後しばらくそんな感じで。

[読書] 与太郎戦記/春風亭柳昇

 昭和十六年、志願年齢に達した秋本安雄青年は数年勤めていた横河電気をやめ、かねてから願っていた通り陸軍に志願する。しかし適性検査で早々にふんどしを取ってしまうほどのはりきりようとは裏腹に、軍隊とは実におかしなところで……

 秋本安雄とは後の落語家「春風亭柳昇」師匠の本名。「春風亭柳昇と言えば日本でも私一人でございますが……」というフレーズでなじみだろう。あるいは、ある方面には「春風高校の柳昇(やなぎのぼる)校長のモデル」と言った方が通りがいいかもしれない。柳昇師匠の、どこかとぼけてどこか生真面目な青年時代の軍隊での体験記である。
 と、言っても最初に「新聞で華々しく取り上げられることのない、二流三流どころの戦場」とあるとおり、派手な活躍とは縁が無い。どうやって楽をしようか、どうやって美味い物にありつこうかと、「訓練さえなければこんないい商売は無い」と軍隊での日常生活をとぼけふざけつ描いていく。とは言え、どんなにふざけた筆致で書こうがそこは戦争。いざ戦闘ともなれば爆弾も降るし弾も飛ぶ。重機をかついで戦場を駆け回り、当たってるんだか当たってないんだかわからないままに弾を撃ちまくる。当然死人だって出る。それどころか終戦間際、冴えない護衛任務で、自身も生死の縁を彷徨う羽目に。
 多分、戦争なんかこりごりだ、と思ってるには違いないんである。違いはないのだけど、それでも「兵隊は、間違いなく私の青春であった、と思います」と書けてしまう。これが全てを受け入れ、受け入れながら笑いにする、柳昇師匠の誠意ある笑いの一つの原点なのだ、と思わずにはいられない。

[特撮] こっちも低空〜〜

  マジレンジャー は、お約束の塊とは言えそんなに悪くないんですけどねえ。
 そのマジレンジャーは第二話。巨大化した魔道騎士ウルザードに苦戦するマジレンジャーの危機に駆けつけたマジマザー。しかし、強大なウルザードのパワーの前にあっけなく敗れ去ってしまう。早っ! 母の死を前に、イエローとピンクは戦いを拒否してしまう。まあ、この後はいろいろお約束。今回は巨大ロボ登場……って、主人公たちが巨大化かよ! しかも姿が変わってるし! マジピンクは単に風属性かと思ったら、姿を変えるキャラクターって方向なのか。

 むしろ「う〜ん」感が強いのが相変わらずなのは 仮面ライダー響鬼 。スタッフが頑張ってるのは感じられるのだけど、何かが決定的に噛み合ってないような……
 とりあえず、ヒビキの言葉が上滑りな気がするのは、気のせいなんだろうか……


2005年02月22日(火) 旧暦 [n年日記]

[その他] ニュートラル=情報の選別?

 ニュートラルの定義自体とあらゆる意味でニュートラルでいるってことが至難の業なのだけど、それはさておき。
 むしろ公正性ということで言えば情報収集の母集団より情報処理の方法とスタンスの方が大きく影響していると、経験則的に思うのだが。むろん、ちゃんとした情報をちゃんとした方法で処理するのが一番良いには違いない。
 しかし、日本のマスコミって本当に特定の傾向のニュースは情報が出ないんだよなぁ。どうひっくり返ったって表には出ない話というのもこの世にはあることは知っているが、そんなレベルの話では全然ない。
 私みたいな怠け者でも、少しはあちこちから情報仕入れないとやばいかなぁ、と思ってるくらいなのだけど。

[その他] 仏の顔も二度か三度目

 まあ、Let'snoteの故障の対応もさすがに三度目となると慣れてきますな。最初に店に持って行っても(そのシリーズの専門家であるわけではないので)メーカーの修理センターに送って、そこで調べて、という迂遠な手順にならざるをえない。だから、最初に修理センターの方にナシをつけておくことにしました。ただ問題は、ショップの延長保障がきちんと適用されるかが心配なのだよなぁ……されなかった場合、手痛い出費になるかも。

  もう野党と呼ばないで 民主、「政権準備政党」と自称産経 )。……そんなこと大真面目に協議してたんでしょうか、この人たちは? こどものごっこ遊び並。「 一部議員からは失笑が漏れた」とあるけど、そりゃそうだ。できればこの発想でいる限りは永遠に準備だけしていてもらいたいものです。

[マンガ] 酒

 「イブニング」の「農大物語もやしもん」を読んだら美味い日本酒が飲みたくなった。いや、美味い日本酒は本当に無茶苦茶美味いのだけど、探すの大変なんすよ、普通は。


2005年02月23日(水) 旧暦 [n年日記]

[その他] よくわからん

 ライブドアの堀江社長によるニッポン放送買収の云々だけど、あちこち解説されてるのを見るとどうにか「何が起こったか」はわかるのだが、「全体像として何が起こってるか」とか「これからどうなるのか」がさっぱりわからない。ううむ、あまりにこの手の分野をおろそかにしていたか。
 この件に関して主要新聞社の社説を見てみたけども、一番まとまりがいいのは保守的な意見とは言え毎日新聞ではないかと思える。産経新聞は放送電波の公共性と云々しているし(当事者側だしなぁ)、朝日は鷹揚というか、全般的にピントがずれまくりの感がある。日経は株取引についての法整備の話になっている。これはこれで間違ってはないのだろうけど、こちらの関心からはズレてるような。
 日本のマスコミが守られねばならないほど大したものか、と思うところはあるが、だからってこの買収が是ってことでもないんだよなぁ。
  極東ブログ ではフジテレビがニッポン放送株30%を取得した時点で堀江社長の勝ちはない、と読んでるようだが、あまりに門外漢すぎてこれが正しいのかどうかもよくわからない……ニッポン放送も新株の予約をフジテレビにしたということで、まあ多分確実に堀江氏の買収劇自体は失敗なんだろうな。堀江氏が痛い目を見るのかは良くわからないけど、ライブドア株で損した人たちは確実に痛い目を見たわけで、やっぱ情報の収集と分析ってのは自己防衛のためにも大事だなぁ、と。さらに国防・外交の場合もそうだと話を広げると、ネット右翼呼ばわりされるからやめておこう。いや、当たり前の話なんだけどさ。
 しかし傍から見てる分には面白いんだが、周囲の人はたまらないんだろうなぁ。>堀江社長

 イランの地震も大変なことになっているみたいで。 イランでは一昨年(2003年)にも南東部ケルマン州バム市で震災 があり、四万人を超える死者をはじめとする甚大な被害を負った。今回の地震もケルマン州。1990年に北部でも震災が襲い、キアロスタミ監督の「そして人生はつづく」で震災後の様子が描かれていた。今回の地震はM6.4というから、一昨年の地震とほぼ同等(M6.3)ということになるのだろうか?(マグニチュードが1違えばエネルギーは32倍違うんだけど) あまり豊かでない人も多いだけに、今回の震災の被害も気になる。

 「農大物語もやしもん」かと思ったら、いつのまにか「もやしもん」単体になってたみたいで。変遷としては「農大物語」→「農大物語もやしもん」→「もやしもん」か? 「どろろ」が「どろろと百鬼丸」になったのと逆か(んなわけはない)。調べたら作者の石川雅之氏の ホームページ があるようで。さらに主人公・沢木の 農大のホームページ も。(後者はまだほとんどなにもないけど)

  朝目新聞 経由で 小太郎ぶろぐ で紹介されている 分解するアウディA6ひろぶろ さんで紹介されている ロンドン観光中の家族のホームビデオがとらえた突如起こる戦闘 (ゲームのCMらしいです)。映像ネタをメモ。


2005年02月24日(木) 旧暦 [n年日記]

[アニメ] やっぱりいつもの

  舞-HiME はなんつーか、どいつもこいつもキレまくりすぎ。キレやすい十代? そんな簡単に殺す殺す言わない!
 多すぎるキャラを立たせてはいたがきちんと描けなかったことがこの段になって裏目に出たか? 美術教師は引っかき回すだけ引っかき回して道化状態。タコ髪娘はひょっとして自覚なしにやってるのか? 終盤にかけてちゃんと収拾がつくのか不安も。う〜ん。

  ファンタジックチルドレン #21。ついに反逆者ゲオルカたちの手に落ちてしまったヘルガ。ティナの弟デュマはまだ見ぬティナを復活させることだけが人生の望みだったと説得するが、すでにヘルガとしての人生をまっとうすることを決意した彼女の意志は変えられない。結果、強制的に転生装置にかけることに。トーマやベフォールの子供たちはゲオルカの野望を止め、ヘルガを助けようと転生装置のある施設の元へ駆けつける。一方、ゲルタ博士はデュマの「お前こそベフォールの子供たちの仲間だ」という言葉の真意を知るため、封印されたルーゲン博士の金庫をこじ開ける……
 話はいよいよ佳境に。転生は阻止できるのか? ベフォールの子供たちの運命は? トーマとティナの人生との関係は? いや、舞-HiMEが欝展開、というかややなんだかなあ、という感じなので、こっちが楽しみで。主人公をいじめるためじゃなくって、もっといろいろ有機的につなげてほしいよなぁ。この作品みたいに。

[その他] いろいろあって脱力中

 気合入れんと。でも入らん……
 ライブドア買収の件は、はたから見てる分には面白いが、なにも判断ができんとそれ以上ではないよなぁ。堀江社長を破壊者とかトリックスターになぞらえてる向きもあるが、そんなもの結果が見えないとただのお騒がせか有意な破壊かなんてわからない。まあ、先を見通せる賢者ならぬ身としては取りあえず無責任に楽しむしか出来ない。でも、ほりえもんに放送業務に関わってほしくないよなぁ。面白いものが出来るとは思えん。

 明日、昼11:30から、テレビ東京で「新必殺からくり人」放送。一応メモメモ。

 おとといの酒の件ですが、いや、別に催促というわけでなく、単に「もやしもん」を読んだ感想でして、ハイ。いや、そりゃ「なかなかいい酒屋がないよ〜」って愚痴もあるんですが。
 行動圏内にある酒屋は6〜7件、そのうちちゃんと飲める酒がいくらか置いてあるのが3件。試飲させてくれる銘柄とか試飲会とかもあるけど、やっぱなかなか。まあ、探す楽しみがないわけではないんですが。
 酒と言うとM瀬君が前に飲みに行ったときに「空」が美味い、と言って頼んでたけど、ちょっと飲ませてもらった限りでは、確かに飲める酒なんだけど、一杯1800円も出して「飲みたくなる酒」ってわけじゃなかったんだよなぁ。
 ディスカウントストアとかは銘柄の種類は揃えてるんだけど、管理の仕方とか見るときちんとしてることはまずない。吟醸とか大吟醸とかでも、見ると醸造アルコールが入ってたりする。制度的にはそれでも構わないらしいが、なんなんだかなぁ、というか。「原酒」と言いながら醸造アルコールが入ってるのはなぁ。区分的には こんな感じ らしい。原酒は基本的に加水しないって書いてあるけど、醸造アルコールはええんか?
 やっぱり少なくとも試飲の機会が増えないと、日本酒はいろいろ厳しいよなぁ。


2005年02月25日(金) 旧暦 [n年日記]

[その他] ウィザードリィにも萌え化の波が!

 発売されるまで気付きもしなかったけど、 こんなの が出てたんですな。なんつーか、なんでも萌えにすりゃいいってものじゃないと……故・矢野徹先生が見たらなんとおっしゃられるか……いや、案外と「校長をやらせて」とか言うかも……
 しかし、よりによって萌えキャラに「マーフィー」の名をつけることはあるまいに。(確か「Murphy's Ghost」って、Wiz作者の学生時代の嫌な同級生がMurphyって名前で、「ずっと迷宮の中でいじめられ続けるように」ってんで作られたんじゃなかったっけ?)

[必殺] 東海道五十三次殺し旅 日本橋

 必殺シリーズ第11弾「新必殺からくり人」第一話。現在テレビ東京系の時代劇アワー(月〜金AM 11:30〜)にて放映中。
 天保太夫こと泣き節お艶引き入る天保太夫一座は、表向きは小さな旅芸人の一座だが、裏では人々の恨みつらみを金で晴らすからくり人だった。
 ある日、一座の小屋に傷を負った男が転がり込んでくる。役人の追われていた男を一座は庇うが、自身も後ろ暗い彼らは男の正体をいぶかしむ。
 実は男は蘭学者・高野長英。蛮社の獄により入牢させられていたが、破牢し逃亡者として追われていた。
 そんな折、後に言う天保の改革により風紀の過剰な粛清が行われ、天保太夫一座も風紀紊乱により江戸所払いの処置を受ける。
 小屋も焼かれ路頭に迷った一座に、浮世絵師・安藤広重が声をかけ、お艶たちの裏稼業を知った上で、殺しを依頼してきた。依頼は全部で十三件。相手は広重が東海道五十三次を描く中で見てきた人でなしばかり。それを、五十三次の中にひそかに描き込んでいたのだ。
 最初の依頼は日本橋の絵に描かれた大名行列。あぶり出しによって浮き出た家紋は、大名丹波家のものだった……

 「からくり人」「からくり人血風編」に比べるとモチベーション低いんですが、まあ、これまでも感想書いてますんでね。
 必殺シリーズ初の「旅もの」。趣向として面白いのは、実在の絵師安藤広重の依頼により東海道五十三次に沿って殺しの依頼を遂行していくこと。また、やはり実在の人物である高野長英が「蘭兵衛」と名乗って一座の中にもぐりこむ。必殺で実在の人物がレギュラーの殺し屋なのはこの新からくり人と仕事人激突の山田朝右衛門のみ。ストーリーに深く関わるという意味では、この高野長英のみと言って良いだろう。まあ、まだ第一話では殺しには加わってないんだけどね。
 キャストは「からくり人」から山田五十鈴、ジュディ・オング、芦屋雁之助を引き継ぐが、ほぼ全滅だった「からくり人」を考えれば分かるが、彼らの演じる「お艶」「小駒」「ブラ平」は「からくり人」の「仇吉」「とんぼ」「藤兵ヱ」と別人として設定されている *1 。さらにそれに近藤正臣が演じる上記の「蘭兵衛(=高野長英)」に古今亭志ん生演じる噺家「塩八」が仲間となる。また、安藤広重は「仕掛人」藤枝梅安、「仕事屋」半兵衛、「からくり人」時次郎を演じた緒方拳。殺し屋役ではないが、必殺シリーズでのレギュラー(?)出演はこれが最後となる。また、彼の演じる安藤広重は最終回で意外な正体が明らかにされる。
 予算的には必ずしも潤沢ではないこともあり、また13話の短期シリーズということもあって、「からくり人」や「からくり人血風編」ほど挑戦的なところは見られなくはある。また、BGMもほとんどが使いまわし。が、(まだ凄かった頃の)早坂暁が#1,2および最終話の脚本とシリーズ監修を行っている。
 また、殺しのケレン味もシリーズ中ではかなり高め。お艶は山田五十鈴のいつもの通り三味線のバチなのだけど、芸人一座ということを反映して曲コマ使いの小駒はコマによる殺し、火吹き男のブラ平は火吹きと、派手な殺しを行う(特にブラ平の技は最終回の伏線になっている)。特に噺家の塩八の殺しは巧みな語り口と手と口の動きで相手を催眠状態にさせて屋根の上からダイブさせるという、必殺史上でも類を見ない変な殺し技を見せる。でも塩八は、第七話で……
 この第一話を見て、「あれ?」と思った人もいたかもしれない。実は第一話では必殺シリーズおなじみのOPナレーションが流れないのだ。OPナレーションは第二話からだが、その内容を聞けば第一話で流さなかった意図がわかるはず。
 まあ、少なくとも娯楽時代劇としては楽しめると思いますので、よろしかったら。
*1: ただ、仇吉の本名は「お艶」であったので、なんとなく、イメージ的なつながりはあるのだろう。


2005年02月27日() 旧暦 [n年日記]

[その他] 長唄なんて聞きに行く

 趣味がどんどんおっさん臭くなってくとか言うな!
 実は今月、深+に行った時にマスターに「どうだ?」とか言われて、「第三十回名古屋長唄大会」のチケットを買ってたんでありますよ。いえ、あくまで知的好奇心で、マスターのお師匠さんが実は美人だったからなんてことはないですよ? ええ。
 金山の名古屋市民会館で行われていたんですが、最初は3〜4割くらいの入りで、「まあ、こんなものか」と思ってたんですが、段々人数が増えてきて……最終的には8〜9割の入りに。ううん。
 で、肝心の長唄なんですけど、よくわかりませんでした……
 って言っても、よくわからないのは「どう評価するか」「何を言っているか」ということで……いや、後者は結構笑い事じゃなくって、本当によくわからないんですよ。
 元々歌舞伎とかの伴奏というかBGM兼ナレーションみたいなところから始まったってのがあって、言葉遣いとか節回しの関係もあって、なかなか判りにくい。一応、いくつかは何の話かは知ってるのだけど、それでもわからない。
 でも、そういうのを抜きにして、音楽として非常に心地良くもあるのですよ。いや、寝不足で行ってうっかり船を漕いでしまったってのもなきにしもあらずなんですが。それ以上に、リズムが心地良いんですな。非常に心地よい。良くわからないんだけど心地よい、ってのは、やっぱ説明しづらい。少なくとも昨今のポップスとは次元が三・四段は違いすぎる。

[映画] 岡本喜八監督追悼

 先日亡くなった岡本喜八監督追悼で、NHK-BS2で「助太刀屋助六」を放映した。同監督の遺作でもある。
 全国区では追悼がこれくらい、というのが愕然とする。なんだか悔しい。とてもくやしい。
 しかし、NHK-BS2、 ヒート までやるんだなぁ。 来月 にもいろいろと。「フィラデルフィア」や「L.A.コンフィデンシャル」など、一昔前なら民放でやっていたものも、NHK-BSでしかやらなくなった。なにかは確実に変わっているようだ。


2005年02月28日(月) 旧暦 [n年日記]

[特撮] 文句ばかりもいやなので

  仮面ライダー響鬼 を誉めてみるテスト。え〜っと、前4回よりは面白かったかと……って、誉めてねえ……
 つか、今まで余裕綽々すぎて戦闘シーンが詰まらなさすぎたってのがはっきりわかったんですが。おそらく響鬼ではスタッフは「着ぐるみプロレスショー」にしたくなくって、これまでの戦闘シーンのパターンをわざと崩してるのだろうことはわかる。その志の高さは買うけど、いつまでも視聴者おいてけぼりにしなことを願う。これまでの様式も生まれるべくして生まれたものなので、否定するのはいいけど侮るべきではない。
 他には会話の端々に猛士の組織の情報だとか出してるけど、個人的には思わせぶりのやり方があんまり上手くないかなぁ、と。この手のはやはり井上敏樹が上手かった。あの人の場合、収集をつけないという悪い癖もあるんだけど。もひとつ、ところどころで文字を差し挟むのはあまり効果的でないのでやめた方がいいと思う。文字情報と音情報、映像情報はもっぱら別のもので、見てる側からすると情報処理の様式を切り替えなきゃいけないのでそこで一気に現実に引き戻され、妙に白けてしまう。きちんと融合させる工夫は必要に思える。
 キャラクターの作り方が好みでない、という点はあるけど、それでも挑戦的なところがあり、それはそれでいいと思う。わりと上手く行ってる部分もあると思うし。だけど一歩間違えればスタッフの独りよがりにたやすく陥りそうな部分も多く、老婆心的に心配ではある。

  マジレンジャー は微妙なお年頃の兄貴と弟がいると苦労するという話。多分。この戦隊だとリーダーは誰ってことになるんだ? やっぱアニキサラダのグリーン? まあ、レッドがリーダーでない戦隊は初ではないし。レッドは切り込み専門か。4体合体でドラゴンになるってのは知ってたけど、こういう合体か。来週は五体合体で巨大ロボに。ちゃんと頭部を見てなかったけど、魔法使いのイメージで帽子をかぶったようになってるのだな。それと合体後は普通のロボのように「乗り込んでる」形になってるよう。
 しかし響鬼といいCGや合成をかなり多用してるけど(マジレンジャーは合体前のロボの大きさがそれぞれかなり違う)、バンクを多用するにしても大丈夫なんだろうか?

 ところで前作のデカレンジャーから引き続きプロデューサーに名を連ねてるシュレック・ヘドウィック女史(テレビ朝日)はアニメ版「恋風」のプロデューサーも努めてた。いったいどんなふうに見えたんだか。

[必殺] 東海道五十三次殺し旅 戸塚

 現在テレビ東京系昼に放映中の「新必殺からくり人」第二話。
 安藤広重に依頼され、東海道を江戸から京都へと進む天保一座の次の裏仕事の場は戸塚の宿。五十三次の絵には女と道標が赤く浮かび上がっていた。戸塚宿へ至る途中の道標を分かれ道へと進むと、駆け込み寺として有名な東慶寺へと至る。
 駆け込み寺は、当時離婚がままならなかった女たちの最後のよりどころ。今日も東慶寺へと一人の男と女が追っ手を振り切り駆け込もうとする。女の名はおあき。江戸の大店の妻女だったが、故あって嫁ぎ先を逃げ出してきたのだ。
 そんな彼女を追っ手から庇った渡世人風の男。彼は親切めかして駆け込みの世話をなにくれとしてやろうとするが、一部始終を見ていた天保一座はなにか腑に落ちない。おあきと一緒に逃げてきた男に話を聞くと、おあきは妻とは名ばかりに、政府御用達のための接待にと、幕府高官に身体を差し出されていたという。男はおあきの監視役だったのだが、おあきに惚れ、一緒に逃げ出してきたのだ。しかし、その男の話を聞いて、蘭兵衛の顔色が変わる。その接待を受けた高官の名は、蛮社の獄を引き起こした張本人、鳥居耀蔵だったのだ……

 前半はどちらかと言えば凡庸。しかし後半からが俄然面白くなる。駆け込みを手伝うと称して女を女郎に売り飛ばす連中のたくらみが明らかになる、というのはわりとありがちだが、おあきたちの末路、また、その恨みの晴らし方が非常に念が入っている。必ずしも、元凶を断ったからと言って犠牲者が幸せになれるとは限らないのだ。
 また、今回初めて蘭兵衛が殺しに加わる。「鳥居」の名を聞いて顔色を変えたことからその正体を察し、その上で仲間に加えたお艶。その彼女から渡された蘭兵衛の武器は「仕込杖」。かなりの腕前で、殺陣は必殺に珍しくチャンバラ風。とは言え、相手の腕を切り落とすという陰惨な演出もあるのだけど。
 キャスティングで面白いのは、渡世人「お助け紋三郎」を演じるのが岸田森というところか。岸田は「からくり人」では当の「鳥居耀蔵」を演じていた。演じ分け方もわりと見所。