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2002年04月01日(月) 旧暦 [n年日記]

四月バカ一代

 いろいろエイプリルフールネタが出回ってたけど、一番笑ったのは、 コレ でしたわ。微妙にイヤンな絵。
 土日の花見のときに、M瀬くんとなにかタフな話をしたような気がするが、ほとんどおぼえてないや。酔った勢いでわりと調子の良いことを言ってしまった気がするけど……悪いことは言ってない気がするのでいいか。(怖いなぁ) まあ、所詮はどこの世界も、あとは勇気だけだ! ってことで。
 学会中に「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」(アーサー王の聖杯探求譚をパロった低予算ムービー。豪華映像特典多数。満員御礼。熱烈歓迎。買え)がお店に届いたというので行ってみたら、お店が棚卸でお休み。ギャフン。わ〜し〜の〜ホ〜リ〜グレイル〜
  龍騎 は、なんか鬱々とした展開になりそうな予感。アギトのときのように誤解で戦いになったり、それぞれのモチベーションがはっきり見えてるわけでないので暗い展開を予想させるが、「自称正義同士の戦い」というテーマには合ってるのだろう。その意味では楽しみである。でも、正義同士の戦いも空しいのだけど、正義がないというのはもっと空しい。各地の地域紛争で、当事者たちは「昨日まで自分を殺そうとしていた相手と手を取り合えといわれても無理だ」という。それはそうかもしれない。しかし、それでは永遠に殺し合いを続けるほかなくなってしまう。相手を殲滅するなど、不可能なのだ。大事なのは、許容と理解。きっとそう。
 デジモンテイマーズは、ラス1。最終決戦に挑む子供たち。「大人としての義務」を果すため、息子にも内緒でテリアモンに「あるしかけ」をほどこし、自分の罪深さに苦悩するジェンリャの父。樹里を救出しようとするも、ならず、リタイヤして途中退場していくインプモン。友情・努力・勝利、ではない世界。しかし、なにかをなすことを忘れてはいけないし、大人は、たとえ子供に恨まれることになっても、子供たちを導くことを放棄することはできない。インプモンの叫びは樹里には届かなかったが、しかし、アイ・マコの姉弟との心の絆の証拠であるデジヴァイスが救済のようにあらわれる。子供にとってはすっきりしないだろう。でも、少し背伸びの内容かもしれないが、少しだけ大人向けの寓話はなにかを残すかもしれない。それも次回で終わり。楽しみのような、不安のような。
 同じ 小中 脚本の「カスミン」。こちらもある意味お約束だが、悪くはない。こういうのをやらせれば上手いのにねえ……
 GA、七人のナナ、は、まだ見てない。一応、最終話ってことでおねてぃも録画してあるけど、話をあちこちから聞く限りは、個人的にはものすごくどうでもいい最終回の気がする。そもそも、個々の描写レベルはともかく、構成が話になってないから視聴を止めたんだし。なんにしても見てからだなぁ。
 あ、給料日は17日なので、たかる場合はそれ以降にしてね。>関係者各位


2002年04月02日(火) 旧暦 [n年日記]

モンティパイソン全仕事

 「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」DVD入手。嬉しい。でも、しばらく見る余裕があるかわからない。悲しい。
 これに特典としてついてた「モンティパイソン全作品」というブックレットがすごい。本当に、ほとんどすべての仕事が網羅されてる。いや、正直、私の知らないものはあっても、知ってるものがないということはない。すさまじきかな、パイソンズ。すばらしきかな、パイソンズ。
 未消化の「七人のナナ」、「おねてぃ」を見る。ナナは前回までわりと作画が崩れたせいで心配だったが、今回はわりと持ち直している。良かった。内容的にも及第点。本当に面白いものは、ただ「面白い」と言えばいいと言う人がいるが、その通りだと思うので、これ以上は下手に語らぬがよし。
 おねてぃ最終回。途中経過を見ずに最後だけでものを語るのは卑怯なのだけど、でも、やはり見ないでも良かったなぁというのが正直なところ。一つには、個々のシチュエーションを立てることのみに注力して物語る努力をしてないという欠点がまったく改善されてないこと。別に、そういうのが好きという需要もあるので、それは構わない。私の需要ではないが。二つ目には、寓話になっていないということ。寓話というのはたとえ話である。正確には訓話をなぞらえたものなのだろうが、私としては、現実の問題に相対した時に則したストレスを脳に与えるものだと思う。しかし、黒田洋介はそれが出来ない。悪く言ってるのではない。サービス精神ゆえか、どうしてもサービスを入れてしまう。それを作品が望んでいるかはともかく。だから、結局そこで作品の持つストレスは解消されてしまい、寓話たりえない。「リヴァイアス」ですらそうだったんだもの。プロとしては、たいしたものだろう。作家として好きかどうかは別にして。だから、これは根本的に黒田氏の方向性と相容れなかったのだ。そう考えざるをえない。もっと端的に言えば「私の基準ではあからさまな失敗作」なのだけど、別に憎んだり嫌ったりしてるわけでもない。どうでもいい。
 アクエリアンエイジ。高千穂遙氏の感想であった通り、セリフに頼りすぎである。第一話で見せた演出のセンスが感じられないのは残念。しかし、物語のカタルシスに必要なパーツは一応揃っており、かろうじて寓話たりえてる。その意味ではそんなに悪くない。
 今、ちょっとだけ「ホーリーグレイル」見たけど、これはすごすぎ! モンティ・パイソンファンなら絶対に買わねば末代までの恥。とにかく見てみる。すごいから。(でも明日は結構早いから、続きはお預け。ううT_T)
P.S.ハリーポッターでジョン・クリーズがクレジットされてたけど、どこに出てたかわからなかった。が、上の『モンティパイソン全作品』でようやく「ほとんど首なし」公の幽霊だとわかった。あ〜、アホっぽい貴族とか金持ちやらせたら右に出るものいないわ。
P.S.2 すいません。確かにカスミンの最新二部作は吉田玲子さんでしたわ。メインライターが 小中 さんだと勘違いしてた。
P.S.3 誘拐犯の人はただの人間。ワイルド・ボーダー(モンスター)にたまたま襲われただけ。それと、マグナ・グガでなくマグナ・ギガ。


2002年04月03日(水) 旧暦 [n年日記]

花見小隊設立

 実験中、修士課程のK田君と「ウチの研究室って、花見とかやらないねえ」という話をする。いや、もう花なんて散ってるって、と突っ込むものの、なにも季節のイベントがないというのはあまりにも寂しい。誘えば喜んで参加する人は多そうである。じゃ、今週末か来週末にやる? とかなり勢いで花見の開催が決定。飲みの参加強制は良くないけど、人間社会に潤滑油ってのは必要よね〜。ずいぶんアルコール度数の高い潤滑油だけど。
 ちょいと秘密な入手経路で、「デジモンテイマーズ」最終回を入手。作画的にきびしいところや、サクヤモンが美人に描けてねえ! とか、語り足らずで舌ったらずなところはあるのだけど、それでも良かった、と言っておこう。別れ、もしくはなんらかの痛みを乗りこえてこその犬と少年ものである。それがきっちり描けていた。子供たちとデジモンを別れさせる結果になるとわかっていて、あえてその方法を選択せざるをえなかった大人たちも良い。テイマーズのテーマがわからないってヤツは(好きか嫌いか、評価が高いか低いかは別として)ものが見えてないんじゃないかと言いたい。と言っても、私がベタ褒めしてるのは好みだからという以上の意味では、あまりないけど。
 ゆうべ、ハッピーレッスンをやっていたのでなんとなく見てしまう。なんだ、OVAの一話じゃん。一話のみOVAと同じで、後は完全に別か。なんか、変な戦略だなぁ。
 三月末までどうしようもなく鬱だったのに、四月に入ったとたん、躁転する現金な性格。しかも、反動のせいか躁状態がかなりひどい(多分、わからん人には酷い躁ってのがどういうことか分からないと思うけど)。せいぜい自重しないと。
  NHKの「人間講座」において、京大霊長類研の松沢先生が出ていた 。一回目の内容を見る限り、一年前の学会で聞いた公演と同じ筋立てのようだ。この先生はチンパンジーにかなり思い入れを持っていて、サル呼ばわりすると「チン・パン・ジー」(音節でちゃんと区切る)と訂正する、なかなか愉快な先生。多分、次回以降もなかなか面白い話が聞けると思う。
 大須の グッドウィル に、かの有名な生首ゲー Tomak が山積み。男気と洒落心は買うけど、ねえ……
 いろいろと消化しないといけないものがあるなぁ……頑張らないと。


2002年04月04日(木) 旧暦 [n年日記]

ゴルゴムの仕業か!?

  阪神開幕5連勝ミスタールーキー (flashあり)のプロモーションでなければ、ゴルゴムの仕業(阪神優勝→大阪人狂喜乱舞→大阪大暴動)以外にありえない、そうにちがいない(失敬なやっちゃな)
 今日、研究室に行く途中で交通事故。出会い頭の事故で、こっちの身体はなんともなかったのだけど、自転車が目の前で車の前輪に「つぶされる」光景はなかなかショック。悲しいとか苦しいでなく、単純にショック。実はワタクシ、過去に都合三回、似たような事故を起こしている。ニ回は被害者、一回は加害者である。今回は一応被害者。しかし、違ったのは今回は相手が恐縮してびびりまくってしまっていた事だった。過去三回のうち、被害者側一回、加害者側一回でそれぞれヤンキー上がりと当たっている。今は昔ほど「ヤンキーは頭が悪い」という先入観を持ってるわけではないが、彼らの流儀はわかっているつもりだ。こういう場合、とにかく押しで来る。欲の皮とか以前に、彼らのイメージする男らしさが原因だろうが、自分に非があろうがなかろうが、負けまいとする。相手があからさまに強い場合にはともかく、勝ち目がありそうな相手ならなおさらだ。だから時々理屈が無茶苦茶になる。その結果、一回は負け、もう一回は勝ちを収めてる。勝ち負けってのは変だが、多分、彼らの流儀で言えば、そうなる。過去三回のうちの残り一回は高校時代の話で親が出たので、こちらは矢面には立たなかった。で、今回、そういう相手でない相手と初めてかちあったのだ。ヤンキーの押し相手には、とにかく、「簡単に無条件に非を認めない」「事実を確認するまで、軽はずみに返事を決めない」「(向うはこっちがびびって混乱して余裕がないうちにたたみかけようとするので)落ち着いて、長期戦で挑む」など、対応がだいたいわかって来たのだけど、今回のような場合には却って困ってしまった。いや、毎度ゴネ慣れてる相手と事故起こすのも困るんだけど。で、警察に届け出た後、落ち着いて話し合って(っつっても向うは混乱しっぱなしなんだけど)、ひとまず示談。身体のほうに影響が出てきたら、それはそれで別に話し合わなきゃいけないけど、本当にどこもぶったりしてないので影響の出ようはない。と言っても、先方が混乱しっぱなしだったから、向こうが落ち着いて今回の示談に異論を唱えてきたら、理性的に対応するつもり。相手の弱みにつけこむみたいな示談のし方は、こっちも本意ではない。
 ゆうべ、「 .hack//sign (要flash)」を見る。この手のネタはわりとありがちで、ゆえに陳腐でわかりにくくなりがちなのだけど、それをわりとうまくこなしている印象。脚本が平成ガメラシリーズなどの伊藤和典氏だった。作画レベル(私の場合は、単純に演出とか構図を含めない作画のこと)が第一話のわりにはそんなに高くなかった気がする。構図的に面白いところは多かったので、どうなるか、期待半分不安半分で見守りたい。
 今期はなにげに粒が揃ってるかも。
 今日は事故関連で早目に研究室を退けたので、ちょっと余裕有り。モンティパイソンを見よう。


2002年04月05日(金) 旧暦 [n年日記]

導きの星

 学会期間中に小川一水氏の「導きの星」を読了。うん、小川氏の本の中では一番好きかもしれない。いろいろ元ネタが見えるのだけど、上手いこと流用してるなぁ、という感じもある。微妙に萌え路線を意識しながらも萌えにはできてないところとかもいい。ただ、全般的に「シム××」みたいな感じがしてしまうのはいたしかたないところだろうか。歴史好きとしては、ちょっと人類文化史としては不満が残るところはある。ちょびっとだけ。
 昨日は「事故って自転車全損になっちゃったんですよ〜」とヘラヘラしながら話したら心配を通り越して怒られました。(^^; いや、だから別にからだはどこもぶつけてないんだってば。
 テレビでスピード2をやっている。スピード感0なのにスピード2とはこれいかに? 教えてヤン・デ・ボン!
 今日は、なにげに昨日の事故のぶりかえしか、昼頃すこぶる調子が悪かった。風邪気味でもあるっぽい。大須を回らねばならない用事があったのだけど、ふらふらしながら回っていた。 グッドウィル 新情報百貨店に行くと、階段で団子になって話し込んでる奴らが鬱陶しくてしょうがない。何度どなりつけようと思ったか。階段を上り下りするだけでもしんどい体調だったのだ。ホントにむかついた。
 空腹でもあったので、なんか店舗を移設したらしい 銀だこ へ行く。やっぱりたこ焼きは経木にかぎりますよねえ。とか言いつつ初体験。確かに外はカリッ、中はトロ、としていてうまいのだけど、近所のたこ咲のほうが個人的には好き。でもおいしいのはたしか。新店舗開店記念なのか、粗品にマグカップを貰った。研究室で使おう。
 自転車が壊れているので、移動は地下鉄である。私が住んでるのは植田なのだけど、その二つ手前の八事(七事じゃないよ)で停車時間がやけに長引いた。乗客が「なにかあったのかな」と口にし始めたところで、ようやく車両が動き出す、が、動き出してすぐに急ブレーキ。また止まる。なにごとだ? と思ったところに「ただ今、飛び込みがありました……」のアナウンス。ちとびっくり。東京中央線辺りはその手のは多いらしいけど、名古屋で出くわしたことはついぞない。どうなってるんだ、轢いちゃったのか? と思っていたら、まもなく再運転開始。どうやら、轢く前に止まったらしくちょっと安心。と、思ったら、前の席に座ってる若いサラリーマンの様子がちょっとおかしい。もしや……と思ったら、急に席を立って車両のすみっこへ行って……やってしまいました。顔色があんまり変わってなかったから、気分が悪そうに見えなかったのだよなぁ。地下鉄に乗ってこんなことが連続で起こるなんて、流石にはじめて。うーん。
  ちっちゃな雪使いシュガー の最終回を見る。前回の「ミューレンブルグの小さな奇跡」がちとご都合主義的に感じていた部分があったのだが、それすらも踏まえての最終回。第一話冒頭に出ていた空飛ぶピアノと季節使いらしい妖精のイメージが明かされる。その季節使いは、明らかにされてはいないが、やはりシュガーの母だろう。明かすべきところを明かし、そうでないところは想像に任せる。エピローグではそれまでの登場人物総登場だが、日常の風景に溶け込みすぎていやらしさや違和感はない。そして、最期にOPナレーションと同じセリフで締め。上手すぎる。本当に上手いとしか言いようがない。本当に褒めるしかないってものはあるものなんだな。
 ギャラクシーエンジェルも最終回。まあ、こんなんかな。第一期の最終回のほうが個人的には良かったと思うが。でも「でも、今回で最終回ですよ?」は健在。第三期もそれで締めじゃないだろうな?


2002年04月06日() 旧暦 [n年日記]

モンティ・パイソンと聖なる杯

 ひとまず「モンティ・パイソン・アンド・ホーリーグレイル」を見終わる。イイ! ヒジョーにイイ! テリー・ギリアムの未使用素材を用いたというメニュー画面からずぅぅぅぅぅっとパイソンである。音声もオリジナルと5.1ch音声、日本語吹き替えだけでなく、テリー・ギリアム&ジョーンズによる解説、その他出演者(ただし故人のチャップマンを除く)の解説が入る。字幕も各字幕に加えて「本作が嫌いな人の為のヘンリー四世第二部」も入っている。映像特典も実に豪華で、撮影当時のドキュメント、25年経ってジョーンズとエリックがかつてのロケ現場を回るドキュメント番組、レゴによる「キャメロット城シーンの再現」、世にもめずらしい「日本語吹き替えの英語字幕」(どうやら日本版モンティパイソンの吹き替えの妙は海外でも評価されていたらしく、何故か海外版「ホーリーグレイル」にも日本語吹き替えが入っていた)、食料省情報部門による正しいココナッツの使い方、当時の予告編が含まれている。いや、好きでない人にはたぶんとことんどうでもいい話なんだけど。特典の中に、当時の映画評(ボロクソに書かれてる)が含まれてるのもとてもらしい。不必要にサービス満点で、いや、もうおなかいっぱい。
 一部の方にはご心配をおかけしたみたいですが、先日の事故のことは身体のほうも大丈夫で、全損になってしまった自転車も、相手との話し合いで全額補償していただくと言うことで話がついて、先方の保険会社と週明けに連絡を取る予定です。心配して戴いてありがとうございます。
 岐阜の各務ヶ原付近の森林で、大規模な火災があったとのこと。自衛隊まで出動要請が出たらしい。近辺の住民の皆様に、お見舞い申し上げます。
 ついでに阪神七連勝。ほんとに一体どうしたんだ?
 明日は「指輪物語」と「強襲部隊」を鑑賞に行く予定。どっちも楽しみ。


2002年04月07日() 旧暦 [n年日記]

ひとつの指輪は全てを統べる

 ってワケで「 指輪物語 」と「 ブラックホーク・ダウン 」を見てくる。指輪が三時間ってのは知ってたけど、BHDも二時間半ってのは知らなかった。ひさびさにわりとつかれた。
 「指輪物語」、監督のピーター・ジャクソンって聞いたことあるなぁと思ったら、一部で有名な悪趣味バカホラー映画「ブレイン・デッド」の監督かぁ。見てないけど。いや、スプラッタは苦手だもの。
 感想。実にいい感じで映像化してるのではないんでしょうか? 知ってる人は少ないけど、昔、アニメ版の指輪物語ってのがあって、それはさらに無茶苦茶短くしてあるのだけど、正直三時間でも原作をフォローするには全然足りない。わりと豪快な力技も使ってるが、娯楽として考えると悪くはない。なにせ、原作、途中まで無茶苦茶退屈なんである。まず、旅立つまでが長い。旅立ってから、事件らしい事件が起こるまでが長い。なんやかやで長い。しかし、映画では「なんとなく」になっているひとつひとつの選択には、すべてそこに至るまでの経緯があり、それが丁寧に追われている。必ずしも見る必要はないのだが、原作を読んでおいたほうが腑に落ちることが多いはずである。話としては、原作の一部よりボロミアの葛藤が描かれている。細かいことは書かないけど。あと、最後のシーン、 サムは水が嫌いで船に乗るにもすごい反発をする ということを知ってると、より泣けます。パンフを見ると、二部からオリジナル要素が強くなるそうで、楽しみ半分。あと、スティンガーだけは是非「つらぬき丸」のままで行って欲しかった。2.5点。
 「ブラックホーク・ダウン」。原作のことも書いたし、あらすじはパス。大筋は原作に沿っている。映像も激しい戦闘が実際にどのようなものだったのかをうかがわせる戦闘描写が全編にわたり繰り広げられる。その描写に容赦はない。が、ひとつ不満なことがある。戦闘描写はタフなのだが、その背景となる情勢の描写はとたんに娯楽戦争映画のそれになってしまっているのだ。それはいたしかたない面はあるが、しかしソマリア側の事情が大きく削られているせいで、戦争賞賛的な内容に見られかねない。たしかに危機的状況に陥った際のレンジャーやデルタフォースの行動は感動を覚えるが、しかし無闇に彼らを賞賛することもためらわれる。というのも、そもそもの状況が深く複雑な部族間の抗争に根ざすソマリアの問題を、アメリカが(おおむね)無邪気な善意で、牛刀で快刀乱麻を断つ解決をしようとしたところにかなりの無茶があるのだ。映画ではアイディドが悪の首魁であり、米軍はそれを倒す正義の味方的に書かれているところもあるが、それはそうではない。原作自体に、こう書かれている。
ソマリアは、そういう地域の人々がいまのような状態にあるのは、彼らに大きな責任があることを教えてくれた。憎悪と殺し合いがつづくのは、彼らがそう望むからだ。あるいは、彼らが、それをやめようと思うほどには、平和を望んでいないからだ(早川書房「ブラックホーク・ダウン アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録」(下) マーク・ボラン著・伏見威蕃訳 P283 13-16行目)
 そして、責任は現地民のみでなく、それを認識せずに武力で平和を押し付けられると思ったアメリカにもある。その前段階での責任をさておくとしても。無論、末端の兵士に政治的判断の責任が強くあるわけではない(一アメリカ国民として以上にはない)。だが、彼らは行動を選択した。結果のともなわぬ行動はない。彼らは勇敢で立派だった。だが、その出発点と結果とを考えると、素直に賞賛はできないのだ。1.5点。


2002年04月08日(月) 旧暦 [n年日記]

花見終了

 構想四日、実働時間四時間という諸星大二郎の「暗黒神話」(構想十年、連載期間十週(打ち切り))のようなハイペースで花見が終了。花なんてもうないだろうって? ノンノン、鶴舞公園にはちゃあんとありますよ。チューリップが……あんだよう、もんくあるのかよう。
 かなり「いいかげん」に企画・実行した花見でしたが、それなりに喜ばれたようでこちらも満足。でも明日は休日でなし。ふむー。
 先週終わった「寿蘭」に続いて「 電光超特急ヒカリアン 」が始まっていた。以前、早朝にやっていて「超特急ヒカリアン」の続きらしい。見てなかったからしらないけど。キャラクター原案が「カザン」の宮尾岳氏。と言うのは前から知っていたけど、見ていなかった。(おいおい
 が、なんとなく見てみると、シリーズ構成が井上敏樹氏。一体何本仕事手がけてるんだよ……見ると、微妙にいい奴の悪役(声が千葉繁)とか、微妙にいい奴でない正義の味方とか、 キャラクター紹介 見て「まだ全然引っ込み思案のままだろ」と突っ込みたくなる主人公とか、確かに井上氏らしいと言えばこのうえなくらしい。他にもいまいちカタルシスを得られない戦闘シーンとか……げほ、ごほ。ちょっとだけ見続けてもいいかも、と気が迷ってしまった。
 ちと時間帯は前後するけど 龍騎 は妙にゴローちゃんがいい味を出してた。でも戦闘シーンは短め。ゾルダのファイナルベント「エンド・オブ・ワールド」はかなり無茶。次回からは蓮の過去にからむ話らしい。とともに、脚本が井上氏から再びメインの小林氏へバトンタッチ。また雰囲気ががらっと変わりそう。
 オフィシャルの ライダーズ極秘設定資料 (要flash)にアナザーアギトが。空飛べたんか……デビルウィング?
 昨日、映画鑑賞から帰るとBSでアトム特集をやっていた。なぜアトム? と思ったら、アトム生誕−(マイナス)一周年記念らしい。レトロフューチャーに魂を惹かれすぎてはいかんのだよー。と言いつつ、「文法」などが(ほぼ)根こそぎ存在していなかったかの時代において、バリバリとブルドーザーのように道を切り開いていった手塚治虫氏のパワーにはただただ驚嘆するばかり。あやかりたいものです。
  ネカマに暴行 。気をつけねばなりませんなぁ。(何に?)
  私物PCを店先で叩いて壊したら切腹よ 。「治安びんらん」って何かと思ったら、「治安紊乱」か。漢字で書かれないとわからんぞ。
 先週の「フルメタルパニック」(修正。たしかにFMJも一番良いのは前半部だが。)を見る。前半部は今までで一番楽しいかもしれない。後半部は、まあフツー。悪くない意味でのフツーだけど。妙にスケールの大きな勧善懲悪を持ち込むより、このくらいのスケールのほうが本来しっくりくるんじゃないだろうか?


2002年04月09日(火) 旧暦 [n年日記]

晴のち曇、ところにより時々鬱

 昨日まで結構気分が良かったぶりかえし。わりと鬱が入っている。そんな無茶苦茶でないのは幸い。原因はあれこれ少しずつなのだけど、少し前の自分に苛められてるようなこの感覚はやはり慣れない。それが自分なのだから、付き合わざるをえない。それよか、躁状態で抑制が効かないときにどれだけ他人を傷つけたか、そちらのほうが気になる。あやまるべきなのか、杞憂なのかすらもわからない。こういう後悔が押し寄せてくるから、どこかおかしくなりそうなくらいきつい。
 月の頭に買ってあった「GUN」誌をようやく紐解く。特殊部隊の特集が始まっていて、今月はSAS(英国空軍特殊部隊)。特殊部隊の元祖と言われていて、小説などでもおなじみ。アンディ・マクナブなど、元SAS隊員が書いたと言われる本なども今日ではわりと出てる。SASの主だった概要が簡潔にまとめられていて、結構面白かった。来月はドイツのGSG9だそうで。
 同誌のコラム連載の「カレイドスコープ」で、マカロニウェスタン二十作品がDVD化ということを知る。第二段が4/5発売なので、もう発売されていることになる。一本4800円で20本だから、全部集めると10万円近くなる。いや、さすがにそんなに買えないが、気になるのがいくつかあるんだよなぁ。うーん。
  PS2のネットゲームをうらなうタイトルとして、EvaerQuestが発売予定 だそうな。EQは有名なPCネットRPG。私の知り合いも一時期はまっていた。PCからの乗り換えは出来るのかとか、サーバー負荷は大丈夫かとか、どの程度のユーザーがあつまるのかとか、ちょっと興味がある。
 ゆうべ あずまんが大王 をやっていた。絵柄は原作に非常に忠実で、ストーリーも忠実。っつーか、あの手の「間」で笑わせる四コマ漫画をそのままアニメ化すると、どんなに苦しいことになるかはよくわかりました。溜め、動き、この二つを使いこなせるだけで(って簡単なことじゃないんだけど)随分と面白くなるだろうになぁ、と残念。 高千穂遙 さんのところ見てみると、いいこと書いてありますわ。たしかに、読者に「間」を生み出させるよう誘導する漫画と、作り手が間をきっちり時間的にコントロールするアニメという違いはある。しかし、それ以前に集団作業であるアニメでは難しい。それを意識してなかったか、やろうとして出来なかったかなのだなぁ。悪いとは言わないけど、やはり原作ファンのためだけのアニメになってしまいそうなのは残念。でも、ちよちゃんの声はクルモンの金田朋子さん。いや、それだけなんだけど。
 テイマーズ関連というと、シリーズ構成だった 小中 氏のサイトで デジモンテイマーズ・リソーセズ と題して舞台設定や初期プロット、各キャラの覚書などが公開中。人によっては「いいわけじみて見える」って人もいるとは思うけど、この手の素材ってのは、大人向けアニメなら設定集とか出ることもあるけど、子供向けだとまず出ないのでありがたい。上手く行った部分と行かなかった部分ってのがあるんだなぁ、としみじみ。


2002年04月10日(水) 旧暦 [n年日記]

いや、とくにこれと言って何もなかったんですが……

 昼に前の研究室のS木さんから電話。何かと思えば「野球見ない?」 はぁ?
 なんでもI田さんがなんだかんだでもらった中日・横浜戦のチケットが一枚余ってるのだということ。
「いや、今晩実験するから無理っすよ」
「そういうときに限って実験するのね」
 ……そういうとき以外も実験してます。
 いやいや、期間限定とはいえ、明日のおまんまに不安のない生活というのは良いものです。わりと本気で。
 アフタヌーンの別冊、「シーズン増刊」に新人の漫画「ORDINARY−+」が掲載。女子高生エージェントと女子高生凶手のアレでコレな話。ちとなんだというところもあるけど、上手く行けば化けてくれそうな予感。先が楽しみ。
 あずまんが大王補足。OPとEDは大変面白かったです。うーん、中身は仕方ないのかなぁ。
 気の迷いでHAPPY☆LESSONの二話目を見てしまう。存外まともな出来。まともって言っても、元の設定がかなりアレなのでそれ以上はどうしようもないのだけど、そもそも。OVAはキャラクター商品と割り切ってたってことなんだろうなぁ。
 フルメタルジャケットならぬフルメタルパニックは、先週前半部ほどではないものの、まあ悪くはない出来。
 ゆうべ、イスラエルの思想的徴兵拒否者ヤイール・ヒロ君のドキュメントの再放送を行っていた。イスラエルとパレスチナがかなりナニなことになっている現状で見ると、少し感慨が変わってくる。「ブラックホーク・ダウン」を読んでも思ったのだけど、軍隊内で兵を支えてるのは連帯意識とプライド、その二つなのだろう。それそのものは間違っているわけではない。しかし、それが何かのはずみで志向性を持った攻撃性を加速してしまった時には悲劇になる。無論、兵士は大局的な決定を下す立場ではない。彼らの意識に共感するところもないではない。しかし、外側の人間としては共感しすぎてはいけない。「仲間が傷つけられた」「仲間が殺された」その意識ゆえに(それだけではないが、そういった「彼らと我々」の無意味な区分が一因であることは否めない)泥沼の戦いを繰り返している国が、いくつもいくつも存在してるではないか。逆の立場から見れば、彼らこそ仲間を傷つける敵に他ならない。憎悪の連鎖は断ち切らねばならない。でも、どこで?